JPH0676926A - 面状発熱体 - Google Patents

面状発熱体

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JPH0676926A
JPH0676926A JP14410992A JP14410992A JPH0676926A JP H0676926 A JPH0676926 A JP H0676926A JP 14410992 A JP14410992 A JP 14410992A JP 14410992 A JP14410992 A JP 14410992A JP H0676926 A JPH0676926 A JP H0676926A
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heating element
conductive
insulating
heating
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JP14410992A
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Satoru Kinoshita
哲 木下
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造材を兼ね得る強度を有し、種々の苛酷な
使用条件に耐えることができ、より均一な加熱が可能で
あるとともに、製造や取り付けが容易な面状発熱体を提
供する。 【構成】 面状発熱体1は、絶縁性繊維と導電性繊維と
からなる布状体に樹脂材を含浸させてなる1又は2以上
の発熱層31,32と、絶縁性繊維からなる布状体に樹
脂を含浸させてなる1又は2以上の絶縁層21,22,
23,24とを積層させてなるものであるから、各層自
体が極めて強固なものであるのに加えて発熱層と絶縁層
とを積層させて複数層構造をなしているので、構造材を
も兼ね得る強度を有し、種々の苛酷な使用条件に耐える
ことができ、均一な加熱が可能であるとともに、製造や
取り付けが容易な面状発熱体を得ることを可能にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内部に配設された導電
性繊維に通電することにより発熱して保温や加熱を行う
面状発熱体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】面状発熱体としては、例えば、以下のも
のが知られている。
【0003】(1) 布体その他の耐熱性及び絶縁性を有す
る面状基材にニクロム線等の発熱線を這わせて絶縁処理
を施したもの。
【0004】(2) 上記発熱線として、絶縁性繊維を芯線
として、これにカーボン粉末等の導電性材を付着させた
ものを用いたもの。
【0005】(3) カーボン粉末あるいはカーボンの短繊
維を母材中に含ませた導電性材の層を絶縁性基板の表面
に形成させ、あるいは、この導電性材で絶縁性基板表面
にパターン印刷して電熱回路を形成したもの。さらに、
この電熱回路部を樹脂等で被覆して絶縁処理を施したも
の。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、面状発熱体
は極めて多種多様の用途に用いられるが、その用途によ
っては上述の従来の面状発熱体では要請される性能や機
能を十分満足できなかったり、使用の際に極めて不便で
ある場合が少なくなかった。
【0007】例えば、面状発熱体を床暖房のヒータ材や
融雪用屋根ヒータ材等に用いようとすると、化学的、熱
的、機械的あるいは電気的に苛酷な条件のもとで漏電、
短絡もしくは断線等の事故が生ずる心配なしに長年の使
用に耐え得るものでなければならないが、従来の面状発
熱体はその様な苛酷な使用に耐えることはとうていでき
ないものであった。
【0008】すなわち、上述の従来例(1) 、(2) にあっ
