JPH0629970Y2

JPH0629970Y2 - 両軸受リール

Info

Publication number: JPH0629970Y2
Application number: JP54891U
Authority: JP
Inventors: 誠治明上; 純佐藤
Original assignee: Shimano Inc
Current assignee: Shimano Inc
Priority date: 1991-01-11
Filing date: 1991-01-11
Publication date: 1994-08-17
Anticipated expiration: 1998-07-22
Also published as: JPH03122667U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は魚釣りに使用する両軸受
リール、詳しくは、１対のサイドフレームをもったリー
ルボディのサイドフレーム間に、サムレストを架設した
両軸受リールに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、此種両軸受リールは、リールボデ
ィにおける両サイドフレームの前部にレベルワインドを
もつレベルワインド機構を設けると共に、このレベルワ
インドよりも後方で、前記サイドフレームの上部間にサ
ムレストを固定し、前記サイドフレームの一方側を片手
でホールドするとき、このホールドする手の親指を前記
サムレストに載せて前記サイドフレームをホールドでき
るようにしている。

【０００３】ところが、キャスティングの終期に、釣糸
の繰出し速度が低下しても、釣糸を巻装したスプールの
回転が追随して該スプールの回転が低下しないことによ
り、スプール周りに多数の巻状の釣糸が膨出してからみ
合う、所謂バックラッシュが生じた場合、前記サムレス
トは固定されているため、斯くからみ合った釣糸をほぐ
すのに、前記サムレストが邪魔になって迅速に処理でき
なかったのであり、また、リールボディの前部に設けた
レベルワインド機構のレベルワインドに釣糸を通す作業
が困難な問題があった。しかも、以上の問題は、手の大
きさを問わず親指を載せ易くすべくサムレストを前後方
向に広幅状に形成すればする程一層顕著となり、そのた
め、サムレストを狭幅状に形成するしかなく、従って、
親指によるホールド作業を良好に行えない問題があっ
た。

【０００４】又一方、実開昭５８−５２９６５号公報に
示されているように、サムレストを、サイドフレーム間
に架設する支柱に着脱可能に取付けるようにしたものも
提案されているが、この従来のリールによると、バック
ラッシュにより釣糸がからみ合った場合、この釣糸のか
らみを容易にほぐすためには、前記サムレストを支柱に
対し着脱する必要があるので、その作業が繁雑となる問
題がある。

【０００５】本考案は以上の点に鑑み考案したもので、
目的は、リールボディにおけるサイドフレームの一方を
ホールドする手の親指をサムレストに安定よく載せるこ
とができて、リールボディを安定よく確実にホールドで
きながら、バックラッシュが生じた場合における釣糸の
からみを容易にほぐすことができると共に、レベルワイ
ンドへの挿通も容易に行なうことができるようにする点
にある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】しかして、本考案は１対
のサイドフレーム１１、１２をもったリールボディ１の
サイドフレーム１１、１２間における前部にレベルワイ
ンド４をもつレベルワインド機構を設けた両軸受リール
であって、サイドフレーム１１、１２間に跨がる指載面
６ａをもつ広幅状としたサムレスト６を形成して、該サ
ムレスト６を前記サイドフレーム１１、１２に、サイド
フレーム１１、１２の外周面に沿う第１位置と、サイド
フレーム１１、１２の上部外方に起立する第２位置とに
亘って回動自由に枢支すると共に、前記サムレスト６を
前記第１位置で保持する保持手段７を設けたのである。

【０００７】

【作用】リールボディにおけるサイドフレームの一方を
ホールドして例えばキャスティングする場合、このホー
ルドする手の親指を、広幅状のサムレストに安定よく載
せることができ、リールボディを安定よく確実にホール
ドできるのである。又、バックラッシュが生じた場合、
前記サムレストの保持手段による保持を解除して、該サ
ムレストを第１位置から第２位置に起立させることによ
り、リールボディにおけるサイドフレーム間を大きく開
放でき、従って、前記バックラッシュによる釣糸のから
みを容易にほぐすことができるのであり、又、前記サム
レストを第２位置に起立させて釣糸のレベルワインドへ
の挿通も容易にできるのである。

