JPH06299243A - ストリップ状超高珪素電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

ストリップ状超高珪素電磁鋼板の製造方法

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JPH06299243A
JPH06299243A JP5088889A JP8888993A JPH06299243A JP H06299243 A JPH06299243 A JP H06299243A JP 5088889 A JP5088889 A JP 5088889A JP 8888993 A JP8888993 A JP 8888993A JP H06299243 A JPH06299243 A JP H06299243A
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ultra
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康信 宮崎
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昌弘 小原
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亨 斉藤
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修司 北原
Yozo Suga
洋三 菅
Toshiya Kuroki
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    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • B23K2103/00Materials to be soldered, welded or cut
    • B23K2103/02Iron or ferrous alloys
    • B23K2103/04Steel or steel alloys

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、室温では極めて脆い超高珪素電磁
鋼板をストリップ状で製造する方法を提供する。 【構成】 重量比でSi:4.3〜7.1%を含有する
熱間圧延板および鋳造薄板の両端にリーダーストリップ
を175℃以上600℃以下の予熱温度に昇温し、溶接
後も同温度に一定時間保定し、保定後の冷却速度を管理
することによって溶接し、ストリップ端部をレーザまた
はウォータージェットを用いて耳切りを行い、温間圧延
することによって、ストリップ状超高珪素電磁鋼板を安
定的に製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軟磁性材料として電気
機器の鉄芯に用いられる超高珪素電磁鋼板を効率的に、
かつ安定して製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】Siを含有する鋼板は優れた軟磁気特性
を有するため、電力変圧器あるいは回転機の鉄芯として
用いられている。この種軟磁性材料においては、Si含
有量が増加すると鉄損特性が向上する(鉄損値が低くな
る)。特に、Si含有量:6.5%近傍では鉄損特性が
良好である上に磁歪が零に近づくところから、透磁率も
一段と向上し、従来にない新しい機能をもつ磁性材料と
なり得る。
【0003】近年、省エネルギーを目的として、鉄損値
が低く、かつ電気機器の多様な磁気特性上の要求を満足
せしめ得る新しい磁性材料として、Siを6.5%ある
いはその近傍含有する超高珪素鋼が見直され始めた。し
かしながら、超高珪素鋼板は極めて脆いために工業的に
量産する上で多くの問題があり、未だ実用されるに至っ
ていない。
【0004】超高珪素電磁鋼板を工業的に量産する上で
の第1の技術的問題は、超高珪素電磁鋼ストリップを各
種処理ラインに走行させる場合に、ストリップが折れた
