JPH06300178A - 消音性パイプ - Google Patents

消音性パイプ

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Publication number
JPH06300178A
JPH06300178A JP5110888A JP11088893A JPH06300178A JP H06300178 A JPH06300178 A JP H06300178A JP 5110888 A JP5110888 A JP 5110888A JP 11088893 A JP11088893 A JP 11088893A JP H06300178 A JPH06300178 A JP H06300178A
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JP
Japan
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pipe
layer
sound absorbing
absorbing layer
sound
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Withdrawn
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JP5110888A
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Inventor
Shinichi Shibazaki
慎一 柴崎
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SHIBAZAKI KK
Original Assignee
SHIBAZAKI KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 硬質合成樹脂管の周りに繊維製マットのよう
な吸音材の層を設けた消音性パイプにおいて、吸音材が
水を吸収して消音効果が減退することを防ぐことを目的
とする。 【構成】 吸音材の層の長手方向のところどころで、短
管状に防水処理をする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、消音性パイプに関す
るものである。消音性パイプとは、騒音を消減させる性
質を持ったパイプである。それは、例えば、パイプを排
水立管として使用し、パイプ内に廃水を流して廃水を落
下させるとき、水の流下によって発生する騒音が減衰又
は消滅されて、静かに排水をすることができるようなパ
イプである。
【0002】
【従来の技術】ビルディングでは、排水用に古くは鋳鉄
管が用いられた。しかし、鋳鉄管は水の流れが悪く、重
いために施工し難く、また建物を軽量化することができ
ない、などの欠点を示した。そこで、排水用には鋳鉄管
に代わって硬質の合成樹脂管、又は硬質塩化ビニル樹脂
で内張りされた鋼管が用いられるようになった。硬質の
合成樹脂管の中では、硬質の塩化ビニル樹脂管が多く用
いられた。
【0003】ところが、硬質の合成樹脂管又は硬質塩化
ビニル樹脂で内張りされた鋼管は、これを排水立管とし
て使用し、管の中へ廃水を落下させると、廃水の流れる
音が外へ大きく響くという欠点を示した。そのために、
マンションでは夜間の排水を自粛するように要望され、
時には深夜の排水が禁止されることにもなった。このよ
うに夜間の排水を自粛しなければならないことは、マン
ションでの生活者にとって苦痛である。そこで、排水音
が外へ大きく響かないような排水パイプ、すなわち消音
性パイプの出現が要望された。
【0004】消音性パイプを提供しようとの試みは、こ
れまで色々とされて来た。例えば、特開昭52−149
21号公報は合成樹脂管を鉛の薄板で被覆して防音パイ
プとすることを提案している。この防音パイプは高価と
なる割合には、消音効果が不充分である。
【0005】また、特開昭60−30887号公報は、
合成樹脂管の周りにガラス繊維マットやウレタン発泡体
のような空隙率の多い層と、セメントや金属のような密
実で密度の大きい外層とを設けて、吸音性パイプとする
ことを提案している。特開昭63−225782号公報
も、合成樹脂管の周りに鉛等の無機物を合成樹脂で固め
た遮音シートの層を設け、さらにその上にセメント等の
水硬性の無機物被覆層を設けて、消音性パイプとするこ
とを提案している。これらの提案では、セメント又は金
