JPH0629920U - 自動車のエンジン配置構造 - Google Patents

自動車のエンジン配置構造

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JPH0629920U
JPH0629920U JP6651492U JP6651492U JPH0629920U JP H0629920 U JPH0629920 U JP H0629920U JP 6651492 U JP6651492 U JP 6651492U JP 6651492 U JP6651492 U JP 6651492U JP H0629920 U JPH0629920 U JP H0629920U
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JP
Japan
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engine
front side
side member
wire
obstacle
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JP6651492U
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昭人 酒井
豪 山口
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フロントサイドメンバやフードリッジパネル
自体の強度・剛性を高めることなく、オフセット衝突時
におけるエンジンの後退をより小さく抑制することがで
きる自動車のエンジン配置構造を提供するものである。 【構成】 この考案に係る自動車のエンジン配置構造
は、車体前部に配されている左右一対のフロントサイド
メンバ9間にエンジン7を配置すると共に、前記各フロ
ントサイドメンバ9の前端部12とエンジン7の各対応
側面部7aとを大部分がフロントサイドメンバ1内に配
索されたワイヤ13を介して各々連結したものである。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は自動車のエンジン配置構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の自動車のエンジン配置構造としては、図7〜図9に示すようなものがあ る〔日産自動車株式会社昭和63年10月発行“サービス周報”第611号のB −68頁参照〕。
【0003】 1がフロントサイドメンバで、車体前部の全体的強度を担うものであり、車体 の前後方向に延びた状態で左右に一対配されている。このフロントサイドメンバ 1はそれぞれ閉断面構造を呈しており、その前端部内にはステー2が挿入されて おり、両者は上下に貫通するボルト手段3にて取付けられている。このステー2 にはバンパ4の強度部材であるアーマチュア5が取付けてある。
【0004】 そして、左右のフロントサイドメンバ1と前方のアーマチュア5にて囲まれた スペースがエンジンルームEであり、このエンジンルームE内に、左右のフロン トサイドメンバ1に連結されたエンジンマウント部材6等により、エンジン7が 配置されている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の技術にあっては、エンジン7の前側にアーマ チュア5を配置することにより、車両が障害物Gに衝突してもエンジン7を保護 できるようにはなっているものの、図8に示すように障害物Gが車両の左右のど ちらか一方に片寄って衝突したり(以下、左右オフセット衝突という)、或いは 図9に示すように上方に片寄って衝突したり(上方オフセット衝突という)する 場合には、該障害物Gがエンジン7に当たって、エンジン7を後退させてしまう おそれがある。
【0006】 すなわち、左右オフセット衝突(図8)の場合は、衝突時における障害物Gの エネルギーは、ほとんど一方のフロントサイドメンバ1だけで受け止めることに なる。従って、衝突した方のフロントサイドメンバ1だけではその衝撃に抵抗し きれずに、障害物Gがエンジン7まで到達し、エンジン7を後方に押してしまう おそれがある。エンジン7が押されて後退すると、後方にある車室内との関係上 好ましくない。尚、障害物Gがエンジン7に当たった後は、衝突エネルギーの一 部がエンジンマウント部材6を介して他方のフロントサイドメンバ1における該 エンジンマウント部材6よりも後方部分(図中、矢示A部分)にも伝達され、前 記エンジン7の後退の若干の抵抗力となる。
【0007】 また、上方オフセット衝突(図9)の場合は、障害物Gがアーマチュア5に当 たらずに、その障害物Gのエネルギーは実質的にはエンジンルームEの左右側壁 部を構成するフードリッジパネル8だけで受け止められることとなるため、この フードリッジパネル8だけではその衝撃に抵抗しきれずに、障害物Gがエンジン 7の上部にまで到達し、エンジン7を押して後退させてしまうおそれがある。尚 、障害物Gがエンジン7に当たった後は、エンジンマウント部材6よりも後方部 分(図中、矢示B部分)の両フロントサイドメンバ1によりある程度抵抗できる が、障害物Gがエンジン7に当たるまでの間は、あくまでもフードリッジパネル 8だけが実質的な抵抗部材となる。
【0008】 従って、衝突時におけるエンジン7の後退量をなるべく小さくするために、従 来は左右それぞれのフロントサイドメンバ1やフードリッジパネル8の板厚を上 げたり、或いは各種の補強板を接合したりする必要があり、車体重量の面で不利 である。
