JP2004209741A - インクジェット記録ヘッド - Google Patents

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修一 村上
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真 照井
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
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    • B41J2/135Nozzles
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    • B41J2002/14475Structure thereof only for on-demand ink jet heads characterised by nozzle shapes or number of orifices per chamber

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Abstract

【課題】発一現象が抑制された信頼性の高いインクジェット記録ヘッドを提供する。
【解決手段】吐出口26の近傍には、吐出口26と同様に吐出口プレート5を貫通している6個の保湿穴28が形成されている。保湿穴28の直径は3μmである。保湿穴28の位置は、電気熱変換素子31の中心位置の座標を(0、0)(単位:μm)とした場合、保湿穴A〜Fの中心位置は、半径9.5μmの円周と、この円を60度で等分する線との交点上にある。電気熱変換素子31に電気信号を与えると、吐出口26からインクは吐出されるが、保湿穴A〜Fからは、毛管力と流抵抗が極端に大きくなるため、インクは吐出されない。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクを吐出してインク液滴を形成し、記録を行うインクジェット記録装置に用いるインクジェット記録ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
今日広く一般的に用いられているインクジェット記録方式のインク吐出方法にはインク滴を吐出するために用いられる吐出エネルギ発生素子として電気熱変換素子(ヒータ)を利用する方法と圧電素子(ピエゾ)を利用する方法があり、いずれも電気的な信号によってインク滴の吐出を制御することが可能である。例えば、電気熱変換素子を用いるインク滴吐出方法の原理は、電気熱変換素子に電気信号を与えることにより、電気熱変換素子近傍のインクを瞬時にして沸騰させ、そのときのインクの相変化により生じる急激な気泡の成長によってインク滴を高速に吐出させるものである。一方、圧電素子を用いるインク滴の吐出方法の原理は、圧電素子に電気信号を与えることにより、圧電素子が変位しこの変位時の圧力によってインク滴を吐出させるものである。ここで、前者の方法は吐出エネルギ発生素子のスペースをそれほど設けなくとも済み、インクジェット記録ヘッドの構造が単純で、ノズルの集積化が容易であること等の利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
最近は、パソコンの処理速度の高性能化、インターネットなどの普及よりカラー画像に対する高速化の欲求もますます増大してきていて、高精細あるいは階調性のあるいわゆる非常に高品位な記録物を迅速に記録アウトする需要が高まっており、高画質でかつ高速であるプリンターが求められている。インクジェット記録装置は、記録ヘッドの微細な吐出口から微小なインク滴を吐出して、紙やOHPフィルムなどの被記録媒体に画像を記録する。そのため、非記録動作状態が続いて、記録ヘッドが長期にわたってインクを吐出していない場合には、吐出口内のインクが蒸発乾燥してしまい、増粘・固化したインクが吐出口内に詰まって、ヨレ(インクの吐出方向の変化)や吐出不良を引き起こすことが分かっている。この吐出不良現象を以下では発一現象と呼ぶこととする。
【0004】
発一現象は、吐出していないノズルの吐出口からインクが蒸発乾燥することにより発生することから、吐出口周囲の湿度が大きく影響することが分かっている。発明者の検討では、25℃/10%と25℃/45%では、発一現象に大きな差があり、湿度が10%の場合の方がかなり短時間で不吐出が発生していた。
【0005】
そこで本発明は、上述したような従来の問題に着目し、吐出口からの蒸発による、不吐出、ヨレの課題に対して発一現象が無い信頼性の高いインクジェット記録ヘッドを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明のインクジェット記録ヘッドは、熱エネルギにより気泡を発生させるための複数の熱エネルギ発生手段と、前記各熱エネルギ発生手段が設けられた複数の発泡室と、前記各発泡室にインクを導くための複数のインク流路と、前記各インク流路に連通し、インクを吐出するための複数の吐出口が、前記各熱エネルギ発生手段と対面する位置に形成された吐出口プレートとを有するインクジェット記録ヘッドにおいて、前記吐出口プレートに、1つの前記電気熱変換素子に対応する、1つの吐出口と、前記インク流路に連通し、前記吐出口の直径よりも小さい直径の複数の保湿穴とが形成されていることを特徴とする。
【0007】
上記の通り構成された本発明のインクジェット記録ヘッドは、1つの前記電気熱変換素子に対して、1つの吐出口および複数の保湿穴が設けられている。すなわち1つの吐出口に対して、複数の保湿穴が設けられている構成となっている。この保湿穴が設けられることで、保湿穴からのインクの蒸発により吐出口周囲の雰囲気湿度を上昇させることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、用いる寸法、数値等は一例を示したものであり、これに限定されるものではない。
【0009】
図1に、本発明のインクジェット記録装置の概観斜視図を示す。
【0010】
本発明のインクジェット記録装置100は、インクジェットヘッドカートリッジを搭載するキャリッジ11と、キャリッジ11を走査移動させるキャリッジ駆動モータ12と、インクジェット記録装置100の図示しない制御部から電気信号をインクジェットカートリッジに送るためのフレキシブルケーブル13と、インクジェットヘッドユニットの回復処理を行なうための回復手段14と、紙などの記録媒体を積層状態で蓄える給紙トレイ15と、キャリッジ11の位置を光学式に読み取る光学式位置センサ16、記録がなされ、排出された記録媒体を保持する排紙トレイ17を有する。このような構成のインクジェット記録装置100は、キャリッジ11を記録媒体の搬送方向(副走査方向)と直交する主走査方向にシリアルスキャンさせ、インクジェット記録ヘッドの吐出口(ノズル数)に対応した幅の記録を行なう一方、非記録時に記録媒体をすでに決められている量、間欠的に搬送する。
【0011】
(第1の実施形態)
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0012】
