JPH06300459A - 焼結機の漏風検知方法 - Google Patents

焼結機の漏風検知方法

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JPH06300459A
JPH06300459A JP8364693A JP8364693A JPH06300459A JP H06300459 A JPH06300459 A JP H06300459A JP 8364693 A JP8364693 A JP 8364693A JP 8364693 A JP8364693 A JP 8364693A JP H06300459 A JPH06300459 A JP H06300459A
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義明 島川
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浩一 大山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 広範囲の漏風状態の測定を可能とし、焼結原
料の差異によっても影響を受けず、その上、設備保守の
容易な焼結機の漏風検知方法の提供。 【構成】 焼結排ガスが、外気より酸素濃度が低く、し
かも、温度が高いことを利用したもので、ウインドボッ
クス、排ガス処理の電気集塵機、脱硫設備など焼結機の
排ガス処理系の排ガス流の上流側と下流側において、そ
れぞれ、酸素濃度と温度とを測定し、それぞれの酸素濃
度と温度との差から漏風状態を検知する。さらに、それ
ぞれの箇所におけるガス中の酸素濃度と温度によるガス
中のO2 バランス式あるいは熱バランス式から漏風の程
度を知るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冶金用の鉱石を焼結す
るためのドワイトロイド(DL)型焼結機における漏風
検知方法に関する。
【0002】
【従来の技術】DL型の焼結機は、無端状に連接されて
回動するパレット上に鉱石、コークス等の配合原料を層
状に充填装入し、点火炉において点火し、下方に連接配
置されたウインドボックスからの吸気を継続して焼結を
行うものであるが、連接されたパレット間や、パレット
の下端とウインドボックスの上端との間の摺接部に配置
されたエアシールプレートの摩耗によって空隙が発生
し、この空隙から外気が侵入し、いわゆる漏風が発生す
る。
【0003】この漏風の程度によっては、充填原料層の
焼成状態が悪くなり生産性の低下につながるために、漏
風の程度を的確に検知して早期にその対策を講じること
は焼結機の操作効率を上げるために極めて重要である。
【0004】この漏風を検知する手段として従来から多
くの提案がなされており、例えば、特開昭56−105
436号公報には、この漏風発生部に超音波検出手段を
設け漏風の発生に伴う超音波によって漏風を検知するこ
とが開示されている。しかしながら、この検知手段とし
て利用する超音波は指向性を持つことから狭い範囲の測
定しかできず、自ずから、漏風の検知範囲に限界がある
また、特開昭58−189337号公報には、装入原料
収納パレット毎にウインドボックスを仕切って、各ウイ
ンドボックス毎の吸引風量を比較して漏風発生を検知す
ることが提案されているが、焼結原料充填層の通気抵抗
によっての通風量の差が大きいために、誤検知の頻度が
高いという欠点がある。
【0005】さらには、特開昭60−48484号公報
には、シールベッドとプレートとの間隙量と漏風量とを
経時的に計測して、漏風発生時における発生原因を直接
把握する漏風原因検知方法が提案されているが、操業中
における隙間の計測が困難である上、計測機器が破損し
易く保守が難しい欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の焼結機における漏風検知の欠点を解消して、広範囲の
漏風状態の測定を可能とし、焼結原料の差異によっても
影響を受けず、その上、設備保守の容易な焼結機の漏風
検知方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、焼結排ガス
が、外気より酸素濃度が低く、しかも、温度が高いこと
を利用したもので、ウインドボックス、排ガス処理の電
気集塵機、脱硫設備など焼結機の排ガス処理系の排ガス
流の上流側と下流側において、それぞれ、酸素濃度と温
