JPH0630621B2 - シアンヒドリン誘導体の立体選択的加水分解方法 - Google Patents

シアンヒドリン誘導体の立体選択的加水分解方法

Info

Publication number
JPH0630621B2
JPH0630621B2 JP20724185A JP20724185A JPH0630621B2 JP H0630621 B2 JPH0630621 B2 JP H0630621B2 JP 20724185 A JP20724185 A JP 20724185A JP 20724185 A JP20724185 A JP 20724185A JP H0630621 B2 JPH0630621 B2 JP H0630621B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
cyanohydrin
formula
optically active
general formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP20724185A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6265688A (ja
Inventor
憲忠 松尾
賢 光田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP20724185A priority Critical patent/JPH0630621B2/ja
Publication of JPS6265688A publication Critical patent/JPS6265688A/ja
Publication of JPH0630621B2 publication Critical patent/JPH0630621B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、シアンヒドリン誘導体の立体選択的加水分解
方法に関する。さらに詳しくは一般式(I) 〔式中、R1は低級アルキル基を表わし、R2は炭素数1
〜18のアルキル基を表わすか、アリール基で置換され
ていてもよい炭素数2〜18のアルケニル基を表わすか
または炭素数2〜18のアルキニル基を表わす。〕 で示されるシアンヒドリン誘導体を不斉加水分解し、光
学活性な一般式(II) 〔式中、R2は前記と同じ意味を有し、*は不斉炭素を
表わす。〕 で示される光学活性なシアンヒドリン化合物とその対掌
体のエステルである一般式(III) 〔式中、R1,R2および*は前記と同じ意味を有す
る。〕 で示される光学活性シアンヒドリンエステルとを得るこ
とによるシアンヒドリン誘導体の立体選択的加水分解方
法に関する。
一般式(II)および(III)で示される光学活性シアンヒド
リンおよびそのエステルは、例えばセレブロシド(Cere
broside)(G.Kawai Biochem.Biophys.Acta.,754,248
(1988))などの種々の生理活性化合物の合成中間体と
して重要な光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エステル
に容易に導くことが出来ることから、極めて有用な化合
物である。
本発明者らは、これらの光学活性な化合物の製造法につ
き種々検討した結果、前記一般式(I)で示されるシアン
ヒドリン誘導体を原料としてこれを生化学的に不斉加水
分解することにより、前記一般式(II)で示される光学活
性シアンヒドリン化合物および一般式(III)で示される
光学活性シアンヒドリンエステルが、得られることを見
出し、本発明に到った。
即ち、本発明は、一般式(I)で示されるシアンヒドリン
誘導体に、該シアンヒドリン誘導体に作用してこれを不
斉加水分解する能力を有するシュードモナス(Pseudomo
nas)属に属する微生物由来のエステラーゼを、pH7以
下で反応させ、これを不斉加水分解し、一般式(II)で示
される光学活性シアンヒドリン化合物とその対掌体のエ
ステルである一般式(III)で示される光学活性シアンヒ
ドリンエステルとを得ることを特徴とするシアンヒドリ
ン誘導体の立体選択的加水分解方法に関する。
本発明方法により得られる一般式(II)で示されるシアン
ヒドリン化合物および一般式(III)で示されるシアンヒ
ドリンエステルは、夫々例えば低級アルコール中で塩化
水素ガスと反応させることにより、一般式(IV) 〔式中、R2および*は前記と同じ意味を表わし、R3
炭素数1〜8のアルキル基、ハロアルキル基またはアル
コキシアルキル基を表わす。〕 で示される光学活性α−ヒドロキシカルボン酸エステル
に変換することが出来る。
以下に本発明方法につき説明する。
本発明において、エステラーゼとはリパーゼを含む広義
のエステラーゼを意味し、本発明において用いられるエ
ステラーゼを生産する。
微生物属に属する微生物の具体例としては、例えば次の
菌体が挙げられる。
シュードモナス・フルオレッセンス IF−3081 Pseudomonas fluorescens この菌株は大阪市の財団法人醗酵研究所(IF)または
American Type Culture Collection(ATCC)に保存され、
この保存機関より入手することができる。
また微生物起源のエステラーゼのなかには市販されてい
るものがあり、この市販酵素も本発明の目的に用いるこ
とができる。
本発明に用いることができる市販酵素としては下記に示
すものが挙げられる。
本発明を実施するに際し、原料として用いられる前記一
般式(I)で示されるシアンヒドリン誘導体において、そ
の光学異性体の含量は特に限定を受けるものではない
が、本発明の目的から一般的には、通常の化学的合成法
により得られるほぼ等量の(R)−体と(S)−体とが含まれ
ているいわゆるラセミ体が使用される。
また、不斉加水分解反応は前記微生物を培養した培養
液、培養液、菌体水懸濁液またはそれらの処理生成物
たとえば粗製エステラーゼ、精製エステラーゼを含有す
る水溶液と、該原料のシアンヒドリン誘導体を混合し、
攪拌または振盪することにより行なわれる。必要に応じ
て、非エステル系の界面活性剤は添加してもよい。ま
た、酵素を固定化して使用することも可能である。
この時反応温度としては10ないし65℃が適当であ
り、特に好ましくは20ないし50℃である。反応時間
は通常8ないし48時間であるが、反応温度を高めた
