JP2686139B2 - 磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は鉄または鉄合金の窒化物からなる強磁性金属
薄膜を磁性層とする磁気記録媒体及びその製造方法に関
する。
(ロ) 従来の技術 一般に、強磁性金属薄膜層を磁気記録層とする磁気記
録媒体に、金属もしくはそれらの合金などを真空蒸着法
等によってポリエステルフィルム等の非磁性基板上に被
着してつくられ、高密度記録に適した特性を有するが、
反面空気中で徐々に酸化を受け易く、最大磁束密度など
の磁気特性が劣化するなどの難点がある。
上述の欠点を解消したものとして、例えば特開昭60-2
8028号公報(G11B5/85)に開示されているように耐候性
に優れた窒化鉄(FeN)系材料を用いた磁気記録媒体が
提案されている。このFeN系の磁性薄膜の製造方法とし
てはイオンアシスト蒸着法がある。これは真空槽内に鉄
(又は鉄合金)の蒸発源と窒素(又は空気)をイオン化
するイオン源とを配設し、真空雰囲気下で鉄の蒸着源か
ら鉄の蒸気流を基板に差し向けると同時にイオン源から
イオン化した窒素イオンを照射して基板上にFeN系の磁
性薄膜形成する方法である。
第6図はイオンアシスト蒸着法による磁気記録媒体の
製造装置の概略断面図である。
図中、(1)は排気系(11)により内部が、1×10-6
Torr以下の高真空に保たれた真空槽で、該真空槽(1)
の内部にはるつぼ(2)、キャンローラ(3)、送出し
ローラ(4)、巻取りローラ(5)、及びカウフマン型
のイオン銃(6)が配設されている。前記るつぼ(2)
内には蒸発源である鉄(7)が収納されている。前記冷
却ローラ(3)には送出しローラ(4)から送出され巻
取りローラ(5)に巻取られるフィルム基板(8)が巻
付けられている。前記イオン銃(6)はガス導入管(1
3)からの窒素ガスをイオン化して、窒素イオンビーム
(12)を前記フィルム基板(8)に向けて照射する。
(9)はフィルム基板(8)への鉄の蒸気(10)の最低
入射角θを規制する遮へい板である。
前記るつぼ(2)より蒸発した鉄の蒸気(10)は前記
キャンローラ(3)上のフィルム基板(8)上に斜め蒸
着すると同時に、前記イオン銃(6)から窒素イオンビ
ーム(12)を前記フィルム基板(8)に照射して該フィ
ルム基板(8)上に窒化鉄の磁性薄膜を形成する。
しかし乍ら、上述の製造方法では、例えば鉄の蒸気
(10)の最低入射角θが50°の場合窒化鉄の磁性薄膜の
保磁力は500〜600Oeと低く、また最低入射角θが70°の
場合においても磁性薄膜の保磁力は800〜900Oeと低く、
十分に高い保磁力を有する磁性薄膜を形成することは出
来なかった。
(ハ) 発明が解決しようとする課題 本発明は上記従来例の欠点に鑑み為されたものであ
り、十分に高い保磁力及び角形比を有するFeN系磁性薄
膜を有する磁気記録媒体及び該磁気記録媒体を量産性良
く形成することが出来る磁気記録媒体の製造方法を提供
することを目的とするものである。
(ニ) 課題を解決するための手段 本発明の磁気記録媒体は、非磁性基板上に結晶化して
いるζ−Fe2Nが含まれているFeN系磁性薄膜を被着形成
したことを特徴とする。
また、本発明の磁気記録媒体の製造方法は、加熱され
た非磁性基板上にプラズマ生成室より得た窒素イオン及
び電子を鉄の蒸気と同時に照射して前記基板上に結晶化
しているζ−Fe2Nが含まれているFeN系磁性薄膜を被着
形成することを特徴とする。
(ホ) 作用 プラズマ生成室からの低い運動エネルギー領域でのイ
オン照射と適当な基板温度との相互作用により常磁性の
Fe2N相が結晶化され、それに伴うフェロ磁性のα−Fe
相との相分離に磁気的分離効果が起こり、高保磁力のFe
N系磁性薄膜が形成される。
(ヘ) 実施例 第1図は本実施例で用いられるイオンアシスト蒸着法
による磁気記録媒体の製造装置の概略断面図であり、第
6図と同一部分には同一符号を付し、その説明は割愛す
る。
図中(14)はフィルム基板(8)に窒素イオン及び電子
