JP3233125B2 - スクロール流体機械 - Google Patents

スクロール流体機械

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JP3233125B2
JP3233125B2 JP02962699A JP2962699A JP3233125B2 JP 3233125 B2 JP3233125 B2 JP 3233125B2 JP 02962699 A JP02962699 A JP 02962699A JP 2962699 A JP2962699 A JP 2962699A JP 3233125 B2 JP3233125 B2 JP 3233125B2
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健司 東條
英之 植田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧縮機、真空ポン
プ、膨張機などに用いられる容積形流体機械の一種であ
るスクロール流体機械に係り、特に種々の用途において
高性能かつ高信頼性を図るのに好適なスクロール流体機
械に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば特開昭57−73803号公報に
記載されているように、スクロール流体機械の基本的な
原理そのものは、古くから一般的に知られており、加工
が容易なことなどからラップの渦巻形状として、図13
に示すように一定の直径を有する円の伸開線であるイン
ボリュートからなる形状ものが使用されてきた。
【0003】このようなスクロール流体機械の基本的な
構成要素は、一定の直径を有する円の伸開線であるイン
ボリュートからなる同一形状の渦巻体をもつ固定スクロ
ール2と旋回スクロール1、旋回スクロ−ル1の外周側
で固定スクロ−ル2に設けられた吸入ポ−ト2c、固定
スクロ−ル2の中央部に設けれられた吐出ポ−ト2d、
図示しないが固定スクロ−ル2に対して旋回スクロ−ル
1を旋回運動させるための自転防止機構、旋回スクロ−
ル1を駆動させるための駆動装置から構成されている。
【0004】又、特開昭60−252102号公報に記
載のように、渦巻状のラップの肉厚を巻き始めから巻き
終りまで連続的に変化させたものが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来のスクロ
ール流体機械のうち、両スクロールを形成する渦巻体が
一定半径の円の伸開線であるインボリュート曲線によっ
て形成されているものでは、渦巻の形状は伸開線の基礎
円の半径a、渦巻の巻線(伸開角)、渦巻体の厚さt及
び高さhを決定すると、渦巻形状に対する自由度は限定
されており、行程容積(最外周の閉じ込み完了時の容
積)や組込容積比(内部容積比)が一義的に決定される
ため、次のような問題点を有していた。
【0006】すなわち、吸込み圧力と吐出し圧力の比
(圧力比)が大きな条件で運転される冷凍用の圧縮機で
は、組込容積比を大きくしなければならないが、この組
込容積比を大きくするためには、巻角を大きくしなけれ
ばならず、外形が大きくなる。また、外形寸法や渦巻体
の高さを一定として巻角を大きくした場合には、渦巻体
の板厚さが小さくなり、強度が低下する、あるいは行程
容積が減少するなどの制約を受けていた。
【0007】又、作動室間の圧力差は、流体が圧縮され
圧力の高くなる中心部ほど大きくなるが、上記した従来
のスクロール流体機械では渦巻体の板厚が均一であるた
め、強度低下に対しては渦巻体の高さを一様に低くする
か渦巻体の板厚を一様に厚くしなければならないため、
不必要な部分まで厚くなり径寸法が大きくなるなどの問
題が生じていた。
【0008】又、特開昭60−252102号公報に記
載のものでは、渦巻き状のラップの肉厚を巻き始めから
巻き終りまで変化させているものの、実証的検討を行っ
たところ、位相などを考慮していないため、固定スクロ
ールと旋回スクロールの曲線が異なり、旋回スクロール
と固定スクロールとの加工を異なる加工プログラムで行
う必要があった。又、例えば旋回スクロールの渦巻状ラ
ップの外線と固定スクロールの渦巻状ラップの内線との
接点は基礎円上の接線からずれるため、必ずしもシール
点が完全なものではなかった
【0009】本発明の目的は、このような事情に鑑みて
