JPH06302374A - 木質面状発熱体 - Google Patents

木質面状発熱体

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JPH06302374A
JPH06302374A JP8965993A JP8965993A JPH06302374A JP H06302374 A JPH06302374 A JP H06302374A JP 8965993 A JP8965993 A JP 8965993A JP 8965993 A JP8965993 A JP 8965993A JP H06302374 A JPH06302374 A JP H06302374A
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JP
Japan
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heating element
heat
woody
sheet
insulating
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JP8965993A
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English (en)
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Toshihiko Okamura
俊彦 岡村
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BISOU KK
FUADO KK
KAISEI TSUSHO KK
SYST INTE OKAMURA KK
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BISOU KK
FUADO KK
KAISEI TSUSHO KK
SYST INTE OKAMURA KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 木質板材の変形・変質の防止及び均一な加熱
が可能でかつ耐久性を有する木質面状発熱体を得る。 【構成】 絶縁性繊維と導電性繊維とを含む繊維で構成
された布状体に樹脂材を含浸させてなり、前記導電性繊
維に通電することにより発熱させるようにした発熱層
と、絶縁性繊維を含む繊維で構成された布状体に樹脂を
含浸させてなる絶縁層とを積層させて面状発熱体を形成
している。この面状発熱体を前記木質板材の面に接合し
て一体に形成し、そのいずれか一方の表面を熱放射面7
とすべく前記面状発熱体を挾んで熱放射面7とは反対側
の面に熱反射シート8を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、床暖房装置等の素材と
して用いられる木質面状発熱体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】床暖房装置等に用いられる木質面状発熱
体としては、例えば、実公昭53ー2418号公報のも
のが知られている。この実公昭53ー2418号公報に
記載のものは、表裏木質合板の接合面に凹所を設け、該
凹所に面発熱体を充填、封入したものである。
【0003】ところで、木質面状発熱体は、木質板材を
加熱するものであるので、木質材が加熱によって変形し
たり、変質したりしないような処置を施す必要がある。
また、木質材は熱伝導率が悪いため、これを加熱する面
状発熱体が均一な温度分布を有するものでないと、木質
板材表面に大きな温度分布が生じてしまうので、これを
防止する処置を施す必要もある。上記公報記載のもの
は、このような観点からみると、必ずしも十分な考慮が
なされたものであるとはいい難いものであった。
【0004】木質板材の変形・変質を防止し、木質板材
の温度分布を均一に保持しようとしたものとしては、特
開昭61ー93709号公報、特開昭62ー13153
4号公報あるいは特開昭63ー52287号公報等に記
載のものが知られている。
【0005】特開昭61ー93709号公報に記載のも
のは、重合性樹脂を注入・硬化した木材薄板に、少なく
とも片面に熱伝導性を有する耐熱性シート状物を被覆し
た面状発熱体を貼着して一体に形成したものである。
【0006】また、特開昭62ー131534号公報に
記載のものは、表面部をアセチル化処理した木質化粧板
に面状発熱体を積層して一体化したものである。
