JPH0630384A - デジタル信号のサンプリング周波数変換装置 - Google Patents

デジタル信号のサンプリング周波数変換装置

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JPH0630384A
JPH0630384A JP4184902A JP18490292A JPH0630384A JP H0630384 A JPH0630384 A JP H0630384A JP 4184902 A JP4184902 A JP 4184902A JP 18490292 A JP18490292 A JP 18490292A JP H0630384 A JPH0630384 A JP H0630384A
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敏広 岩瀬
Hiroshi Kanekura
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    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N7/00Television systems
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  • Signal Processing (AREA)
  • Television Systems (AREA)
  • Communication Control (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 サンプリング周波数変換仕様の変更に対し容
易に対応することができるとともに複雑なタイミング調
整を必要とせず容易に作成することのできるサンプリン
グ周波数変換装置を提供することを目的とする。 【構成】 サンプリング周波数変換装置は、入力画像デ
ータ(X)をデータパケットに変換する入力ポート(1
0)と、この入力ポート(10)から与えられたデータ
パケットに対し、予め決定されたデータフロープログラ
ムに従って演算処理を行なうサンプリング周波数変換の
ための補間操作を実行するデータ駆動エンジン(14)
と、データ駆動エンジン(14)から生成されたデータ
パケットを第2のサンプリング周波数で出力する出力ポ
ート(12)と、さらにデータ加工用の画像メモリ
(4)を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はデジタル信号のサンプ
リング周波数を変換するための装置に関し、特に、MU
SE信号のデコード動作時に必要とされる周波数変換を
行なうための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高速かつ高精度で情報信号に対し様々な
処理を施すために、情報信号は一般にデジタル信号に変
換されて処理される。大量の情報を伝達する画像信号も
例外ではない。画像信号は本質的にアナログ信号であ
る。デジタル信号に変換するためにあるサンプリング周
波数でサンプルされてデジタル信号に変換される。この
ようなデジタル的に処理される情報信号の1つに、MU
SE(多重サブナイキストサブサンプリングエンコーデ
ィング)信号と呼ばれる映像信号がある。このMUSE
信号は、高品位テレビ放送に用いられる信号である。高
品位テレビ信号は、通信衛星により伝送される。1チャ
ネルは27MHzの帯域幅を有する。ベースバンド信号
帯域幅を約8MHzに帯域圧縮する必要がある。この帯
域圧縮された信号をMUSE信号と呼ぶ。
【0003】図11は、MUSE方式における輝度信号
の帯域圧縮方法を示す図である。以下、この図11を参
照してMUSE方式について説明する。図11(a)に
おいて、原画像信号が、サンプリング周波数48.6M
Hzでサンプリングされ、デジタル信号に変換される。
この後、γ補正およびマトリクス処理などが施され、輝
度信号Yが生成される。この輝度信号Yは、サンプリン
グ周波数48.6MHzでサンプリングされる。図11
(a)において、曲線Iは原信号のスペクトラム強度相
対値を示す。
【0004】図11(b)において、この48.6MH
zのサンプリング周波数でサンプリングされた輝度信号
に対しフィールド間オフセット・サンプリングを行な
う。サンプリング周波数は24.3MHzである。この
フィールド間オフセット・サンプリングは、フィールド
ごとにサンプリングの開始タイミングを異ならせる。こ
の結果、周波数12.15MHzを中心として入力信号
の高域成分が折り返される(図11(b)において曲線
IIで示す)。
【0005】図11(c)において、低域通過フィルタ
により、12.15MHz以上の周波数成分を除去した
後、データを内挿し、サンプリング周波数を48.6M
Hzに戻す。
【0006】図11(d)において、サンプリング周波
数を48.6MHzから32.4MHzに変換する。
【0007】図11(e)において、フレーム間オフセ
ット・サンプリングが行なわれる。このフレーム間オフ
セット・サンプリングでは、フレームごとに1画素位置
をずらせて画素データを間引く。このフレーム間オフセ
ット・サンプリングにより、サンプリング周波数は1
6.2MHzになる。このフレーム間オフセット・サン
プリングにより、データ量はサンプリング周波数32.
4MHzのときの1/2となる。
【0008】また、このフレーム間オフセット・サンプ
リングにより、原信号の8.1MHz以上の高域成分が
すべて8.1MHz以下の帯域に折返し成分として含ま
れる。ここで、図11(e)において曲線IIIは、フ
レーム間折返し成分を示す。曲線IIは、フィールド間
折返し成分を示す。このフレーム間オフセット・サンプ
リングで得られたサンプリング周波数16.2MHzの
輝度信号は、同様に処理された線順次色信号と多重化さ
れ、アナログ信号として伝送される。
【0009】MUSE方式の原理は以下のようにまとめ
ることができる。ベースバンド信号をデジタル信号に変
換した後、一様にサンプリング点を間引く。1画面(フ
レーム)の映像データから4サンプルおきに1サンプル
を抽出し、1フィールドとする。このとき、フィールド
ごとに1サンプルずつサンプリング位置をずらす(オフ
セット・サンプリング)。4フィールドごとに画素の位
置が同じになる。
【0010】図12はこの映像信号のサンプリングパタ
ーンを示す図である。各走査線において、フィールド番
号と画素位置とをそれぞれ合せて示している。
【0011】再生時は、4フィールドから1フレームの
映像を作成する。映像が静止している場合には問題はな
い。動いているときには適用できない。そこで、MUS
E信号を再生するためのMUSEデコーダにおいては、
被写体が動いている部分(動き領域)と、静止している
部分(静止領域)とで信号処理を変える。
【0012】すなわち、図12に示すように、静止領域
は4フィールド(1フレーム)のデータすべてを使って
映像を再生する(図12の第1フィールドないし第4フ
ィールドのデータすべて)。このときフレーム間オフセ
ット・サンプリングおよびフィールド間オフセット・サ
ンプリングと逆の信号処理を正確に実行してデータを内
挿する必要がある。この処理を行なわない場合、折返し
成分が妨害となって映像に現われる。
【0013】動き領域は1フィールドのデータ(図12
においてたとえば第1フィールドのデータのみ)をもと
に映像を再生する。水平解像度は静止領域に比べて約1
/2になる。映像で見ると輪郭がぼやける。MUSE方
式がこの動き領域の処理方式を採用しているのは、移動
物体に対しては、人間の目の解像度が低下するという主
観評価結果に基づいている。
【0014】図13は、MUSEデコーダの全体の構成
を概略的に示す図である。MUSEデコーダは、帯域圧
縮されたMUSE信号から映像信号を再生する。MUS
Eデコーダにおいては、帯域圧縮されたMUSE信号を
静止領域と動き領域とに分けて信号処理を行なう。静止
領域は、4フィールドのデータからフレーム間内挿およ
びフィールド間内挿の2つの処理を行なって復調する。
動き領域は1フィールドのデータから補間により復調す
る。
【0015】図13において、MUSEデコーダは、M
USE信号の帯域制限を行なうローパスフィルタ(LP
F)502と、このローパスフィルタ502の出力をデ
ジタル信号に変換するA/Dコンバータ504と、A/
Dコンバータ504からのデジタル信号に対し非線形処
理を行なう非線形処理回路506を含む。ローパスフィ
