JPH06305715A - 過酸化水素の製造方法 - Google Patents
過酸化水素の製造方法Info
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- JPH06305715A JPH06305715A JP5091504A JP9150493A JPH06305715A JP H06305715 A JPH06305715 A JP H06305715A JP 5091504 A JP5091504 A JP 5091504A JP 9150493 A JP9150493 A JP 9150493A JP H06305715 A JPH06305715 A JP H06305715A
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- catalyst
- reaction medium
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01J—CHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
- B01J23/00—Catalysts comprising metals or metal oxides or hydroxides, not provided for in group B01J21/00
- B01J23/38—Catalysts comprising metals or metal oxides or hydroxides, not provided for in group B01J21/00 of noble metals
- B01J23/54—Catalysts comprising metals or metal oxides or hydroxides, not provided for in group B01J21/00 of noble metals combined with metals, oxides or hydroxides provided for in groups B01J23/02 - B01J23/36
- B01J23/56—Platinum group metals
- B01J23/62—Platinum group metals with gallium, indium, thallium, germanium, tin or lead
- B01J23/622—Platinum group metals with gallium, indium, thallium, germanium, tin or lead with germanium, tin or lead
- B01J23/626—Platinum group metals with gallium, indium, thallium, germanium, tin or lead with germanium, tin or lead with tin
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C01—INORGANIC CHEMISTRY
- C01B—NON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
- C01B15/00—Peroxides; Peroxyhydrates; Peroxyacids or salts thereof; Superoxides; Ozonides
- C01B15/01—Hydrogen peroxide
- C01B15/029—Preparation from hydrogen and oxygen
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 酸素と水素から高い水素選択率で効率よく過
酸化水素を製造する方法を提供する。 【構成】 スズで修飾した白金族金属を触媒とし、酸素
と水素を反応媒体中で接触的に反応させる。
酸化水素を製造する方法を提供する。 【構成】 スズで修飾した白金族金属を触媒とし、酸素
と水素を反応媒体中で接触的に反応させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は反応媒体中で酸素と水素
を接触的に反応させ、過酸化水素を製造する改良された
方法に関するものである。更に詳しくは酸素と水素を反
応媒体中で、スズで修飾した白金族金属触媒の存在下に
反応せしめる過酸化水素の製造方法である。
を接触的に反応させ、過酸化水素を製造する改良された
方法に関するものである。更に詳しくは酸素と水素を反
応媒体中で、スズで修飾した白金族金属触媒の存在下に
反応せしめる過酸化水素の製造方法である。
【0002】
【従来の技術】現在工業的に行われている過酸化水素の
主な製造方法は、アルキルアンスラキノン類を媒体とす
る自動酸化法である。この方法の問題点としてはアルキ
ルアンスラキノンの還元、酸化、生成した過酸化水素の
抽出分離および精製、濃縮等の多くの工程が必要であ
り、プロセスが複雑となるために装置費、運転費が大き
いという事が挙げられる。更には、アルキルアンスラキ
ノンの劣化による損失、還元用触媒の劣化等の問題もあ
る。これらの問題点を改善するために、上記製造法以外
の製造方法がいろいろ試みられているが、その一つに、
反応媒体中で触媒を用いて、酸素と水素から直接的に過
酸化水素を製造する方法がある。既に、白金族金属を触
媒として用い、酸素と水素から過酸化水素を製造する方
法が提案されており、ある程度高い濃度の過酸化水素が
生成する事が示されている(特公昭56−47121
号、特公昭55−18646号、特公平1−23401
号、特開昭63−156005号の各公報参照)。これ
らでは、いずれも反応媒体として酸や無機塩を溶存させ
た水溶液が使用されている。特開昭63−156005
号公報には、白金族触媒を用い、酸性水溶液中で加圧下
酸素及び水素から過酸化水素を製造する方法に於いて、
水溶液中に臭素イオン等のハロゲンイオンを共存させる
ことによって、選択的に高濃度の過酸化水素を製造出来
ることが開示されている。しかし、この方法では、酸素
と水素を反応媒体中で接触的に反応させて過酸化水素を
製造する方法に於いて、高い選択率で過酸化水素を取得
するためには、ハロゲンイオン等の助触媒を用いる必要
があった。
主な製造方法は、アルキルアンスラキノン類を媒体とす
る自動酸化法である。この方法の問題点としてはアルキ
ルアンスラキノンの還元、酸化、生成した過酸化水素の
抽出分離および精製、濃縮等の多くの工程が必要であ
り、プロセスが複雑となるために装置費、運転費が大き
いという事が挙げられる。更には、アルキルアンスラキ
ノンの劣化による損失、還元用触媒の劣化等の問題もあ
る。これらの問題点を改善するために、上記製造法以外
の製造方法がいろいろ試みられているが、その一つに、
反応媒体中で触媒を用いて、酸素と水素から直接的に過
酸化水素を製造する方法がある。既に、白金族金属を触
媒として用い、酸素と水素から過酸化水素を製造する方
法が提案されており、ある程度高い濃度の過酸化水素が
生成する事が示されている(特公昭56−47121
号、特公昭55−18646号、特公平1−23401
号、特開昭63−156005号の各公報参照)。これ
らでは、いずれも反応媒体として酸や無機塩を溶存させ
た水溶液が使用されている。特開昭63−156005
号公報には、白金族触媒を用い、酸性水溶液中で加圧下
酸素及び水素から過酸化水素を製造する方法に於いて、
水溶液中に臭素イオン等のハロゲンイオンを共存させる
ことによって、選択的に高濃度の過酸化水素を製造出来
ることが開示されている。しかし、この方法では、酸素
と水素を反応媒体中で接触的に反応させて過酸化水素を
製造する方法に於いて、高い選択率で過酸化水素を取得
するためには、ハロゲンイオン等の助触媒を用いる必要
があった。
【0003】また、英国特許第1056121号及び米
国特許第4009252号では、反応媒体中で触媒を用
いて、酸素と水素から直接的に製造された過酸化水素
が、反応媒体中に混入した不純物イオン等によって分解
されて損失するのを防止するために、過酸化水素の安定
剤を反応媒体中に添加する方法を開示している。これら
の特許では、公知である過酸化水素の安定剤を特に制限
無く用いることができることを指摘しているが、その中
で酸化スズ、スズ酸及びスズ酸塩を安定剤として利用で
きることを開示している。しかし、これらスズ化合物は
過酸化水素の分解に活性を示すイオン等を隔離する目的