ては発熱線は勿論のこと、面状基材自体にも機械的強度
や耐久性がないために、このような面状発熱体を直接苛
酷な環境にさらすことは不可能である。また、上述の従
来例(3) のように、絶縁性基板表面に電熱回路形成した
ものは、この電熱回路を樹脂で被覆する処理を施すこと
により、従来例(1) 、(2) よりは強度や耐久性に富むも
のとすることは可能である。しかしながら、例えば、人
間の体重程度の大きな圧力を繰り返し加えたり、あるい
は、取り扱い中に曲げ応力を加えたりすると、発熱回路
が細くなったり場合よっては切断されたりするおそれが
高かった。このため、従来の面状発熱体をこのような用
途に使用する場合には、面状発熱体を別の強固な収納部
材に収納して密封する等の必要があり、製造が煩雑でコ
ストもかさむという問題があった。しかも、構造的に基
板の上に別部材たる電熱回路を固着したものであるため
に、発熱回路を発熱させたときに発熱回路が基板に比較
して高温になり、両者に大きな熱膨張差が生ずる。この
ため、繰り返し発熱を行う間に発熱回路が基板から剥離
して断線するおそれがあり、極めて長期間にわたっての
繰り返し使用に対して高い信頼性を要求される床暖房や
融雪用のヒータ等としてして採用することにはいまだ躊
躇せざるを得ない要因を持つものであった。
【0009】さらに、例えば、液体や気体を収容して所
定の温度に加熱維持する恒温槽、あるいは、孵化器等を
外部から加熱する外部加熱ヒータとして用いる場合に
は、これら恒温槽や孵化器を構成する構造材の外側に別
個の部材としての面状発熱体を設けることになる。この
ため、面状発熱体からの熱はこの恒温槽や孵化器を構成
する構造材を通して伝達されることになり、加熱効率が
悪いとともに、強度や絶縁性の観点から面状発熱体で構
造材を兼ねるということもできないのでコストもかさむ
という問題があった。
【0010】さらに、従来の面状発熱体は、面状の被加
熱体を高い均熱性をもって加熱するという要請に対して
は必ずしも十分満足できるものではなかった。すなわ
ち、例えば、プレス成形を行う場合、成形品によっては
成形用金型を極めて均一に加熱しつつ成形しなければな
らない場合がある。この成形用金型を加熱するために従
来の面状発熱体を金型の外周に取り付けた場合には、面
状発熱体の発熱線の近傍部に対して発熱線間の部分の温
度が低くなって温度分布が生じ、良好な成形を行い得な
いという問題が生ずる。
【0011】また、例えば、特に樹脂で固めた面状発熱
体を被加熱体に取り付けるような場合等には、この面状
発熱体に取付け用貫通孔を設け、これにビスやボルトを
貫通させて被加熱体に固定する必要がある場合が少なく
ない。このような場合に、従来の面状発熱体では、この
貫通孔の部分で発熱線が切断されてしまうおそれが高
い。発熱線が切断されると、面状発熱体の一部又は全部
が発熱不能となる。これを避けるためには発熱線の位置
を確認したり断線をチェックする等の作業が必要にな
り、取り付け作業が極めて煩雑になるという問題が生ず
る。
【0012】この発明は、上述の背景のもとでなされた
ものであり、構造材を兼ね得る強度を有し、種々の苛酷
な使用条件に耐えることができ、より均一な加熱が可能
であるとともに、製造や取り付けが容易な面状発熱体を
提供することを目的としたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに本発明は、 (1) 絶縁性繊維と導電性繊維とからなる布状体に樹
脂材を含浸させてなり、前記導電性繊維に通電すること
により発熱させるようにした1又は2以上の発熱層と、
絶縁性繊維からなる布状体に樹脂を含浸させてなる1又
は2以上の絶縁層とを積層させてなる構成とした。
【0014】また、この構成1の態様として、(2)
構成1の面状発熱体において、前記発熱層が前記絶縁層
の間に位置した構造をなしていることを特徴とした構成
とし、さらに、これら構成1又は2の態様として、
(3) 構成項1又は2の面状発熱体において、前記発
