JPH06298838A - 塩化ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂の製造方法

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JPH06298838A
JPH06298838A JP8481493A JP8481493A JPH06298838A JP H06298838 A JPH06298838 A JP H06298838A JP 8481493 A JP8481493 A JP 8481493A JP 8481493 A JP8481493 A JP 8481493A JP H06298838 A JPH06298838 A JP H06298838A
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JP
Japan
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vinyl chloride
polymerization
chloride resin
latex
suspension polymerization
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JP8481493A
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English (en)
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Takeshi Shiragami
剛 白神
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Mitsubishi Kasei Vinyl Co
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Vinyl Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塩化ビニル系樹脂の押出成形等における生産
スピードを上げる塩化ビニル系樹脂の製造方法の提供。 【構成】 塩化ビニル系樹脂を製造する方法において、
重合終了後の平均重合度800〜1500のスラリーと
重合終了後のラテックスとを固形分重量比で前者100
に対し後者5〜50の割合で均一に混合した後、該混合
物を脱水、乾燥する塩化ビニル系樹脂の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塩化ビニル系樹脂の製造
方法に関するものである。更に詳しくは、塩化ビニル系
樹脂の押出成形等における生産スピードを上げる塩化ビ
ニル系樹脂の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】懸濁重合によって製造した平均重合度8
00〜1500の塩化ビニル系重合体は、押出成形によ
るバイプ等の製造に広く用いられている。このような塩
化ビニル系重合体を用いた押出成形において、押出成形
のスピードを上げることは、かさ密度を増加させること
と密接に関係している。懸濁重合の条件をコントロール
することによってかさ密度を上げる方法としては例え
ば、重合反応の後半に塩化ビニルモノマーを追加添加す
る方法が知られているが、この方法では、さか密度は向
上するものの、成形時における溶融流動性が低下し、押
出機の負荷が増大する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、簡単な操作
によって、溶融流動性が低下せず、且つかさ密度の高い
塩化ビニル系樹脂が得られる方法を提供することを目的
とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨は、
塩化ビニル系樹脂を製造する方法において、懸濁重合終
了後の平均重合度800〜1500の塩化ビニル系重合
体スラリーと乳化重合または微細懸濁重合終了後の塩化
ビニル系重合体ラテックスとを固形分重量比で前者10
0に対し後者5〜50の割合で均一に混合した後、該混
合物を脱水、乾燥することを特徴とする塩化ビニル系樹
脂の製造方法に存する。
【0005】以下本発明を詳細に説明する。本発明にお
いて使用する懸濁重合終了後の平均重合度800〜15
00の塩化ビニル重合体スラリー(以下スラリーと言
う)は、塩化ビニルまたはこれと共重合可能なコモノマ
ーとの混合物を水性媒体中でポリビニルアルコール等の
懸濁剤及び油溶性重合開始剤等の存在下に重合すること
によって得られる。
【0006】また、本発明において使用する乳化重合ま
たは微細懸濁重合終了後の塩化ビニル重合体ラテックス
(以下ラテックスと言う)は、塩化ビニルまたはこれと
共重合可能なコモノマーとの混合物を水性媒体中で乳化
剤及び水溶性重合開始剤(乳化重合法の場合)あるい
は、油溶性重合開始剤(微細懸濁重合法の場合)等の存
在下に乳化重合または微細懸濁重合して得られる。
【0007】更に、予め乳化重合または微細懸濁重合法
によって製造したラテックスを種として重合前に加え、
乳化重合または微細懸濁重合を行う播種重合を行っても
よい。塩化ビニルと共重合可能なコモノマーとしては、
例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビ
ニル等のビニルエステル類、メチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エ
ステル類、メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト等のメタクリル酸エステル類、ジブチルマレエート、
ジエチルマレエート等のマレイン酸エステル類、ジブチ
ルフマレート、ジエチルフマレート等のフマール酸エス
テル類、ビニルメチルエーテル、ビニルブチルエーテ
ル、ビニルオクチルエーテル等のビニルエーテル類、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニ
ル類、エチレン、プロピレン、スチレン等のα−オレフ
ィン類、塩化ビニリデン、臭化ビニル等の塩化ビニル以
外のハロゲン化ビニル類が挙げられる。これらコモノマ
ーは通常塩化ビニル系樹脂の構成成分中20重量%以下
の範囲で用いられる。
【0008】乳化重合または微細懸濁重合に用いる乳化
剤としては高級アルコール硫酸エステルアルカリ金属塩
あるいはアンモニウム塩、アルキルベンゼンスルホン酸
アルカリ金属塩あるいはアンモニウム塩、高級脂肪酸ア
ルカリ金属塩あるいはアンモニウム塩、等の公知の乳化
剤の1種または2種以上の組合せ及びその他のアニオン
系、ノニオン系の界面活性剤等が挙げられ、中でも高級
アルコール硫酸エステルアルカリ金属塩が好ましい。
【0009】本発明方法の場合、押出成形のスピードを
向上させる点で、スラリー中の重合体の平均重合度がラ
テックス中の重合体の平均重合度より300以上低いも
のを用いることが好ましい。本発明方法は、スラリーと
ラテックスとを固形分重量比で前者100に対し後者5
〜50の割合で均一に混合した後、該混合物を脱水、乾
燥するものである。
【0010】スラリーとラテックスとの混合順序につい
ては、特に規定はない。また、配合割合は、固形分重量
比でスラリー100に対しラテックス5〜50であり、
好ましくは10〜30である。ラテックスが5より少な
いと、かさ密度の向上が十分でなく、また50より多い
と、かさ密度の低下のみならず、粉立ちが起こり好まし
くない。
【0011】均一に混合するには、攪拌機等を用いれば
よい。また、混合する際の温度は、40〜80℃、特に
50〜70℃が好ましい。混合温度が低すぎると、加工
時に粒立ちが起こり、また高すぎると、重合缶の耐圧不
足、塩化ビニル重合体の熱劣化(着色等)の問題があり
好ましくない。更に、得られる塩化ビニル系樹脂のかさ
密度をより増加させるために、混合物を均一に混合する
際、塩化ビニル単量体(以下モノマーという)を存在さ
せることが好ましい。モノマーの添加量は、スラリー中
の重合体100重量部に対して60重量部以下で添加す
ることが好ましく、特に10〜40重量部、中でも20
〜30重量部が好ましい。モノマーの添加量が多すぎる
と、ラテックス中の重合体同士の凝集が起こり好ましく
ない。モノマーは予めスラリー又は/及びラテックス中
に添加してもよいが、スラリーとラテックスの混合物中
に添加するのが操作上簡便である。モノマーは、自体重
合するのではなく、懸濁重合粒子を膨潤させ、これに乳
化重合粒子が均一に付着するのを助ける働きをすると考
えられる。モノマーは、スラリーとラテックスが均一に
なったら除去する。モノマーを混合物から除去するに
は、その揮発性を利用して系外へ除去するか、これに加
えて、系を真空吸収する等の方法が用いられる。
【0012】均一になりモノマーが除去された混合物を
脱水、乾燥するには、通常の懸濁重合法によって得られ
た塩化ビニル系重合体スラリーと同様、遠心脱水し、流
動乾燥すればよい。このようにして得られた塩化ビニル
系樹脂は、懸濁重合終了後の多孔質な塩化ビニル系重合
体に、乳化重合または微細懸濁重合終了後の微細な塩化
ビニル系重合体が付着した構造をしており、この構造が
かさ密度の向上及び成形時の溶融流動性の向上(可塑化
トルクの低下)に寄与している。例えば懸濁重合後のス
ラリーを脱水、乾燥して得た樹脂粉末と、ラテックスを
脱水、乾燥して得た樹脂粉末とをドライブレンドしたの
では、かかる付着構造とはならないため、本発明のよう
な効果は得られない。
【0013】
【実施例】以下本発明を実施例に基づいて説明するが、
本発明はその要旨を超えない限り、以下の例に限定され
るものではない。なお、以下の実験において得られる塩
化ビニル系樹脂の平均重合度は、JIS K−6721
に準じて比粘度を測定し算出し、かさ密度は、JIS
K−6721に準じて測定した。
【0014】実施例1 (i)懸濁重合による塩化ビニル重合体スラリーの製造 攪拌機を備えた容量300リットルの反応缶に、塩化ビ
ニル100kg、脱イオン水150kg、ポリビニルア
ルコール0.1kg、ジ−2−エチルヘキシルパーオキ
シカーボネイト0.04kgを仕込み、58℃で約6時
間攪拌して懸濁重合した後、未反応塩化ビニルを脱ガス
操作によって分離した。得られたスラリーの固形分濃度
は21%で、塩化ビニル重合体の平均重合度は1020
であった。
【0015】(ii)乳化重合による塩化ビニル重合体ラ
テックスの製造 攪拌機を備えた容量300リットルの反応缶に、塩化ビ
ニル25kg、0.48μmの塩化ビニル重合体種子ラ
テックス(乳化剤 ラウリル硫酸ナトリウム、開始剤
過硫酸カリウム−重亜硫酸ナトリウム系)5kg、脱イ
オン水150kgを仕込み、50℃で攪拌し全量で0.
