JPH018515Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は従来、段ボール函を利用して、収納、
輸送、保管していた折畳まれたカートンやカート
ンブランクスを一度に大量に収納して保管、輸送
でき、カートンの梱包、開梱およびカートンフイ
ーダーへの供給の際においても収納されたカート
ンの出し入れが容易で、カートンの組立て、中味
の充填の工程も含めて大幅に作業能率の向上を計
れるパレツト付折畳み輸送函に関する。

〈従来の技術〉 従来、この種の輸送函としては、例えば特公昭
51−35289号公報に示されるように、パレツトの
上面を、横断面をほぼ卍状に形成した仕切板で仕
切つて４区画室を形成し、各区画室の底部に適宜
間隔を置いて支持台を設け、該支持台の上部に支
持板を前記パレツトの上面とほぼ平行に着脱自在
にしたことを特徴とする板状体の運搬用具があ
る。

〈考案が解決しようとする問題点〉 しかし従来の技術には次のような種々の欠点を
有している。

(イ) 折畳み収納時の身蓋となる部材が蓋（例えば
上記特公昭51−35289号公報第３図におけるキ
ヤツプ９）のみなので、収納保管時における部
品等の紛失、損傷等の事故が生じ易い。

(ロ) （例えば、第１３図に示すように）卍型に収
納部を仕切つたものにあつては収納カートン１
０１…が長方形の場合が多いので、パレツト上
での損失面積Ｓが生じる。

(ハ) 輸送函の外壁を構成している第１３図に示す
ようなパネル１０２には補強手段が施されてい
ないため、輸送函を二段、三段に積重ねたと
き、充分な耐圧強度が得られない。

(ニ) また、第１３図に示されるように、カートン
１０１…の天部または、底部に形成されている
突条の貼着用耳片１０３…（当業界ではバンビ
ユーレンと呼ばれている）を保護するための手
段が何ら施されていないので、該耳片が折曲が
つたり、損傷する等の事故が生じ易い。

(ホ) 特に厚みが不均一になるようなカートンを多
数収納する場合には、重積すると傾いて、取出
し時にカートンが滑り落ちて、くずれるという
事故が生じるが、この様な事故を防止する手段
が何ら施されていない。

(ヘ) 上記実公昭51−35289号公報の第４図に示さ
れるように卍状に収納部を仕切つたものにおい
ては、輸送函を90゜ずつ回転させることによつ
て収納されたカートンを同一方向から取出すこ
とが出来る反面、例えば、前列に置かれた二台
のカートン組立て、充填装置に対して、同時
に、輸送函から前後または左右二方向からカー
トンを取出し、供給することができない。

本考案の目的は、上記のような従来技術を改良
すべく物品を収納した状態で、二段、三段…と積
重ねても充分な耐圧強度が得られ、前記カートン
の貼着用耳片が保護され傷つけることがなく、し
かもカートン等を取出し空にした後でもパネルが
倒れることはなく、カートンの取出しを二方向と
したパレツト付折畳み輸送函を提供することであ
る。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案は上記問題点を解決し、上記目的を達成
するためになされたもので、上面周囲に起立した
立上り壁を有するパレツト、二本の折線により横
断面コ字状に形成される複数枚の内パネルを二枚
一組として前記二本の折線に挾まれてなる正面板
の背面どうしを固定した横断面Ｈ字状の中間壁、
前記内パネルと同数枚で二本の折線と前記折線に
挾まれてなる正面板の内面縦方向に筒状の補強兼
保護部材を付設した横断面コ字状の外パネル、身
と蓋に分れて前記中間壁及び外パネルを折線を介
して折畳んで収納するための二重蓋とからなり、
前記横断面Ｈ字状の中間壁を前記パレツトのほぼ
中央部に起立させて配設し、前記中間壁の正面板
と前記外パネルの正面板の内面側どうしを対向さ
せて配設することにより収納室を設け、前記収納
室の底部にはパレツト上に、また板状部材と板状
体よりなり前記補強兼保護部材を受け入れるため
の凹所を前記収納室の外パネルの正面板側に設け
た収納物受具を載置し、前記立上り壁には各収納
室の外パネルの正面板側に対応して間隙を設けた
ことを特徴とするパレツト付折畳み輸送函であ
る。

