JPH0629890Y2 - 圧力安全逃がし装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、電解液電池など圧力を内封したものにおい
て、該圧力の突発的な増大に対処する圧力安全逃がし装
置に関するものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

最近、各種の電子機器はその低消費電力化や長寿命化が
急速に進んでおり、これらの機器に装着使用する電解液
電池に対しても長期間安定した性能を維持することが求
められるが、この積電池には、一般に、内部（缶内）の
圧力が異常に上昇すると電池全体が破壊するおそれがあ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、以上の点に鑑み、上記電解液電池の内部の圧
力が異常に上昇した時にこの圧力を速やかに外部へ逃が
す目的でなされたもので、電極缶内に通じる貫通孔が形
成された電極端子の外端部とこの外端部に固着されたキ
ャップとの間の空間を、可撓材からなる破裂板で前記貫
通孔側と反貫通孔側に気密区画し、前記キャップに破裂
板の反貫通孔側の面と対向する尖鋭の突起と、破裂板の
反貫通孔側を大気開放する通気孔とを設けた圧力安全逃
がし装置を提供するものである。

〔作用〕

上記圧力安全逃がし装置は、電極缶内の圧力は電極端子
の貫通孔を介して、電極端子の外端部とキャップの間の
空間を気密区画している破裂板に作用し、この破裂板の
反貫通孔側はキャップに設けた通気孔で大気開放されて
いることから、上記圧力が上昇して行くと破裂板は反貫
通孔側へ膨出変形し、やがて尖鋭の突起に圧接して裂損
し、その裂損部からキャップの通気孔を介して前記圧力
を外部へ開放する。該圧力を大気開放する。

〔実施例〕

つぎに本考案の一実施例を図面にしたがって説明する。

第１図に示す電解液電池の電極端子において、端子本体
(1)とこれに溶接固着したキャップ(2)の内部に空間(3)
が形成され、該空間(3)に通じるように端子本体(1)には
図示しない電極缶側から延びる貫通孔(4)が形成され、
また、キャップ(2)の天板には通気孔（エア抜き孔、
５）が穿設されている。端子本体(1)とキャップ(2)の間
には、また、適宜厚さの可撓材により成形された破裂円
板(6)の周縁が気密的に挟着されている。キャップ(2)の
天板下面にはナイフ刃状または針状の突起(7)が破裂円
板(6)に向けて一体的に突設されている。

圧力安全逃がし装置を備えた上記電極端子は、端子本体
(1)の下端を電極缶（図示せず）に挿入する形で該缶に
対し気密的に取り付けられるもので、破裂円板(6)によ
り仕切られた前記空間(3)の下半部分は貫通孔(4)を介し
て缶内に通じ、上半部分は通気孔(5)を介して大気に連
通している。この常態から何らかの理由で缶内の圧力が
突発的に上昇すると、該圧力は直ちに貫通孔(4)から空
間(3)の下半部分に伝わり、破裂円板(6)を第２図に示す
ように上方へ膨出させ、突起(7)により突き破るように
これを破裂させて圧力を矢示方向に逃がす。缶内の圧力
がどのくらいの大きさになったとき破裂円板(6)を破裂
して圧力を開放するかは、破裂円板(6)の厚さや材質、
円板(6)と突起(7)の間隔等を適宜変更してこれを調節す
る。

〔考案の効果〕

本考案の圧力安全逃がし装置は以上説明したように、電
極缶内の圧力が上昇して行った場合に、この圧力によっ
て破裂板が通気孔によって大気開放された側に変形し、
尖鋭の突起に圧接して裂損して前記通気孔から圧力を外
部へ逃がすようにしたため、電池全体の破壊を未然に防
止し得るようになる。破裂板の破裂は突起によりこれを
突き破るものであるため、圧力が設定値に達したときに
確実に作動し、信頼性の高い装置を提供できる特徴を有
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る圧力安全逃がし装置を
組み付けた電極端子の常態を示す断面図、第２図は作動
状態を示す断面図である。 (1)端子本体、(2)キャップ、(3)空間 (4)貫通孔、(5)通気孔、(6)破裂円板 (7)突起

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】電極缶内に通じる貫通孔が形成された電極
   端子の外端部とこの外端部に固着されたキャップとの間
   の空間を、可撓材からなる破裂板で前記貫通孔側と反貫
   通孔側に気密区画し、前記キャップに破裂板の反貫通孔
   側の面と対向する尖鋭の突起と、破裂板の反貫通孔側を
   大気開放する通気孔とを設けたことを特徴とする圧力安
   全逃がし装置。