【0007】さらに、特開昭63ー52287号公報等
に記載のものは、可撓性を有する木質シート状物にフレ
キシブルな面状発熱体を積層して一体に形成したもので
ある。
【0008】これらは木質板材に樹脂を注入したり、あ
るいは、アセチル処理を施すとともに、木質板材と面状
発熱体との間に熱伝導性シートを介在させることによ
り、木質板材の変形・変質を防止し、木質板材の温度分
布を均一に保持できるようにしたものである。
【0009】なお、ここで、上述の従来の木質面状発熱
体においては、その発熱部を構成する面状発熱体とし
て、布体その他の耐熱性及び絶縁性を有する面状基材に
ニクロム線等の発熱線を這わせて絶縁処理を施したも
の、発熱線として絶縁性繊維を芯線としてこれにカーボ
ン粉末等の導電性材を付着させたものを用いたもの、カ
ーボン粉末あるいはカーボンの短繊維を母材中に含ませ
た導電性材の層を絶縁性基板の表面に形成させたもの、
あるいはこの導電性材で絶縁性基板表面にパターン印刷
して電熱回路を形成したもの、さらには、この電熱回路
部を樹脂等で被覆して絶縁処理を施したもの等が用いら
れていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来の木質面状発熱体にあっては、例えば、床暖房装置
に用いた場合、素足で接したときに温度ムラを感じない
程度に木質板材の表面の温度分布を均一に保持するため
には、面状発熱体に接合する木質板材を極めて厚くする
か、もしくは、木質板材と面状発熱体との間に熱伝導性
のよい金属板を介在させる等の必要があった。これは、
従来の木質面状発熱体の発熱部を構成する面状発熱体で
はどうしてもその程度の温度分布が生じてしまうので、
その温度分布を平均化する処置が必須であるためであ
る。木質板材を厚くしたり、金属板を介在させると熱効
率が低下するとともに、重量もかさむ。さらには、表面
部を所望の温度にするためには発熱部たる面状発熱体を
高温に保持する必要があり、面状発熱体自体の寿命の点
で不利になるばかりでなく、木質面状発熱体全体にも大
きな熱歪みが加わるのでその寿命の点でも不利である。
しかも、床暖房等に用いる場合には、極めて長期間にわ
たっての繰り返し使用に対して高い信頼性を要求される
が、従来の木質面状発熱体の発熱部を構成する上述の面
状発熱体は、必ずしもその条件を十分満足するものとは
いい難いものであった。
【0011】この発明は、上述の背景のもとでなされた
ものであり、木質板材の変形・変質の防止及び均一な加
熱が可能であるとともに、耐久性にも勝れた木質面状発
熱体を提供することを目的としたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに本発明にかかる木質面状発熱体は、(1) 木質板
材に面状発熱体を取り付けた木質面状発熱体において、
絶縁性繊維と導電性繊維とを含む繊維で構成された布状
体に樹脂材を含浸させてなり、前記導電性繊維に通電す
ることにより発熱させるようにした1又は2以上の発熱
層と、絶縁性繊維を含む繊維で構成された布状体に樹脂
を含浸させてなる1又は2以上の絶縁層とを積層させて
前記面状発熱体を形成し、この面状発熱体を前記木質板
材の面に接合して一体に形成し、そのいずれか一方の表
面を熱放射面とすべく前記面状発熱体を挾んで熱放射面
とは反対側の面に熱反射シートを設けたことを特徴とす
る構成とした。
【0013】また、この構成1の態様として、(2)
構成1の木質面状発熱体において、前記発熱層を構成す
る布状体は、絶縁性繊維からなる絶縁性糸状体と導電性
繊維を含む繊維からなる導電性糸状体とで織られたもの
であって、前記導電性糸状体が所定の間隔をおいて配置
されているとともに、これら導電性糸状体の間に前記絶
縁性糸状体が介在されて前記導電性糸状体どうしが電気
的に絶縁されてなるものであることを特徴とする構成と
した。
【0014】また、構成1又は2の態様として、(3)
構成1又は2の木質面状発熱体において、前記面状発
熱体を前記木質板材で挾みこむようにして一体に形成
し、その一方の木質板材の表面を熱放射面とすべくもう
一方の木質板材の表面に前記熱反射シートを設けたこと
を特徴とする構成とした。
【0015】また、構成1又は2の態様として、(4)
構成1又は2の木質面状発熱体において、前記面状発
熱体を前記木質板材で挾みこむようにして一体に形成
し、その一方の木質板材の表面を熱放射面とすべくもう
一方の木質板材と前記面状発熱体との間に熱反射シート
を介設したことを特徴とする構成とした。
【0016】