で用いられており、本発明が提供する白金族金属を修飾
することによってもたらされる特異的な効果については
全く触れられていない。また、安定剤として用いられる
程度の量のスズ酸塩が反応媒体中に存在しても過酸化水
素選択性が得られないことは、実施例中に示した比較例
3の結果より明らかである。
国特許第4009252号では、反応媒体中で触媒を用
いて、酸素と水素から直接的に製造された過酸化水素
が、反応媒体中に混入した不純物イオン等によって分解
されて損失するのを防止するために、過酸化水素の安定
剤を反応媒体中に添加する方法を開示している。これら
の特許では、公知である過酸化水素の安定剤を特に制限
無く用いることができることを指摘しているが、その中
で酸化スズ、スズ酸及びスズ酸塩を安定剤として利用で
きることを開示している。しかし、これらスズ化合物は
過酸化水素の分解に活性を示すイオン等を隔離する目的
で用いられており、本発明が提供する白金族金属を修飾
することによってもたらされる特異的な効果については
全く触れられていない。また、安定剤として用いられる
程度の量のスズ酸塩が反応媒体中に存在しても過酸化水
素選択性が得られないことは、実施例中に示した比較例
3の結果より明らかである。
【0004】更に、特公昭55−18646では、酸素
と水素を反応媒体中で接触的に反応させて過酸化水素を
製造する方法に於いて、触媒の活性金属である白金族元
素化合物を還元処理する際に用いる還元剤として、水素
以外にヒドラジン、硫化水素、ホルマリン、チオ硫酸ソ
ーダ、塩化第一スズ等を用いることが出来ることを記載
している。しかし、該特許では、塩化第一スズは水素と
同様な還元剤として用いられており、本発明とは技術思
想、作用の異なる技術である。
と水素を反応媒体中で接触的に反応させて過酸化水素を
製造する方法に於いて、触媒の活性金属である白金族元
素化合物を還元処理する際に用いる還元剤として、水素
以外にヒドラジン、硫化水素、ホルマリン、チオ硫酸ソ
ーダ、塩化第一スズ等を用いることが出来ることを記載
している。しかし、該特許では、塩化第一スズは水素と
同様な還元剤として用いられており、本発明とは技術思
想、作用の異なる技術である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】反応媒体中で酸素と水
素を接触的に反応させ過酸化水素を製造する方法に於い
て、従来の公知技術では、実用上要求される濃度の過酸
化水素を得るためには、反応媒体中に高濃度の酸及びハ
ロゲンイオンを存在させる必要があった。このように、
酸とハロゲンイオンが共存する場合には、反応中に於け
る触媒金属の反応媒体中への溶出および反応器材の腐食
が大きな問題となる。特にその溶出量はハロゲンイオン
の濃度に対して比例的に増加する。このことは触媒を長
時間連続使用する際の触媒寿命に対して非常に大きな問
題となり、さらに反応器材質が制限されると同時に高価
なものが要求される。この問題を解決するためには、酸
とハロゲンの組み合わせを必要としない過酸化水素の製
造方法、特にハロゲンイオンを用いない反応媒体中で高
濃度の過酸化水素が得られる製造法の検討が必要であ
る。また、従来技術では、反応後に得られた過酸化水素
中に高濃度の酸及びハロゲンイオンが存在するため、過
酸化水素の用途によっては酸及びハロゲンイオンの除去
等の後処理が必要となり、経済的にも大きな問題とな
る。そこで、ハロゲンイオンを含まない反応媒体、更に
好ましくは酸及びハロゲンイオンのいずれをも含まない
水のみから成る反応媒体中で高濃度の過酸化水素が得ら
れる製造法の検討が必要となっている。
素を接触的に反応させ過酸化水素を製造する方法に於い
て、従来の公知技術では、実用上要求される濃度の過酸
化水素を得るためには、反応媒体中に高濃度の酸及びハ
ロゲンイオンを存在させる必要があった。このように、
酸とハロゲンイオンが共存する場合には、反応中に於け
る触媒金属の反応媒体中への溶出および反応器材の腐食
が大きな問題となる。特にその溶出量はハロゲンイオン
の濃度に対して比例的に増加する。このことは触媒を長
時間連続使用する際の触媒寿命に対して非常に大きな問
題となり、さらに反応器材質が制限されると同時に高価
なものが要求される。この問題を解決するためには、酸
とハロゲンの組み合わせを必要としない過酸化水素の製
造方法、特にハロゲンイオンを用いない反応媒体中で高
濃度の過酸化水素が得られる製造法の検討が必要であ
る。また、従来技術では、反応後に得られた過酸化水素
中に高濃度の酸及びハロゲンイオンが存在するため、過
酸化水素の用途によっては酸及びハロゲンイオンの除去
等の後処理が必要となり、経済的にも大きな問題とな
る。そこで、ハロゲンイオンを含まない反応媒体、更に
好ましくは酸及びハロゲンイオンのいずれをも含まない
水のみから成る反応媒体中で高濃度の過酸化水素が得ら
れる製造法の検討が必要となっている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、酸素と水
素を窒素などの本反応の障害とならない不活性ガスの存
在下または不存在下に反応媒体中で接触的に反応せしめ
て過酸化水素を製造する方法に於いて、ハロゲンイオン
を含まない反応媒体中、好ましくはハロゲンイオン及び
酸のいずれをも含まない水のみから成る反応媒体中で高
濃度の過酸化水素を得る製造法の検討を続けた結果、ス
ズで修飾した白金族触媒を用いることによりこの目的が
達成できることを見いだし本発明を完成した。即ち、本
発明は、酸素と水素を反応媒体中で接触的に反応させて
過酸化水素を製造する方法に於いて、スズで修飾した白
金族金属を触媒として用いることを特徴とする過酸化水
素の製造方法である。本発明の特徴の一つは、白金族触
媒をスズで修飾することによって発現される特異的な効
果(以下、助触媒効果と略記する)により、ハロゲンイ
オンを含まない反応媒体中で高濃度の過酸化水素を製造
する方法を提供する事から成り、他の特徴としては、固
体酸性を示す担体上にスズで修飾した白金族金属を担持
することにより、ハロゲンイオン及び酸のいずれをも含
まない水のみから成る反応媒体中で、高濃度の過酸化水
素を製造する方法を提供することから成る。
素を窒素などの本反応の障害とならない不活性ガスの存
在下または不存在下に反応媒体中で接触的に反応せしめ
て過酸化水素を製造する方法に於いて、ハロゲンイオン
を含まない反応媒体中、好ましくはハロゲンイオン及び
酸のいずれをも含まない水のみから成る反応媒体中で高
濃度の過酸化水素を得る製造法の検討を続けた結果、ス
ズで修飾した白金族触媒を用いることによりこの目的が
達成できることを見いだし本発明を完成した。即ち、本
発明は、酸素と水素を反応媒体中で接触的に反応させて
過酸化水素を製造する方法に於いて、スズで修飾した白
金族金属を触媒として用いることを特徴とする過酸化水
素の製造方法である。本発明の特徴の一つは、白金族触
媒をスズで修飾することによって発現される特異的な効
果(以下、助触媒効果と略記する)により、ハロゲンイ
オンを含まない反応媒体中で高濃度の過酸化水素を製造
する方法を提供する事から成り、他の特徴としては、固
体酸性を示す担体上にスズで修飾した白金族金属を担持
することにより、ハロゲンイオン及び酸のいずれをも含
まない水のみから成る反応媒体中で、高濃度の過酸化水
素を製造する方法を提供することから成る。
【0007】本発明に於いて、白金族触媒をスズで修飾
する方法としては以下の方法が例示される。即ちパラジ
ウム黒や白金黒にスズ化合物の溶液、例えば、塩化ス
ズ、酢酸スズまたは蓚酸スズ等のスズ化合物を含む溶液
を含浸させた後、空気中で焼成し更に例えば水素ガスに
より還元する方法を用いることにより、スズで修飾され
た白金族触媒を調製することができる。また、パラジウ
ム黒や白金黒を用いる代わりに、白金族金属の塩類の水
溶液に上記のスズ化合物の溶液を加え、蒸発乾固した
後、空気中で焼成し更に還元する方法を用いることも可
能である。これらの方法により触媒を調製した場合に
は、本発明の特徴である助触媒効果を発現させることは
可能であるが、一方で安定的に高い触媒活性を得るのが
困難であるため、本発明に基づく高い効果を得るために
は、以下に示す担体を用いた触媒調製方法を用いるのが
好ましい。本発明に用いる担体としては特別な制限は無
く、あらゆる公知の担体、即ちアルミナ、シリカ、マグ
ネシア、ジルコニア、チタニア、ゼオライト、活性炭、
樹脂等を用いることができるが、金属酸化物を用いるの
が好ましい。また白金族金属は、好ましくは白金及びパ
ラジウムであるが、特にパラジウムを用いるのが好まし
い。
