JPH06295919A - ヘテロ接合バイポーラトランジスタ - Google Patents

ヘテロ接合バイポーラトランジスタ

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JPH06295919A
JPH06295919A JP5080760A JP8076093A JPH06295919A JP H06295919 A JPH06295919 A JP H06295919A JP 5080760 A JP5080760 A JP 5080760A JP 8076093 A JP8076093 A JP 8076093A JP H06295919 A JPH06295919 A JP H06295919A
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emitter
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gaas
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ケビン トワイナム ジョン
Katsuhiko Kishimoto
克彦 岸本
Toshiaki Kinosada
俊明 紀之定
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    • H01L29/66Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/68Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor controllable by only the electric current supplied, or only the electric potential applied, to an electrode which does not carry the current to be rectified, amplified or switched
    • H01L29/70Bipolar devices
    • H01L29/72Transistor-type devices, i.e. able to continuously respond to applied control signals
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 少なくともコレクタ層、ベース層及びエミッ
タ層を有し、前記コレクタ層、ベース層及びエミッタ層
にコレクタ電極、ベース電極及びエミッタ電極が形成さ
れ、前記ベース層と前記エミッタ層との間に遷移層が形
成され、エミッタ層と遷移層とがベース層を構成する元
素及び少なくとも1種の異種元素から構成され、遷移層
におけるエミッタ側の前記異種元素の含有率が前記エミ
ッタ層の異種元素の含有率と等しく、ベース層側の前記
異種元素の含有率が前記エミッタ側の異種元素の含有率
よりも低いと共に、ベース層に対し不連続的な組成変化
を有し、かつ遷移層が、前記ベース層側から前記エミッ
タ層側にかけ、直線又は段階的な組成傾斜を有して変化
しているヘテロ接合バイポーラトランジスタ。 【効果】 エミッタ−ベース接合領域におけるキャリア
密度を低減することにより、SHR再結合電流を低レベ
ルに維持することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヘテロ接合バイポーラ
トランジスタに関し、より詳細にはエミッタ−ベースと
の間に組成傾斜部及び階段ヘテロ接合を有する信頼性の
高いヘテロ接合バイポーラトランジスタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ヘテロ接合バイポーラトランジス
タは、半絶縁性のGaAs基板を用いて形成されてい
る。そして、GaAsにAlが添加された化合物半導体
をエミッタ層として用い、エミッタとベースとの間に、
所望の電位障壁を得るために、エミッタとベースとの組
成を変化させている。例えば、組成の直線的な傾斜エミ
ッタ−ベース接合を有するデバイスは、図4に示したよ
うに、エミッタ層とベース層との間の遷移層において、
