JPH0630525Y2

JPH0630525Y2 - 四輪駆動型作業車

Info

Publication number: JPH0630525Y2
Application number: JP1987094735U
Authority: JP
Inventors: 利信大和田
Original assignee: Kubota Corp
Current assignee: Kubota Corp
Priority date: 1987-06-19
Filing date: 1987-06-19
Publication date: 1994-08-17
Anticipated expiration: 2002-06-19
Also published as: JPS63202524U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、四輪駆動型作業車における旋回操作の構造に
関する。

〔従来の技術〕

四輪駆動型作業車においては、操向自在な前輪への伝動
系に、後輪駆動速度と略等しい駆動速度で伝動する標準
駆動状態と、旋回時に後輪駆動速度より大きい駆動速度
で伝動する増速駆動状態とに切換自在な前輪変速装置を
装備したものが現れてきている。

そして、左右の前輪の操向操作用のパワーステアリング
機構も装備することにより、軟弱な地面での旋回時に操
縦ハンドルが楽に操作できて、前輪変速装置により小回
り旋回が行えるように構成しているものある。

この場合、旋回時に前輪変速装置を標準駆動状態から増
速駆動状態に切換操作するタイミングを検出する構造と
して、前車軸ケースに対して回動自在に支持された前輪
支持ケースにリミットスイッチを設けて、前輪支持ケー
スの設定角度以上の操向操作を電気的に検出し、前輪変
速装置を増速駆動状態に切換操作するように構成してい
るものがある。

〔考案が解決しようとする課題〕

前述のように、固定部である前車軸ケースに対して回動
する前輪支持ケースにリミットスイッチを設けると、こ
のリミットスイッチから延出されている配線が旋回操作
毎に振り回されることになるので、この配線の疲労を招
くおそれがある。

本考案は、前輪変速装置を装備した四輪駆動型作業車に
おいて、前輪の設定角度以上の操向操作を電気的に検出
する場合、パワーステアリング機構の構成を有効に利用
して、配線の疲労を招かないように構成することを目的
としている。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の特徴は、以上のような前輪変速装置を装備した
四輪駆動型作業車において、次のように構成することに
ある。つまり、機体固定部に装着されたパワーステアリング用の複動型
油圧シリンダから左右にピストンロッドを突出延出し、
両ピストンロッドの各々を左右の前輪のナックルアーム
に連係させると共に、複動型油圧シリンダの左右から突出した両ピストンロッ
ド部位に亘ってブリッジ状の架橋部材を架設し、架橋部材の基準位置からの設定以上の横移動を電気的に
検出し制御装置に伝達するセンサーを備えてある。

〔作用〕

（ｉ）本考案のように構成すると例えば第１図に示すように、
前輪(1)の設定角度以上の操向操作を検出するセンサー
(30)を、パワーステアリング用の複動型油圧シリンダ(2
1)、又はこれ以外の固定部に取り付けることができる。

これにより、センサー(30)からの配線を略全長に亘り、
略固定状態とすることができる。

（ii）例えば第１図に示すように、架橋部材(23),(24)は複動
型油圧シリンダ(21)に沿って横長状となり、その長手方
向に沿って移動することになる。

これにより、架橋部材(23),(24)の略全長内のどの位置
にセンサー(30)を作用させても、前輪(1)の設定角度以
上の操向操作が同様に得られるので、センサー(30)を架
橋部材(23),(24)に対して任意の位置に設けることがで
きる。

（iii）そして、例えば第１図に示すように、架橋部材(23),(2
4)が複動型油圧シリンダ(21)の両ピストンロッド(22a),
(22b)に亘って架設連結されるので、架橋部材(23),(24)
がピストンロッド(22a),(22b)の補強部材になる。

〔考案の効果〕

以上のように、パワーステアリング用の複動型油圧シリ
ンダの構成を有効に利用することにより、センサーを固
定部に設けることができるようになって、センサーの配
線の疲労を未然に防止して耐久性を向上させることがで
きた。

そして、センサーも架橋部材の比較的広い範囲内の任意
の位置に設けることができるので、配線の配置等に有利
な位置にセンサーを配置してやれば、配線の耐久性をさ
らに向上させることができる。

又、架橋部材によりピストンロッドを補強できるので、
強度面で有利な構造が得られる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例の１つである四輪駆動型の農用ト
ラクタについて、図面に基づいて説明する。

第４図に示すように、左右一対の操向型の前輪(1)及び
後輪(2)の各々を駆動自在に支持した機体フレーム(3)に
エンジン(4)、主クラッチ(5)、ミッションケース(6)及
び操縦部(7)を搭載し、機体後部にロータリー耕耘装置
等の各種の作業装置を連結して昇降操作するリフトアー
ム(8)、及び作業装置に動力を伝達するＰＴＯ軸(9)を備
えて、四輪駆動型の農用トラクタを構成している。

農用トラクタの動力伝達系について述べると、第３図及
び第４図に示すように、エンジン(4)からの動力は、主
クラッチ(5)を介してミッションケース(6)内の主変速装
置及び副変速装置（以下、図示せず）に伝達され、後輪
デフ駆動軸(12)から後輪デフ機構(2a)に伝達されてお
り、後輪デフ駆動軸(12)から分岐した動力は、前輪変速
装置(10)に伝達され、前輪出力軸(15)を介して前輪デフ
機構(1a)に伝達される。

