JPH06305795A - 原位置コンクリートおよびその製造方法 - Google Patents

原位置コンクリートおよびその製造方法

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JPH06305795A
JPH06305795A JP10157493A JP10157493A JPH06305795A JP H06305795 A JPH06305795 A JP H06305795A JP 10157493 A JP10157493 A JP 10157493A JP 10157493 A JP10157493 A JP 10157493A JP H06305795 A JPH06305795 A JP H06305795A
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gravel
concrete
cement
water
conveyor
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JP10157493A
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English (en)
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Takashi Yamamoto
隆 山本
Yoshiro Yamamoto
与四郎 山本
Shinji Yoshinouchi
真二 吉野内
Masanori Iimura
正則 飯村
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Shimizu Construction Co Ltd
Maeda Corp
Takenaka Doboku Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Maeda Corp
Takenaka Doboku Co Ltd
Shimizu Corp
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  • Preparation Of Clay, And Manufacture Of Mixtures Containing Clay Or Cement (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 コンクリート構造物の施工現場近くで採取し
た河床砂礫等の含水砂礫を骨材としてこれに少なくとも
セメントを加えて混練してなる原位置コンクリートであ
って、骨材の最大粒径が150mm、細骨材率16%以
上、水セメント比35〜100%の範囲で配合したコン
クリート。 【効果】 仮締切工等に要求される充分な強度を発現で
きる上に運搬や施工性も良好であり、また、コンクリー
トの強度等の管理が容易で、安定した品質のコンクリー
トを連続して大量に製造でき、これにより大規模工事と
なる現場においてもこれに充分に対応できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばダム建設工事に
おいて必要な上流および下流の仮締切工などを施工する
際に用いて好適な原位置コンクリートおよびその製造方
法に関するものである。
【0002】ダム建設工事においては、工事期間中の安
全確保、工程管理、品質確保等を図るために、そのダム
建設工事現場よりも上流側に、いわゆる堤体としての上
流仮締切工を予め設けてから本格的なダム建設工事に移
るのが一般的である。
【0003】従来、この上流仮締切工としては、周知の
重力式コンクリート構造、フイルタイプ構造、鋼製ダム
構造などが知られているが、これら従来形式の構造によ
る場合、何れもその施工に手間がかかって施工費がかさ
み、また、不等沈下などの問題もあった。
【0004】ところで、このような上流および下流の仮
締切工は、ダム本体のような高強度のコンクリート構造
物として施工する構造物ではなく、仮締切工としての本
来の役割を果たせる程度に充分な強度を備えていれば足
りるものであり、従って、強度過剰な仮締切工では施工
費がかさみ、一方、強度不足では決壊の可能性も否定で
きないので、この点を考慮しかつ施工性および施工費等
も改善された新規な施工方法の開発が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本出願の発明
者らが鋭意研究した結果、施工現場およびその近くに大
