JPH06299978A - スクロール型流体機械 - Google Patents

スクロール型流体機械

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Publication number
JPH06299978A
JPH06299978A JP8722893A JP8722893A JPH06299978A JP H06299978 A JPH06299978 A JP H06299978A JP 8722893 A JP8722893 A JP 8722893A JP 8722893 A JP8722893 A JP 8722893A JP H06299978 A JPH06299978 A JP H06299978A
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JP
Japan
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scroll
spiral
wrap
aluminum alloy
scrolls
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Withdrawn
Application number
JP8722893A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Shigeoka
哲夫 重岡
Takahisa Hirano
隆久 平野
Shiyouya Fukami
昭冶 深見
Kazuhiko Inoguchi
和彦 井野口
Eiji Hamamura
英司 浜村
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面硬化処理による疲労強度の低下を防止し
て装置の信頼性の向上を図ったスクロール型流体機械を
提供する。 【構成】 スクロール型流体機械において、それぞれの
端板12,22の内面13,23に渦巻ラップ14,2
4を立設してなる一対のアルミニウム合金製の固定スク
ロール11及び旋回スクロール21を具え、その旋回ス
クロール21の渦巻ラップ24の中央内端部のラップ厚
さを固定スクロール11の渦巻ラップ14のラップ厚さ
より薄くすると共にその根元部に少なくとも半径が0.
2mm以上の円弧28を設け、固定スクロール11の渦巻
ラップ14の根元部を実質的にピン角18とし、固定ス
クロール11に表面硬化処理を施し、旋回スクロール2
1の表面をアルミニウム合金素地とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスクロール型流体機械に
関する。
【0002】
【従来の技術】図6に従来のスクロール型圧縮機におい
て固定スクロールと旋回スクロールとの関係を表す要部
断面、図7に図6のVII−VII断面を示す。
【0003】図6及び図7に示すように、固定スクロー
ル101は端板102とその端板102の内面103に
立設された渦巻ラップ104からなっている。一方、旋
回スクロール201は端板202とその端板202の内
面203に立設された渦巻ラップ204からなり、固定
スクロール101の渦巻ラップ104と旋回スクロール
201の渦巻ラップ204とは実質的に同様の輪郭に形
成されている。そして、固定スクロール101と旋回ス
クロール201とは各渦巻ラップ104,204が所定
の距離だけ偏心し、且つ、その位相が180度ずれるよ
うに噛み合っている。従って、各渦巻ラップ104,2
04の先端面105,205が相手の端板202,10
2の内面203,103に密接し、各渦巻ラップ10
4,204の側面が複数箇所で線接触することで、渦巻
の中心に対して点対称をなす複数の密閉小室106,2
06が限界されている。なお、固定スクロール101の
端板102の中心部には圧縮ガスの吐出口107が形成
されている。
【0004】ここで、上述した従来のスクロール型圧縮
機の作用を説明する。旋回スクロール201を図示しな
い自転阻止機構によって自転を阻止しながら、図示しな
い旋回機構機構によって公転旋回運動させると、各渦巻
ラップ104,204の外終端部から密閉小室106,
