JP2022134457A - 焼結機設備の漏風検知方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】解質式酸素濃度計を用いて早期に漏風を検知する。【解決手段】焼結機設備の漏風検知方法であって、焼結機設備の排ガス処理系は、排ガス流れ方向上流側から順に設置された、ウインドボックス、ウインドレグ、主ダクト及び排ガス処理部が設置されて構成されており、排ガス処理系の、ウインドレグより排ガス流れ方向下流側の少なくとも異なる2つの測定位置で、固体電解質式酸素濃度計により酸素濃度を測定し、2つの測定位置での酸素濃度を比較し、当該2つの測定位置の間での漏風の有無を検知する。【選択図】図3

Description

本発明は、焼結機設備の漏風検知方法に関する。
焼結機は、パレットに配合原料を装入して層状とし、点火炉で着火した後に通風しながら配合原料内に含まれる炭材を燃焼させ、その燃焼熱で鉱石と造滓材とを焼き固める設備である。パレットは鎖状に連なっており、回転する無端軌道上を移動させて、焼結鉱は連続して製造される。焼結機において、通風は、排ガス系統下流の排風機(ブロア)を駆動力として、パレット下方のウインドボックス(風箱)から吸引される。これにより、パレットに装入された焼結原料層の表層から空気が引かれて下方に流れる。点火炉以降では、パレットの走行に伴い、焼結原料層内の燃焼帯が順次下方に伝播する。
空気の下方吸引が行われるため、パレット間やパレットと軌条との継ぎ目にはシール機構が施されているが、パレットや軌条の変形等により隙間が生じると、当該隙間から外気が侵入する漏風が発生する。漏風は、焼結機の正常な通風を妨げ、原料の燃焼状態を悪くするため、製品である焼結鉱の生産性や性状を悪化させる要因となる。そこで、設備補修等によって漏風の発生を減少させる必要があるが、補修のためには、まず、漏風箇所を検知する必要がある。
従来は、焼結機の漏風検知は、例えばウインドボックス等の、パレット直下での漏風検知が主体であった(例えば、特許文献1、2)。しかし、焼結機設備の老朽化の進行に伴い、排ガス系統全般にわたって漏風を早期検知する必要が高まってきた。
特開2009-275239号公報 特開2014-092296号公報
しかし、焼結機のウインドボックス以降の排ガス系統全般にわたって複数箇所に連続酸素濃度計(O2計)を設置するにあたっては、酸素濃度計を安定的に使用する方法が定まっておらず、早期に漏風検知することができていない。すなわち、設備の定期点検のような間欠的な確認であれば、例えば作業員がガスを採取し、採取したガスの成分をガスクロマトグラフィー等で分析すれば精度の高い情報が得られる。しかし、漏風の発生を早期に検知するには、酸素濃度計を設置して連続的にデータを採取し、監視する必要がある。どのように酸素濃度計を用いて、焼結機の排ガス系統全般にわたってこのようなデータを採取し、漏風検知するのが適切であるかについては、十分に検討されていない。
ここで、焼結機の漏風検知に使用される酸素濃度計は、上記特許文献1、2では、レーザー式酸素濃度計が用いられている。レーザー式酸素濃度計は、分析技術の一般的知見から従来使用されてきたジルコニア式酸素濃度計に対して、応答性がよく、高温高ダスト下でも測定可能であり、測定値の信頼性が高く、メンテナンス負荷が小さい等の点で優れているといわれている。しかし、ジルコニア式酸素濃度計は、酸素濃度測定に際しての事前処理が不要であり、かつ、レーザー式酸素濃度計に比べて安価であることから、複数台設置には有効である。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、電解質式酸素濃度計を用いて早期に漏風を検知することが可能な、焼結機設備の漏風検知方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、焼結機設備の漏風検知方法であって、焼結機設備の排ガス処理系は、排ガス流れ方向上流側から順に設置された、ウインドボックス、ウインドレグ、主ダクト及び排ガス処理部が設置されて構成されており、排ガス処理系の、ウインドレグより排ガス流れ方向下流側の少なくとも異なる2つの測定位置で、固体電解質式酸素濃度計により酸素濃度を測定し、2つの測定位置での酸素濃度を比較し、当該2つの測定位置の間での漏風の有無を検知する、焼結機設備の漏風検知方法が提供される。