熱層を構成する布状体は、絶縁性繊維からなる絶縁性糸
状体と導電性繊維を含む繊維からなる導電性糸状体とで
織られたものであって、前記導電性糸状体が所定の間隔
をおいて配置されているとともに、これら導電性糸状体
の間に前記絶縁性糸状体が介在されて前記導電性糸状体
どうしが電気的に絶縁されてなるものであることを特徴
とした構成とし、さらに、構成1ないし3のいずれかの
態様として、(4) 構成1ないし3のいずれかの面状
発熱体において、前記導電性糸状体を構成する導電性繊
維が炭素繊維(カーボンファイバー)であることを特徴
とした構成とし、さらに、構成3又は4の態様として、
(5) 構成3又は4の面状発熱体において、前記発熱
層を2以上設け、これら発熱層の導電性糸状体の配置関
係を互いに異ならしめて、これらの導電性糸状体どうし
が厚さ方向において重なる部分を少なくしたことを特徴
とする構成とした。
【0015】また、構成3ないし5のいずれかの態様と
して、(6) 構成3ないし5のいずれかの面状発熱体
において、前記発熱層の導電性糸状体の長さ方向におけ
る両端部において該導電性糸状体どうしを短絡するとと
もに、この両端部に所定間隔をおいて切り込みを設けて
この切り込みを設けた部分における前記導電性糸状体ど
うしの短絡を解除することにより、前記発熱層に電熱回
路を形成させるようにしたことを特徴とする構成とし
た。
【0016】
【作用】構成1ないし6によれば、発熱層の導電性繊維
に通電して発熱層を発熱させることにより面状発熱体と
して用いることができる。ここで、この面状発熱体を構
成する発熱層及び絶縁層が布状体に樹脂を含浸させてな
るものであるので、各層自体が極めて強固なものである
のに加えて発熱層と絶縁層とを積層させて複数層構造を
なしているのでその機械的強度は著しく大きい。この点
は、従来の絶縁性基板表面に発熱層を形成させ、あるい
は、この発熱層を樹脂で被覆した従来の面状発熱体とそ
の構造及び機能並びにその作用効果が基本的に異なるも
のである。すなわち、この発明の構成では、発熱層を、
導電性繊維と絶縁性繊維とで形成した布状体に樹脂を含
浸させた構造とし、この導電性繊維自体に通電するよう
にしている。つまり、この導電性繊維は発熱層の強化芯
材としての布状体の一部を構成し、この布状体に樹脂が
含浸させてなるものであるから、発熱層全体の強度が著
しく強固であることは勿論のこと、導電性繊維は布状体
の一部としてこの強固な発熱層の内部に一体に取り込ま
れているので、外部応力や圧力に対して著しい耐久性が
あるとともに、この導電性繊維に通電して発熱した場合
に熱膨張差によって生ずる内部応力に対しても極めて強
い耐久性を示す。それゆえ、例えば、構成7ないし9の
ように、この面状発熱体自体で床暖房装置の床材、融雪
装置の屋根材あるいは加熱容器の壁面部材を兼ねること
も可能である。また、発熱層を2以上設ければ、面状発
熱体の発熱能力を容易に増大させることができるととも
に、温度分布の少ない面状発熱体を容易に得ることも可
能である。これに対し、上述の絶縁性基板表面に発熱層
を形成させた従来のものは、仮に発熱層を樹脂で被覆し
たとしても、発熱層と基板とはあくまでも別の層である
ので、外部応力や圧力あるいは内部応力に対して本発明
に比較して著しく耐久力に劣る。
【0017】また、この場合、構成2のように、発熱層
が前記絶縁層の間に位置する構造にすれば、発熱層をさ
らに絶縁層で被覆保護する効果が得られ、絶縁性及び耐
久性等をより勝れたものとすることができる。また、構
成3のように、発熱層を構成する布状体を、絶縁性糸状
体と導電性糸状体とで織り、導電性糸状体が所定の間隔
をおいて配置され、かつ、導電性糸状体の間に絶縁性糸
状体が介在されて前記導電性糸状体どうしが電気的に絶
縁されるようにすれば、例えば、構成6のようにこの導
電性糸状体どうしを適宜接続して発熱抵抗回路を容易に
形成させることができる。構成4によれば、炭素繊維は