206内にガスが取り込まれる。そして、このガスは各
渦巻ラップ104,204の線接触部が渦巻の中心に向
かって移動するのに伴い、その容積を漸次減少させなが
ら渦巻の中心に移動してその内部のガスを圧縮し、圧縮
されたガスは吐出口107から吐出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のスクロ
ール型圧縮機にあって、固定スクロール101及び旋回
スクロール201は軽量化のためにそれぞれアルミニウ
ム合金等で製作されることが多い。ところで、密閉小室
106,206のガス圧力はこの密閉小室106,20
6が渦巻の中心よりに位置するほど高くなり、また、渦
巻ラップ104,204の内端部は片持ち支持となるの
で、その部分の強度は中央部よりも低下する。この結
果、渦巻ラップ104,204の高さや圧縮条件によっ
てこの各渦巻ラップ104,204の側面と端板10
2,202の内面103,203との角隅部にクラック
等が発生して破損事故を生じる虞があった。
【0006】そのため、固定スクロール101及び旋回
スクロール201の強度を向上させるための対策とし
て、各渦巻ラップ104,204の側面と端板102,
202の内面103,203との角隅部を弧状に形成す
ることが考えられるが、これによって各渦巻ラップ10
4,204の中央部接続曲線間に逃げができて両者の間
に隙間が発生してしまい、圧縮機の性能を低下させてし
まうという問題がある。これを回避する構造として、固
定スクロールと旋回スクロールの中央部の各渦巻ラップ
の厚さを変え、薄く形成したスクロールの渦巻ラップの
下端の角隅部を弧状に形成する一方、厚く形成したスク
ロールの渦巻ラップの角隅部をピン角とすることで各渦
巻ラップの間の隙間を減少させると共にその強度を向上
させることが、本願出願人によって、特願平4−235
321としてすでに出願されている。
【0007】また、互いに接触しながら摺動する2つの
部材が同一材質であることが好ましくないことは一般的
に知られており、スクロール型圧縮機においても同様で
ある。このスクロール型圧縮機にあっては、特公昭63
−32992号公報において、アルミニウム合金製のス
クロールの一方にアルマイト処理あるいはタフラム処理
等の表面硬化処理を施すことで、耐磨耗性の向上を図る
ことが開示されている。しかし、渦巻ラップの側面と端
板との角隅部を弧状に形成したスクロールにアルマイト
処理あるいはタフラム処理等の表面硬化処理を施すと、
処理層には引張残留応力もしくはミクロクラックが発生
して渦巻ラップの疲労強度が20%程度低下してしまう
という問題がある。従って、このようなものに対しては
更に渦巻ラップの強度を上げるために別の工程が必要と
なってしまう。
【0008】本発明はこのような問題を解決するもので
あって、表面硬化処理による疲労強度の低下を防止して
装置の信頼性の向上を図ったスクロール型流体機械を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成する本
発明のスクロール型流体機械は、一対のアルミニウム合
金製スクロールの一方に表面硬化処理を施し、他方のス
クロールの表面をアルミニウム合金素地とした一対のス
クロールをピストン部材として流体を送出または圧縮す
るスクロール型流体機械において、前記表面硬化処理を
施したスクロールの渦巻ラップと端板との接合部を実質
的にピン角としたことを特徴とするものである。
【0010】また、本発明のスクロール型流体機械は、
それぞれの端板の内面に渦巻ラップを立設してなる一対
のアルミニウム合金製の固定スクロール及び旋回スクロ
ールを具え、その一方のスクロールの渦巻ラップの中央
内端部のラップ厚さを他方のものより薄くすると共にそ
の根元部に少なくとも半径が0.2mm以上の円弧を設
け、他方のスクロールの渦巻ラップの中央内端部のラッ
プ厚さを前記一方のものより厚くすると共にその根元部
を実質的にピン角とし、前記一対のスクロールを互いに
位相をずらせて噛み合わせると共に前記旋回スクロール
をその回転を阻止しながら公転旋回運動させるようにし
たスクロール型流体機械において、前記他方のスクロー
ルに表面硬化処理を施し、前記一方のスクロールの表面
をアルミニウム合金素地としたことを特徴とするもので