酸素濃度は、主ダクトと排ガス処理部との接続部より排ガス流れ方向下流側の、異なる2つの測定位置にて測定してもよい。
また、排ガス処理部は、複数の集塵機を有し、複数の集塵機の出口は、排風機と接続されるように構成されてもよい。このとき、酸素濃度は、少なくとも、主ダクトと排ガス処理部との接続部と、複数の集塵機の入口との間と、複数の集塵機の出口と排風機の入口との間とにおいて測定されてもよい。
固体電解質式酸素濃度計は、ジルコニア式酸素濃度計であってもよい。
また、排ガス処理系において予め測定されたCO濃度が5%以下であった位置において酸素濃度を測定するようにしてもよい。
排ガス処理系において、第1の測定位置における第1の酸素濃度と、第1の測定位置より排ガス流れ方向下流側の第2の測定位置における第2の酸素濃度とを測定し、
第2の酸素濃度が第1の酸素濃度よりも大きい場合、第1の測定位置と第2の測定位置との間で漏風が生じていると判定してもよい。
以上説明したように本発明によれば、電解質式酸素濃度計を用いて早期に漏風を検知することができる。
本発明の一実施形態に係る焼結機設備の一構成例を示す模式図である。 同実施形態に係る焼結機設備の排ガス系統の詳細を示す模式図である。 同実施形態に係る焼結機設備の漏風検知方法を示すフローチャートである。 試験設備の構成を示す模式図である。 実施例の結果を示すグラフである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[1.焼結機設備]
まず、図1及び図2に基づいて、本発明の一実施形態に係る焼結機設備1の概略構成について説明する。図1は、本実施形態に係る焼結機設備1の一構成例を示す模式図である。図2は、本実施形態に係る焼結機設備1の排ガス系統の詳細を示す模式図である。なお、図1では、焼結機設備のうち、本実施形態に係る漏風検知方法に関係する排ガス系統を中心に示している。
本実施形態に係る焼結機設備1は、図1に示すように、焼結機10と、冷却機20と、電気集塵機30と、排風機40と、煙突50とを有する。
焼結機10は、長手方向に連結された複数のパレット(図示せず。)上に原料ホッパー11から配合原料を装入して層状とし、点火炉13で着火した後に通風しながら配合原料内に含まれる炭材を燃焼させ、その燃焼熱で鉱石と造滓材とを焼き固める設備である。パレットは、軌条12上を回転する。なお、図1では、排ガス系統を分かりやすく示すため、軌条12は上部側のみを記載しているが、図1の軌条12は上下対称に無端軌道を形成している。点火炉13を通過すると、パレットの走行に伴い、焼結原料層内の燃焼帯が順次下方に伝播し、焼結鉱が製造される。製造された焼結鉱は、焼結機10の右端にて冷却機20へ落下して、冷却される。
焼結機10において、通風は、排ガス系統下流の排風機(ブロア)40を駆動力として、パレット下方のウインドボックス15から吸引される。これにより、パレットに装入された焼結原料層の表層から空気が引かれて下方に流れる。ウインドボックス15へ流れた排ガスは、ウインドレグ17(図2のウインドレグ17A、17Bをまとめて「ウインドレグ17」ともいう。)を介して主ダクト19(図2の主ダクト19A、19Bをまとめて「主ダクト19」ともいう。)を通り、電気集塵機30へ排出される。