図2は、図1に示したインクジェット記録装置に搭載されているインクジェット記録ヘッドの模式図であり、吐出口が形成されているインクジェット記録ヘッド基板の斜視図である。なお、本図およびこれ以下において、電気熱変換素子を駆動するための電気的な配線等は図示していない。本実施形態においては、例えば図2に示されるような、ガラス、セラミックス、プラスチックあるいは金属等からなる基板34が用いられるが、このような基板の材質は、本発明の本質ではなく、流路構成部材の一部として機能し、インク吐出発生素子および、後述するインク流路、インク吐出口を形成する材料層の支持体として機能し得るのであれば、特に限定されるものではない。そこで、本実施形態では、Si基板(ウエハ)を用いた場合で説明する。
【0013】
図3に、図2のA−A´断面を示す。基板34は電気熱変換素子31およびインク供給口3を備えており、長溝状の貫通口からなるインク供給口3の長手方向の両側に熱エネルギ発生手段である電気熱変換素子31がそれぞれ1列ずつ千鳥状に電気熱変換素子31の間隔が600DPIのピッチで各列256個ずつ、2列で合計512個配列されている。さらに、複数の保湿穴28が吐出口26の近くに形成されている。また、2列の電気熱変換素子31の中央間の距離は215μmであり、インク供給口3の幅は115μmである。
【0014】
本実施形態のインクジェット記録ヘッド基板1は、図4の正面図に示されるように6色一体ヘッドである。すなわち、吐出体積が2.8plの複数の吐出口26からなる吐出口列20が、各色毎に各2列づつ、計12列の吐出口列が形成されている。6色とも吐出口の数は512個である。
【0015】
一方、シアン、マゼンタの2plの吐出部を図5に示す。なお、図5(b)は、平面図であり、図5(a)は図5(b)のZ−Z´線における側断面図である。本実施形態において、吐出口26の直径はφ11.0μmであり、流路高さjは14.0μm、電気熱変換素子31から吐出口プレート5の表面まで(i+j)は25.0μm、電気熱変換素子31は一辺が22μmの正方形である。また、図5(b)に示すように、本実施形態においては、供給路6の幅aは32μm、発泡室2の奥壁面2´の幅bは22μm、供給路壁7の端部から奥壁面2´までの距離cは47.5μm、供給路壁7の端部からフィルタ9の中心までの距離dは12.8μm、フィルタ9の中心から、インク供給口3の壁面と供給路6の底面との交点であるインク供給口角部3´までの距離eは4.7μmであり、フィルタ9の直径であるfは10μmである。また、奥壁面2´から吐出口26中心までの距離であるgは13μmである。なお、寸法のa〜gは、以下の各実施形態、および図7に示す比較のための従来例においても同じ箇所は同じ寸法である。
【0016】
吐出口26の近傍には、吐出口26と同様に吐出口プレート5を貫通している複数の保湿穴28が形成されている。本実施形態では、吐出口一つに対し、直径3μmの保湿穴28が6個吐出口26の周辺を囲うように形成されている。
【0017】
本実施形態の保湿穴28の位置は、電気熱変換素子31の中心位置、すなわち、吐出口26の中心の座標を(0、0)(単位:μm)とした場合、図5(b)に示す保湿穴A〜Fは、半径9.5μmの円周上に中心位置がある。図6により、より詳細に説明する。すなわち、保湿穴Aの中心は、X軸と半径9.5μmの円との交点であり、保湿穴Bの中心は、X軸を、座標(0、0)を中心として60度回転させた直線と半径9.5μmの円との交点であり、保湿穴Cの中心は、X軸を、座標(0、0)を中心として120度回転させた直線と半径9.5μmの円との交点であり、保湿穴Dの中心は、X軸を、座標(0、0)を中心として180度回転させた直線と半径9.5μmの円との交点であり、保湿穴Eの中心は、X軸を座標(0、0)を中心として240度回転させた直線と半径9.5μmの円との交点であり、保湿穴Fの中心は、X軸を座標(0、0)を中心として300度回転させた直線と半径9.5μmの円との交点である。つまり、保湿穴A〜Fは、全て、電気熱変換素子31の中心をとした中心半径9.5μmの円周上に中心が位置するように形成されており、さらには、保湿穴28の中心と吐出口26の中心とを結んだ線の隣接したもの同士の角度がそれぞれ60度となっている。
【0018】
なお、本発明者が詳細に検討を行ったところ、電気熱変換素子31が22μmの正方形であり、インク粘度が2.2×10−3Pa・s(25℃において)、インク密度1.05、インクの表面張力が3.0×10−4N/cm(25℃において)において、穴の直径が4μm以下ではインクが吐出しないことを確認している。これは、吐出口の径が小さくなると、毛管力と流抵抗が極端に大きくなるためによるものである。検討においても直径5μmの場合においては、温度上昇してインク粘度が低下した場合には、全イベントではないがインクが出ることを確認している。よって、本実施形態においては、吐出口26からインクを吐出する際、保湿穴28からインクが吐出してしまうことはない。
【0019】
以上の構成のような保湿穴A〜Fを設けた本実施形態のインクジェット記録ヘッドと、図7に示す比較のための従来例のように保湿穴が形成されていないインクジェット記録ヘッドとにより、インク粘度が上昇し吐出しにくい15℃/10%の環境における発一現象を比較した。なお、図7(b)は、従来のインクジェット記録ヘッドの一例の平面図であり、図7(a)は図7(b)のZ−Z´線における側断面図である。この比較用のインクジェット記録ヘッドは、図に示すように、吐出口プレート105には、吐出口126のみが形成されており、保湿穴は形成されていない。この両者を比較したところ、保湿穴が無い場合では3秒間吐出させないと、一部の吐出口が不吐出になったのに対し、保湿穴を設けた本実施形態の構成においては5秒間吐出させない場合に不吐出が発生した。このように保湿穴が形成された本実施形態のインクジェット記録ヘッドは、発一現象を抑制することができる時間が約2倍となり、発一現象を抑制することが可能であることが確認できた。
【0020】
なお、穴の直径が4μm以下ではインクが吐出しないことを確認したことを記載したが、保湿穴28の直径が4μmより小さければ、あるいは保湿穴の直径が4μmより大きい場合においても吐出口プレート5がさらに厚くなることで吐出しない場合もある。よって、保湿穴28の直径は、インクが吐出しない構成となるものであれば、如何なる寸法であってもよいし、その個数も6個に限定するものではないし、また、その形状も円形に限定されるものではない。
【0021】
(第2の実施形態)
本実施形態のインクジェット記録ヘッドは、保湿穴が形成されている位置が、第1の実施形態で示したインクジェット記録ヘッドと異なる以外は、基本的に第1の実施形態で示したインクジェット記録ヘッドと同じ構成である。よって、詳細の説明は省略するとともに、保湿穴以外の符号は第1の実施形態で用いた符号を用いて説明することとする。
【0022】
本実施形態のインクジェット記録ヘッドの吐出口プレート5に形成されている複数の保湿穴128の各直径は、第1の実施形態と同じ全て3μmであるが、図8に示すように、各保湿穴128は、供給路6側で、吐出口26とインク供給口3との間となる位置に、正方格子状に9個形成されている。
【0023】