属からなる外管と合成樹脂からなる内管との間に挟まれ
た中間層が主として消音材として働くことになるが、中
間層は空隙率の多い層か又は遮音シートの層が唯一層存
在しているだけであるために消音効果が充分でなかっ
た。
【0006】また、実開平4−58689号公報は、合
成樹脂製内管の周りに一定のピッチで環状隔壁を設け、
その上を合成樹脂管で覆って防音パイプとすることを提
案している。しかし、合成樹脂だけで作ったパイプは、
消音効果が良好でなかった。
【0007】また、管内を流れる水を螺旋状に流動させ
て、消音効果を発揮しようとの試みもなされた。特開平
4−73484号公報は、内面に螺旋状のリブを設けた
内管の周りに、鉛等の無機物粉末を含有させたウレタン
樹脂発泡体のような断熱吸音材の層を設け、これを金属
管で覆って消音性パイプとすることを提案している。特
開平4−194492号公報は、内面に螺旋状のリブを
設けた内管の周りに、耐火断熱材の層を形成して消音性
パイプとすることを提案している。しかし、水を螺旋状
に流すことによる消音効果は大きくなく、また消音材と
しては断熱吸音材を用いているだけであるから、消音効
果は良好でなかった。
【0008】このように、合成樹脂管の周りに消音材の
層を設けて消音性パイプとする試みがなされた。その場
合に消音材として、織物、繊維マット、樹脂発泡体のよ
うな微細な空隙を含んだ多孔質材料や、比重の大きい無
機物を樹脂で固めたシートなどが用いられた。しかし、
それらは、これまで単独で用いられることが多く、これ
らを組み合わせて用いられることは稀であった。
【0009】この発明者は、合成樹脂管の周りに、上記
の微細な空隙を含んだ多孔質材料の層を形成し、その上
に比重の大きい無機物を樹脂で固めたシートの層を形成
し、その上を金属管で覆って一体とすると、外観が良好
となり、取り扱い易くなる上に、消音効果が顕著に現れ
るに至ることを見出した。そこで、これをさきに特許出
願した。
【0010】ところが、消音材として微細な空隙を含ん
だ多孔質材料からなる層を中に含んだ複合管は、初めは
良好な消音効果を示すが、暫く排水管として使用する
と、消音効果が著しく減退するという欠点を示した。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】この発明者は、合成樹
脂管の周りに繊維製マットのような消音材の層を設け、
これを中間に含ませて消音性パイプを作ると、得られた
消音性パイプが、使用中に消音効果を著しく減退する原
因を探究した。その結果、この発明者は、この消音効果
の減退が、繊維製マットのような消音材の吸水にあるこ
とを見出した。そこで、この消音材の吸水を防止する必
要があると考えた。
【0012】
【課題解決のための手段】この発明者は、上記消音材の
吸水を防止するには、消音材に防水処理を施すのが有効
であることを見出した。防水処理は、消音材の全面に施
してもよいが、またところどころに施してもよいことを
見出した。ところどころに施す場合には、消音材は最終
的に管状とされるものであるから、管状とされた物の周
囲方向に閉じた環を形成するような領域に施すのが有効
であることを見出した。この発明は、このような知見に
基づいて完成されたものである。
【0013】この発明は、硬質樹脂管の外周に、微細な
空隙を含んだ多孔質の吸音層を形成し、吸音層の外周に
比重が2.5以上の無機物の繊維又は粉末を樹脂で固め
て平均比重を1.5以上とした防音層を形成し、防音層
の周りを金属管で覆って全体を一体とした消音性パイプ
において、吸音層の長手方向の少なくともところどころ
で、管の周囲方向に延びて閉じた環を形成する領域に防
水処理を施したことを特徴とする、消音性パイプを要旨
とするものである。
【0014】
【実施例】この発明に係る消音性パイプを実施の一例に
ついて図面に基づき説明すると、次のとおりである。図
1は、この発明に係る消音性パイプの一部切欠斜視図で
ある。図2は、この発明に係る他の消音性パイプの一部
切欠斜視図である。
【0015】この発明に係る消音性パイプは、図1に示
したように、硬質樹脂管1の周りに微細な空隙を含んだ
多孔質材料からなるテープを螺旋状に巻回して層2(こ
の材料で形成された層を以下では吸音層と略称する)を
形成し、その上に比重が2.5以上の無機物の繊維又は
粉末を樹脂で固めて平均比重を1.5以上としたテープ
を隙間なく巻いて層3(この材料で形成された層を以下
では防音層と略称する)を形成し、さらにその周りを金