容易に長い連続繊維を得ることができるからこれを単に
束ねることにより容易に導電性糸状体を得ることができ
る。
【0018】さらに、例えば、発熱層に取り付け用の貫
通孔を設ける場合に、構成5のように、2以上の発熱層
の互いの導電性糸状体の厚さ方向における位置をずらし
ておけば、仮に、1つの発熱層の導電性糸状体が貫通孔
にぶつかって切断されても他の発熱層の導電性糸状体が
切断されることを防止できるから、面状発熱体としての
発熱能力の変動を実用上差し支えない程度に押さえるこ
とも比較的容易にできる。
【0019】また、構成6によれば、切り込みの間隔を
適宜選定することにより、極めて簡単に所望の伝熱回路
を形成させることができる。
【0020】
【実施例】面状発熱体の一実施例 図1はこの発明の一実施例にかかる面状発熱体の斜視
図、図2は発熱層の部分図、図3は発熱層の電熱回路の
説明図である。以下、これらの図面を参照しながら面状
発熱体の一実施例を説明する。
【0021】図1において、符号1は面状発熱体、符号
21,22,23,24は絶縁層、符号31,32は発
熱層、符号4は切欠部である。面状発熱体1は略平板状
をなしたもので、ともに平板状をなした4層の絶縁層2
1,22,23,24と、2層の発熱層31,32とを
積層して一体に形成したものである。この場合、2層の
発熱層31と32とを隣接して配置し、これら発熱層3
1,32の外側にそれぞれ絶縁層21,22と23,2
4とをそれぞれ重ねて配置し、発熱層31,32を絶縁
層21,22と23,24とで挾んだいわゆるサンドイ
ッチ構造をなしたものである。そして、対向する2つの
側辺部にそれぞれ所定間隔をおいて複数の切欠部4を形
成したものである。
【0022】図2において、発熱層31は、絶縁性繊維
からなる絶縁性糸状体31aと、導電性繊維を含む繊維
からなる導電性糸状体31bとを織って布状体を形成
し、これに樹脂31cを含浸させたものである。この場
合、導電性糸状体31bが所定の間隔をおいて略平行に
配置されるとともに、これら導電性糸状体31bの間に
絶縁性糸状体31aが介在されて導電性糸状体31bど
うしが電気的に絶縁されるようになっている。なお、上
記布状体を形成するのに、この一実施例では、横糸とし
て全て絶縁性糸状体31aを用い、縦糸として絶縁性糸
状体31aと導電性糸状体31bとを交互に用いる方法
を採用している。
【0023】また、発熱層32も上記発熱層31と同様
の構成を有し、絶縁性糸状体32aと、導電性糸状体3
2bとを織って布状体を形成し、これに樹脂32cを含
浸させたものである。
【0024】図2に示されるように、発熱層31の導電
性糸状体31bと、発熱層32の導電性糸状体32bと
は、これら発熱層31と32とを重ねたとき、厚さ方向
において重ならず、互いに平行にずれた位置関係になる
ような位置に配置されている。
【0025】また、図3は発熱層31の電熱回路の説明
図であるが、図3(a)に示されるように、発熱層31
における導電性糸状体31bの長さ方向の両端部は短絡
線31dによって短絡され、その短絡線31dの一部が
所定の間隔おいて設けられた切欠部4によって切断され
ている。この切欠部4は、対向する端部で互いの位置が
異なるように交互に形成されるようになっている。した
がって、図3(b)に示されるように、短絡線31dと
導電性糸状体31bとで発熱抵抗体部5が形成される。
なお、この切欠部4どうしの間隔を適宜選定することに
より、所望の発熱抵抗体を得ることができる。また、発
熱層32の電熱回路も同様の構成を有しているので、そ
の説明は省略する。
【0026】絶縁層21,22,23,24は、発熱層
31の導電性糸状体31bを絶縁性糸状体に置き換えた
外は同一の構成を有するものであるので、その詳細説明
は省略する。
【0027】ここで、この一実施例では、導電性繊維と
しては直径7μmの炭素繊維を用い、導電性糸状体とし
てはこの炭素繊維を3000〜6000本束ねて糸状に