り、割れが発生するという問題である。
【0005】従来、電磁鋼板の工業的量産は、熱間圧延
板あるいは鋳造薄帯を製造工程における各工程、例えば
酸洗ライン、冷間圧延機、脱脂ライン、焼鈍ライン、絶
縁皮膜コーティングラインといった一連の処理ラインを
通板させることによってなされる。これら処理ラインの
通板能力、構成は極限まで生産効率を高くするように設
計されている。従って超高珪素鋼板もこれら処理ライン
に通板することができてはじめて工業的量産が可能とな
る。
【0006】ところで、これら処理ラインには、ストリ
ップに曲げが加えられる箇所が多数存在し、これら曲げ
部においてストリップに曲げ応力が発生する。超高珪素
電磁鋼板は室温での伸びが0.5%程度しかなく、前記
曲げが加えられる箇所で折れたり、割れが発生して処理
ラインを通板することが極めて困難である。従って、超
高珪素鋼の熱間圧延板あるいは鋳造薄板は、通常ライン
では酸洗すらできない。
【0007】また、よしんば何らかの方法で超高珪素電
磁鋼板を酸洗したとしても、上述のように超高珪素の室
温での伸びが低いことから、圧延する際にテンションリ
ールに取り付けることができない。このため、テンショ
ンリールへの取り付け方法については特公昭63−22
0902号公報において、加工性に優れた金属材からな
るリーダーストリップを超高珪素鋼板の両端部に接続
し、このリーダーストリップをテンションリールに取り
付ける方法が提案されている。
【0008】この発明によれば、超高珪素鋼板は溶接が
できないことから、リーダーストリップと超高珪素鋼板
ストリップの間に連結板を介して締結接続するとしてい
る。しかし、この発明に開示されている接続方法ではリ
ーダーストリップと超高珪素鋼板ストリップとの接続部
に板厚の厚いところが生じてしまう。このため、テンシ
ョンリールに巻き付けると板厚の違う接続部のところで
超高珪素鋼板に不必要な曲げ応力がかかり、圧延中に超
高珪素鋼が接続部のところで折れ、場合によっては割れ
てしまうという問題があった。
【0009】さらに圧延できた超高珪素電磁鋼ストリッ
プを、焼鈍、絶縁皮膜コーティングラインに通板する
際、ストリップに曲げが加えられる箇所において、板厚
の違っている接続部で超高珪素鋼板に過大な曲げ応力が
加わり、超高珪素鋼が折れたり、割れたりしてしまうと
いう問題が生じた。
【0010】超高珪素鋼板をストリップの状態で処理
し、工業的量産を行う上での第2の技術的問題点は超高
珪素鋼板を熱間あるいは冷間圧延する時に発生する材料
(ストリップ)破断あるいは耳荒れと呼ばれるストリッ
プエッジクラックである。重量比で3%程度の珪素を含
有し、現在量産されている電磁鋼板でも熱間圧延によっ
てエッジクラックが生じるが、このような熱延板をその
まま冷間圧延するとエッジクラックが進展し、ストリッ
プ破断を引き起こしてしまう。このため、熱延後の状態
でエッジクラックを引き起こしているストリップエッジ
を丸刃により切断(耳切り)することが行われている。
しかしながら、超高珪素電磁鋼板は冷間での加工性が劣
るため、この方法によって耳切りを行うと、かえってス
トリップエッジに割れを生じてしまう。
【0011】ところで、現在量産されている珪素電磁鋼
板においても冷間での加工性が比較的劣るものについて
は切断前に切断部をバーナー等を用いて昇温する方法が
用いられることがある。しかしながら、超高珪素電磁鋼
板にこの方法を適用しようとすると、クラック発生を防
止できる温度が高くなってしまい、このため丸刃の寿命
を著しく短くし、丸刃交換の頻度が高くなって生産性が
低下してしまうという問題があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は極めて脆い超
高珪素電磁鋼板を圧延可能とならしめることにより、各
種処理ラインを通板可能とし、もって工業的量産を可能
とする方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は次の通り
である。第1の発明は重量比で C ≦0.006%、Si:4.3〜7.1%、S ≦