〈作用〉 本考案に物品を収納する場合は、まず、横断面
Ｈ字状の中間壁を、受具どうしの間及び受具と立
上り壁との間（以下溝という）に挿入して起立さ
せ、所定の物品、例えば洗剤カートンのブランク
ス、折畳まれたカートン等を前記受具上に多数
枚、積重ね、必要な高さまで積んだら横断面コ字
状の外パネルをその正面板と前記横断面Ｈ字状の
中間壁の正面板の内面側どうしが対向するように
溝に挿入、固定して起立させ、最後に身を蓋に入
れ子状にした二重蓋を中間壁、内パネルの上部に
施せ、ひも、ロープ等によりパレツトごと結束す
ればよい。

収納物を取出す場合は、二重蓋を取外し、前記
外パネルを上方に引き上げることにより取り除い
て収納室の側面を開放状態にする。そしてこの開
放部から、フオークリフト等で収納物を持上げて
取出す。

収納物を取り出した後の本輸送函は、二重蓋の
身を下方に位置させて、折線を介して折畳んだ中
間壁と折線を介して補強兼保護部材側に折曲げ
て、前記補強兼保護部材どうしが重ならないよう
に二枚ずつ向い合せて重ねた外パネルを、前記身
の中に収納し、最後に蓋を被せる。

〈実施例〉 次に本考案を図面に示した実施例により詳細に
説明する。

まず第１図に示すように、上面周囲に起立した
立上り壁２を有するパレツト１、二本の折線ａ，
ｂにより横断面コ字状に形成される四枚の内パネ
ル３，３，３，３を二枚一組として、前記二本の
折線ａ，ｂに挾まれてなる正面板７の背面どうし
を接着、針止め等により固定した横断面Ｈ字状の
中間壁１６、二本の折線ｃ，ｄと前記折線ｃ，ｄ
に挾まれてなる正面板２２の内面縦方向に例え
ば、角型紙管、段ボール等で形成された補強兼保
護部材１２を適宜数、接着、針止め等により固定
して付設した四枚の外パネル４，４，４，４、身
５と蓋６に分れて前記中間壁１６及び外パネル４
を折線を介して折畳んで収納するための二重蓋１
８とから成り、前記横断面Ｈ字状の中間壁１６を
パレツト１上に二列近接させて配設し、前記中間
壁１６の正面板７の内面側８にそれぞれ四枚の外
パネル４，４，４，４の各正面板２２の内面側９
を対向させて配設して四つの収納室１０，１０，
１０，１０を設け、各収納室１０の底部にはパレ
ツト１上に収納物品（カートンのブランクス等）
の大きさに応じた受具１１が載置されている。

そして、前記補強兼保護部材１２による突条に
対応して適宜数の凹所２０を前記受具１１の収納
室１０の外パネル４の正面板２２側に設け、前記
立上り壁２には、各収納室１０の外パネル４の正
面板２２側に対応して間隙１７が設けられてい
る。

次に内パネル３、外パネル４について詳細に説
明する。まず、内パネル３は第２図に示すように
方形状の厚手の段ボールでできた板状体のやや左
右両端寄りに折線ａ，ｂを設け、該折線ａ，ｂに
より左右両端を折曲げて横断面コ字状に形成し、
二枚の内パネル３，３の折線ａ，ｂに挾まれた正
面板７の背面どうしを接着又は針止め等により固
定して第３図に示すような横断面Ｈ字状の中間壁
１６として、第１図に示すように二列に近接させ
る。この場合、中間壁１６どうしの近接個所２１
は固定してもよい。

また、上記折線ａ，ｂを介した正面板７の左右
両側の部分の下方に、第３図に示すようにＬ字型
の倒れ防止板２４を設けてもよい。

内パネル３の折線ａ，ｂの左右両側にＬ字型の
倒れ防止板２４を設けておけば、収納物取出し時
に、正面板７に対して、一方の側の収納室からカ
ートン等を取出して空にした後でも、内パネル３
が、倒れ防止板２４により、その下端が支えられ
るので倒れることなく、パレツトを180゜回転させ
て他方の側の収納室からカートン等を取出すこと
ができる。

