JPH06295424A - 磁気記録体用結着剤 - Google Patents

磁気記録体用結着剤

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JPH06295424A
JPH06295424A JP8282693A JP8282693A JPH06295424A JP H06295424 A JPH06295424 A JP H06295424A JP 8282693 A JP8282693 A JP 8282693A JP 8282693 A JP8282693 A JP 8282693A JP H06295424 A JPH06295424 A JP H06295424A
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JP
Japan
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magnetic
vinyl
vinyl chloride
binder
monomer
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JP8282693A
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English (en)
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Noriki Fujii
紀希 藤井
Hiroshi Kakei
博志 加計
Hiroshi Koyama
博 小山
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Sekisui Chemical Co Ltd
Tokuyama Sekisui Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Tokuyama Sekisui Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】微粒子化された磁性粉が均一に分散すると共
に、得られた磁性塗料の粘度が低いので生産性向上が可
能であり、かつ、優れた磁気特性と耐久性を有する磁性
層の形成が可能な磁気記録用結着剤。 【構成】(a)塩化ビニルモノマー、(b)水酸基含有
ビニルモノマー及び(c)カルボキシル基含有ビニルモ
ノマーを構成成分とする塩化ビニル系共重合体からな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録体用結着剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、磁気テープ、磁気ディスク等に
使用されている磁気記録体は、磁性粉末及び結着剤を含
む磁性塗料を基体上に塗布し、磁界をかけて磁性粉末を
配向させた後、乾燥させることにより作製されている
が、優れた磁気特性を有する磁気記録体を得るために
は、結着剤中に磁性粉末が均一に分散する必要がある。
また、繰り返しの再生やダビング特性において耐久性が
要求され、さらに塗布工程のラインスピードを高め、生
産性を向上させるためには、磁性塗料にしたとき粘度の
低いことが要請されている。
【0003】従来、上記結着剤としては、塩化ビニル−
酢酸ビニル−ビニルアルコール系共重合体と、イソシア
ネート化合物との混合物が知られている。また、無機顔
料を良好に分散させ得る結着剤として、塩化ビニルと2
−ヒドロキシプロピルアクリレートからなる塩化ビニル
共重合体が提案されている(特公昭52−50204号
公報)。
【0004】しかしながら、最近は磁気記録体の高密度
化に伴って磁性粉が微粒子化されているが、上記結着剤
では微粒子化された磁性粉の分散性が十分でなく、塗料
化したときの粘度が大きく上昇するため、塗布工程のラ
インスピードを高めることができないという問題点があ
った。
【0005】これらの問題点を解決するために、特公平
2−55843号公報及び特公平4−34578号公報
には、結着剤として、カルボン酸基及び特定の水酸基を
特定量含有する塩化ビニル系多元共重合体が開示されて
いる。しかしなから、上記多元共重合体は磁性粉の分散
性や耐久性を向上させる効果が乏しく、得られた磁性塗
料は生産性を高めるのに十分な塗料粘度が得られないと
いう問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたものであり、その目的は、微粒子化さ
れた磁性粉が均一に分散し、得られた磁性塗料は粘度が
低いので生産性の向上が可能であり、かつ、優れた磁気
特性と耐久性を有する磁性層の形成が可能な磁気記録用
結着剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気記録用結着
剤は、塩化ビニルモノマー(a)、水酸基含有ビニルモ
ノマー(b)及びカルボキシル基含有ビニルモノマー
(c)を構成成分とする塩化ビニル系共重合体からな
る。
【0008】本発明で使用される水酸基含有ビニルモノ
マー(b)としては反応性二重結合と水酸基を有するも
のであれば、特に制限されるものではなく、例えば、2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブ
チル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、CH2 =CR1 −C
OO−〔CH2-CH2−O〕l −H(R1 は水素原子又
はメチル基、lは2〜9の整数を示す)で表されるポリ
エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、CH2
=CR2 −COO−〔CH2 CH(CH3)O)m −H
(R2 は水素原子又はメチル基、mは2〜6の整数を示
す)で表されるポリプロピレングリコールモノ(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシエチル−2’−アクリロ
イルオキシフタレート等の(メタ)アクリル酸エステ
ル;N−メチロール(メタ)アクリルアミド等が挙げら
れ、これらは1種もしくは2種以上が使用される。特