なされたもので、組込容積比や行程容積、渦巻体の板厚
などに対する設計自由度を増し、それぞれの用途に応じ
た最適な形状のスクロール流体機械を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のスクロール流体機械は、台板上に形成され
た渦巻体を有する2つのスクロール部材を噛み合わせて
形成される密閉空間を、一方のスクロール部材を他方の
スクロール部材に対して相対的に旋回運動させることに
より、拡大あるいは減少させ流体の膨張あるいは圧縮を
うようにしたスクロール流体機械において、前記一方
のスクロール部材の背面には背面室が形成され、該背面
室には吸入圧力より高い圧力を作用させて前記他方のス
クロール部材に押し付けるようにし、前記噛み合わせる
両スクロール部材の渦巻体の形状が、渦巻体の一部ある
いは全体にわたり、渦巻きの中心部から外側に向かっ
て、両スクロール部材の渦巻体の溝幅が変化すると共に
渦巻体の歯厚が小さくなるように構成し、かつ前記渦巻
体の一部あるいは全体の形状が、伸開角により半径が変
化する円の伸開線により形成され、外線と内線が伸開角
に対する位相差を有することを特徴とするものである。
【0011】
【0012】
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を密閉形
スクロール圧縮機を例にとり、図1から図8により説明
する。図1は本実施例に係る密閉形スクロ−ル圧縮機の
縦断面図であり、図2、図3はそれぞれ本実施例の円の
伸開線を示す図、図4は歯、渦巻形状を示す平面図であ
り、図5は旋回スクロ−ルと固定スクロ−ルを組み合わ
せた状態を示す図、図6はスクロ−ル圧縮機の作動原理
を示す図、図7は歯、渦巻形状を示す平面図、図8は容
積変化の関係を示す図である。
【0014】図1に示すように、密閉形スクロール圧縮
機は、互いにラップを内側に向けて組み合わされ、相対
的に旋回運動を行う旋回スクロ−ル1と固定スクロ−ル
2、クランク軸3、固定スクロ−ル2に締結されたフレ
−ム4からなるスクロ−ル形圧縮機構部と、これを駆動
するモ−タ5と、これらを収納する密閉容器6とからな
っている。旋回スクロ−ル1は台板1a上に渦巻き状の
ラップ1bを有し、背面には例えばオルダム機構などの
自転を防止するための自転防止機構1cと、クランク軸
3のクランク部が挿入される旋回軸受1dを有する。固
定スクロ−ル2も台板2a上に渦巻状のラップ2bを有
する。また固定スクロ−ル2には吸入口2cと吐出口2
dが設けられている。旋回スクロ−ル1の背面には、フ
レ−ム4にて背面室4bが形成される。この背面室4b
は旋回スクロ−ル1の台板1aに設けた均圧穴(図示せ
ず)により、旋回スクロ−ル1及び固定スクロ−ル2の
各ラップと台板で形成される圧縮室に連通している。ま
たフレ−ム4には、クランク軸3を支承する主軸受4c
と、モ−タ5を支承する脚柱4dが設けられている。ク
ランク軸3内には給油穴3aが設けられ、密閉容器6底
部の油が旋回軸受1d、主軸受4cへ給油される。
【0015】このように構成された密閉形スクロ−ル圧
縮機において、モ−タ5の回転によりクランク軸3と自
転防止機構1cの働きで、旋回スクロ−ル1と固定スク
ロ−ル2が相対的に旋回運動を行い、両スクロ−ル1、
2で形成される圧縮室が中心に移動するに従ってその容
積を減少する。すなわち、図6に示すように、固定スク
ロール2に対して旋回スクロール1は、その姿勢を変化
させないで図6にクランク角φ=0°、90°、180
°、270°として示したように固定スクロール2の中
心のまわりに公転運動、すなわち所定のクランク半径ε
(旋回半径)で旋回運動を行なう。このとき、これら両
スクロール1、2により形成される三日月状の密閉空間
9(以下作動室9と称す)の容積が減少され、吸入ポ−
ト2eより作動室9内に吸い込まれた流体を圧縮して吐
出ポート2dから密閉容器6内へ排出する。密閉容器6
内へ吐出された流体は、吐出管6aより外部へ吐出され
る。また、圧縮機構部で圧縮作用を行うと両スクロ−ル
1、2を離そうとする力が作用するが、旋回スクロ−ル
1背面の背面室4bには吸入圧力より高く、吐出圧力よ
り低い中間の圧力が作用しているので、その中間圧力に
より旋回スクロ−ル1は固定スクロ−ル2へ押し付けら
れる。
