JPH0630067U - 防湿性容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 容器口部に高周波加熱によって接着されたア
ルミメンブレムを、人の指で簡単容易に、かつ安全衛生
的に、しかもコストをかけずに剥離し得る防湿性容器を
提供する。 【構成】 防湿性を要求される内容物が充填されている
円筒状口部を備えた容器に、円板状パッキンと円板状ア
ルミメンブレムとを低接着力をもって積層したインナー
シール材が該パッキン面をキャップ内底面に向けて装填
されている円筒状キャップを嵌め、高周波シーラーによ
って該アルミメンブレム面を前記口部に接着させてなる
防湿性容器において、前記口部の開口縁の一部分がほぼ
直線状に形成されている防湿性容器。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、防湿性容器に関し、防湿性が要求される内容物の長期貯蔵もしくは 中期保存用に広く使用される防湿性容器を提供するものである。

【０００２】

【従来の技術】

周知の通り、防湿性を要求される医薬品、飲料品、化成品、その他工業用資材 が充填される容器は、主としてガラスもしくは合成樹脂等で製造され、被収納物 の形態（粉体、顆粒、錠剤および液体等）、ならびにその用途や取扱方法にもと づいて、該容器本体の大小、あるいは円形、角形等の形状の差異はあるが、その 口部は概して円筒状に形成されており、被収納物を充填した後、該円筒状口部の 外径とほぼ同一の直径を有する円筒状のクリップオフキャップ又は円筒状のスク リューキャップが嵌められている。

【０００３】 そして、近時、前記円筒状のクリップオフキャップ又は円筒状のスクリューキ ャップを嵌めるに際して、円板状パッキンと円板状アルミメンブレムとを低接着 力をもって積層したインナーシール材（代表的な市販品として「パシュット」： 商品名：ハイシート工業株式会社製が挙げられる）を使用し、このインナーシー ル材のパッキン面を前記キャップ内底面に向けて装填した後、当該キャップを前 記円筒状口部を備えた容器に嵌め、高周波シーラーによって高周波加熱すること によりアルミメンブレム面を当該口部に接着させて密封するという態様が採られ ている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

前記態様を採って密封された従来品にあっては、容器を開封して内容物を取り 出す場合には、クリップオフキャップを押し上げるか、あるいはスクリューキャ ップを弛めて外すことによって、パッキンは容易にアルミメンブレムと剥離して キャップ内に残留するが、メンブレムはあらかじめ実施された高周波加熱によっ て容器口部の開口縁に強固に接着されているのみならず、その直径が口部の外径 とほぼ同一に形成されているために人の指による掴み代が殆んどないので、これ を剥ぎ取ることが容易でないという問題点があり、また、やむなくナイフ等でこ すり取る場合にも完全に、メンブレムの残滓が除去されていないと、被収納物の 一部を取り出した後、キャップを再び嵌め、キャップ内に残留しているパッキン を容器の口部の開口縁に当てがってリシールしても、口部に付着している残滓に よって形成される僅かな間隙から外気が容器内に流通して防湿性が阻害され、内 容物が変質、もしくは腐敗する等の惧れがあるという問題点があり、更に、ナイ フ等でこすり取ったメンブレムの細片が内容物の中に混入して、後日、人体に悪 影響を及ぼす危険性も多分にある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記問題点は、次の通りの本考案によって解決できる。 即ち、本考案は、防湿性を要求される内容物が充填されている円筒状口部を備 えた容器に、円板状パッキンと円板状アルミメンブレムとを低接着力をもって積 層したインナーシール材が該パッキン面をキャップ内底面に向けて装填されてい る円筒状キャップを嵌め、高周波シーラーによって該アルミメンブレムを前記口 部に接着させてなる防湿性容器において、前記口部の開口縁の一部分がほぼ直線 状に形成されていることを特徴とする防湿性容器である。

【０００６】 本考案を、クリップオフキャップ付の防湿性容器に例をとって詳しく説明する と、該容器の縦断面を示す図１において、従来品にはない掴み代部５が新たに形 成されることが、大きな特徴であり、理解し易いように容器Ａの口部４１の端面 を投影すると、図２の如くなる。即ち、同心円から成る容器Ａの口部４１の肉厚 開口縁４３の一部を直線状部４４に変化させることによって掴み代部５が形成さ れる。従って、図１から解るように、アルミメンブレム３の一部に掴み代３１が 形成されることになり、この掴み代３１を指で掴んで持ち上げれば、その剥離が 至極円滑に行われるのである。 なお、直線状部４４は、中心角９０°以内、好ましくは６０〜３０°の範囲に すべきであり、直線状部をあまり長くすると密封性能に支障が生じる。

【０００７】

【作用】

容器Ａの円筒状口部４１の肉厚開口縁４３は、局部的に直線状部４４を有する が、直線状部以外はほぼ真円に形成されているので、容器Ａに内容物を収納後、 口部４１の直径とほぼ同一直径のパッキンとアルミメンブレムを低接着力で複合 化したインナーシール材が該パッキン面をキャップ内底面に向けて装填されてい るクリップオフキャップ１を口部４１に押し込んで嵌め、高周波シーラーを用い て該アルミメンブレムを面を肉厚開口縁４３に接着させることにより密封できる 。開封する場合には、クリップオフキャップ１を指で押し上げて外すと、パッキ ンはキャップ内に残り、アルミメンブレムの掴み代３１を指で引張り上げること により、簡単にアルミメンブレムが肉厚開口縁４３から剥離され、被収納物の一 部を取り出すことが出来、再度口部にクリップオフキャップ１を押し込んで嵌め れば、当該キャップ内のパッキンが口部４１の肉厚開口縁４３に圧接するからリ シールできる。