ルタ502は、遮断周波数8.2MHzを有し、帯域
8.1MHzのMUSE信号を通過させる。A/Dコン
バータ504は、サンプリング周波数16.2MHzで
このローパスフィルタ502からのアナログ信号をサン
プリングしてデジタル信号に変換する。非線形処理回路
506は、逆γ補正および波形等化処理などを行なう。
【0016】MUSEデコーダはさらに、この非線形処
理回路506の出力を受け、フィールド内内挿を行なう
フィールド内内挿回路512と、非線形処理回路506
の出力を受け、動き領域を検出する動き領域検出回路5
08と、非線形処理回路506の出力を受けてフレーム
間内挿を行なうフレーム間内挿回路510と、フィール
ド内内挿回路512の出力のサンプリング周波数を変換
するサンプリング周波数変換回路514と、フレーム間
内挿回路510の出力を受けてサンプリング周波数を変
換するサンプリング周波数変換回路518と、サンプリ
ング周波数変換回路518の出力を受けてフィールド間
内挿を行なうフィールド間内挿回路520を含む。
【0017】フレーム間内挿回路510、サンプリング
周波数変換回路518およびフィールド間内挿回路52
0の経路は静止領域の信号を処理する経路であり、フィ
ールド内内挿回路512およびサンプリング周波数変換
回路514は、動き領域の信号を処理する経路である。
サンプリング周波数変換回路514および518は、と
もに、輝度信号に対しては32.4MHzから48.6
MHzのサンプリング周波数変換を行ない、色信号に対
しては32.4MHzから64.8MHzへのサンプリ
ング周波数変換を行なう。動き領域検出回路508は、
時間周波数で見た場合の高域成分(動きが激しい状態に
対応する)を検出する。MUSE方式においては、フレ
ーム間オフセットサンプリングが行なわれている。した
がって、動き領域を検出するためには、同一点のサンプ
リング値が存在する第2フレームと第4フレームおよび
第1フレームと第3フレームとの間のサンプル値の差を
求め、この両者の差を合成する。これによりフレームご
との動き領域を検出することができる。具体的には、入
力されたMUSE信号と2フレーム遅延した信号との差
分を取る。この絶対値を求め、1フレーム遅延した絶対
値信号との大きい方の値すなわち最大値を求めて出力す
る。この最大値が動き領域検出信号となる。
【0018】MUSEデコーダはさらに、サンプリング
周波数変換回路514の出力と動き領域検出回路508
からの動き領域検出信号との乗算を行なう乗算回路51
6と、この動き領域検出回路508からの動き領域検出
信号を反転するインバータ回路522と、フィールド間
内挿回路520の出力とインバータ回路522の出力と
の乗算を行なう乗算回路524と、乗算回路516およ
び524の加算を行ない、動き領域と静止領域との混合
を行なう加算回路525と、加算回路525の出力に対
しTCIデコード動作を行なうTCIデコーダ526
と、TCIデコーダ526の出力をアナログ信号に変換
した後必要とされる処理を行なってR、GおよびBの信
号を生成するアナログ処理回路528を含む。
【0019】TCIデコーダ526は、線順次色信号
((R−Y)信号と(B−Y)信号がラインごとに交互
に現われる)をもとの各ラインに現われる信号に変換す
る。TCIデコーダ526はまた、時間軸圧縮された色
信号および輝度信号を時間伸張して時間軸補正を行な
う。アナログ処理回路528は、このTCIデコーダ5
26の出力を受け、アナログ信号に変換した後、逆マト
リクス演算を行なってR、GおよびB信号を生成する。
次に、このMUSEデコーダのフィールド内内挿、サン
プリング周波数変換、フレーム間内挿、およびフィール
ド間内挿の動作について順に簡単に説明する。
【0020】図14はフィールド内内挿を行なった際の
サンプリング点の分布を示す図である。この図14に示
すサンプリングデータの分布は、図13に示すフィール
ド内内挿回路512の出力により与えられる。「内挿」
とは、サンプリングされたサンプリング点のデータから
サンプリングされていない点のデータを近似的に作成す
る操作である。フィールド内内挿回路512は、与えら
れたデータから、フィールド内のデータを補間する。す
なわち、図14に示すように、第1フィールドのデータ
(図14において“1”で示す)から、ある演算処理を
行なって、補間データ(図14において“1′”で示
す)を補間する。フィールド内内挿回路の出力のサンプ
リング周波数は、32.4MHzとなる。これにより図
11(d)に示す処理と逆の処理が行なわれたことにな
る。
【0021】図15は、フレーム間内挿回路510の出
力サンプルパターンを示す図である。フレーム間内挿
は、静止領域の画像に対して行なわれる処理である。2
フィールド前の画像データを内挿する。このとき、1フ
レーム前の画像データが利用されてもよい。フレーム間
オフセットサンプリングされているため1フレーム前の
画像データは、現フレームのサンプリング点の中間位置
に存在するためである。このフレーム間内挿により、1
6.2MHzのサンプリング周波数のサンプルデータか
ら32.4MHzのサンプリング周波数の画像データが
得られる。
【0022】次いで、このフィールド内内挿回路512
およびフレーム間内挿回路510で32.4MHzのサ
ンプリング周波数に変換された画像データが48.6M
Hzのサンプリング周波数の画像データに変換される。
このサンプリング周波数の変換はフィールド内挿を行な
うためであり、また原画像データが48.6MHzのサ
ンプリング周波数でサンプリングされているためであ
る。
【0023】図16はフィールド間内挿回路520の出
力サンプルデータ分布を示す図である。フィールド間内
挿回路520は、1ラインごとに前のフィールドのライ
ンの画像データを内挿する。フィールドごとにサンプル
位置が異なっているため、画像データの存在しない位置
に前のフィールドの画像データが補間される。これによ
り、もとの静止領域に対応する画像が得られる。動き領
域検出回路508からの動き領域検出信号によりこのフ
ィールド内内挿回路512の出力およびフィールド間内
挿回路520の出力の一方を選択することにより動き領
域および静止領域に応じた画像データが得られる。
【0024】16.2MHzのサンプリング周波数を3
2.4MHzのサンプリング周波数に変換するのは比較
的容易である。単に「内挿」操作を行なえば実現され
る。32.4MHzのサンプリング周波数を48.6M
Hzのサンプリング周波数の画像データに変換する場
合、この場合、2つの画像データを3つの画像データに
対応させる必要がある。
【0025】すなわち、図17に示すように、32.4
MHz:48.6MHz=2:3であるため、サンプリ
ング周波数32.4MHzの2つの画像データP1およ
びP2に対し、サンプリング周波数48.6MHzにお
いて3つの画像データQ1、Q2およびQ3が対応す
る。次にこの周波数変換を行なうための構成について説
明する。
【0026】図18は従来のサンプリング周波数変換回
路の構成を示す図である。図18において、サンプリン
グ周波数変換回路は、入力データ列を順次受けて、奇数
番目に与えられたデータの列(奇数世代データ列)と偶
数番目に与えられたデータの列(偶数世代データ列)を
並列に出力する2相並列変換回路600と、2相並列変
換回路600からの並列出力を受けて所定の演算を行な
って出力するテーブル演算回路610と、テーブル演算
回路610の出力を受けて、所定の演算処理を施して3
種類のデータを並列に出力する並列演算回路620と、
並列演算回路620の出力を順次選択的に所定の順序で
通過させる切換回路630を含む。
【0027】2相並列変換回路600は、クロック入力
CKに与えられるクロック信号φ1に同期して入力Dに
与えられるデータを取込みラッチしかつ出力するD型フ
リップフロップ602と、クロック入力CKに与えられ
るクロック信号φ2に応答して、D型フリップフロップ
602の出力をその入力Dに受けて取込みラッチしかつ
出力するD型フリップフロップ604と、入力Dに与え
られるデータをクロック入力CKに与えられるクロック
信号φ2に応答して取込み、ラッチしかつ出力するD型
フリップフロップ606を含む。クロック信号φ1は3
2.4MHzの周波数を有し、クロック信号φ2は1
6.2MHzの周波数を有する。
【0028】テーブル演算回路610は、予め乗算結果
を格納し、与えられたデータをアドレス信号としてその
入力データに所定の係数を乗算した結果を出力する2つ