【0016】上記のようにスクロール圧縮機の圧縮機構
部は、台板1a,2aとこの台板1a,2aに直立した
渦巻体1b、2bとからなる旋回スクロール1及び固定
スクロール2から構成されている。本実施例の旋回スク
ロール1及び固定スクロール2の渦巻体の形状は、図2
及び図3に示したように、伸開角に応じて基礎円の半径
が変わる円の伸開線により形成されている。すなわち、
伸開線の基礎円の半径aを伸開角λの関数として表した
とき、 a=f(λ) (1) 伸開線上の点は、 X=f(λ)cosλ+f(λ)λsinλ (2) Y=f(λ)sinλ−f(λ)λcosλ (3) として与えられる。この場合、f(λ)のλによる微分は
次式で表されるが、 f'(λ)=df(λ)/dλ (4) f'(λ)>0の場合は、図2に示すように外周部ほど線
間の幅は広くなり、f'(λ)<0の場合は、図3に示す
ように外周部ほど線間の幅は狭くなる。
【0017】渦巻体1b、2bの形状は、渦巻体1b、
2bの外側と内側の形状を決める必要があるが、本実施
例の渦巻体1b、2bの形状は、渦巻体1b、2bの外
側を表す伸開線の基礎円の半径をaO、渦巻体の内側の
形状を表す伸開線の基礎円の半径をaiとしたとき、基
礎円の半径ao、基礎円の半径aiは、それぞれ数式5、
数式6で表すことができる。
【0018】 ao=f(λ) (5) ai=f(λ−π) (6) ここで、図4に示す渦巻体2bの形状は、渦巻体の内側
の形状を表す伸開線の基礎円の半径は、渦巻体2bの外
側の形状を表す伸開線の基礎円の半径に対し、伸開角λ
に対しπだけ小さい値となるように形成されている。す
なわち、図4に示す渦巻体の形状において、基礎円5の
半径ao=f(λp)を共有する渦巻体2bの外側の点P
の伸開角をλpとし、内側の点Qの伸開角をλgとする
と、数式7で表される関係となるように設定される。
【0019】 λg=λP+π (7) また、基礎円の半径aの伸開角λに対する増分は、数式
4で表され、図4、図5に示す渦巻体2の形状では、
f'(λ)<0、すなわち伸開角λが大きくなる渦巻体2
bの外側となるにつれて、基礎円の半径が小さくなるよ
うに設定されている。この時、作動室9が形成されるた
めには、2つの渦巻体1、2が複数個の点で接触が可能
となるように形成される必要があり、渦巻体1、2の厚
さも、外側へ伸びるにつれ小さくなるように基礎円の半
径aが設定されている。
【0020】渦巻体1b、2bの形状をこのように構成
にすることにより、位相差πを有しているので、伸開角
に応じて半径が変る円の伸開線により渦巻体1b、2b
を形成しても、旋回スクロール1と固定スクロール2
は、それぞれ複数の点で接触し、かつ接点と基礎円とを
結ぶ線分を共用するように設定でき、両スクロール部材
は、渦巻体のそれぞれの側面に垂直な位置にシールポイ
ント(あるいは接点)を有することができる。
【0021】このように構成されたスクロール流体機械
においては、図6に示すように、旋回スクロ−ル1が旋
回運動を行うに伴って、両スクロール1、2が同時に複
数個のシールポイントを有しながら動作し、最外周側で
シールポイントが形成された後密閉空間が形成され、外
周側から吸入したガスは密閉空間に閉じ込められ、その
後その密閉空間の体積が縮小していくので、ガスが圧縮
され中央部から吐出される。
【0022】上述したように構成した場合、複数形成さ
れる作動室9のうち最外室の閉じ込み容積(最外周側で
シールポイントが形成された直後の密閉空間の容積のこ
とをいう)を等しく設定すると、一定の基礎円半径を持
つ従来の伸開線からなる渦巻体を用いた場合に比べ、両
スクロ−ル1、2の外径を小さくできる。また、同程度
の外径に設定するとすると、一定の基礎円半径を持つ従
来の伸開線からなる渦巻体を用いた場合に比べ、渦巻の
巻数を増やすことができる。このとき、外周部ほど歯の
厚みが減少し、シール点の伸開角λに対する密閉空間の
閉じ込み容積を最小密閉空間の閉じ込み容積の比として
表した図8に示すように、伸開角λに対する容積変化率
を小さくすることができるので、よりなめらかな運転用
途に対応することができる。また、渦巻体に作用する隣
あう作動室9間の圧力差が大きな中心部の渦巻体の厚さ
を増すことができるので、渦巻体の強度向上や漏れ量の
低減をはかることができる。又、外周部については、渦
巻体の中央部ほど厚くする必要がないため、旋回スクロ