よりなる窒素プラズマ(15)を照射するプラズマ生成室
である。前記プラズマ生成室(14)は内部にフィラメント
(16)及びアノード(17)が装着されており、周面には
ソレノイドコイル(18)が巻回されている。前記フィラ
メント(16)には直流電源(19a)により20〜30Aの電流
が流れており、前記アノード(17)には直流電源(19
b)により100Vの正の電圧が印加されている。また、前
記プラズマ生成室(14)のプラズマ(15)放出側の開口部
には電気的に接地された多孔形状のグリッド(20)が装
着されており、該クリッド(20)によりプラズマ生成室
(14)の内外には気圧差が生じる。(21)は前記プラズマ
生成室(14)の内部に窒素ガスを導入するためのガス導入
管である。また、本実施例のキャンローラ(3)の内部
にヒータ(図示せず)が装着されており、該ヒータによ
りキャンローラ(3)表面の温度が制御される。
上述の本実施例の製造装置では、ガス導入管(21)を
通ってプラズマ生成室(14)内に導入された中性の窒素分
子は、フィラメント(16)から放出されアノード(17)
によって加速された熱電子と衝突することによりイオン
化される。このイオン化により発生した低エネルギーの
窒素イオンと電子とは窒素プラズマ(15)となり、ソレ
ノイドコイル(18)により形成された磁場勾配とグリッ
ド(20)による気圧差とによってプラズマ生成室(14)
開口部から外部に放射状に放出される。この放出された
窒素プラズマ(15)はるつぼ(2)からの鉄の蒸気(1
0)と同時にフィルム基板(8)に照射される。このた
め、前記フィルム基板(8)到達した窒素イオンの正の
電荷は電子によって打ち消され、前記基板(8)はチャ
ージアップしない。また、前記窒素イオン及び電子の運
動エネルギーは小さいのでフィルム基板(8)上に形成
された窒化鉄磁性薄膜は熱解離しない。
上述の製造装置を使用して、下記の条件でフィルム基
板上に膜厚2000ÅのFeN磁性薄膜を形成した。
成膜条件 背圧 1×10-6Torr以下 N2ガス圧力 2×10-4Torr(4SCCM) フィルム送り速度 1m/min 窒素イオン電流密度 2mA/cm2 最低入射角θ 70° 窒素イオンの運動エネルギー 100eV以下 基板温度(キャンローラ表面の温度)25℃、115℃、1
50℃、215℃ 次に、振動試料型磁力計を用いて各基板温度で形成さ
れた上述のFeN磁性薄膜の保磁力及び角形比を調べた。
その結果を下記の第1表に示す。
上表から判るように、フィルム基板を115℃或いは150
℃まで加熱した状態でFeN磁性薄膜を形成した場合、フ
ィルム基板を加熱せずにFeN磁性薄膜を形成した時に比
べて、磁性薄膜の保磁力及び角形比が向上した。また、
215℃までフィルム基板を加熱した場合は、磁性薄膜の
保磁力及び角形比は向上しなかった。
尚、上述の実施例における成膜速度は約1000Å/minで
あり、全ての基板温度において、この成膜速度で磁性薄
膜を形成した時に最も保磁力及び角形比を得ることが出
来た。
また、各基板温度で形成された上述のFeN磁性薄膜に
X線回折を行い、その回折パターンを第2図、第3図、
第4図及び第5図に夫々示す。
フィルム基板を加熱せずに形成したFeN磁性薄膜は、
第2図から判るようにX線回折パターンにピークが見ら
れずアモルファス状である。これに対して、フィルム基
板を115℃或いは150℃まで加熱した状態で形成したFeN
磁性薄膜は、第3図或いは第4図から判るように2θ=
42.8°でピークを示した。また、フィルム基板を215℃
まで加熱して形成したFeN磁性薄膜は第5図から判るよ
うにX線回折パターンにピークが見られず、アモルファ
ス状である。FeN薄膜はζ−Fe2Nが結晶化した場合に、
2θ=42.8°でピークを示す。即ち、フィルム基板を11
5℃或いは150℃まで加熱した状態で形成されたFeN磁性
薄膜には、少なくとも結晶化しているζ−Fe2Nが含ま
れていることが判る。この結果を第1表と照合してみる