【０００８】

【実施例】図１、図２に示したものは、本考案リールを
釣竿Ａに取付けた状態を示すもので、図１、図２におい
て、１は一対のサイドフレーム１１、１２をもつたリー
ルボディであり、該リールボディ１における一方のサイ
ドフレーム１１の外側にハンドル２を回転自由に設ける
と共に、両サイドフレーム１１、１２の間において、ス
プール３を回転自由に枢支し、かつ該スプール３の前方
部位にレベルワインド４をもったレベルワインド機構を
設けて、前記レベルワインド４をスプール３の軸方向に
往復動自由とし、前記ハンドル２を釣糸の巻取方向に回
転操作することにより、前記スプール３を駆動させると
共に、前記レベルワインド４を往復作動させて、釣糸Ｂ
を、このレベルワインド４を介してスプール３に巻取る
ようにしている。

【０００９】また、５は前記サイドフレーム１１の上部
後方に配設され、押操作により前記スプール３とハンド
ル２との連結を外してスプール３をフリー回転可能な状
態と成すクラッチ操作ボタンで、前記ハンドル２の釣糸
巻取方向への回転操作により戻り動作してスプール３と
ハンドル２とが連結されるようになっており、キャステ
ィング時には、この操作ボタン５を押操作した指を、ス
プール３に巻装した釣糸の糸巻装部上に移動させて、該
糸巻装部外周を押さえてキャスティングするのである。

【００１０】そして、前記リールボディ１のサイドフレ
ーム１１、１２間の上部であって、これらサイドフレー
ムの一方側を抱持状にホールドするとき、このホールド
する手の親指が位置する部位にサムレスト６を設けるの
である。

【００１１】しかして、本考案は、前記サムレスト６を
広幅状に形成して、このサムレスト６を前記サイドフレ
ーム１１、１２間の外周面に沿う第１位置（図１の位
置）と、サイドフレーム１１、１２の半径方向外方に起
立する第２位置（図２の位置）とに亘って回動自由に枢
支すると共に、前記サムレスト６を前記第１位置で保持
する保持手段７を設けたのである。

【００１２】前記サムレスト６の第１位置は、図１のご
とく前記レベルワインド４と前記クラッチ操作ボタン５
の中間部位とし、該部位において、前記各サイドフレー
ム１１、１２の外周方向に広幅状に形成すると共に、幅
方向後側をサイドフレーム１１、１２に枢支して、前記
第１位置と、図２のごとくサイドフレーム１１、１２の
上方に起立する第２位置とに亘って回動可能に成したの
である。

【００１３】そして、このサムレスト６は、サイドフレ
ーム１１、１２に枢支する際、図３〜図４のごとく長さ
方向に貫通する枢支用貫通孔６１を設けて、該貫通孔６
１に枢支軸６２を挿通し、この枢支軸６２を介してサイ
ドフレーム１１、１２に取付けるのである。尚、図５の
ごとく前記貫通孔６１の径方向一側に切欠部６３を全長
に亘って形成して、前記貫通孔６１を、前記切欠部６３
から前記枢支軸６２に着脱自由に取付けるこどくしても
よく、さらには、図示していないが、サムレスト６の長
さ方向両側に枢支用突起を一体に突設して、特別の枢支
軸６２を用いずにサイドフレーム１１、１２に取付ける
ごとくしてもよい。

【００１４】また、このサムレスト６は、透明材料によ
り形成して、釣糸が繰り出される様子や、巻き上がって
くる様子を透視可能とし、釣糸トラブルの発生を未然に
防止すべく成すのが好ましい。

【００１５】また、前記保持手段７は、図３のごとく前
記サムレスト６の遊端部両側に保持用突起７１を突設す
ると共に、サイドフレーム１１、１２の対向壁部の上縁
に、この突起７１を着脱自由に係止させる係止溝７２を
設けるのであり、また前記突起７１及び係止溝７２を、
図４のごとくサムレスト６の幅方向に長い目に形成して
もよい。