り、活性の高い酵素を用いることによって反応時間の短
縮も可能である。
反応pHはpH7以下とすることが肝要で、pH3.5ないしpH
6.0の範囲に保つことが好ましい。
さらに加水分解によって生成する酢酸などの有機酸によ
るpHの低下を防ぐ為に緩衝液を使用するなどしてpHを一
定に制御することが望ましい。緩衝液としては無機酸
塩、有機酸塩いずれの緩衝液も使用することができる。
基質である一般式(I)で示されるシアンヒドリン誘導体
の使用濃度は反応液に対して、1ないし80w/w%の
範囲、好ましくは5ないし40w/w%である。
このようにして不斉加水分解反応を行なった後、静置分
液、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィーなどの通常の
分離操作により遊離した前記一般式(II)で示される光学
活性シアンヒドリン化合物と、未反応のその対掌体即
ち、前記一般式(III)で示される光学活性シアンヒドリ
ンエステルを分離回収する。
このような分離回収操作の具体例としては、例えば、反
応終了液をエーテル、酢酸エチルあるいはトルエンなど
の有機溶媒で抽出し、この抽出物をシリカゲル等を用い
るカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン−酢酸エ
チル混合溶液で溶出することにより、遊離の一般式(II)
で示される光学活性シアンヒドリン化合物および未反応
の対掌体のエステルを分離取得することができる。
本発明方法の原料化合物となる前記一般式(I)で示され
るシアンヒドリン誘導体において、そのカルボン酸成分
としては、例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸、枯草酸、
イソ吉草酸、カプロン酸などが挙げられ、取り扱いの容
易等から低級脂肪酸が好ましく、さらには入手の容易さ
および経済的な観点から、酢酸、プロピオン酸がより好
ましい。
また置換基R2の具体例としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピ
ル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル
基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基な
どのアルキル基、1−ブテニル基、1−メチル−1−ブ
テニル基、2−プロペニル基などのアルケニル基、フェ
ノキシフェニルビニル基、クロロフェニルビニル基、プ
ロモフェニルビニル基、フルオロフェニルビニル基、メ
チルフェニルビニル基、エチルフェニルビニル基などの
置換フェニルアルケニル基、プロパルギル基、1−プロ
ピニル基、1−ブチニル基、エチニル基などのアルキニ
ル基を挙げることができる。
次に本発明を実施例によって、さらに詳細に説明するが
本発明はこれらの実施例によって限定されるものではな
い。
〔実施例1〜5〕 下記表1に記載の(R,S)体シアンヒドリン化合物の
酢酸エステル600mgとシュードモナス属起源のエステラ
ーゼ(「アマノ」P)15mgを酢酸塩緩衝液(pH5.0)
15mに加え、80℃で攪拌しつつ反応させた。15
時間反応を行った後、反応物を酢酸エチルで抽出した。
抽出液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、
光学活性なシアンヒドリン化合物とその対掌体の酢酸エ
ステルを得た。
この様にして得た光学活性2−ヒドロキシエステルの一
部をとり、(S)−(f)−α−トリフルオロメチル−α−メ
トキシフェニル酢酸クロリドと反応させた後、高速液体
クロマトグラフィーによって分析して光学異性体比を測
定した。
結果を表1に記す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 〔式中、R1は低級アルキル基を表わし、R2は炭素数1
    〜18のアルキル基を表わすか、アリール基で置換されて
    いてもよい炭素数2〜18のアルケニル基を表わすか、ま
    たは炭素数2〜18のアルキニル基を表わす。〕 で示されるシアンヒドリン誘導体に、該シアンヒドリン
    誘導体に作用してこれを不斉加水分解する能力を有する
    シュードモナス属に属する微生物由来のエステラーゼを
    pH7以下で反応させ、これを不斉加水分解し、光学活性
    な一般式(II) 〔式中、R2は前記と同じ意味を有し、*は不斉炭素を
    表わす。〕 で示される光学活性なシアンヒドリン化合物とその対掌
    体のエステルである一般式(III) 〔式中、R1、R2および*は前記と同じ意味を有す
    る。〕 で示される光学活性シアンヒドリンエステルとを得るこ
    とを特徴とするシアンヒドリン誘導体の立体選択的加水
    分解方法。
  2. 【請求項2】上記一般式(I)で示されるエステルにお
    いて、置換基R1がメチル基またはエチル基である特許
    請求の範囲第1項に記載の方法。
  3. 【請求項3】不斉加水分解反応をpH3.5〜6.0の範囲で行
    なう特許請求の範囲第1項または第2項に記載の方法。
  4. 【請求項4】不斉加水分解反応を20〜50℃で行なう特許
    請求の範囲第1項、第2項または第3項に記載の方法。
JP20724185A 1985-09-18 1985-09-18 シアンヒドリン誘導体の立体選択的加水分解方法 Expired - Lifetime JPH0630621B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20724185A JPH0630621B2 (ja) 1985-09-18 1985-09-18 シアンヒドリン誘導体の立体選択的加水分解方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20724185A JPH0630621B2 (ja) 1985-09-18 1985-09-18 シアンヒドリン誘導体の立体選択的加水分解方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6265688A JPS6265688A (ja) 1987-03-24
JPH0630621B2 true JPH0630621B2 (ja) 1994-04-27