する方法としては以下の方法が例示される。即ちパラジ
ウム黒や白金黒にスズ化合物の溶液、例えば、塩化ス
ズ、酢酸スズまたは蓚酸スズ等のスズ化合物を含む溶液
を含浸させた後、空気中で焼成し更に例えば水素ガスに
より還元する方法を用いることにより、スズで修飾され
た白金族触媒を調製することができる。また、パラジウ
ム黒や白金黒を用いる代わりに、白金族金属の塩類の水
溶液に上記のスズ化合物の溶液を加え、蒸発乾固した
後、空気中で焼成し更に還元する方法を用いることも可
能である。これらの方法により触媒を調製した場合に
は、本発明の特徴である助触媒効果を発現させることは
可能であるが、一方で安定的に高い触媒活性を得るのが
困難であるため、本発明に基づく高い効果を得るために
は、以下に示す担体を用いた触媒調製方法を用いるのが
好ましい。本発明に用いる担体としては特別な制限は無
く、あらゆる公知の担体、即ちアルミナ、シリカ、マグ
ネシア、ジルコニア、チタニア、ゼオライト、活性炭、
樹脂等を用いることができるが、金属酸化物を用いるの
が好ましい。また白金族金属は、好ましくは白金及びパ
ラジウムであるが、特にパラジウムを用いるのが好まし
い。
【0008】担体を用いる場合の触媒調製法の一例を示
すと、所定量の担体粉末を水に懸濁させておき、その中
へ所定量の上述したスズ化合物の溶液と所定量のパラジ
ウム化合物の溶液、例えば硝酸パラジウム溶液または塩
化パラジウム溶液またはテトラアンミンパラジウム錯塩
溶液を同時に滴下する。滴下終了後、溶液全体を蒸発乾
固することにより、スズ化合物とパラジウム化合物を同
時に含浸させた粉末が得られる。その粉末を空気気流中
で100℃〜1000℃、好ましくは300℃〜800
℃にて焼成し、その後30℃〜500℃、好ましくは6
0℃〜300℃にて水素含有気体にて還元処理をするこ
とにより、本発明で用いる触媒を調製することができ
る。またあらかじめ担体上にパラジウムを担持した触媒
を未処理のままあるいは焼成、還元処理を行った後、ス
ズ化合物を含浸担持し、焼成及び還元処理をすることに
よっても、本発明で用いる触媒を調製することができ
る。
すと、所定量の担体粉末を水に懸濁させておき、その中
へ所定量の上述したスズ化合物の溶液と所定量のパラジ
ウム化合物の溶液、例えば硝酸パラジウム溶液または塩
化パラジウム溶液またはテトラアンミンパラジウム錯塩
溶液を同時に滴下する。滴下終了後、溶液全体を蒸発乾
固することにより、スズ化合物とパラジウム化合物を同
時に含浸させた粉末が得られる。その粉末を空気気流中
で100℃〜1000℃、好ましくは300℃〜800
℃にて焼成し、その後30℃〜500℃、好ましくは6
0℃〜300℃にて水素含有気体にて還元処理をするこ
とにより、本発明で用いる触媒を調製することができ
る。またあらかじめ担体上にパラジウムを担持した触媒
を未処理のままあるいは焼成、還元処理を行った後、ス
ズ化合物を含浸担持し、焼成及び還元処理をすることに
よっても、本発明で用いる触媒を調製することができ
る。
【0009】また担体として用いることのできる形状を
有するスズ化合物、例えば酸化スズ、スズ酸、水酸化ス
ズ、スズと珪素の複合酸化物等を用いる場合には、担体
自身が含有するスズによってパラジウムが修飾されて助
触媒効果が発現されるため、本発明の触媒を調製する方
法として、これらのスズ化合物からなる担体に直接パラ
ジウムを担持する方法を用いることができる。具体的な
調製法の一例を示すと、担体として用いるスズ化合物の
粉末を水の中に懸濁させておき、その中へ所定量のパラ
ジウムを含有する溶液を滴下し、滴下終了後の懸濁液を
蒸発乾固することにより、パラジウムを担持したスズ化
合物の粉末が得られる。次いでその粉末を空気気流下で
100℃〜1000℃、好ましくは300℃〜800℃
にて焼成し、その後30℃〜500℃、好ましくは60
℃〜300℃にて水素含有気体にて還元処理をすること
により、本発明で用いる触媒を調製することができる。
有するスズ化合物、例えば酸化スズ、スズ酸、水酸化ス
ズ、スズと珪素の複合酸化物等を用いる場合には、担体
自身が含有するスズによってパラジウムが修飾されて助
触媒効果が発現されるため、本発明の触媒を調製する方
法として、これらのスズ化合物からなる担体に直接パラ
ジウムを担持する方法を用いることができる。具体的な
調製法の一例を示すと、担体として用いるスズ化合物の
粉末を水の中に懸濁させておき、その中へ所定量のパラ
ジウムを含有する溶液を滴下し、滴下終了後の懸濁液を
蒸発乾固することにより、パラジウムを担持したスズ化
合物の粉末が得られる。次いでその粉末を空気気流下で
100℃〜1000℃、好ましくは300℃〜800℃
にて焼成し、その後30℃〜500℃、好ましくは60
℃〜300℃にて水素含有気体にて還元処理をすること
により、本発明で用いる触媒を調製することができる。
【0010】さらに、固体酸性を有する担体を用いた場
合には、反応媒体中に酸を添加する必要が無くなるた
め、本発明のスズで修飾されたパラジウム金属を担持す
る方法と併用することにより、水のみからなる反応媒体
中で選択性高く過酸化水素を製造する触媒の調製が可能
となる。ここで、本発明に用いることのできる固体酸性
を有する担体としての特別な制限は無いが、固体酸性を
有する担体の具体例としては、硫酸を担持したジルコニ
ア、硫酸を担持したアルミナ、硫酸を担持したチタニ
ア、プロトン型のモルデナイト、プロトン型のMFIタ
イプのゼオライトの他に、酸性を有する複合酸化物を挙
げることができる。酸性を有する複合酸化物の例として
は、Mo03-ZrO2、WO3-ZrO2等の他、文献等で公知のスズ
を含む複合酸化物、例えばSnO2-SiO2、SnO2-ZrO2、SnO2
-Nb2O5、SnO2-B203、SnO2-P205、SnO2-TiO2、SnO2-Mo
O3、SnO2-Sb2O3、SnO2-CeO2、SnO2-WO3等を挙げること
ができる(Ind.Eng.Chem.Res.1992,31,979-981.)。特
に酸強度の強いものとしてはMo03-ZrO2、WO3-ZrO2、SnO
2-SiO2、SnO2-ZrO2、SnO2-Nb2O5が挙げられる。これら
の固体酸担体をあらかじめ調製し、その担体上にスズで
修飾されたパラジウムを担持することにより本発明で用
いる触媒を調製することができる。
合には、反応媒体中に酸を添加する必要が無くなるた
め、本発明のスズで修飾されたパラジウム金属を担持す
る方法と併用することにより、水のみからなる反応媒体
中で選択性高く過酸化水素を製造する触媒の調製が可能
となる。ここで、本発明に用いることのできる固体酸性
を有する担体としての特別な制限は無いが、固体酸性を
有する担体の具体例としては、硫酸を担持したジルコニ
ア、硫酸を担持したアルミナ、硫酸を担持したチタニ
ア、プロトン型のモルデナイト、プロトン型のMFIタ
イプのゼオライトの他に、酸性を有する複合酸化物を挙
げることができる。酸性を有する複合酸化物の例として
は、Mo03-ZrO2、WO3-ZrO2等の他、文献等で公知のスズ
を含む複合酸化物、例えばSnO2-SiO2、SnO2-ZrO2、SnO2
-Nb2O5、SnO2-B203、SnO2-P205、SnO2-TiO2、SnO2-Mo
O3、SnO2-Sb2O3、SnO2-CeO2、SnO2-WO3等を挙げること
ができる(Ind.Eng.Chem.Res.1992,31,979-981.)。特
に酸強度の強いものとしてはMo03-ZrO2、WO3-ZrO2、SnO
2-SiO2、SnO2-ZrO2、SnO2-Nb2O5が挙げられる。これら
の固体酸担体をあらかじめ調製し、その担体上にスズで
修飾されたパラジウムを担持することにより本発明で用
いる触媒を調製することができる。
【0011】また担体としてシリカを用いる場合には、
白金族金属を修飾する目的で添加されるスズとシリカが
容易に複合酸化物(SnO2-SiO2)を形成して固体酸性を
発現するため、あらかじめスズとシリカを複合化させた
担体を用いなくとも、水のみからなる反応媒体中で選択
性高く過酸化水素を製造することが可能な触媒を調製す
ることができる。また、担体としてSnO2-SiO2を用いる
場合には、担体自身に含有されるスズにより白金族金属
が修飾されて助触媒効果を発現するため、担体上に白金
族金属のみを担持する操作で、水のみからなる反応媒体
中で選択性高く過酸化水素を製造することが可能な触媒
を調製することができる。本発明による過酸化水素製造
用の触媒を調製する際に用いる担体の形状としては特に
制限はなく、粉末状、ペレット状等の状態で触媒を調製
することができる。
白金族金属を修飾する目的で添加されるスズとシリカが