量の含水河床砂礫が存在していることに着目し、この含
水砂礫をスケルトンバックホーにて、セメント、水を加
えて練り混ぜることによりコンクリートを製造し、この
コンクリートをダンプトラックなどの運搬手段で施工現
場に運搬し、ブルドーザーにて薄層撒き出して振動ロー
ラーで締め固め転圧するという工程を繰り返すことによ
り、上流仮締切を施工するという新工法を開発した。
【0006】ところが、この新工法にあっては、特にコ
ンクリートの製造において、粒度調整していない河床砂
礫をそのまま骨材として用いているために、その河床砂
礫の粒度分布や粒径態様などによって硬化後におけるコ
ンクリート自体の強度等に対する影響が大きく左右され
てしまう問題があることが判明した。また、バックホー
によりコンクリートを練り混ぜているために、そのバッ
クホーのオペレーターによって品質にばらつきが生じて
しまう問題もあった。さらに、このようなバックホーに
よる練り混ぜヤード方式では比較的小規模工事では可能
であるものの、大規模工事では、広範囲のヤードが必要
であり、施工機械等も多く必要となる問題もあった。
【0007】本発明は、以上のような点を考慮してなさ
れたもので、仮締切工等に要求される十分な強度を発現
できる上に運搬や施工性も良好であり、また、コンクリ
ートの強度等の管理が容易で、安定した品質のコンクリ
ートを連続して大量に製造でき、これにより大規模工事
となる現場においてもこれに十分に対応できる原位置コ
ンクリートおよびその製造方法を提供しようとするもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
コンクリート構造物の施工現場近くで採取した河床砂礫
等の含水砂礫を骨材としてこれに少なくともセメントを
加えて混練してなる原位置コンクリートであって、前記
骨材の最大粒径が150mm、細骨材率16%以上、水
セメント比35〜150%の範囲で配合されていること
を特徴としている。
【0009】請求項2に係る発明は、前記コンクリート
の単位セメント量が60Kg/m3以上配合されている
ことを特徴としている。
【0010】請求項3に係る発明は、コンクリート構造
物の施工現場近くで採取した河床砂礫等の含水砂礫を骨
材としてこれに少なくともセメントを加えて混練するこ
とにより製造する原位置コンクリート製造方法であっ
て、採取した砂礫の含水比を測定しておく工程と、前記
砂礫の所定粒径以上の砂礫を除去する粒径調整工程と、
この粒径調整した砂礫をコンベアにて搬送する工程と、
このコンベアにて搬送される砂礫の単位時間当りの搬送
量を測定する工程と、この単位時間当りの搬送量の測定
値に基づいて前記コンベアによる搬送途中の砂礫にセメ
ントを順次添加する工程と、このセメントの添加された
砂礫を混合する工程とを有することを特徴としている。
【0011】請求項4に係る発明は、砂礫の搬送工程の
途中においてコンベアの搬送方向の単位長さ当りの砂礫
の重量およびコンベアの搬送速度を検出して単位時間当
りに搬送される砂礫の搬送量を測定することを特徴とし
ている。
【0012】請求項5に係る発明は、砂礫の含水比の測
定結果に基づいて、前記コンベアによる搬送途中の砂礫
に散水することを特徴としている。
【0013】請求項6に係る発明は、製造すべきコンク
リートの水セメント比を35〜150%の範囲に調整す
ることを特徴としている。
【0014】
【作用】請求項1記載の発明では、河床砂礫等の含水砂
礫を骨材として使用するので、通常の場合はこれにセメ
ントを添加して混合するだけでコンクリートが得られる
が、ここでは、骨材として用いる河床砂礫の最大粒径が
150mm、細骨材率16%以上、水セメント比35〜
150%の範囲で配合されているので、比較的少ない単
位セメント量であっても、硬化後においては仮締切工等
に要求される充分な程度の強度を発現する。また、水セ
メント比が35〜150%の範囲になるように配合して
いるので、通常のコンクリートのように流動体とはなら
ずに河床砂礫のその砂礫としての性質も保持された状態
となり、従って機材を利用しての運搬や施工に便利なし
かも経済的なコンクリートとなる。
【0015】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
配合によるコンクリートにおいて、コンクリートの単位
セメント量が60Kg/m3 以上配合されている場
合、水セメント比との関係においても最適な強度を発現
するコンクリートが得られる。
【0016】請求項3記載の発明では、このコンクリー
トの製造において、含水砂礫のうちの所定粒径以上の砂
礫を除去する粒径調整工程を有し、さらに、この粒径調
