JPH0630034U - 平パレットを利用したボックスパレット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 平パレットに周壁構成部材を取付けたままで
周壁構成部材の各壁をコンパクトに折畳むことが可能で
あって、不使用時の保管や管理に便利な平パレットを利
用したボックスパレットを提供する。 【構成】 平パレット(1) の上部に、方形台枠(3) と、
台枠(3) の四隅に垂下状に設けたアングル状保持脚(4)
と、格子状溶接金網よりなる前後両壁(5)(6)および左右
両側壁(7)(8)とを備えた周壁構成部材(2) を嵌め付けて
なる。台枠(3) の前後両枠部(3a)に前後両壁(5)(6)を固
定し、前後両壁(5)(6)をこれらの下端寄りの所要高さ位
置において上側本体(51)(61)と下側取付基体(52)(62)と
に二分しかつ上側本体(51)(61)を下側取付基体(52)(62)
にコイル線(9)(10) で折畳み自在に連結する。後壁本体
(61)の左右両端に左右両側壁(7)(8)の後端をコイル線(1
2)(13)で折畳み自在に連結する。前壁本体(51)を左右両
側壁(7)(8)の前端に閂（止具）(14)で取外し自在に止め
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、平パレットを利用したボックスパレットに関する。

【０００２】

【従来の技術】

物品の荷役、輸送、保管に用いられるパレットとしては、平パレットが最も数 多く普及している。とりわけ、自動倉庫においては、使用されるパレット全体の 約９０％を平パレットが占めている。

【０００３】 ところが、平パレットにあっては、輸送時等における積載物品の崩れや落下の 問題があるため、これを解決する手段として、平パレットの上部に前後両壁およ び左右両側壁を備えた周壁構成部材を取付けてボックスパレット仕様とするもの が従来より提案されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来の平パレットを利用したボックスパレットは、平パレット に周壁構成部材を取付けたままで同部材の各壁を折畳むことはできなかった。し たがって、同パレットを使わない時には、保管スペースの都合上、平パレットと 周壁構成部材とを分離しておく必要があったが、これらを分離することによって いずれか一方が紛失してしまうこともあるためその管理が大変であり、しかも次 回に使用するさい平パレットに周壁構成部材を取付ける作業を要し、この作業が 面倒であった。

【０００５】 この考案の目的は、上記問題点を解消した平パレットを利用したボックスパレ ットを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この考案の平パレットを利用したボックスパレットは、平パレットの上部に周 壁構成部材が嵌め付けられてなるものであって、周壁構成部材は、平パレットの 上面四辺に配置される方形台枠と、台枠の四隅に垂下状に設けられかつ平パレッ トの四隅にそれぞれ被せられるアングル状の保持脚と、格子状の溶接金網で形成 されかつ台枠の上部にそれぞれ設けられる前後両壁および左右両側壁とを備えて おり、台枠の前後両枠部に前後両壁の下端がそれぞれ固定され、前後両壁はこれ らの下端寄りの所要高さ位置において上側本体と下側取付基体とにそれぞれ二分 されるとともに上側本体が下側取付基体にコイル線により折畳み自在に連結され 、後壁本体の左右両端に左右両側壁の一端がそれぞれコイル線により折畳み自在 に連結され、左右両側壁の他端に前壁本体の左右両端がそれぞれ止具により取外 し自在に止められているものである。

【０００７】 上記において前後両壁における下側取付基体の高さは、平パレットの寸法や周 壁構成部材の各壁の高さに応じて適宜に設定され、通常は約５〜６ｃｍであるが 、要するに、周壁構成部材の各壁が平パレットの上面に互いに折重なるようにし て折畳まれたさい、その上面がほぼ水平かまたは下方へ窪んだ状態になる高さで あればよい。