0.007%、total N≦0.0035%、残部:Fe
および不可避的不純物 からなる熱間圧延板あるいは鋳造薄板の両端部に、表面
酸化物(スケール)が付着したままの状態で、超高珪素
鋼溶接部近傍を175℃以上600℃以下の予熱温度に
昇温してリーダーストリップを溶接して接続し、溶接後
は予熱温度近傍温度で0.5分以上10分以下保定し、
保定後の冷却速度を0.1℃/SEC以上100℃/SEC以下
の範囲内において保定時間が下限に近づくにつれて冷却
速度が遅くなるように保定時間と冷却速度を調整して冷
却後得られたストリップの側端部をレーザ切断(耳切
り)した後、スケールが付着したままの状態で温間圧延
することを特徴とするストリップ状超高珪素電磁鋼板の
製造方法であり、第2の発明は、第1の発明において、
ストリップの側端部の切断をレーザ切断に代えて、ウォ
ータージェット切断(耳切り)とすることを特徴とする
ストリップ状超高珪素電磁鋼板の製造方法である。
【0014】以下本発明を詳細に説明する。極めて脆い
超高珪素鋼板を、工業的に量産するに際して解決しなけ
ればならない第1の技術課題は、ストリップに折れ、割
れを生起せしめることなく、各種処理ラインを通板させ
ることである。第2の技術課題は、冷間圧延において材
料(ストリップ)に破断を生ぜしめないことである。
【0015】上記に記載した従来技術の種々の問題点を
一挙に解決する方法として、発明者らは超高珪素鋼から
なる熱間圧延板を直接的に温間圧延し、板厚を薄くした
後、酸洗ライン等種々の処理ラインに通板させることを
考えた。
【0016】そこで先ず、発明者らは、表面にスケール
が付着したままの超高珪素鋼熱間圧延板に、この熱延板
と同程度の板厚のリーダーストリップを、突き合わせ溶
接することを試みた。ところが、超高珪素電磁鋼板の溶
接部には、冷却途中に低温で横割れが発生してしまい、
通常の溶接方法では超高珪素電磁鋼板にリーダーストリ
ップを接続することはできなかった。
【0017】発明者らは、検討を重ね、超高珪素鋼溶接
部近傍を175℃以上600℃以下の予熱温度に昇温し
てリーダーストリップを溶接し、溶接後は予熱温度近傍
温度に0.5分以上10分以下保定し、保定後の冷却速
度は0.1℃/SEC以上100℃/SEC以下の範囲におい
て、保定時間が長くなるほど冷却速度を速くすることに
よって、溶接部の割れ発生を防ぐことができることを確
認した。
【0018】以下、この知見について、詳細に説明す
る。フェライト単相である超高珪素鋼板の室温での伸び
は少ないが、予め伸びが十分期待できる靭性遷移温度以
上に加熱しておけば、溶接による局所入熱と引き続いて
起こる溶融金属の凝固、収縮にともなう応力が生じて
も、鋼材は割れることなく溶接できると期待できる。靭
性遷移温度はSi:4〜7.1重量%鋼で約150℃で
あることから、150℃以上の予熱が必要であると考え
られる。実験によると、必要な最低予熱温度はSi:
4.3〜7.1重量%鋼において175℃であった。
【0019】この時、600℃を超える予熱を行うと、
不経済であるばかりか、結晶粒の成長が起こり溶接部の
機械的性質が劣化してしまうことから、予熱温度は60
0℃以下とする。しかし、この予熱のみによっては冷却
途中、低温で発生する横割れを防ぐことはできなかっ
た。
【0020】そこで、さらに検討を重ねた結果、溶接後
も予熱温度近傍温度に保定し、保定終了後の冷却速度を
管理して接続工程を完了することで、溶接部の割れ発生
を防止することができた。この保定および保定終了後の
冷却速度の管理が、割れ発生防止に有効である理由につ
いては、未だ明らかではなく、以下例をもって説明する
こととする。
【0021】表1は200℃に予熱して照射出力4kW、
溶接速度4m/minでレーザ溶接を行った後、冷却速度を
変化させた時の溶接部品質を示したものである。供試材
としたのは、重量比で、Si:6.23%、C:0.0
03%、Mn:0.17%、P:0.005%、S:
0.001%、total N:0.0015%、残部実質的