のテーブルROM(読出専用メモリ)612および61
4を含む。テーブルROM612は、D型フリップフロ
ップ604の出力アドレス信号として受け、このデータ
に対し係数α1、α3およびα5を乗算した結果をそれ
ぞれ並列に出力する。テーブルROM614は、D型フ
リップフロップ606の出力をアドレス信号として受
け、このデータに対し係数α0、α2、α4およびα6
を乗算した結果を並列に出力する。
【0029】並列演算回路620は、テーブル演算回路
610からの出力データを並列に受け、所望の演算を行
なうためのタイミング調整を行なうタイミング調整回路
622と、タイミング調整回路622により調整された
データに対し所定の演算を行なう演算回路624を含
む。タイミング調整回路622は、遅延回路などを含
み、演算回路へ所定の組合わせのデータが伝達されるよ
うに入力データの伝達時間を調整する。演算回路624
は、その演算内容は後に説明するが、与えられたデータ
に対し所定の演算を行ない、3種類のデータを並列に出
力する。
【0030】切換回路630は、この並列演算回路62
0からの出力を並列に受け、クロック信号φ3に従って
その入力を順次切換えて出力する3入力、1出力のスイ
ッチ回路を含む。クロック信号φ3は48.6MHzの
周波数を有する。次にこの図18に示すサンプリング周
波数変換回路の動作を図19を併せて参照して説明す
る。ここで、図19は、図18に示すサンプリング周波
数変換回路の各部分A、B、C、DおよびEにおけるサ
ンプリングデータのパターンを示す。
【0031】図19(a)に示すように、2相並列変換
回路600へは、サンプリング周波数32.4MHzで
サンプリングされたデータ列X1、X2、…が順次与え
られる。D型フリップフロップ602は、クロック信号
φ1に応答してこの入力データをラッチしかつ出力す
る。このD型フリップフロップ602は、クロック信号
φ1の1クロックサイクル遅延させて与えられたデータ
を出力する遅延回路として機能する。したがって、D型
フリップフロップ604へは、入力データXj(jは任
意の自然数としてはD型フリップフロップ606よりも
1クロック遅れたデータが与えられる。
【0032】D型フリップフロップ604および606
はともに周波数16.2MHzのクロック信号φ2によ
り与えられたデータをラッチして出力する。したがっ
て、D型フリップフロップ604および606の出力は
入力データを1つ間引いたサンプリングデータとなる。
D型フリップフロップ604へは1クロックサイクル遅
れたデータが伝達される。したがって、D型フリップフ
ロップ604からは偶数番号のデータX2iからなる偶
数世代データ列が出力される。D型フリップフロップ6
06からは奇数番号の奇数世代データX2i+1のデー
タ列が出力される。奇数世代データX2i+1と偶数世
代データX2iとはクロック信号φ2に応答して出力さ
れるため、その出力タイミングは同じである。
【0033】テーブル演算回路610は、偶数世代デー
タX2iに対し係数α1、α3およびα5を乗算した結
果をそれぞれ並列に出力し、また奇数世代データX2i
+1に対し係数α0、α2、α4およびα6を乗算した
結果を並列に出力する。このテーブル演算回路610か
ら出力されるサンプリングデータ列のサンプリング周波
数は16.2MHzである。
【0034】並列演算回路620は、この与えられたデ
ータに対し所定の演算を行ない、3個のデータY3i、
Y3i+1およびY3i+2を並列に出力する(ここで
iは0、1、…の整数である)。具体的には、演算回路
624は、このタイミング調整回路622により生成さ
れたデータX1、X2、…X5から次式(1)に従って
データY1、Y2、Y3を出力する。
【0035】 Y1=α4・X1+α1・X2+α3・X3+α5・X4 Y2=α6・X1+α3・X2+α0・X3+α3・X4+α6・X5 Y3=α5・X2+α2・X3+α1・X4+α4・X5 …(1) この並列演算回路620の出力のサンプリング周波数は
16.2MHzである。
【0036】切換回路630はこの並列演算回路620
から出力されるデータY3i、Y3i+1およびY3i
+2をクロック信号φ3に応答して順次出力する。これ
により、切換回路630からはサンプリング周波数4
8.6MHzを有するサンプリングデータ列Y1、Y
2、Y3…が出力される。
【0037】上述のように、偶数世代データX2iと奇
数世代データX2i+1と2つのデータを用いて3つの
データY3i、Y3i+1Y3i+2を生成することに
より、サンプリング周波数が3/2倍されることにな
る。
【0038】
【発明が解決しようとする課題】デジタル信号のサンプ
リング周波数を変換する場合、従来は、必要とされる演
算機能を有するデジタル回路で構成される専用のサンプ
リング周波数変換器を利用する必要がある。専用のサン
プリング周波数変換器を用いる場合、テーブル演算回路
の作成、各回路間のデータの入出力タイミングの調整、
並列演算回路の構成を単純化するためのタイミング調整
回路と演算回路の構成の最適化などが必要とされる。専
用の回路で構成されるサンプリング周波数変換器は、所
望の機能を確実に達成することができるという利点を有
するものの、その設計に極めて長時間が必要とされると
いう欠点がある。
【0039】また、この周波数変換の仕様すなわち計算
内容(係数α0〜α6の値、および並列演算回路で行な
われる演算内容)を変更する場合には、各回路部分に対
した別に専用に設計されたデジタル回路を利用する必要
がある。したがって、専用の回路で構成されるサンプリ
ング周波数変換器は、仕様変更に柔軟に対処することが
できないという欠点が生じる。
【0040】仕様がほぼ決定されているMUSEデコー
ダでは、一旦最適化されたサンプリング周波数変換器が
得られれば特にその構成を回路改善の目的のため以外に
変更する必要はない。しかしながら、現在、簡易型MU
SEデコーダと呼ばれる装置が利用されている。この簡
易型MUSEデコーダは高品位テレビ信号を安価な受像
器を用いて受信するために、そのデコード処理内容を簡
略化するものである。この場合、簡略化されるデコード
の処理内容に応じて、サンプリング周波数変換時に必要
とされる演算内容を変更する必要が生じる。このため、
専用のデジタル回路で構成されるサンプリング周波数変
換器を利用する場合、新たな回路設計を行なう必要があ
り、柔軟に仕様(演算内容)変更に対処することができ
ないという欠点が生じる。
【0041】また、MUSEデコーダに限らず、一般に
帯域圧縮された信号を補間して原信号を再生する必要が
ある分野において、サンプリング周波数の変換が必要と
され、このような分野においても同様の問題が生じる。
【0042】それゆえ、この発明の目的は、サンプリン
グ周波数変換を容易に実現することのできるサンプリン
グ周波数変換器を提供することである。
【0043】この発明の他の目的は、仕様の変更に対し
ても柔軟に対処することのできるサンプリング周波数変
換器を提供することである。
【0044】
【課題を解決するための手段】この発明に係るサンプリ
ング周波数変換器は、要約すれば、データフロー型情報
処理装置(データ駆動型プロセサ)を利用し、その高速
並列演算処理機能を利用してサンプリング周波数変換処
理を行なうものである。
【0045】すなわち、この発明に係るサンプリング周
波数変換装置は、第1のサンプリング周波数でサンプリ
ングされたデジタル信号を受け、受けた順に世代番号お
よび所定の行先を示すノード番号を付して入力データパ
ケット生成する入力生成手段と、この入力データパケッ
トをその関連の世代番号をアドレス信号としてメモリ手
段に書込む書込手段と、入力データパケットを受け、そ
の関連のノード番号に割当てられた命令に従って所定の
組の入力データパケットをメモリ手段から読出す読出手
段と、この読出手段により読出されたデータパケットに
従って演算処理を行なう処理手段を含む。
【0046】この処理手段は、読出されたデータパケッ
トに含まれるノード番号に従って処理を実行する。この
処理実行時においては、ノード番号に割当てられた命令
に従って読出されたデータパケットに対して演算処理を
行なう。この処理手段は、この処理の結果、入力データ
パケットが入力される割合と、この処理手段が生成する
データパケットの割合との比が第1のサンプリング周波
数と第2のサンプリング周波数との比で与えられる数の
データパケットを1つの入力データパケットに対応して
生成する。
【0047】
【作用】処理手段は読出手段により読出されたデータパ