次に、第４図に示すように、外パネル４は内パ
ネル３より若干、横方向に長い方形状の厚手の段
ボールでできた板状体に、前記折線ａ，ｂ間の間
隔より若干、広い間隔で折線ｃ，ｄを設け、該折
線ｄの外側には、折畳み収納時の折線ｅが設けら
れている。

外パネル４に折線ｃ，ｄに加えて、さらに折線
ｅを設けておけば、第７図に示すように、より小
さく折畳めるので、収納が簡単になるのと同時に
スペースも節約できる。

さらに、折線ｃ，ｄに挾まれた正面板２２に
は、内面縦方向（折線ｃ，ｄと平行な方向）に角
型紙管等でできた補強兼保護部材１２が二本、接
着、針止め等により固定されている。そして、前
記折線ｃ，ｄにより、補強兼保護部材１２が正面
板２２の内面側９に向くように横断面コ字状に折
曲げてある。

輸送函の外壁を構成している外パネルの正面内
側に紙管等で形成された補強兼保護部材が設けら
れているので、物品を収納した状態で二段、三段
…と積重ねても充分な耐圧強度が得られる。

同様に、上記補強兼保護部材により、第９図に
示すように、カートンブランクスｃの天部、また
は底部に形成された凸状の貼着用耳片（バンビユ
ーレン）が外パネル４との間で保護されるので、
脱落したり、損傷するのを防止できる。

この場合、補強兼保護部材１２は、第９図ロの
ように扁平な長方形状１２′として一本だけでも
同じ効果を奏する。

また、収納室の外パネルを取り外せば前後、ま
たは左右方向が開放状態になるので、二台の並列
に置かれた組立、充填装置に同時にカートンブラ
ンクスを供給することができるので能率が向上す
る。

ここで、受具１１について詳細に説明すると、
基本的には第８図イに示すように、各収納室１０
の外パネル４の正面板２２側方向に平行に、ほゞ
等間隔にパレツト上に置かれたまな板状部材３か
ら成り、同図ロのように、棒状部材１３′の上に
凹所２０を有する板状体１４′を載置してもよい。

この場合、棒状部材１３′と板状体１４′とは固
定してもよいし、しなくてもよい。また、まな板
状部材１３もパレツト１に固定してもしなくても
よい。

さらに、厚みが不均一なカートンを収納する場
合、厚みの不均一による傾きを防止するために、
第１０図に示すようにブランクスの傾斜と逆方向
に傾斜した板状体１４′とすべく、高さの異なる
まな板状部材１３″，１３″としてもよい。

各収納室の受具を様々の実施態様の中から適宜
選択することにより、収納物の積下ろしの自動化
を計ることができ、特に第８図ロの形式のものを
用いれば、板状体によりカートンブラング等を傷
つけることがない。また第１０図に示すような傾
斜した板状体と組合せた受具を用いれば、例え
ば、折畳まれたカートンのように厚みの不均一か
ら積重ねたときに、一方向に極端に傾いてしまう
ような場合でも、上記傾斜した板状体により、カ
ートンの傾きが吸収されて上端が平坦になり、カ
ートンが滑り落ちたり、くずれたりするのを、防
止できる。

次に本考案に物品を収納する場合について説明
すると、まず、Ｈ字状の中間壁１６を二列近接さ
せて、受具１１間の溝２３に挿入して起立させ、
所定の物品、例えば洗剤カートンのブランクス、
折畳まれたカートン等を受具１１上に多数枚、積
重ね、必要な高さまで積んだら横断面コ字状の外
パネル４を、その正面板２２上の補強兼保護部材
１２が内パネル３の正面板の７の内面に対向する
ように溝２３に挿入、固定して起立させ、最後に
身５を蓋６に入れ子状にして二重蓋１８にし、中
間壁１６、外パネル４の上部を施蓋し、ひも、ロ
ープ等によりパレツトごと結束すればよい。

収納物取出し時は、蓋６、身５を取外し、外パ
ネル４を上方に引上げることにより取除いて収納
室１０の側面を開放状態にする。そして、その開
放部から、フオークリフト等の爪（図示せず）を
まな板状部材１３の間の空間に差込んで板状体１
４上の収納物を持上げて取出せばよい。

