JPH06305153A - インクジェット記録ヘッドの表面処理方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドの表面処理方法

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JPH06305153A
JPH06305153A JP9973493A JP9973493A JPH06305153A JP H06305153 A JPH06305153 A JP H06305153A JP 9973493 A JP9973493 A JP 9973493A JP 9973493 A JP9973493 A JP 9973493A JP H06305153 A JPH06305153 A JP H06305153A
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JP
Japan
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ink
recording head
surface treatment
liquid
ink jet
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Hideaki Mashio
英明 眞塩
Tadaki Inamoto
忠喜 稲本
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 流路と連通する吐出口からインクを吐出され
て記録を行うインクジェット記録ヘッドの撥液性表面処
理を、斜線状または格子状の規則的な多数の凹凸を表面
に有する平板状またはロール状の凹版と、規則的な多数
の凹凸または不規則的な多数の凹凸を表面に有するロー
ル状の凸版とを備えるフレキソ印刷機を用いて、撥液性
表面処理剤を吐出口面の少なくとも吐出口周縁部に印刷
塗工することにより撥液性表面処理を行う。 【効果】 撥液性表面処理剤がインク吐出口に入り込む
こともなく簡単な工程で撥液性表面処理剤の充分な塗工
を印刷処理により行えるので、精度、歩留り及び量産性
良く、少なくともインク吐出口周縁部の撥液表面処理が
可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリンター、複写機、
ファクシミリ等に用いられるインクジェット記録装置
の、インクを吐出する吐出口を少なくとも1つ備えた記
録ヘッドにおける吐出口近傍の表面処理方法に関し、詳
しくは、少なくとも吐出口周縁部を精度、歩留りおよび
量産性良く撥液性表面処理する方法に関する。また、こ
の方法による処理されたインクジェット記録ヘッドおよ
びそれを載置した記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、記録ヘッドのオリフィス(吐
出口)から記録液(インク)を吐出すことにより記録情
報を行うインクジェット記録装置が、低騒音、高速記録
等の点で優れた記録装置として知られている。
【0003】図2(A)は、通常のインクジェット記録
ヘッドの構成を例示する展開斜視図であり、図2(B)
はその断面図である。
【0004】この記録ヘッドにおいてはガラスやセラミ
ックス等で形成された基板11の上に、吐出圧発生素子
12が設置され、感光性樹脂硬化膜13をフォトリソグ
ラフィー法でパターニングすることにより吐出圧発生素
子12に対応する液流路15及びオリフィス14、さら
には液室16が形成されている。
【0005】その感光性樹脂硬化膜13の上には、例え
ばガラス、セラミックス、金属の上で形成された天板1
7が、接着剤19により積層固着されている。
【0006】また、その天板17には記録液供給孔18
が形成されている。
【0007】このような構成の記録ヘッドにおいて、オ
リフィス14を囲む基板11、感光性樹脂硬化膜13及
び天板17の表面の物理的性質(物理特性)は、オリフ
ィス14から記録液を常時安定して吐出させる上で、極
めて重要である。すなわち、オリフィス14の外回り表
面部(オリフィス周縁部)に記録液が回り込んで、その
一部にでも液溜りが生じると、流路15の記録液がオリ
フィス14から吐出される際に、その飛翔方向が正規の
所定方向から脱離するようになり、さらには、液溜り状
態の不安定さから、吐出されるごとにその飛翔方向が乱