属管4で覆って全体を一体とすることによって構成され
ている。しかも、吸音層2には、長手方向のところどこ
ろに防水処理を施して、防水処理を施した部分を管の周
囲方向に延ばして、閉じた環を形成する領域5としてい
る。
【0016】また、この発明に係る消音性パイプは、図
2に示したように、硬質樹脂管1の周りに上述の多孔質
材料からなるテープを巻き、その合わせ目21を管軸方
向に貫通させて吸音層2を設け、その表面及び内部の短
管状領域5に防水処理を施し、また合わせ目21にも防
水剤を充填し、その周りに上述の平均比重を1.5以上
としたテープを巻き、そこに隙間31があれば、隙間3
1を合成樹脂の接着剤で充填し、さらにその周りを金属
管4で覆って全体を一体としたものである。
【0017】硬質樹脂管1としては、これまで排水管と
して使用されて来たものをそのまま用いることができ
る。また、硬質樹脂管1としては、従来の排水管よりも
厚みを小さくして用いることもできる。材質としては、
硬質塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
ブテンなどを用いることができる。硬質樹脂管1は、そ
の材質が何であるかによって多少厚みを異にするが、排
水音が問題とされる管は通常呼び径が40mmないし1
50mmの範囲内のものであるから、この範囲内では管
の厚みは呼び径の大きさによって変わるだけで、材質に
よって大きく変わらない。その厚みは1.8から9.5
mmの範囲内にある。
【0018】吸音層2は、微細な空隙を含んだ多孔質の
層である。このような層を形成するには、樹脂を発泡さ
せてシートとしたものと、繊維を絡ませてシートとした
ものとの何れをも用いることができる。このうち、樹脂
を発泡させたシートには、気泡が連続していて通気性を
持ったシートと、気泡が独立していて通気性の少ないシ
ートとがあるが、通気性を持ったシートを用いるのが好
ましい。樹脂としては、ポリウレタン、ポリオレフィ
ン、ゴム等を材料として用いることができ、ゴムとして
は天然ゴムと合成ゴムとの何れも用いることができる。
発泡倍率や気泡の大きさには格別の限定がない。市販品
では積水化学社からスポンジテープとして販売されてい
るものをそのまま用いることができる。
【0019】吸音層2を形成するには、前述のように、
繊維を絡ませてシートとしたものを用いることができ
る。繊維としては、天然繊維と合成繊維との何れをも用
いることができる。天然繊維としては木綿、麻などを用
いることができ、合成繊維としてはナイロン、ポリエス
テル、ポリプロピレンなどを用いることができ、またガ
ラス繊維、ロックウール等を用いることもできる。これ
らの繊維は、糸にしたのちこれを織って織布としたもの
であってもよく、また長繊維を交錯させたまま交錯点を
接着剤で固定して、不織布としたものであってもよい。
また、短繊維を密に絡ませて、吸取紙又はフェルト状に
したようなものであってもよい。その形態はマット状で
もテープ状でもよい。何れにしても、繊維を絡ませたも
のは、繊維と繊維との間に微細な空隙を含んでいて、多
孔質のものとなっているから、これを吸音層の形成に使
用することができる。
【0020】硬質樹脂管1の周りに吸音層2を形成する
には、図1に示したように、テープ状のものを螺旋状に
巻回してもよく、またテープ状のものをその長手方向が
硬質樹脂管1の管軸方向と平行に向くように位置させ
て、巻回してもよい。テープ状のものは、合わせ目にな
るべく隙間を生じないように巻回することが好ましい。
また、吸音層2は、発泡した樹脂シート又は繊維の絡ん
だシートをそれぞれ単独で使用して構成することもでき
るが、それらを併用して構成することもできる。
【0021】吸音層2は、上述のように微細な空隙を含
んでいて多孔質のもので構成されているから、これに水
その他の液体が接触すると、微細な空隙が毛細管となっ
て働くので、吸音層2が水その他の液体を吸収すること
となる。こうして、吸音層2が水その他の液体を吸収す
ると、吸音層2は、消音性能を著しく低下させることと
なる。
【0022】消音性パイプの主たる用途は排水管であ
る。消音性パイプを排水管として使用すると、パイプの
端は必ず廃水に接触することになる。消音性パイプで
は、吸音層2は硬質樹脂管1と金属管4との間に挟まれ
ているけれども、パイプの端では吸音層2が露出してい
る。吸音層2は、上述のように毛細管の原理によって廃
水を吸収するから、端で吸収された廃水は忽ち管の長手
方向にも広がり、その結果消音効果を減殺させることと
なる。