より詳細には、図2に示すように、各ウインドボックス15は、下方にてウインドレグ17A、17Bの2つに分かれる。ウインドレグ17Aは主ダクト19Aに連通し、ウインドレグ17Bは主ダクト19Bに連通する。主ダクト19A、19Bは、主ダクト出口61にて連結され、1つの排ガス流路となった排ガス管が電気集塵機30の入口に連通される。電気集塵機30は、例えば4基の集塵機(A室~D室)により構成されてもよい。電気集塵機30にて排ガス中のダストが除かれた後、排ガスは、排風機40を通り、煙突50から放出される。本実施形態では、主ダクト19の出口より排ガス流れ方向下流側を、排ガス処理部ともいう。
[2.焼結機設備の漏風検知]
[2-1.ジルコニア式酸素濃度計を用いた漏風検知]
本実施形態に係る焼結機設備の漏風検知では、電解質式酸素濃度計を用いて早期に焼結機設備の漏風を検知することを可能にする。電解質式酸素濃度計は、例えばジルコニア式酸素濃度計である。本実施形態では、電解質式酸素濃度計としてジルコニア式酸素濃度計を用いる場合について説明するが、本発明はかかる例に限定されず、他の固体電解質を用いた酸素濃度計を用いてもよい。
ここで、工業プロセスにおいて、連続的に配管内の酸素濃度を測定する酸素濃度計としては、主として、ジルコニア式酸素濃度計、レーザー式酸素濃度計、磁気式酸素濃度計、ガルバニ電池式酸素濃度計の4形式がある。各型式の酸素濃度計について焼結機設備の排ガス系統全般にわたって複数箇所で使用することを想定した場合、磁気式酸素濃度計及びガルバニ電池式酸素濃度計は、排ガスを採取して酸素濃度を測定するまでに、水分やダスト等を除去するための事前処理工程が必要となる。当該事前処理工程には高い費用がかかり、そのメンテナンス負荷も大きいこと等を考えると、磁気式酸素濃度計及びガルバニ電池式酸素濃度計は、複数台設置かつ連続測定には適さない。
これに対して、ジルコニア式酸素濃度計及びレーザー式酸素濃度計は、事前処理工程は不要である。レーザー式酸素濃度計は、ジルコニア式酸素濃度計と比較して、応答性がよく、高温高ダスト下でも測定可能であり、測定値の信頼性が高く、メンテナンス負荷が小さい等の点で優れている。しかし、レーザー式酸素濃度計は高価な精密装置であり、複数台設置するには膨大な費用を要する。このため、コストの観点から、レーザー式酸素濃度計は複数台設置には適さない。そこで、本実施形態では、ジルコニア式酸素濃度計等の電解質式酸素濃度計を用いて、焼結機設備の漏風検知を行う。
一方で、ジルコニア式酸素濃度計は、他の形式の酸素濃度計と比べて複数台設置かつ連続測定に有用であるが、ジルコニア式酸素濃度計を用いて測定された酸素濃度に基づき焼結機設備の漏風の有無を評価すると、必ずしも精度は高くない。ガス採取により検定すると、酸素濃度に誤差を有する場合がある。そこで、本願発明者は、ジルコニア式酸素濃度計を用いて、焼結機設備の漏風検知を精度よく行う方法を検討した。
その結果、まず、ジルコニア式酸素濃度計においては、焼結機10の排ガスに不可避的に含まれるCOガスが妨害ガスとなることを知見した。妨害ガスとは、測定目的である酸素(O)に随伴することで、無視できない測定精度悪化をもたらす外乱要因となるガスを称しており、具体的にはCOガスである。ジルコニア式酸素濃度計では、高温化でCOガスが酸素と共存すると、酸化反応によってCOガスを生成して酸素を消費するため、酸素濃度測定の外乱となる。
すなわち、ジルコニア式酸素濃度計は、ヒーターを用いてジルコニアを800~900℃程度の高温とすることで伝導性を発揮させ、酸素分圧差によって生じる起電力Eを測定する事ことで酸素濃度を測定する。起電力Eは、下記式(1)に示すネルンストの式として表されることが知られている。式(1)において、Rは気体定数、Tは絶対温度、nはO価数(n=4)、Fはファラデー定数、Px(O)は排ガスの酸素分圧、Pa(O)は基準ガスの酸素分圧である。
E=-(RT/nF)×ln{Pa(O)/Px(O)} ・・・(1)