03重量%(対塩化ビニル)の過硫酸カリウム−ピロ亜
硫酸ナトリウムのレドックス開始剤及び70kgの塩化
ビニルを連続的に添加し、更に重合率が重合体種子と塩
化ビニルの合計量の10%に達したら、ラウリル硫酸ナ
トリウムの0.6%水溶液を塩化ビニルに対して毎時
0.08%(純分換算)の割合で連続的に添加した。5
時間乳化重合した後、未反応塩化ビニルは脱ガス操作に
より分離した。得られたラテックスの固形分濃度は33
%で、塩化ビニル重合体の平均重合度は1530であっ
た。
【0016】(iii)塩化ビニル系樹脂の製造 (i)で製造した懸濁重合終了後の塩化ビニル重合体ス
ラリー114kg(固形分24kg)を攪拌機を備えた
容量300リットルの反応缶に仕込み、脱気後20kg
の塩化ビニル単量体を添加し、温度を60℃に昇温し、
攪拌下(ii)で製造した乳化重合終了後の塩化ビニル重
合体ラテックス18kg(固形分6kg)を圧入した。
ラテックス添加終了後、1時間攪拌した後、真空にし
て、塩化ビニル単量体を除去した。この様にして得られ
た混合物を300Gの遠心分離機により脱水し、流動床
乾燥により乾燥し、塩化ビニル系樹脂を得た。得られた
塩化ビニル系樹脂について、ゲル化特性と粉立ちの有無
を以下の方法で評価し、その結果を表−1に示した。
【0017】成形時の溶融流動性 得られた塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、Pb
−St系安定剤1.5重量部、ポリエチレンワックス
0.5重量部、カーボンブラック0.01重量部配合
し、ブレンダーで25℃で5分間混合(この混合物をコ
ンパウンドという)し、プラスチコーダー(東洋精機
(株)社製ラボプラストミル30C150型)を用いて
配合物72gを170℃で5分間予熱した後、回転数7
0rpmにて攪拌機で攪拌開始後トルクが最大になった
時のトルクを可塑化トルクとして、測定した。可塑化ト
ルクの値が大きいことは、溶融流動性が相対的にわるい
ことを表わす。
【0018】粉立ちの有無 得られた塩化ビニル系樹脂10gを、50cmの高さか
ら落下させ粉立ちの有無を目視観察した。評価結果は、
以下の通りである。 ○:粉立ち無し ×:粉立ち有り
【0019】実施例2 実施例1において塩化ビニル単量体を添加せず、実施例
1と同様に塩化ビニル系樹脂を製造した。得られた樹脂
について、実施例1と同様の方法で評価を行い、結果を
表−1に示した。
【0020】実施例3 実施例1において攪拌時の温度を常温(25℃)にした
以外は実施例1と同様に塩化ビニル系樹脂を製造した。
得られた樹脂について、実施例1と同様の方法で評価を
行い、結果を表−1に示した。
【0021】実施例4 実施例1の(i)で製造した懸濁重合終了後の塩化ビニ
ル重合体スラリー114kg(固形分24kg)と(i
i)で製造した乳化重合終了後の塩化ビニル重合体ラテ
ックス9kg(固形分3kg)とを攪拌機を備えた容量
300リットルの反応缶に仕込み、脱気後、攪拌下60
℃に昇温し、20kgの塩化ビニル単量体を添加した。
1時間攪拌を継続した後、真空にして、塩化ビニル単量
体を除去した。この様にして得られた混合物を300G
の遠心分離機により脱水し、流動床乾燥により乾燥し、
塩化ビニル系樹脂を得た。得られた樹脂について、実施
例1と同様の方法で評価を行い結果を表−1に示した。
【0022】実施例5 実施例4において塩化ビニル単量体を添加せず、実施例
4と同様に塩化ビニル系樹脂を製造した。得られた樹脂
について、実施例1と同様の方法で評価を行い、結果を
表−1に示した。
【0023】実施例6 実施例4において攪拌時の温度を常温(25℃)にした
以外は実施例4と同様に塩化ビニル系樹脂を製造した。