ある。
【0011】また、本発明のスクロール型流体機械は、
請求項2記載のスクロール型流体機械において、一方の
スクロールを旋回スクロールとしたことを特徴とするも
のである。
【0012】また、本発明のスクロール型流体機械は、
それぞれの端板の内面に渦巻ラップを立設してなる一対
のアルミニウム合金製の固定スクロール及び旋回スクロ
ールを具え、その一方のスクロールの渦巻ラップの中央
内端部のラップ厚さを他方のものより薄くすると共にそ
の根元部に少なくとも半径が0.2mm以上の円弧を設
け、他方のスクロールの渦巻ラップの中央内端部のラッ
プ厚さを前記一方のものより厚くすると共にその根元部
を実質的にピン角とし、前記一対のスクロールを互いに
位相をずらせて噛み合わせると共に前記旋回スクロール
をその回転を阻止しながら公転旋回運動させるようにし
たスクロール型流体機械において、前記一方のスクロー
ルに、前記円弧部分で、且つ、前記他方のスクロールと
接触しない部分を除いて表面硬化処理を施し、前記他方
のスクロールの表面をアルミニウム合金素地としたこと
を特徴とするものである。
【0013】
【作用】渦巻ラップの根元部に円弧を設けたスクロール
に表面硬化処理を施すと、渦巻ラップ疲労強度は処理前
のものに比べて約20%程度低下するが、渦巻ラップの
根元部にピン角を設けたスクロールに表面硬化処理を施
したことで、渦巻ラップ疲労強度は処理前のものと変わ
らない。
【0014】以上のことから、円弧及びピン角の形成位
置、ラップ厚さ、表面硬化処理の有無の関係によって渦
巻ラップ疲労強度の向上が図れるものである。従って、
本発明にあっては、渦巻ラップのラップ厚さを薄くして
軽量化を図ったスクロールに渦巻ラップの根元部に半径
が0.2mm以上の円弧を設けて強度を向上させる一方、
渦巻ラップのラップ厚さを厚くして強度の向上を図った
スクロールに渦巻ラップの根元部を実質的にピン角と
し、表面硬化処理を施して耐磨耗性の向上を図ること
で、高い信頼性をもったスクロール型流体機械が得られ
る。
【0015】また、本発明にあっては、渦巻ラップのラ
ップ厚さを薄くして軽量化を図ったスクロールに渦巻ラ
ップの根元部に半径が0.2mm以上の円弧を設けて強度
を向上させると共に円弧部分で他方のスクロールと接触
しない部分以外に表面硬化処理を施して耐磨耗性の向上
を図る一方、渦巻ラップのラップ厚さを厚くして強度の
向上を図ったスクロールに渦巻ラップの根元部を実質的
にピン角とすることで、高い信頼性をもったスクロール
型流体機械が得られる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0017】図1に本発明の一実施例に係るスクロール
型流体機械における渦巻ラップの要部断面、図2に渦巻
ラップの形状及び表面硬化処理に対する疲労強度変化を
表すグラフ、図3に渦巻ラップの根元部での円弧半径に
対する表面硬化処理の有無の疲労強度比表すグラフを示
す。
【0018】図1に示すように、本実施例のスクロール
型流体機械において、固定スクロール11は端板12と
その端板12の内面13に立設された渦巻ラップ14か
らなっている。一方、旋回スクロール21は端板22と
その端板22の内面23に立設された渦巻ラップ24か
らなり、固定スクロール11の渦巻ラップ14と旋回ス
クロール21の渦巻ラップ24とは実質的に同様の輪郭
に形成されている。
【0019】また、各スクロール11,21はアルミニ
ウム合金によって形成されており、旋回スクロール21
の渦巻ラップ24の中央内端部のラップ厚さT2 は固定
スクロール11のラップ厚さT1 より薄く形成されると
共にその根元部に少なくとも半径が0.2mm以上の円弧
28が形成されている。一方、固定スクロール11の渦
巻ラップ14のラップ厚さT1 は旋回スクロール21の
ものより厚く形成されると共にその根元部が実質的にピ
ン角18となっている。そして、旋回スクロール21の
表面はアルミニウム合金素地そのままとするが、固定ス
クロール11にはアルマイト処理あるいはタフラム処理
等の表面硬化処理が施されることで、硬化処理層19が
形成されている。
【0020】そして、このように構成された固定スクロ
ール11と旋回スクロール21とは各渦巻ラップ14,