したものを用いた。また、絶縁性繊維としてガラスファ
イバを用い、絶縁性糸状体としてはこのガラス繊維を多
数束ねて上記導電性糸状体の太さ程度の糸状にしたもの
を用いた。さらに、これら絶縁性糸状体もしくは導電性
糸状体を織って形成した布状体に含浸させる樹脂として
はエポキシ樹脂を用いた。なお、図示しないが、発熱抵
抗体部5の両端部には適宜の電力供給端子が形成され、
図示しない適宜の電力供給装置によって電力を供給でき
るようになっている。
【0028】この一実施例の面状発熱体は次のようにし
て製造する。すなわち、発熱層を構成する布状体及び絶
縁層を構成する布状体をそれぞれ必要枚数作製し、それ
ぞれにエポキシ樹脂を含浸させ、発熱層と絶縁層となる
べき未硬化状態のプリプレグを作製する。しかる後、こ
れらプリプレグを上述の配置関係で積層させ、加圧して
一体にし、加熱硬化させて面状発熱体1を得る。なお、
この場合、加圧して一体にした後、加熱硬化する前の柔
らかい状態で被加熱体の形状に沿わせて被加熱体に取り
付けた後に加熱硬化させるようにすれば、任意の形状の
被加熱体に密着して取り付けることができる。しかも、
この加熱硬化を行う場合、外部加熱装置を用いることな
く、発熱層に通電して自己発熱させて硬化させることも
可能であり、特に、面状発熱体が大きな構造物に取り付
ける大型のものである場合には、大型な外部加熱装置を
用いることなく比較的容易に加熱硬化させることができ
るからそのメリットは大きい。
【0029】上述の一実施例によれば以下の利点があ
る。すなわち、この面状発熱体1を構成する発熱層3
1,32及び絶縁層21,22,23,24が布状体に
樹脂31c,32cを含浸させてなるものであるので、
各層自体が極めて強固なものである。この点は、従来の
絶縁性基板表面に発熱層を形成させ、あるいは、この発
熱層を樹脂で被覆した従来の面状発熱体とその構造及び
機能並びにその作用効果が基本的に異なるものである。
すなわち、この一実施例の構成では、発熱層31,32
を、導電性繊維と絶縁性繊維とで形成した布状体に樹脂
を含浸させた構造とし、この導電性繊維自体に通電する
ようにしている。つまり、この導電性繊維は発熱層の強
化芯材としての布状体の一部を構成し、この布状体に樹
脂が含浸させてなるものであるから、発熱層全体の強度
が著しく強固であることは勿論のこと、導電性繊維は布
状体の一部としてこの強固な発熱層の内部に一体に取り
込まれているので、外部応力や圧力に対して著しい耐久
性があるとともに、この導電性繊維に通電して発熱した
場合に熱膨張差によって生ずる内部応力に対しても極め
て強い耐久性を示す。これに対し、上述の絶縁性基板表
面に発熱層を形成させた従来のものは、仮に発熱層を樹
脂で被覆したとしても、発熱層と基板とはあくまでも別
の層であるので、外部応力や圧力あるいは内部応力に対
して本発明に比較して著しく耐久力に劣る。加えて、本
発明の一実施例のものはこれに加えて発熱層と絶縁層と
を積層させて複数層構造をなしているのでその機械的強
度は著しく大きい。また、発熱層31,32が絶縁層2
1,22と23,24とで挾まれた構造であるので、発
熱層を絶縁層で被覆保護する効果が得られ、絶縁性及び
耐久性に極めて勝れている。さらに、発熱層は、導電性
糸状体31b,32bを所定の間隔をおいて配置し、か
つ、これらを両端部において短絡線で短絡し、その短絡
線を切欠部4によって切断することにより発熱抵抗回路
を形成させるようにしているので、容易に所望の抵抗や
通電容量を有する電熱回路を形成させることができる。
また、発熱層31,32の互いの導電性糸状体31b,
32bの厚さ方向における位置を平行にずらしているの
で、仮に、図2に示したように、面状発熱体1に取付孔
(貫通孔)6を設けた場合、発熱層31の導電性糸状体
31bが取付孔6にぶつかって切断されても発熱層32
の導電性糸状体32bが切断されることを防止できるか
ら、面状発熱体としての発熱能力の変動を実用上差し支