アルミニウムの組成が破線Aで示したように変化してい
る。また、組成の階段エミッタ−ベース接合を有するデ
バイスは、実線Bで示したように変化している。
【0003】以下に、従来の組成的な傾斜又は階段エミ
ッタ−ベース接合を有するnpn構造のデバイスを図面
に基づいて説明する。なお、以後傾斜又は階段エミッタ
−ベース接合等という場合、組成が傾斜又は階段状に変
化しているエミッタ−ベース接合を意味するものとす
る。直線的な傾斜を有するエミッタ−ベース接合を有す
るバイポーラトランジスタは、図5に示したように、半
絶縁性のGaAs基板31上に、n+ −GaAs層3
2、n−GaAs層33、p+ −GaAs層34、n−
Alx Ga1-x As層35(0≦x≦0.3)、n−A
0.3 Ga0.7 As層36及びn+ −GaAs層37が
順次形成されている。そして、オーミック電極として、
+ −GaAs層32上にコレクタ電極38、p+ −G
aAs層34上にベース電極39及びn + −GaAs層
37上にエミッタ電極40がそれぞれ形成されている。
【0004】上記直線的な傾斜を有するエミッタ−ベー
ス接合を有するバイポーラトランジスタのエネルギーバ
ンド図を図6に示す。傾斜エミッタ−ベース接合を有す
るバイポーラトランジスタにおいては、組成変化が傾斜
したエミッタ─ベース接合により、エミッタとベースと
の間の障壁が緩和されている。なお、この場合の注入電
子密度は印加されたエミッタ─ベース電圧により変化す
る。
【0005】また、階段エミッタ−ベース接合を有する
バイポーラトランジスタは、図7に示したように、半絶
縁性のGaAs基板51上に、n+ −GaAs層52、
n−GaAs層53、p+ −GaAs層54、n−Al
0.3 Ga0.7 As層55及びn+ −GaAs層56が順
次形成されている。そして、オーミック電極として、n
+ −GaAs層52上にコレクタ電極58、p+ −Ga
As層54上にベース電極59及びn+ −GaAs層5
6上にエミッタ電極60がそれぞれ形成されている。
【0006】上記階段エミッタ−ベース接合を有するバ
イポーラトランジスタのエネルギーバンド図を図8に示
す。このバイポーラトランジスタにおいては、急峻な階
段状のエミッタ−ベース接合を有しており、電子はエミ
ッタから障壁をこえてベースに流入する。なお、この場
合の注入電子密度は印加されたエミッタ─ベース電圧に
より変化する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の傾斜及び階
段エミッタ−ベース接合を有するバイポーラトランジス
タにおいては、所定のコレクタ電流密度に対し、エミッ
タ−ベース接合領域に高密度にキャリア、すなわち電子
又はホールが存在する。従って、この領域のミッドギャ
ップに位置する準位を経由するキャリアの再結合の確率
は非常に高く、特に多くの準位が存在する半導体表面で
は非常に高い。
【0008】以下に、もう少し詳しく説明する。直線的
な傾斜のエミッタ−ベース接合を有するnpnバイポー
ラトランジスタの場合、エミッタ−ベース接合領域のエ
ミッタ側の伝導帯において、ポテンシャルウェルが形成
されるため、エミッタ層の電子はベース層へ注入されに
くくなる。従って、エミッタ−ベース接合領域におい
て、電子密度が大きくなる。
【0009】また、エミッタ−ベース接合が滑らかな傾
斜の場合でも、コレクタ層に注入される電子の速度が小
さくなるため、エミッタ−ベース接合付近の電子密度は
一般に非常に高くなる。急峻な階段状のエミッタ−ベー
ス接合を有するnpnバイポーラトランジスタの場合、
エミッタ−べース接合付近におけるホール濃度は、接合
のオン電圧が高いため、所定のコレクタ電流密度に対し
非常に大きくなる。
【0010】本発明の目的は、エミッタ−ベース接合領
域におけるキャリア密度を低下させることにより、表面
再結合電流を低くし、表面再生結合に起因した信頼性劣
化のないヘテロ接合バイポーラトランジスタを提供する
ことである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明においては、少な
くともコレクタ層、ベース層及びエミッタ層を有し、前
記コレクタ層、ベース層及びエミッタ層にコレクタ電
極、ベース電極及びエミッタ電極がそれぞれ形成され、