度とを測定し、それぞれの酸素濃度と温度との差から漏
風状態を検知することを特徴とする。
【0008】さらに、それぞれの箇所におけるガス中の
酸素濃度と温度によるガス中の酸素バランス式あるいは
熱バランス式から漏風の程度を、前二つの式で計算した
値でどちらか一方の低い値を示す漏風率によって知るも
のである。
【0009】焼結機の前半部分と中間部分の漏風の程度
の検知は、酸素濃度によって行い、また、焼結機の後半
部における漏風の程度の検知は、温度の変化によって検
知するのが良い。
【0010】
【作用】漏風の程度が大きくない限りにおいては、焼結
機の操業条件が変化しても焼結機の長手方向における酸
素と温度の分布態様は一定している、このため、ガス流
れの上流側と下流側にそれぞれ、酸素濃度と温度の測定
器を設け、酸素と温度の分布態様の変化によって高精度
の漏風率を検知できる。
【0011】また、排ガスの温度と酸素濃度のそれぞれ
は、漏風の程度(漏風率)との間に相関関係があり、何
れかの相関関係を示すバランス式によって高精度での漏
風程度の検知が可能となる。
【0012】とくに、酸素濃度と温度の焼結機の長さ方
向の分布曲線の態様によって、焼結機の長さ方向におけ
る前半部分と中間部分における漏風程度の検知には酸素
濃度による検知方法を利用し、後半部分における漏風程
度の検知には温度変化による検知方法を利用するのがよ
い。
【0013】
【実施例】図1は、本発明を、排ガス処理系としてウイ
ンドボックスにおいて、パレット2の下端とウインドボ
ックス1の上端との間の摺接部の漏風の程度を検知する
のに適用した例を示す。
【0014】同図において、3はウインドボックス1の
下方に設置した流量計を示し、同ウインドボックス1の
上流側と下流側には、それぞれ、ウインドボックス1内
の酸素濃度を測定する酸素濃度測定器4と、ウインドボ
ックス1内の温度を測定する温度測定器5とが配置され
ている。6はウインドボックス1の鉄皮温度を測定する
温度測定器である。7は演算機であって、大気温度測定
器8と大気中酸素濃度計9からの測定値も入力される。
【0015】ここにおいて、O1 をパレット2の下端
部、すなわち、ウインドボックス1内の排ガス上流側に
おける排ガス中の酸素濃度、O2 をウインドボックス1
の下方位置、すなわち、下流側における排ガス中の酸素
濃度、Oa を漏風中の酸素濃度を示す。また、T1 をウ
インドボックス1内の排ガス上流側における排ガスの温
度、T2 をウインドボックス1の下流側における排ガス
の温度、Ta を漏風の温度とし、さらに漏風量Qa 、排
ガス上流側のガス流量Q1 、排ガス下流側のガス流量Q
2 (ただし右記式が成り立つ、Q1 +Qa =Q2 )はそ
れぞれの点におけるガス流量を表すもので、漏風後のウ
インドボックス1の下流側における排ガス中の酸素量Q
2 ×O2 は、 Q2 ×O2 =Q1 ×O1 +Qa ×Oa による酸素バランス式で表すことができ、そして、Q2
/O2 として表わされる漏風率(1)は、 Q2 /O2 =(O2 −O1 )/(Oa −O1 )・・・(1) と表わすことができる。
【0016】また、Ca 、C1 、C2 は、それぞれ、排
ガス構成ガスの比熱としたとき、焼結ガスの場合C1
2 ≒Ca であり、さらに、αを排ガスから鉄皮への伝
熱係数、Ts を鉄皮温度、AをT1 〜T2 間のダクト面
積としたとき、鉄皮への放熱によって降下した排ガス温
度を補正した排ガス下流側の温度T2 ′は、 T2 ′=T2 +{αA〔(T1 +T2 /2)−Ts 〕}
/(Q2 ・C2 ) (T2 ′は漏風のみによって排ガス温度が降下した場合
の下流側の排ガス過度である。)であるので、熱バラン
ス式は Q2 ×T2 ′×C2 =Q1 ×T1 ×C1 +Qa ×Ta ×
a として表わすことができる。したがって、熱バランス式
による漏風率は、 Q2 /O2 =(T2 ′−T1 )/(Ta −T1 )・・・(2) として示される。
【0017】一方、図2は、ウインドボックス1内の排
ガス中の酸素濃度と温度の焼結機の長さ方向における分
布曲線をそれぞれA,B曲線によって示す。この場合、
ガスの酸素濃度と温度の焼結機長さ方向における各ウイ
ンドボックス1における分布曲線の形態は、操業条件の
変化によって大きく影響を受け、長さ方向で排ガス中の
酸素濃度、温度の変化が激しい。特に焼結機長さ方向の
中間部分は温度とともに酸素濃度の変化が激しく、温度
