JPH06300095A - 差動装置のトルク分配機構 - Google Patents

差動装置のトルク分配機構

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JPH06300095A
JPH06300095A JP8990393A JP8990393A JPH06300095A JP H06300095 A JPH06300095 A JP H06300095A JP 8990393 A JP8990393 A JP 8990393A JP 8990393 A JP8990393 A JP 8990393A JP H06300095 A JPH06300095 A JP H06300095A
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Koji Shibahata
康二 芝端
Shoji Tokushima
昭治 徳島
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 トルク分配機構を駆動するモータに、トルク
の小さい小型軽量のものが使用できるようにする。 【構成】 トルク分配機構11は同一仕様の第1、第2
の遊星歯車機構P1 ,P 2 を備え、その第1プラネタリ
キャリヤ121 および第2プラネタリキャリヤ122
それぞれ差動装置Dの一対の出力要素8,5に接続され
る。第1サンギヤ141 および第2サンギヤ142 は一
体に形成され、また第1リングギヤ151と一体の外歯
ギヤ21および第2リングギヤ152 と一体の外歯ギヤ
23は、油圧モータ18の一対のピニオン20,22に
それぞれ噛合する。ピニオン20から外歯ギヤ21への
減速比と、ピニオン22から外歯ギヤ23への減速比と
の差を小さく設定することにより、油圧モータ18の負
荷が軽減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1つの入力要素と2つ
の出力要素とを備えた差動装置において、その差動装置
の入力要素に加えられるトルクを2つの出力要素に所定
の比率で分配する差動装置のトルク分配機構に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の動力伝達系に設けられる差動装
置は、自動車の旋回時に左右の車輪に生じる回転速度差
を吸収し、エンジンのトルクを左右両輪に適切な比率で
分配するように構成される。しかしながら、一般の差動
装置は左右の車輪に加わる負荷の差により作動するた
め、一方の車輪が摩擦係数が小さい路面に乗り上げて空
転したような場合に、他方の車輪へのトルクの伝達量が
減少したりトルクの伝達が遮断される問題がある。
【0003】かかる不都合を回避するために、ステアリ
ングホイールの回転角や車速に基づいて差動装置を積極
的に制御し、その時の運転状態に適したトルクを左右の
車輪に分配する差動装置のトルク分配機構が、本出願人
によって既に提案されている(特開平4−321435
号公報参照)。
【0004】図3は、前記従来の差動装置のトルク分配
機構の構造を示すものである。同図において、エンジン
Eの駆動力がミッションMを介して伝達されるプラネタ
リギヤ式の差動装置Dは、入力要素としてのリングギヤ
01と、第1の出力要素としてのプラネタリキャリヤ0
2と、第2の出力要素としてのサンギヤ03とを備えて
おり、前記プラネタリキャリヤ02が右輪WR に接続さ
れるとともに前記サンギヤ03が左輪WL に接続され
る。右輪WR および左輪WL にトルクを分配すべく設け
られた遊星歯車機構Pは、モータ04によって駆動され
るサンギヤ05と、差動装置Dのサンギヤ03に結合さ
れたプラネタリキャリヤ06と、差動装置Dのプラネタ
リキャリヤ02に接続されるリングギヤ07とを備え
る。前記プラネタリキャリヤ02とリングギヤ07との
接続は、プラネタリキャリヤ02に設けた外歯ギヤ08
とリングギヤ07に設けた外歯ギヤ09とに、同軸に結
合した一対のスパーギヤ010,011をそれぞれ噛合
させることにより行われる。
【0005】而して、前記モータ04を所定の回転数で
正逆転駆動することにより、エンジンEのトルクが所定