にFeからなる2mm厚さのスケール付き熱延鋼板であ
る。
【0022】
【表1】
【0023】保定時間1分では冷却速度を0.5℃/SEC
以下、同5分では同10℃/SEC以下、同10分では同1
00℃/SEC以下で割れ発生を防止することができた。表
1より、保定時間が長くなれば、冷却速度を速くするこ
とができることが分かる。ところで、保定時間1分の
時、保定終了後の冷却速度を0.1℃/SECより遅くする
ことは、時間がかかりすぎて不経済となるばかりであ
り、また保定時間として10分以上は無意味である。
【0024】ところで、割れ発生を防止するために必要
な保定時間が0.5分以上と長いことから、保定は溶接
部の温度分布を均一にするためにのみ必要なものではな
く、冶金的反応を生じさせるために有効である。実際、
レーザ溶接ではレーザ照射終了後1分程度で、溶接部の
温度分布は均一なものになっている。
【0025】また、従来、溶接しなければならない箇所
のスケールは、ブローホール等の溶接欠陥を発生させる
原因であることから、溶接に際してはこのスケールを除
去することが必要であるとされてきた。しかし、超高珪
素鋼板では、スケールが溶接欠陥を発生させることはな
かった。
【0026】また、保定温度は150℃を下回らなけれ
ば、必ずしも予熱温度と厳密に同一である必要はなく、
保定温度を予熱温度より極度に高くしたり、低くするこ
とによっても略同様な効果が得られる。しかし、保定温
度を予熱温度より極度に高くしたり、低くするためには
相当な加熱装置あるいは冷却装置が必要となり、不経済
となることから保定温度は予熱温度近傍の温度に設定す
ることが望ましい。
【0027】さらに、この結果は溶接方法によらず、プ
ラズマ溶接、TIG溶接、MIG溶接においても略同様
の結果を得ている。上記溶接方法により超高珪素電磁鋼
板にリーダーストリップを接続した後、温間圧延を行う
ためには、熱間圧延により耳荒れを起こした超高珪素電
磁鋼板ストリップエッジを整える必要がある。
【0028】そこで、従来技術のところで記したよう
に、丸刃による切断を試みたところ、10m程度切断を
続けたところで、圧延に耐え得ない切断面となってしま
った。これは、超高珪素鋼板表面のスケールが研磨材と
して働き、丸刃の寿命を著しく短くしたことによると考
えられる。すなわち、丸刃による耳切りは通常酸洗後に
行われるが、本発明が対象としているスケール付き鋼板
では工業的に丸刃による耳切りが実行できないことが明
らかとなった。発明者らは検討を重ねた結果、レーザ切
断あるいはウォータージェット切断により、圧延に耐え
得る耳切り切断品質が得られることを明らかとした。
【0029】以下、この知見について、詳細に説明す
る。特開昭55−70492号公報に示されているよう
に、珪素鋼板のレーザ切断では切断溝下部にスラグある
いはドロスが残り易い。上記特許では、レーザガスと同
軸に切断ガスを流すとともに、切断部の後方より同様の
ガスを流すとしている。ここではレーザ光と同軸に流す
ガスの供給圧力を高めに設定することによりドロス付着
を回避した。表2にレーザ照射出力1.5kW、切断速度
1m/minで切断を行った時のドロス付着状況を示す。こ
の時、切断ノズル穴径は1.5mmφで、ノズルと鋼板間
のギャップは1mmとした。切断ガスとしては酸素より窒
素の方が、ドロスが付着せず切断できる条件範囲が広い
ことが分かる。
【0030】
【表2】
【0031】ところで、切断時のドロス付着が多いと、
圧延時にストリップに破断が生じたり、また剥離したド
ロスが圧延油に混入したり、圧延ロールに付着したりし
て、圧延材表面に傷を発生するという問題が生じたこと
から、レーザ切断においてはドロス付着のないことが耳
切り切断には必要な条件である。
【0032】また、ウォータージェットを用いて一定厚
みの鋼板を切断する場合、切断速度が速すぎると切断面
下面にトラグライン(ウォータージェット切断特有の周
期的な起伏)が発生して、切断面の平滑度が悪くなる。
切断速度を遅くしていくと、平滑な切断面が得られるよ
うになるが、切断速度が遅すぎると下面の切断幅が上面