整された砂礫をコンベアにて搬送する工程と、このコン
ベアによる単位時間当りの砂礫の搬送量を測定する工程
と、この搬送量の測定値に基づいて搬送途中の砂礫にセ
メントを添加する工程と、これを混合する工程とを有し
ているので、コンクリートの連続製造となるにもかかわ
らず、より正確なセメントの添加量となり、これにより
コンクリートの製造や強度等の管理が容易になり、か
つ、品質に及ぼす影響も小さくなる。従って、安定した
品質のコンクリートを連続して大量に製造することが可
能になる。
【0017】請求項4記載の発明では、単位時間当りに
搬送される砂礫の搬送量を測定するのに、砂礫のコンベ
アによる搬送工程の途中においてそのコンベアの単位長
さ当りの砂礫の重量およびコンベアの搬送速度を測定し
て行うようにしているので、単位時間当りに搬送される
砂礫の搬送量が逐次変化してもこれを測定することが可
能となり、これにより、セメントの添加量がより正確に
なる。
【0018】また、請求項5記載の発明では、砂礫の含
水比の測定結果に基づいて、コンベアによる搬送途中の
砂礫に散水するようにしているので、必要な場合にだけ
散水すればよく、しかも散水した場合には、砂礫は搬送
途中であって連続的に移動しているので、まんべんなく
均一に散水される。
【0019】また、請求項5記載の発明では、製造すべ
きコンクリートの水セメント比を35〜150%の範囲
に調整するようにしているので、常に所定の圧縮強度以
上のコンクリートが製造可能になる。
【0020】
【実施例】以下、本発明に係る原位置コンクリートおよ
びその製造方法の実施例を添付の図1および図10に基
づいて説明する。図1は本発明に係る原位置コンクリー
トおよびその製造方法を実施するのに用いて好適なコン
クリート製造装置を示すもので、本発明の原位置コンク
リートおよびその製造方法を説明する前にまず、このコ
ンクリート製造装置について説明する。
【0021】同図に示すコンクリート製造装置は、骨材
となる河床砂礫を投入する原料ホッパー11を備えた原
料供給装置10と、この原料供給装置10から送出され
た砂礫を搬送するメインコンベア20と、このメインコ
ンベア20で搬送される砂礫に対してその搬送途中でセ
メントを添加するサイロ型のセメント供給装置30と、
メインコンベア20により搬送されてきた砂礫とセメン
トとの混合を行う混合装置40と、この混合装置40か
ら送出されるにコンクリートを目的位置まで搬送する製
品コンベア50とを具備した基本構成とされている。
【0022】前記原料供給装置10の原料ホッパー11
の上部には、ここに投入される河床砂礫のうちの所定粒
径以上の砂礫を除去する固定グリズリ12が設けられ、
また、原料ホッパー11の下部には、ここから送出させ
る砂礫の量を一定にするための振動フィーダ13が設け
られている。固定グリズリ12としては、この実施例で
は粒径150mm以上の砂礫を除去できるものが用いられ
ている。
【0023】前記メインコンベア20は、ここではベル
トコンベア方式のものが用いられている。このメインコ
ンベア20の基端部近くには、当該コンベアの搬送方向
の単位長さ(1m)当りの砂礫の重量を測定し、その値
を積算計21へ送るコンベアスケール22が設けられて
いる。また、このメインコンベア20の先端部には、ベ
ルトコンベア自体の速度を測定し、1mピッチの信号を
積算計21へ送る流出検知器23が設けられている。そ
して、積算計21では、これらコンベアスケール22お
よび流出検知器23からの変動する重量情報および速度
情報を演算処理し、その演算結果に基づく制御信号を逐
次、セメント供給装置30のセメントスクリュー31へ
送るように構成されている。
【0024】このセメントスクリュー31は、積算計2
1からの制御信号に基づいて、メインコンベア20上の
搬送途中の砂礫に対してその搬送量に連動した量となる
セメントの添加を行うように構成されている。
【0025】また、前記メインコンベア20には、原料
ホッパー11に投入される砂礫の含水比の測定結果に基
づいて、メインコンベア20による搬送途中の砂礫に散
水するための散水器25が配設されている。この散水器
25は、セメントスクリュー31よりも後段側に、即ち
セメントスクリュー31よりもメインコンベア20の先
端側へ寄せた位置に配設されている。
【0026】前記混合装置40は、セメントの添加され
た砂礫を混合してコンクリートを造る重力型の混合装置
で、メインコンベア20の先端吐出側に配置され、砂礫
およびセメントを混合する傾斜スクリーン41を備えた
構成である。
【0027】そしてこの混合装置40の吐出口の下方に