の比率で右輪WR および左輪WL に伝達される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、かかる差動
装置のトルク分配機構を小型化するには、モータに小型
軽量なものを使用することが望ましいが、小型軽量なモ
ータは出力トルクが小さいため、その減速比を大きくし
てトルクを増幅する必要がある。
【0007】上記従来の差動装置のトルク分配機構にお
いてモータ04のトルクを増幅するには、その出力軸に
設けたピニオン012の歯数を小さくし、かつサンギヤ
05と一体に設けた外歯ギヤ013の歯数を大きく設定
する必要がある。しかしながら、ピニオン012の歯数
を削減するには限界があり、しかも外歯ギヤ013の歯
数を増加させるとトルク分配機構の径方向の寸法が大型
化してしまう問題がある。
【0008】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、トルク分配機構の径方向の寸法を大型化させること
なく出力トルクの小さい駆動源を使用することが可能な
差動装置のトルク分配機構を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明は、1つの入力要素と2
つの出力要素とを備えた差動装置において、その差動装
置の入力要素に加えられるトルクを2つの出力要素に所
定の比率で分配する差動装置のトルク分配機構であっ
て、第1リングギヤと、第1サンギヤと、前記第1リン
グギヤおよび第1サンギヤに噛合する第1プラネタリギ
ヤを支持する第1プラネタリキャリヤとよりなる第1遊
星歯車機構と、第2リングギヤと、第2サンギヤと、前
記第2リングギヤおよび第2サンギヤに噛合する第2プ
ラネタリギヤを支持する第2プラネタリキャリヤとより
なる第2遊星歯車機構とを備え、前記各一対のプラネタ
リキャリヤ、リングギヤおよびサンギヤのうちの第1の
要素を前記2つの出力要素にそれぞれ結合するととも
に、第2の要素どうしを相対回転不能に連結し、かつ第
3の要素を相互に異なったギヤ比で駆動源に連結したこ
とを特徴とする。
【0010】また請求項2に記載された発明は、請求項
1の構成に加えて、前記第1遊星歯車機構を構成する第
1リングギヤ、第1サンギヤおよび第1プラネタリキャ
リヤの歯数を、それぞれ前記第2遊星歯車機構を構成す
る第2リングギヤ、第2サンギヤおよび第2プラネタリ
キャリヤの歯数と等しく設定したことを特徴とする。
【0011】また請求項3に記載された発明は、請求項
1の構成に加えて、前記差動装置が、リングギヤと、サ
ンギヤと、前記リングギヤおよびサンギヤに噛合するプ
ラネタリギヤを支持するプラネタリキャリヤとよりなる
ことを特徴とする。
【0012】また請求項4に記載された発明は、請求項
1の構成に加えて、前記駆動源が前記入力要素に接続さ
れた油圧ポンプにより駆動される油圧モータで構成さ
れ、前記油圧ポンプおよび油圧モータの少なくとも一方
が可変容量型であることを特徴とする。
【0013】また請求項5に記載された発明は、1つの
入力要素と2つの出力要素とを備えた差動装置におい
て、その差動装置の入力要素に加えられるトルクを2つ
の出力要素に所定の比率で分配する差動装置のトルク分
配機構であって、第1リングギヤと、第1サンギヤと、
前記第1リングギヤおよび第1サンギヤに噛合する第1
プラネタリギヤを支持する第1プラネタリキャリヤとよ
りなる第1遊星歯車機構と、第2リングギヤと、第2サ
ンギヤと、前記第2リングギヤおよび第2サンギヤに噛
合する第2プラネタリギヤを支持する第2プラネタリキ
ャリヤとよりなる第2遊星歯車機構とを備え、第1プラ
ネタリキャリヤおよび第2プラネタリキャリヤを前記出
力要素の一方および他方にそれぞれ結合するともに、第
1サンギヤおよび第2サンギヤを相対回転不能に連結
し、かつ第1リングギヤおよび第2リングギヤを相互に
異なったギヤ比で駆動源に連結したことを特徴とする。
【0014】また請求項6に記載された発明は、1つの
入力要素と2つの出力要素とを備えた差動装置におい
て、その差動装置の入力要素に加えられるトルクを2つ
の出力要素に所定の比率で分配する差動装置のトルク分
配機構であって、第1リングギヤと、第1サンギヤと、
前記第1リングギヤおよび第1サンギヤに噛合する第1
プラネタリギヤを支持する第1プラネタリキャリヤとよ