前輪変速装置(10)においては第３図に示すように、後輪
デフ駆動軸(12)に前輪出力軸(15)が並設され、後輪デフ
駆動軸(12)に第１及び第２駆動ギヤ(13),(14)が固定さ
れている。第１及び第２駆動ギヤ(13),(14)の各々と咬
合う第１及び第２従動ギヤ(16),(17)が、前輪出力軸(1
5)に遊転外嵌されており、第１従動ギヤ(16)と前輪出力
軸(15)との間に第１油圧クラッチ(18)、第２従動ギヤ(1
7)と前輪出力軸(15)との間に第２油圧クラッチ(19)が構
成されている。そして、第１図に示すように、第１及び
第２油圧クラッチ(18),(19)に対して、作動油の給排操
作を行う電磁式で中立復帰型の制御弁(11)が設けられ、
この制御弁(11)に操作信号を発する制御装置(20)が備え
られている。

次に、前輪(1)の操向系について説明する。第１図に示
すように、パワーステアリング用の複動型油圧シリンダ
(21)が機体固定部に装着され、この複動型油圧シリンダ
(21)から左右にピストンロッド(22a),(22b)が突出延出
されている。ピストンロッド(22a),(22b)の両端に、第
１架橋部材(23)がタイロッドジョイント(25)と一緒に共
締め固定され、両第１架橋部材(23)に亘って第２架橋部
材(24)が架設されている。そして、前輪(1)のナックル
アーム(26)とタイロッドジョイント(25)とに亘って、タ
イロッド(27)が架設されており、操縦ハンドル(28)の回
動操作に基づいて、複動型油圧シリンダ(21)に対して操
作弁(29)から作動油の給排操作が行われる。

次に、第１及び第２架橋部材(23),(24)の直進状態から
の設定以上の横移動を検出するリミットスイッチ(30)
（センサー相当）について説明する。第２図及び第１図
に示すように、リミットスイッチ(30)が複動型油圧シリ
ンダ(21)の外壁にブラケット(31)を介して取付けられて
いる。ブラケット(31)にはスプリング(32)で突出側に付
勢された板状部材(33)が、摺動自在に取付けられ、第２
架橋部材(24)に２組の突部(24a)が設けられている。

直進又は設定角度範囲内の旋回時においては、制御装置
(20)により制御弁(11)が第１油圧クラッチ(18)に対する
作動油供給側に操作されて、第１油圧クラッチ(18)が入
り状態となっており、前輪(1)及び後輪の駆動速度が略
等しい標準駆動状態で動力が前輪(1)に伝達されてい
く。

そして、前輪(1)を設定角度以上に操向操作すると、第
２架橋部材(24)に設けられた突部(24a)の一方が板状部
材(33)に相当し、これを押し込んで板状部材(33)をリミ
ットスイッチ(30)に接触させる。制御装置(20)はリミッ
トスイッチ(30)からの信号を受けると、制御弁(11)を第
２油圧クラッチ(19)に対する作動油供給側に切換操作
し、第２油圧クラッチ(19)が入り状態となって、前輪
(1)が後輪(2)よりも増速される増速駆動状態で動力が伝
達されて行くのである。

本実施例ではリミットスイッチ(30)を複動型油圧シリン
ダ(21)に設ける構造としたが、このリミットスイッチ(3
0)を複動型油圧シリンダ(21)以外の固定部に設ける構造
も採用できる。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利
にする為に符号を記すが、該記入により本考案は添付図
面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る四輪駆動型作業車の実施例を示し、
第１図はパワーステアリング用の複動型油圧シリンダと
前輪変速装置との連係状態を示す図、第２図はリミット
スイッチ付近の平面図、第３図は前輪変速装置の縦断側
面図、第４図は農用トラクタの全体側面図である。 (1)……前輪、(10)……前輪変速装置、(20)……制御装
置、(21)……複動型油圧シリンダ、(22a),(22b)……ピ
ストンロッド、(23),(24)……架橋部材、(30)……セン
サー。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】操向自在な前輪(1)への伝動系に、後輪駆
動速度と略等しい駆動速度で伝動する標準駆動状態と、
後輪駆動速度より大きい駆動速度で伝動する増速駆動状
態とに切換える前輪変速装置(10)を備えると共に、前記
前輪(1)の設定角度以上の操向操作により、前輪変速装
置(10)を増速駆動状態側に切換操作する制御装置(20)を
備えてある四輪駆動型作業車であって、機体固定部に装着されたパワーステアリング用の複動型
油圧シリンダ(21)から左右にピストンロッド(22a),(22
b)を突出延出し、前記両ピストンロッド(22a),(22b)の
各々を前記左右の前輪(1)のナックルアーム(26)に連係
させると共に、前記複動型油圧シリンダ(21)の左右から突出した両ピス
トンロッド(22a),(22b)部位に亘ってブリッジ状の架橋
部材(23),(24)を架設し、前記架橋部材(23),(24)の基準位置からの設定以上の横
移動を電気的に検出し前記制御装置(20)に伝達するセン
サー(30)を備えてある四輪駆動型作業車。