れるという不都合が生じ、そのため安定した液吐出が行
えず良好な記録が行えなくなる。
【0008】また更に、オリフィス14の外回り表面全
体が記録液の膜で覆われると、いわゆるスプラッシュ現
象が生じて記録液の散乱が起こり、安定した記録が行え
なくなる。また、オリフィスの外回りを表面部を覆う液
溜りが大きくなると、記録ヘッドの吐出口が不能状態に
陥ることすらある。
【0009】また、図2に示したような通常の記録ヘッ
ドでは、シリコン(基板11)、ガラス(天板17)、
樹脂(感光性樹脂硬化膜13)のように異なる材料が使
用されることが多い。そして記録液は、オリフィス周縁
部において、それら三種の中で最も漏れやすい材質の部
分から漏れる。通常のインク(記録液)に対しては、上
述の三種の材料のうちガラスが一番インクとの界面張力
が低いので、その部分からインクは漏れる。そのガラス
部分は、ヘッドの製造上や性能上好ましいので通常使用
されている材料であり、インク漏れを防ぐ目的で別の材
料使用することは製造上、性能上、コスト上望ましくな
い。
【0010】以上説明したように、従来の記録ヘッドに
おいては、オリフィスの周縁部に記録液の液溜りが生じ
ると、安定な吐出が行えなくなる。しかも、この傾向は
ノズル密度を上げて、高精細な記録を行う場合や、高周
波数で駆動する、すなわち高速記録をねらう場合に、非
常に顕著に現れるので、記録ヘッドの性能を向上させる
上で大きな問題となっている。
【0011】そこで、図1に示すように、少なくともオ
リフィス14の周縁部にいわゆる撥液性処理を施すこと
により、インクをはじく撥液処理層20を形成し、上述
の問題を解決せんとする提案が、従来より数多く公開さ
れている。
【0012】この撥液層の形成方法として、本発明者ら
はすでに特開昭63−239063号、特開平2−48
953号等において、支持体上に設けられた撥液性の表
面処理剤を、インクジェット記録ヘッドの吐出口を有す
る面に転写することを特徴とするインクジェット記録ヘ
ッドの表面処理方法を提案している。
【0013】また、特開昭63−122560号等にお
いてインクジェット記録ヘッドの吐出口内部に除去可能
な物質を充填した後、撥液性の表面処理剤中に吐出口を
有する面を浸漬するか、あるいは、撥液性の表面処理剤
を吐出口を有する面にスプレー塗布する等のインクジェ
ット記録ヘッドの表面処理方法を提案している。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法において、製造上の諸点、例えば、コスト、精
度、品質、歩溜り、量産性等を考慮した場合、充分なも
のはいまだ得られていなかった。
【0015】すなわち、インク吐出口の内方に表面処理
剤が入り込むことなく、均一かつ簡易にインク吐出口面
の撥液性表面処理を施し、量産対応が可能であるという
点において充分な表面処理方法がないという問題があっ
た。
【0016】本発明の目的は前述したような問題点に鑑
み、撥液性表面処理の際、特定の塗工手段を採用するこ
とにより、インク吐出口内方に、表面処理剤が入り込む
ことなく、インク吐出口内に物質を充填する等の工程を
要さず精度、歩溜りおよび量産性良く撥液性表面処理が
できるようにし、インクが吐出される時に、吐出方向、
吐出速度およびインク滴の粒径が一定化され、記録品位
の高いインクジェット記録ヘッドの実現を図ることであ
る。
【0017】また、本発明の他の目的は、該撥液性表面
処理を施したインクジェット記録ヘッドおよびそれを載
置した記録装置を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】かかる目的を解決する本
発明は、流路と連通する吐出口からインクを吐出されて
記録を行うインクジェット記録ヘッドの表面処理におい
て、斜線状または格子状の規則的な多数の凹凸を表面に
有する平板状またはロール状の凹版と、規則的な多数の
凹凸または不規則的な多数の凹凸を表面に有するロール
状の凸版とを備えるフレキソ印刷機を用いて、撥液性表
面処理剤を吐出口面の少なくとも吐出口周縁部に印刷塗
工することにより撥液性表面処理を行うことを特徴とす
るインクジェット記録ヘッドの表面処理方法である。
【0019】上述したフレキソ印刷機を用いて印刷塗工
することにより、撥液性表面処理剤がインク吐出口に入
り込むこともなく簡単な工程で撥液性表面処理剤の充分