より詳細には、本実施形態の各保湿穴128の位置は、吐出口26の中心位置、すなわち、電気熱変換素子31(なお、図8では、簡単のため図示していない)の中心位置の座標を(0、0)(単位:μm)とした場合に、保湿穴A(−9.5、−6)、保湿穴B(−15.5、−6)、保湿穴C(−21.5、−6)、保湿穴D(−9.5、0)、保湿穴E(−15.5、0)、保湿穴F(−21.5、0)、保湿穴G(−9.5、6)、保湿穴H(−15.5、6)、保湿穴I(−21.5、6)の位置となる。
【0024】
以上の構成のような保湿穴A〜Fを設けた本実施形態のインクジェット記録ヘッドと、図7に示す比較のための従来例のように保湿穴が形成されていないインクジェット記録ヘッドとにより、インク粘度が上昇し吐出しにくい15℃/10%の環境における発一現象を比較したところ、保湿穴が無い場合では3秒間吐出させないと、一部の吐出口が不吐出になったのに対し、保湿穴を設けた本実施形態の構成においては5秒間吐出させない場合に不吐出が発生した。このように保湿穴が形成された本実施形態のインクジェット記録ヘッドは、発一現象を抑制することができる時間が約2倍となり、発一現象を抑制することが可能であることが確認できた。このように、本実施形態においては、保湿穴128を発泡室2ではなく供給路6側の吐出口プレート5に設けることにより、保湿穴128からの蒸発による発泡室2内でのインクの粘度上昇を抑制することができ、より発一現象を抑制することができた。
【0025】
(第3の実施形態)
本実施形態のインクジェット記録ヘッドは、第1の実施形態の図5で示したインクジェット記録ヘッドが発泡室が奥壁面で仕切られた構成であるのに対し、発泡室が壁面で仕切られていない構成となっている点、および保湿穴が形成されている位置が、第1の実施形態で示したインクジェット記録ヘッドと異なる以外は、基本的に第1の実施形態で示したインクジェット記録ヘッドと同じ構成である。
よって、詳細の説明は省略するとともに、保湿穴以外の符号は第1の実施形態で用いた符号を用いて説明することとする。
【0026】
なお、各部寸法a〜fも図9(b)に示すように、図5(b)で示す位置に対応し、寸法も同じであるが、図9(b)中の寸法bは、幅aの供給路6が狭くなった部分の幅を指し、図5(b)の奥壁面2´の幅bに対応するものであり、図9(b)中の寸法gは、供給路6が幅aから幅bとなる隅部から吐出口26の中心までの距離であり、図5(b)の奥壁面2´から吐出口26中心までの距離gに対応するものである。
【0027】
本実施形態のインクジェット記録ヘッドの吐出口プレート5に形成されている複数の保湿穴228の各直径は、第1の実施形態と同じ全て3μmであるが、図9に示すように、各保湿穴228は、吐出口26中心を対称として両側に各3個ずつ、計6個設けられている。
【0028】
より詳細には、図9に示すように、本実施形態の各保湿穴A〜Fの位置は、吐出口26の中心位置、すなわち、電気熱変換素子の中心位置の座標を(0、0)(単位:μm)とした場合、保湿穴Aは(9.5、−6)、保湿穴Bは(9.5、0)、保湿穴C(9.5、6)、保湿穴D(−9.5、−6)、保湿穴E(−9.5、0)、保湿穴F(−9.5、6)の位置となる。
【0029】
以上の構成のような保湿穴A〜Fを設けた本実施形態のインクジェット記録ヘッドと、図7に示す比較のための従来例のように保湿穴が形成されていないインクジェット記録ヘッドとにより、インク粘度が上昇し吐出しにくい15℃/10%の環境における発一現象を比較したところ、保湿穴が無い場合では3秒間吐出させないと、一部の吐出口が不吐出になったのに対し、保湿穴を設けた本実施形態の構成においては6秒間吐出させない場合に不吐出が発生した。このように保湿穴が形成された本実施形態のインクジェット記録ヘッドは、発一現象を抑制することができる時間が約2倍となり、発一現象を抑制することが可能であることが確認できた。
【0030】
(第4の実施形態)
本実施形態のインクジェット記録ヘッドは、保湿穴が形成されている位置および個数が、第1の実施形態で示したインクジェット記録ヘッドと異なる以外は、基本的に第1の実施形態で示したインクジェット記録ヘッドと同じ構成である。よって、詳細の説明は省略するとともに、保湿穴以外の符号は第1の実施形態で用いた符号を用いて説明することとする。
【0031】
図10に示すように、本実施形態のインクジェット記録ヘッドは、吐出口プレート5に形成されている複数の保湿穴328の各直径が3μmのものと4μmのものとが各6個ずつ、計12個の保湿穴328が吐出口26の周囲に形成されている。本実施形態のインクジェット記録ヘッドにおける保湿穴328は、吐出口26に対する2つの同心円である内側円300、外側円301の円周上に形成されており、内側円300の円周上に6個、外側円301の円周上に6個設けている。内側円300の円周上の保湿穴328の直径が3μmで、外側円301の保湿穴328の直径が4μmである。これは、電気熱変換素子31(図10では簡単のため図示せず)からの距離が遠いほど、保湿穴328からインクが出にくくなるために保湿穴328の直径を大きくすることが可能であるので、外側の保湿穴328の直径を内側のものより大きくした。
【0032】
より詳細には、図10に示すように、本実施形態の各保湿穴A〜Fの位置は、吐出口26の中心位置、すなわち、電気熱変換素子の中心位置の座標を(0、0)(単位:μm)とした場合、半径9.5μmの円周上に中心位置がある。すなわち、保湿穴A〜Fは、第1の実施形態のインクジェット記録ヘッドに形成された保湿穴A〜Fと同じ位置に、同じ直径で形成されている。
【0033】
一方、保湿穴G〜Lの位置は、以下の通りである。すなわち、保湿穴Gの中心は、X軸と半径11.5μmの円との交点であり、保湿穴Hの中心は、X軸を、座標(0、0)を中心として30度回転させた直線と半径11.5μmの円との交点であり、保湿穴Iの中心は、X軸を、座標(0、0)を中心として90度回転させた直線と半径11.5μmの円との交点であり、保湿穴Jの中心は、X軸を、座標(0、0)を中心として150度回転させた直線と半径11.5μmの円との交点であり、保湿穴Kの中心は、X軸を座標(0、0)を中心として210度回転させた直線と半径11.5μmの円との交点であり、保湿穴Lの中心は、X軸を座標(0、0)を中心として270度回転させた直線と半径11.5μmの円との交点である。つまり、保湿穴G〜Lは、全て、電気熱変換素子31の中心をとした中心半径11.5μmの円周上に中心が位置するように形成されている。
【0034】
以上の構成のような保湿穴A〜Lを設けた本実施形態のインクジェット記録ヘッドと、図7に示す比較のための従来例のように保湿穴が形成されていないインクジェット記録ヘッドとにより、インク粘度が上昇し吐出しにくい15℃/10%の環境における発一現象を比較したところ、保湿穴が無い場合では3秒間吐出させないと、一部の吐出口が不吐出になったのに対し、保湿穴を設けた本実施形態の構成においては6秒間吐出させない場合に不吐出が発生した。このように保湿穴が形成された本実施形態のインクジェット記録ヘッドは、発一現象を抑制することができる時間が約2倍となり、発一現象を抑制することが可能であることが確認できた。
【0035】
(第5の実施形態)