【作用】構成1によれば、絶縁性繊維と導電性繊維とを
含む繊維で構成された布状体に樹脂材を含浸させてな
り、前記導電性繊維に通電することにより発熱させるよ
うにした1又は2以上の発熱層と、絶縁性繊維を含む繊
維で構成された布状体に樹脂を含浸させてなる1又は2
以上の絶縁層とを積層させて面状発熱体を形成し、この
面状発熱体を木質板材の面に接合して一体に形成したこ
とにより、木質板材の変形・変質の防止及び均一な加熱
が可能になるとともに、耐久性も著しく向上させること
が可能になった。
【0017】これは、上記面状発熱体を構成する発熱層
及び絶縁層が布状体に樹脂を含浸させてなるものである
ので、各層自体が極めて強固なものであるのに加えて発
熱層と絶縁層とを積層させて複数層構造をなすことによ
りその機械的強度を著しく大きくできるからである。こ
の点は、従来の絶縁性基板表面に発熱層を形成させ、あ
るいは、この発熱層を樹脂で被覆した従来の面状発熱体
とその構造及び機能並びにその作用効果が基本的に異な
るものである。すなわち、この発明の構成では、発熱層
を、導電性繊維と絶縁性繊維とで形成した布状体に樹脂
を含浸させた構造とし、この導電性繊維自体に通電する
ようにしている。つまり、この導電性繊維は発熱層の強
化芯材としての布状体の一部を構成し、この布状体に樹
脂が含浸させてなるものであるから、発熱層全体の強度
が著しく強固であることは勿論のこと、導電性繊維は布
状体の一部としてこの強固な発熱層の内部に一体に取り
込まれているので、外部応力や圧力に対して著しい耐久
性があるとともに、この導電性繊維に通電して発熱した
場合に熱膨張差によって生ずる内部応力に対しても極め
て強い耐久性を示す。しかも、導電性繊維は布状体の一
部として樹脂が含浸された強固な発熱層の内部に一体に
取り込まれているので、導電性繊維からの熱が発熱層全
体に均一にかつ効率よく伝達され、さらに、発熱層と一
体に形成された絶縁層に効率良く伝達されてより均一化
される。このため、この面状発熱体に一体に接合されて
いる木質板材は、面状発熱体によって機械的強度が著し
く補強されるとともに均一に加熱されるので、反りが生
じたり変形・変質したりするようなことがない。
【0018】また、前記木質面状発熱体は、そのいずれ
か一方の表面を熱放射面とすべく面状発熱体を挾んで熱
放射面とは反対側の面に熱反射シートを設けているの
で、熱放射面とは反対側の面から逃げようとする熱を熱
反射シートで反射させて熱放射面へ指向させることがで
き、低電力で高い暖房効果が得られる。
【0019】なお、構成2によれば、面状発熱体を比較
的製造が容易なものとすることが可能であり、また、構
成3によれば、両面が木質板材で構成されているが、そ
の一方の木質板材の表面に熱反射シートが設けられてい
るので、反対側の木質板材の表面から効率よく熱を放射
させることができ、構成4によれば、両面の木質板材の
内側に熱反射シートを配置しているので、外観が通常の
木質板材とほとんど区別がつかないような木質面状発熱
体を構成することができる。
【0020】
【実施例】図1はこの発明の一実施例にかかる木質面状
発熱体の部分断面図、図2は図1における面状発熱体の
斜視図、図3は発熱層の部分図、図4は発熱層の電熱回
路の説明図である。以下、これらの図面を参照しながら
一実施例にかかる木質面状発熱体及びその製造方法を説
明する。
【0021】図1及び図2において、符号1は第1木質
板材、符号2は第2木質板材、符号3は面状発熱体、符
号4は切欠部である。この実施例の木質面状発熱体は、
面状発熱体3を第1木質板材1及び第2木質板材2によ
って挾み込んで接合することにより一体に形成され、そ
の第1木質板材1の表面を熱放射面7とすべく前記面状
発熱体3を挾んで前記熱放射面7と反対側の面である第
2木質板材の表面には熱反射シート8が設けられてい
る。
【0022】第1木質板材1は、厚さ約2mmのベニヤ
合板であり、第2木質板材2は厚さ約8mmのベニヤ合
板である。また、熱反射シート8は、熱線ないし遠赤外
線を反射し得る材質の薄板からなり、本実施例では厚さ
0.1mmのアルミ箔が用いられている。この熱反射シ
ート8は、第2木質板材の表面に接着剤で張設されてい
る。
【0023】面状発熱体3は略平板状をなしたもので、
ともに平板状をなした4層の絶縁層33,34,35,
36と、2層の発熱層31,32とを積層して一体に形
成したもので、厚さ約0.6mmである。この場合、2
層の発熱層31と32とを隣接して配置し、これら発熱
層31,32の外側にそれぞれ絶縁層33,34と3