な塗工を印刷処理により行えるので、少なくともインク
吐出口周縁部を精度、歩留り及び量産性良く撥液表面処
理することが可能となる。
【0020】また本発明は上記表面処理が施されたイン
クジェット記録ヘッド、またはインク吐出エネルギー発
生素子が電気エネルギーを与えることによって発熱し、
インクに状態変化を生ぜしめて吐出を行わせるための電
気熱変換体である該インクジェット記録ヘッド、または
記録媒体の記録領域の全幅にわたって吐出口が複数設け
られているフルラインタイプのものであることを特徴と
する該インクジェット記録ヘッドである。
【0021】更に、本発明は、記録媒体の被記録面に対
向してインクを吐出するインク吐出口が設けられている
上記の記録ヘッドと、該記録ヘッドを載置するための部
材とを少なくとも具備することを特徴とする記録装置で
ある。
【0022】以下に図面を参照して、本発明を詳細に説
明する。
【0023】本発明においてはインク吐出口の付近に問
題の解決が得られるものであるから、以下の説明におい
ては記録ヘッドのインク吐出口を含む部分のみを抽出し
て詳述するが、本発明の主旨に沿うものであれば、例え
ば図示の如きインクジェット記録ヘッドに限定されるこ
とはなく、如何なる形態のインクジェット記録ヘッドで
あっても、本発明は有効に適用されるものである。
【0024】図3、図4および図5に本発明の処理方法
の原理を説明するための模式図を示す。
【0025】まず、(1)ワークステージ8にインクジ
ェット記録ヘッド1をインク吐出口面が上方になるよう
にセットする。次に、(2)ディスペンサー3を用いて
撥液性表面処理剤2を凹版4上に塗布し、凹版を矢印の
方向へ回転させながらドクターブレード5あるいはドク
ターロール(不図示)を用いて撥液性表面処理剤2を凹
版4の凹部に均一に塗布する。その次に、(3)凹版4
と版胴7上の凸版6とを接触させ、回転させることによ
り、凹版4の凹部から、凸版6の凸部へと、撥液性表面
処理剤2を均一に転写する。最後に、(4)凸版6をイ
ンクジェット記録ヘッドに一定圧力(印圧)で押し付け
ることにより、凸版表面上の撥液性表面処理剤2をイン
クジェット記録ヘッド1のインク吐出口面の少なくとも
吐出口周縁部に印刷し、撥液性表面処理剤がレベリング
することにより、図1に示すような均一な撥液性表面処
理層20を形成する。
【0026】図3および図4に示すようなフレキソ印刷
機としては、液晶ディスプレイの配向膜あるいはポリイ
ミド等の印刷用に改良されたフレキソ印刷機であれば使
用可能である。たとえば、「オングストローマーJ型、
M型、INLINE型」(日本写真印刷(株)製や「日
立薄膜コーティング装置K−601」(日立化成工業
(株))等が具体例として挙げられる。
【0027】また、凹版としては、金属あるいはセラミ
ックで形成されたロール状(図3中の凹版2参照)ある
いは平板状(図4中の凹版9参照)のものがあり、その
表面には、規則的に配列された斜線状(図6)あるいは
格子状(図7、図8)の多数の凸凹が形成されている。
斜線状の凹版の配列のピッチpは100line/cm
のものが多く使用され、また、格子状の凹版においては
220,250,300,360,400line/i
nchのものが使用される場合が多い。
【0028】また凸版としては、「APR」(旭化成
(株))あるいは、「サイレル」(デュポン)、「ルイ
ール」(日本ゼオン(株))等のゴムあるいは弾性プラ
スチックに製版されたものがあり、その形状は規則的に
多数の凹凸(図9)が形成されたものあるいは不規則な
多数の凹凸たとえば梨地模様、砂目模様が形成されたも
の等を用いうる。規則的な多数の凹凸を有する凸版の配
列ピッチpは300,400line/inchのもの
が多く使用されている。凸版のピッチと凹版のピッチは
同一である必要はない。
【0029】撥液性表面処理剤としては、撥液性を有す
る固体状、液体状の表面処理剤であって、必要に応じて
なんらかの処理を施すことで最終的に固体状の表面処理
が記録ヘッドの吐出口面上に形成されるものを用いるこ
とができる。具体的には、液体状の感光性樹脂、感光性
樹脂を溶媒に溶解した感光性樹脂溶液、または液体状の
熱硬化性樹脂、熱硬化性樹脂を溶媒に溶解した熱硬化性
樹脂溶液、さらにシラン系、チタネート系、クロム系、
アルミニウム系等の液状カップリング剤あるいはこれら