本実施形態のインクジェット記録ヘッドは、図11(a)、(b)に示すように、保湿穴が形成されている位置が、第2の実施形態で示したインクジェット記録ヘッドと同様に、供給路6側で、吐出口26とインク供給口3との間となる位置に正方格子状に9個形成されているが、吐出口26から遠ざかるにつれ、その直径が大きくなっている点が第2の実施形態のインクジェット記録ヘッドと異なる。それ以外は、基本的に第2の実施形態で示したインクジェット記録ヘッドと同じ構成、すなわち、第1の実施形態のインクジェット記録ヘッドとも同じ構成である。よって、詳細の説明は省略するとともに、保湿穴以外の符号は第1の実施形態で用いた符号を用いて説明することとする。
【0036】
より詳細には、図11(b)に示すように、本実施形態の各保湿穴428の位置は、吐出口26の中心位置、すなわち、電気熱変換素子31(なお、図11では、簡単のため図示していない)の中心位置の座標を(0、0)(単位:μm)とした場合に、保湿穴A(−9.5、−6)、保湿穴B(−15.5、−6)、保湿穴C(−21.5、−6)、保湿穴D(−9.5、0)、保湿穴E(−15.5、0)、保湿穴F(−21.5、0)、保湿穴G(−9.5、6)、保湿穴H(−15.5、6)、保湿穴I(−21.5、6)の位置となる。
【0037】
そして、保湿穴C、D、Gの各直径が3μm、保湿穴B、E、Hの各直径が3.5μm、保湿穴A、F、Iの各直径が4μmとなっている。
【0038】
以上の構成のような保湿穴A〜Fを設けた本実施形態のインクジェット記録ヘッドと、図7に示す比較のための従来例のように保湿穴が形成されていないインクジェット記録ヘッドとにより、インク粘度が上昇し吐出しにくい15℃/10%の環境における発一現象を比較したところ、保湿穴が無い場合では3秒間吐出させないと、一部の吐出口が不吐出になったのに対し、保湿穴を設けた本実施形態の構成においては6秒間吐出させない場合に不吐出が発生した。このように保湿穴が形成された本実施形態のインクジェット記録ヘッドは、発一現象を抑制することができる時間が約2倍となり、発一現象を抑制することが可能であることが確認できた。このように、本実施形態においては、保湿穴428を発泡室2ではなく供給路6側の吐出口プレート5に設けることにより、保湿穴428からの蒸発による発泡室2内でのインクの粘度上昇を抑制することができ、より発一現象を抑制することができた。
【0039】
(第6の実施形態)
本実施形態のインクジェット記録ヘッドは、図12(a)に示すように、保湿穴528の断面形状が、吐出口プレート5の表面5a側の直径Dが4μmで、裏面5b側の直径Dが3μmのテーパ形状となっている以外は、基本的に第1の実施形態で示したインクジェット記録ヘッドと同じ構成である。よって、詳細の説明は省略するとともに、保湿穴以外の符号は第1の実施形態で用いた符号を用いて説明することとする。
【0040】
図12(b)に示すように、本実施形態の各保湿穴528の位置は、吐出口26の中心位置、すなわち、電気熱変換素子(図12には簡単のため、図示せず)の中心位置の座標を(0、0)(単位:μm)とした場合に保湿穴A〜Fは、半径9.5μmの円周上に中心位置がある。すなわち、保湿穴A〜Fは、第1の実施形態のインクジェット記録ヘッドに形成された保湿穴A〜Fと同じ位置に形成されている。
【0041】
上述したように、保湿穴528の、吐出口プレート5の表面5a側の直径Dを裏面5b側の直径Dよりも大きくすることにより、保湿穴528からのインクの蒸発が増加し保湿効果が上がるとともに、逆テーパ形状にすることにより保湿穴528からインクが吐出するのを抑制する効果があり、より大きな直径にすることができる。
【0042】
以上の構成のような保湿穴A〜Fを設けた本実施形態のインクジェット記録ヘッドと、図7に示す比較のための従来例のように保湿穴が形成されていないインクジェット記録ヘッドとにより、インク粘度が上昇し吐出しにくい15℃/10%の環境における発一現象を比較したところ、保湿穴が無い場合では3秒間吐出させないと、一部の吐出口が不吐出になったのに対し、保湿穴を設けた本実施形態の構成においては6秒間吐出させない場合に不吐出が発生した。このように保湿穴が形成された本実施形態のインクジェット記録ヘッドは、発一現象を抑制することができる時間が約2倍となり、発一現象を抑制することが可能であることが確認できた。
【0043】
なお、上述した各実施形態は、本発明の目的である発一現象の抑制のためであれば、どのように組み合わせて用いるものであってもよい。例えば、保湿穴を吐出口の周りの円周上に配列するのではなく、正方格子状に配列するものであってもよいし、あるいは、保湿穴を、供給路側に正方格子状に配列するのではなく、供給路側に、吐出口と同心円の円周上に配列するものであってもよい。
【0044】
(第7の実施形態)
本実施形態では、吐出口プレート表面の直径が、吐出口プレート裏面の直径よりも小さなテーパ形状を有する吐出口と、保湿穴がストレート形状を有する場合を示す。
【0045】
図13はインクジェット記録装置に搭載されているインクジェットプリントヘッドの模式図である。なお、本図およびこれ以下において、電気熱変換素子を駆動するための電気的な配線等は図示していない。本実施形態においては、ガラス、セラミックス、プラスチックあるいは金属等からなる基板が用いられる。このような基板の材質は、本発明の本質ではなく、流路構成部材の一部として機能し、インク吐出発生素子および、後述するインク流路、インク吐出口を形成する材料層の支持体として機能し得るおのであれば、特に限定されるものではない。
【0046】
また、本実施形態のインクジェット記録ヘッドは図4の正面図に示されるように6色一体ヘッドであり、吐出体積は2.8plである。6色とも吐出部の数は512である。一方、C、Mの2plの吐出部を図13に示す。オリフィスプレートにはテーパ26´が設けられており、オリフィスプレート表面における吐出口26はφ11.0μmであり、流路高さjは14.0μm、電気熱変換素子31から吐出プレート5の表面まで(i+j)は25.0μm、電気熱変換素子は一辺が22μmの正方形である。また、奥側の壁から吐出口中心までの距離は13μmである。そして図1および図13に示す通り、本発明の特徴である保湿穴を吐出口の近傍に設けている。本実施形態では、吐出口一つに対し、6個の保湿穴が囲うように構成されており、保湿穴は直径3μmである。本発明者が詳細に検討を行ったところ、電気熱変換素子が22μmの正方形であり、インク粘度が2.2cp(25℃において)、インク密度1.05、インクの表面張力が0.03N・m(25℃において)おいて、穴の直径が4μm以下ではインクが吐出しないことを確認している。これは、吐出口の径が小さくなると、毛管力と流抵抗が極端に大きくなるためである。検討においても直径5μmの場合においては、温度上昇してインク粘度が低下した場合には、全イベントではないがインクが出ることを確認している。
【0047】
本実施形態の保湿穴の位置は、電気熱変換素子の中心位置の座標を(0、0)(単位:μm)とした場合に保湿穴A〜Fは、半径9.5μmの円上に中心位置がある。なお、保湿穴A〜Fの各位置は、図6に示した保湿穴A〜Fの各位置と同じであるため、詳細の説明は省略する。