【０００８】

【作用】

この考案の平パレットを利用したボックスパレットは、上記構成よりなるので 、平パレットに周壁構成部材を嵌め付けたままの状態で、周壁構成部材の各壁を 次のようにして折畳むことができる。すなわち、まず止具を外しておいてから、 後壁本体の後面に左右両側壁を互いに折重ねられるようにして折畳み、次いで、 左右両側壁および後壁本体を平パレットの上面に折込み、さらにその上に前壁本 体を折重ねる。このさい、ボックスパレットの上面は、前後両壁の下側取付基体 の存在により、ほぼ水平かまたは下方へ窪んだ状態となされている。したがって 、上記のようにして周壁構成部材の各壁が折畳まれたボックスパレット複数個を 積重ねることができる。

【０００９】

【実施例】 この考案による平パレットを利用したボックスパレットの実施例を、図１〜７ を参照しながら以下に説明する。

【００１０】 図示のボックスパレットは、木製平パレット(1) と、金属製周壁構成部材 (2) とよりなる。

【００１１】 平パレット(1) は、積載面を上下両面に有する両面使用形であって、上下積載 面を構成する各６枚ずつの上下デッキボード(1a)(1b)と、これらデッキボード (1a)(1b)を連結する３本のけた(1c)とよりなる。

【００１２】 周壁構成部材(2) は、台枠(3) 、保持脚(4) 、前後両壁(5)(6)および左右両側 壁(7)(8)を備えている。

【００１３】 台枠(3) は、アングル状をなしかつその垂直面が平パレット(1) の前後両側面 と面一になるようにして平パレット(1) の上面前後両辺に配置される前後両枠部 (3a)(3a)と、アングル状をなしかつ平パレット(1) の上側左右両辺の角部に被せ られるようにして配置される左右両側枠部(3b)(3b)とよりなり、左右両側枠部 (3b)(3b)の両端面が前後両枠部(3a)(3a)の両端縁部にそれぞれ溶接されて一体の ものとなされている。さらに、台枠(3) の四隅内側には、それぞれ金属製の三角 補強板(3c)が溶接されている。

【００１４】 保持脚(4) はアングル状であって、それぞれ台枠(3) の四隅の外側に垂下状に 溶接されている。これら保持脚(4) がそれぞれ平パレット(1) の四隅に被せられ ることにより、周壁構成部材(2) が平パレット(1) に保持される。

【００１５】 前後両壁(5)(6)および左右両側壁(7)(8)は、鉄線を多数縦横にスポット溶接し てなる溶接金網で形成されている。

【００１６】 前後両壁(5)(6)は、これらの下端部外面がそれぞれ前後両枠部(3a)(3a)の垂直 部内面に溶接されている。また、前後両壁(5)(6)は上側本体(51)(61)と下側取付 基体(52)(62)とに二分されるとともに、上側本体(51)(61)が下側取付基体 (52)(62)にコイル線(9)(10) によりそれぞれ折畳み自在に連結されている。下側 取付基体(52)(62)の高さは５ｃｍである。

【００１７】 さらに、前壁本体(51)は上下両半部(51a)(51b)に二分されるとともに上半部 (51a) が下半部(51b) にコイル線(11)により折畳み自在に連結されている。これ により、前壁本体(51)の上半部(51a) を前側に折畳むことができるので、パレッ トの奥の方に積載された物品の取出しが容易となる。

【００１８】 後壁本体(61)の左右両端には、左右両側壁(7)(8)の後端がそれぞれコイル線 (12)(13)により折畳み自在に連結されている。

【００１９】 (14)は前壁本体(51)の上下両半部(51a)(51b)の両端にそれぞれ取付けられた閂 、(15)は閂挿通用Ｕ字環であって、先端の折曲部が前壁(5) より前方に突出せし められている。

【００２０】 (16)は左右両枠部(3b)(3b)の上面にそれぞれ２つずつ溶接された逆Ｕ形ストッ パーであって、これにより左右両側壁(7)(8)の外側への開きが防止される。

【００２１】 (17)は止め金であって、後壁本体(61)と左右両側壁(7)(8)との連結部分の各上 端、前壁本体(51)の上下両半部(51a)(51b)の連結部分の一端にそれぞれ取付けら れて、各連結部分の端部が外れるのを防止している。