5,36とをそれぞれ重ねて配置し、発熱層31,32
を絶縁層33,34と35,36とで挾んだいわゆるサ
ンドイッチ構造をなしたものである。そして、対向する
2つの側辺部にはそれぞれ所定間隔をおいて複数の切欠
部4が形成されている。
【0024】図3において、発熱層31は、絶縁性繊維
からなる絶縁性糸状体31aと、導電性繊維を含む繊維
からなる導電性糸状体31bとを織って布状体を形成
し、これに樹脂31cを含浸させたものである。この場
合、導電性糸状体31bが所定の間隔をおいて略平行に
配置されるとともに、これら導電性糸状体31bの間に
絶縁性糸状体31aが介在されて導電性糸状体31bど
うしが電気的に絶縁されるようになっている。なお、上
記布状体を形成するのに、この一実施例では、横糸とし
て全て絶縁性糸状体31aを用い、縦糸として絶縁性糸
状体31aと導電性糸状体31bとを交互に用いる方法
を採用している。
【0025】また、発熱層32も上記発熱層31と同様
の構成を有し、絶縁性糸状体32aと、導電性糸状体3
2bとを織って布状体を形成し、これに樹脂32cを含
浸させたものである。なお、図3に示されるように、発
熱層31の導電性糸状体31bと、発熱層32の導電性
糸状体32bとは、これら発熱層31と32とを重ねた
とき、厚さ方向において重ならず、互いに平行にずれた
位置関係になるような位置に配置されている。すなわ
ち、これにより、面状発熱体3に取付孔(貫通孔)6を
設けた場合、発熱層31の導電性糸状体31bが取付孔
6にぶつかって切断されても発熱層32の導電性糸状体
32bは切断されないようになっている。
【0026】また、図4は発熱層31の電熱回路の説明
図であるが、図4(a)に示されるように、発熱層31
における導電性糸状体31bの長さ方向の両端部は短絡
線31dによって短絡され、その短絡線31dの一部が
所定の間隔おいて設けられた切欠部4によって切断され
ている。この切欠部4は、対向する端部で互いの位置が
異なるように交互に形成されるようになっている。した
がって、図4(b)に示されるように、短絡線31dと
導電性糸状体31bとで発熱抵抗体部5が形成される。
なお、この切欠部4どうしの間隔を適宜選定することに
より、所望の発熱抵抗体を得ることができる。また、発
熱層32の電熱回路も同様の構成を有しているので、そ
の説明は省略する。
【0027】絶縁層33,34,35,36は、発熱層
31の導電性糸状体31bを絶縁性糸状体に置き換えた
外は同一の構成を有するものであるので、その詳細説明
は省略する。
【0028】ここで、この一実施例では、導電性繊維と
しては直径7μmの炭素繊維を用い、導電性糸状体とし
てはこの炭素繊維を1000〜3000本束ねて糸状に
したものを用いた。また、絶縁性繊維としてガラスファ
イバを用い、絶縁性糸状体としてはこのガラス繊維を多
数束ねて上記導電性糸状体の太さ程度の糸状にしたもの
を用いた。さらに、これら絶縁性糸状体もしくは導電性
糸状体を織って形成した布状体に含浸させる樹脂として
はエポキシ樹脂を用いた。なお、図示しないが、発熱抵
抗体部5の両端部には適宜の電力供給端子が形成され、
図示しない適宜の電力供給装置によって電力を供給でき
るようになっている。
【0029】この一実施例の木質面状発熱体は、面状発
熱体3のプリプレグを第1木質板材と第1木質板材とで
挾み込んで圧接しつつ接着・硬化させることによって製
造する。そのため、第1木質板材1を構成するベニヤ合
板、第2木質板材2を構成するベニヤ合板をそれぞれ所
定の大きさにカットする。また、面状発熱体3のプリプ
レグを作製する。なお、ここで、プリプレグとは、周知
のように、未硬化状態の樹脂構造体をいう。
【0030】面状発熱体3のプリプレグは、次のように
して作製する。すなわち、発熱層31,32を構成する
布状体及び絶縁層33,34,35,36を構成する布
状体をそれぞれ必要枚数作製し、それぞれにエポキシ樹
脂を含浸させ、発熱層と絶縁層となるべき未硬化状態の
プリプレグを作製する。しかる後、これらプリプレグを
上述の配置関係で積層させて面状発熱体3のプリプレグ
を得る。
【0031】次に、この面状発熱体3のプリプレグを第
1木質板材1及び第2木質板材2によって挾み込み、こ
れをプレス装置にセットして約1Kg/cm2 の押圧力
を加える。次いで、この状態で発熱層31,32の発熱
抵抗体部5に電力を通じて該発熱層31,32を約13
0°Cで1時間保持した後、発熱層31,32への電力
の供給を停止して約1時間放冷することにより、面状発
熱体3のプリプレグと第1木質板材1及び第2木質板材