容易に複合酸化物(SnO2-SiO2)を形成して固体酸性を
発現するため、あらかじめスズとシリカを複合化させた
担体を用いなくとも、水のみからなる反応媒体中で選択
性高く過酸化水素を製造することが可能な触媒を調製す
ることができる。また、担体としてSnO2-SiO2を用いる
場合には、担体自身に含有されるスズにより白金族金属
が修飾されて助触媒効果を発現するため、担体上に白金
族金属のみを担持する操作で、水のみからなる反応媒体
中で選択性高く過酸化水素を製造することが可能な触媒
を調製することができる。本発明による過酸化水素製造
用の触媒を調製する際に用いる担体の形状としては特に
制限はなく、粉末状、ペレット状等の状態で触媒を調製
することができる。
【0012】本発明に於ける担体に対する白金族金属及
びスズの担持量については特に制限はないが、通常それ
ぞれ担体重量の0.1〜10%及び0.5%〜90%、
好ましくはそれぞれ0.2%〜5%及び2%〜50%の
範囲である。酸素と水素から過酸化水素を製造する場合
の本発明の触媒の使用量については特に制限はないが、
通常反応媒体1リットル当り1グラム以上が使用され
る。又反応媒体中に触媒を多量に加えてスラリー状態で
反応を行うことも可能である。
びスズの担持量については特に制限はないが、通常それ
ぞれ担体重量の0.1〜10%及び0.5%〜90%、
好ましくはそれぞれ0.2%〜5%及び2%〜50%の
範囲である。酸素と水素から過酸化水素を製造する場合
の本発明の触媒の使用量については特に制限はないが、
通常反応媒体1リットル当り1グラム以上が使用され
る。又反応媒体中に触媒を多量に加えてスラリー状態で
反応を行うことも可能である。
【0013】本発明の反応媒体としては水を使用するこ
とができる。しかし過酸化水素の安定剤を添加すること
も可能である。過酸化水素の安定剤としてはこれまで公
知にされているリン酸、硫酸、硝酸などの無機酸のほか
ピロリン酸ナトリウムなどのリン酸塩、さらにアミノト
リ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン
−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メ
チレンホスホン酸)等の有機酸及びこれらのナトリウム
塩などを挙げることができる。
とができる。しかし過酸化水素の安定剤を添加すること
も可能である。過酸化水素の安定剤としてはこれまで公
知にされているリン酸、硫酸、硝酸などの無機酸のほか
ピロリン酸ナトリウムなどのリン酸塩、さらにアミノト
リ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン
−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メ
チレンホスホン酸)等の有機酸及びこれらのナトリウム
塩などを挙げることができる。
【0014】本発明の過酸化水素の製造反応は連続式で
もバッチ式でも実施することが可能であり、また反応器
型式は固定床式、流動床式あるいは攪拌式等制限なく使
用することができる。また、本発明の過酸化水素の製造
は酸素と水素を窒素などの本反応に障害とならないよう
な不活性ガスの存在下または不存在下に反応媒体中で触
媒の存在下で通常、反応圧力、3kg/cm2・G〜1
50kg/cm2・G、反応温度、0〜50℃、反応時
間、30分〜6時間の条件で反応せしめることによって
実施される。
もバッチ式でも実施することが可能であり、また反応器
型式は固定床式、流動床式あるいは攪拌式等制限なく使
用することができる。また、本発明の過酸化水素の製造
は酸素と水素を窒素などの本反応に障害とならないよう
な不活性ガスの存在下または不存在下に反応媒体中で触
媒の存在下で通常、反応圧力、3kg/cm2・G〜1
50kg/cm2・G、反応温度、0〜50℃、反応時
間、30分〜6時間の条件で反応せしめることによって
実施される。
【0015】
【実施例】次に、実施例及び比較例で本発明を更に具体
的に説明する。実施例中で用いられているガス組成の分
析値は、ガスクロマトグラフによる値である。また、反
応媒体中に生成した過酸化水素の濃度の測定は、硫酸酸
性過マンガン酸カリウムによる滴定法により行った。さ
らに、反応媒体中のスズの含有量の測定は、誘導結合型
プラズマ発光分光分析法(セイコー電子工業(株)製、
SPS1200VR型分析計使用)により測定した。 実施例1 触媒の調製を以下の方法により行った。即ち、市販の酢
酸スズ(II)(関東化学(株)製)1.5gを500
mlのビーカーに秤りとり、150mlの酢酸を加えて
加熱溶解し、その後溶液を室温まで冷却して酢酸スズの
酢酸溶液を調製した。ついで市販の二酸化珪素粉末(水
沢化学(株)製、平均粒子径25μm)5gを上記の酢
酸スズの酢酸溶液中に懸濁させ、攪拌を続けながら溶液
を80℃迄加熱し、溶液中の酢酸を蒸発除去し粉末を乾
固した。乾固して得られた粉末を空気気流中で500℃
にて3時間焼成した後、75mlの水中に懸濁させ攪拌
を開始し、その中に1g−Pd/リットルの濃度の硝酸
パラジウム水溶液25mlをゆっくりと滴下した。滴下
終了後、攪拌を続けながら溶液を80℃迄加熱し、溶液
中の水を蒸発除去し粉末を乾固した。乾固して得られた
粉末を空気気流中で500℃にて3時間焼成し、ついで
水素気流中で120℃にて2時間還元することにより、
用いた二酸化珪素の重量に対して0.5重量%のパラジ
ウム及び15重量%のスズを担持した触媒を得た。酸素
と水素から過酸化水素を製造する反応は以下のようにし
て実施した。内容積65mlのガラス容器に水10gを
入れた。この容器内に前述のように調製した触媒50m
gを加え、ガラス容器を100mlの容積のオートクレ
ーブに入れ、次いで水素ガスが3.5容積%、酸素ガス
が35容積%、窒素ガスが61.5容積%の組成からな
る混合ガスでオートクレーブ中の空気を置換した後、同
じ組成のガスで50kg/cm2・G迄加圧した。次い
で温度を10℃に保ちながら2000rpmで1時間攪
拌した。1時間の攪拌終了後、反応媒体中の過酸化水素
濃度は0.58重量%、水素選択率は65%であった。
水素選択率は次式によって計算した。
的に説明する。実施例中で用いられているガス組成の分
析値は、ガスクロマトグラフによる値である。また、反
応媒体中に生成した過酸化水素の濃度の測定は、硫酸酸
性過マンガン酸カリウムによる滴定法により行った。さ
らに、反応媒体中のスズの含有量の測定は、誘導結合型
プラズマ発光分光分析法(セイコー電子工業(株)製、
SPS1200VR型分析計使用)により測定した。 実施例1 触媒の調製を以下の方法により行った。即ち、市販の酢
酸スズ(II)(関東化学(株)製)1.5gを500
mlのビーカーに秤りとり、150mlの酢酸を加えて
加熱溶解し、その後溶液を室温まで冷却して酢酸スズの
酢酸溶液を調製した。ついで市販の二酸化珪素粉末(水
沢化学(株)製、平均粒子径25μm)5gを上記の酢
酸スズの酢酸溶液中に懸濁させ、攪拌を続けながら溶液
を80℃迄加熱し、溶液中の酢酸を蒸発除去し粉末を乾
固した。乾固して得られた粉末を空気気流中で500℃
にて3時間焼成した後、75mlの水中に懸濁させ攪拌
を開始し、その中に1g−Pd/リットルの濃度の硝酸
パラジウム水溶液25mlをゆっくりと滴下した。滴下
終了後、攪拌を続けながら溶液を80℃迄加熱し、溶液
中の水を蒸発除去し粉末を乾固した。乾固して得られた
粉末を空気気流中で500℃にて3時間焼成し、ついで
水素気流中で120℃にて2時間還元することにより、
用いた二酸化珪素の重量に対して0.5重量%のパラジ
ウム及び15重量%のスズを担持した触媒を得た。酸素
と水素から過酸化水素を製造する反応は以下のようにし
て実施した。内容積65mlのガラス容器に水10gを
入れた。この容器内に前述のように調製した触媒50m
gを加え、ガラス容器を100mlの容積のオートクレ
ーブに入れ、次いで水素ガスが3.5容積%、酸素ガス
が35容積%、窒素ガスが61.5容積%の組成からな
る混合ガスでオートクレーブ中の空気を置換した後、同
じ組成のガスで50kg/cm2・G迄加圧した。次い
で温度を10℃に保ちながら2000rpmで1時間攪
拌した。1時間の攪拌終了後、反応媒体中の過酸化水素
濃度は0.58重量%、水素選択率は65%であった。
水素選択率は次式によって計算した。
【数1】 水素選択率(%)=〔(反応により生成した
過酸化水素のモル量)÷(消費された水素量から算出し
た過酸化水素の理論生成モル量)〕×100 また、反応後の反応媒体中のスズの濃度は0.7ppm