24が所定の距離だけ偏心し、且つ、その位相が180
度ずれるように噛み合っている。従って、各渦巻ラップ
14,24の先端面が相手の端板22,12に密接し、
各渦巻ラップ14,24の側面が複数箇所で線接触する
ことで、渦巻の中心に対して点対称をなす図示しない複
数の密閉小室が限界される。
【0021】従って、旋回スクロール21を自転を阻止
しながら公転旋回運動させると、各渦巻ラップ14,2
4の外終端部から密閉小室内にガスが取り込まれ、その
容積を漸次減少させながら渦巻の中心に移動して圧縮さ
れ、圧縮されたガスは図示しない吐出口から吐出され
る。
【0022】このようなスクロール型流体機械におい
て、渦巻ラップのラップ厚さTやその根元部の円弧及び
ピン角の形成位置、あるいは表面硬化処理の有無によっ
て渦巻ラップの強度の向上を図ることができる。即ち、
図2に示すように、渦巻ラップのラップ厚さT(T1
2 )が大きいほど、当然のように疲労強度σは高いこ
とがわかる(A−Bとa−b)。また、渦巻ラップの根
元部に円弧を形成することで疲労強度σは高く、ピン角
とすることで疲労強度σは低くなる(AとB、aと
B)。更に、渦巻ラップの根元部に円弧を設けて表面硬
化処理を施すと、この渦巻ラップの疲労強度σは処理前
のものに比べて約20%程度低下する(BとD、bと
d)が、渦巻ラップの根元部にピン角を設けたスクロー
ルに表面硬化処理を施しても、渦巻ラップの疲労強度σ
は処理前のものと変わらない(AとC、aとc)。そし
て、渦巻ラップの疲労強度σの低下は、図3に示すよう
に、円弧半径が0.2mm以下の場合には発生しないこと
がわかった。
【0023】従って、本実施例のスクロール型流体機械
にあっては、前述したように、旋回スクロール21の渦
巻ラップ24のラップ厚さT2 を薄くして軽量化を図る
と共に、軽量化による強度の低下を補償するために渦巻
ラップ24の根元部に半径が0.2mm以上の円弧28を
形成して強度を向上させている。一方、固定スクロール
11の渦巻ラップ14のラップ厚さT1 を厚くして強度
の低下を防止して渦巻ラップ14の根元部を実質的にピ
ン角18とし、耐磨耗性の向上を図るために表面硬化処
理を施してある。このようにして高い信頼性をもったス
クロール型流体機械が得られる。
【0024】なお、上述の実施例において、固定スクロ
ール11の外表面全体に表面硬化処理を施して硬化処理
層19を形成したが、渦巻ラップ14の根元部(ピン角
18)にのみ表面硬化処理を施してもよいものである。
また、上述の実施例では、旋回スクロール21の渦巻ラ
ップ24の厚さT2 を固定スクロール11のラップ厚さ
1 より薄くして根元部に円弧28を形成する一方、固
定スクロール11の渦巻ラップ14の根元部を実質的に
ピン角18として表面硬化処理を施したが、固定スクロ
ール11と旋回スクロール21とを逆に構成してもよい
ものである。
【0025】図4に本発明の他の実施例に係るスクロー
ル型流体機械において、渦巻ラップの要部断面、図5に
旋回スクロールの渦巻ラップの内端部の斜視を示す。
【0026】図4及び図5に示すように、本実施例のス
クロール型流体機械において、固定スクロール31は端
板32とその端板32の内面33に立設された渦巻ラッ
プ34からなり、旋回スクロール21は端板42とその
端板42の内面43に立設された渦巻ラップ44からな
っている。そして、この固定スクロール31と旋回スク
ロール41はアルミニウム合金製であって、各渦巻ラッ
プ34,44は実質的に同様の輪郭に形成されている。
【0027】また、旋回スクロール41の渦巻ラップ4
4の中央内端部のラップ厚さT4 は固定スクロール31
のラップ厚さT3 より薄く形成されると共にその根元部
に少なくとも半径が0.2mm以上の円弧48が形成され
ている。一方、固定スクロール31の渦巻ラップ44の
根元部は実質的にピン角38となっている。そして、固
定スクロール31の表面はアルミニウム合金素地そのま
まとするが、旋回スクロール41における円弧48で固
定スクロール31と接触しない部分を除いた部分にはア
ルマイト処理あるいはタフラム処理等の表面硬化処理が
施されることで、硬化処理層49が形成されている。
【0028】そして、このように構成された固定スクロ
ール31と旋回スクロール41とは各渦巻ラップ34,