と結晶化しているζ−Fe2Nが含まれているFeN磁性薄膜
は保磁力及び角形比が高く磁気特性に優れていることが
判る。尚、第1表中にはX線回折における2θ=42.8°
でのピーク強度(任意強度)を示す。
また、本発明の比較例として、第6図に示す従来の製
造装置を用いて下記の条件でフィルム基板上に膜厚2000
ÅのFeN磁性薄膜を形成した。成膜条件 窒素イオン電流密度 2mA/cm2 窒素イオンの運動エネルギー 300eV以下、500eV以下、1KeV以下 基板温度(キャンローラ表面の温度) 25℃一定 尚、その他の条件は上記実施例と同一である。
次に、この従来の製造装置で形成されたFeN磁性薄膜
の保磁力、角形比及びX線回折における2θ=42.8°で
のピーク強度(任意強度)を上記実施例と同様にして調
べた。その結果を下記の第2表に示す。
尚、この比較例での成膜速度は約100Å/minであり、
全ての窒素イオンの運動エネルギーにおいて、この成膜
速度で磁性薄膜を形成した時に最も高い保磁力及び角形
比を得ることが出来た。
上表から判るように、窒素イオンの運動エネルギーが
小さくなるに従い、2θ=42.8°でピーク強度が強くな
り、それに伴い保磁力及び角形比が向上する。しかし乍
ら、保磁力及び角形比が最も高い窒素イオンの運動エネ
ルギーが300eVの場合においても、保磁力は1000Oe、角
形比は0.7であり、満足出来る値ではない。これに対し
て、本実施例のFeN磁性薄膜は保磁力が1750〜2000Oe、
角形比が0.75〜0.8と大幅に向上した。
また、上述の比較例の製造方法では成膜速度が約100
Å/minの時に最も高い保磁力及び角形比を得ることが出
来たのに対し、本実施例の製造方法では成膜速度が約10
00Å/minの時に上記比較例よりも更に高い保磁力及び角
形比のFeN磁性薄膜を形成することが出来、量産性にも
優れている。
(ト) 発明の効果 本発明に依れば、保磁力及び角形比が十分に高く磁気
特性に優れたFeN系磁性薄膜を有する磁気記録媒体を提
供し得る。
また、本発明に依れば、上述の磁気特性に優れた磁気
記録媒体を量産性良く製造することが出来る磁気記録媒
体の製造方法を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の磁気記録媒体の製造装置の概略断面
図、第2図、第3図、第4図及び第5図は夫々FeN磁性
薄膜のX線回折パターンを示す図、第6図は従来の磁気
記録媒体の製造装置の概略断面図である。 (8)……フィルム基板(非磁性基板)、(10)……鉄
の蒸気、(14)……プラズマ生成室、(15)……窒素プラ
ズマ。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 41/20 H01F 41/20 (72)発明者 松浦 宏太郎 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三 洋電機株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−209720(JP,A) 特開 昭61−120348(JP,A) 特開 昭63−184927(JP,A) 特開 昭62−114118(JP,A) 特開 昭60−25204(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性基板上に結晶化しているζ−Fe2
    が含まれているFeN系磁性薄膜を被着形成したことを特
    徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】加熱された非磁性基板上にプラズマ生成室
    より得た窒素イオン及び電子を鉄の蒸気と同時に照射し
    て前記基板上に結晶化しているζ−Fe2Nが含まれてい
    るFeN系磁性薄膜を被着形成することを特徴とする磁気
    記録媒体の製造方法。
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