であった。
過酸化水素のモル量)÷(消費された水素量から算出し
た過酸化水素の理論生成モル量)〕×100 また、反応後の反応媒体中のスズの濃度は0.7ppm
であった。
【0016】比較例1 触媒の調製を以下の方法により行った。市販の二酸化珪
素粉末(水沢化学(株)製、平均粒子径25μm)5g
を75mlの水中に懸濁させ攪拌を開始し、その中に1
g−Pd/リットルの濃度の硝酸パラジウム水溶液25
mlをゆっくりと滴下した。滴下終了後、攪拌を続けな
がら溶液を80℃迄加熱し、溶液中の水を蒸発除去し粉
末を乾固した。乾固して得られた粉末を空気気流中で5
00℃にて3時間焼成し、ついで水素気流中で120℃
にて2時間還元することにより、用いた二酸化珪素の重
量に対して0.5重量%のパラジウムを担持した触媒を
得た。酸素と水素から過酸化水素を製造する反応は実施
例1と同様の操作にて行った。1時間の攪拌終了後、反
応溶液中の過酸化水素濃度は0重量%であり、水素選択
率は0%であった。
素粉末(水沢化学(株)製、平均粒子径25μm)5g
を75mlの水中に懸濁させ攪拌を開始し、その中に1
g−Pd/リットルの濃度の硝酸パラジウム水溶液25
mlをゆっくりと滴下した。滴下終了後、攪拌を続けな
がら溶液を80℃迄加熱し、溶液中の水を蒸発除去し粉
末を乾固した。乾固して得られた粉末を空気気流中で5
00℃にて3時間焼成し、ついで水素気流中で120℃
にて2時間還元することにより、用いた二酸化珪素の重
量に対して0.5重量%のパラジウムを担持した触媒を
得た。酸素と水素から過酸化水素を製造する反応は実施
例1と同様の操作にて行った。1時間の攪拌終了後、反
応溶液中の過酸化水素濃度は0重量%であり、水素選択
率は0%であった。
【0017】実施例2 反応媒体として10gの水を用いる代わりに、75pp
mのエチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)を
含む水溶液10gを用いたことを除き、実施例1と同一
の触媒を用い、同様の操作にて過酸化水素の製造反応を
行った。1時間の攪拌終了後、反応媒体中の過酸化水素
の濃度は0.64重量%、水素選択率は78%であっ
た。
mのエチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)を
含む水溶液10gを用いたことを除き、実施例1と同一
の触媒を用い、同様の操作にて過酸化水素の製造反応を
行った。1時間の攪拌終了後、反応媒体中の過酸化水素
の濃度は0.64重量%、水素選択率は78%であっ
た。
【0018】実施例3 触媒の調製を以下の方法により行った。即ち、市販の酢
酸スズ(II)(関東化学(株)製)1.5gを150
mlの酢酸に加熱溶解し、その後溶液を室温まで冷却し
て酢酸スズの酢酸溶液を調製した。ついで市販の二酸化
珪素粉末(水沢化学(株)製、平均粒子径25μm)5
gを500mlのビーカーに秤りとり、200mlの水
を加えて懸濁させ攪拌を開始し、その中に先に調製した
酢酸スズの酢酸溶液と1g−Pd/リットルの濃度の硝
酸パラジウム水溶液25mlを同時にゆっくりと滴下し
た。滴下終了後、攪拌を続けながら溶液を80℃迄加熱
し、溶液中の酢酸及び水を蒸発除去し粉末を乾固した。
乾固して得られた粉末を空気気流中で500℃にて3時
間焼成し、ついで水素気流中で250℃にて1時間還元
することにより、用いた二酸化珪素の重量に対して0.
5重量%のパラジウム及び15重量%のスズを担持した
触媒を得た。酸素と水素から過酸化水素を製造する反応
は、反応媒体として10gの水を用いる代わりに、硫酸
の濃度が0.1モル/リットルとなるように調製した酸
性水溶液10gを用いた以外は実施例1と同様の操作に
て行った。1時間の攪拌終了後、反応媒体中の過酸化水
素濃度は0.65重量%であり、水素選択率は65%で
あった。反応後の反応媒体中のスズの濃度は0.6pp
mであった。
酸スズ(II)(関東化学(株)製)1.5gを150
mlの酢酸に加熱溶解し、その後溶液を室温まで冷却し
て酢酸スズの酢酸溶液を調製した。ついで市販の二酸化
珪素粉末(水沢化学(株)製、平均粒子径25μm)5
gを500mlのビーカーに秤りとり、200mlの水
を加えて懸濁させ攪拌を開始し、その中に先に調製した
酢酸スズの酢酸溶液と1g−Pd/リットルの濃度の硝
酸パラジウム水溶液25mlを同時にゆっくりと滴下し
た。滴下終了後、攪拌を続けながら溶液を80℃迄加熱
し、溶液中の酢酸及び水を蒸発除去し粉末を乾固した。
乾固して得られた粉末を空気気流中で500℃にて3時
間焼成し、ついで水素気流中で250℃にて1時間還元
することにより、用いた二酸化珪素の重量に対して0.
5重量%のパラジウム及び15重量%のスズを担持した
触媒を得た。酸素と水素から過酸化水素を製造する反応
は、反応媒体として10gの水を用いる代わりに、硫酸
の濃度が0.1モル/リットルとなるように調製した酸
性水溶液10gを用いた以外は実施例1と同様の操作に
て行った。1時間の攪拌終了後、反応媒体中の過酸化水
素濃度は0.65重量%であり、水素選択率は65%で
あった。反応後の反応媒体中のスズの濃度は0.6pp
mであった。
【0019】比較例2 パラジウム触媒の調製時に酢酸スズの酢酸溶液を用い
ず、硝酸パラジウム水溶液のみを用いたこと以外は実施
例3と同様の操作を行い、パラジウム触媒の調製及び過
酸化水素の製造反応を行った。1時間の攪拌終了後、反
応媒体中の過酸化水素濃度は0重量%であり、水素選択
率は0%であった。
ず、硝酸パラジウム水溶液のみを用いたこと以外は実施
例3と同様の操作を行い、パラジウム触媒の調製及び過
酸化水素の製造反応を行った。1時間の攪拌終了後、反
応媒体中の過酸化水素濃度は0重量%であり、水素選択
率は0%であった。
【0020】比較例3 酢酸スズの酢酸溶液を用いず、硝酸パラジウム水溶液の
みを用いたこと以外は実施例3と同様の操作にてパラジ
ウム触媒の調製を行った。酸素と水素から過酸化水素を
製造する反応は、反応媒体として、硫酸の濃度が0.1
モル/リットルであり、スズ酸ナトリウムの濃度が50
ppmであるように調製した水溶液10gを用いた以外
は実施例3と同様の操作にて行った。1時間の攪拌終了
後、反応媒体中の過酸化水素濃度は0重量%であり、水
素選択率は0%であった。
みを用いたこと以外は実施例3と同様の操作にてパラジ
ウム触媒の調製を行った。酸素と水素から過酸化水素を
製造する反応は、反応媒体として、硫酸の濃度が0.1
モル/リットルであり、スズ酸ナトリウムの濃度が50
ppmであるように調製した水溶液10gを用いた以外
は実施例3と同様の操作にて行った。1時間の攪拌終了
後、反応媒体中の過酸化水素濃度は0重量%であり、水
素選択率は0%であった。
【0021】実施例4 二酸化珪素粉末の代わりに以下の方法で調製したジルコ
ニア担持モリブデン粉末を担体として用い、且つ触媒の
水素気流中での還元温度を120℃としたことを除き、
実施例3と同様の操作にてスズ及びパラジウムの担持を
行った。即ち、市販の水酸化ジルコニウム(三津和化学
(株)製)61.4gに対して、水中に完全に溶解した
市販のモリブデン酸アンモニウム(小宗化学(株)製)
3.1gの水溶液を加え、酸化モリブデンの量が酸化ジ
ルコニウムに対し5重量%の割合になるように担持し
た。乾燥器中で110℃にて一昼夜乾燥した後、空気中
で600℃、3時間焼成することにより、固体酸性を示
すジルコニア担持モリブデン粉末を得た。酸素と水素か
ら過酸化水素を製造する反応は実施例1と同様の操作に
て行った。1時間の攪拌終了後、反応媒体中の過酸化水
素濃度は0.38重量%であり、水素選択率は52%で
あった。また、反応後の反応媒体中のスズの濃度は0.
7ppmであった。
ニア担持モリブデン粉末を担体として用い、且つ触媒の
水素気流中での還元温度を120℃としたことを除き、
実施例3と同様の操作にてスズ及びパラジウムの担持を
行った。即ち、市販の水酸化ジルコニウム(三津和化学
(株)製)61.4gに対して、水中に完全に溶解した
市販のモリブデン酸アンモニウム(小宗化学(株)製)
3.1gの水溶液を加え、酸化モリブデンの量が酸化ジ
ルコニウムに対し5重量%の割合になるように担持し
た。乾燥器中で110℃にて一昼夜乾燥した後、空気中
で600℃、3時間焼成することにより、固体酸性を示
すジルコニア担持モリブデン粉末を得た。酸素と水素か
ら過酸化水素を製造する反応は実施例1と同様の操作に
て行った。1時間の攪拌終了後、反応媒体中の過酸化水
素濃度は0.38重量%であり、水素選択率は52%で
あった。また、反応後の反応媒体中のスズの濃度は0.