2との接着並びに面状発熱体3のプリプレグの硬化を行
って木質面状発熱体を得る。
【0032】上述の一実施例の木質面状発熱体によれ
ば、従来の木質板材が備えている外観や機能等の特色を
ほとんど損なうことなく所望の発熱機能を有した木質面
状発熱体を得ることが可能になった。これは、機械的・
物理的・化学的強度に著しく勝れ、かつ、熱伝導や熱効
率等の熱的性質にも著しく有利な面状発熱体3を木質板
材で挾み込んで一体に形成した構成としたためである。
すなわち、この面状発熱体3を構成する発熱層31,3
2及び絶縁層33,34,35,36が布状体に樹脂3
1c,32cを含浸させてなるものであるので、各層自
体が極めて強固なものである。この点は、従来の絶縁性
基板表面に発熱層を形成させ、あるいは、この発熱層を
樹脂で被覆した従来の面状発熱体とその構造及び機能並
びにその作用効果が基本的に異なるものである。すなわ
ち、この一実施例の構成では、発熱層31,32を、導
電性繊維と絶縁性繊維とで形成した布状体に樹脂を含浸
させた構造とし、この導電性繊維自体に通電するように
している。つまり、この導電性繊維は発熱層の強化芯材
としての布状体の一部を構成し、この布状体に樹脂を含
浸させてなるものであるから、発熱層全体の強度が著し
く強固であることは勿論のこと、導電性繊維は布状体の
一部としてこの強固な発熱層の内部に一体に取り込まれ
ているので、外部応力や圧力に対して著しい耐久性があ
るとともに、この導電性繊維に通電して発熱した場合に
熱膨張差によって生ずる内部応力に対しても極めて強い
耐久性を示す。これに対し、上述の絶縁性基板表面に発
熱層を形成させた従来のものは、仮に発熱層を樹脂で被
覆したとしても、発熱層と基板とはあくまでも別の層で
あるので、外部応力や圧力あるいは内部応力に対して本
発明に比較して著しく耐久力に劣る。さらに、本発明の
一実施例のものはこれに加えて発熱層と絶縁層とを積層
させて複数層構造をなしているのでその機械的強度は著
しく大きい。また、発熱層31,32が絶縁層33,3
4と35,36とで挾まれた構造であるので、発熱層を
絶縁層で被覆保護する効果が得られ、絶縁性及び耐久性
に極めて勝れている。したがって、これと第1木質板材
1及び第2木質板材2とが一体に接合された結果、この
木質面状発熱体は、いわば、機械的・物理的・化学的強
度に著しくすぐれた芯材を有する合板のようなものとな
り、内部の構造機能はこの芯材の特質を備えつつ、木質
板材の独特の外観(質感、風合等)や感触その他の特色
を有したものとなる。
【0033】前記木質面状発熱体は、第1木質板材1の
表面を熱放射面7とすべく面状発熱体を挾んで熱放射面
7とは反対側の面である第2木質板材2の表面に熱反射
シート8を設けているので、熱放射面7とは反対側の面
である第2木質板材2の表面から逃げようとする熱を熱
反射シート8で反射させて熱放射面7へ指向させること
ができ、低電力で高い暖房効果が得られる。
【0034】さらに、発熱層は、導電性糸状体31b,
32bを所定の間隔をおいて配置し、かつ、これらを両
端部において短絡線で短絡し、その短絡線を切欠部4に
よって切断することにより発熱抵抗回路を形成させるよ
うにしているので、容易に所望の抵抗や通電容量を有す
る電熱回路を形成させることができる。また、発熱層3
1,32の互いの導電性糸状体31b,32bの厚さ方
向における位置を平行にずらしているので、仮に、図3
に示したように、面状発熱体3に取付孔(貫通孔)6を
設けた場合、発熱層31の導電性糸状体31bが取付孔
6にぶつかって切断されても発熱層32の導電性糸状体
32bが切断されることを防止できるから、面状発熱体
としての発熱能力の変動を実用上差し支えない程度に押
さえることができる。しかも、このように、導電性糸状
体31b,32bの厚さ方向における位置をずらしてい
るので、温度分布を良好に保つことができる。さらに、
この一実施例の面状発熱体は、布状体に樹脂を含浸させ
たものを複数層重ねて一体にして硬化させるものである
から、例えば、プリント基板として用いられるガラスエ
ポキシ積層板の製造手法もしくは製造装置を流用して製
造することも可能であり、製造が容易であるとともに、
製造コストを低減することも可能である。
【0035】さらには、面状発熱体3のプリプレグと第
1木質板材1及び第2木質板材2との接着・硬化を行う
場合、外部加熱装置を用いることなく、発熱層31,3
2に通電して自己発熱させて硬化させているので、特
に、面状発熱体が大きな構造物に取り付ける大型のもの