りなる第1遊星歯車機構と、第2リングギヤと、第2サ
ンギヤと、前記第2リングギヤおよび第2サンギヤに噛
合する第2プラネタリギヤを支持する第2プラネタリキ
ャリヤとよりなる第2遊星歯車機構とを備え、第1プラ
ネタリキャリヤおよび第2プラネタリキャリヤを前記出
力要素の一方および他方にそれぞれ結合するともに、第
1リングギヤおよび第2リングギヤを相対回転不能に連
結し、かつ第1サンギヤおよび第2サンギヤを相互に異
なったギヤ比で駆動源に連結したことを特徴とする。
【0015】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。
【0016】図1は本発明の第1実施例による差動装置
のトルク分配機構を、フロントエンジン・フロントドラ
イブ車に適用したものである。同図に示すように、車体
に横置きに搭載したエンジンEにはミッションMが接続
されており、そのミッションMの出力軸である差動装置
入力軸1はプラネタリギヤ式の差動装置Dに駆動力を伝
達するための入力ギヤ2を備える。
【0017】差動装置Dは、前記差動装置入力軸1の入
力ギヤ2に噛合する外歯ギヤ3を外周に有するリングギ
ヤ4と、このリングギヤ4の内部に同軸に配設されたサ
ンギヤ5と、前記リングギヤ4に噛合するアウタプラネ
タリギヤ6と前記サンギヤ5に噛合するインナプラネタ
リギヤ7とを、それらが相互に噛合する状態で支持する
プラネタリキャリヤ8とから構成される。前記差動装置
Dは、そのリングギヤ4が入力要素として機能するとと
もに、一方の出力要素として機能するプラネタリキャリ
ヤ8が右シャフト9を介して右輪WR に接続され、他方
の出力要素として機能するサンギヤ5が左シャフト10
を介して左輪WL に接続される。
【0018】次に、差動装置Dの入力要素であるリング
ギヤ4から入力されたトルクを2つの出力要素であるプ
ラネタリキャリヤ8とサンギヤ5とに所定の比率で分配
するトルク分配機構11の構造を説明する。
【0019】トルク分配機構11は、左シャフト10上
に並設された同一仕様の第1遊星歯車機構P1 および第
2遊星歯車機構P2 を備える。第1遊星歯車機構P
1 は、第1プラネタリキャリヤ121 、第1プラネタリ
ギヤ131 、第1サンギヤ141および第1リングギヤ
151 から構成されており、第1プラネタリキャリヤ1
1 は左シャフト10の外周に嵌合するスリーブ16を
介して差動装置Dのプラネタリキャリヤ8に一体に結合
される。
【0020】一方、第2遊星歯車機構P2 は、第2プラ
ネタリキャリヤ122 、第2プラネタリギヤ132 、第
2サンギヤ142 および第2リングギヤ152 から構成
されており、第2プラネタリキャリヤ122 は左シャフ
ト10に結合されるとともに、第2サンギヤ142 は前
記第1サンギヤ141 と一体に形成される。
【0021】トルク分配機構11は、エンジンEによっ
て駆動される油圧ポンプ17と、該油圧ポンプ17の吐
出油で駆動される油圧モータ18とを備える。油圧ポン
プ17は、その入力軸に固定したピニオン19を差動装
置Dの外歯ギヤ3に噛合させて駆動される。油圧モータ
18は、その出力軸に固定したピニオン20が第1遊星
歯車機構P1 の第1リングギヤ151 と一体に形成した
外歯ギヤ21に噛合するとともに、前記出力軸に固定し
たピニオン22が第2遊星歯車機構P2 の第2リングギ
ヤ152 と一体に形成した外歯ギヤ23に噛合する。ピ
ニオン20から外歯ギヤ21への減速比はピニオン22
から外歯ギヤ23への減速比よりも僅かに小さく設定さ
れており、従って油圧モータ18を駆動すると、第1遊
星歯車機構P1 の第1リングギヤ151 は第2遊星歯車
機構P2 の第2リングギヤ152よりも僅かに大きい回
転数で回転駆動される。
【0022】次に、前述の構成を備えた本発明の第1実
施例の作用について説明する。
【0023】車両の直進走行中に油圧モータ18は停止
状態に保持され、その油圧モータ18にピニオン20お
よび外歯ギヤ21を介して接続された第1遊星歯車機構
1の第1リングギヤ151 と、ピニオン22および外
歯ギヤ23を介して接続された第2遊星歯車機構P2
第2リングギヤ152 とが共に固定される。一方、第
1、第2サンギヤ141 ,142 は一体に形成されてい