ケットに従って処理を実行する。演算処理は必要なデー
タが揃ったときに実行される。したがって、専用のデジ
タル回路などにおいて必要とされるタイミング調整によ
り必要なデータの組を生成する必要がなく、容易かつ確
実に周波数変換のための演算処理を行なうことができ
る。また周波数変換に必要とされる演算内容は、各ノー
ドに割当てられているため、このノードに割当てる演算
を変更することにより、容易に周波数変換の仕様変更に
対処することができる。
【0048】
【実施例】図1はこの発明の一実施例であるサンプリン
グ周波数変換装置の全体の構成を概略的に示す図であ
る。図1において、サンプリング周波数変換装置は、サ
ンプリング周波数32.4MHzの入力データXを受け
て、所定の周波数変換処理を施してサンプリング周波数
48.6MHzのデジタル出力データYを生成するデー
タ駆動型情報処理装置1と、データを格納するための画
像メモリ4と、データ駆動型情報処理装置1と画像メモ
リ4との間のデータの授受を制御するためのメモリイン
タフェース回路2を含む。
【0049】データ駆動型情報処理装置1は、入力デー
タXを受け、入力された順に世代番号を付すとともに行
先情報を付してデータパケットを生成する入力ポート1
0と、この入力ポート10で生成されたデータパケット
に従って所定の演算処理を行なうデータ駆動エンジン1
4と、データ駆動エンジン14からの出力データをデー
タパケットの形態で出力する出力ポート12を含む。こ
の出力ポート12から、サンプリング周波数48.6M
Hzに周波数変換されたデータYの系列が得られる。
【0050】データ駆動型情報処理装置は、データフロ
ープログラムに従って処理を実行する。データフロープ
ログラムは、演算および制御を示すノード(アクターと
呼ばれる)と、ノードとノードとの間を結ぶアークとで
構成される有向グラフで記述される。
【0051】図2は、データフロープログラム(データ
フローグラフ)の一例を示す図である。図2において、
ノードNDAは入力アークaおよびb上に与えられたデ
ータに対し演算OP1を施して演算結果を出力アークe
上に伝達する。ノードNDBは、入力アークcおよびd
を有し、これらのアークに入力データが揃った時点で演
算OP2を施し出力アークf上にその演算結果を出力す
る。ノードNDCは、制御アークf上の信号が“真”状
態のとき、入力アークe上のデータを出力アークg上に
伝達する。各ノードにおいては、入力アークにデータ
(トークンと呼ばれる)が揃ったときにそのノードに割
当てられた演算が実行される。演算の実行を、そのノー
ドが「発火する」と称す。発火の結果、入力データ(入
力トークン)は消費され、出力トークンが生成される。
【0052】たとえば、ノードNDAは、2つの入力ア
ークaおよびbに入力データがそれぞれ到着しかつ出力
アークeが空いているときに発火する。このとき、ノー
ドNDBの入力アークcおよびdに入力データが到着し
ていれば、ノードNDAとノードNDBとは同時に発火
することができる。ノードNDCは、ノードNDAおよ
びノードNDBの演算が完了するのを待つ必要がある。
ノードNDCは、ノードNDAおよびノードNDBの演
算実行完了後に発火することができる。
【0053】一般にn入力m出力のノードは、最大2入
力および2出力を有する基本ノードの組合わせで実現す
ることができる。基本ノードとしては、入力アークに与
えられたデータに演算を施す演算ノードと、入力トーク
ンをコピーして複数の出力アークに出力する分配ノード
と、複数の入力アークに与えられたデータを出力アーク
へ伝達する合流ノードと、データの伝達経路を制御する
制御ノードなどがある。
【0054】データフロー型処理では、データ駆動と呼
ばれる実行原理に基づいて処理を実行する。データ駆動
の原理においては、「すべての演算は、その実行に必要
なオペランド(データ)が揃ったときに実行される」。
データ駆動方式は、ある処理に1組の入力データしか許
さない静的データ駆動方式と、2組以上の入力データの
組を許す動的データ駆動方式とを含む。動的データ駆動
方式においては、複数の入力データの組を識別するため
に、「世代番号」と呼ばれる識別子が利用される。伝送
データは、上述のごとく、行先ノードなどを特定する情
報を含み、パケットの形態で伝達される。
【0055】本実施例においては、デジタル信号のサン
プリング周波数の変換は、その演算内容に従って形成さ
れたデータフローグラフ形式のプログラムに従って実行
される。データ駆動エンジン14は、このデータフロー
形式で記述されたプログラムを格納するプログラムメモ
リを含む。
【0056】画像メモリ4は、MUSE信号をデータパ
ケットの形態で格納するものであり、データ駆動型情報
処理装置の作業領域としても利用される。メモリインタ
フェース回路2は、データ駆動型情報処理装置と画像メ
モリ4との間でのデータの授受を制御する。このデータ
伝送の制御は、通常、要求信号/許可信号の授受により
実行される。図1においては、メモリインタフェース回
路2は、データ駆動エンジン14とデータの授受を行な
うように示されている。このメモリインタフェース回路
2は、入力ポート10および出力ポート12とデータの
授受を行なう。画像メモリ4は、データの書込および読
出が可能なメモリである。通常、画像メモリ4は、ラン
ダムにアクセスすることのできるRAMポートと、シリ
アルにのみアクセスすることのできるSAMポートとを
備える。RAMポートとSAMポートとは独立にアクセ
スすることができる。次に、データ駆動型情報処理装置
1の具体的構成について説明する。
【0057】図3は、図1に示すデータ駆動型情報処理
装置の全体の構成を概略的に示すブロック図である。図
3において、入力ポート10は、画像メモリ4から読出
されたデータパケットまたは画像データを受け、ワード
変換,パケット生成などの必要な処理を施した後にデー
タ駆動エンジン14へ伝達する。このメモリアクセスポ
ート22へ与えられるデータはデータパケットの形態を
有しており、そのワード変換などは特に本実施例におい
ては重要ではない。
【0058】出力ポート12は、データ駆動エンジン1
4で処理されたデータをサンプリング周波数48.6M
Hzの周波数で順次出力するデータ出力ポート12と、
データパケットの画像メモリ4への書込および必要なデ
ータを画像メモリ4から読出すためのアドレス情報を生
成するメモリアクセスポート28を含む。データ出力ポ
ート26は、このデータ駆動エンジン部14から生成さ
れるデータパケットから必要とされるデータのみを抽出
してサンプリングデータYを生成してもよい。また、デ
ータパケットの形態で出力されてもよい。いずれの形態
が用いられてもよい。MUSEデコーダにおいて後の処
理をもこのデータ駆動形式で実行する場合にはデータ出
力ポート26から出力されるデータYはデータパケット
の形態であるのが望ましい。
【0059】データ駆動エンジン14は、入力ポート1
0からのデータパケットとデータ駆動エンジン14内の
分岐ユニット37からのデータパケットとを合流する合
流ユニット30と、エンジン14内のデータパケットの
流量の揺らぎを吸収するためのバッファメモリ32と、
バッファメモリ32からのデータパケットを受け、命令
コードと次命令フェッチに必要な行先情報(ノード番
号)の更新を行なうとともに発火の検出を行なうプログ
ラム記憶付発火制御ユニット34と、発火制御ユニット
31からのデータパケットを受けその内容に応じてデー
タパケットの行先を振分ける分岐ユニット35と、分岐
ユニット35からのデータパケットを受けてそこに含ま
れる命令に従って演算処理を実行する演算処理ユニット
36と、演算処理ユニット36からのデータパケットの
行先を振分ける分岐ユニット37を含む。
【0060】合流ユニット30は、その出力が空いてい
るときに入力へ与えられた情報を出力部へ伝達する。バ
ッファメモリ32は、たとえばキューメモリから構成さ
れ、入力された順にデータパケットを出力する。プログ
ラム記憶付発火制御ユニット34は、データフロープロ
グラムを格納するプログラム記憶ユニットPSUと、処
理に必要なデータが揃ったか否かを検出するための発火
制御ユニットFCUを含む。プログラム記憶付発火制御
ユニットの構成および動作については後に詳細に説明す
る。
【0061】分岐ユニット35は、このプログラム記憶
付発火制御ユニット34の内容(行先情報、状態フラグ
およびメモリアクセス命令)などに従って、与えられた
データパケットを合流ユニット41、演算処理ユニット
36および合流ユニット43のいずれかへ伝達する。