を溶媒に溶解した溶液が挙げられる。特に、フッ素化合
物あるいはそれらの溶液、またはシリコン化合物あるい
はその溶液等が好適である。固体化する処理としては、
溶液状のものであれば自然乾燥、加熱等による強制乾燥
による乾燥処理、感光性樹脂あるいは該樹脂溶液であれ
ば該樹脂に対して化学的に活性な光線の照射処理、熱硬
化性樹脂あるいは該樹脂の溶液であれば加熱処理等が選
択される。例えば、「DEFENSA7710シリー
ズ」(DIK)、「LF−40」(総研化学工業
(株))、「ビスフェノールAF型樹脂」(セントラル
ガラス(株))、「KP−801M」、「KP−8F
T」(信越化学工業(株))、「CTX−805A」
(旭硝子(株))、「テフロンAF」(デュポン)等が
列挙できる。
【0030】上記表面処理剤の粘度としては、10cp
s〜2,000cpsで、好ましくは30cps〜1,
000cps、より好ましくは、50〜500cpsで
ある。粘度が低すぎると、撥液性表面処理剤、あるい
は、その溶液がインク吐出口内部に入り込むことがあ
り、インクが吐出口から吐出される時に、吐出方向、吐
出速度、リフィール周波数、インク滴径に影響を与え
る。また、粘度が高すぎると、フレキソ印刷機の凸版か
らインクジェット記録ヘッドのインク吐出口面に処理剤
が印刷される際に、インク吐出口がすべて開口しない場
合がある。さらに粘度が高くなると、フレキソ印刷機の
凹版から凸版への表面処理剤の転写が不可能になる。
【0031】上記表面処理剤の濃度、粘度を調整するた
めに使用する溶媒あるいは表面処理剤を溶解するための
溶媒としては、表面処理剤が溶解可能である溶媒ならば
使用可能であるが、蒸気圧としては、100torr
(at25℃)以下が良く、好ましくは50torr
(at,25℃)以下である。蒸気圧が高すぎると、凹
版から凸版への表面処理剤の転写障害や凸版からインク
ジェット記録ヘッドへの撥液性表面処理剤あるいは溶液
の印刷不良を引き起こす。
【0032】凸版のインクジェット記録ヘッドの吐出口
を有する面に対する印圧としては0.1kg/cm2
5kg/cm2 であり、より好ましくは1kg/cm2
〜3kg/cm2 である。印圧が低すぎると、凸版から
吐出口面への表面処理剤の印刷不良を生じる。また印圧
が高すぎると、表面処理剤をインク吐出口内部に押し入
れることがあり、さらにはインクジェット記録ヘッドを
破損することがある。撥液性表面処理剤すなわち、環状
構造を有するフッ素共重合体の熱キュア条件は、この共
重合体のガラス転移点および、この共重合体を溶解する
溶媒の沸点および、インクジェット記録ヘッドの耐熱温
度によって決定される。すなわち、該共重合体のガラス
転移点および溶媒の沸点より高く、インクジェット記録
ヘッドの耐熱温度より低い温度を選べばよい。
【0033】前記撥液性表面処理層20の膜厚として
は、0.005μm〜2μmであり、より好ましくは、
0.01μm〜0.5μmである。表面処理層の膜厚が
あまり薄いと、表面処理層を均一にインク吐出口面へ設
けることがむずかしくなる上、表面処理層の機械的強度
も弱くなる。また、表面処理層の膜厚があまり厚いと、
表面処理剤がインク吐出口内部への入り込みを生じた
り、さらには、インク吐出口が表面処理剤により開口し
ない場合がある。
【0034】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも、熱エネルギ−を利用して飛翔液滴を形成し、記
録を行うインクジェット記録方式の記録ヘッド、記録装
置に於いて、優れた効果をもたらすものである。
【0035】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されており、本発明はこれらの基
本的な原理を用いて行なうものが好ましい。この記録方
式は所謂オンデマンド型、コンティニュアス型のいずれ
にも適用可能である。
【0036】この記録方式を簡単に説明すると、液体
(インク)が保持されているシートや液路に対応して配
置されている電気熱変換体に、記録情報に対応して液体
(インク)に核沸騰現象を越え、膜沸騰現象を生じる様
な急速な温度上昇を与えるための少なくとも一つの駆動
信号を印加することによって、熱エネルギーを発生せし
め、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせる。この