えない程度に押さえることができる。しかも、このよう
に、導電性糸状体31b,32bの厚さ方向における位
置をずらしているので、温度分布を良好に保つことがで
きる。さらに、この一実施例の面状発熱体は、布状体に
樹脂を含浸させたものを複数層重ねて一体にして硬化さ
せるものであるから、例えば、プリント基板として用い
られるガラスエポキシ積層板の製造手法もしくは製造装
置を流用して製造することも可能であり、製造が容易で
あるとともに、製造コストを低減することも可能であ
る。
【0030】なお、上述の一実施例では、説明を簡単に
するために、絶縁層を4層とし、発熱層を2層とした例
をかかげたがこれらの層をより多くすれば、発熱能力、
温度分布、強度、耐久性その他の点でより勝れたものと
することができる。
【0031】また、本実施例では、発熱層31の導電性
糸状体31bと発熱層32の導電性糸状体32bとの位
置関係を互いに平行にずらすようにしたが、これは、互
いに直交するするようにしても良いし、45°その他の
角度で交差するようにしてもよい。なお、その場合には
各発熱層の電極構造を各場合に適合するように適宜設け
ることは勿論である。
【0032】さらに、本実施例では炭素繊維及びガラス
ファイバを糸状にしてこれらを縦糸及び横糸にして互い
に直角に交差するように配設して布状体を形成するよう
にしたが、本発明はこれに限らず、他の織り方で織って
もよいし、また、必ずしも、絶縁性繊維及び導電性繊維
を糸状にしてから布状体を形成する必要はなく、繊維の
状態のままで布状にし、導電性繊維を電熱回路を形成す
るような配置にしてもよい。
【0033】また、発熱層を複数層設けた場合におい
て、これら発熱層に設ける導電性繊維の配置位置や配置
密度を互いに異ならしめることにより、用途に応じたよ
り適切な加熱ができる。
【0034】さらに、本実施例では、絶縁性繊維とし
て、ガラスファイバを用いたが、これに限らず、アラミ
ド繊維、P.P.、ナイロン66等でもよい。また、導電性
繊維として容易に長繊維が得られる炭素繊維を用いた
が、これも他の導電性繊維(他の例?)でもよい。さら
に、本実施例では、樹脂としてエポキシ樹脂を用いた
が、これに限らず、他の熱硬化性樹脂、あるいは、熱可
遡性樹脂でもよい。熱可塑性樹脂を用いた場合はあまり
高温にすることはできないが、例えば、面状発熱体を豪
雪地帯等において屋根に配設し、屋根に積もった雪を溶
かしたり、道路に埋設して道路の雪をとかす用途等に用
いる場合には面状発熱体を高温にする必要がなく、有効
である。さらに、熱可遡性樹脂の場合、高温に加熱する
と柔らかくなって容易に変形するので、現場で加熱して
柔らかくし、装着する対象の形状に合せて変形させて取
付けることも容易になる。
【0035】本発明の面状発熱体は面加熱な必要な様々
な用途に最適なヒータ材として適用することができる。
例えば、床暖房用ヒータ、融雪装置用ヒータ、恒温槽そ
の他の加熱容器用ヒータ、金型加熱用ヒータ、道路の凍
結防止用ヒータ、自動車の車内暖房用パネルヒータ、エ
ンジン室暖房・凍結防止用ヒータ、熱帯魚の水槽、バイ
オテクノロジー分野における微生物の培養室、寒冷地に
おける貯蔵タンク(暖房用燃料タンク等)の保温、飲食
店におけるスープやそばのつゆの保温等に用いるヒータ
等に適用できる。しかも、これらの用途に用いる場合、
絶縁処理、密封処理もしくは補強処理等を従来の面状ヒ
ータに比較して著しく簡単なものとし、あるいは、場合
によってはこれらの処理を省略することも可能である。
以下に、その適用例の一部を説明する。
【0036】床暖房装置への適用例 図4は本発明の一実施例にかかる面状発熱体を用いた暖
房装置の部分断面図である。以下、図4を参照しながら
適用例にかかる床暖房装置を説明する。
【0037】この床暖房装置40は、カーペットその他
の床表面部材41の下に面状発熱体1を設け、この面状
発熱体に支持板42を設け、この支持板42を支柱43