【0062】演算処理ユニット36は、発火状態にある
データパケットに対しそこに含まれる演算命令に従って
演算処理を実行する。演算処理ユニット36はその処理
結果を再びデータパケットのオペランド部へ書込む。
【0063】分岐ユニット37は演算処理ユニット36
からのデータパケットを受け、その演算命令(メモリア
クセス命令)で行先情報に従って、合流ユニット41お
よび合流ユニット43および合流ユニット30のいずれ
かへ与えられたデータパケットを伝達する。
【0064】合流ユニット41は、この分岐ユニット3
7および分岐ユニット35からのデータパケットを合流
してデータ出力ポート26へ伝達する。合流ユニット4
3は分岐ユニット35からのデータパケットと分岐ユニ
ット37からのデータパケットとを合流してメモリアク
セスポート28へ伝達する。
【0065】データ駆動エンジン14は、その内部構成
はパイプライン化されている。発火状態のデータパケッ
トは演算処理ユニット36で演算が実行された後出力さ
れる。まだ対となるデータパケットが到達せず未発火状
態のデータパケットはこのデータ駆動エンジン14内を
巡回する。この未発火状態のデータパケットが増大した
場合パイプラインステージに存在するデータパケットの
量が増大する。このパイプライン内におけるデータパケ
ットの流量の揺らぎ(増減)を調整するために先入先出
型のバッファメモリ32が利用される。
【0066】図4は、データ駆動エンジン14が入出力
するデータパケットのフォーマットを示す図である。図
4において、データパケットは、状態フラグを格納する
フラグフィールドF1と、命令を格納する命令フィール
ドF2と、行先番号が格納される行先番号フィールドF
3と、世代識別子である世代番号を格納する世代番号フ
ィールドF4と、オペランド(データ)を格納するオペ
ランドフィールドF5を含む。
【0067】フラグフィールドF1は、外部制御系へこ
のデータパケットが転送されることを示すフラグCTL
などを格納する。命令フィールドF2は、命令ととも
に、その命令が画像メモリをアクセスする命令であるか
否かを示すビデオメモリアクセス命令識別フラグと、そ
の命令が2項演算命令であるか単項演算命令であるかを
示す2項/単項演算命令識別フラグをも合せて格納す
る。行先番号フィールドF3は、ノード番号とともに、
このデータパケットがノードの右側入力アークへ与えら
れるデータパケットであるか左側の入力アークへ与えら
れるデータパケットであるかを示す2入力ノード左右識
別フラグを含む。この行先番号フィールドF3は、また
マルチプロセサシステムにおいて、処理すべきプロセサ
を特定するプロセサ番号を含んでもよい。
【0068】世代番号フィールドF4は、画像メモリに
おけるバンク、行および列に対応するフィールドFD、
ラインLNおよびピクセルPXを含む。
【0069】図5は、この世代番号フィールドF4に含
まれるデータと画像メモリにおけるメモリセル位置との
対応関係を示す図である。フィールドアドレスFDは、
画像メモリにおけるフィールド領域を特定する。この画
像メモリにおけるフィールドアドレスFDの指定する領
域は、バンクであってもよく、また1面のプレーンメモ
リであってもよく(1フィールドが1プレーンに対応さ
せられる場合)、また1つのフィールドメモリに対応し
てもよい。画像メモリの構成に応じて適当に対応付けら
れる。
【0070】ラインアドレスLNはこのフィールドにお
ける行を特定する。ピクセルアドレスPXはフィールド
FDが特定するフィールドにおける列を特定する。図5
に示す画像メモリの構成においては、フィールドアドレ
スFDがMUSE信号における1つのフィールドに対応
するものとする。ピクセルアドレスPXはそれぞれサン
プリングパターンによるサンプル点に対応する。ライン
アドレスLNはMUSE信号の走査線に対応する。した
がって、この世代番号フィールドF4のデータをアドレ
スとして画像メモリをアクセスすれば対応の画像データ
(サンプルデータ)を書込/読出することができる。
【0071】図3に示す入力ポート10は、サンプリン
グデータXを受けて、受けた順に世代番号を1つずつ増
加させるとともに、画像メモリへ書込む場合には命令フ
ィールドF2におけるビデオメモリアクセス命令識別フ
ラグによりビデオメモリアクセス命令であることを示す
とともにデータの書込を指定する命令を書込みかつ行先
番号フィールドF3に、データ書込を行なうノードを特
定するノード番号(たとえばノード1)を付し、オペラ
ンドフィールドF5にこの入力データXの値を格納する
ことによりデータパケットを生成する。メモリアクセス
ポート22へ与えられる画像メモリからのデータはデー
タパケットの形態を備えている。したがってこの場合メ
モリアクセスポート22は、特に新たなデータパケット
の生成は行なわない。フォーマットの調整がこのとき行
なわれてもよい。次に、プログラム記憶付発火制御ユニ
ット34の構成および動作について説明する。
【0072】図6は、図3に示すプログラム記憶付発火
制御ユニットの構成およびその処理内容を示す図であ
る。図6において、プログラム記憶付発火制御ユニット
34は、与えられたデータパケットに含まれる命令を識
別するための命令識別ステージ50と、命令識別ステー
ジ50から伝達されたデータパケットに含まれるノード
番号および世代番号からFCPメモリ(後述する)のア
ドレスをデコードするアドレスデコードステージ52
と、FCPメモリ65へアクセスして次の命令をフェッ
チする次命令フェッチステージ54と、次命令フェッチ
ステージ54によりフェッチされた次命令を識別する次
命令識別ステージ56と、与えられたデータパケットが
発火しているか否かを判別する発火判定ステージ58
と、この発火判定ステージ58の判定結果に従って、F
CPメモリのFCフィールド(これについても後述す
る)を更新するとともにデータパケットを出力するFC
フィールド更新ステージ60を含む。
【0073】FCPメモリ65は、データフロープログ
ラムを格納するPSフィールドを格納するPSフィール
ド格納ユニットPSUと、発火待合せ状態のデータパケ
ット情報を格納するFCフィールド格納ユニットFCU
を含む。PSフィールドおよびFCフィールドのフォー
マットを図7に示す。図7において、PSフィールドP
Sは、対応のノードに付随する命令を格納する命令フィ
ールドF10と、この命令の演算結果が与えられる最大
2つのノードの行先ノード番号を格納するノード番号フ
ィールドF11およびF12を含む。
【0074】FCフィールドFCには、発火すべき相手
方データパケット(2入力ノードにおける右側または左
側の入力データパケット)の到達を待合せるデータパケ
ットが格納されており、待合せ状態のオペランドを格納
する待合せオペランドフィールドF20と、待合せデー
タパケットの世代番号を格納する待合せ世代番号フィー
ルドF22と、この待合せデータパケットの状態を示す
フラグを格納するフラグフィールドF24を含む。フラ
グフィールドF24は、このFCフィールドに書込まれ
たデータが待合せ状態にある未発火状態のデータである
か否かを示す有効性フラグVLDと、オペランドフィー
ルドF20に格納されるデータが定数であることを示す
定数フラグCSTと、行先が2つ以上あることを示すコ
ピーフラグCPYを含む。図7においては有効データフ
ラグVLDのみを代表的に示す。
【0075】FCPメモリ65は、与えられたデータパ
ケットに含まれるノード番号と世代番号とをハッシュ演
算することによりアドレスを生成する。このハッシュ演
算により生成されたアドレス、すなわちハッシュアドレ
スはPSフィールド格納ユニットPSUおよびFCフィ
ールド格納ユニットFCU両者に対して共通である。ハ
ッシュ演算は、1つのキーを他のキーに変換する操作で
あり、たとえば剰余除算操作などが知られている。この
ハッシュ演算によりFCPメモリ65のアドレスを生成
する場合、同一ハッシュアドレスを指定する複数のデー
タパケットの組が存在する。このため、同一のハッシュ
アドレスを指定するデータパケットが存在した場合、予
め定められた規則に従って優先順位が決められており、
優先順位の高いデータパケットがFCフィールドに書込
まれて待合せ状態とされる。優先順位の低いデータパケ
ットはこのデータ駆動エンジン14内のパイプラインを
巡回するために、未発火状態でありかつ有効データであ
ることを示すフラグを立てて出力する。すなわち、この
FCPメモリ65のデータの更新は原則として以下のよ
うにして行なわれる。
【0076】2入力ノードに対する片側の入力が定数デ