本願発明者は、鋭意検討した結果、COガスが酸素濃度に際して外乱となる理由は、該高温下で固体電解質に接する排ガス中にCOガスが存在すると、下記式(2)の反応が左辺から右辺に進行することを確認した。すなわち、COが酸化されることにより、ジルコニア式酸素濃度計が示す酸素濃度は、実際の排ガスよりも低い値となる。
CO+1/2O=CO ・・・(2)
実際の排ガスの酸素濃度と酸素濃度計が示す酸素濃度との差異を「誤差」とすると、誤差が生じる条件であるCOと酸素が共存している状態でCO濃度が高くなると、誤差は大きくなる。ウインドボックス15やウインドレグ17は、焼結機操業の状態によってCO濃度の変動が大きい部位である。このため、ジルコニア式酸素濃度計により酸素濃度を測定しても焼結機操業の状態によって誤差も変動すること、さらに、レーザー式酸素濃度計と併用しても測定部位による酸素濃度の差を評価することが難しいことから、従来はジルコニア式酸素濃度計を漏風検知に活用できなかったと考えられる。
ここで、本実施形態において、焼結機設備の排ガス系統の酸素濃度を測定するのは、漏風早期検知のためである。さらに、焼結機設備の漏風を検知して補修部位の優先順位を決定することができる情報が得られれば、その漏風検知方法は有意である。これらを勘案すると、本実施形態に係る焼結機設備の漏風検知方法では、必ずしも正確な酸素濃度を測定しなくても、漏風を検知できる酸素濃度の変化が検知できればよい。そこで、本実施形態に係る焼結機設備の漏風検知方法では、排ガス系統内において排ガスの流れが明確な離隔した2つの測定位置で、当該2つの測定位置で酸素濃度を測定し、測定された2つの酸素濃度を比較して、当該2つの測定位置の間での漏風の有無を検知する。
すなわち、図3に示すように、まず、排ガス系統内における異なる2つの測定位置で、各測定位置に設置されたジルコニア式酸素濃度計により酸素濃度をそれぞれ測定する(S10)。そして、排ガス流れ方向上流側の酸素濃度と下流側の酸素濃度とを比較する(S20)。排ガス流れ方向下流側の酸素濃度が上流側の酸素濃度より高ければ、当該2つの測定位置の間に配管亀裂等があり漏風している蓋然性が高いと判定される(S30)。一方、排ガス流れ方向下流側の酸素濃度が上流側の酸素濃度未満であれば、当該2つの測定位置の間で漏風が生じている可能性は低いと判定される(S40)。実際の漏風部位は2つの測定位置間を点検することにより特定されることから、異なる2つの測定位置にジルコニア式酸素濃度計を設置し、各位置での酸素濃度を測定することによって、十分に漏風検知が可能である。
なお、「離隔」した測定位置とは、距離的、物理的に離れて隔たっている状態を指し、本実施形態では「異なる2つの測定位置」ともいう。また、異なる2つの測定位置の間で排ガスの流れが明確である、とは、当該異なる2つの測定位置の間を焼結機設備全体としてみると、逆流や渦が生じておらず、排ガス流れ方向の上流と下流とが区別できることをいう。
より詳細に説明すると、排ガス系統内における異なる2つの測定位置のうち、排ガス流れ方向上流側の測定位置を第1の測定位置とし、下流側の測定位置を第2の測定位置とする。そして、第1の測定位置に設置されたジルコニア式酸素濃度計にて測定された酸素濃度を第1の酸素濃度O1とし、第2の測定位置に設置されたジルコニア式酸素濃度計にて測定された酸素濃度を第2の酸素濃度O2とする。第1の酸素濃度O1と第2の酸素濃度O2との差を酸素濃度差ΔO(=O2―O1)としたとき、酸素濃度差ΔOが大きいと、粉コークスの燃焼に寄与しない空気が多く、漏風が大きいことを示す。
ここで、COガスが存在しない場合、ジルコニア式酸素濃度計による他の計測誤差要因が無視できれば、測定された酸素濃度は実際の値と略同値であり、酸素濃度差ΔOは正しい値となる。一方、COガスが存在する場合、COガスの存在に依る第1の酸素濃度の誤差をe1、第2の酸素濃度の誤差をe2として、誤差を含む酸素濃度差をΔOeとすると、誤差を含む酸素濃度差ΔOeは下記式(3)で表される。