ールと固定スクロールの重量軽減をはかることができ
る。
【0023】次にf'(λ)>0の場合、すなわち、渦巻
が外側へ伸びるにつれて渦巻体2bの基礎円の半径が大
きくなる場合について、図7により説明する。この場合
もf'(λ)<0の場合について説明したと同様である
が、旋回スクロールと固定スクロールは、それぞれ複数
の点で接触し、かつ接点と基礎円とを結ぶ線分を共用す
ることができるが、渦巻体2bの厚さも渦巻が外側へ伸
びるにつれて大きくなるように設定されているので、渦
巻体2bの巻数を一定とすると、一定の基礎円半径を持
った従来の伸開線からなる場合に比べ、最外周の閉じ込
み容積と、最内室の閉じ込み容積との比(組込容積比)
が大きくなり、より圧力比の高い運転などの用途に適し
ている。この場合は、図8に示すように、伸開角λに対
する容積変化率は大きくなる。
【0024】以上述べたように、本実施例においては、
行程容積や組込容積比、渦巻体1b、2b、強度、性
能、信頼性、生産性などの目的と用途に応じて渦巻体1
b、2bの形状の最適化を図ることができる。また、旋
回スクロ−ル1び固定スクロ−ル2の渦巻体1b、2
b、を同じ加工プログラムで加工することができ、生産
性がよい。また、位相差πを有しているので、伸開角λ
に応じて半径が変る円の伸開線により渦巻体1b、2b
を形成しても、旋回スクロール1と固定スクロール2
は、それぞれ複数の点で接触し、かつ接点と基礎円とを
結ぶ線分を共用するように設定でき、両スクロール1、
2は、渦巻体1b、2bのそれぞれの側面に垂直な位置
にシールポイントを有するので、シ−ル性がよいスクロ
−ル流体機械を提供することができる。
【0025】以上説明したように、本実施例では、旋回
スクロ−ル1の外周側で固定スクロ−ル2に設けられた
吸入ポ−ト2c、固定スクロ−ル2の中央部に設けれら
れた吐出ポ−ト2dを有し、自転防止機構により固定ス
クロ−ル2に対して旋回スクロ−ル1を旋回運動させる
旋回式の圧縮機について説明したが、本実施例はこれに
限られるものではなく、例えば図6においてクランク角
φ=0°、270°、180°、90°で示すように、
旋回スクロ−ル52は、逆に旋回運動し、流体は吐出ポ
ート54から作動室3内に流入し、膨張して渦巻体の外
周側の吸入ポ−ト2cに吐き出されるように構成される
スクロ−ル形膨張機、スクロ−ル形真空ポンプ、両スク
ロール部材を所定の距離だけ偏心させ、それぞれ中心ま
わりに回転させる、いわゆる両回転式のスクロール流体
機械にも適用できることは言うまでもない。
【0026】次に、本発明の他の実施例を説明する。本
実施例のラップ形状は、伸開線の基礎円の半径aを伸開
角λの関数として表したとき、 a=f(λ) =as+Δaλ (8) と一次関数となる場合を示している。この場合、旋回ス
クロ−ルの外線の形状は 、 Xmo=f(λ)cosλ+{f(λ)λ+ 1/2(tO+Δaπλ)}sinλ Ymo=f(λ)sinλ−{f(λ)λ+ 1/2(tO+Δaπλ)}cosλ (9) で設定し、旋回スクロ−ルの内線の形状は、 Xmi=f(λ−π)cosλ+{f(λ−π)λ− 1/2(tO+Δaπ(λ−π))}sinλ Ymi=f(λ−π)sinλ−{f(λ−π)λ− 1/2(tO+Δaπ(λ−π))}cosλ (10) で設定している。
【0027】このように設定することにより、同一形状
の両スクロ−ルを180度位相をずらしてかみ合わせる
ことができ、この場合、両スクロ−ルの接点は、その接
点の巻角に対応した基礎円の接線上に形成され、本実施
例においても図1から図8により説明した実施例と同様
の効果を奏する。
【0028】本発明のさらに他の実施例を図9から図1
2により説明する。図9は、渦巻体の形状を示す平面
図、図10は、渦巻体の中心部の形状を示す平面図、図
11は、渦巻体を組み合わせた状態を示す平面図、図1
2は、エンドミル中心の軌跡を示す平面図である。
【0029】本実施例における渦巻体11、12の形状
は、渦巻体11、12の伸開角に応じて基礎円の半径が
変わる円の伸開線により形成される部分と、一定の半径
を有する円の伸開線であるインボリュ−ト曲線からなる
部分とにより形成されている。また、巻始め部分は、円
弧で形成されている。すなわち、例えば渦巻体12の外
周部は一定の半径を有する円の伸開線であるインボリュ