7ppmであった。
【0022】比較例4 パラジウム触媒の調製時に酢酸スズの酢酸溶液を用い
ず、硝酸パラジウム水溶液のみを用いたこと以外は実施
例4と同様の操作を行い、パラジウム触媒の調製及び過
酸化水素の製造反応を行った。1時間の攪拌終了後、反
応媒体中の過酸化水素濃度は0重量%であり、水素選択
率は0%であった。
ず、硝酸パラジウム水溶液のみを用いたこと以外は実施
例4と同様の操作を行い、パラジウム触媒の調製及び過
酸化水素の製造反応を行った。1時間の攪拌終了後、反
応媒体中の過酸化水素濃度は0重量%であり、水素選択
率は0%であった。
【0023】実施例5 ジルコニア担持モリブデン粉末の代わりにプロトン型の
MFIタイプのゼオライト粉末(Si/Al=15、H
0 <−5.6)を担体として用いた以外は実施例4と同
様の操作を行い、パラジウム触媒の調製及び過酸化水素
の製造反応を行った。1時間の攪拌終了後、反応媒体中
の過酸化水素濃度は0.33重量%であり、水素選択率
は48%であった。反応液中のスズの濃度は0.8pp
mであった。
MFIタイプのゼオライト粉末(Si/Al=15、H
0 <−5.6)を担体として用いた以外は実施例4と同
様の操作を行い、パラジウム触媒の調製及び過酸化水素
の製造反応を行った。1時間の攪拌終了後、反応媒体中
の過酸化水素濃度は0.33重量%であり、水素選択率
は48%であった。反応液中のスズの濃度は0.8pp
mであった。
【0024】比較例5 パラジウム触媒の調製時に酢酸スズの酢酸溶液を用い
ず、硝酸パラジウム水溶液のみを用いたこと以外は実施
例5と同様の操作を行い、パラジウム触媒の調製及び過
酸化水素の製造反応を行った。1時間の攪拌終了後、反
応媒体中の過酸化水素濃度は0重量%であり、水素選択
率は0%であった。
ず、硝酸パラジウム水溶液のみを用いたこと以外は実施
例5と同様の操作を行い、パラジウム触媒の調製及び過
酸化水素の製造反応を行った。1時間の攪拌終了後、反
応媒体中の過酸化水素濃度は0重量%であり、水素選択
率は0%であった。
【0025】実施例6 二酸化珪素粉末の代わりに市販の酸化アルミニウム粉末
(MERCK社製、活性酸化アルミニウム、中性)を担
体として用い、且つ触媒の水素気流中での還元温度を1
20℃とした以外は実施例3と同様の操作を行い、パラ
ジウム触媒の調製及び過酸化水素の製造反応を行った。
1時間の攪拌終了後、反応媒体中の過酸化水素濃度は
0.40重量%、水素選択率は56%であった。反応媒
体中のスズの濃度は1.2ppmであった。
(MERCK社製、活性酸化アルミニウム、中性)を担
体として用い、且つ触媒の水素気流中での還元温度を1
20℃とした以外は実施例3と同様の操作を行い、パラ
ジウム触媒の調製及び過酸化水素の製造反応を行った。
1時間の攪拌終了後、反応媒体中の過酸化水素濃度は
0.40重量%、水素選択率は56%であった。反応媒
体中のスズの濃度は1.2ppmであった。
【0026】比較例6 パラジウム触媒の調製時に酢酸スズの酢酸溶液を用い
ず、硝酸パラジウム水溶液のみを用いたこと以外は実施
例6と同様の操作を行い、パラジウム触媒の調製及び過
酸化水素の製造反応を行った。1時間の攪拌終了後、反
応媒体中の過酸化水素濃度は0重量%であり、水素選択
率は0%であった。
ず、硝酸パラジウム水溶液のみを用いたこと以外は実施
例6と同様の操作を行い、パラジウム触媒の調製及び過
酸化水素の製造反応を行った。1時間の攪拌終了後、反
応媒体中の過酸化水素濃度は0重量%であり、水素選択
率は0%であった。
【0027】実施例7 酸化アルミニウム粉末の代わりに市販の酸化チタン粉末
(TAYCA社製、JA−1)を担体として用いた以外
は実施例6と同様の操作を行い、パラジウム触媒の調製
及び過酸化水素の製造反応を行った。1時間の攪拌終了
後、反応媒体中の過酸化水素濃度は0.38重量%、水
素選択率は60%であった。反応媒体中のスズの濃度は
0.5ppmであった。
(TAYCA社製、JA−1)を担体として用いた以外
は実施例6と同様の操作を行い、パラジウム触媒の調製
及び過酸化水素の製造反応を行った。1時間の攪拌終了
後、反応媒体中の過酸化水素濃度は0.38重量%、水
素選択率は60%であった。反応媒体中のスズの濃度は
0.5ppmであった。
【0028】比較例7 パラジウム触媒の調製時に酢酸スズの酢酸溶液を用い
ず、硝酸パラジウム水溶液のみを用いたこと以外は実施
例7と同様の操作を行い、パラジウム触媒の調製及び過
酸化水素の製造反応を行った。1時間の攪拌終了後、反
応媒体中の過酸化水素濃度は0重量%であり、水素選択
率は0%であった。 実施例8 酸化アルミニウム粉末の代わりに市販の酸化ジルコニウ
ム粉末(小宗化学(株)製)を担体として用いた以外は
実施例6と同様の操作を行い、パラジウム触媒の調製及
び過酸化水素の製造反応を行った。1時間の攪拌終了
後、反応媒体中の過酸化水素濃度は0.44重量%、水
素選択率は57%であった。反応媒体中のスズの濃度は
0.3ppmであった。
ず、硝酸パラジウム水溶液のみを用いたこと以外は実施
例7と同様の操作を行い、パラジウム触媒の調製及び過
酸化水素の製造反応を行った。1時間の攪拌終了後、反
応媒体中の過酸化水素濃度は0重量%であり、水素選択
率は0%であった。 実施例8 酸化アルミニウム粉末の代わりに市販の酸化ジルコニウ
ム粉末(小宗化学(株)製)を担体として用いた以外は
実施例6と同様の操作を行い、パラジウム触媒の調製及
び過酸化水素の製造反応を行った。1時間の攪拌終了
後、反応媒体中の過酸化水素濃度は0.44重量%、水
素選択率は57%であった。反応媒体中のスズの濃度は
0.3ppmであった。
【0029】比較例8 パラジウム触媒の調製時に酢酸スズの酢酸溶液を用い
ず、硝酸パラジウム水溶液のみを用いたこと以外は実施
例8と同様の操作を行い、パラジウム触媒の調製及び過
酸化水素の製造反応を行った。1時間の攪拌終了後、反
応媒体中の過酸化水素濃度は0重量%であり、水素選択
率は0%であった。
ず、硝酸パラジウム水溶液のみを用いたこと以外は実施
例8と同様の操作を行い、パラジウム触媒の調製及び過
酸化水素の製造反応を行った。1時間の攪拌終了後、反
応媒体中の過酸化水素濃度は0重量%であり、水素選択
率は0%であった。
【0030】実施例9 触媒の調製を以下の方法によって行った。即ち、市販の
酸化スズ(IV)粉末(関東化学(株)製)10gを1
50mlの水中に懸濁させ攪拌を開始し、その中に1g
−Pd/リットルの濃度の硝酸パラジウム水溶液50m
lをゆっくりと滴下した。滴下終了後、懸濁液を常温に
て12時間静置し、その後懸濁液を攪拌しながら80℃
迄加熱し、溶液中の水を蒸発除去し粉末を乾固した。乾
固して得られた粉末を空気気流中で500℃にて6時間
焼成し、ついで水素気流中で80℃にて1時間還元する
ことにより、用いた酸化スズ(IV)の重量に対して
0.5重量%のパラジウムを担持した触媒を得た。酸素
と水素から過酸化水素を製造する反応は実施例3と同様
の操作にて実施した。1時間の攪拌終了後、反応媒体中
の過酸化水素濃度は0.38重量%であり、水素選択率
は48%であった。
酸化スズ(IV)粉末(関東化学(株)製)10gを1
50mlの水中に懸濁させ攪拌を開始し、その中に1g
−Pd/リットルの濃度の硝酸パラジウム水溶液50m
lをゆっくりと滴下した。滴下終了後、懸濁液を常温に
て12時間静置し、その後懸濁液を攪拌しながら80℃
迄加熱し、溶液中の水を蒸発除去し粉末を乾固した。乾
固して得られた粉末を空気気流中で500℃にて6時間
焼成し、ついで水素気流中で80℃にて1時間還元する
ことにより、用いた酸化スズ(IV)の重量に対して
0.5重量%のパラジウムを担持した触媒を得た。酸素
と水素から過酸化水素を製造する反応は実施例3と同様
の操作にて実施した。1時間の攪拌終了後、反応媒体中
の過酸化水素濃度は0.38重量%であり、水素選択率
は48%であった。
【0031】
【発明の効果】本発明の方法においては、過酸化水素生
成反応に於ける水素選択率が高くなっており、本発明の
スズで修飾した白金族触媒を用いることにより助触媒効