ΔOe=(O2-e2)―(O1-e1) ・・・(3)
式(3)式は、下記式(4)のように変形できる。
ΔOe=(O2-O1)+(e1-e2)
=ΔO+(e1-e2) ・・・(4)
ここで、2つの測定位置の間で漏風が生じて下流側に空気が加わったとすると、2つの測定位置でのCOガス量自体は変化せず、漏風による空気の増加分で分母が大きくなることから、COガス組成は、上流側(第1の測定位置)が大きく、下流側(第2の測定位置)が小さくなる。このため、COガス組成に影響される誤差e1が大きくなり、誤差e2が小さくなる。すなわち、式(4)の右辺第2項の(e1-e2)は正となる。したがって、誤差を含む酸素濃度差ΔOeは誤差のない酸素濃度差ΔOよりも大きくなる(ΔOe>ΔO)。漏風検知の観点からは、COガスの存在は必ずしも阻害要因とはならない。つまり、酸素濃度を絶対値で評価する場合には誤差を考慮する必要があるが、そもそも漏風検知においては酸素濃度の変化を目安として用いればよく、絶対値で評価するものではないので、酸素濃度の測定値に誤差があるとしても大きな問題は生じない。
[2-2.酸素濃度の測定位置]
焼結機設備1の排ガス処理系は、排ガス流れ方向上流側からウインドボックス15、ウインドレグ17、主ダクト19及び排ガス処理部(すなわち、電気集塵機30及び排風機40)で構成される。本実施形態に係る焼結機設備の漏風検知方法では、ウインドレグ17より排ガス流れ方向下流側の少なくとも異なる2つの測定位置にジルコニア式酸素濃度計を設置し、酸素濃度を測定する。
排ガス処理系よりも排ガス流れ方向上流側に位置するウインドボックス15及びウインドレグ17は、一般に、焼結機機長方向に数十か所設置されており、これら全てにジルコニア式酸素濃度計を設置することは現実的でない。また、ウインドボックス15やウインドレグ17は設備長が比較的短く、当該部位で生じた亀裂等から侵入した空気(漏風)が十分に排ガスと混合しない可能性があり、酸素濃度を比較する測定位置としては離隔が不十分であることも考えられる。そこで、本実施形態では、ウインドレグ17より排ガス流れ方向下流側の少なくとも異なる2つの測定位置にジルコニア式酸素濃度計を設置し、酸素濃度を測定する。
例えば、主ダクト19と排ガス処理部との接続部である主ダクト出口61より排ガス流れ方向下流側の、異なる2つの測定位置にジルコニア式酸素濃度計を設置し、酸素濃度を測定してもよい。主ダクト19A、19Bの合流後の接続部である主ダクト出口61ではCOガスの時間的変動が小さいため、妨害ガスの影響を低減することができる。あるいは、主ダクト19と排ガス処理部との接続部である主ダクト出口61と電気集塵機30の入口との間と、電気集塵機30の出口と排風機40の排風機入口63との間とにそれぞれ測定位置を設け、ジルコニア式酸素濃度計を設置し、酸素濃度を測定してもよい。このように、任意の2つの測定位置間の酸素濃度を測定することで、当該2つの測定位置間における漏風の有無を検知することができる。
また、酸素濃度の測定位置は、排ガス処理系において予め測定されたCO濃度が5%以下であった位置としてもよい。これは、ジルコニア式酸素濃度計の酸素濃度測定において妨害ガスとなるCOガスの影響が軽微な位置では、ジルコニア式酸素濃度計をより安定して連続して使用できるためである。
ウインドボックス15やウインドレグ17の排ガスの成分は、焼結機10の操業変化による変動が大きい。したがって、ウインドボックス15やウインドレグ17における漏風をジルコニア式酸素濃度計により測定された酸素濃度の変化により評価しても、妨害ガスの影響により十分な精度の情報を得ることができない。このため、ウインドボックス15やウインドレグ17における酸素濃度の測定は、レーザー式酸素濃度計により行うことが主流である。このような状況から、本願発明者は、妨害ガスの影響が軽微なところでは、ジルコニア式酸素濃度計による酸素濃度の傾向管理は十分に機能するとの知見を得た。COガスは焼結工程において通常生じているものであり、通常発生しているCO濃度の範囲内、例えばCO濃度が5%以下の位置であればその影響は軽微であると考えられる。