【０００８】

【実施例】

本考案に係る防湿性容器を、クリップオフキャップを用いた実施例にもとづい て、以下詳細に説明する。図１は容器の縦断面説明図、図２は容器口部の端面の 平面説明図である。容器Ａは、内容物に応じて適宜、乳白色や茶色等に着色した 肉厚約２mmのポリエチレン製で、直径約５mmの保健用錠剤１００粒を収納するも のとし、高さが７５mm、本体４の外径が４５mmの円筒状体で、その上方口部４１ は外径３５mmに収斂され、該端面には外径３９mmの膨出部４２が形成される。口 部４１には、図２に示される如く、中心角６０°に対応する部分に直線部４４が 形成されており、真円より引込む寸法ａは３mmである。アルミメンブレム３は、 アルミニウム基材にプラスチックフィルムを貼合した複合材の外面に、ホットメ ルト樹脂や熱可塑性フィルムを貼合もしくはコーティングして成るもので、直径 ３９mmの円板に打ち抜かれている。またパッキン２は、厚さ０．９mmのポリオレ フィン発泡体シートから成り、同じく直径３９mmの円板に打ち抜かれている。ア ルミメンブレム３とパッキン２とは低接着力をもって積層されインナーシール材 を形成している。クリップオフキャップ１は、プラスチックから成り、外径４４ mm、高さ１２mm、厚さ２mmで、開端部に内径３６mmの膨出部１１が形成される。 上記パッキン２とアルミメンブレム３を低接着力で積層したインナーシール材（ パシュット９０：商品名：ハイシート工業株式会社製）を、クリップオフキャッ プ１の底面にそのパッキン面が当接される如く装填し、これを口部４１に押し込 んで嵌めた後、高周波シーラーを用いて高周波加熱によりシールして完全に密封 する。

【０００９】 次に、本容器Ａを開封する場合には、プラスチックの弾性を利用してクリップ オフキャップ１の膨出部１１を指で押し上げて外すと、先ずパッキン２はアルミ メンブレム３から容易に離脱し、クリップオフキャップ１内に残る。一方アルミ メンブレム３は容器Ａの口部４１の肉厚開口縁４３に高周波加熱によって接着さ れていて容易に剥離されないが、あらかじめ口部４１の一部に直線部４４が形成 され、掴み代部５が設けられているため、アルミメンブレム３の一部分は口部４ １に接着されていないので、掴み代３１が形成されている。この掴み代３１を指 で掴んで引き上げれば、アルミメンブレム３全体が口部４１の肉厚開口縁４３か ら容易に剥離される。 なお上記直線部４４は、掴み代部５、換言すればアルミメンブレム３の一部分 に掴み代３１が形成されればよいので、直線に限定されず若干カーブしていても 差支えなく、容器Ａが製造され易いように設計すれば可い。 開封して必要な錠剤を取り出した後は、容器Ａの口部４１にクリップオフキャ ップ１を押し込めば、その内部に残っているパッキン２が肉厚開口縁４３に圧接 されるので、リシールされて、残りの錠剤は防湿状態で保存されるから、繰返し 使用することが可能である。

【００１０】 なお、スクリューキャップの場合にも、前記実施例のスクリューキャップの場 合と同様に、前記直線状部を設けても、キャップと容器との閉栓気密効果、特に 防湿性能に何等悪影響をもたらすことがなく、長期間安心して繰返して使用でき ることを確認している。

【００１１】

【考案の効果】

本考案に係る防湿性容器は、アルミメンブレムの一部分に掴み代が形成される ので、該掴み代を人の指で引き上げて容易に、かつ完全に剥離し得るから、従来 、この種の防湿性容器に内在する問題点が解決できる。しかも円筒状キャップは 従来通りのものを使用し、容器本体の上方円筒状口部の狭い一個所に直線状部を 形成するのみでよいから、コストダウンに貢献する効果も顕著である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る防湿性容器の縦断面説明図。

【図２】本考案に係る防湿性容器の口部の端面の平面説
明図。

【図３】従来のクリップオフキャップ付防湿性容器の縦
断面説明図。

【符号の説明】

Ａ 防湿性容器 １ クリップオフキャップ
２ パッキン ３ アルミメンブレム ４ 本体
５ 掴み代部 １１ 膨出部 ３１ 掴み代
４１ 口部 ４２ 膨出部 ４３ 肉厚開口縁
４４ 直線部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 金川 豊 東京都港区赤坂１丁目９番13号 ハイシー ト工業株式会社内

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 防湿性を要求される内容物が充填されて
   いる円筒状口部を備えた容器に、円板状パッキンと円板
   状アルミメンブレムとを低接着力をもって積層したイン
   ナーシール材が該パッキン面をキャップ内底面に向けて
   装填されている円筒状キャップを嵌め、高周波シーラー
   によって該アルミメンブレム面を前記口部に接着させて
   なる防湿性容器において、前記口部の開口縁の一部分が
   ほぼ直線状に形成されていることを特徴とする防湿性容
   器。
2. 【請求項２】 円筒状キャップがクリップオフキャップ
   である請求項１記載の防湿性容器。
3. 【請求項３】 円筒状キャップがスクリューキャップで
   ある請求項１記載の防湿性容器。