ータであるオペランドに対しては、同一アドレスのFC
フィールドFCにおいて定数データと定数データである
ことを示す定数フラグがそれぞれオペランドフィールド
F20およびF24に書込まれる。この定数データと対
をなすオペランドが入力された場合、無条件に発火パケ
ットが生成される。
【0077】また、定数データを有しない2項演算は、
左右オペランドのうち(2入力ノードに対する)先に入
力されたオペランドの内容がFCフィールドFCのオペ
ランドフィールドF20に書込まれかつこれが待合せ状
態にあり有効データであることを示すため有効性フラグ
VLDがセットされる。後に入力されたオペランドに対
しては、有効性フラグVLDがセットされていることを
条件として2つのオペランドの内容が参照される。世代
番号が一致した場合に発火パケットが生成されるととも
にこの待合せ状態のオペランドが消費されたことを示す
ために有効性フラグVLDがリセットされる。世代番号
が不一致の場合、すなわちハッシュ衝突の場合には、そ
の所定の優先順位にしたがって、優先順位の低いオペラ
ンドが有効性フラグが1とされた状態で巡回パイプライ
ンに出力される。この巡回パイプラインステージに出力
されたデータパケットはこのFCフィールド格納ユニッ
トFCUの対応のメモリ領域に空きが生じるのを待つ。
次に図6を再び参照し、このプログラム記憶付発火制御
ユニットの動作について説明する。
【0078】命令識別ステージ50においては、与えら
れたデータパケットに含まれる命令コードのデコードが
行なわれる。その命令コードのデコードにより、命令が
実行命令(FCPメモリに対するロード/ダンプ命令以
外の命令)であるか、外部制御命令であるか否かの判別
が行なわれる。実行命令の場合、その直前に与えられた
オペランドと同じFCPメモリ65のアドレスをアクセ
スするオペランドであるか否かの判定が行なわれる。F
CPメモリ65の同一アドレスを連続してアクセスする
オペランドの場合には、このメモリ65へのアクセスの
オーバーヘッドを回避するためにメモリアクセスは行な
われない。この場合、6段目のFCフィールド更新ステ
ージ60でオペランドの対により構成される発火パケッ
トの生成が実行される(事前発火)。すなわち、命令が
実行命令の場合に、事前発火すべきか否かの判定が行な
われる。
【0079】アドレスデコードステージ52において
は、次命令フェッチのために、与えられたデータパケッ
ト内に含まれるノード番号および世代番号に対しハッシ
ュ演算を実行してFCPメモリ65のアドレスをデコー
ドする。このデコード結果をFCPメモリ65へ与え
る。
【0080】次命令フェッチステージ54においては、
このアドレスデコードステージ52でデコードされたア
ドレスに従ってFCPメモリ65のPSフィールド格納
ユニットPSUから対応のPSフィールドの内容を読出
し、そこに含まれる命令、命令実行後の行先情報(ノー
ド番号)を読出すとともに、対応のFCフィールドFC
から片側のオペランドが待合せ状態にあるか否かをその
有効性フラグVLDの値により判別する。
【0081】次命令識別ステージ56においては、この
次命令フェッチステージ54で読出された命令が単項演
算命令であるか2項演算命令であるか否かの判別が行な
われる。この判別は命令コードをデコードすることによ
り識別される。2項演算と判定された場合、さらに片側
入力が定数である演算命令であるか否かの判別が行なわ
れる。相手となる定数オペランドはFCフィールドFC
に格納されている。この2項演算識別においてはさらに
2変数演算であるか否かおよび事前発火した演算である
か否か(命令識別ステージ50により検知されている)
の判定が行なわれる。この次命令識別ステージ56にお
ける識別結果は発火判定ステージ58へ与えられる。
【0082】発火判定ステージ58は、次命令識別ステ
ージ56において単項演算命令、定数演算命令および事
前発火命令であると識別された場合に無条件に発火状態
と判定する。2変数演算命令の場合には、入力データパ
ケットに含まれる世代番号とFCフィールドFCから読
出された世代番号とが一致するか否かの判別が行なわれ
る(FCフィールドにおける有効性フラグVLDがセッ
トされている場合)。この世代番号が一致した場合に発
火と判定され、不一致の場合ハッシュ衝突と判定され
る。2変数演算命令において、対応のFCフィールド内
の有効性フラグVLDがリセット状態の場合には、対と
なるデータパケットが待合せ状態ではないため、この入
力データパケットは対となるデータが到着するまで待合
せる待合せ状態となる。
【0083】さらに、命令識別ステージ50においてロ
ード/ダンプ命令と判定された場合には、この次命令識
別ステージ56を介して発火判定ステージ58において
ロード/ダンプ条件と判定される。この発火判定ステー
ジ58における判定結果は図示しないフラグにより入力
データパケットに付され、その状態が示される。
【0084】FCフィールド更新ステージ60は発火判
定ステージ58による判定結果に従って種々の動作を行
なう。すなわち、無条件発火と判定されたデータパケッ
トに対しては入力データパケットの命令フィールドおよ
び行先番号フィールドのデータをPSフィールドPSか
ら読出された情報で置換え、かつFCフィールドから読
出されたデータ(または定数)を追加して発火状態にあ
ることを示すフラグ(有効性フラグ)を立てて出力す
る。
【0085】2変数演算命令でありかつ発火状態と判定
された演算命令に対しては、FCフィールドFCから読
出された命令および行先番号によりその入力データパケ
ットに含まれる命令フィールドおよび行先番号フィール
ドを書換えるとともに、入力データパケットに含まれる
データとFCフィールドFCに含まれるデータとをリン
クして発火状態を示すフラグを生成して出力する。この
ときFCフィールドFCに格納されていた待合せ命令は
消費されたため、その対応の有効性フラグVLDはリセ
ットされる。
【0086】2変数演算命令において待合せすべきであ
ると判定された場合には、FCフィールドFCの内容を
入力データパケットの内容で置換えるとともに、有効性
フラグVLDをセットする。これにより対となるデータ
パケットの到着を待合せる状態となる。
【0087】ハッシュ衝突と判定された場合には、入力
データパケットは保存される。この場合、入力データパ
ケットは何ら変更を受けず、かつ未発火状態であること
を示すフラグ(有効性フラグ)をセットされて出力され
る。FCPメモリ65におけるFCフィールドFCの内
容はそのまま保存される。このとき、処理の実行中にお
いて世代番号の大きいデータが先にFCフィールドFC
において待合せ状態となっている場合、世代番号の小さ
い方をFCフィールドFCへ書込んで待合せ状態とし、
世代番号の大きいデータパケットが保存状態とされる構
成が利用されてもよい。
【0088】ロード/ダンプ命令の場合には、ロード命
令の場合にはロードすべきデータパケットがPSフィー
ルドに書込まれ、ダンプ命令の場合にはPSフィールド
PSの内容が読出されて入力データパケットに書込まれ
ダンプパケットが生成される。画像メモリへのアクセス
であるか否かは、命令フィールドF10(図7参照)に
含まれる画像メモリアクセス命令識別(VMA)により
指定される。この画像メモリアクセス命令識別フラグV
MAにより、図3に示す分岐ユニット35は合流ユニッ
ト43へデータを分岐させてメモリアクセスポート28
へ出力する。演算処理を行なった後に画像メモリへアク
セスする場合には、図3に示す分岐ユニット37から合
流ユニット43へデータパケットが伝達され、メモリア
クセスポート28へさらに伝達される。メモリアクセス
ポート28は、世代番号フィールドF22(又はF4:
図4参照)に含まれるデータをアドレス情報として画像
メモリへアクセスする。画像メモリに含まれる画像デー
タは、その世代番号がフィールドアドレスFD、ライン
アドレスLNおよびピクセルアドレスPXにより保存さ
れている。したがって、この世代番号を変更することに
より、所望の世代番号の画像データを読出/書込するこ
とができる。
【0089】図8は、画像メモリへのアクセス命令を示
す図である。図8(a)におけるノードRDは、入力ア
ークaに与えられた画像データに含まれる世代番号にオ
フセットOFを加算して、このオフセットされた世代番
号をアドレス信号として画像メモリへアクセスして対応
のデータを読出す命令に対応する。
【0090】図8(b)に示すノードWRの命令VR
は、入力アークaに与えられたデータパケットに含まれ