【0048】
本実施形態の構成のように、保湿穴を設けた場合と無い場合とで、発一現象をインク粘度が上昇し吐出しにくい15℃/10%の環境において比較したところ、インクが無い場合では3秒間吐出させないと、一部の吐出口が不吐出になったのに対し、保湿穴を設けた本発明の構成においては5秒間吐出させない場合に不吐出が発生した。このように約2倍の時間の効果があり、発一現象を抑制することができた。
【0049】
本実施形態では、保湿穴の直径が4μmであったが4μmより小さければ、もしくは吐出口プレートが厚くなり、より大きな径の穴においても吐出しない場合もあり、4μmに限定するものではない。また、個数や配置に関しては、第2の実施形態から第5の実施形態に準ずるものであってもよい。
【0050】
(第8の実施形態)
本実施形態では、吐出口プレート表面の直径が、吐出口プレート裏面の直径よりも小さなテーパ形状を有する吐出口と、吐出口プレート表面の直径が、吐出口プレート裏面の直径よりも大きなテーパ形状を有する保湿穴を有する場合の実施形態を示す。それを図14に示す。
【0051】
その他の部分は、第7の実施形態に準じている。
【0052】
ただし、各保湿穴の断面形状は、吐出口プレート5の表面における直径Dが4μm、吐出口プレート5の裏面側がDが3μmとテーパ形状になっている。吐出口プレート表面の直径を大きくすることにより、保湿穴からのインクの蒸発が増加し保湿効果が上がるとともに、逆テーパ形状にすることにより保湿穴はより吐出しにくくなり、保湿穴をより大きな直径にすることが可能になるので、より保湿効果を高めることができる。
【0053】
本実施形態では、保湿穴の直径が4μmと3μmの逆テーパであったが、寸法はこれに限定するものではない。また、個数や配置に関しては、第2から第5の実施形態に準ずるものであってもよい。
【0054】
(第9の実施形態)
本実施形態では、溶解可能な樹脂にてインク流路パターンを形成する工程と、常温にて固体状のエポキシ樹脂を含む被覆樹脂を溶媒に溶解し、これを溶解可能な樹脂層上にソルベントコートすることによって、溶解可能な樹脂層上にインク流路壁となる被覆樹脂層を形成する工程と、インク吐出圧力発生素子上方の被覆樹脂層にインク吐出口を形成する工程と、溶解可能な樹脂層を溶出する工程と、を有するインクジェット記録ヘッドの製造方法において、オリフィスプレートにネガ型の感光性を付与した被覆樹脂層を使用し、断面がストレート形状を有する吐出口および保湿穴を有するインクジェット記録ヘッドの製造方法を示す。なお、吐出口および保湿穴の位置関係、大きさ等は、第1から第5の実施形態に示したいずれを用いても良い。
【0055】
図15にその工程を順に示す。
(1)には、シリコン基板200表面上に、ヒータ100が形成されている状態を示す。また、シリコン基板200の裏面上には、後に述べる結晶異方性エッチングによってインク供給口を形成するための、SiOよりなる異方性エッチングマスク300が形成されている。
(2)には、シリコン基板200上へ液流路型材400を塗布・ベークし、これをパターニングした状態を示す。膜厚は14μmである。液流路型材は溶解可能な樹脂であり、例えばODUR(東京応化工業)を使用することができる。
(3)には、液流路型材400上へ、オリフィスプレートおよびインク流路壁となる樹脂、すなわちノズル材500を塗布し、これを露光・現像した状態を示す。
【0056】
この樹脂としては、例えば、▲1▼エポキシ樹脂、▲2▼光カチオン重合開始剤、▲3▼還元剤、▲4▼シランカップリング剤より、ネガ型の感光性を有するものを使用するものを用いることができる。
【0057】
ノズル材の塗布は、液流路型材上において、基板表面とノズル材表面の距離が25μmとなる条件で実施した。硬化後の露光には、例えばMPA600FA(キヤノン株式会社)を用いることができる。本実施形態においては、MPA600FAのフォーカスがノズル材表面にあうように−25μmに設定し、吐出口および保湿口のパターンを有するマスクを用いて露光した。露光後、有機溶剤を用いてノズル材をパターニングすることで、吐出口および保湿穴が形成される。
(4)には、結晶異方性エッチングによって、インク供給口800を形成した状態を示す。より具体的には、ノズル材表面に、例えば環化ゴムよりなる樹脂等を塗布した状態で、基板をTMAH水溶液(例えば83℃、22%)に浸漬することによって、シリコン基板が結晶異方性エッチングされる。その後、環化ゴムをキシレンにて剥離し、インク供給口および吐出口、保湿口より液流路型材を溶解除去することにより、インクジェットヘッドが形成された。
【0058】
本実施形態の構成のように、保湿穴を設けた場合と無い場合とで、発一現象をインク粘度が上昇し吐出しにくい15℃/10%の環境において比較したところ、インクが無い場合では3秒間吐出させないと、一部の吐出口が不吐出になったのに対し、保湿穴を設けた本発明の構成においては5秒間吐出させない場合に不吐出が発生した。このように約2倍の時間の効果があり、発一現象を抑制することができた。
【0059】
(第10の実施形態)
本実施形態では、溶解可能な樹脂にてインク流路パターンを形成する工程と、常温にて固体状のエポキシ樹脂を含む被覆樹脂を溶媒に溶解し、これを溶解可能な樹脂層上にソルベントコートすることによって、溶解可能な樹脂層上にインク流路壁となる被覆樹脂層を形成する工程と、インク吐出圧力発生素子上方の被覆樹脂層にインク吐出口を形成する工程と、溶解可能な樹脂層を溶出する工程と、を有するインクジェット記録ヘッドの製造方法において、オリフィスプレートにレジストを塗布し、これをエッチングマスクとしてドライエッチングを行い、断面がストレート形状を有する吐出口および保湿穴を有するインクジェット記録ヘッドの製造方法を示す。なお、吐出口および保湿穴の位置関係、大きさ等は、第1から第5の実施形態に示したいずれを用いても良い。
【0060】
図16にその工程を順に示す。
(1)には、シリコン基板200表面上に、ヒータ100が形成されている状態を示す。また、シリコン基板200の裏面上には、後に述べる結晶異方性エッチングによってインク供給口を形成するための、SiOよりなる異方性エッチングマスク300が形成されている。
(2)には、シリコン基板200上へ液流路型材400を塗布・ベークし、これをパターニングした状態を示す。膜厚は14μmである。液流路型材は溶解可能な樹脂であり、例えばODUR(東京応化工業)を使用することができる。
(3)には、液流路型材400上へ、オリフィスプレートおよびインク流路壁となる樹脂、すなわちノズル材500を膜厚25μm塗布した状態を示す。
【0061】
この樹脂としては、例えばエポキシ樹脂を用いることができる。
(4)には、このノズル材500の上に、シリコン含有レジスト900を膜厚2μmで塗布し、露光・現像した状態を示す。シリコン含有レジストとしては、例えば、FH−SP3CS(富士フイルムアーチ)を用いることができる。現像には、TMAH水溶液を使用することができる。
【0062】
