JPH0329883Y2

JPH0329883Y2 -

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Publication number: JPH0329883Y2
Application number: JP1983158191U
Authority: JP
Priority date: 1983-10-14
Filing date: 1983-10-14
Publication date: 1991-06-25
Also published as: JPS6065976U

Description

【考案の詳細な説明】この考案は、アルカリ電池における破裂防止構
造の改良に関する。

周知のようにアルカリ電池では、充電されたと
きや過放電された際に、内部に激しいガス発生反
応が起こる。このガス発生により電池内部の圧力
が異常に高まり、漏液を起こしたり、危険な破裂
状態にいたる場合もある。そのため、多くのアル
カリ電池では何らかの破裂防止構造が設けられて
いる。

一般的なアルカリ電池は、筒状の電池ケースの
開口部が柔軟性のあるプラスチツク製のガスケツ
トで封止され、このガスケツトの内側に皿状の端
子板が配置される構造となつている。この種のア
ルカリ電池においては、内部のガス圧が異常に高
まつたときに破断するように上記ガスケツトの一
部に薄肉部を形成するとともに、上記端子板にガ
ス抜孔を設ける破裂防止構造が従来から知られて
いる。

しかし上述の基本的な破裂防止構造だけでは、
ガスケツトの上記薄肉部を一定の内部ガス圧力で
確実に破断するように形成するのが非常に難し
く、破裂防止構造の作動圧が大きくバラつき、そ
の信頼性は非常に低いものであつた。

また従来から、例えば実開昭55−136161号に開
示されているように、上記ガスケツトの薄肉部を
積極的に破断させるようにした破裂防止構造も知
られている。つまり、上記ガスケツトと端子板と
の間に、多角形状の金属板の角部を直角に折曲げ
てなる切刃片を形成した部材を挟み込み、その切
刃片を上記ガスケツトの薄肉部の外側に近接して
配置している。この構造では、電池の内部圧力が
高まり、ガスケツトの薄肉部が外側に脹らむよう
に変形すると、上記金属板の切刃片に薄肉部が圧
接し、この切刃片で積極的に薄肉部が破断され
る。しかしながら上記の構造では、切刃片を有す
る金属板が新たな部品として加わるので、部品点
数が多くなり、それに加えて封口部分の組立作業
が非常に面倒なものとなる。また、ガスケツトと
端子板との間に金属板を挟み込む構成は、金属板
に設ける切刃片とガスケツトの薄肉部の配置関係
に大きな制約があり、ガスケツトのコーン型部分
に切刃片を対向させることができないとか、小型
で小径の電池では上記金属板を配置することがで
きない等の欠点がある。

また従来から、例えば実開昭55−156364号に開
示されているように、ガスケツトの薄肉部に対向
させる切刃片を上記端子板自体に形成する構造も
知られている。従来のこの種のものは、端子板に
プレス孔開け加工を施して端子板に一辺が繋がつ
た状態で先端の鋭利な孔開け切起片を形成し、こ
の切起片を上記切刃片としてガスケツトの薄肉部
に対向させている。

この構造では、端子板の切起片を形成した部分
に当然ながら大きな孔があく。ガスケツトを有効
に破断するには切刃片は複数必要で、そのため端
子板に大きな孔が複数個形成されることになる。
この孔は勿論ガス抜孔になるが、ガス抜孔として
は余りに多きすぎる。大きなガス抜孔が外部に露
呈していたのでは、ガスケツトと端子板の空隙部
分に塗布される液状の封止剤が洩れ出して著しく
外観を損ねる。また、電池内部の圧力が高まつて
ガスケツトが破断したときに、上記の大きな孔か
らガスが散逸されるだけでなく、電池内の電解液
等が噴出してかえつて不都合である。

これらの観点から従来は、端子板に切起片を設
けることによつて生じた大きな孔を適当な弾性材
料で外側から軽く塞いでいる。従つて孔を塞ぐた
めの部品が１つ追加され、その組立作業も面倒に
なる。さらに、端子板に孔開け切起片を形成する
ことによつて切刃片を設けるのは、先の例と同様
に配置や寸法の自由度が少く、小型で小径の電池
には適用しにくい構造であつた。

この考案は前述した従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、ガスケツトの薄肉部
を切刃片により積極的に破断させる構造のものに
おいて、部品点数が少くて、組立が容易で、また
切刃片とガスケツトの薄肉部の配置や寸法に対す
る自由度が大きくて、小型で小径の電池にも容易
に適用でき、しかも破裂防止作用の信頼性が高い
上に、ガスケツトの封口部分の強化もできる構造
を備えたアルカリ電池を提供することにある。

上記の目的を達成するために、この考案は、筒
状電池ケースの開口部がプラスチツク製の封口ガ
スケツトで封止されるとともに、このガスケツト
の内側にガス抜孔を有する皿状の端子板が配置さ
れたアルカリ電池において、前記端子板は、その
外周縁が前記電池ケースの内部側に折り返された
折曲部と、この折曲部の先端に一体に突出形成さ
れた切刃片とを有し、前記切刃片は、前記封口ガ
スケツトの薄肉部の外側に近接配置されるととも
に、前記折曲部の上下面には、前記電池ケースの
開口部を内方にかしめることにより前記封口ガス
ケツトが圧接されていることを特徴とする。