得られた樹脂について、実施例1と同様の方法で評価を
行い、結果を表−1に示した。
【0024】比較例1 実施例1の(i)で製造した懸濁重合終了後の塩化ビニ
ル重合体スラリーを乾燥した。(かさ密度は0.554
であった。)(ii)で製造した乳化重合終了後の塩化ビ
ニル重合体ラテックスを乾燥した。(かさ密度は0.3
11であった。)得られた樹脂粉末を前者8対後者2の
割合で混合し、塩化ビニル系樹脂を得た。得られた樹脂
について、実施例1と同様の方法で評価を行い、結果を
表−1に示した。
【0025】
【表1】
【0026】本発明方法によって得られた塩化ビニル系
樹脂粉末及びこれを用いて製造したコンパウンドのかさ
密度は、懸濁重合終了後の塩化ビニル系重合体と乳化重
合終了後の塩化ビニル系重合体とを粉末状態で混合した
ものに比べ高くなっている。かさ密度が高いと、保管場
所、容器が小さくて済む、押出機等への仕込部での「食
いこみ」が良くなり、単位時間当りの処理量が向上す
る、等の利点がある。例えば、コンパウンドとして、
0.50〜0.60g/cm3 のかさ密度付近でかさ密
度として、0.03g/cm3 高くできれば、押出量と
して約10%の増加があり、生産スピードが約10%上
がることになる。また、本発明で得られる樹脂はかさ密
度が高いにも拘わらず、溶融流動性が低下(可塑化トル
クの上昇)しないので、押出機に過度な負荷がかかるこ
とも無い。
【0027】
【発明の効果】本発明方法によれば、粉立ちがなく、か
さ密度が高く、且つ成形時の溶融流動性のよい塩化ビニ
ル系樹脂を製造することができ、塩化ビニル系樹脂の押
出成形等における生産スピードを上げることが出来る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂を製造する方法におい
    て、 懸濁重合終了後の平均重合度800〜1500の塩化ビ
    ニル系重合体スラリーと、乳化重合または微細懸濁重合
    終了後の塩化ビニル系重合体ラテックスとを固形分重量
    比で前者100に対し後者5〜50の割合で均一に混合
    した後、該混合物を脱水、乾燥することを特徴とする、
    塩化ビニル系樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 混合する際、塩化ビニル単量体を存在さ
    せる請求項1記載の塩化ビニル系樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 混合を40〜80℃の温度で行う請求項
    1または請求項2記載の塩化ビニル系樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】 懸濁重合終了後の塩化ビニル系重合体の
    平均重合度が、乳化重合または微細懸濁重合終了後の塩
    化ビニル系重合体の平均重合度より300以上低いこと
    を特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の
    塩化ビニル系樹脂の製造方法。
JP8481493A 1993-04-12 1993-04-12 塩化ビニル系樹脂の製造方法 Pending JPH06298838A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20150142181A (ko) * 2014-06-11 2015-12-22 주식회사 엘지화학 염화비닐계 수지의 제조방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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