果が発現されている。この様に本発明の方法によれば、
従来法の様に反応媒体中にハロゲンイオンを存在させな
くとも効率よく高濃度の過酸化水素を製造することがで
きる。更に、本発明の触媒を調製するにあたり、固体酸
性を有する担体を用いた場合には、ハロゲンイオン及び
酸の両方を反応媒体中に存在させる必要がなくなり、反
応器材質面での制約が緩和されるとともに、生成した過
酸化水素からの酸及びハロゲンイオン除去などの後処理
が不要となるため、従来の技術よりも過酸化水素の精製
工程が簡略化され、先に述べた問題点は解決され、その
結果経済性に優れた大規模生産に適した新規な過酸化水
素の製造方法が提供される。
成反応に於ける水素選択率が高くなっており、本発明の
スズで修飾した白金族触媒を用いることにより助触媒効
果が発現されている。この様に本発明の方法によれば、
従来法の様に反応媒体中にハロゲンイオンを存在させな
くとも効率よく高濃度の過酸化水素を製造することがで
きる。更に、本発明の触媒を調製するにあたり、固体酸
性を有する担体を用いた場合には、ハロゲンイオン及び
酸の両方を反応媒体中に存在させる必要がなくなり、反
応器材質面での制約が緩和されるとともに、生成した過
酸化水素からの酸及びハロゲンイオン除去などの後処理
が不要となるため、従来の技術よりも過酸化水素の精製
工程が簡略化され、先に述べた問題点は解決され、その
結果経済性に優れた大規模生産に適した新規な過酸化水
素の製造方法が提供される。
【手続補正書】
【提出日】平成6年5月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】本発明に於いて、スズで修飾された白金族
触媒を調製する方法としては以下の方法が例示される。
即ち、パラジウム黒や白金黒にスズ化合物、例えば、塩
化スズ、酢酸スズまたは蓚酸スズ等のスズ化合物を含む
溶液を含浸させた後、空気中で焼成し、次いで水素等の
還元性ガスにより還元する。また、パラジウム黒や白金
黒を用いる代わりに、白金族金属の塩類の水溶液にスズ
化合物、例えば、塩化スズ、酢酸スズまたは蓚酸スズ等
のスズ化合物の溶液を加え、担体とともに蒸発乾固した
後、空気中で焼成し、次いで還元する方法を用いること
もできる。前記の手順において担体を使用しないでスズ
で修飾された白金族触媒を調製することも可能である
が、白金族金属当たりの活性が低い。これらの方法によ
り触媒を調製した場合には、本発明の特徴である助触媒
効果を発現させることが可能であり、さらに安定的に高
い触媒活性を得るためには、担体を用いて、スズ化合物
と白金族金属化合物を含浸させる触媒調製方法を用いる
ことが好ましい。本発明に用いられる担体としては、ア
ルミナ、シリカ、マグネシア、ジルコニア、チタニア、
ゼオライト、硫酸を担持したジルコニアやプロトン型の
MFIタイプのゼオライト等の固体酸性を有する金属酸
化物、活性炭、樹脂等を用いることができるが、金属酸
化物、例えば、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニ
ア等やプロトン型のMFIタイプのゼオライト等の固体
酸性を有する金属酸化物を用いることがより好ましい。
また、白金族金属としては、白金及びパラジウムが好ま
しく、パラジウムが特に好ましい。
触媒を調製する方法としては以下の方法が例示される。
即ち、パラジウム黒や白金黒にスズ化合物、例えば、塩
化スズ、酢酸スズまたは蓚酸スズ等のスズ化合物を含む
溶液を含浸させた後、空気中で焼成し、次いで水素等の
還元性ガスにより還元する。また、パラジウム黒や白金
黒を用いる代わりに、白金族金属の塩類の水溶液にスズ
化合物、例えば、塩化スズ、酢酸スズまたは蓚酸スズ等
のスズ化合物の溶液を加え、担体とともに蒸発乾固した
後、空気中で焼成し、次いで還元する方法を用いること
もできる。前記の手順において担体を使用しないでスズ
で修飾された白金族触媒を調製することも可能である
が、白金族金属当たりの活性が低い。これらの方法によ
り触媒を調製した場合には、本発明の特徴である助触媒
効果を発現させることが可能であり、さらに安定的に高
い触媒活性を得るためには、担体を用いて、スズ化合物
と白金族金属化合物を含浸させる触媒調製方法を用いる
ことが好ましい。本発明に用いられる担体としては、ア
ルミナ、シリカ、マグネシア、ジルコニア、チタニア、
ゼオライト、硫酸を担持したジルコニアやプロトン型の
MFIタイプのゼオライト等の固体酸性を有する金属酸
化物、活性炭、樹脂等を用いることができるが、金属酸
化物、例えば、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニ
ア等やプロトン型のMFIタイプのゼオライト等の固体
酸性を有する金属酸化物を用いることがより好ましい。
また、白金族金属としては、白金及びパラジウムが好ま
しく、パラジウムが特に好ましい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】比較例1 触媒の調製を以下の方法により行った。市販の二酸化珪
素粉末(水沢化学(株)製、平均粒子径25μm)5g
を75mlの水中に懸濁させ攪拌を開始し、その中に1
g−Pd/リットルの濃度の硝酸パラジウム水溶液25
mlをゆっくりと滴下した。滴下終了後、攪拌を続けな
がら溶液を80℃迄加熱し、溶液中の水を蒸発除去し乾
固させた。乾固して得られた粉末を空気気流中で500
℃にて3時間焼成し、次いで水素気流中で120℃にて
2時間還元することにより、用いた二酸化珪素の重量に
対して0.5重量%のパラジウムを担持した触媒を得
た。酸素と水素から過酸化水素を製造する反応は実施例
1と同様の操作にて行った。1時間の攪拌終了後、反応
溶液中の過酸化水素濃度は0.00重量%であり、水素
選択率は0%であった。
素粉末(水沢化学(株)製、平均粒子径25μm)5g
を75mlの水中に懸濁させ攪拌を開始し、その中に1
g−Pd/リットルの濃度の硝酸パラジウム水溶液25
mlをゆっくりと滴下した。滴下終了後、攪拌を続けな
がら溶液を80℃迄加熱し、溶液中の水を蒸発除去し乾
固させた。乾固して得られた粉末を空気気流中で500
℃にて3時間焼成し、次いで水素気流中で120℃にて
2時間還元することにより、用いた二酸化珪素の重量に
対して0.5重量%のパラジウムを担持した触媒を得
た。酸素と水素から過酸化水素を製造する反応は実施例
1と同様の操作にて行った。1時間の攪拌終了後、反応
溶液中の過酸化水素濃度は0.00重量%であり、水素
選択率は0%であった。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】比較例2 パラジウム触媒の調製時に酢酸スズの酢酸溶液を用い
ず、硝酸パラジウム水溶液のみを用いたこと以外は実施
例3と同様の操作を行い、パラジウム触媒の調製及び過
酸化水素の製造反応を行った。1時間の攪拌終了後、反
応媒体中の過酸化水素濃度は0.00重量%であり、水
素選択率は0%であった。
ず、硝酸パラジウム水溶液のみを用いたこと以外は実施
例3と同様の操作を行い、パラジウム触媒の調製及び過
酸化水素の製造反応を行った。1時間の攪拌終了後、反
応媒体中の過酸化水素濃度は0.00重量%であり、水
素選択率は0%であった。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】比較例3 酢酸スズの酢酸溶液を用いず、硝酸パラジウム水溶液の
みを用いたこと以外は実施例3と同様の操作にてパラジ
ウム触媒の調製を行った。酸素と水素から過酸化水素を
製造するに際して、反応媒体として、硫酸の濃度が0.
1モル/リットルであり、スズ酸ナトリウムの濃度が5
0ppmであるように調製した水溶液10gを用いた以
外は実施例3と同様の操作にて反応を行った。1時間の
攪拌終了後、反応媒体中の過酸化水素濃度は0.00重
量%であり、水素選択率は0%であった。
みを用いたこと以外は実施例3と同様の操作にてパラジ
ウム触媒の調製を行った。酸素と水素から過酸化水素を
製造するに際して、反応媒体として、硫酸の濃度が0.