−ト曲線で形成されており、中心部は渦巻体12の伸開
角が大きくなるに従い基礎円の半径が増加する円の伸開
線により形成で形成されている。この場合の一例として
は、図10に示すように、渦巻体12の外側面12aは
点Hから点Iまで渦巻体の伸開角が大きくなるに従い基
礎円の半径が増加する円の伸開線からなり、点Iから外
側は一定の半径を有する円の伸開線であるインボリュ−
ト曲線で形成されているように構成されている。一方、
渦巻体12の内側面12bは、巻始め部から点Kまでは
円弧で形成され、点Kから点Lまでの範囲は、渦巻体1
2の伸開角が大きくなるに従い基礎円の半径が増加する
円の伸開線からなり、点Lから外側は一定の半径を有す
る円の伸開線であるインボリュ−ト曲線で形成されてい
るように構成されている。
【0030】渦巻体12の伸開角が大きくなるに従い基
礎円の半径が増加する円の伸開線の部分は、図2から図
6に示した実施例と同様に、渦巻体12の外側を表す伸
開線の基礎円の半径ao、渦巻体12の内側の形状12
bを表す伸開線の基礎円の半径をaiとしたとき、基礎
円の半径ao、基礎円の半径aiは、それぞれ数式5、数
式6で表すことができ、渦巻体12の内側の形状12b
を表す伸開線の基礎円の半径は、渦巻体12の外側の形
状12aを表す伸開線の基礎円の半径に対し、伸開角λ
に対しπだけ小さい値となるように形成されている。す
なわち、図9、図10に示す渦巻体12の形状におい
て、基礎円10の半径ao =f(λp)を共有する渦巻体
の外側の点Pの伸開角をλPとし、内側の点Qの伸開角
をλgとすると、数式7で表される関係となるように設
定されている。また、数式4で示されるf'(λ)はf'
(λ)>0に設定されている。
【0031】本実施例では、このような構成とすること
により、渦巻体12を形成する円の伸開線の基礎円の半
径が伸開角により変化する領域から一定の半径を有する
領域まで連続的に変化し、外周部の形状は変えず、渦巻
体12の中心部のラップ厚さを大きくとることができる
ので、渦巻体12の強度向上や漏れ量の低減を図ること
ができる。また、とじ込み容積比を変えることもできる
など、設計の自由度を増すことができる。
【0032】図11に示すように、渦巻体11、12が
組み合わされた状態で、作動室9が形成されるために
は、2つの渦巻体11、12が複数個の点で接触が可能
となるように形成される必要があるが、前述したように
渦巻体11、12の内側の伸開線11b、12bと外側
の伸開線11a,12aが伸開角λに関し位相差πを有
しているので、一対のスクロ−ルはそれぞれ複数の点で
接触し、かつ接点を基礎円とを結ぶ線分を共有するよう
に設定でき、両スクロ−ル部材は渦巻体11、12のそ
れぞれの側面に垂直な位置にシ−ルポイント(あるいは
接点)を有することができる。
【0033】このように構成されたスクロ−ル流体機械
においては、旋回運動を行うことにより、両スクロ−ル
が同時に複数個のシ−ルポイントを有しながら作動する
が、図10に示すように渦巻体12の巻始め部の形状
が、外側線凸部が半径rpの円弧からなり、内側線の凹
部が半径rqの円弧からなり、これらの円弧の半径と旋
回半径εとは、rp+ε=rqなる関係を満たすように渦
巻体の形状が形成されているので、一対の渦巻体11、
12は、巻始め部から互いにシ−ルポイントを有し、閉
じ込み容積比を大きくすることが可能となる。
【0034】本実施例の渦巻体12を加工するときのエ
ンドミルの軌跡の一例を図12により説明する。外周部
の一定半径の円の伸開線の部分は渦巻体12の母場が一
様の形成されているため、歯幅底面の加工を1度(必要
に応じて2度行ってもよいことはもちろんである。)で
終わらせることができる。これに対し、中心部の渦巻体
12が伸開線の伸開角に応じて半径が変わる円の伸開線
により形成される部分は、渦巻体12の歯溝幅が変わる
ため、歯底面の加工をする際は1度では加工できず、歯
幅の外側の部分と内側の部分の加工をそれぞれエンドミ
ル中心の軌跡を実線13aと破線13bで示すごとく2
度に分けて加工しなければならない。しかし、本実施例
によれば、渦巻体12の大部分は歯溝幅が一定であり、
2度に分けて加工しなければならないのは中心部のみに
限られるので、生産上簡単になる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、両