Family

ID=16536551

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20724185A Expired - Lifetime JPH0630621B2 (ja) 1985-09-18 1985-09-18 シアンヒドリン誘導体の立体選択的加水分解方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0630621B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6265688A (ja) 1987-03-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU674945B2 (en) Enantioselective hydrolysis of ketoprofen esters by (beauveria bassiana) and enzymes derived therefrom
JPS5847495A (ja) シクロペンテノロン誘導体の生化学的光学分割法
JPH0630621B2 (ja) シアンヒドリン誘導体の立体選択的加水分解方法
JPH0679B2 (ja) 光学活性ベンジルアルコ−ル化合物の製造法
JP2698627B2 (ja) 光学活性アミン及びその誘導体の製造方法
JP3732535B2 (ja) 光学活性α−メチルアルカンジカルボン酸−ω−モノエステル及びその対掌体ジエステルを製造する方法
JPH0632633B2 (ja) 光学活性カルボン酸の製造法
JP2557614B2 (ja) 1―アリールアルキルエステルのエナンチオ選択的切断のための微生物エステラーゼ
JP2639651B2 (ja) 光学活性カルボン酸及びその対掌体エステルの製造法
JP2579766B2 (ja) 光学活性なビフェニル誘導体およびその製造法
JPH0632634B2 (ja) 光学活性カルボン酸エステルの製造法
JP4565672B2 (ja) 光学活性β−シアノイソ酪酸類及びその製造方法
JP3893721B2 (ja) 光学活性化合物の製造方法
JP3007461B2 (ja) 光学活性2−シクロヘキセニル酢酸及びそのエステルの製造方法
JP3836873B2 (ja) 置換2−メチル−プロピオン酸の酵素的分割
JPH0569518B2 (ja)
JP3970898B2 (ja) 光学活性α−メチルアルカンジカルボン酸−ω−モノエステル及びその対掌体ジエステルを製造する方法
JP4746019B2 (ja) 光学活性β−シアノイソ酪酸類及びその製造方法
JPH0688947B2 (ja) イタコン酸1−モノエステルの製造法
JPH0576390A (ja) 光学活性なカルボン酸の製造方法
JP3183764B2 (ja) 光学活性3−クロロ−1,2−プロパンジオール誘導体の製造方法
JPH0965891A (ja) 光学活性α−メチルアルカン酸誘導体の製造方法
JPS6363396A (ja) d−2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロピオン酸の製造方法
JPH01247100A (ja) 光学活性カルボン酸誘導体の製造方法
JPH0751533B2 (ja) 光学活性なテルフェニル誘導体の製造法