は、前記製品コンベア50の基端側が配置され、先端側
は製品ストックヤードYへ向けられて、混合装置40で
混練され造られたコンクリートがその製品ストックヤー
ドYへと搬送される構成となっている。なお、製品スト
ックヤードYにおいては、製品ストックに加え、ダンプ
トラックに直積みされて近くの施工現場まで直送され
る。
【0028】このように構成されたコンクリート製造装
置を用いて、本発明に係る原位置コンクリートおよびそ
の製造方法について図2に示すフロー図および図3〜図
10に示す各種試験結果を参照しながら以下に順次説明
する。まず、施工すべき上流仮締切の施工現場近くに、
あるいはその河川領域において充分な量の河床砂礫を採
取可能な領域付近に、上記コンクリート製造装置を設置
する。
【0029】そして、近くの河床砂礫をバックホーやク
ラムシェルなどにより採取して、原料供給装置10の原
料ホッパー11に直接あるいはベルトコンベア等を設置
して間接的に投入する。なお、このとき、原材料である
河床砂礫の含水比を予め測定し確認しておく。この含水
比は河床砂礫の場合には通常ある一定の範囲内(平均8
0%位)であるのが普通なので、特に問題とならない
が、もし所定値以下であれば、この含水比情報を給水情
報として確認しておく。
【0030】原料ホッパー1に投入された砂礫は、固定
グリズリ12によって150mm以上のオーバーサイズの
ものが除去され、それ以下のサイズの砂礫が原料ホッパ
ー11の下方へ落下し、そこで振動フィーダ13の作用
によってほぼ一定量づつメインコンベア20へ吐出され
る。
【0031】メインコンベア20へ吐出された粒径調整
済みの砂礫は混合装置40へと搬送されていくが、その
搬送途中において、セメント供給装置30のセメントス
クリュー31から必要量のセメントが順次添加される。
このセメントの添加量は積算計21からセメントスクリ
ュー31へ出力される制御信号により最適なセメント添
加量となるように自動制御される。即ち、積算計21は
コンベアスケール22および流出検知器23からの重量
情報および速度情報に基づいて、メインコンベア20上
の単位長さ(実施例では1m)当りの砂礫の重量に対す
る最適なセメント量を演算処理し、この演算結果をセメ
ントスクリュー31へ出力する。そして、セメントスク
リュー31はこの制御信号に基づいて単位時間当りのセ
メントの送り出し量を調整し、これにより常に砂礫の搬
送量に連動した量となるセメントの添加を行う。ここ
で、単位セメント量としては、80kg/m3程度に予
め設定されている。
【0032】こうしてセメントの添加された砂礫はメイ
ンコンベア20により混合装置40へと搬送され、その
混合装置40の傾斜スクリーン41によりセメントと砂
礫とが混合されてコンクリートが製造される。そして製
造されたコンクリートは混合装置40の下方から送出さ
れ、製品コンベア50によって製品ストックヤードへと
搬送される。
【0033】なお、この混合装置40により製造される
コンクリートは、その水セメント比が、含水した河床砂
礫を骨材として使用している関係で通常の場合35〜1
00%程度になるが、何等かの原因により35%以下と
なることが予想される場合には、例えば河床砂礫の含水
比の測定結果とセメントの添加量や天候などとの関係か
ら予想される場合には、散水器25により散水して35
%以上、好ましくは50%以上となるように水セメント
比を調整しておくようにする。
【0034】なお、実施例においては、表1に示す配合
および管理基準に基づいてコンクリートを製造した。
【0035】
【表1】
【0036】また、含水比試験、圧縮強度試験、単位セ
メント量試験、現場密度試験等を表2に示す方法、頻
度、条件等により実施した。
【0037】
【表2】
【0038】この結果、現場密度試験では、湿潤密度
2.2t/m3 、 圧縮強度試験では平均40Kgf
/cm2、単位セメント量試験では平均82kg/m3
であった。
【0039】ところで、骨材に砂礫を用いるこの原位置
コンクリートおよびその製造方法を実施するに際して
は、特に硬化後におけるコンクリートの圧縮強度を把握
しておく必要性があり、しかもこの圧縮強度はコンクリ
ートの配合や混練に加え、その施工方法との関係等にお
いても左右されるので、これらの点を考慮した所定の配
合および管理値のもとに、次のような各種試験を行いそ
の有効性を確認したうえで実施したものである。
【0040】即ち、まず試験概要としては、表3に示す
ように、1.予備試験(現場での手練りによる配合試
験)、2.室内配合試験(手練りによる配合試験)、
3.施工方法検討試験(現場練混ぜ、転厚試験)、4.