1モル/リットルであり、スズ酸ナトリウムの濃度が5
0ppmであるように調製した水溶液10gを用いた以
外は実施例3と同様の操作にて反応を行った。1時間の
攪拌終了後、反応媒体中の過酸化水素濃度は0.00重
量%であり、水素選択率は0%であった。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】比較例4 パラジウム触媒の調製時に酢酸スズの酢酸溶液を用い
ず、硝酸パラジウム水溶液のみを用いたこと以外は実施
例4と同様の操作を行い、パラジウム触媒の調製及び過
酸化水素の製造反応を行った。1時間の攪拌終了後、反
応媒体中の過酸化水素濃度は0.00重量%であり、水
素選択率は0%であった。
ず、硝酸パラジウム水溶液のみを用いたこと以外は実施
例4と同様の操作を行い、パラジウム触媒の調製及び過
酸化水素の製造反応を行った。1時間の攪拌終了後、反
応媒体中の過酸化水素濃度は0.00重量%であり、水
素選択率は0%であった。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】比較例5 パラジウム触媒の調製時に酢酸スズの酢酸溶液を用い
ず、硝酸パラジウム水溶液のみを用いたこと以外は実施
例5と同様の操作を行い、パラジウム触媒の調製及び過
酸化水素の製造反応を行った。1時間の攪拌終了後、反
応媒体中の過酸化水素濃度は0.00重量%であり、水
素選択率は0%であった。
ず、硝酸パラジウム水溶液のみを用いたこと以外は実施
例5と同様の操作を行い、パラジウム触媒の調製及び過
酸化水素の製造反応を行った。1時間の攪拌終了後、反
応媒体中の過酸化水素濃度は0.00重量%であり、水
素選択率は0%であった。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】比較例6 パラジウム触媒の調製時に酢酸スズの酢酸溶液を用い
ず、硝酸パラジウム水溶液のみを用いたこと以外は実施
例6と同様の操作を行い、パラジウム触媒の調製及び過
酸化水素の製造反応を行った。1時間の攪拌終了後、反
応媒体中の過酸化水素濃度は0.00重量%であり、水
素選択率は0%であった。
ず、硝酸パラジウム水溶液のみを用いたこと以外は実施
例6と同様の操作を行い、パラジウム触媒の調製及び過
酸化水素の製造反応を行った。1時間の攪拌終了後、反
応媒体中の過酸化水素濃度は0.00重量%であり、水
素選択率は0%であった。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】比較例7 パラジウム触媒の調製時に酢酸スズの酢酸溶液を用い
ず、硝酸パラジウム水溶液のみを用いたこと以外は実施
例7と同様の操作を行い、パラジウム触媒の調製及び過
酸化水素の製造反応を行った。1時間の攪拌終了後、反
応媒体中の過酸化水素濃度は0.00重量%であり、水
素選択率は0%であった。 実施例8 酸化アルミニウム粉末の代わりに市販の酸化ジルコニウ
ム粉末(小宗化学(株)製)を担体として用いた以外は
実施例6と同様の操作を行い、パラジウム触媒の調製及
び過酸化水素の製造反応を行った。1時間の攪拌終了
後、反応媒体中の過酸化水素濃度は0.44重量%、水
素選択率は57%であった。反応媒体中のスズの濃度は
0.3ppmであった。
ず、硝酸パラジウム水溶液のみを用いたこと以外は実施
例7と同様の操作を行い、パラジウム触媒の調製及び過
酸化水素の製造反応を行った。1時間の攪拌終了後、反
応媒体中の過酸化水素濃度は0.00重量%であり、水
素選択率は0%であった。 実施例8 酸化アルミニウム粉末の代わりに市販の酸化ジルコニウ
ム粉末(小宗化学(株)製)を担体として用いた以外は
実施例6と同様の操作を行い、パラジウム触媒の調製及
び過酸化水素の製造反応を行った。1時間の攪拌終了
後、反応媒体中の過酸化水素濃度は0.44重量%、水
素選択率は57%であった。反応媒体中のスズの濃度は
0.3ppmであった。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】比較例8 パラジウム触媒の調製時に酢酸スズの酢酸溶液を用い
ず、硝酸パラジウム水溶液のみを用いたこと以外は実施
例8と同様の操作を行い、パラジウム触媒の調製及び過
酸化水素の製造反応を行った。1時間の攪拌終了後、反
応媒体中の過酸化水素濃度は0.00重量%であり、水
素選択率は0%であった。
ず、硝酸パラジウム水溶液のみを用いたこと以外は実施
例8と同様の操作を行い、パラジウム触媒の調製及び過
酸化水素の製造反応を行った。1時間の攪拌終了後、反
応媒体中の過酸化水素濃度は0.00重量%であり、水
素選択率は0%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長島 広光 東京都葛飾区新宿6丁目1番1号 三菱瓦 斯化学株式会社東京研究所内
Claims (10)
- 【請求項1】 酸素と水素を反応媒体中で接触的に反応
させて過酸化水素を製造する方法に於いて、スズで修飾
した白金族金属を触媒として用いることを特徴とする過
酸化水素の製造方法。 - 【請求項2】 白金族金属がパラジウムまたは白金であ
る請求項1記載の過酸化水素の製造方法。 - 【請求項3】 触媒がスズで修飾された白金族金属を担
体に担持したものである請求項1記載の過酸化水素の製
造方法。 - 【請求項4】 担体が金属酸化物である請求項3記載の
過酸化水素の製造方法。 - 【請求項5】 担体が固体酸性を有する請求項3記載の
過酸化水素の製造方法。 - 【請求項6】 固体酸性を有する担体が、硫酸を担持し
たジルコニア、硫酸を担持したアルミナ、硫酸を担持し
たチタニア、モリブデンとジルコニウムの複合酸化物、
タングステンとジルコニウムの複合酸化物、スズと珪素
の複合酸化物、スズとジルコニウムの複合酸化物、プロ
トン型のモルデナイトあるいはプロトン型のMFIタイ
プのゼオライトである請求項4記載の過酸化水素の製造
方法。 - 【請求項7】 反応媒体が水である請求項1記載の過酸
化水素の製造方法。 - 【請求項8】 反応媒体が過酸化水素の安定剤を含んだ
水溶液である請求項1記載の過酸化水素の製造方法。 - 【請求項9】 過酸化水素の安定剤が、アミノトリ(メ
チレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,
1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレン
ホスホン酸)またはこれらのナトリウム塩、リン酸、硫
酸、硝酸、ピロリン酸ナトリウムからなる群から選ばれ
た一種以上の化合物である請求項7記載の過酸化水素の
製造方法。 - 【請求項10】 酸素と水素を不活性ガスの存在下また
は不存在下に反応媒体中で触媒の存在下で反応温度0℃
〜50℃、反応圧力3kg/cm2・G〜150kg/
cm2・Gで反応せしめる請求項1記載の過酸化水素の
製造方法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5091504A JPH06305715A (ja) | 1993-04-19 | 1993-04-19 | 過酸化水素の製造方法 |
US08/229,429 US5378450A (en) | 1993-04-19 | 1994-04-12 | Process for producing hydrogen peroxide |
CA002121300A CA2121300A1 (en) | 1993-04-19 | 1994-04-14 | Process for producing hydrogen peroxide |
DE69409148T DE69409148T2 (de) | 1993-04-19 | 1994-04-15 | Verfahren zur Herstellung von Wasserstoffperoxid |
EP94105860A EP0621235B1 (en) | 1993-04-19 | 1994-04-15 | Process for producing hydrogen peroxide |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5091504A JPH06305715A (ja) | 1993-04-19 | 1993-04-19 | 過酸化水素の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06305715A true JPH06305715A (ja) | 1994-11-01 |
Family
ID=14028250
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5091504A Pending JPH06305715A (ja) | 1993-04-19 | 1993-04-19 | 過酸化水素の製造方法 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5378450A (ja) |
EP (1) | EP0621235B1 (ja) |
JP (1) | JPH06305715A (ja) |
CA (1) | CA2121300A1 (ja) |
DE (1) | DE69409148T2 (ja) |
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US6207128B1 (en) | 1997-05-05 | 2001-03-27 | Akzo Nobel N.V. | Method of producing a catalyst |
DE69836295T2 (de) * | 1997-05-05 | 2007-04-12 | Akzo Nobel N.V. | Verfahren zur Herstellung von Trägerkatalysatoren durch stromlose Metallabscheidung |
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