44が所定の距離だけ偏心し、且つ、その位相が180
度ずれるように噛み合っている。従って、各渦巻ラップ
34,44の先端面が相手の端板42,32に密接し、
各渦巻ラップ34,44の側面が複数箇所で線接触する
ことで、渦巻の中心に対して点対称をなす図示しない複
数の密閉小室が限界される。
【0029】従って、旋回スクロール41を自転を阻止
しながら公転旋回運動させると、各渦巻ラップ34,4
4の外終端部から密閉小室内にガスが取り込まれ、その
容積を漸次減少させながら渦巻の中心に移動して圧縮さ
れ、圧縮されたガスは図示しない吐出口から吐出され
る。
【0030】本実施例のスクロール型流体機械にあって
は、前述したように、旋回スクロール41の渦巻ラップ
44のラップ厚さT4 を薄くして軽量化を図ると共に、
軽量化による強度の低下を補償するために渦巻ラップ1
4の根元部に半径が0.2mm以上の円弧48を形成して
強度を向上させると共に円弧48で固定スクロール31
と接触しない部分を除いた部分には表面硬化処理を施し
て耐磨耗性の向上を図っている。一方、固定スクロール
11の渦巻ラップ14のラップ厚さT3 を厚くして強度
の低下を防止して渦巻ラップ14の根元部を実質的にピ
ン角18としている。このようにして高い信頼性をもっ
たスクロール型流体機械が得られる。
【0031】
【発明の効果】以上、実施例を挙げて詳細に説明したよ
うに本発明のスクロール型流体機械によれば、一対のア
ルミニウム合金製スクロールの一方に表面硬化処理を施
して他方のスクロールの表面をアルミニウム合金素地と
し、表面硬化処理を施したスクロールの渦巻ラップと端
板との接合部を実質的にピン角としたので、渦巻ラップ
の根元部に円弧を設けたスクロールに表面硬化処理を施
すとその疲労強度が処理前のものに比べて低下するが、
本発明は渦巻ラップの根元部にピン角を設けたスクロー
ルに表面硬化処理を施したことで、渦巻ラップ疲労強度
は処理前のものと変わず、表面硬化処理による疲労強度
の低下を防止して装置の信頼性の向上を図ることができ
る。
【0032】また、本発明のスクロール型流体機械によ
れば、アルミニウム合金製の固定スクロール及び旋回ス
クロールの一方のスクロールの渦巻ラップの中央内端部
のラップ厚さを他方のものより薄くすると共にその根元
部に少なくとも半径が0.2mm以上の円弧を設け、他方
のスクロールの渦巻ラップの根元部を実質的にピン角と
して表面硬化処理を施したので、一方のスクロールの渦
巻ラップのラップ厚さを薄くして軽量化を図ると共に円
弧を設けて疲労強度を向上させる一方、他方のスクロー
ルの渦巻ラップのラップ厚さを厚くして強度向上を図る
と共に表面硬化処理を施して耐磨耗性の向上を図ること
ができる。
【0033】更に、本発明のスクロール型流体機械によ
れば、アルミニウム合金製の固定スクロール及び旋回ス
クロールの一方のスクロールの渦巻ラップの中央内端部
のラップ厚さを他方のものより薄くすると共にその根元
部に少なくとも半径が0.2mm以上の円弧を設けて円弧
部分の他方のスクロールと接触しない部分を除いて表面
硬化処理を施し、他方のスクロールの渦巻ラップの根元
部を実質的にピン角としたので、一方のスクロールの渦
巻ラップのラップ厚さを薄くして軽量化を図ると共に渦
巻ラップの根元部に円弧を設けて強度を向上させ、且
つ、円弧部分で他方のスクロールと接触しない部分以外
に表面硬化処理を施して耐磨耗性の向上を図る一方、他
方の渦巻ラップのラップ厚さを厚くして強度の向上を図
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るスクロール型流体機械
における渦巻ラップの要部断面図である。
【図2】渦巻ラップの形状及び表面硬化処理に対する疲
労強度変化を表すグラフである。
【図3】渦巻ラップの根元部での円弧半径に対する表面
硬化処理の有無の疲労強度比表すグラフである。
【図4】本発明の他の実施例に係るスクロール型流体機
械における渦巻ラップの要部断面図である。
【図5】旋回スクロールの渦巻ラップの内端部の斜視図
である。
【図6】従来のスクロール型圧縮機において固定スクロ
ールと旋回スクロールとの関係を表す要部断面図であ
る。
【図7】図6のVII−VII断面図である。