様に液体(インク)から電気熱変換体に付与する駆動信
号に一対一対応した気泡を形成出来るため、特にオンデ
マンド型の記録法には有効である。この気泡の成長、収
縮により吐出孔を介して液体(インク)を吐出させて、
少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス
形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行なわれる
ので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成
でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号として
は、米国特許第4463359号明細書、同第4345
262号明細書に記載されているようなものが適してい
る。尚、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国
特許第4313124号明細書に記載されている条件を
採用すると、更に優れた記録を行なうことができる。
【0037】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出孔、液流路、電気熱変換
体の組み合わせた構成(直線状液流路又は直角液流路)
の他に、米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書に開示されている様に、熱作
用部が屈曲する領域に配置された構成を持つものも本発
明に含まれる。
【0038】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出孔とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59年第138461号公報に基づいた
構成においても本発明は有効である。
【0039】更に、本発明が有効に利用される記録ヘッ
ドとしては、記録装置が記録できる記録媒体の最大幅に
対応した長さのフルラインタイプの記録ヘッドがある。
このフルラインヘッドは、上述した明細書に開示されて
いるような記録ヘッドを複数組み合わせることによって
フルライン構成にしたものや、一体的に形成された一個
のフルライン記録ヘッドであっても良い。
【0040】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0041】又、本発明の記録装置に、記録ヘッドに対
する回復手段や、予備的な補助手段等を付加すること
は、本発明の記録装置を一層安定にすることができるの
で好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記
録ヘッドに対しての、キャッピング手段、クリーニング
手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別
の加熱素子、或はこれらの組み合わせによる予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出モードを行なう
手段を付加することも安定した記録を行なうために有効
である。
【0042】更に、記録装置の記録モードとしては黒色
等の主流色のみを記録するモードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成したものか、複数個の組み合わせて
構成したものかのいずれでも良いが、異なる色の複色カ
ラー又は、混色によるフルカラーの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0043】以上説明した本発明実施例においては、液
体インクを用いて説明しているが、本発明では室温で固
体状であるインクであっても、室温で軟化状態となるイ
ンクであっても用いることができる。上述のインクジェ
ット装置ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものであれば良い。
【0044】加えて、熱エネルギーによるヘッドやイン
クの過剰な昇温をインクの固形状態から液体状態への状
態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に
防止するか又は、インクの蒸発防止を目的として放置状