るため、第1サンギヤ141 と第1リングギヤ151
に噛合する第1プラネタリギヤ131 を支持する第1プ
ラネタリキャリヤ121 は、第2サンギヤ142 と第2
リングギヤ152とに噛合する第2プラネタリギヤ13
2 を支持する第2プラネタリキャリヤ12 2 に対して、
同一方向に同一回転数で回転することになる。
【0024】その結果、第1プラネタリキャリヤ121
と一体の右シャフト9と、第2プラネタリキャリヤ12
2 と一体の左シャフト10とは同一方向に同一回転数で
回転し、差動装置Dの一対の出力要素であるプラネタリ
キャリヤ8およびサンギヤ5の回転数は強制的に一致せ
しめられ、車両を直進走行させる。
【0025】さて、車両を旋回させるべくステアリング
ホイールが操作されると、その操舵角と車速とに基づい
て必要な左右両輪WR ,WL の回転速度差が演算され、
その回転速度差に対応する方向および回転数で油圧モー
タ18が駆動される。その結果、第1遊星歯車機構P1
の第1リングギヤ151 と第2遊星歯車機構P2 の第2
リングギヤ152 とが僅かに異なる回転数で回転し、第
1、第2リングギヤ151 ,152 間差回転が発生す
る。この差回転により第1、第2プラネタリキャリヤ1
1 ,122 間にも差回転が発生し、最終的に第1プラ
ネタリキャリヤ121 と一体の右シャフト9と第2プラ
ネタリキャリヤ122 と一体の左シャフト10との間
に、油圧モータ18の回転数および回転方向に応じた差
回転が発生する。前記右シャフト9と左シャフト10と
の間の差回転は、差動装置Dのアウタプラネタリギヤ6
およびイナプラネタリギヤ7によって吸収される。
【0026】トルク分配機構11の上記作用を更に詳細
に説明する。
【0027】第1、第2遊星歯車機構P1 ,P2 の第
1、第2プラネタリキャリヤ121 ,122 の回転数を
Nc1 ,Nc2 とし、第1、第2リングギヤ151 ,1
2 の回転数をNr1 ,Nr2 とし、第1、第2サンギ
ヤの回転数をNs1 ,Ns2 とし、右シャフトの回転数
をNR とし、左シャフト10の回転数をNL とする。
【0028】良く知られているように、第1遊星歯車機
構P1 について、 (1+λ)Nc1 =Nr1 +λNs1 …(1) が成立し、また、第2遊星歯車機構P2 について、 (1+λ)Nc2 =Nr2 +λNs2 …(2) が成立する。ここで、λはリングギヤ151 ,152
歯数Zrに対するサンギヤ141 ,142 の歯数Zsの
比(λ=Zs/Zr)である。
【0029】さて、車両の直進走行時には油圧モータ1
8が駆動されないため、第1遊星歯車機構P1 のリング
ギヤ151 は停止している。従って、前記式(1)にN
1=0を代入して、 Ns1 ={(1+λ)/λ}Nc1 …(3) が得られ、また第2遊星歯車機構P2 のリングギヤ15
2 も停止しているため、前記式(2)にNr2 =0を代
入して、 Ns2 ={(1+λ)/λ}Nc2 …(4) が得られる。
【0030】第1、第2サンギヤ141 ,142 は一体
に結合されているためにNs1 =Ns2 であり、従って
前記式(3)、(4)からNc1 =Nc2 となる。
【0031】すなわち、油圧モータ18が駆動されない
ときには、第1プラネタリキャリヤ121 の回転数Nc
1 および第2プラネタリキャリヤ122 の回転数Nc2
は同一に保持され、その結果第1プラネタリキャリヤ1
1 と一体の右シャフト9の回転数NR は第2プラネタ
リキャリヤ122 と一体の左シャフト10の回転数N L
と同一になる。
【0032】次に、車両が旋回する場合について考え
る。
【0033】前記式(1)、(2)を辺々減算すると、 (1+λ)(Nc2 −Nc1 )=(Nr2 −Nr1 )+λ(Ns2 −Ns1 ) …(5) が得られる。ここで、Nc2 −Nc1 (第1、第2プラ
ネタリキャリヤ121 ,122 間の差回転)はNR −N
L =ΔN(右シャフト9および左シャフト10間の差回
転)に等しく、またNs2 −Ns1 (第1、第2サンギ
ヤ141 ,142間の差回転)は0であるため、これを
前記式(5)に代入すると、 Nr2 −Nr1 =(1+λ)ΔN …(6) が得られる。
【0034】前記式(6)は、右シャフト9および左シ