【0023】そこで、この発明では、吸音層2に防水処
理を施すこととする。防水処理は、吸音層2を硬質樹脂
管1の周りに形成する以前に、吸音材に予め施しておい
てもよいが、また吸音材を硬質樹脂管1の周りに巻回し
て吸音層2としたのちに、これを施すこともできる。防
水処理を吸音層2の全体に施す場合には予め行うことが
好ましいが、防水処理をところどころで行うだけのとき
には、巻回したのちに行うことが好ましい。ところどこ
ろで行う場合には、防水処理を施した部分が吸音層2上
で短管を形成するようにしなければならない。すなわ
ち、防水処理を施した部分が、硬質樹脂管1の周囲方向
に延びて閉じた環を形成するような領域5であるように
しなければならない。
【0024】防水処理を施した部分は、通気性を持った
ものであることが好ましいが、通気性を持たないもので
あってもよい。防水処理を施されて通気性のなくなった
ものは、テントやホースなどに利用されている非透水性
のものであり、防水処理を施されたあともなお、通気性
を持ったものは、レインコートなどで見られるようなも
のである。後者は、防水処理を施された部分が、防水処
理を施されていない部分と外見上殆ど変わりがない。後
者の防水処理は、とくに撥水処理と呼ばれて、非通気性
の防水処理と区別されることもある。また、撥水処理を
施すための防水剤は、撥水剤と呼ばれることもある。こ
の発明でいう防水剤は撥水剤をも含んでいる。
【0025】防水剤としては色々なものを用いることが
できる。非通気性の防水処理は、塩化ビニル系、ゴム
系、エポキシ系、ウレタン系などの樹脂を溶剤に溶解し
て、これを発泡樹脂シート又は繊維シートに部厚く塗布
することによって行うことができる。また、アスファル
ト、パテ、接着剤などを塗布することによって行うこと
もできる。通気性の防水処理は、不織布を構成している
木綿繊維の上に塩基性酢酸アルミニウムを沈着させた
り、アルミニウム塩とワックスの混合物を付着させた
り、ジルコニウム塩とワックスとの混合物を付着させた
り、ステアロイルメチルアミドメチレンピリジニウム塩
のようなピリジニウム塩を結合させたり、フロロカーボ
ンや弗素化脂肪酸アミドを結合させたりして行うことが
できる。また、防水剤としてシリコーンすなわち珪素樹
脂を使用すれば、これを不織布の細隙を塞ぐように塗布
して不織布を非通気性のものにすることもでき、また不
織布の細隙をそのまま残すように塗布して、不織布を通
気性のものとすることもできる。
【0026】防水剤として特異なものは、僅かに吸水し
て膨潤する高分子化合物である。例えば三洋化成社から
ケミガード U−1 の商品名で販売されている商品が
これに該当している。この商品は、ポリウレタンを主成
分とした化合物だと云われており、有機溶剤に溶解して
粘稠なゾルの形にして止水剤として販売されている。こ
れを不織布などの上に塗布すると、溶剤が揮発したあと
にゴム状弾性の皮膜が形成され、非通気性の不織布が得
られる。従って、これを吸音層2の片面又は両面に短管
状に塗布しておくと、この部分が水を吸収して膨潤して
数倍に嵩を増し、ここに不透水性の環が形成されて、こ
れから奥へ水が浸透できなくなる。こうして吸水性高分
子物が意外にも防水剤として働く。
【0027】そのほか、輪ゴムを防水剤として使用する
こともできる。詳述すれば、輪ゴムを硬質樹脂管1の外
面のところどころに嵌め、その上に吸音層2を形成する
か、又は硬質樹脂管1上に吸音層2を形成し、その上に
輪ゴムを嵌めるかして、その上に防音層3を形成し、さ
らにその上に金属管を密接させて、輪ゴムの厚みを余分
に介在させることにより輪ゴムに止水の役目を果たさせ
ることもできる。
【0028】防音層3を形成するにも色々なものを用い
ることができる。防音層3は比重が2.5以上好ましく
は3以上の無機物の繊維又は粉末を樹脂で固めて平均比
重を1.5以上好ましくは2以上としたものである。無
機物としては鉛、鉄、酸化鉄、岩石等を用いることがで
きる。また、樹脂としては軟質塩化ビニル樹脂、ゴム等
を用いることができる。防音層3を形成する材料として
好適なものは、鉛繊維を不織布状にし、これを軟質塩化
ビニル樹脂フィルムで挟んで一体としたものや、多量の
酸化鉄粉末を軟質塩化ビニル樹脂に混入してシートとし
たものや、重晶石の粉末を軟質塩化ビニル樹脂に混入し
てシートとしたものである。
【0029】上述の無機物を樹脂で固めてシートとした
ものは市販されている。例えば、図3に示したように鉛
繊維61を軟質塩化ビニル樹脂のシート62の間に挟ん
