JPH06301973A - 磁気記録媒体の製造装置 - Google Patents

磁気記録媒体の製造装置

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JPH06301973A
JPH06301973A JP8721293A JP8721293A JPH06301973A JP H06301973 A JPH06301973 A JP H06301973A JP 8721293 A JP8721293 A JP 8721293A JP 8721293 A JP8721293 A JP 8721293A JP H06301973 A JPH06301973 A JP H06301973A
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JP
Japan
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oxidizing gas
diffraction pattern
vapor
amount
electron beam
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Pending
Application number
JP8721293A
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English (en)
Inventor
Noriyuki Kitaori
典之 北折
Osamu Yoshida
修 吉田
Hirohide Mizunoya
博秀 水野谷
Katsumi Sasaki
克己 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた特性を有する磁気記録媒体を製造する
ことができる磁気記録媒体の製造装置を提供すること。 【構成】 本製造装置は、磁性材料の蒸気中に酸化性ガ
スを供給するための酸化性ガス供給装置を含み、該酸化
性ガス供給装置は、酸化性ガス導入管に配設され該導入
管内を流れる酸化性ガスの量を調節する調節手段と、前
記被蒸着材の上に形成される蒸着膜の構造を観察する反
射高エネルギー電子線回析装置と、該反射高エネルギー
電子線回析装置により観察した構造の回析パターンと記
憶した構造の回析パターンとの比較を行ない、観察した
構造の回析パターンが望ましくない回析パターンに近い
場合は、前記調節手段に信号を出力する制御手段を含む
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蒸着型の磁気記録媒体
の製造装置に関し、特に被蒸着材に形成された蒸着膜を
観察し、その結果に基づき導入される酸化性ガス量を制
御して所望の磁気特性を有する磁性層乃至は適正な保護
層を形成可能とするものに関する。
【0002】
【従来の技術】蒸着型の磁気記録媒体の一つである蒸着
テープは、鉄、ニッケル、コバルトなどの強磁性体の蒸
気をフィルムベース面に付着させて作ったテープであ
る。このようにして作られた蒸着テープは、塗布型のテ
ープに必要とされるバインダを要しないので、薄膜の磁
性層を高充填度で生成することができ、高域特性の改善
とテープの薄形化が達せられる。
【0003】この蒸着テープの一般的な構造を図3に示
す。基本的にはフィルムベース31に磁性材料を蒸着さ
せて磁性層30を形成したものであるが、必要に応じて
アンダーコート層32、バックコート層33、潤滑層3
4、及び保護層35を形成している。なお、アンダーコ
ート層32は、フィルムベース31と磁性層30との間
に必要な接着強度が得られるようにするための仲介の層
である。また、バックコート層33は、テープ裏面の摩
擦係数を低めるためのもので、これによりテープの走行
安定性、帯電防止等に効果がある。更に、潤滑層34
は、テープ走行の安定度を上げるのに役立つ。また保護
層35は、磁性層の上に形成されこれにより内部を保護
し、テープの耐久性及び耐食性を維持するのに役立って
いる。
【0004】ところで、蒸着テープの製造に際し、蒸着
用真空容器内に酸化性ガス、例えば過酸化水素、酸素、
オゾン等を導入することがある。これは、磁性層の内部
に不純物原子を含有させることにより、この不純物原子
が磁性層の磁気特性を調整するように作用し、それによ
り磁性層の保磁力が増加することが知られているからで