【0009】 この考案はこのような従来の技術に着目してなされたものであり、フロントサ イドメンバやフードリッジパネル自体の強度・剛性を高めることなく、オフセッ ト衝突時におけるエンジンの後退をより小さく抑制することができる自動車のエ ンジン配置構造を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の考案に係る自動車のエンジン配置構造は、上記の目的を達成す るために、車体前部に配されている左右一対のフロントサイドメンバ間にエンジ ンを配置すると共に、前記各フロントサイドメンバの前端部とエンジンの各対応 側面部とを大部分が各フロントサイドメンバ内に配索されたワイヤを介して各々 連結したものである。
【0011】 請求項2記載の考案に係る自動車のエンジン配置構造は、前記各ワイヤの後端 部を各フロントサイドメンバのエンジン側の面に形成した孔部から外へ取り出す と共に該各後端部に第1係合部を各々設け、且つエンジンの各対応側面部に前記 第1係合部に係合する第2係合部を各々設け、エンジン後退時にのみ該第2係合 部から第1係合部へ後ろ向きの力が伝達されるようにしたものである。
【0012】
【作用】
請求項1記載の自動車のエンジン配置構造によれば、仮に一方のフロントサイ ドメンバにだけ障害物が衝突する左右オフセット衝突が起こっても、他方のフロ ントサイドメンバの前端部とエンジンとがワイヤにて連結されているため、障害 物からエンジンに加わった後向きの衝撃エネルギーを前記ワイヤを介して他方の フロントサイドメンバ前端部でも受け止められることとなり、該エンジンの後退 をより小さく抑制することができる。また、上方オフセット衝突の場合は、エン ジンに加わった後向きの衝撃エネルギーをワイヤを介して左右両側のフロントサ イドメンバ前端部で受け止められるので、エンジンの後退を更に小さく抑制する ことができる。
【0013】 請求項2記載の自動車のエンジン配置構造によれば、ワイヤの後端部とエンジ ンの側面部とが、エンジンの後退時にのみ係合する第1・第2係合部を用いて連 結されているため、エンジン作動時の振動がワイヤを介して車体(フロントサイ ドメンバ)に伝達されず、振動音抑制効果の面で優れる。
【0014】
【実施例】
以下この考案の好適な実施例を図面に基づいて説明する。尚、従来と共通する 部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0015】 図1〜図5はこの考案の第1実施例を示す図である。この実施例に係る左右の 両フロントサイドメンバ9は、断面ハット形状をしたフロントサイドメンバ本体 10の開口縁に、板状のクロージングプレート11を接合して形成されている。 そして、この各フロントサイドメンバ9内にはその前端部12からエンジン7の 略中央に相当する位置にかけて高強度のワイヤ13がそれぞれ配索されている。 すなわち、各フロントサイドメンバ9の前端部12には、アーマチュア5を固定 するためのステー2と共に前記ワイヤ13の前端金具14が上下に貫通するボル ト15とナット16により各々取付けられている。一方、「エンジン7側の面」 としてのクロージングプレート11には長孔(孔部)17が形成されており、こ こからワイヤ13の後端部18が外に出ており、この後端部18に係合孔19付 きのL型ブラケット(第1係合部)20が設けられている。このようにワイヤ1 3の大部分がフロントサイドメンバ9内に配索されているため、ワイヤ13がエ ンジンルームE内の各種装置との干渉問題を起こす心配はない。なお、このL型 ブラケット20はぐらつかない程度で且つそれでいて容易に外れるように前記ク ロージングプレート11に簡易溶接されている。
【0016】 また、このL型ブラケット20に対応するエンジン7の側面部7aには、前記 L型ブラケット20の係合孔19内へ係入し得る後ろ向きのフック部(第2係合 部)21が、L型ブラケット20とは非接触状態で固定されている。このように L型ブラケット20とフック部21とが非接触状態となっているため、エンジン 7の駆動振動がワイヤ13を介してフロントサイドメンバ9に伝達されず、振動 音抑制効果の面で優れる。
【0017】 次に、車両が障害物Gに衝突した際の説明を、左右オフセット衝突と上方オフ セット衝突とに分けて説明する。
【0018】 左右オフセット衝突(図1・図2参照): 例えば、図2のように、右側のフロントサイドメンバ9にだけ障害物Gが衝突 するようなオフセット衝突が起きた場合、右側のフロントサイドメンバ9だけで は障害物Gの衝撃に耐えきれないため、障害物Gがエンジン7の前面に当たり、 該エンジン7を後退させようとするが、エンジン7が僅かに後退した時点で、エ ンジン7の左側の側面部7aに固定したフック部21が対応するL型ブラケット 20の係合孔19内に係入し、該L型ブラケット20の簡易溶接をこわして該L 型ブラケット20を後方へ引っ張る。すると、エンジン7からフック部21及び L型ブラケット20を介して加わるエンジン7の後向きの力が、該ワイヤ13を 介して左側のフロントサイドメンバ9の前端部12にも伝達され、そこでも受け 止められるようになるので、従来のように一方のフロントサイドメンバ9だけで 受け止めていた場合に比べて、エンジン7の後退量をより小さくすることが可能 となる。