仮に妨害ガスの変動が大きいとしても、ジルコニア式酸素濃度計を複数台設置することによって異なる測定位置の酸素濃度を同時に測定することにより、妨害ガスの濃度が実質同等の状態による相対比較が可能である。すなわち、本実施形態に係る焼結機設備の漏風検知方法では、異なる2つの測定位置で測定された酸素濃度について、排ガス流れ方向下流側の酸素濃度が上流側の酸素濃度よりも上昇していれば、当該2つの測定位置の間に漏風があることを特定するが、COガスは酸素濃度の上昇幅を拡大する効果を有する。このことからも、漏風の有無を検知する観点では本実施形態に係る焼結機設備の漏風検知方法は有利である。
以上、本発明の一実施形態に係る焼結機設備の漏風検知方法について説明した。本実施形態によれば、排ガス処理系のウインドレグより排ガス流れ方向下流側の少なくとも異なる2つの測定位置で、ジルコニア式酸素濃度計等の固体電解質式酸素濃度計により酸素濃度を測定し、2つの測定位置での酸素濃度を比較し、当該2つの測定位置の間での漏風の有無を検知する。複数の固体電解質式酸素濃度計の測定結果を比較することで、酸素濃度差を感度よく検知でき、早期に漏風を検知することができる。
図1及び図2に示したドワイトロイド式焼結機(幅5.4m×長さ100m)において本発明を適用した結果を示す。排ガス処理系は、図2に示すように、焼結機は機長に沿って2本の主ダクト19A、19Bを有しており、当該2本の主ダクト19A、19Bが合流した部分を主ダクト出口61とした。電気集塵機30は4基の集塵機を有し、排風機(ブロア)40に接続されている。本実施形態では、ジルコニア式酸素濃度計(エナジーサポート(株)製 TF-10D101)2台を、主ダクト出口61と排風機入口63とに設置した。
試験概要を図4に示す。ジルコニア式酸素濃度計73は、酸素濃度測定を制御する制御する制御装置75と接続されている。制御装置75は、ジルコニア式酸素濃度計73のジルコニアセンサ73aを加熱するための電源部76と、ジルコニアセンサ73aの校正及びジルコニアセンサ73aへの付着ダストを除去するためのパージ空気を供給するポンプ77とを有する。電源部76は、電源ケーブル76aを介してジルコニア式酸素濃度計73と接続されている。ポンプ77は、チューブ77aを介してジルコニア式酸素濃度計73と接続されている。
ジルコニア式酸素濃度計73は、ダクト71内の排ガス処理系のダクト内の排ガス流れに対して略直交するように、ダクト71に挿入させた。ジルコニアセンサ73aの排ガス流れ方向上流側には、肉厚3mmのSUS製の保護カバー73bを設けた。保護カバー73bにより、高ダスト存在下におけるダストアタックやダスト詰まりによって、ジルコニアセンサ73aの測定及び測定結果が不安定になることを回避した。また、ポンプ77からチューブ77aを介して機器校正を兼ねるパージ用の空気をジルコニアセンサ73aに供給し、ジルコニアセンサ73aの測定及び測定結果を安定させた。すなわち、本試験において、ダクト71内のダストの存在は測定結果不安定の原因にはならないとみなした。
制御装置75は、ポンプ77による空気の供給制御やジルコニア式酸素濃度計73の起電力を酸素濃度に変換するとともに、外部に酸素濃度データを伝送する機能を有する。また、制御装置75に無線発信機78を設けることで、酸素濃度データを処理するデータ処理装置を測定位置に設置しなくともよいようにした。