ある。例えば、磁性材料としてコバルトを用意し、酸化
性ガスに酸素を選択して蒸着を行なった場合、コバルト
蒸気の一部は酸素と結合してCoOとなり、コバルト原
子と一定の割合で混ざり、これら蒸気が蒸着して成長し
た柱状の結晶粒からなる磁性層がフィルムベース面に形
成される。
【0005】また、蒸着時に、磁性層の表面に酸化膜を
形成するべく酸化性ガスを供給することにより、この酸
化膜が磁性層を保護する保護層となり、蒸着テープの耐
久性及び耐食性を向上させることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の酸化
性ガス供給装置では、磁気特性、耐久性等を改善するべ
く均一なかつ所定の構造をもった磁性層乃至は保護層を
形成することが困難であった。これは、一つには前回の
蒸着の影響やガスの吸着により真空容器内で真空度が変
動し、前回に決めた酸化性ガス導入量によっては同一の
磁性層、保護層が得られないことによる。
【0007】よって、本発明は上記従来技術の有する問
題点を解消する新規な磁気記録媒体の製造装置を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気記録媒体の
製造装置は、真空容器と、該真空容器内に配設され一連
の被蒸着材を走行させる走行装置と、被蒸着材の下方に
配設され磁性材料を収容する蒸発源と、該蒸発源の磁性
材料に電子ビームを照射するための電子ビーム発生装置
と、電子ビームの照射により発生する磁性材料の蒸気中
に酸化性ガスを供給するための酸化性ガス供給装置とを
含む磁気記録媒体の製造装置において、前記酸化性ガス
供給装置は、酸化性ガス供給源と、該供給源に接続され
る酸化性ガス導入管と、該酸化性ガス導入管に配設され
該導入管内を流れる酸化性ガスの量を調節する調節手段
と、酸化性ガス導入管に接続され磁性材料の蒸気中に酸
化性ガスを供給するべく配置された酸化性ガス供給管
と、前記被蒸着材の上に形成される蒸着膜の構造を観察
する反射高エネルギー電子線回析装置と、該反射高エネ
ルギー電子線回析装置により観察した構造の回析パター
ンと記憶した構造の回析パターンとの比較を行ない、観
察した構造の回析パターンが酸化性ガス量が多い場合の
回析パターンに近い場合は正常な回析パターンになるま
で前記調節手段に酸化性ガス量を減少させる信号を出力
し、また観察した構造の回析パターンが酸化性ガス量が
少ない場合の回析パターンに近い場合は正常な回析パタ
ーンになるまで前記調節手段に酸化性ガス量を増加させ
る信号を出力する制御手段とからなることを特徴とす
る。
【0009】反射高エネルギー電子線回析装置(略称R
HEED)は、加速した電子を試料表面に浅い角度で入
射させて、回析電子線像を蛍光スクリーンに投影するも
のである。この装置によれば、表面構造によって回析像
がスポットになったり、線状になるので、構造の解析に
有効である。例えば、柱状の結晶の成長方向、成長の程
度(柱状結晶の太さ、長さ等)、などを知ることができ
る。
【0010】(作用)上記のように構成された磁気記録
媒体の製造装置において、RHEEDが被蒸着材におけ
る蒸着膜の構造を観察すると、その信号が制御手段に送
られる。制御手段は、構造についての所望の回析パター
ンと、望ましくない回析パターン、すなわち酸化性ガス
量が多い場合の回析パターンと、酸化性ガス量が少ない
場合の回析パターンとを予め準備しておくことができ
る。これら準備された回析パターンに基づいて、制御手
段は、RHEEDにより観察された回析パターンとの比
較を行なう。その結果、制御手段は、 a)観察された回析パターンが、酸化性ガス量が多い場
合の回析パターンに近い場合は、正常な回析パターンに
なるまで前記調節手段に酸化性ガス量を減少させる信号
を出力し、 b)観察された回析パターンが、酸化性ガス量が少ない
場合の回析パターンに近い場合は、正常な回析パターン
になるまで前記調節手段に酸化性ガス量を増加させる信
号を出力する。
【0011】調節手段は、制御手段からの信号に基づき
酸化性ガス供給管に送るガスの量を調節する。酸化性ガ
ス供給管は、磁性材料の蒸気中に酸化性ガスを供給し、
これにより磁性層の所望の磁気特性を得るためのガス雰
囲気を形成する。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づき説明
する。
【0013】図1は、本発明による磁気記録媒体の製造