る世代番号にオフセットフィールドOFに示されるオフ
セットを与え、このオフセットされた世代番号をアドレ
ス信号として画像メモリへアクセスし、データを書込む
命令である。
【0091】図8(c)に示すノードWTの命令WR
は、入力アークaに与えられたデータパケットの世代番
号に含まれるピクセルアドレスPXを2倍して新たなア
ドレス信号を生成し、この新たなアドレス信号に従って
データを書込む命令である。次に、サンプリング周波数
の変換を行なう具体的動作についてそのフローグラフで
ある図10を参照して説明する。
【0092】入力ポート24(図3参照)へ時系列的に
与えられる入力データX1、X2、…は入力順に世代番
号を付され、かつノード番号を付されてデータパケット
のフォーマットに変換される。このデータパケットは図
3に示す合流ユニット30およびバッファメモリ32を
介してプログラム記憶付発火制御ユニット34へ与えら
れる。プログラム記憶付発火ユニット34は、その世代
番号順に生成されたデータパケットを画像メモリへ書込
むとともに図10に示す以下の処理動作を実行する。
【0093】まず、入力ポート24(図3参照)へ与え
られたデータは入力順に世代番号およびノード番号を付
された後、データパケットの形に生成される。この入力
データパケットは、まずノード202において順次その
世代番号の2倍のピクセルアドレスを有する画像メモリ
の位置に書込まれる。この画像メモリへの書込時におい
て、世代番号のピクセルアドレスの2倍のピクセルアド
レス位置へ書込むのは以下の理由による。この理由につ
いて図9を参照して説明する。
【0094】図9は、画像メモリにおけるサンプリング
データの配置を示す図である。32.4MHzのサンプ
リング周波数でサンプリングされたデータが46.8M
Hzのサンプリングデータに変換される場合、そのサン
プリングデータ数は増加する。サンプリング周波数変換
後のデータは再び画像メモリへ書込まれる。このため、
図9に示すように、入力データパケットX1、X2、X
3、…は、そのデータを読出す前に作成された補間デー
タによって書換えられることがないように1つおきのピ
クセルアドレス位置に書込まれる。そして、図9の下の
配置に示すようにサンプリング周波数変換後の画像デー
タY1,Y2…がメモリ位置へ書込まれてゆく。この場
合、MUSEデコーダにおいて、さらにフィールド間内
挿が実行される場合には、図9の下の配置に示す構成と
異なり、サンプリング周波数変換後の画像データY1、
Y2…も1つおきのピクセルアドレス位置に書込まれる
構成が利用されてもよい。いずれの場合においても、入
力データパケットX1、X2…は演算“WR”により、
1つおきのピクセルアドレス位置に書込まれる。フィー
ルドアドレスFDおよびラインアドレスLNは変更を受
けない。
【0095】このノード202による画像メモリへのデ
ータパケットの書込と並行して、ノード204において
演算“AGN”が実行される。ノード204における演
算“AGN”は右データが固定データ“0”であり、入
力データパケットが与えられた時点でこの固定された定
数“0”との演算を行なう。この演算“AGN”は入力
データパケットの世代番号をデータとしてオペランドフ
ィールドF5(図4参照)にコピーして出力する命令で
ある。
【0096】ノード204の出力はノード206へ与え
られる。ノード206はノード204の出力データパケ
ットに含まれるオペランドデータと固定データ“1”と
の“AND”演算を実行する。これにより、奇数世代の
データパケットのオペランドフィールドF5には“1”
が書込まれ、偶数世代のデータパケットのオペランドフ
ィールドF5にはデータ“0”が書込まれる。これによ
り、奇数世代の画像データと偶数世代の画像データとの
分離が行なわれる。
【0097】ノード206により、奇数世代の画像デー
タと偶数世代の画像データとの分離が行なわれたデータ
系列はノード208へ与えられる。ノード208の演算
“EQ”は、データパケットのオペランドフィールドF
5のデータが“1”であればそこに“1”が書込まれ
る。そうでない場合には“0”が書込まれる。
【0098】ノード208の出力データはノード210
へ与えられる。ノード210は制御ゲートであり、右デ
ータすなわちノード208の出力データが“1”の場合
にこのノード208から与えられた左データを通過させ
る。そうでない場合にはこの左入力アークへ与えられた
データを消滅させる。これにより、ノード210から
は、奇数世代の画像データに対応するデータパケットの
みが現われる。このノード210からの奇数世代の画像
データのみを用いてサンプリング周波数の変換が行なわ
れる。この奇数世代画像データに対応するデータパケッ
トのみを利用するのは、1つのデータパケットたとえば
X5が与えられたときに同時に3つのデータY1、Y2
およびY3を出力するためである。等価的に、2つの入
力画像データに対して3つの変換後の画像データを出力
することになり、これによりサンプリング周波数32.
4MHzがその3/2倍の48.6MHzのサンプリン
グ周波数に変換されることになる。
【0099】この奇数世代データパケットはノード21
4および216へ与えられる。ノード214において
は、世代番号にオフセット−2が掛けられ、そのアドレ
スに従って画像メモリへ格納されたデータの読出が行な
われる。読出されたデータは画像データX4に対応する
データパケットである。読出されたデータパケットに
は、格納時に既に命令、行先番号、世代番号およびオペ
ランドデータが含まれている。ピクセルアドレスが−2
であるため、入力データパケットX5に対しては、1世
代前の画像データに対応するデータパケットX4が読出
される。ここで、説明の便宜上以下の説明においてはデ
ータパケットを単にデータとして説明している。ノード
214で読出されたデータX4はノード218へ与えら
れる。ノード218はこのデータX4の世代番号に−6
のオフセットを与えて画像メモリからデータを読出す。
これにより2世代前の画像データX2が読出される。
【0100】一方、ノード216においては、この画像
データX5の世代番号をアドレスとするデータの読出が
行なわれる。ここで、データ書込時においては、画像メ
モリの実際の書込ピクセルアドレスはその世代番号に含
まれるピクセルアドレスPXの2倍のアドレス位置に書
込まれている。したがって、正確には、ノード216に
おいて画像データX5を読出すためにはそのピクセルア
ドレスPXはその世代番号に含まれるピクセルアドレス
PXの2倍のアドレスに対応し、オフセットを掛ける必
要がある。ここでは、説明を簡単にするために、画像デ
ータX5のピクセルアドレスを基準として説明する。実
際の対応の世代の画像データを読出すためには、オフセ
ットを掛けられた後の世代番号に含まれるピクセルアド
レスを2倍して画像メモリをアクセスする必要がある。
【0101】ノード216により読出された画像データ
X5はノード220へ与えられる。ノード220により
世代番号にオフセット−4が与えられ、2世代前の画像
データX3が読出される。ノード220で読出された画
像データX3はまたノード222へ与えられる。ノード
222はこの画像データX3の世代番号にオフセット−
8を与えて画像メモリへアクセスする。これにより画像
データX3よりも2世代前の画像データX1が読出され
る。これによりサンプリング周波数変換に必要とされる
5つの画像データX1、X2、X3、X4、およびX5
が読出される。次いで、補間処理を行なうための処理演
算が実行される。
【0102】ノード216の演算により読出されたデー
タX5はノード238および258へ与えられる。ノー
ド238は画像データX5と定数α6とを乗算する。ノ
ード258は、この画像データX5と定数α4とを乗算
する演算を行なう。
【0103】ノード214で読出されたデータX4はノ
ード224、240および260へも与えられ、それぞ
れのノードにおいて定数α5、α3およびα1と乗算さ
れる。
【0104】ノード218の演算により読出されたデー
タX2はノード226、242、および262へ与えら
れ、それぞれのノードにおいて定数α2、α0、α2が
乗算される。ノード218の演算により読出されたデー
タX2はまたノード228、246および264へ与え
られ、それぞれのノードにおいて定数α1、α3および
α5が乗算される。
【0105】ノード222の演算により読出されたデー
タX1はノード230および248へ与えられ、それぞ
れのノードにおいて定数α4およびα6が乗算される。