【0019】 上方オフセット衝突(図3・図4参照): 例えば、図4のように、障害物Gがフードリッジパネル8を押し潰してエンジ ン7の上部に当たるようなオフセット衝突が起きた場合は、エンジン7が障害物 Gに押されて後退しようとするが、エンジン7が僅かに後退した時点で、エンジ ン7の左右両側の側面部7aに固定されているフック部21が各々対応するL型 ブラケット20の係合孔19内に係入して、該両方のワイヤ13を後方へ引っ張 る。従って、エンジン7の後向きの力が該両方のワイヤ13を介して左右両方の フロントサイドメンバ9の前端部12に伝達されて、受け止められるようになる ので、従来のようにフードリッジパネル8だけで受け止めていた場合に比べて、 エンジン7の後退をより小さく抑制することが可能となる。
【0020】 図6はこの考案の第2実施例を示す図である。この実施例では、ワイヤ13の 後端部18に設けた後端金具22をエンジン7の側面部7aに直付けすると共に 、ワイヤ13の前端金具14の結合構造を改良することにより、より大きな衝撃 力にも耐え得るようにしたものである。すなわち、ワイヤ13の前端金具14を 直接ボルト15に取付けるのではなく、予めこの前端金具14を断面U字状で且 つステー2の内高サイズに略相応する上下サイズを備えた係止ブラケット23に 取付けておく。そして、フロントサイドメンバ9の前端部12に挿入した状態の ステー2内部にこの係止ブラケット23を備え、上下に貫通するボルト15によ りそれらを一緒に取付けたものである。
【0021】 この実施例によれば、ワイヤ13の後端部18が後端金具22を介してエンジ ン7の側面部7aに直付けされているため、先の実施例ようにL型ブラケット2 0やフック部21を介して、ワイヤ13の後端部18をエンジン7に接続してい る場合に比べて、より大きな力をエンジン7からワイヤ13に伝達することがで きる。また、ワイヤ13の前端金具14がボルト15を包み込むように取付けら れ、係止ブラケット23に接続されているため、ワイヤ13に伝達された大きな 力がこの係止ブラケット23を介してボルト15に分散された状態で加わるため 、先の実施例のように前端金具14のみを介して集中的な力の伝達を行なってい た場合に比べて、より大きな力をボルト15により受け止めることができるよう になる。
【0022】
【考案の効果】
この考案に係る自動車のエンジン配置構造は、以上説明して如き内容のもので あって、仮に一方のフロントサイドメンバにだけ障害物が衝突する左右オフセッ ト衝突が起こっても、他方のフロントサイドメンバの前端部とエンジンとがワイ ヤにて連結されているため、障害物からエンジンに加わった後向きの衝撃エネル ギーを前記ワイヤを介して他方のフロントサイドメンバ前端部でも受け止められ ることとなり、該エンジンの後退をより小さく抑制することができる。また、上 方オフセット衝突の場合は、エンジンに加わった後向きの衝撃エネルギーをワイ ヤを介して左右両側のフロントサイドメンバ前端部で受け止められるので、エン ジンの後退を更に小さく抑制することができる。従って、従来のように、エンジ ンの後退量を小さく抑えるために、フロントサイドメンバやフードリッジパネル 自体の板厚を上げて強度・剛性を高めておく必要がなく、車体重量の軽減化を図 ることができる。
【0023】 更に、ワイヤの後端部とエンジンの側面部とを、エンジンの後退時にのみ係合 する第1・第2係合部を用いて連結すれば、エンジン駆動時の振動がワイヤを介 して車体(フロントサイドメンバ)に伝達されず、振動音抑制効果の面でも優れ ることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の第1実施例に係る自動車のエンジン
配置構造を示す平面図である。
【図2】左右オフセット衝突状態を示す図1相当の平面
図である。
【図3】図1中DA方向から見た側面図である。
【図4】上方オフセット衝突状態を示す図3相当の側面
図である。
【図5】フロントサイドメンバの構造を示す一部破断の
斜視図である。
【図6】この考案の第2実施例を示す図5相当の斜視図
である。
【図7】従来の自動車のエンジン配置構造を示す平面図
である。
【図8】左右オフセット衝突状態を示す図7相当の平面
図である。
【図9】上方オフセット衝突状態を示す側面図である。
【符号の説明】
7 エンジン 7a エンジンの側面部 9 フロントサイドメンバ 12 フロントサイドメンバの前端部 13 ワイヤ 17 長孔(孔部) 18 ワイヤの後端部 20 L型ブラケット(第1係合部) 21 フック部(第2係合部)

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体前部に配されている左右一対のフロ
    ントサイドメンバ間にエンジンを配置すると共に、前記
    各フロントサイドメンバの前端部とエンジンの各対応側
    面部とを大部分が各フロントサイドメンバ内に配索され
    たワイヤを介して各々連結したことを特徴とする自動車
    のエンジン配置構造。
  2. 【請求項2】各ワイヤの後端部を各フロントサイドメン
    バのエンジン側の面に形成した孔部から外へ取り出すと
    共に該各後端部に第1係合部を各々設け、且つエンジン
    の各対応側面部に前記第1係合部に係合する第2係合部
    を各々設け、エンジン後退時にのみ該第2係合部から第
    1係合部へ後ろ向きの力が伝達されるようにした請求項
    1記載の自動車のエンジン配置構造。
JP6651492U 1992-09-24 1992-09-24 自動車のエンジン配置構造 Pending JPH0629920U (ja)

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