が低下した場合は酸素濃度は下がり、逆に温度が上昇し
た場合は酸素濃度は上がり、酸素濃度は大気中の酸素濃
度21%に近づく。この場合は上記酸素濃度による漏風
率を示す(1)式において、漏風率を示す場合には分母
が0に近づくために精度の悪い値となる。一方、ガス温
度が低い場合は、熱バランスによる漏風率を示す(2)
式において、漏風率を示す場合には、分母が0に近づく
ために精度の悪い値となる。従って、酸素濃度が高い場
合は(2)式で温度が低い場合は(1)式で漏風率を算
出する方が精度が良い。このようにウインドボックスの
酸素濃度、温度の変化に応じて(1)式か(2)式のい
ずれかを選んで漏風率を求めることで精度の良い値が得
られる。
【0018】同図の分布曲線Aに見られるように、焼結
機長さの前半部分が酸素濃度は低く、後半部分で大気中
の酸素濃度の21%に近い値となっている。この結果、
上記酸素濃度による漏洩率を示す(1)式において、後
半部の漏風率を算出する場合には、分母が0に近づくた
めに精度の悪い値となる。また、温度の分布曲線Bは、
前半部分と中間部分は温度が低く、後半部で高くなるた
めに、後半部分における精度は高くなる。従って、前述
の温度による漏風率を示す(2)式で算出する場合は前
半部分が精度が悪く、後半部分では精度が良いことにな
る。
【0019】この結果、焼結機の前半部は酸素濃度によ
る漏洩率を表わす前述の(1)式によって検知し、中間
部は酸素濃度による漏洩率を表わす前述の(1)式また
は温度による漏風率を示す(2)式によって検知し、後
半部は(2)式で漏風率を求める。
【0020】この焼結機の長手方向の中間部分の漏風検
知については、検知基準は酸素濃度を18%以下の場合
は酸素濃度によって検知するのがよい。その理由を図3
を用いて述べる。
【0021】図3は、中間部分におけるウインドボック
ス1内の酸素濃度と漏風率の関係を示す図である。
【0022】同図に示すように、ウインドボックス1内
の酸素濃度は、通常の焼結機の操業条件の下では、その
バラツキは、18%までは±0.1%程度であり、18
%を超えると極端に増大する。そのため、18%以下に
検知基準を採ると漏風率は±2%以下の高精度で検知で
きる。
【0023】このように、ウインドボックスのそれぞれ
に酸素濃度と温度測定器を設置することで、酸素濃度と
温度の変化は連続測定ができ、移動するパレットの中の
どのパレットが漏風しているかの確認が可能であり、そ
の漏風の程度がこの値が一定値以上の場合、設備の修理
を行って漏風量を低減して操業効率の低下を防ぐ。
【0024】
【発明の効果】本発明の漏風検知方法によって、以下の
効果を奏する。
【0025】(1) 従来と比べて高い精度で漏風率が
測定でき、また漏風量が定量化できるために、設備修理
の判断が正確になる。
【0026】(2) 精度が高いので少ない漏風量でも
(初期漏風)的確に漏風箇所を発見でき、早急な対策を
採ることができる。この結果漏風率が大巾に減少し、排
ガス吸引ブロワーの電力コスト低減となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明をDL型焼結機のパレットとウインド
ボックスとの間の漏風の検知に適用したときの実施態様
を示す。
【図2】 DL型焼結機の長さ方向における酸素濃度と
温度の分布曲線を示す。
【図3】 焼結機の長さ方向の中間部分におけるウイン
ドボックス内の酸素濃度と漏風率の関係を示す。
【符号の説明】
1 ウインドボックス 2 パレット 3 流量計 4 酸素濃度測定器 5,6 温度測定器 7 演算機 8 大気温度測定器 9 大気中酸素濃度計

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼結機の排ガス処理系における排ガス流
    の上流側と下流側において、酸素濃度と温度をそれぞれ
    測定し、それぞれの酸素濃度あるいは温度の差から漏風
    状態を検知する焼結機の漏風検知方法。
  2. 【請求項2】 焼結機の排ガス処理系における排ガス流
    の上流側と下流側において、酸素濃度と温度をそれぞれ
    測定し、それぞれの酸素濃度によるバランス式と温度の
    バランス式の何れかから漏風の程度を検知する焼結機の
    漏風検知方法。
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