ャフト10間にΔNの差回転を与えるには、油圧モータ
18によって第1リングギヤ151 および第2リングギ
ヤ152 間に(1+λ)ΔNの差回転を与えれば良いこ
とを示している。
【0035】さて、ピニオン20の歯数をA1 、ピニオ
ン22の歯数をA2 、外歯ギヤ21の歯数をB1 、外歯
ギヤ23の歯数をB2 とすると、油圧モータ18から第
1リングギヤ151 への減速比i1 はi1 =B1 /A1
で表され、また油圧モータ18から第2リングギヤ15
2 への減速比i2 はi2 =B2 /A2 で表される。
【0036】油圧モータ18を回転数Nmで駆動する
と、第1リングギヤ151 および第2リングギヤ152
間の差回転Nr2 −Nr1 は、 Nr2 −Nr1 =Nm/i2 −Nm/i1 =Nm{(i1 −i2 )/i1 2 } で与えられる。 …(7) 従って、前記式(6)、(7)から、 Nm=ΔN(1+λ)i1 2 /(i1 −i2 )=αΔN …(8) α=(1+λ)i1 2 /(i1 −i2 ) …(9) が得られる。ここで、αは油圧モータ18から右シャフ
ト9および左シャフト10までの減速比である。
【0037】前記式(8)は、車両の旋回時に右シャフ
ト9および左シャフト10間にΔNの差回転を与えるに
は、油圧モータ18の回転数を、前記差回転ΔNに減速
比α=(1+λ)i1 2 /(i1 −i2 )を乗算した
値に設定すれば良いことを示している。
【0038】一般に、動力伝達経路を介して所定の出力
トルクを発揮させるために必要な入力トルクの大きさ
は、その動力伝達経路の減速比が大きいほど小さくて済
む。従って、右シャフト9および左シャフト10間にΔ
Nの差回転を与えるために必要な油圧モータ18のトル
クは、油圧モータ18から右シャフト9および左シャフ
ト10までの減速比αがが大きいほど小さくて済む。す
なわち、右シャフト9および左シャフト10間にΔNの
差回転を与えるためのトルクTを発揮させるのに必要な
油圧モータ18のトルクTmは、 Tm=T/α=T(i1 −i2 )/(1+λ)i1 2 …(10) で与えられる。
【0039】前記式(10)から明らかなように、差回
転ΔNを発生させるのに必要な油圧モータ18のトルク
Tmは、油圧モータ18から第1リングギヤ151 への
減速比i1 と油圧モータ18から第2リングギヤ152
への減速比i2 との差i1 −i2 を小さく設定すること
により、任意に減少させることができる。従って、外歯
ギヤ21,23の歯数を無闇に増加させることなく、油
圧モータ18にトルクの小さい小型軽量なものを使用す
ることが可能となる。
【0040】図2は本発明の第2実施例を示すものであ
る。
【0041】第1実施例と第2実施例との関係は、第
1、第2サンギヤ141 ,142 および第1、第2リン
グギヤ151 ,152 の役割を入れ換えたものに相当す
る。すなわち、第2実施例では第1、第2リングギヤ1
1 ,152 が一体に形成されており、かつ第1サンギ
ヤ141 に形成した外歯ギヤ24が油圧モータ18のピ
ニオン20に噛合するとともに、第2サンギヤ142
形成した外歯ギヤ25が油圧モータ18のピニオン22
に噛合している。そして、ピニオン20から外歯ギヤ2
4への減速比はピニオン22から外歯ギヤ25への減速
比よりも僅かに小さく設定されており、従って油圧モー
タ18を駆動すると、第1遊星歯車機構P 1 の第1サン
ギヤ141 は第2遊星歯車機構P2 の第2サンギヤ14
2 よりも僅かに大きい回転数で回転駆動される。
【0042】而して、この第2実施例によっても、前述
した第1実施例と同じ作用効果を奏することが可能であ
る。
【0043】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は前記実施例に限定されるものではなく、種々の設計
変更を行うことができる。
【0044】例えば、遊星歯車式の差動装置Dにおい
て、リングギヤ4、サンギヤ5およびプラネタリキャリ
ヤ8の何れを入力要素あるいは出力要素とするかは適宜
変更可能である。
【0045】また、第1、第2遊星歯車機構P1 ,P2
の3つの要素、すなわち一対のプラネタリキャリヤ12
1 ,122 、一対のサンギヤ141 ,142 および一対
のリングギヤ151 ,152 の役割を相互に入れ換える