【0106】ノード224からの演算結果およびノード
226からの演算結果はノード232で加算される。ノ
ード228の演算結果とノード232の演算結果とはノ
ード234で加算される。ノード230の演算結果とノ
ード234の演算結果とはノード236で加算される。
これにより画像データY1に対応するデータパケットが
生成される。
【0107】またノード238の演算結果とノード24
0の演算結果とはノード250へ与えられてそこで加算
される。ノード242の演算結果はノード250の演算
結果とノード252において加算される。ノード246
の演算結果とノード252の演算結果はノード254に
おいて加算される。ノード248の演算結果とノード2
54の演算結果とはノード256において加算される。
これにより画像データY2に対応するデータパケットが
生成される。
【0108】ノード258の演算結果とノード260の
演算結果とはノード266において加算される。ノード
262の演算結果とノード266の演算結果とはノード
268において加算される。ノード264の演算結果と
ノード268の演算結果とはノード270において加算
される。ノード270から画像データY3に対応する画
像データパケットが生成される。
【0109】この処理において、各乗算演算はすべて並
列態様で実行することができる。加算操作のみが上流の
ノードの演算結果が確定した後に実行される。したがっ
て、この操作においては、画像データY1、Y2および
Y3はほぼ並列に生成される。データ駆動型情報処理装
置においては、各ノードにおいて演算に必要なデータが
揃った時点で発火して演算が実行される。したがって、
特に一般のデジタル回路などのように入力信号のタイミ
ング調整を行なうことなく容易に並列演算操作を高速で
確実に実行することができる。この図10に示す周波数
変換操作は次式(1)で表現することができる。
【0110】
【数1】
【0111】併せてまた各係数の具体的値をも次に示
す。
【0112】
【数2】
【0113】続いて、データX7が与えられたとき、デ
ータY4、Y5およびY6に対応するデータパケットが
生成される。このデータパケットY1、Y2およびY3
は出力ポート12を介して48.6MHzのサンプリン
グ周波数で出力される。このとき、メモリアクセスポー
ト28を介して画像メモリへ書込まれてもよい。データ
出力ポート26から出力されるかメモリアクセスポート
28から画像データへ書込まれるかはその次に行なわれ
る処理の内容に応じて決定される。このサンプリング周
波数の変換の一般形式を次式(2)に示す。
【0114】
【数3】
【0115】したがって、先に図18を参照して説明し
たデジタル回路で構成されるサンプリング周波数変換回
路と同様の補間操作が実行されてサンプリング周波数が
増大させられている。
【0116】上述の構成において、周波数変換の仕様が
変更された場合にはこの図10に示すデータフローグラ
フを変更するだけで対応することができ、装置構成は何
ら変更する必要はない。
【0117】なお図10に示すデータフローグラフの実
行は、上述の説明においては、1つのデータ駆動エンジ
ンにおいて実行されている。このとき、データ駆動型情
報処理装置は、高度な並列演算処理性能をその本質的特
徴として備えているため、高速で画像データY1、Y2
およびY3に対応するデータパケットを生成することが
できる。このとき、各出力画像データごとに異なるデー
タ駆動エンジンが利用されてもよい。3つの処理装置の
出力を選択的に通過させればよい。マルチプロセサシス
テムの場合、ノード番号にプロセサ特定情報を含ませる
構成が利用されればよい。
【0118】なお上述の実施例においては、サンプリン
グ周波数の変換はMUSE信号に対して行なわれてい
る。サンプリング周波数が変換される信号としては、M
USE信号に限定されず、他のデジタル信号であっても
よい。補間操作によりサンプリング周波数が変換される
用途であれば本発明は適用可能である。
【0119】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、デジ
タル信号のサンプリング周波数の変換をデータ駆動方式
の演算処理に従って行なうように構成したため、複雑な
タイミング調整を必要とすることなく容易かつ迅速に所
望の特性を備えるサンプリング周波数変換装置を得るこ
とができかつ周波数変換の仕様変更に対しても容易に対
処することができる柔軟なサンプリング周波数変換装置
を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例であるサンプリング周波数
変換装置の全体の構成を概略的に示す図である。
【図2】図1に示すデータ駆動型情報処理装置の動作原
理を示す図である。
【図3】図1に示すデータ駆動型情報処理装置の具体的
構成を示す図である。
【図4】図3に示されるデータ駆動型情報処理装置で利
用される入出力データパケットのフォーマットを示す図
である。
【図5】図1に示す画像メモリのメモリアドレスと図4
に示す世代番号との対応関係を示す図である。
【図6】図3に示すデータ駆動エンジンの具体的構成お
よび動作を示す図である。
【図7】図6に示すFCPメモリの記憶内容およびアド
レス生成法を示す図である。
【図8】データ駆動型情報処理装置において利用される
画像メモリへのアクセス命令を例示する図である。
【図9】画像メモリにおけるサンプリング周波数変換前
の画像データとサンプリング周波数変換の画像データの
格納位置の対応関係を示す図である。
【図10】図3に示すデータ駆動エンジンにおいてサン
プリング周波数変換のために用いられるデータフローグ
ラフを示す図である。
【図11】MUSE信号の生成方法を示す図である。
【図12】帯域圧縮されたMUSE信号のサンプリング
パターンを示す図である。
【図13】従来のMUSEデコーダの概略構成を示す図
である。
【図14】図13に示すMUSEデコーダにおけるフィ
ールド内内挿後のサンプリングデータの配置を示す図で
ある。
【図15】図13に示すMUSEデコーダにおけるフレ
ーム間内挿操作後のサンプリングパターンを示す図であ
る。
【図16】図13に示すMUSEデコーダにおけるフィ
ールド間内挿後のサンプリングパターンを示す図であ
る。
【図17】サンプリング周波数の変換後の画像データの
対応関係を例示する図である。
【図18】従来のサンプリング周波数変換器の構成を示
す図である。
【図19】図18に示すサンプリング周波数変換器の各
回路の出力サンプリングパターンを示す図である。
【符号の説明】
1 データ駆動型情報処理装置 2 メモリインタフェース回路 4 画像メモリ 10 入力ポート 12 出力ポート 14 データ駆動エンジン 22 メモリアクセスポート 24 データ入力ポート 26 データ出力ポート 28 メモリアクセスポート 34 プログラム記憶付発火制御ユニット 36 演算処理ユニット 65 FCPメモリ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のサンプリング周波数でサンプリン
    グされたデジタル信号のサンプリング周波数を第2のサ
    ンプリング周波数へ変換するための装置であって、 前記第1のサンプリング周波数でサンプルされたデジタ
    ル信号を受け、受けた順に世代番号および所定の行先を
    示すノード番号を付してデータパケットを生成する入力
    データパケット生成手段、 前記生成されたデータパケットを対応の世代番号をアド
    レス信号としてメモリ手段へ書込む書込手段、 前記生成されたデータパケットを受け、関連のノード番
    号に対応する命令に従って所定の組のデータパケットを
    前記メモリ手段から読出す読出手段、および前記読出手
    段により読出されたデータパケットに含まれるノード番
    号にしたがって該ノード番号に割当てられた命令を実行
    し、前記読出されたデータパケットに対し演算処理を行
    ない複数のデータパケットを生成する処理手段を備え、
    前記処理手段は、前記データパケットが入力される割合
    と該処理手段が生成するデータパケットの生成される割
    合の比が前記第1のサンプリング周波数と前記第2のサ
    ンプリング周波数との比に等しいように前記演算処理の
    結果前記複数のデータパケットを生成する、デジタル信
    号のサンプリング周波数変換装置。
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