前記ベース層と前記エミッタ層との間に遷移層が形成さ
れたヘテロ接合バイポーラトランジスタであって、エミ
ッタ層と遷移層とがベース層を構成する元素及び少なく
とも1種の異種元素から構成され、遷移層におけるエミ
ッタ側の前記異種元素の含有率が前記エミッタ層の異種
元素の含有率と等しく、ベース層側の前記異種元素の含
有率が前記エミッタ側の異種元素の含有率よりも低いと
ともに、ベース層に対して不連続的な組成変化を有して
おり、かつ遷移層が、前記ベース層側から前記エミッタ
層側にかけて、直線的又は段階的な組成の傾斜を有して
変化しているヘテロ接合バイポーラトランジスタが提供
される。
【0012】本発明におけるヘテロ接合バイポーラトラ
ンジスタは、少なくともコレクタ層、ベース層、遷移層
及びエミッタ層を有している。これらコレクタ層、ベー
ス層、遷移層及びエミッタ層は、例えば、通常基板とし
て用いられるシリコン等の半導体基板、又はGaAs、
InP等の化合物半導体基板上に形成することができ
る。また、この基板自身がコレクタ層等を形成していて
もよい。なお、この際、基板としてGaAsを用い、こ
のGaAs基板上にコレクタ層、ベース層、遷移層及び
エミッタ層等を形成するのが好ましい。また、コレクタ
層、ベース層、遷移層及びエミッタ層以外に緩衝層又は
コンタクト層等を適宜形成することができる。
【0013】本発明において、エミッタ層及び遷移層に
含有している異種元素とは、コレクタ層、ベース層、遷
移層及びエミッタ層を構成している元素と共に化合物半
導体を形成する元素を意味している。例えば、GaAs
の化合物半導体に対してAl、In等をいう。基板とし
てGaAs基板を用いた場合には、基板上にコレクタ層
を形成する前にサブコレクタ層を形成することが好まし
い。この場合、サブコレクタ層はn+−GaAs、コレ
クタ層はn−GaAsが好ましい。その際、サブコレク
タ層にドーピングされている不純物はn型の不純物、例
えば、Si,Sn,Ge,S,Se,Te等が挙げられ
る。そして、その不純物濃度は2×1018〜8×1018
cm-3、コレクタ層にドーピングされている不純物濃度
は5×1015〜1×10 17cm-3が好ましい。各膜厚は
0.5〜1.0μm、0.4〜1.0μm程度が好まし
い。
【0014】また、コレクタ層上にはベース層が形成さ
れている。この場合のベース層はp + −GaAsが好ま
しい。その際、ベース層にドーピングされている不純物
はp型の不純物、例えば、C(カーボン),Be,Zn
等が挙げられ、その不純物濃度は5×1018〜5×10
19cm-3が好ましい。その膜厚は0.05〜0.2μm
程度が好ましい。
【0015】そして、このベース層上に遷移層が形成さ
れ、遷移層上にエミッタ層が形成されている。遷移層又
はエミッタ層を構成する元素は、ベース層を構成する元
素と同一の元素と、さらに少なくとも1種以上の異種元
素とを含有している。遷移層においては、その異種元素
の組成がベース層側からエミッタ側にかけて直線的又は
階段的に変化している。そして、遷移層におけるベース
層側の異種元素の含有率は、遷移層とベース層との間で
不連続的な変化を有する程度以上含有されており、エミ
ッタ側の異種元素の含有率はエミッタ層のそれと同一
で、その組成が変化していない。具体的には、ベース層
がGaAsであり、エミッタ層がn+ −AlY Ga1-Y
Asの場合には、遷移層の組成はAlX Ga1-X Asが
好ましい。この際のYの範囲は0.2〜0.5程度が好
ましく、Xはベース層側からエミッタ層側にかけて、約
0.1〜0.5の範囲で直線的、又は段階的にその組成
が変化していることが好ましい。例えば、ベース層がG
aAsであり、エミッタ層がn+ −Al0.2 Ga0.8
sの場合には、遷移層の組成はベース側においてXが
0.1≦X≦0.15が好ましく、エミッタ層がn+
Al0.3 Ga0.7 Asの場合には、遷移層の組成はベー
ス側においてXが0.1≦X≦0.25が好ましく、エ
ミッタ層がn+ −Al0.5 Ga0.5 Asの場合には、遷
移層の組成はベース側においてXが0.1≦X≦0.4
5が好ましい。つまり、遷移層のベース層側では不連続
的に組成が変化しており、かつエミッタ側では組成が一
致していることが特徴である。また、遷移層の膜厚は2
00〜500Å程度、エミッタ層の膜厚は0.1〜0.