現場施工試験(現場練混ぜ転厚試験)が挙げられる。そ
して、これらの試験のうち、1.の予備試験では配合の
目安をつけるために、各配合毎の練り上がり状態の違
い、単位セメント量−圧縮強度関係、単位水量(水
セメント比)−圧縮強度関係、等の項目について試験し
た。
【0041】
【表3】
【0042】また、2.の室内配合試験では、コンクリ
ートの強度、変形、透水特性を把握し、施工管理値を決
定するために、各単位セメント量における「水セメント
比−密度関係」および「水セメント比−圧縮強度関係」
について試験し、図3および図4、図5および図6、図
7および図8にそれぞれ示すような結果が得られた。さ
らに、三軸圧縮試験では図9および図10に示すような
結果が得られた。
【0043】そして、この室内配合試験から、以下のよ
うな点が判明した。 イ.締固め度に対する水セメント比の影響は小さい。 ロ.単位セメント量の増加に伴い圧縮強度は増加する。 ハ.圧縮強度に対する水セメント比の影響が兼著。 ニ.各単位セメント量に対して最大強度を発現する最適
な水セメント比が存在する。 ホ.強度定数と単位セメント量・水セメント比・粒度
(細骨材率)との相関関係は明確にされていないが、無
処理の河床砂礫と比較して、粘着力・内部摩擦角とも増
加する。
【0044】また、図6で示されるように、仮締切工を
施工する際の圧縮強度の管理値である設計強度を5Kg
f/cm2 、単位セメント量を80kg/m3 とした
場合、水セメント比の範囲αはほぼ0.35〜1.5の
範囲に、即ち35〜150%となる。従って、実施例の
ように表1に示す配合および管理値が極めて効果的であ
ることが認められる。
【0045】一方、図4で示されるように、単位セメン
ト量が60kg/m3 の場合には水セメント比が35
%以下では強度不足となって実用的でない。また、図8
で示されるように、単位セメント量が100kg/m3
の場合には強度過剰となり、セメントの使用量が多く
なって不経済であることが理解できる。
【0046】なお、実施例においては、上流仮締切工を
施工する際に特に好適なコンクリートおよびその製造方
法について説明したが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、例えば砂防ダム本体、あるいは河川等の築
堤、または強度上許容されるコンクリート構造物を施工
する際のコンクリートおよびその製造方法としても適用
できることは言うまでもない。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による原位
置コンクリートおよびその製造方法によれば、以下のよ
うな種々の優れた効果を奏する。請求項1記載の原位置
コンクリートでは、河床砂礫等の含水砂礫を骨材として
使用するので、通常の場合はこれにセメントを添加して
混合するだけでコンクリートが得ることができるが、こ
こでは、骨材として用いる河床砂礫の最大粒径が150
mm、細骨材率16%以上、水セメント比35〜150
%の範囲で配合しているので、比較的少ない単位セメン
ト量であっても、硬化後においては仮締切工等に要求さ
れる充分な程度の強度を発現させることができる。ま
た、水セメント比が35〜150%の範囲になるように
配合しているので、通常のコンクリートのように流動体
とはならずに河床砂礫のその砂礫としての性質も保持し
た状態となり、従って機材を利用しての運搬や施工に便
利であり、しかもこのようなコンクリートを施工現場近
くの含水砂礫を用いて製造するようにしているので極め
て経済的なコンクリートを提供することができる。
【0048】請求項2記載の原位置コンクリートでは、
請求項1記載の配合による原位置コンクリートにおい
て、コンクリートの単位セメント量を60Kg/m3
以上配合した場合、水セメント比との関係において最適
な強度を発現するコンクリートを得ることができる。
【0049】請求項3記載の原位置コンクリート製造法
では、コンクリート構造物の施工現場近くで採取した河
床砂礫等の含水砂礫を骨材としてこれに少なくともセメ
ントを加えて混練することにより製造する原位置コンク
リート製造方法であって、採取した砂礫の含水比を測定
しておく工程と、前記砂礫の所定粒径以上の砂礫を除去
する粒径調整工程と、この粒径調整した砂礫をコンベア
にて搬送する工程と、このコンベアにて搬送される砂礫
の単位時間当りの搬送量を測定する工程と、この単位時
間当りの搬送量の測定値に基づいて前記コンベアによる
搬送途中の砂礫にセメントを順次添加する工程と、この
セメントの添加された砂礫を混合する工程とを有してい
ることを特徴とするものであるから、コンクリートの強
度等の管理が容易で、安定した品質のコンクリートを連
続して大量に製造でき、これにより大規模工事となる現
場においてもこれに充分に対応できるという優れた効果
を奏する。また、このように、コンベアにて搬送途中の
砂礫にセメントを添加していくので砂礫に対してセメン
トをまんべんなくかつ均一に添加することができ、この
結果、混合装置での練り混ぜもその分、短時間でより効
率的に行うことができ、この点からも安定した品質のコ
ンクリートを連続して大量に製造できる。
【0050】また、請求項4記載の原位置コンクリート
製造方法においては、単位時間当りに搬送される砂礫の
搬送量を測定するのに、砂礫のコンベアによる搬送工程
の途中においてそのコンベアの単位長さ当りの砂礫の重