の切断幅より広くなってしまう。そして上下の切断幅が
等しくかつ平滑な切断面を得ることができる最適な切断
速度が存在することを明らかとした。
【0033】すなわち、表3に示すように、板厚1.8
mmの超高珪素電磁鋼板をウォータージェット切断する切
断速度を限界切断速度(与えられた鋼板を切断できる最
大の切断速度)の5〜15%とすることで、板厚方向上
下面の切断幅が等しくなり、かつ良好な切断面形状を得
ることができた。さらにこのような切断条件を選ぶこと
によってのみ、圧延においてストリップ破断を防ぐこと
ができた。
【0034】
【表3】
【0035】次に、表面にスケールが付着した状態での
超高珪素鋼の温間圧延について詳細に説明する。通常、
珪素鋼製造プロセスでは、熱間圧延板は酸洗によって表
面のスケールを除去された後冷間圧延される。従来の知
見によれば、例えば特公昭59−289、特公昭60−
40921号公報に開示されているように、表面にスケ
ールが付着している熱間圧延板を直接冷間圧延すると、
スケールが破砕、剥離して問題となり、これまで工業的
量産規模でかかる圧延は行われてこなかった。
【0036】発明者らは超高珪素ストリップを150〜
450℃の温度域で圧延すると、熱間圧延表面のスケー
ルが全く剥離することなく圧延できるという画期的な現
象を発見した。重量比で、Si:6.52%、C:0.
003%、Mn:0.16%、P:0.005%、S:
0.001%、total N:0.0013%、残部:実質
的にFeよりなる50kg鋼塊を、1200℃に加熱した
後800℃で仕上げ熱間圧延を開始し、6パスで2.3
mm厚さとした。圧延仕上げ温度は690℃であった。
【0037】このコイルについて、表面酸化物(スケー
ル)が付着したままで材料温度:1)室温(約23
℃)、2)150℃、3)270℃、4)440℃で圧
延した。この時の材料(ストリップ)の割れ状況と表面
酸化物(スケール)の剥離程度を表4に示す。
【0038】
【表4】
【0039】室温で圧延したものは表面酸化物(スケー
ル)の破砕、剥離が甚だしく、剥離したスケールが圧延
油に混入したり、圧延ロールに付着したりして、圧延材
表面に傷が発生する等の問題を生じた。圧延温度を15
0℃,270℃,440℃と高めていくと、表面酸化物
(スケール)の破砕、剥離は全くなくなり、圧延は順調
に行われた。
【0040】以上のように、通常行われている程度の温
度域の150〜450℃で圧延を行えば、表面酸化物
(スケール)付き状態でもスケール剥離なく、温間圧延
できた。この時、リーダーストリップを前記手順により
接続し、これを用いてストリップをテンションリールに
巻き取って圧延を行ったが、溶接方法としてレーザ溶接
およびプラズマ溶接を用いた時は溶接部を含めて圧延で
き、歩留まりを高くする上で有効であった。
【0041】ところで、従来の一般的なストリップ処理
設備においては、ストリップの曲げ部の直径は、多くの
場合200mm程度である。このような設備に超高珪素電
磁鋼板ストリップを通板できるかどうかは、鋼板の厚さ
に依存すると考えられる。そこで、上記温間圧延方法に
より得られた0.5mm厚のストリップについて、室温で
割れが発生するまでの曲げ回数に及ぼす曲げ直径の影響
を調べた。比較のために、仕上げ熱間圧延ままの2.0
mm厚熱延鋼板と、温間圧延により1.2mm厚まで温間圧
延された鋼板についても、同様の調査を行った。
【0042】表5にその結果を示す。表5より0.5mm
厚まで冷間圧延された超高珪素電磁鋼板は、従来のスト
リップ処理設備に通板できる十分な機械的特性を有して
いることが分かる。
【0043】
【表5】
【0044】また、本発明によれば超高珪素鋼板ストリ
ップの両端部にリーダーストリップが接続されているの
で、従来のストリップ処理設備に通板する際、リーダー
ストリップを他鋼板と簡便に溶接できるので便利であ
る。すなわち、本発明を用いれば超高珪素鋼板をストリ
ップ状態で圧延することが可能となり、板厚が薄くでき
るので酸洗等各種処理ラインに通板することができるよ
うになる。
【0045】