2μm程度が好ましい。エミッタ層にドーピングされて
いる不純物はn型の不純物、例えば、Si又はSn等が
挙げられ、その不純物濃度は1×1017〜2×1018
-3が好ましい。エミッタ層上にはエミッタコンタクト
層が形成されていてもよく、その場合、エミッタコンタ
クト層はn+ −GaAs、その不純物濃度は2×1018
〜8×1018cm-3が好ましい。また、その際の膜厚は
0.1〜0.4μmが好ましい。
【0016】本発明において、上記の各層は公知の方
法、例えば、有機金属気相成長法(MOCVD)あるい
は分子線エピタキシャル成長法(MBE)等によって順
次エピタキシャル成長させることができる。そして、順
次積層した各層のうち、エミッタ層及びエミッタコンタ
クト層を公知の方法でエッチングしてベース層を露出さ
せ、その後、ベース層及びコレクタ層をエッチングして
サブコレクタ層を露出させる。さらに、エミッタコンタ
クト層、ベース層及びサブコレクタ層上に、それぞれエ
ミッタ電極、ベース電極及びコレクタ電極を形成する。
その際の電極材料としては、通常電極材料として用いら
れているものであれば特に限定されるものではないが、
コレクタ電極及びエミッタ電極としてはAuGe/Ni
等を用いることができ、ベース電極としてはTi/Pt
/Au、Cr/Au等を用いることができる。これら電
極材料を所望の各層上に蒸着、スパッタ法等の方法によ
り堆積し、リフトオフ法等により所望の電極に形成する
ことができる。この場合のコレクタ電極、ベース電極及
びエミッタ電極の膜厚はそれぞれ約0.05〜0.2μ
mが好ましい。
【0017】なお、上記において、NPNトランジスタ
について説明したが、PNPトランジスタの場合につい
ても本質的に同様である。また、上記説明においてはG
aAs、AlGaAsを用いた場合について説明してい
るが、他の格子整合または不整合系、例えば、InGa
As、InP等を用いることもできる。また、上記にお
いては、直線状及び階段状の傾斜を有したヘテロ接合に
ついて説明したが、例えば、放物線状の傾斜のように直
線性の傾斜を有しないヘテロ接合を採用することもでき
る。しかし、これらは、エピタキシャル成長が複雑、困
難であり、エミッタ−ベース領域においてキャリア密度
の大きな減少がみられないので好ましくない。
【0018】
【作用】本発明のヘテロ接合バイポーラトランジスタに
よれば、エミッタ層の伝導帯においてポテンシャル・ウ
ェルが形成されず、電子が高速度でベースへ注入される
ため、エミッタ−ベース接合領域における電子密度が低
くなる。また、エミッタ−ベース接合領域におけるホー
ル密度は低い状態で維持される。これは、ベース層側の
遷移層とベース層との間の組成比による比較的小さな階
段により、接合部のオン電圧が低いためである。
【0019】従って、エミッタ−ベース接合領域におけ
るキャリア、つまり電子及びホールの密度が低いため
に、SHR再結合電流が低レベルに維持されることとな
る。
【0020】
【実施例】この発明に係るヘテロ接合バイポーラトラン
ジスタの実施例を図面に基づいて説明する。図1に示し
たように、ヘテロ接合バイポーラトランジスタは半絶縁
性のGaAs基板1上に、n+ −GaAsサブコレクタ
層2、n−GaAsコレクタ層3、p+ −GaAsベー
ス層4、n−Alx Ga1-x As遷移層5、n−Al
0.3 Ga0.7 Asエミッタ層6及びn+ −GaAsエミ
ッタコンタクト層7が順次形成されている。そして、オ
ーミック電極として、n+ −GaAsサブコレクタ層2
上にコレクタ電極8、p+ −GaAsベース層4上にベ
ース電極9及びn+ −GaAsエミッタコンタクト層7
上にエミッタ電極10がそれぞれ形成されている。
【0021】また、n+ −GaAsサブコレクタ層2に
はSiが5×1018cm-3でドーピングされ、約500
0Åの膜厚で形成されている。n- GaAsコレクタ層