量およびコンベアの搬送速度を測定して行うようにして
いるので、単位時間当りに搬送される砂礫の搬送量が逐
次変化してもこれを測定することが可能となり、これに
より、セメントの添加量をより正確に行うことができ
る。
【0051】また、請求項5記載の原位置コンクリート
製造方法においては、砂礫の含水比の測定結果に基づい
て、コンベアによる搬送途中の砂礫に散水するようにし
ているので、必要な場合にだけ散水すればよく、しかも
散水した場合には、砂礫は搬送途中であって連続的に移
動しているので、まんべんなく均一に散水できる効果が
得られる。
【0052】また請求項6記載の原位置コンクリート製
造方法においては、製造すべきコンクリートの水セメン
ト比を35〜150%の範囲に調整するようにしている
ので、最少量の単位セメント量で常に所定の圧縮強度以
上のコンクリートが製造可能になり、しかも水セメント
比の範囲がこのように比較的広い範囲となるので、製造
管理も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す装置の概略側面図であ
る。
【図2】本発明の実施例を示すフロー図である。
【図3】本発明の実施例による締固め試験結果を示す表
示図である。
【図4】本発明の実施例による圧縮強度試験結果を示す
表示図である。
【図5】本発明の実施例による締固め試験結果を示す表
示図である。
【図6】本発明の実施例による圧縮強度試験結果を示す
表示図である。
【図7】本発明の実施例による締固め試験結果を示す表
示図である。
【図8】本発明の実施例による圧縮強度試験結果を示す
表示図である。
【図9】本発明の実施例による三軸圧縮試験試験結果を
示す表示図である。
【図10】本発明の実施例による三軸圧縮試験結果を示
す表示図である。
【符号の説明】
10 原料供給装置 11 原料ホッパー 12 固定グリズリ 13 振動フィーダ 20 メインコンベア 21 積算計 22 コンベアスケール 23 流出検知器 25 散水器 31 セメントスクリュー 40 混合装置 41 傾斜スクリーン 50 製品コンベア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 与四郎 東京都千代田区富士見二丁目10番26号 前 田建設工業株式会社内 (72)発明者 吉野内 真二 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 飯村 正則 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中土木内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート構造物の施工現場近くで採
    取した河床砂礫等の含水砂礫を骨材としてこれに少なく
    ともセメントを加えて混練してなる原位置コンクリート
    であって、前記骨材の最大粒径が150mm、細骨材率
    16%以上、水セメント比35〜150%の範囲で配合
    されていることを特徴とする原位置コンクリート。
  2. 【請求項2】 前記コンクリートの単位セメント量が6
    0Kg/m3 以上配合されていることを特徴とする請
    求項1記載の原位置コンクリート。
  3. 【請求項3】 コンクリート構造物の施工現場近くで採
    取した河床砂礫等の含水砂礫を骨材としてこれに少なく
    ともセメントを加えて混練することにより製造する原位
    置コンクリート製造方法であって、採取した砂礫の含水
    比を測定しておく工程と、前記砂礫の所定粒径以上の砂
    礫を除去する粒径調整工程と、この粒径調整した砂礫を
    コンベアにて搬送する工程と、このコンベアにて搬送さ
    れる砂礫の単位時間当りの搬送量を測定する工程と、こ
    の単位時間当りの搬送量の測定値に基づいて前記コンベ
    アによる搬送途中の砂礫にセメントを順次添加する工程
    と、このセメントの添加された砂礫を混合する工程とを
    有する原位置コンクリート製造方法。
  4. 【請求項4】 前記砂礫の搬送工程の途中において前記
    コンベアの搬送方向の単位長さ当りの砂礫の重量および
    コンベアの搬送速度を検出して単位時間当りに搬送され
    る砂礫の搬送量を測定することを特徴とする請求項3記
    載の原位置コンクリート製造方法。
  5. 【請求項5】 前記砂礫の含水比の測定結果に基づい
    て、前記コンベアによる搬送途中の砂礫に散水すること
    を特徴とする請求項3記載の原位置コンクリート製造方
    法。
  6. 【請求項6】 製造すべきコンクリートの水セメント比
    を35〜150%の範囲に調整することを特徴とする請
    求項3記載の原位置コンクリート製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014111879A (ja) * 2012-10-31 2014-06-19 Japan Pile Corp ソイルセメントの圧縮強さ推定方法
JP6054488B1 (ja) * 2015-08-19 2016-12-27 株式会社山崎工業 セルフレベリング材スラリー供給装置及び平坦面の形成方法
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