である場合には、大型な外部加熱装置を用いることなく
比較的容易に加熱硬化させることができるからそのメリ
ットは大きい。
【0036】なお、上述の一実施例では、説明を簡単に
するために、面状発熱体を構成する絶縁層を4層とし、
発熱層を2層とした例をかかげたが、これらの層の数は
限定されず、これらの層をより多くすれば、発熱能力、
温度分布、強度、耐久性その他の点でより勝れたものと
することができる。
【0037】また、本実施例では、発熱層31の導電性
糸状体31bと発熱層32の導電性糸状体32bとの位
置関係を互いに平行にずらすようにしたが、これは、互
いに直交するするようにしても良いし、45°その他の
角度で交差するようにしてもよい。なお、その場合には
各発熱層の電極構造を各場合に適合するように適宜設け
ることは勿論である。
【0038】さらに、本実施例では炭素繊維及びガラス
ファイバを糸状にしてこれらを縦糸及び横糸にして互い
に直角に交差するように配設して布状体を形成するよう
にしたが、本発明はこれに限らず、他の織り方で織って
もよいし、また、必ずしも、絶縁性繊維及び導電性繊維
を糸状にしてから布状体を形成する必要はなく、繊維の
状態のままで布状にし、導電性繊維を電熱回路を形成す
るような配置にしてもよい。
【0039】また、発熱層を複数層設けた場合におい
て、これら発熱層に設ける導電性繊維の配置位置や配置
密度を互いに異ならしめることにより、用途に応じたよ
り適切な加熱ができる。
【0040】さらに、本実施例では、絶縁性繊維とし
て、ガラスファイバを用いたが、これに限らず、アラミ
ド繊維、P.P.、ナイロン66等でもよい。また、導電性
繊維として容易に長繊維が得られる炭素繊維を用いた
が、これも他の導電性繊維でもよい。さらに、本実施例
では、樹脂としてエポキシ樹脂を用いたが、これに限ら
ず、他の熱硬化性樹脂、あるいは、比較的低温で用いる
場合には熱可遡性樹脂でもよい。
【0041】図5及び図6は本発明のそれぞれ異なる変
形例を示す木質面状発熱体の部分断面図である。図5の
木質面状発熱体は、前記実施例と同様に面状発熱体を第
1木質板材と第2木質板材によって挾み込んで接合する
ことにより一体に形成されているが、その第1木質板材
1の表面を熱放射面7とすべく第2木質板材と面状発熱
体との間に熱反射シート8が介設されている。この実施
例の木質面状発熱体は、両面の第1及び第2木質板材の
内側に熱反射シート8を配置しているので、外観が通常
の木質板材とほとんど区別がつかないような木質面状発
熱体を構成することができる。
【0042】図6の木質面状発熱体は、木質板材10の
一方の面に面状発熱体3を一体に設け、木質板材10の
他方の面に熱反射シート8を一体に設けている。この場
合、熱反射シート8は、前記絶縁層33と同様の絶縁層
11,12と13,14とで両面が挾まれて一体に形成
されたいわゆるサンドイッチ構造をなしている。この実
施例の木質面状発熱体は、木質板材の外観を得ることが
できないが、露出した面状発熱体3の表面が熱放射面7
となって熱を直接放射させることができ、しかも熱反射
シート8が絶縁層で覆われているので損傷し難く、耐久
性及び強度の高い木質面状発熱体を得ることができる。
【0043】本発明の木質面状発熱体は、従来の木質面
状発熱体と異なり、構造材としての木質板材とほぼ同じ
感覚で用いることができるから、例えば、床暖房用のヒ
ータを兼ねた床材として用いることができることは勿論
のこと、従来の木質面状発熱体では考えられなかったよ
うな内装壁構造材としても用いることができ、したがっ
て、特に壁構造材と別個の設備を施すことなく壁暖房を
も容易に実現可能とする。その他、例えば、足温板、発
熱機能を備えた椅子の構造材等、構造材しての木質板材
の特質を生かしつつ面加熱が必要な様々な用途に新規な
部材として極めて有効かつ多様な応用が期待できる。
【0044】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の木質面状
発熱体は、絶縁性繊維と導電性繊維とを含む繊維で構成
された布状体に樹脂材を含浸させ、その導電性繊維に通
電することにより発熱させるようにした発熱層と、絶縁
性繊維を含む繊維で構成された布状体に樹脂を含浸させ
てなる絶縁層とを積層させて面状発熱体を形成し、この
面状発熱体を木質板材の面に接合して一体に形成したこ
とにより、木質板材の変形・変質の防止及び均一な加熱
が可能になるとともに耐久性を著しく向上させることが
できる。しかも、前記木質面状発熱体が、そのいずれか
一方の表面を熱放射面とすべく面状発熱体を挾んで熱放