【符号の説明】
11,31 固定スクロール 12,32 端板 13,33 内面 14,34 渦巻ラップ 18,38 ピン角 19 硬化処理層 21,41 旋回スクロール 22,42 端板 23,43 内面 24,44 渦巻ラップ 28,48 円弧 49 硬化処理層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井野口 和彦 愛知県名古屋市中村区岩塚町字高道1番地 三菱重工業株式会社名古屋研究所内 (72)発明者 浜村 英司 愛知県西春日井郡西枇杷島町字旭町3丁目 1番地 三菱重工業株式会社エアコン製作 所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のアルミニウム合金製スクロールの
    一方に表面硬化処理を施し、他方のスクロールの表面を
    アルミニウム合金素地とした一対のスクロールをピスト
    ン部材として流体を送出または圧縮するスクロール型流
    体機械において、前記表面硬化処理を施したスクロール
    の渦巻ラップと端板との接合部を実質的にピン角とした
    ことを特徴とするスクロール型流体機械。
  2. 【請求項2】 それぞれの端板の内面に渦巻ラップを立
    設してなる一対のアルミニウム合金製の固定スクロール
    及び旋回スクロールを具え、その一方のスクロールの渦
    巻ラップの中央内端部のラップ厚さを他方のものより薄
    くすると共にその根元部に少なくとも半径が0.2mm以
    上の円弧を設け、他方のスクロールの渦巻ラップの中央
    内端部のラップ厚さを前記一方のものより厚くすると共
    にその根元部を実質的にピン角とし、前記一対のスクロ
    ールを互いに位相をずらせて噛み合わせると共に前記旋
    回スクロールをその回転を阻止しながら公転旋回運動さ
    せるようにしたスクロール型流体機械において、前記他
    方のスクロールに表面硬化処理を施し、前記一方のスク
    ロールの表面をアルミニウム合金素地としたことを特徴
    とするスクロール型流体機械。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のスクロール型流体機械に
    おいて、一方のスクロールを旋回スクロールとしたこと
    を特徴とするスクロール型流体機械。
  4. 【請求項4】 それぞれの端板の内面に渦巻ラップを立
    設してなる一対のアルミニウム合金製の固定スクロール
    及び旋回スクロールを具え、その一方のスクロールの渦
    巻ラップの中央内端部のラップ厚さを他方のものより薄
    くすると共にその根元部に少なくとも半径が0.2mm以
    上の円弧を設け、他方のスクロールの渦巻ラップの中央
    内端部のラップ厚さを前記一方のものより厚くすると共
    にその根元部を実質的にピン角とし、前記一対のスクロ
    ールを互いに位相をずらせて噛み合わせると共に前記旋
    回スクロールをその回転を阻止しながら公転旋回運動さ
    せるようにしたスクロール型流体機械において、前記一
    方のスクロールに、前記円弧部分で、且つ、前記他方の
    スクロールと接触しない部分を除いて表面硬化処理を施
    し、前記他方のスクロールの表面をアルミニウム合金素
    地としたことを特徴とするスクロール型流体機械。
JP8722893A 1993-04-14 1993-04-14 スクロール型流体機械 Withdrawn JPH06299978A (ja)

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JP8722893A JPH06299978A (ja) 1993-04-14 1993-04-14 スクロール型流体機械

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016113957A (ja) * 2014-12-15 2016-06-23 三菱重工オートモーティブサーマルシステムズ株式会社 スクロール流体機械

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