3にはSiが5×1016cm-3ドーピングされ、約50
00Åの膜厚で形成されている。p+ −GaAsベース
層4にはCが4×1019cm-3でドーピングされ、約7
00Åの膜厚で形成されている。n−AlX Ga1-X
s遷移層5はSiが5×1017cm-3でドーピングさ
れ、p+ −GaAsベース層4側からn+ −Al 0.3
0.7 Asエミッタ層6側にかけてXが0.2から0.
3に直線的に変化しており、その膜厚は約200Åであ
る。n+ −Al0.3 Ga0.7 Asエミッタ層6にはSi
が5×1017cm-3でドーピングされ、約800Åの膜
厚で形成されている。n+ −GaAsエミッタコンタク
ト層7にはSiが5×1018cm-3でドーピングされ、
約1000Åの膜厚で形成されている。また、コレクタ
電極8及びエミッタ電極10はAuGe/Niで形成さ
れており、ベース電極9はTi/Pt/Auで形成され
ている。
【0022】次に、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ
の製造方法を説明する。まず、半絶縁性のGaAs基板
1上に、n+ −GaAsサブコレクタ層2、n−GaA
sコレクタ層3、p+ −GaAsベース層4、n−Al
x Ga1-x As遷移層5、n+ −Al0.3 Ga0.7 As
エミッタ層6及びn+ −GaAsエミッタコンタクト層
7を順次積層するそして、n−Alx Ga1-x As遷移
層5、n+ −Al0.3 Ga0.7 Asエミッタ層6及びn
+ −GaAsエミッタコンタクト層7をエッチングした
のち、n−GaAsコレクタ層3とp+ −GaAsベー
ス層4とをエッチングし、所望の形状に加工する。
【0023】次いで、コレクタ電極8及びエミッタ電極
10としてAuGe/Ni、ベース電極9としてTi/
Pt/Auをそれぞれ蒸着し、リフトオフ法により電極
に形成する。そして、最後にn+ −GaAsサブコレク
タ層2をエッチングしてバイポーラトランジスタを作製
する。このように構成されるヘテロ接合バイポーラトラ
ンジスタのエネルギーバンド図を図2に示す。
【0024】また、上記ヘテロ接合バイポーラトランジ
スタの各層でのアルミニウムの組成変化を図3に示す。
図3において、遷移層のアルミニウムは、エミッタ層に
おける含有率と等しく、ベース層にかけて直線的に変化
しており、さらに遷移層とベース層との界面で不連続な
変化を有している。上記実施例のバイポーラトランジス
タと、図4に示した、従来の傾斜及び階段エミッタ−ベ
ース接合を有するバイポーラトランジスタとを用い、周
辺温度175℃、エミッタ−ベース接合部の温度295
℃、コレクタ電流密度JC =5×104 Acm-2の条件
で、バイアス電圧を印加した場合の経時的な累積故障率
を調べた。その結果を表1に示す。なお、上記コレクタ
電流密度JC での電流利得h FEが、初期値の±20%以
上変動した場合をもって故障したとした。
【0025】
【表1】 表1より明らかなように、本実施例のトランジスタは、
非常に高い信頼性を有している。また、上記実施例にお
いては、遷移層のベース側のAl組成比Zを0.2とし
たが、エミッタ層をn+ −Al0.3 Ga0.7 As、遷移
層のベース側のAl組成比Zを0.05〜0.25まで
0.05ごとに変化させたものをそれぞれ作製し、劣化
率とZの関係を調べた。その結果を表2に示す。
【0026】
【表2】 表2より明らかなように、遷移層のベース側のAl組成
比Zが0.1≦Z≦0.25の範囲であれば、1000
時間での累積劣化率が50%以下であり、比較的高い信
頼性を有するものであることがわかった。さらに、エミ
ッタ層がn+ −Al0.25Ga0.75As及びn+ −Al
0.35Ga0. 65Asのものそれぞれについて、上記と同様
に遷移層のベース側のAl組成比Zを0.05から0.