ことができる。第1実施例および第2実施例は、それら
6種類の組合せのうちの2種類を示すものである。
【0046】また、第1遊星歯車機構P1 および第2遊
星歯車機構P2 は、必ずしも対応する各ギヤの歯数が同
一に設定された同一仕様である必要はなく、対応する各
ギヤの歯数が一定の比率に設定された相似仕様であって
も良い。
【0047】また、本発明のトルク分配機構は車両の前
輪の駆動系に限らず後輪の駆動系にも適用可能であり、
四輪駆動車両における前輪と後輪間のトルク分配にも適
用可能である。
【0048】
【発明の効果】以上のように請求項1,5,6に記載さ
れた発明によれば、駆動源から第1遊星歯車機構及び第
2遊星歯車機構に駆動力を伝達して差動装置に差動を行
わせる際に、駆動源の回転数を大きな減速比で減速しな
くとも、該駆動源のトルクを軽減することができる。こ
れにより、駆動源に接続される要素の歯数を小さく設定
してトルク分配機構の大型化を回避しながら、トルクの
小さい小型軽量な駆動源を使用することが可能となる。
【0049】また請求項2に記載された発明によれば、
第1遊星歯車機構を構成する各ギヤの歯数と第2遊星歯
車機構を構成する各ギヤの歯数とを等しく設定したの
で、部品点数を削減してコストダウンを図ることが可能
となる。
【0050】また請求項3に記載された発明によれば、
差動装置をリングギヤ、サンギヤ、プラネタリギヤおよ
びプラネタリキャリヤよりなる遊星歯車式としたのでベ
ベルギヤが不要となり、ベベルギヤ式の差動装置を採用
した場合に比べてトルク分配機構の軸方向寸法を小型化
することができる。
【0051】また請求項4に記載された発明によれば、
少なくとも一方が可変容量型である油圧ポンプと油圧モ
ータとを組み合わせたことにより、コンパクトな構造で
油圧モータの回転数を任意に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による差動装置のトルク分
配機構を示す図
【図2】本発明の第2実施例による差動装置のトルク分
配機構を示す図
【図3】従来の差動装置のトルク分配機構を示す図
【符号の説明】
4 リングギヤ(入力要素) 5 サンギヤ(出力要素) 6 アウタプラネタリギヤ(プラネタリギヤ) 7 インナプラネタリギヤ(プラネタリギヤ) 8 プラネタリキャリヤ(出力要素) 121 第1プラネタリキャリヤ 122 第2プラネタリキャリヤ 131 第1プラネタリギヤ 132 第2プラネタリギヤ 141 第1サンギヤ 142 第2サンギヤ 151 第1リングギヤ 152 第2リングギヤ 17 油圧ポンプ 18 油圧モータ(駆動源) D 差動装置 P1 第1遊星歯車機構 P2 第2遊星歯車機構

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つの入力要素(4)と2つの出力要素
    (5,8)とを備えた差動装置(D)において、その差
    動装置(D)の入力要素(4)に加えられるトルクを2
    つの出力要素(5,8)に所定の比率で分配する差動装
    置のトルク分配機構であって、 第1リングギヤ(151 )と、第1サンギヤ(141
    と、前記第1リングギヤ(151 )および第1サンギヤ
    (141 )に噛合する第1プラネタリギヤ(131 )を
    支持する第1プラネタリキャリヤ(121 )とよりなる
    第1遊星歯車機構(P1 )と、第2リングギヤ(1
    2 )と、第2サンギヤ(142 )と、前記第2リング
    ギヤ(152 )および第2サンギヤ(142 )に噛合す
    る第2プラネタリギヤ(132 )を支持する第2プラネ
    タリキャリヤ(122 )とよりなる第2遊星歯車機構
    (P2 )とを備え、前記各一対のプラネタリキャリヤ
    (121 ,122 )、リングギヤ(151 ,152 )お
    よびサンギヤ(141 ,142 )のうちの第1の要素を
    前記2つの出力要素(5,8)にそれぞれ結合するとと
    もに、第2の要素どうしを相対回転不能に連結し、かつ
    第3の要素を相互に異なったギヤ比で駆動源(18)に
    連結したことを特徴とする、差動装置のトルク分配機
    構。