焼結機の漏風検知の検証結果を図5に示す。検証時の排風機による主排風量は、図5の(グラフc)に示すように、1300Nm/hr程度であった。検証開始から11日目から12日目までのデータが無い期間は焼結機が停止している期間である。ジルコニア式酸素濃度計の指示値を図5の(グラフa)に示す。酸素濃度の値は12~13体積%程度であり、一日の中でも操業状態の変化に対応して変動が見られた。主ダクト出口61と排風機入口63との2か所のジルコニア式酸素濃度計の指示値は、両者ともに上記の変動が見られたが、主ダクト出口61よりも排風機入口63の指示値が高いことがわかる。排風機入口63の指示値から主ダクト出口61の指示値の差(ΔO2)を算出した結果を図5の(グラフb)に示す。前述したように、指示値には1%程度の変動が見られたが、ΔO2についてはほぼ0.4体積%であることが判明した。
これらの測定値を基に、下記式(5)により漏風量を算出した結果を図5の(グラフd)に示す。なお、Oaは主ダクト出口の酸素濃度指示値であり、Vgは主排風量である。
漏風量VL=ΔO2/(21-Oa)×Vg ・・・(5)
図5の(グラフd)に示すように、主ダクト出口61と排風機入口63との間で50Nm/hr程度は漏風していると試算された。絶対値は妨害ガスの影響等により誤差を含むと考えられるが、本発明の漏風検知方法によれば、主ダクト出口61と排風機入口63との間で漏風が発生していることが検知できることが示された。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1 焼結機設備
10 焼結機
11 原料ホッパー
12 軌条
13 点火炉
15 ウインドボックス
17、17A、17B ウインドレグ
19、19A、19B 主ダクト
20 冷却機
30 電気集塵機
40 排風機(ブロア)
50 煙突
61 主ダクト出口
63 排風機入口
71 ダクト
73 ジルコニア式酸素濃度計
73a ジルコニアセンサ
73b 保護カバー
75 制御装置
76 電源部
76a 電源ケーブル
77 ポンプ
77a チューブ
78 無線発信機

Claims (6)

  1. 焼結機設備の漏風検知方法であって、
    焼結機設備の排ガス処理系は、排ガス流れ方向上流側から順に設置された、ウインドボックス、ウインドレグ、主ダクト及び排ガス処理部が設置されて構成されており、
    前記排ガス処理系の、前記ウインドレグより排ガス流れ方向下流側の少なくとも異なる2つの測定位置で、固体電解質式酸素濃度計により酸素濃度を測定し、
    2つの測定位置での酸素濃度を比較し、当該2つの測定位置の間での漏風の有無を検知する、焼結機設備の漏風検知方法。
  2. 酸素濃度は、前記主ダクトと前記排ガス処理部との接続部より排ガス流れ方向下流側の、異なる2つの測定位置にて測定される、請求項1に記載の焼結機設備の漏風検知方法。
  3. 前記排ガス処理部は、複数の集塵機を有し、
    前記複数の集塵機の出口は、排風機と接続されており、
    酸素濃度は、少なくとも、
    前記主ダクトと前記排ガス処理部との接続部と、前記複数の集塵機の入口との間と、
    前記複数の集塵機の出口と前記排風機の入口との間とにおいて測定される、請求項2に記載の焼結機設備の漏風検知方法。
  4. 前記固体電解質式酸素濃度計は、ジルコニア式酸素濃度計である、請求項1~3のいずれか1項に記載の焼結機設備の漏風検知方法。
  5. 前記排ガス処理系において予め測定されたCO濃度が5%以下であった位置において酸素濃度を測定する、請求項1~4のいずれか1項に記載の焼結機設備の漏風検知方法。
  6. 前記排ガス処理系において、第1の測定位置における第1の酸素濃度と、前記第1の測定位置より排ガス流れ方向下流側の第2の測定位置における第2の酸素濃度とを測定し、
    前記第2の酸素濃度が前記第1の酸素濃度よりも大きい場合、前記第1の測定位置と前記第2の測定位置との間で漏風が生じていると判定する、請求項1~5のいずれか1項に記載の焼結機設備の漏風検知方法。
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