装置の構成図である。本装置は、真空容器1と、走行装
置2と、蒸発源3と、電子ビーム発生装置4と、そして
酸化性ガス供給装置20とを含んでいる。真空容器1
は、真空ポンプ16に接続され、この真空容器内に一連
の被蒸着材、すなわち合成樹脂製テープ5を走行させる
走行装置2が配設されている。走行装置2は、送りロー
ル6と、巻取りロール7と、そして冷却キャン8からな
っている。蒸発源3は、合成樹脂製テープ5の下方でか
つ冷却キャン8の真下より図面右側に寄った位置に配設
されたルツボ9からなり、このルツボ9はその上面に形
成された凹部内に磁性金属10を収容している。電子ビ
ーム発生装置4は電子銃11を備え、この電子銃11か
ら電子ビームを発射し、この電子ビームをルツボ9の磁
性金属10に照射するようになっている。
【0014】遮蔽板24が冷却キャン8の下方に冷却キ
ャンに接近して配設され、その先端は冷却キャンの最下
端より少し上昇した位置にある。また、この遮蔽板24
と、後述する反射高エネルギー電子線回析装置(以下、
RHEEDと称する)12の間にも遮蔽板17が水平に
配設されている。
【0015】酸化性ガス供給装置20は、酸素ガス供給
源18と、この供給源18に接続された導入管14と、
この導入管14に配設された流量制御弁13と、前記導
入管14に接続された酸素ガス供給管19と、テープ5
の流れ(走行)に関し、巻取りロール7の上流側に位置
しているRHEED12と、このRHEED12と前記
流量制御弁13間に介在するコントローラ15からなっ
ている。
【0016】流量制御弁13は、コントローラ15から
の出力信号により導入管14を流れる酸素ガスの量を調
節するようになっている。また、酸素ガス供給管19
は、磁性金属10の蒸気中に酸素ガスを供給するべく、
その先端19aが冷却キャン8の周方向に関して遮蔽板
24の先端とほぼ同じ位置にある。供給管19からの酸
素ガスは、磁性金属の蒸気中に拡散するように吹き出さ
れ、この酸素ガスは磁性金属の蒸気の一部と結合し、磁
性金属の原子と一定の割合で混ざり、テープ面に非磁性
原子、すなわち酸素原子を含んだ柱状の結晶粒子からな
る磁性層を形成する。この酸素原子は、磁性層の磁気特
性を調整するように、すなわち磁性層の保磁力を増加す
るように作用する。
【0017】また、酸素ガス供給管の先端19aから吹
き出される酸素ガスの一部は、磁性層における蒸着磁性
元素と結合して磁性層の上に酸化物からなる保護膜を形
成する。この保護膜は磁性層の保護層として機能し、こ
の保護層により蒸着テープの耐久性並びに耐食性を向上
させることができる。
【0018】RHEED12は、成層された蒸着膜を観
察するべく、電子銃21を用いて加速した電子をこの蒸
着膜の表面に入射させ、その回析電子線像を蛍光スクリ
ーン22に投影し、そして図2により詳細に示すよう
に、光学レンズ25により回析像を電荷結合デバイス
(以下、CCDと称する)23上に結像させるようにな
っている。すなわち、蛍光スクリーン22は、反射する
電子を受けて発光し、蒸着膜表面の構造の回析像をその
上に投影する。CCD23は、イメージセンサとして、
蛍光スクリーン22からの信号をその光検出素子に信号
電荷として蓄積し、駆動電極の電位操作により蓄積され
た電荷を順次転送し、情報として出力することができ
る。この出力信号は、コントローラ15に送られる。コ
ントローラ15は、構造についての所望の回析パターン
と、望ましくない回析パターン、すなわち酸化性ガス量
が多い場合の回析パターンと、酸化性ガス量が少ない場
合の回析パターンとを予め準備している。そしてこれら
準備された回析パターンに基づいて、コントローラ15
は、RHEEDにより観察された回析パターンとの比較
を行ない、観察された回析パターンが望ましくない回析
パターンに近い場合は、信号を出力し、この出力信号を
流量制御弁13に送るようになっている。
【0019】このように構成された本発明装置におい
て、電子銃11により電子ビームを磁性金属10に向け
照射した場合、磁性金属10は電子ビームの照射を受け
て溶融し、蒸発を続ける。送りロール6より送り出され
てこの蒸発領域内に入ったテープ5は、酸素ガス供給管
19により酸素が供給された蒸着雰囲気内で蒸着を受け
ながら冷却キャン上を円周方向に回転し、その間に斜方
磁性層がテープ上に形成される。更に、このテープ5
は、蒸着雰囲気の端部で供給された酸素により斜方磁性
層の上に保護層として酸化膜が形成され、巻取りロール