態で固化するインクを用いることも出来る。いずれにし
ても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってイン
クが液化してインク液状として吐出するものや記録媒体
に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等のよう
な、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質を
持つインクの使用も本発明には適用可能である。
【0045】このようなインクは、特開昭54−568
47号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記
載されているような、多孔質シートの凹部又は貫通孔に
液状又は固形物として保持された状態で、電気熱変換体
に対して対向するような形態としても良い。
【0046】本発明において、上述した各インクにたい
して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行する
ものである。
【0047】図11は本発明により得られた記録ヘッド
をインクジェットヘッドカートリッジ(IJC) として装着
したインクジェット記録装置(IJRA)の一例を示す外観斜
視図である。
【0048】図において、120 はプラテン124 上に送紙
されてきた記録紙の記録面に対向してインク吐出を行な
うノズル群を具えたインクジェットヘッドカートリッジ
(IJC) である。116 はIJC 120 を保持するキャリッジH
Cであり、駆動モータ117 の駆動力を伝達する駆動ベル
ト118 の一部と連結し、互いに平行に配設された2本の
ガイドシャフト119Aおよび119Bと摺動可能とすることに
より、IJC 120 の記録紙の全幅にわたる往復移動が可能
となる。
【0049】126 はヘッド回復装置でありIJC 120 の移
動経路の一端、例えばホームポジションと対向する位置
に配設される。伝動機構123 を介したモータ122 の駆動
力によって、ヘッド回復装置126 を動作せしめ、IJC 12
0 のキャッピングを行なう。このヘッド回復装置126 の
キャップ部126AによるIJC 120のキャッピングに関連さ
せて、ヘッド回復装置126 内に設けた適宜の吸引手段に
よるインク吸引もしくはIJC 120 へのインク供給経路に
設けた適宜の加圧手段によるインク圧送を行ない、イン
クを吐出口より強制的に排出させることによりノズル内
の増粘インクを除去する等の吐出回復処理を行なう。ま
た、記録終了時等にキャッピングを施すことによりIJC
が保護される。
【0050】130 はヘッド回復装置126 の側面に配置さ
れ、シリコンゴムで形成されるワイピング部材としての
ブレードである。ブレード131 は、ブレード保持部材13
1Aにカンチレバー形態で保持され、ヘッド回復装置126
と同様、モータ122 および伝導機構123 によって動作
し、IJC 120 の吐出面との係合が可能となる。これによ
り、IJC 120 の記録動作における適切なタイミングで、
あるいはヘッド回復装置126 を用いた吐出回復処理後
に、ブレード131 をIJC 120 の移動経路中に突出させ、
IJC 120 の移動動作に伴ってIJC 120 の吐出面における
結露、濡れあるいは塵埃等をふきとるものである。
【0051】
【実施例】以下実施例により、本発明を詳細に説明す
る。
【0052】まず、図2に示すように、シリコン製の基
板11上に発熱素子(吐出圧発生素子)12を設けた。
なお、図2には開示していないが、この発熱素子12の
両端には、この発熱素子へ信号を送るための導体配線が
なされている。次に、この基板11の上に感光性のドラ
イフィルム13(東京応化製、オーディル)をラミネー
トした後、周知のフォトリソグラフィーの加工法で、オ
リフィス14、流路15および液室16を形成した。更
に、ガラス製の天板17に記録液の供給口18を開口し
たものを、接着剤19を介して感光性樹脂硬化膜13上
に積層して接着した。
【0053】以上のように製作したインクジェット記録
ヘッドを「オングストーマーINLINE型」(日本写
真印刷(株))(図3参照)を使用し、撥液性表面剤2
として「CTX−805A」(旭硝子(株))を使用し
て、インク吐出口面に撥液性表面処理剤2を2回あるい