  2. 【請求項2】 前記第1遊星歯車機構(P1 )を構成す
    る第1リングギヤ(151 )、第1サンギヤ(141
    および第1プラネタリキャリヤ(121 )の歯数を、そ
    れぞれ前記第2遊星歯車機構(P2 )を構成する第2リ
    ングギヤ(152 )、第2サンギヤ(142 )および第
    2プラネタリキャリヤ(122 )の歯数と等しく設定し
    たことを特徴とする、請求項1記載の差動装置のトルク
    分配機構。
  3. 【請求項3】 前記差動装置(D)が、リングギヤ
    (4)と、サンギヤ(5)と、前記リングギヤ(4)お
    よびサンギヤ(5)に噛合するプラネタリギヤ(6,
    7)を支持するプラネタリキャリヤ(8)とよりなるこ
    とを特徴とする、請求項1記載の差動装置のトルク分配
    機構。
  4. 【請求項4】 前記駆動源(18)が前記入力要素
    (4)に接続された油圧ポンプ(17)により駆動され
    る油圧モータ(18)で構成され、前記油圧ポンプ(1
    7)および油圧モータ(18)の少なくとも一方が可変
    容量型であることを特徴とする、請求項1記載の差動装
    置のトルク分配機構。
  5. 【請求項5】 1つの入力要素(4)と2つの出力要素
    (5,8)とを備えた差動装置(D)において、その差
    動装置(D)の入力要素(4)に加えられるトルクを2
    つの出力要素(5,8)に所定の比率で分配する差動装
    置のトルク分配機構であって、 第1リングギヤ(151 )と、第1サンギヤ(141
    と、前記第1リングギヤ(151 )および第1サンギヤ
    (141 )に噛合する第1プラネタリギヤ(131 )を
    支持する第1プラネタリキャリヤ(121 )とよりなる
    第1遊星歯車機構(P1 )と、第2リングギヤ(1
    2 )と、第2サンギヤ(142 )と、前記第2リング
    ギヤ(152 )および第2サンギヤ(142 )に噛合す
    る第2プラネタリギヤ(132 )を支持する第2プラネ
    タリキャリヤ(122 )とよりなる第2遊星歯車機構
    (P2 )とを備え、第1プラネタリキャリヤ(121
    および第2プラネタリキャリヤ(122 )を前記出力要
    素(5,8)の一方および他方にそれぞれ結合するとも
    に、第1サンギヤ(141 )および第2サンギヤ(14
    2)を相対回転不能に連結し、かつ第1リングギヤ(1
    1 )および第2リングギヤ(152 )を相互に異なっ
    たギヤ比で駆動源(18)に連結したことを特徴とす
    る、差動装置のトルク分配機構。
  6. 【請求項6】 1つの入力要素(4)と2つの出力要素
    (5,8)とを備えた差動装置(D)において、その差
    動装置(D)の入力要素(4)に加えられるトルクを2
    つの出力要素(5,8)に所定の比率で分配する差動装
    置のトルク分配機構であって、 第1リングギヤ(151 )と、第1サンギヤ(141
    と、前記第1リングギヤ(151 )および第1サンギヤ
    (141 )に噛合する第1プラネタリギヤ(131 )を
    支持する第1プラネタリキャリヤ(121 )とよりなる
    第1遊星歯車機構(P1 )と、第2リングギヤ(1
    2 )と、第2サンギヤ(142 )と、前記第2リング
    ギヤ(152 )および第2サンギヤ(142 )に噛合す
    る第2プラネタリギヤ(132 )を支持する第2プラネ
    タリキャリヤ(122 )とよりなる第2遊星歯車機構
    (P2 )とを備え、第1プラネタリキャリヤ(121
    および第2プラネタリキャリヤ(122 )を前記出力要
    素(5,8)の一方および他方にそれぞれ結合するとも
    に、第1リングギヤ(151 )および第2リングギヤ
    (152 )を相対回転不能に連結し、かつ第1サンギヤ
    (141 )および第2サンギヤ(142 )を相互に異な
    ったギヤ比で駆動源(18)に連結したことを特徴とす
    る、差動装置のトルク分配機構。
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