で支えるようにしたものである。ここで、面状発熱体1
は上述の本発明の一実施例にかかる面状発熱体を用いた
ものである。なお、図示しないが、面状発熱体1には電
力供給端子が適宜設けられ、また、この電力供給端子を
通じて電力を供給する電力供給装置が設けられているこ
とは勿論である。
【0038】この適用例の床暖房装置40によれば、敷
設が容易で耐久性に富み、かつ、コストも安価な床暖房
装置が得られる。
【0039】なお、この床暖房装置において、床表面部
材41を必ずしも設ける必要はなく、面状発熱体1を直
接露出させてもよい。これは、本発明の面状発熱体が従
来の面状発熱体に比較してその強度や絶縁性その他の耐
久性等に著しく勝れているので、外部に露出する床材と
しても使用可能であるからである。
【0040】融雪装置への適用例 図5は本発明の一実施例にかかる面状発熱体を用いた融
雪装置の断面図である。以下、図5を参照しながら適用
例にかかる融雪装置を説明する。
【0041】この融雪装置50は、トタンその他の屋根
表面部材51の下に面状発熱体1を設け、この面状発熱
体に屋根下地材52を設け、この屋根下地材52を支柱
53で支えるようにしたものである。ここで、面状発熱
体1は上述の本発明の一実施例にかかる面状発熱体を用
いたものである。なお、図示しないが、面状発熱体1に
は電力供給端子が適宜設けられ、また、この電力供給端
子を通じて電力を供給する電力供給装置が設けられてい
ることは勿論である。
【0042】この適用例の融雪装置50によれば、敷設
が容易で耐久性に富み、かつ、コストも安価な融雪装置
が得られる。
【0043】なお、この融雪装置において、屋根表面部
材41を必ずしも設ける必要はなく、面状発熱体1を直
接露出させてもよい。これは、本発明の面状発熱体が従
来の面状発熱体に比較してその強度や絶縁性その他、耐
候性・耐久性に著しく勝れているので、外部に露出する
屋根表面部材としても使用可能であるからである。
【0044】加熱容器への適用例 図6は本発明の一実施例にかかる面状発熱体を用いた加
熱容器の一部破断斜視図である。以下、図6を参照しな
がら適用例にかかる加熱容器を説明する。
【0045】この加熱容器60は、箱形の構造をなして
おり、その箱形を構成する壁面部61,62,63,6
4,65,66を全て上述の本発明の一実施例にかかる
面状発熱体1で構成したものである。なお、図示しない
が、壁面部61,62,63,64,65,66にはそ
れぞれ電力供給端子が適宜設けられ、また、これら電力
供給端子を通じて電力を供給する電力供給装置が設けら
れていることは勿論である。
【0046】この適用例の加熱容器60によれば、加熱
容器を構成する構造体を面状発熱体で兼ねているので、
構造を単純にでき、かつ、コストも安価にすむ。このよ
うに、加熱容器を構成する構造体を面状発熱体で兼ねる
ことができるのは、本発明の面状発熱体が従来の面状発
熱体に比較してその強度や絶縁性その他、耐久性等に著
しく勝れているからである。なお、この加熱容器60は
例えば、液体や気体を所定温度に加熱保持する恒温槽、
各種孵化器等として用いることができる。
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の面状発熱
体は、絶縁性繊維と導電性繊維とからなる布状体に樹脂
材を含浸させてなる1又は2以上の発熱層と、絶縁性繊
維からなる布状体に樹脂を含浸させてなる1又は2以上
の絶縁層とを積層させてなるものであるから、各層自体
が極めて強固なものであるのに加えて発熱層と絶縁層と
を積層させて複数層構造をなしているので、構造材をも
兼ね得る強度を有し、種々の苛酷な使用条件に耐えるこ
とができ、均一な加熱が可能であるとともに、製造や取
り付けが容易な面状発熱体を得ることを可能にしたもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかる面状発熱体を示す斜
視図である。