【００２２】 (18)は左右両側壁(7)(8)の上端にそれぞれ２つずつ設けられた積金具である。 積金具(18)は、正面よりみてＬ形に形成されており、その水平部が積重ねられる パレットの受部となされ、垂直部が同パレットの左右方向へのずれを防ぐ係止部 となされている。

【００２３】 図４〜図７は、前後両壁(5)(6)および左右両側壁(7)(8)の折畳み手順を示すも のである。以下、図面にしたがって折畳み手順を説明すると、まず、閂(14)をそ れぞれ外しておいて、左側壁(7) を後壁本体(61)の後面に折込み（図４参照）、 さらにその上に右側壁(8) を折重ねる（図５参照）。なお、これは逆の順序で行 なってもよい。次いで、左右両側壁(7)(8)および後壁本体(61)を、平パレット (1) の上面に折込み（図６参照）、さらにその上に前壁本体(51)を折重ねる（図 ７参照）。図７において、ボックスパレットの上面は、前後両壁(5)(6)の下側取 付基体(52)(62)の存在により、ほぼ水平な状態となされている。そして、これら を組立てるさいには、上記と逆の操作を行なえばよい。

【００２４】

【考案の効果】

この考案によれば、平パレットに周壁構成部材を嵌め付けたままの状態で、周 壁構成部材の各壁を互いに折重なるようにして平パレットの上面に折畳むことが でき、しかも、その上面は、前後両壁の下側取付基体の存在により、ほぼ水平か または下方へ窪んだ状態となされているので、使用しない場合には、積重ねてス ペースをとらずに保管しておくことができる。したがって、従来のように平パレ ットと周壁構成部材とを分離することによる紛失の心配がなくて管理が楽であり 、また、次回の使用にさいして平パレットに周壁構成部材を取付ける作業を省く ことができるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案による平パレットを利用したボックス
パレットの実施例を示す斜視図である。

【図２】図１のII−II線にそう中間部省略断面図であ
る。

【図３】図１のIII −III 線にそう中間部省略断面図で
ある。

【図４】周壁構成部材の各壁の折畳み手順の第１工程を
示す説明図である。

【図５】周壁構成部材の各壁の折畳み手順の第２工程を
示す説明図である。

【図６】周壁構成部材の各壁の折畳み手順の第３工程を
示す説明図である。

【図７】周壁構成部材の各壁の折畳み手順の第４工程を
示す説明図である。

【符号の説明】

(1) ……平パレット (2) ……周壁構成部材 (3) ……台枠 (4) ……保持脚 (5) ……前壁 (6) ……後壁 (51)(61) ……上側本体 (52)(62) ……下側取付基体 (7) ……左側壁 (8) ……右側壁 (9)(10)(12)(13) ……コイル線

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】平パレット(1) の上部に周壁構成部材(2)
   が嵌め付けられてなるものであって、周壁構成部材(2)
   は、平パレット(1) の上面四辺に配置される方形台枠
   (3) と、台枠(3) の四隅に垂下状に設けられかつ平パレ
   ット(1) の四隅にそれぞれ被せられるアングル状の保持
   脚(4) と、格子状の溶接金網で形成されかつ台枠(3) の
   上部にそれぞれ設けられる前後両壁(5)(6)および左右両
   側壁(7)(8)とを備えており、台枠(3) の前後両枠部(3a)
   (3a)に前後両壁(5)(6)の下端がそれぞれ固定され、前後
   両壁(5)(6)はこれらの下端寄りの所要高さ位置において
   上側本体(51)(61)と下側取付基体(52)(62)とにそれぞれ
   二分されるとともに上側本体(51)(61)が下側取付基体(5
   2)(62)にコイル線(9)(10) により折畳み自在に連結さ
   れ、後壁本体(61)の左右両端に左右両側壁(7)(8)の一端
   がそれぞれコイル線(12)(13)により折畳み自在に連結さ
   れ、左右両側壁(7)(8)の他端に前壁本体(51)の左右両端
   がそれぞれ止具により取外し自在に止められている、平
   パレットを利用したボックスパレット。