【００１６】尚、８はスプール３を逆回転阻止状態と逆
回転を許す状態とに切換える操作ボタンである。

【００１７】本考案は以上のごとく構成するもので、前
記リールボディ１をホールドする場合には、前記サムレ
スト６を図１のごとくサイドフレーム１１、１２の外周
面に沿う第１位置に倒し、この状態を保持手段７により
保持させて、リールボディ１をホールドする手の親指を
サムレスト（６）の指載面（６ａ）に載せるのである。
しかして、このサムレスト（６）は広幅状に形成してい
るため、何人でもリールボディ１を安定よく確実にホー
ルドできるのである。

【００１８】それでいて、バックラッシュ時のごとくス
プール３の外周りで、釣糸Ｂがからみ合った場合には、
前記サムレスト６を図２のごとく前記第２位置に起立さ
せるのであって、斯くすることにより、サムレスト６が
サイドフレーム１１、１２の外周面に沿って狭幅状に存
在することになり、かつレベルワインド４から大幅に離
間することになるので、スプール３の外周りでからみ合
った釣糸を簡単に正常状態に処理できるのである。

【００１９】また、釣糸Ｂをレベルワインド４に通す場
合にも、前記サムレスト６を第２位置に起立させること
により、前記釣糸がからみ合った場合と同様に簡単に糸
通し作業を行い得るのである。

【００２０】また、前記サムレスト６を透明にすること
により釣糸の動きを透視でき、釣糸のバックラッシュな
どトラブルの発生を防止できるし、また前記サムレスト
６を図５のごとくリールボディ１に対し着脱自由と成す
ことにより、釣糸のトラブル時、サムレスト６をリール
ボディ１から離脱でき、トラブル処理を一層簡単にでき
るのである。

【００２１】尚、以上の説明では、前記サムレスト６
は、サイドフレーム１１、１２間において幅方向の後側
を枢支して、前側を開閉すべくしたが、逆に幅方向の前
側を枢支して後側を開閉すべくしてもよい。

【００２２】

【考案の効果】以上のごとく本考案は、サイドフレーム
間に跨がる指載面をもつサムレストを広幅状とした広幅
状としたサムレストを形成して、該サムレストを前記サ
イドフレームに、サイドフレームの外周面に沿う第１位
置と、サイドフレームの上部外方に起立する第２位置と
に亘って回動自由に枢支すると共に、前記サムレストを
前記第１位置で保持する保持手段を設けたから、何人で
もリールボディをホールドする手の親指を、第１位置に
保持した広幅状サムレストの指載面に安定よく載せるこ
とができて、リールボディを安定よく確実にホールドで
きながら、前記サムレストは、前記第１位置に固定する
のでなく、該第１位置から半径方向外方に起立する第２
位置に起立できるのであるから、バックラッシュにより
スプールの外周りでからみ合った釣糸を前記サムレスト
に邪魔されることなく容易にほぐすことができるのであ
り、また、スプールから引出す釣糸のレベルワインドへ
の挿通も前記サムレストに邪魔されることなく容易にで
きるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案リールを釣竿に取付けてサムレストを第
１位置に位置させた状態を示す斜視図である。

【図２】図１のサムレストを第２位置に位置させた状態
を示す斜視図である。

【図３】サムレストと保持手段との関係を示す説明図で
ある。

【図４】サムレストと保持手段との関係を示す別の説明
図である。

【図５】サムレストと保持手段との関係を示す更に別の
説明図である。

【符号の説明】

１リールボディ１１、１２サイドフレーム４レベルワインド６サムレスト６ａ指載面

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】１対のサイドフレーム１１、１２をもった
リールボディ１のサイドフレーム１１、１２間における
前部にレベルワインド４をもつレベルワインド機構を設
けた両軸受リールであって、サイドフレーム１１、１２
間に跨がる指載面６ａをもつ広幅状としたサムレスト６
を形成して、該サムレスト６を前記サイドフレーム１
１、１２に、サイドフレーム１１、１２の外周面に沿う
第１位置と、サイドフレーム１１、１２の上部外方に起
立する第２位置とに亘って回動自由に枢支すると共に、
前記サムレスト６を前記第１位置で保持する保持手段７
を設けたことを特徴とする両軸受リール。