シリコン含有レジストとは、アルカリ可溶性のシリコーンポリマーであり、一般的なポジレジストと同じように、ナフトキノンジアジドを感光物として用いている。そのため、通常のポジレジストと同じプロセスにて、露光・現像することが可能である。そしてシリコン含有レジスト最大の特徴は、シリコン含有量が約20%程度あるため、酸素プラズマに対する耐性の非常に高いことを上げることができる。従って、2層レジスト法において、上層のシリコン含有レジストを薄くし高解像にパターニングし、これを酸素プラズマによるドライエッチングすることにより、高アスペクト比で下層に転写することが可能になる。
(5)には、シリコン含有レジストをマスクとして、酸素プラズマにより、ノズル材500をドライエッチングした状態を示す。エッチング条件は、約0.7Pa、50sccm、である。ドライエッチングのオーバーエッチングにより、液流路型材もエッチングされているが、液流路型材は、後工程において除去するので、特に問題はない。なお、シリコン含有レジストは、表面のSiOを希沸酸でエッチングした後、一般的なノボラック系ポジレジストのリムーバ(例えば東京応化工業・104)で剥離することができる。
(6)には、第9の実施形態の(4)と同じ要領にて、結晶異方性エッチングによって、インク供給口800を形成した状態を示す。より具体的には、ノズル材表面に、例えば環化ゴムよりなる樹脂等を塗布した状態で、基板をTMAH水溶液(例えば83℃、22%)に浸漬することによって、シリコン基板を結晶異方性エッチングした。その後、環化ゴムをキシレンにて剥離し、インク供給口および吐出口、保湿口より液流路型材を溶解除去することにより、インクジェットヘッドが形成された。
【0063】
本実施形態の構成のように、保湿穴を設けた場合と無い場合とで、発一現象をインク粘度が上昇し吐出しにくい15℃/10%の環境において比較したところ、インクが無い場合では3秒間吐出させないと、一部の吐出口が不吐出になったのに対し、保湿穴を設けた本発明の構成においては5秒間吐出させない場合に不吐出が発生した。このように約2倍の時間の効果があり、発一現象を抑制することができた。
【0064】
(第11の実施形態)
本実施形態では、溶解可能な樹脂にてインク流路パターンを形成する工程と、常温にて固体状のエポキシ樹脂を含む被覆樹脂を溶媒に溶解し、これを前記溶解可能な樹脂層上にソルベントコートすることによって、前記溶解可能な樹脂層上にインク流路壁となる被覆樹脂層を形成する工程と、前記インク吐出圧力発生素子上方の前記被覆樹脂層にインク吐出口を形成する工程と、前記溶解可能な樹脂層を溶出する工程と、を有するインクジェット記録ヘッドの製造方法において、オリフィスプレートにレジストを塗布し、これをエッチングマスクとしてドライエッチングを行い、断面がストレート形状を有する吐出口と、吐出口プレート表面の直径が吐出口プレートの裏面の直径よりも大きなテーパ形状を有する保湿穴を有するインクジェット記録ヘッドの製造方法を示す。なお、吐出口および保湿穴の位置関係、大きさ等は、第1から第5の実施形態に示したいずれを用いても良い。
【0065】
図17にその工程を順に示す。
(1)には、シリコン基板200表面上に、ヒータ100が形成されている状態を示す。また、シリコン基板200の裏面上には、後に述べる結晶異方性エッチングによってインク供給口を形成するための、SiOよりなる異方性エッチングマスク300が形成されている。
(2)には、シリコン基板200上へ液流路型材400を塗布・ベークし、これをパターニングした状態を示す。膜厚は14μmである。液流路型材は溶解可能な樹脂であり、例えばODUR(東京応化工業)を使用することができる。
(3)には、液流路型材400上へ、オリフィスプレートおよびインク流路壁となる樹脂、すなわちノズル材500を膜厚25μm塗布した状態を示す。
【0066】
この樹脂としては、例えばエポキシ樹脂を用いることができる。
(4)には、このノズル材500の上に、シリコン含有レジストを膜厚2μm塗布し、露光・現像した状態を示す。シリコン含有レジストとしては、例えば、FH−SP3CS(富士フイルムアーチ)を用いることができる。現像には、TMAH水溶液を用いることができる。
【0067】
ただし、第11の実施形態においては先の第10の実施形態とは異なり、2枚のマスクを用いて、2回の露光、現像を行うことにより、保湿穴のマスクとなるシリコン含有レジストのパターン断面形状はテーパ形状とし、吐出口のマスクとなるシリコン含有レジストのパターン断面形状はストレート形状とした。ドライエッチング時のマスクとなるシリコン含有レジストの断面形状がストレート形状の場合、その被エッチング物の断面形状もやはりストレート形状となるが、シリコン含有レジスト960の断面形状がテーパ形状の場合(図21(a)参照)は、エッチングすることで(図21(b)参照)、被エッチング物970の断面形状はテーパ形状となる(図21(c)参照)。
【0068】
シリコン含有レジストのパターン断面形状をテーパとする方法としては、まず第一に、シリコン含有レジストに対する露光量を少なくする方法を挙げることができる。例えば、膜厚2μmのシリコン含有レジストに対して、MPA(キヤノン株式会社)を用いて露光する場合、625mJ/cmの露光量において、約75°のテーパ角であったものが、550mJ/cmにおいては約45℃のテーパ角となった。露光量以外の方法としては、シリコン含有レジストに対する露光において、フォーカスをずらす方法などを上げることができる。すなわち、シリコン含有レジスト表面に対してフォーカスをずらし露光することにより、断面形状をテーパとすることができる。
【0069】
これらの方法によって、まず始めに、保湿穴となる部分のシリコン含有レジストだけに露光し、断面形状がテーパ形状となるようにパターニングする。次に、新たなマスクを用意し、吐出口となる部分だけに露光し、シリコン含有レジストを断面形状がストレート形状となるようにパターニングする(これら2回の露光において、ダイシングライン部分など、保湿穴、吐出口以外の部分をパターニングしても問題ない)。
【0070】
なお、本実施形態においては、露光機のフォーカス(例えばMPA/キヤノン株式会社)をシリコン含有レジスト表面にあわせて露光することにより、吐出口部分におけるシリコン含有レジストの断面形状をストレート形状となるようにした。
(5)には、シリコン含有レジストをマスクとして、酸素プラズマにより、ノズル材550をドライエッチングした状態を示す。エッチング条件は、約0.7Pa、50sccm、である。このドライエッチングにより、シリコン含有レジストの断面形状がテーパの保湿穴部分は、ノズル材も断面がテーパとなるようにエッチングされ、シリコン含有レジストの断面形状がストレートの吐出口部分は、ノズル材も断面がストレートとなるようにエッチングされた。ドライエッチングのオーバーエッチングにより、液流路型材もエッチングされているが、液流路型材は、後工程において除去するので、特に問題はない。なお、シリコン含有レジストは、表面のSiOを希沸酸でエッチングした後、一般的なノボラック系ポジレジストのリムーバで剥離することができる。
(6)には、第9の実施形態の(4)と同じ要領にて、結晶異方性エッチングによって、インク供給口800を形成した状態を示す。より具体的には、ノズル材表面に、例えば環化ゴムよりなる樹脂等を塗布した状態で、基板をTMAH水溶液(例えば83℃、22%)に浸漬することによって、シリコン基板を結晶異方性エッチングした。その後、環化ゴムをキシレンにて剥離し、インク供給口および吐出口、保湿口より液流路型材を溶解除去することにより、インクジェットヘッドが形成された。