射面とは反対側の面に熱反射シートを設けているので、
熱放射面とは反対側の面から逃げようとする熱を熱反射
シートで反射させて熱放射面へ指向させることができ、
低電力で高い暖房効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかる木質面状発熱体の部
分断面図である。
【図2】面状発熱体の斜視図である。
【図3】発熱層の部分図である。
【図4】発熱層の電熱回路の説明図である。
【図5】本発明の変形例である木質面状発熱体の部分断
面図である。
【図6】本発明の変形例である木質面状発熱体の部分断
面図である。
【符号の説明】
1…第1木質板材、2…第2木質板材、3…面状発熱
体、4…切欠部、5…発熱抵抗体部、31,32…発熱
層、33,34,35,36…絶縁層、31a,32a
…絶縁性糸状体、31b,32b…導電性糸状体、31
c,32c…エポキシ樹脂、7…熱放射面、8…熱反射
シート。
フロントページの続き (72)発明者 岡村 俊彦 神奈川県小田原市扇町3−14−5 株式会 社システムインテオカムラ内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木質板材に面状発熱体を取り付けた木質
    面状発熱体において、 絶縁性繊維と導電性繊維とを含む繊維で構成された布状
    体に樹脂材を含浸させてなり、前記導電性繊維に通電す
    ることにより発熱させるようにした1又は2以上の発熱
    層と、絶縁性繊維を含む繊維で構成された布状体に樹脂
    を含浸させてなる1又は2以上の絶縁層とを積層させて
    前記面状発熱体を形成し、 この面状発熱体を前記木質板材の面に接合して一体に形
    成し、 そのいずれか一方の表面を熱放射面とすべく前記面状発
    熱体を挾んで熱放射面とは反対側の面に熱反射シートを
    設けたことを特徴とする木質面状発熱体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の木質面状発熱体におい
    て、 前記発熱層を構成する布状体は、絶縁性繊維からなる絶
    縁性糸状体と導電性繊維を含む繊維からなる導電性糸状
    体とで織られたものであって、前記導電性糸状体が所定
    の間隔をおいて配置されているとともに、これら導電性
    糸状体の間に前記絶縁性糸状体が介在されて前記導電性
    糸状体どうしが電気的に絶縁されてなるものであること
    を特徴とする木質面状発熱体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の木質面状発熱体
    において、 前記面状発熱体を前記木質板材で挾みこむようにして一
    体に形成し、その一方の木質板材の表面を熱放射面とす
    べくもう一方の木質板材の表面に前記熱反射シートを設
    けたことを特徴とする木質面状発熱体。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の木質面状発熱体
    において、 前記面状発熱体を前記木質板材で挾みこむようにして一
    体に形成し、その一方の木質板材の表面を熱放射面とす
    べくもう一方の木質板材と前記面状発熱体との間に熱反
    射シートを介設したことを特徴とする木質面状発熱体。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11233242A (ja) * 1998-02-13 1999-08-27 Takara Youjou Shizai Kk 発熱機能シート
KR20010008290A (ko) * 2000-11-21 2001-02-05 김행웅 다층 구조의 발열시트
US6188839B1 (en) * 1997-07-22 2001-02-13 Ronald J. Pennella Radiant floor heating system with reflective layer and honeycomb panel
JP2008190859A (ja) * 2007-02-01 2008-08-21 暁楽▼ ▲傳 一種の赤外線電熱架空発熱床板及び組合せ床板
JP2014523984A (ja) * 2011-07-05 2014-09-18 上海熱麗電熱材料有限公司 低温発熱天然木複合床板及びその製造方法

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