【図2】発熱層の部分図である。
【図3】発熱層の電熱回路の説明図である。
【図4】本発明の一実施例にかかる面状発熱体を用いた
暖房装置の部分断面図である。
【図5】本発明の一実施例にかかる面状発熱体を用いた
融雪装置の断面図である。
【図6】本発明の一実施例にかかる面状発熱体を用いた
加熱容器の一部破断斜視図である。
【符号の説明】
1…面状発熱体、4…切欠部、21,22,23,24
…絶縁層、31,32…発熱槽、31a,32a…絶縁
性糸状体、31b,32b…導電性糸状体、31c,3
2c…エポキシ樹脂。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性繊維と導電性繊維とからなる布状
    体に樹脂材を含浸させてなり、前記導電性繊維に通電す
    ることにより発熱させるようにした1又は2以上の発熱
    層と、絶縁性繊維からなる布状体に樹脂を含浸させてな
    る1又は2以上の絶縁層とを積層させてなる面状発熱
    体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の面状発熱体において、 前記1又は2以上の発熱層が前記1又は2以上の絶縁層
    の間に位置した構造をなしていることを特徴とした面状
    発熱体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の面状発熱体にお
    いて、 前記発熱層を構成する布状体は、絶縁性繊維からなる絶
    縁性糸状体と導電性繊維を含む繊維からなる導電性糸状
    体とで織られたものであって、前記導電性糸状体が所定
    の間隔をおいて配置されているとともに、これら導電性
    糸状体の間に前記絶縁性糸状体が介在されて前記導電性
    糸状体どうしが電気的に絶縁されてなるものであること
    を特徴とした面状発熱体。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の面
    状発熱体において、 前記導電性糸状体を構成する導電性繊維が炭素繊維(カ
    ーボンファイバー)であることを特徴とした面状発熱
    体。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4に記載の面状発熱体にお
    いて、 前記発熱層を2以上設け、これら発熱層の導電性糸状体
    の配置関係を互いに異ならしめて、これらの導電性糸状
    体どうしが厚さ方向において重なる部分を少なくしたこ
    とを特徴とした面状発熱体。
  6. 【請求項6】 請求項3ないし5のいずれかに記載の面
    状発熱体において、 前記発熱層の導電性糸状体の長さ方向における両端部に
    おいて該導電性糸状体どうしを短絡するとともに、この
    両端部に所定間隔をおいて切り込みを設けてこの切り込
    みを設けた部分における前記導電性糸状体どうしの短絡
    を解除することにより、前記発熱層に電熱回路を形成さ
    せるようにしたことを特徴とした面状発熱体。
JP14410992A 1992-06-04 1992-06-04 面状発熱体 Pending JPH0676926A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013140753A (ja) * 2012-01-06 2013-07-18 Toyota Boshoku Corp 導電布帛
CN104254149A (zh) * 2013-06-27 2014-12-31 丰田纺织株式会社 导电布帛
US9320087B2 (en) 2013-06-27 2016-04-19 Toyota Boshoku Kabushiki Kaisha Conductive fabric

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