【0071】
本実施形態の構成のように、保湿穴を設けた場合と無い場合とで、発一現象をインク粘度が上昇し吐出しにくい15℃/10%の環境において比較したところ、インクが無い場合では3秒間吐出させないと、一部の吐出口が不吐出になったのに対し、保湿穴を設けた本発明の構成においては5秒間吐出させない場合に不吐出が発生した。このように約2倍の時間の効果があり、発一現象を抑制することができた。
【0072】
(第12の実施形態)
本実施形態では、溶解可能な樹脂にてインク流路パターンを形成する工程と、常温にて固体状のエポキシ樹脂を含む被覆樹脂を溶媒に溶解し、これを溶解可能な樹脂層上にソルベントコートすることによって、溶解可能な樹脂層上にインク流路壁となる被覆樹脂層を形成する工程と、インク吐出圧力発生素子上方の被覆樹脂層にインク吐出口を形成する工程と、溶解可能な樹脂層を溶出する工程と、を有するインクジェット記録ヘッドの製造方法において、オリフィスプレートにネガ型の感光性を付与した被覆樹脂層を使用し、断面がテーパ形状の吐出口およびストレート形状の保湿穴を有するインクジェット記録ヘッドの製造方法を示す。なお、吐出口および保湿穴の位置関係、大きさ等は、第1から第5の実施形態に示したいずれを用いても良い。
【0073】
図19にその工程を順に示す。
(1)には、シリコン基板200表面上に、ヒータ100が形成されている状態を示す。また、シリコン基板200の裏面上には、後に述べる結晶異方性エッチングによってインク供給口を形成するための、SiOよりなる異方性エッチングマスク300が形成されている。
(2)には、シリコン基板200上へ液流路型材400を塗布・ベークし、これをパターニングした状態を示す。膜厚は14μmである。液流路型材は溶解可能な樹脂であり、例えばODUR(東京応化工業)を使用することができる。
(3)には、液流路型材400上へ、オリフィスプレートおよびインク流路壁となる樹脂、すなわちノズル材500を塗布し、これを露光・現像した状態を示す。
【0074】
この樹脂としては、例えば、▲1▼エポキシ樹脂、▲2▼光カチオン重合開始剤、▲3▼還元剤、▲4▼シランカップリング剤より、ネガ型の感光性を有するものを使用するものを用いることができる。
【0075】
ノズル材の塗布は、液流路型材上において、基板表面とノズル材表面の距離が25μmとなる条件で実施した。硬化後の露光には、例えばMPA600FA(キヤノン株式会社)を用いることができる。露光機のフォーカスがノズル材表面にあっている時、吐出口の断面形状はストレートになる。例えばMPAの場合、基板表面とノズル材表面の距離が20μmであればフォーカスが−20μmの時、吐出口の断面形状はストレートになる。しかし本実施形態においては、吐出口の断面形状をテーパ形状とするため、MPAのフォーカスを+側に設定し、意図的にフォーカスをずらし、断面形状をテーパとした。なお、本実施形態においてはノズル材がネガ型であり、保湿口の部分のノズル材は、吐出口の露光時に光を照射し硬化させた。
(4)には、シリコン含有レジストを膜厚2μm塗布し、保湿穴となる部分のシリコン含有レジストの断面形状がテーパとなるように、露光・現像を行った状態を示す。露光・現像方法は、第11の実施形態に準じた。なお、露光により既に吐出口が形成されているため、吐出口部分はシリコン含有レジストを塗布した状態とし、パターニングは行わない。
(5)には、シリコン含有レジストをマスクとして、酸素プラズマにより、ノズル材550をドライエッチングした状態を示す。エッチング条件は、約0.7Pa、50sccm、である。このドライエッチングにより、シリコン含有レジストの断面形状がストレートの保湿穴部分は、ノズル材断面がストレートにエッチングされる。吐出口部分は、シリコン含有レジストで被覆されているため、露光・現像によって形成された形状が維持される。なお、ドライエッチングのオーバーエッチングにより、液流路型材もエッチングされているが、液流路型材は、後工程において除去するので、特に問題はない。なお、シリコン含有レジストは、表面のSiOを希沸酸でエッチングした後、一般的なノボラック系ポジレジストのリムーバ(例えば東京応化工業・104)で剥離することができる。
(6)には、第9の実施形態の(4)と同じ要領にて、結晶異方性エッチングによって、インク供給口800を形成した状態を示す。より具体的には、ノズル材表面に、例えば環化ゴムよりなる樹脂等を塗布した状態で、基板をTMAH水溶液(例えば83℃、22%)に浸漬することによって、シリコン基板を結晶異方性エッチングした。その後、環化ゴムをキシレンにて剥離し、インク供給口および吐出口、保湿口より液流路型材を溶解除去することにより、インクジェットヘッドが形成された。
【0076】
本実施形態の構成のように、保湿穴を設けた場合と無い場合とで、発一現象をインク粘度が上昇し吐出しにくい15℃/10%の環境において比較したところ、インクが無い場合では3秒間吐出させないと、一部の吐出口が不吐出になったのに対し、保湿穴を設けた本発明の構成においては5秒間吐出させない場合に不吐出が発生した。このように約2倍の時間の効果があり、発一現象を抑制することができた。
【0077】
(第13の実施形態)
本実施形態では、溶解可能な樹脂にてインク流路パターンを形成する工程と、常温にて固体状のエポキシ樹脂を含む被覆樹脂を溶媒に溶解し、これを溶解可能な樹脂層上にソルベントコートすることによって、溶解可能な樹脂層上にインク流路壁となる被覆樹脂層を形成する工程と、インク吐出圧力発生素子上方の被覆樹脂層にインク吐出口を形成する工程と、溶解可能な樹脂層を溶出する工程と、を有するインクジェット記録ヘッドの製造方法において、オリフィスプレートにネガ型の感光性を付与した被覆樹脂層を使用し、断面がともにテーパ形状の吐出口および保湿穴を有するインクジェット記録ヘッドの製造方法を示す。なお、吐出口および保湿穴の位置関係、大きさ等は、第1から第5の実施形態に示したいずれを用いても良い。
【0078】
図20にその工程を順に示す。
(1)には、シリコン基板200表面上に、ヒータ100が形成されている状態を示す。また、シリコン基板200の裏面上には、後に述べる結晶異方性エッチングによってインク供給口を形成するための、SiOよりなる異方性エッチングマスク300が形成されている。
(2)には、シリコン基板200上へ液流路型材400を塗布・ベークし、これをパターニングした状態を示す。膜厚は14μmである。液流路型材は溶解可能な樹脂であり、例えばODUR(東京応化工業)を使用することができる。
(3)には、液流路型材400上へ、オリフィスプレートおよびインク流路壁となる樹脂、すなわちノズル材500を塗布し、これを露光・現像した状態を示す。
【0079】
この樹脂としては、例えば、▲1▼エポキシ樹脂、▲2▼光カチオン重合開始剤、▲3▼還元剤、▲4▼シランカップリング剤より、ネガ型の感光性を有するものを使用するものを用いることができる。
【0080】