収納物を取出した後に空になつた本輸送函は、
第６図に示すように、二重蓋１８の身５を下方に
位置させて、該身５内に二組のＨ字状中間壁１６
を平らに畳んで収納し、その上に、第７図のよう
に外パネル４を、折線ｅにより補強兼保護部材１
２側に折曲げて、該部材１２どうしが重ならない
ように二枚ずつ向い合わせて重ね、最後に蓋６を
被せればよい。また、第１１図のように中間壁１
６どうしの近接個所２１の一方を固定した方が安
定性が良く、折畳みも可能である。

さらに、外パネル４、中間壁１６の数を増減す
ることにより、収納室の数は第１２図に示すよう
に変えることが可能である。さらに、内パネル３
の折線ａ，ｂの左右両側にＬ字型の倒れ防止板２
４を設けておけば、収納物取出し時に、正面板７
に対して、一方の側の収納室からカートン等を取
出して空にした後でも、内パネル３が、倒れ防止
板２４により、その下端が支えられるので倒れる
ことなく、パレツトを180゜回転させて他方の側の
収納室からカートン等を取出すことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は、本考案の構成部材を示す斜視図、第２図は本
考案に係る内パネルの平面図、第３図は同内パネ
ルを二枚固定したＨ字状中間壁を示す斜視図、第
４図は同外パネルの平面図、第５図は同斜視図、
第６図は本考案の折畳み収納状態を示す斜視的説
明図、第７図は外パネルの折畳み状態を示す断面
図、第８図イ，ロは本考案に係る受具の別々の実
施例を示す斜視図、第９図は本考案にカートンブ
ランクを収納した状態を示す説明図、第１０図は
受具の更に別の実施例を示す側面図、第１１図は
中間壁どうしの一個所を固定したときの折畳み過
程を示す斜視図、第１２図は本考案の別の実施例
の収納室を示す概略的斜視図、第１３図は従来の
輸送函の平面図である。 １……パレツト、２……立上り壁、３……内パ
ネル、４……外パネル、５……身、６……蓋、７
……正面板、８……内面側、９……内面側、１０
……収納室、１１……受具、１２，１２′……補
強兼保護部材、１３……まな板状部材、１３′…
…棒状部材、１３″，１３″……まな板状部材、１
４，１４′，１４″……板状体、１５……凹所、１
６……中間壁、１７……間隙、１８……二重蓋、
１９……耳片、２０……凹所、２１……近接個
所、２２……正面板、２３……溝、２４……倒れ
防止板、１０１……収納カートン、１０２……パ
ネル、１０３……耳片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 上面周囲に起立した立上り壁を有するパレツ
   ト、二本の折線により横断面コ字状に形成され
   る複数枚の内パネルを二枚一組として前記二本
   の折線に挾まれてなる正面板の背面どうしを固
   定した横断面Ｈ字状の中間壁、前記内パネルと
   同数枚で二本の折線と前記折線に挾まれてなる
   正面板の内面縦方向に筒状の補強兼保護部材を
   付設した横断面コ字状の外パネル、身と蓋に分
   れて前記中間壁及び外パネルを折線を介して折
   畳んで収納するための二重蓋とからなり、前記
   横断面Ｈ字状の中間壁を前記パレツトのほぼ中
   央部に起立させて配設し、前記中間壁の正面板
   と前記外パネルの正面板の内面側どうしを対向
   させて配設することにより収納室を設け、前記
   収納室の底部にはパレツト上に、また板状部材
   と板状体よりなり前記補強兼保護部材を受け入
   れるための凹所を前記収納室の外パネルの正面
   板側に設けた収納物受具を載置し、前記立上り
   壁には各収納室の外パネルの正面板側に対応し
   て間隙を設けたことを特徴とするパレツト付折
   畳み輸送函。 ２ 外パネル、内パネルがそれぞれ四枚であるこ
   とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項
   記載のパレツト付折畳み輸送函。 ３ 外パネル、内パネルがそれぞれ六枚であるこ
   とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項
   記載のパレツト付折畳み輸送函。 ４ 外パネル、内パネルがそれぞれ八枚であるこ
   とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項
   記載のパレツト付折畳み輸送函。 ５ 受具の上表面が傾斜していることを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載のパレツ
   ト付折畳み輸送函。