で一体としたシート6は、東レ(株)から「防音材F
C」の商品名で販売されている。また、図4に示したよ
うに、多量の酸化鉄の粉末71を軟質塩化ビニル樹脂に
混入してシートとし、これに補強材として一面に不織布
72を貼り合わせたものは、プラステク(株)から「サ
ウンドシール」の商品名で販売されている。また、図4
において酸化鉄粉末71の代わりに重晶石の粉末を含ま
せたものは、ニチアス(株)から「シヤ音シート」の商
品名で販売されている。この発明では、これら市販され
ている防音層3の形成用に使用することができる。これ
らのシートは、これを単独でも又は一緒に重ねても使用
することができる。
【0030】金属管4としても色々のものを用いること
ができる。例えば、鉄系金属管、アルミニウム系金属
管、銅系金属管などを用いることができる。鉄系金属管
としては、引き抜き管、電縫管、溶接管などの鋼管、及
びステンレス管を用いることができる。銅系金属管とし
ては銅管のほか真鍮管を用いることができる。これらの
金属管は、それぞれ長所と短所とを持っている。ステン
レス管は引き抜き加工により内径を縮小させ難いという
欠点を示すが、反面これを肉薄にして軽くし、腐蝕し難
いものとし、且つ外観を美麗なものとすることができる
という利点を示す。アルミニウム系管は、軽くて引き抜
き加工により内径を縮小させ易い利点を示すが、反面廃
水などによって腐蝕され易い欠点を示す。銅系金属管
は、内径を縮小させ易いという利点を持つが、腐蝕され
易いという欠点を持っている。
【0031】この発明に係る消音性パイプを作るには、
硬質樹脂管1の周りに吸音層2を形成するとともに、そ
の上の閉環状領域5に防水剤を塗布し、さらに吸音層2
の周りに防音層3を形成し、その後これを金属管4の中
に挿入し、この状態で金属管4の内径を縮小させて一体
とする。金属管4の内径を縮小させるには、金属管を引
き抜き加工するのが適しているが、これに限らない。引
き抜き加工とは、金属管の外径より小さな孔径を持った
ダイスの中へ金属管を無理に通して、金属管の外径を縮
小させ、それに伴い金属管の内径を縮小させることであ
る。引き抜き加工をすると、金属管の内径を一様に縮小
させることができるので好ましい。しかし、金属管の内
径は部分的に縮小されてもよく、このために金属管を部
分的に窪ませてもよい。
【0032】硬質樹脂管1、吸音層2、防音層3及び金
属管4のそれぞれの厚みは、例えば次のようにする。硬
質樹脂管1の厚みは、前述のように、これまで排水用樹
脂管として用いて来たものをそのまま、又はこれよりも
若干薄い肉厚とする。具体的に云えば、樹脂管1は内径
が40−150mmで、厚みが1.8−9.5mmのも
のを用いる。吸音層2を作るには、ポリエステル繊維製
の不織布で厚み0.2−1mmのものを巻いて、端を僅
かに重ねて隙間が生じないようにする。次いで、吸音層
2上に後述するようにして防水剤を塗布する。その後、
この上に防音層3を設けるが、それには前述の「防音材
FC」又は「サウンドシール」を厚み1−2mmに巻回
する。その後、この巻回物を金属管4内に入れて引き抜
き加工する。金属管4としては、厚みが0.3−1mm
のステンレス管、1.5−2mmのアルミニウム管、又
は1−2mmの鋼管を用いる。こうして、全体を一体に
したものが、この発明に係る消音性パイプである。
【0033】吸音層2の上に防水剤を塗布するには次の
ようにする。防水剤としては吸水性高分子物を用いるの
が適している。それには上述の三洋化成社で製造されて
いるポリウレタン系吸水性高分子物(商品名、ケミガー
ド U−1)の溶液を使用し、これを管長5−10mm
の短管状に100−200mmの間隙をおいて塗布し、
その後常温で乾燥して防水剤を吸音層2上に付着させ
る。この高分子物の溶液は、その濃度を高くして厚く塗
布すると非通気性の皮膜を形成するが、濃度を薄くして
薄く塗布すると通気性の状態で塗着される。水分を完全
に遮断するためには、非通気性の皮膜を形成するのが好
ましい。
【0034】上の説明では、各層の厚みを金属管4の内
径が縮小される以前の状態について説明した。防音層3
の厚みは、金属管4の内径を縮小させても大きく変わら
ないが、吸音層2の厚みは、金属管4の内径縮小によっ
て大きく変わることが多い。従って、金属管が内径を縮
小されて全体が一体とされた状態では、吸音層2は薄く
なって極端な場合には紙のようになってしまうこともあ
る。
【0035】また、上の説明では消音性パイプを4層か
らなるものとして説明したが、各層の間にはさらにそれ