ノズル材の塗布は、液流路型材上において、基板表面とノズル材表面の距離が25μmとなる条件で実施した。硬化後の露光には、例えばMPA600FA(キヤノン株式会社)を用いることができる。露光機のフォーカスがノズル材表面にあっている時、吐出口の断面形状はストレートになる。例えばMPAの場合、基板表面とノズル材表面の距離が25μmであればフォーカスが−25μmの時、吐出口の断面形状はストレートになる。しかし本実施形態においては、吐出口の断面形状をテーパ形状とするため、MPAのフォーカスを+側に設定し、意図的にフォーカスをずらし、断面形状をテーパとした。なお、本実施形態においてはノズル材がネガ型であり、保湿口の部分のノズル材は、吐出口の露光時に光を照射し硬化させた。
(4)には、シリコン含有レジストを膜厚2μm塗布し、保湿穴となる部分のシリコン含有レジストの断面形状がテーパとなるように、露光・現像を行った状態を示す。露光・現像方法は、第11の実施形態に準じた。なお、露光により既に吐出口が形成されているため、吐出口部分はシリコン含有レジストを塗布した状態とし、パターニングは行わない。
(5)には、シリコン含有レジストをマスクとして、酸素プラズマにより、ノズル材550をドライエッチングした状態を示す。エッチング条件は、約0.7Pa、50sccm、である。このドライエッチングにより、シリコン含有レジストの断面形状がテーパの保湿穴部分は、ノズル材断面がテーパとなるようにエッチングされる。吐出口部分は、シリコン含有レジストで被覆されているため、露光・現像によって形成された形状が維持される。なお、ドライエッチングのオーバーエッチングにより、液流路型材もエッチングされているが、液流路型材は、後工程において除去するので、特に問題はない。なお、シリコン含有レジストは、表面のSiOを希沸酸でエッチングした後、一般的なノボラック系ポジレジストのリムーバで剥離することができる。
(6)には、第9の実施形態の(4)と同じ要領にて、結晶異方性エッチングによって、インク供給口800を形成した状態を示す。より具体的には、ノズル材表面に、例えば環化ゴムよりなる樹脂等を塗布した状態で、基板をTMAH水溶液(例えば83℃、22%)に浸漬することによって、シリコン基板を結晶異方性エッチングした。その後、環化ゴムをキシレンにて剥離し、インク供給口および吐出口、保湿口より液流路型材を溶解除去することにより、インクジェットヘッドが形成された。
【0081】
本実施形態の構成のように、保湿穴を設けた場合と無い場合とで、発一現象をインク粘度が上昇し吐出しにくい15℃/10%の環境において比較したところ、インクが無い場合では3秒間吐出させないと、一部の吐出口が不吐出になったのに対し、保湿穴を設けた本発明の構成においては5秒間吐出させない場合に不吐出が発生した。このように約2倍の時間の効果があり、発一現象を抑制することができた。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、1つの吐出口に対して、複数の保湿穴が設けられていることで、保湿穴からのインクの蒸発により吐出口周囲の雰囲気湿度が上昇し、吐出口からの蒸発が抑制されて発一現象が発生しにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録ヘッドを搭載可能なインクジェット記録装置の一例の概略斜視図である。
【図2】図1に示したインクジェット記録装置に搭載されているインクジェット記録ヘッドの模式図である。
【図3】図2のA−A´線での側断面図である。
【図4】インクジェット記録ヘッドの吐出口面を模式的に示した正面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態におけるインクジェット記録ヘッドの側断面図および平面図である。
【図6】保湿穴の配置を説明するための平面図である。
【図7】本発明のインクジェット記録ヘッドと比較するための従来のインクジェット記録ヘッドの一例の側断面図および平面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態におけるインクジェット記録ヘッドの側断面図および平面図である。
【図9】本発明の第3の実施形態におけるインクジェット記録ヘッドの側断面図および平面図である。
【図10】本発明の第4の実施形態におけるインクジェット記録ヘッドの側断面図および平面図である。
【図11】本発明の第5の実施形態におけるインクジェット記録ヘッドの側断面図および平面図である。
【図12】本発明の第6の実施形態におけるインクジェット記録ヘッドの側断面図および平面図である。
【図13】本発明の第7の実施形態におけるインクジェット記録ヘッドの側断面図および平面図である。
【図14】本発明の第8の実施形態におけるインクジェット記録ヘッドの側断面図および平面図である。
【図15】本発明の第9の実施形態におけるインクジェット記録ヘッドの製造方法の各工程を示す図である。
【図16】本発明の第10の実施形態におけるインクジェット記録ヘッドの製造方法の各工程を示す図である。
【図17】本発明の第11の実施形態におけるインクジェット記録ヘッドの製造方法の各工程を示す図である。
【図18】本発明の第12の実施形態におけるインクジェット記録ヘッドの製造方法の各工程を示す図である。
【図19】本発明の第13の実施形態におけるインクジェット記録ヘッドの製造方法の各工程を示す図である。
【図20】本発明の第14の実施形態におけるインクジェット記録ヘッドの製造方法の各工程を示す図である。
【図21】テーパ形状のシリコン含有レジストのマスクにより被エッチング物にテーパ形状部を形成する過程を説明する図である。
【符号の説明】
1 インクジェット記録ヘッド基板
1 電気熱変換素子
2´ 奥壁面
2 発泡室
3 インク供給口
3´ インク供給口角部
5 吐出口プレート
5a 表面
5b 裏面
6 供給路
7 供給路壁
9 フィルタ
11 キャリッジ
12 キャリッジ駆動モータ
13 フレキシブルケーブル
14 回復手段
15 給紙トレイ
16 光学式位置センサ
17 排紙トレイ
20 吐出口列
26、600 吐出口
28、128、228、328、428、528、700 保湿穴
31 電気熱変換素子
34 基板
100 ヒータ
101 インクジェット記録装置
200 シリコン基板
300 異方性エッチングマスク
400 液流路型材
500 ノズル材
800 インク供給口
900 レジスト
950 ポジレジスト

Claims (1)

  1. 熱エネルギにより気泡を発生させるための複数の熱エネルギ発生手段と、前記各熱エネルギ発生手段が設けられた複数の発泡室と、前記各発泡室にインクを導くための複数のインク流路と、前記各インク流路に連通し、インクを吐出するための複数の吐出口が、前記各熱エネルギ発生手段と対面する位置に形成された吐出口プレートとを有するインクジェット記録ヘッドにおいて、前記吐出口プレートに、1つの前記電気熱変換素子に対応する、1つの吐出口と、前記インク流路に連通し、前記吐出口の直径よりも小さい直径の複数の保湿穴とが形成されていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
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