05ごとに変化させたものを作製し、劣化率とAlの組
成比の関係を調べた。その結果、エミッタ層がn+ −A
0.25Ga0.75Asのものについては0.05≦Z≦
0.2の範囲、エミッタ層がn+ −Al0.35Ga0.65
sのものについては0.15≦Z0.3≦の範囲で、1
000時間後の累積劣化率が50%以下になることがわ
かった。
【0027】
【発明の効果】本発明によるヘテロ接合バイポーラトラ
ンジスタによれば、少なくともコレクタ層、ベース層及
びエミッタ層を有し、前記コレクタ層、ベース層及びエ
ミッタ層にコレクタ電極、ベース電極及びエミッタ電極
がそれぞれ形成され、前記ベース層と前記エミッタ層と
の間に遷移層が形成されたヘテロ接合バイポーラトラン
ジスタであって、エミッタ層と遷移層とがベース層を構
成する元素及び少なくとも1種の異種元素から構成さ
れ、遷移層におけるエミッタ側の前記異種元素の含有率
が前記エミッタ層の異種元素の含有率と等しく、ベース
層側の前記異種元素の含有率が前記エミッタ側の異種元
素の含有率よりも低いとともに、ベース層に対して不連
続的な組成変化を有しており、かつ遷移層が、前記ベー
ス層側から前記エミッタ層側にかけて、直線的又は段階
的な組成の傾斜を有して変化しているので、エミッタ−
ベース接合領域におけるキャリア密度を低減することに
より、SHR再結合電流を低レベルに維持することがで
きる。
【0028】従って、表面再結合を減少させることによ
り、ヘテロ接合バイポーラトランジスタの信頼性を容易
に向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るヘテロ接合バイポーラトランジス
タの実施例を示す要部の概略断面図である。
【図2】図1におけるヘテロ接合バイポーラトランジス
タのエネルギーバンド図である。
【図3】図1におけるヘテロ接合バイポーラトランジス
タの、各層での異種元素の含有率を示すグラフである。
【図4】従来の直線又は階段ヘテロ接合バイポーラトラ
ンジスタの、各層での異種元素の含有率を示すグラフで
ある。
【図5】従来の階段ヘテロ接合バイポーラトランジスタ
実施例を示す要部の概略断面図である。
【図6】図3におけるヘテロ接合バイポーラトランジス
タのエネルギーバンド図である。
【図7】従来の傾斜ヘテロ接合バイポーラトランジスタ
実施例を示す要部の概略断面図である。
【図8】図5におけるヘテロ接合バイポーラトランジス
タのエネルギーバンド図である。
【符号の説明】
3 コレクタ層 4 ベース層 5 遷移層 6 エミッタ層 8 コレクタ電極 9 ベース電極 10 エミッタ電極

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともコレクタ層、ベース層及びエ
    ミッタ層を有し、前記コレクタ層、ベース層及びエミッ
    タ層にコレクタ電極、ベース電極及びエミッタ電極がそ
    れぞれ形成され、前記ベース層と前記エミッタ層との間
    に遷移層が形成されたヘテロ接合バイポーラトランジス
    タであって、エミッタ層と遷移層とがベース層を構成す
    る元素及び少なくとも1種の異種元素から構成され、遷
    移層におけるエミッタ側の前記異種元素の含有率が前記
    エミッタ層の異種元素の含有率と等しく、ベース層側の
    前記異種元素の含有率が前記エミッタ側の異種元素の含
    有率よりも低いとともに、ベース層に対して不連続的な
    組成変化を有しており、かつ遷移層が、前記ベース層側
    から前記エミッタ層側にかけて、直線的又は段階的な組
    成の傾斜を有して変化していることを特徴とするヘテロ
    接合バイポーラトランジスタ。
JP08076093A 1993-04-07 1993-04-07 ヘテロ接合バイポーラトランジスタ Expired - Fee Related JP3299807B2 (ja)

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