スクロール部材の渦巻体の形状を、渦巻体の一部あるい
は全体にわたり、渦巻きの中心部から外側に向かって、
両スクロール部材の渦巻体の溝幅が変化すると共に渦巻
体の歯厚が小さくなるように構成しているので、寸法的
な制約を受けても、用途に応じた容積変化の渦巻体を得
ることができるから、組込容積比や行程容積、渦巻体の
板厚などに対する設計自由度が増し、それぞれの用途に
応じた最適な形状のスクロール流体機械を得ることがで
きる。しかも、中心部から外側に向かって、渦巻体の歯
厚だけでなく、渦巻体の溝幅も変化させかつ渦巻体の
部あるいは全体の形状が、伸開角により半径が変化する
円の伸開線により形成され、外線と内線が伸開角に対す
る位相差を有する構成としているから、旋回スクロール
と固定スクロールをそれぞれ複数の点で接触させかつ接
点と基礎円とを結ぶ線分を共用するように設定でき、両
スクロール部材は、渦巻体のそれぞれの側面に垂直な位
置にシールポイントを有するように構成できる。したが
って、両スクロール部材を噛み合わせて形成される密閉
空間のシール性を向上させて性能の高いスクロール流体
機械を得ることができる。さらに、一方のスクロール部
材の背面に背面室を形成し、該背面室に吸入圧力より高
い圧力を作用させて他方のスクロール部材に押し付ける
ようにしたスクロール流体機械では、押圧されたスクロ
ール部材中心部付近の渦巻体の先端部と、他方のスクロ
ール部材の渦巻体の底面、或いは押圧されたスクロール
部材中心部付近の渦巻体の底面と、他方のスクロール部
材の渦巻体の先端部が強く接触し、かじりや焼き付きな
どの損傷を生じる虞があったが、本発明によれば渦巻体
の中心部側の歯厚が相対的に大きくなるから、接触部の
面圧を低下させることができる。この結果、かじりや焼
き付きなどの損傷を抑え、信頼性も高いスクロール流体
機械が得られるという効果ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すスクロ−ル圧縮機の縦
断面図である。
【図2】本実施例の円の伸開線(f'(λ)>0の場合)
を示す図である。
【図3】本実施例の円の伸開線(f'(λ)<0の場合)
を示す図である。
【図4】渦巻体の形状を示す平面図である。
【図5】一組の渦巻体の組成せ状態を示す平面図であ
る。
【図6】その作動原理を示すための平面図である。
【図7】渦巻体の形状を示す平面図である。
【図8】容積変化の関係を示す図である。
【図9】本発明のさらに他の実施例である渦巻体の形状
を示す平面図である。
【図10】渦巻体の中心部の形状を示す平面図である。
【図11】渦巻体を組み合わせた状態を示す平面図であ
る。
【図12】エンドミル中心の軌跡を示す平面図である。
【図13】従来のスクロール流体機械の作動原理を示す
平面図である。
【符号の説明】
1…固定スクロール、2…旋回スクロール、3…密閉空
間、4…吐出口、5…基礎円。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04C 18/02 311

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】台板上に形成された渦巻体を有する2つの
    スクロール部材を噛み合わせて形成される密閉空間を、
    一方のスクロール部材を他方のスクロール部材に対して
    相対的に旋回運動させることにより、拡大あるいは減少
    させ流体の膨張あるいは圧縮を行うようにしたスクロー
    ル流体機械において、 前記一方のスクロール部材の背面には背面室が形成さ
    れ、該背面室には吸入圧力より高い圧力を作用させて前
    記他方のスクロール部材に押し付けるようにし、 前記噛み合わせる両スクロール部材の渦巻体の形状が、
    渦巻体の一部あるいは全体にわたり、渦巻きの中心部か
    ら外側に向かって、両スクロール部材の渦巻体の溝幅が
    変化すると共に渦巻体の歯厚が小さくなるように構成
    し、かつ前記渦巻体の一部あるいは全体の形状が、伸開
    角により半径が変化する円の伸開線により形成され、
    線と内線が伸開角に対位相差を有することを特徴とす
    るスクロール流体機械。
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