以下、この考案の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。

第１図はこの考案を適用したアルカリ電池の構
造を示している。このアルカリ電池は、電池ケー
スを兼ねる有底円筒状の陽極缶１０内に集電体１
２、陰極１４、セパレータ１６、陽極１８からな
る発電要素が電解液とともに装填され、陽極缶１
０の開口部が電池絶縁性でかつ柔軟性のあるプラ
スチツク製のガスケツト２０で封口されていると
ともに、このガスケツト２０の内側に皿状の陰極
端子板３０が配置されている。

ガスケツト２０はポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ナイロン等からなる一体成形品で、棒状の集
電体１２が嵌挿されるボス部２２と、陽極缶１０
の開口部内周面に接する外環部２４と、ボス部２
２と外環部２４を連結する薄肉部２６を有してい
る。図のように、薄肉部２６はボス部２２から外
環部２４に向けてテーパー状に拡がるホーン型に
形成されている。つまり、薄肉部２６は陰極端子
板３０の主面に対して大きく傾斜している。

第２図は第１図における皿状の陰極端子板３０
を底面側（電池の内部側から）から見た図であ
る。両図に示すように、陰極端子板３０は平坦な
円形の主面の周縁部分が立上がり形成され、ほぼ
皿状に形成されている。この端子板３０の立上が
り部分に比較的小さなガス抜孔３２が形成されて
いる。また、陰極端子板３０の外周縁は図のよう
に電池の内部側に大きく折り返されて折曲部３４
が形成されており、折り返された部分は端子板３
０の主面とほぼ平行になつている。さらに第２図
に示すように陰極端子板３０の折曲部分３４の内
周縁には90゜間隔で４個の切刃片３６が一体に形
成されている。この切刃片３６は三角形状をして
おり、電池の内部側に向かつて突出し、その鋭利
な先端がガスケツト２０の傾斜した薄肉部２６の
外側に極く近接して対向している。

ところで上記構成では、この種の電池で従来か
ら採用されている陽極缶１０の開口部を内方にか
しめつけ構造が採用されており、このようにする
と、上記折曲部３４の上下面に封口ガスケツト２
０の外環部２４が圧接され、圧接された折曲部３
４はそのバネ効果により、弾性反力が外環部２４
側に作用するので、相互の圧着力が増加し、電池
の封口構造が強化される。

また、上記構成において、電池内部のガス圧が
異常に高まると、その圧力を受けてガスケツト２
０の薄肉部２６が外側へ脹らむように変形する。
その変形により薄肉部２６が切刃片３６の先端に
圧接し、これよつて薄肉部２６が破断される。そ
して、その破断部分から内部のガスがガス抜孔３
２を通つて外部に放出される。

ここで、この考案のアルカリ電池では、陰極端
子板３０自身に切刃片３６を形成しているので、
従来のような切刃片用の別部品が必要なく、組立
も容易である。また、切刃片３６は端子板３０の
縁部に形成されていて、孔開け切起片からなるも
のではないので、従来のように切刃片を形成する
ために端子板に大きな孔が複数開いてしまうこと
がなく、従つてこれを外側から軽く塞ぐための部
品は必要なく、組立も複雑にはならない。

しかも、端子板３０の周縁から内周に向かつて
突出する切刃片３６をガスケツト２０の傾斜した
薄肉部２６に対向させる構造は、切刃片３６と薄
肉部２６の相対配置関係の自由度が高く、両者の
関係を最も良好な破断特性が得られるように容易
に設定することができる。従つて、電池内部の圧
力が所定圧に達したときに確実に薄肉部２６が破
断する信頼性の高い破裂防止構造となる。また、
上述のように設計上の自由度が高いので、端子板
３０の高さや径等に余り影響されず、小型で小径
の電池にもこの構造を容易に適用することができ
る。

以上詳細に説明したように、この考案に係るア
ルカリ電池の破裂防止構造によれば、特に構造を
複雑化することなく、電池の封口構造を強化でき
る上に、部品点数が少くて組立やすい簡単な構造
で、また設計上の自由度の高い構造で、所定のガ
ス圧で確実にガスケツトが破断して電池の破裂が
防止でき、安全性・信頼性の高いアルカリ電池を
実現することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のアルカリ電池の一実施例を
示す部分断面図、第２図は第１図における陰極端
子板３０の底面図である。１０……陽極缶、２０……ガスケツト、２２…
…ボス部、２４……外環部、２６…薄肉部、３０
……陰極端子板、３２……ガス抜孔、３４……折
曲部、３６……切刃片。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

筒状電池ケースの開口部がプラスチツク製の封
口ガスケツトで封止されるとともに、このガスケ
ツトの内側にガス抜孔を有する皿状の端子板が配
置されたアルカリ電池において、前記端子板は、
その外周縁が前記電池ケースの内部側に折り返さ
れた折曲部と、この折曲部の先端に一体に突出形
成された切刃片とを有し、前記切刃片は、前記封
口ガスケツトの薄肉部の外側に近接配置されると
ともに、前記折曲部の上下面には、前記電池ケー
スの開口部を内方にかしめることにより前記封口
ガスケツトが圧接されていることを特徴とするア
ルカリ電池。