は3回連続して印刷し、クリーンオーブンを用いて18
0℃、1時間の熱キュアを行うことにより、インクジェ
ット記録ヘッドのインクのインク吐出口面に撥液性表面
処理層20を形成した。このように実施例において凹
版、凸版を表1のように変えて、得られた結果を実施例
1〜実施例9として表1に示す。更に、撥液性表面処理
剤2として、「DEFENSA7710」(DIK)を
使用し、インク吐出口面に撥液性表面処理剤2を印刷
し、インク吐出口面を上向きにして、上方より1kWの
超高圧水銀灯を用いて10J/cm2の紫外線を照射するこ
とにより、インクジェット記録ヘッドのインク吐出口面
に撥液性表面処理層20を形成した。この結果を実施例
10として表1に示す。印圧等により僅かに表面処理層
に不均一部分や吐出口内への表面処理剤の入り込みが認
められたが、全体としては良好であった。
【0054】
【表1】 次に、以上の実施例で得られる作用効果について具体的
に説明する。
【0055】図10はインクの吐出特性を観察するため
の測定装置の配置を示す模式図である。301で示すイ
ンクジェット記録ヘッドのインク吐出口から吐出される
インク滴302の吐出方向および吐出速度のばらつきを
観察するため、インク滴302の飛 方向xと直交する
方向yおよびzの2方向に顕微鏡を取り付けたビデオモ
ニタ303および304を配置した。また、ストロボ発
光器305をインク吐出周波数と同期させて発光させ
た。
【0056】この測定装置に実施例1〜実施例10によ
りインク吐出口面を表面処理されたインクジェット記録
ヘッドをインクジェット記録ヘッド301としてセット
し、インクを連続的に吐出させてインク禍を観察した。
このとき、y方向、z方向共にインク滴はx方向上で静
止して見えた。これは、インク滴が直進し、吐出速度も
一定であることを示している。長時間の連続吐出後もこ
の様子は変わらなかった。
【0057】これに対して、上記の表面処理を行なって
いないインクジェット記録ヘッドでは、インク滴がx方
向からずれた位置にあることがあり、インク液禍の進行
方向でゆらいでいる場合があった。これはインク滴が直
進せず、またその吐出速度も一定でないことがあること
を示している。また、この時インク吐出口の周辺を観察
したところインクが付着している場合があるのが見られ
た。このような現象は前記実施例に係る表面処理方法に
よって処理されたインクジェット記録ヘッドには見られ
ないことであった。
【0058】次に、インクジェット記録ヘッドをプリン
タに取り付けて印字を行ない、印字品位の評価を行なっ
た。このインクジェット記録ヘッドとしては、8個のイ
ンク吐出口を有するものを用いた。この結果、実施例1
〜10に係る方法により処理を行なったインクジェット
記録ヘッドでは、長時間にわたり安定な印字品位が得ら
れた。これに対して、未処理のインクジェット記録ヘッ
ドにおいては、印字を続けるに従って印字不良、すなわ
ち、文字を構成するドットの偏りや主ドット以外に微小
ドットが形成されるなどの現象が起こることがあった。
この時のインク吐出口の周辺には、やはりインクが付着
している場合があった。このインクをふき取ると一時的
に良好な印字品位となるが、すぐ印字不良を起こしてし
まうことがあった。
【0059】更に、比較例として、上記各実施例で用い
た表面処理剤をインク吐出口面に塗布法により設け、表
面処理層を形成した。またそれらとは別に、比較例とし
て、塗布法ではなく支持体による転写によってインク吐
出口面に表面処理を施した。その結果、表面処理剤がイ
ンク吐出口の内部に入り込んだり、あるいは表面処理層
の厚みや特性の点で均一に設けられていなかったりする
ものがあった。それ故、比較例に係るインクジェット記
録ヘッドには、インクの吐出特性が良好でないものがあ
った。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
上述したフレキソ印刷機を用いて印刷塗工したことによ
り、撥液性表面処理剤がインク吐出口に入り込むことも
なく簡単な工程で撥液性表面処理剤の充分な塗工を印刷
処理により行えるので、少なくともインク吐出口周縁部
を精度、歩留り及び量産性良く撥液表面処理することが
可能となった。即ち、(1)インク吐出口面に均一に表
面処理を行なうことができる、(2)インク吐出口の周
りのインク吐出口面の荒れやキズ等がなくなる、(3)