7により巻取られる。
【0020】RHEED12が蒸着膜の構造を観察しそ
の信号が蛍光スクリーン22、CCD23を経てコント
ローラ15に送られると、コントローラ15は、 a)観察された回析パターンが、酸化性ガス量が多い場
合の回析パターンに近い場合は、正常な回析パターンに
なるまで流量制御弁13に酸化性ガス量を減少させる信
号を出力し、 b)観察された回析パターンが、酸化性ガス量が少ない
場合の回析パターンに近い場合は、正常な回析パターン
になるまで流量制御弁13に酸化性ガス量を増加させる
信号を出力する。
【0021】流量制御弁13は、コントローラ15から
の信号に基づき、酸素ガス供給管19に送る酸素ガスの
量を調節する。酸素ガス供給管は、磁性層の生成時に酸
素ガスを供給し、これにより磁性層の所望の磁気特性を
得るためのガス雰囲気を形成する。また、この酸素ガス
供給管は形成された磁性層の上に酸化膜を形成するべく
酸素を供給するようにも働く。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、反射高エネルギー電子
線回析装置が蒸着膜の構造を観察し、この結果に基づき
制御手段が磁性材料の蒸気中に供給される酸化性ガスの
量を制御するようにしたので、所望の磁気特性をもった
磁性層乃至は均一な保護層を常に形成することができ、
その結果磁気記録媒体の磁気特性、耐久性、及び耐食性
が大いに改善されると共に、生産性も向上するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による蒸着型磁気記録媒体の製造装置の
構成図。
【図2】反射高エネルギー電子線回析装置(RHEE
D)に備わる電荷結合デバイス(CCD)の構成図。
【図3】蒸着テープの一般的な構造を示す図。
【符号の説明】
1 真空容器 2 走行装置 3 蒸発源 4 電子ビーム発生装置 5 テープ(被蒸着材) 8 冷却キャン 10 磁性金属 12 RHEED(反射高エネルギー電子線回析装
置) 13 流量制御弁 15 コントローラ 18 酸素ガス供給源 19 酸素ガス供給管 21 電子銃 22 蛍光スクリーン 23 CCD(電荷結合デバイス) 24 遮蔽板 25 光学レンズ 26 防着板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 克己 栃木県芳賀郡市貝町大字赤羽2606番地 花 王株式会社情報科学研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空容器と、該真空容器内に配設され一連
    の被蒸着材を走行させる走行装置と、被蒸着材の下方に
    配設され磁性材料を収容する蒸発源と、該蒸発源の磁性
    材料に電子ビームを照射するための電子ビーム発生装置
    と、電子ビームの照射により発生する磁性材料の蒸気中
    に酸化性ガスを供給するための酸化性ガス供給装置とを
    含む磁気記録媒体の製造装置において、 前記酸化性ガス供給装置は、酸化性ガス供給源と、該供
    給源に接続される酸化性ガス導入管と、該酸化性ガス導
    入管に配設され該導入管内を流れる酸化性ガスの量を調
    節する調節手段と、酸化性ガス導入管に接続され磁性材
    料の蒸気中に酸化性ガスを供給するべく配置された酸化
    性ガス供給管と、前記被蒸着材の上に形成される蒸着膜
    の構造を観察する反射高エネルギー電子線回析装置と、
    該反射高エネルギー電子線回析装置により観察した構造
    の回析パターンと記憶した構造の回析パターンとの比較
    を行ない、観察した構造の回析パターンが酸化性ガス量
    が多い場合の回析パターンに近い場合は正常な回析パタ
    ーンになるまで前記調節手段に酸化性ガス量を減少させ
    る信号を出力し、また観察した構造の回析パターンが酸
    化性ガス量が少ない場合の回析パターンに近い場合は正
    常な回析パターンになるまで前記調節手段に酸化性ガス
    量を増加させる信号を出力する制御手段とからなること
    を特徴とする磁気記録媒体の製造装置。
JP8721293A 1993-04-14 1993-04-14 磁気記録媒体の製造装置 Pending JPH06301973A (ja)

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