【実施例】
(実施例1)重量比で、Si:6.51%、C:0.0
04%、Mn:0.16%、P:0.005%、S:
0.001%、total N:0.0013%、残部:実質
的にFeよりなる5000kg鋼塊を、1200℃に加熱
した後1090℃で仕上げ熱間圧延を開始し、6パスで
1.8mm厚さのストリップとした。圧延仕上げ温度は9
70℃であった。
【0046】このストリップの両端に重量比で、Si:
3.2%を含む1.8mm厚のリーダーストリップを突き
合わせてレーザ溶接した。レーザ発振器には炭酸ガスレ
ーザ発振器を用いた。この時、突き合わせ端面は照射出
力1.5kW、切断速度1m/min、切断ガスとして窒素を
用いたレーザ切断により形成した。
【0047】溶接に際しては被溶接部を予め200℃に
加熱し、同温度に保った上で、照射出力1.8kW、溶接
速度1m/minでレーザ突き合わせ溶接を行った。溶接後
も200℃に5分間保定し、保定終了後は放冷すること
により冷却速度2℃/SECで冷却して接続工程を完了し
た。
【0048】このようにリーダーストリップを接続した
状態で、照射出力1.5kW、切断速度1m/min、切断ガ
スとして窒素を用いてストリップエッジをエッジより1
0mmの位置でレーザ切断した。この状態で、リーダース
トリップを利用してストリップをテンションリールに巻
き取り、板温度200℃でスケール付きのまま、リーダ
ーストリップとの接続部を含めて0.325mm厚まで圧
延した。その後、全長約70mの長大酸洗ラインを通
し、さらに全長約100mの焼鈍ラインで、820℃×
30SEC の焼鈍を行った。
【0049】さらに#1000砥石で研磨した圧延ロー
ルを用いて室温(約25℃)にて0.30mm厚まで圧延
を行い、脱脂ラインに通板し、クロム酸系の絶縁皮膜コ
ーティングを行った。圧延、酸洗、焼鈍、コーティング
の各ライン通板において割れがない成品が得られた。こ
の電磁鋼板の磁気特性はB8 =1.36T、W10/50
0.69w/kg、W10/400=9.8w/kgであり、占有率も
良好であった。なお、最終焼鈍後の表面のRa =0.8
μm、Rmax =8.0μmであった。
【0050】(実施例2)重量比で、Si:6.53
%、C:0.003%、Mn:0.17%、P:0.0
04%、S:0.001%、total N:0.0013
%、残部:実質的にFeよりなる5000kg鋼塊を、1
200℃に加熱した後1100℃で仕上げ熱間圧延を開
始し、6パスで1.8mm厚さのストリップとした。圧延
仕上げ温度は980℃であった。
【0051】このストリップの両端に重量比で、Si:
3%を含む1.8mm厚のリーダーストリップを突き合わ
せてプラズマ溶接した。プラズマ溶接条件は溶接電流2
00Amp 、ノズル穴径2mmφ、ノズル鋼板間距離(スタ
ンドオフ)1mm、溶接速度1m/minである。この時、突
き合わせ端面は熱間でシャー切断することにより形成し
た。また、溶接に際しては被溶接部を予め200℃に加
熱し、同温度に保った上で、プラズマ溶接した後、20
0℃に5分間保定し、保定終了後は放冷することにより
冷却速度2℃/SECで冷却して接続工程を完了した。
【0052】このようにリーダーストリップを接続した
状態で、水圧力3000kgf/cm2 、ノズル径1.2mm、
ノズル間距離2mm、切断速度3m/minの切断条件におい
て、ストリップエッジをエッジより10mmの位置でウォ
ータージェット切断した。この時、研磨材として#60
のガーネットサンドを用いた。
【0053】この状態で、リーダーストリップを利用し
てストリップをテンションリールに巻き取り、板温度2
00℃でスケール付きのまま、リーダーストリップとの
接続部を含めて0.325mm厚まで圧延した。その後、
全長約70mの長大酸洗ラインを通し、さらに全長約1
00mの焼鈍ラインで、820℃×30SEC の焼鈍を行
った。
【0054】さらに#1000砥石で研磨した圧延ロー
ルを用いて室温(約25℃)にて0.30mm厚まで圧延
を行い、脱脂ラインに通板し、クロム酸系の絶縁皮膜コ