吐出されたインク滴の吐出方向、吐出速度および粒径が
一定となり記録品位が向上する、(4)吐出周波数を上
げても良好な印字品位が得られるため記録速度を上げる
ことができる、(5)表面処理を行なう際にインク路内
に表面処理剤が入り込むことを阻止するような特別な処
理を必要としない、(6)量産化も容易であり廉価なイ
ンクジェット記録ヘッドを提供できる、(7)表面処理
によりインク吐出口の形状を変えることがなく、設計上
の制約を与えることがない、等の優れた効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェット記録ヘッドの模式
的斜視図である。
【図2】(A)は本発明に係るインクジェット記録ヘッ
ドの構成を例示する展開斜視図、(B)は該インクジェ
ット記録ヘッドの構成を例示する断面図である。
【図3】本発明に係るフレキソ印刷機の構成を例示する
模式図である。
【図4】本発明に係るフレキソ印刷機の構成を例示する
模式図である。
【図5】本発明の表面処理方法の構成を例示する模式図
である。
【図6】本発明に係るフレキソ印刷機の凹版の構成を例
示する模式図である。
【図7】本発明に係るフレキソ印刷機の凹版の構成を例
示する模式図である。
【図8】本発明に係るフレキソ印刷機の凹版の構成を例
示する模式図である。
【図9】本発明に係るフレキソ印刷機の凸版の構成を例
示する模式図である。
【図10】実施例において用いたインク吐出特性観察用
測定装置の配置を示す模式図である。
【図11】本発明に係るインクジェット記録ヘッドを備
えた記録装置の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,301 インクジェット記録ヘッド 2 撥液性表面処理剤 3 ディスペンサー 4,9 凹版 5 ドクターブレード 6 凸版 7 版胴 8 ワークステージ 10 凹版取付台 11 基板 12 吐出圧発生素子 13 感光性樹脂硬化膜 14 吐出口(オリフィス) 15 流路 16 液室 17 天板 18 インク供給口 19 接着剤 20 撥液性表面処理層 302 インク滴 307,304 ピラオモニタ 305 ストロボ発光器 116 キャリッジ 117 駆動モータ 118 駆動ベルト 119A、119B ガイドシャフト 120 インクジェットヘッドカートリッジ 122 クリーニング用モータ 123 伝動機構 124 プラテン 126 キャップ部材 130 ブレード 130A ブレード保持部材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流路と連通する吐出口からインクを吐出
    されて記録を行うインクジェット記録ヘッドの表面処理
    において、斜線状または格子状の規則的な多数の凹凸を
    表面に有する平板状またはロール状の凹版と、規則的な
    多数の凹凸または不規則的な多数の凹凸を表面に有する
    ロール状の凸版とを備えるフレキソ印刷機を用いて、撥
    液性表面処理剤を吐出口面の少なくとも吐出口周縁部に
    印刷塗工することにより撥液性表面処理を行うことを特
    徴とするインクジェット記録ヘッドの表面処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の表面処理が施されたインクジ
    ェット記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 インク吐出エネルギー発生素子が電気エ
    ネルギーを与えることによって発熱し、インクに状態変
    化を生ぜしめて吐出を行わせるための電気熱変換体であ
    る請求項2記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 記録媒体の記録領域の全幅にわたって吐
    出口が複数設けられているフルラインタイプのものであ
    ることを特徴とする請求項2記載のインクジェット記録
    ヘッド。
  5. 【請求項5】 記録媒体の被記録面に対向してインクを
    吐出するインク吐出口が設けられている請求項2記載の
    記録ヘッドと、該記録ヘッドを載置するための部材とを
    少なくとも具備することを特徴とする記録装置。
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