以外のものが介在していてもよい。例えば、硬質樹脂管
1と吸音層2との間に接着剤を介在させてもよいし、ま
た吸音層2と防音層3との間に接着剤を介在させてもよ
い。また、それらの間に制震材の層を介在させてもよ
い。
【0036】
【発明の効果】この発明に係る消音性パイプは、内面を
構成する硬質樹脂管の外周に、吸音層すなわち微細な空
隙を含んだ多孔質の層を形成し、吸音層の外周に防音
層、すなわち比重が2.5以上の無機物の繊維又は粉末
を樹脂で固めて平均比重を1.5以上とした層を形成
し、防音層の周りを金属管で覆って全体を一体としたの
で、吸音層と防音層と金属管との共働により、すぐれた
消音効果をもたらすものとなっている。従って、このパ
イプの中へ廃水を流しても、パイプは廃水の流れに伴う
騒音を減殺し、外へ騒音を大きく響かせないこととな
る。さらに詳しく云えば、防音層はそれだけでは音を反
射させる欠点を持つが、吸音層が隣接しているためにこ
れが音をよく吸収し、樹脂管の振動を押さえるので、全
体としてどのような音もよく吸収するものとなってい
る。また、吸音層と防音層とが硬質樹脂管と金属管との
間に介在するので、金属管の内径を縮小し過ぎても硬質
樹脂管を損傷するおそれがなく、従って全体を容易に且
つ確実に一体とすることができる。その上に、吸音層に
は長手方向の少なくともところどころで、管の周囲方向
に延びて閉じた環を形成する領域に、防水剤を塗布した
から、防水剤がパイプの管端に露出しているときは管端
で吸音層内へ水の侵入するのが防がれ、防水剤がパイプ
の管端に露出していないときは、水は管端に最も近い防
水剤の塗布領域5まで侵入するだけであって、それを乗
り越えて吸音層中にさらに深く侵入することができない
から、吸音層の防音効果が大きく損なわれない。しかも
領域5はパイプの長手方向のところどころに位置してい
るから、どの位置でパイプを切断して使用しても、吸音
層の中へ深く水が侵入し得なくなる。従って、このパイ
プは使用中に消音効果を大きく減殺されないという長所
を持ったものとなる。また、表面には金属管が位置して
いるから、外観もよく火災に対しても強く、取り扱いも
容易である。この発明は、このような利益をもたらすも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る消音性パイプの一部切欠斜視図
である。
【図2】この発明に係る他の消音性パイプの一部切欠斜
視図である。
【図3】この発明において防音層を形成するのに用いる
ことができる防音材の一部切欠斜視図である。
【図4】この発明において、防音層を形成するのに用い
ることができる他の防音材の一部切欠斜視図である。
【符号の説明】
1 硬質樹脂管 2 吸音層 3 防音層 4 金属管 5 防水剤の塗布領域 6 防音材 7 防音材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬質樹脂管の外周に、微細な空隙を含ん
    だ多孔質の吸音層を形成し、吸音層の外周に比重が2.
    5以上の無機物の繊維又は粉末を樹脂で固めて平均比重
    を1.5以上とした防音層を形成し、防音層の周りを金
    属管で覆って全体を一体とした消音性パイプにおいて、
    吸音層の長手方向の少なくともところどころで、管の周
    囲方向に延びて閉じた環を形成する領域に防水処理を施
    したことを特徴とする、消音性パイプ。
JP5110888A 1993-04-14 1993-04-14 消音性パイプ Withdrawn JPH06300178A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000060272A1 (fr) * 1999-04-02 2000-10-12 Shishiai-Kabushikigaisha Element d'isolation acoustique
JP2017014762A (ja) * 2015-06-30 2017-01-19 株式会社小島製作所 排水管継手

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WO2000060272A1 (fr) * 1999-04-02 2000-10-12 Shishiai-Kabushikigaisha Element d'isolation acoustique
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