ーティングを行った。圧延、酸洗、焼鈍、コーティング
の各ライン通板において割れがない成品が得られた。こ
の電磁鋼板の磁気特性はB8 =1.35T、W10/50
0.68w/kg、W10/400=9.8w/kgであり、占有率も
良好であった。なお、最終焼鈍後の表面のRa =0.8
μm、Rmax =8.0μmであった。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、極めて脆く、冷間圧延
における材料割れ、処理ラインに通板する時の曲げ部に
おける材料折損、割れを惹起するために工業的に量産が
困難であった超高珪素電磁鋼板を、ストリップ状態で温
間圧延し、従来、電磁鋼板製造のために一般的に用いら
れている処理ラインで、曲げ部における材料折損、割れ
を惹起することなく、工業的に量産することができるの
で、本発明の工業的価値は非常に高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B23K 26/00 320 S 7425−4E (72)発明者 北原 修司 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 菅 洋三 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 黒木 俊哉 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比で C ≦0.006%、 Si:4.3〜7.1%、 S ≦0.007%、 total N≦0.0035%、 残部:Feおよび不可避的不純物 からなる熱間圧延板あるいは鋳造薄板の両端部に、表面
    酸化物(スケール)が付着したままの状態で、超高珪素
    鋼溶接部近傍を175℃以上600℃以下の予熱温度に
    昇温してリーダーストリップを溶接して接続し、溶接後
    は予熱温度近傍温度で0.5分以上10分以下保定し、
    保定後の冷却速度を0.1℃/SEC以上100℃/SEC以下
    の範囲内において保定時間が下限に近づくにつれて冷却
    速度が遅くなるように保定時間と冷却速度を調整して冷
    却後、得られたストリップの側端部をレーザ切断(耳切
    り)した後、スケールが付着したままの状態で温間圧延
    することを特徴とするストリップ状超高珪素電磁鋼板の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 重量比で C ≦0.006%、 Si:4.3〜7.1%、 S ≦0.007%、 total N≦0.0035%、 残部:Feおよび不可避的不純物 からなる熱間圧延板あるいは鋳造薄板の両端部に、表面
    酸化物(スケール)が付着したままの状態で、超高珪素
    鋼溶接部近傍を175℃以上600℃以下の予熱温度に
    昇温してリーダーストリップを溶接し、溶接後は予熱温
    度近傍温度で0.5分以上10分以下保定し、保定後の
    冷却速度を0.1℃/SEC以上100℃/SEC以下の範囲内
    において保定時間が下限に近づくにつれて冷却速度が遅
    くなるように、超高珪素鋼とリーダーストリップとの接
    続を行い、こうして製造したストリップの側端部をウォ
    ータージェット切断(耳切り)した後、スケールが付着
    したままの状態で温間圧延することを特徴とするストリ
    ップ状超高珪素電磁鋼板の製造方法。
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JP2017080806A (ja) * 2015-10-28 2017-05-18 Jfeスチール株式会社 鋼帯のノッチング方法、冷間圧延方法および冷延鋼帯の製造方法
CN110066964A (zh) * 2019-04-09 2019-07-30 东北大学 一种超高强度中锰钢及其温轧制备方法
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