に、上記水酸基含有ビニルモノマー(b)のうち、2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0009】上記塩化ビニル系共重合体において、水酸
基含有ビニルモノマー(b)の量は、少なくなると磁性
粉末の架橋性能が低下して耐久性が悪くなり、多くなる
と磁性粉の分散性能、磁性塗膜の表面平滑性及び耐湿性
が低下するので、水酸基量として1〜3重量%に限定さ
れる。
【0010】上記カルボキシル基含有ビニルモノマー
(c)とは、分子中にカルボキシル基を有するビニル重
合性モノマーを意味し、例えば、(メタ)アクリル酸、
2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−
(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、マレイン
酸−n−ブチルモノエステル、マレイン酸、フマル酸等
が挙げられる。
【0011】上記塩化ビニル系共重合体において、カル
ボキシル基含有ビニルモノマー(c)の量は、少なくな
ると磁性粉の分散性能が大幅に低下し、多くなると分散
性能が低下すると共に塗料粘度の上昇を招くので、カル
ボキシル基量として0.2〜1.5重量%に限定され
る。
【0012】さらに、上記塩化ビニル系共重合体におい
て、水酸基/カルボキシル基の当量比は、小さくなると
磁性塗膜の耐久性が低下し、大きくなると極性基が多く
なり過ぎて磁性粉に対する相互作用より樹脂同士の相互
作用が大きくなって磁性粉の分散性能が悪くなるので、
3.2〜25に限定され、好ましくは5〜15である。
【0013】また、上記塩化ビニル系共重合体には、溶
剤溶解性を付与するためにビニル成分が含有されてもよ
い。上記ビニル成分としては、本発明の結着剤をメチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ
ノン等の溶剤及びこれらの溶剤とトルエンとの混合溶剤
に容易に溶解させ、粘度を低下させるものであれば特に
限定されない。
【0014】上記ビニル成分としては、例えば、エチレ
ン、プロピレン等のα−オレフィン類;酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;ブチルビニル
エーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル
類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸
フェニル等の(メタ)アクリル酸エステル類;スチレ
ン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類;(メタ)
アクリロニトリル等のシアン化ビニル類;塩化ビニリデ
ン、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;マレイン酸
ジメチル、フマル酸ジメチル等の不飽和ジカルボン酸;
無水マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸無水物;N−フ
ェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等の
N−置換マレイミド類等の非極性のモノマーが挙げられ
る。
【0015】また、上記以外のビニル成分として、例え
ば、スルホン酸あるいはスルホン酸基含有ビニルモノマ
ー、燐酸あるいは燐酸塩基含有ビニルモノマー、四級ア
ンモニウム塩基含有ビニルモノマー、三級アミン塩基含
有ビニルモノマー、エポキシ基含有ビニルモノマー等の
モノマー類も使用可能である。上記ビニル成分は単独で
使用されてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0016】上記塩化ビニル系共重合体中におけるビニ
ル成分の含有量は、多くなると磁性塗膜の耐久性や剛性
が損なわれるので、20重量%以下が好ましい。
【0017】上記塩化ビニル系共重合体の重合度は、小
さくなると磁性塗料を支持体等に塗布した際に磁性塗膜
の強度が低下し、大きくなると磁性塗料の粘度が高くな
って塗布作業が困難になるので、平均重合度150〜8
00が好ましい。
【0018】上記塩化ビニル系共重合体の製造方法とし
ては、例えば、沈殿重合法、溶液重合法、懸濁重合法、
乳化重合法等公知の重合方法が挙げられるが、製造コス
トの点から懸濁重合法が好ましい。
【0019】上記塩化ビニル系共重合体を溶液重合法に
より製造する場合は、経済性の点からメタノール単体ま
たは水/メタノールの混合溶剤を使用するのが好まし
い。
【0020】上記塩化ビニル系共重合体を懸濁重合法に
より製造する場合は、懸濁安定剤として部分ケン化ポリ
ビニルアルコール;セルロース誘導体;ポリエチレンイ
ミンとポリプロピレンオキサイドとのブロック共重合体
等公知のものが使用可能であるが、該ブロック共重合体
が好ましい。
【0021】上記いずれの重合方法においても、アクリ
ル系モノマーのように塩化ビニルモノマーとの共重合性
比が大きく異なって重合速度の速いモノマーを共重合す
る場合には、これらのモノマーを重合初期から中期ある
いは後期にわたって連続添加又は分割添加した方が、上
記共重合体の組成が均一になるので好ましい。
【0022】上記塩化ビニル系共重合体の組成が不均一
になると、本発明の結着剤を溶媒に溶解した時に不溶解
物を生じることがあり、このような不溶解物により磁性
塗膜は表面平滑性が失われ、信号の読み取り精度が悪く
なるので好ましくない。
【0023】また、上記いずれの重合方法においても、
ラジカル重合開始剤として、例えばベンゾイルパーオキ
サイド、ジラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパー
オキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ−2−
エチルヘキサのエート等の有機過酸化物が使用される。
【0024】本発明の磁気記録用結着剤から磁性塗料を
製造する方法としては、従来公知の方法が使用可能であ
り、例えば、上記結着剤に、磁性粉を溶剤とともに混
合、分散する方法が挙げられる。
【0025】上記磁性粉としては、例えば、γーFe2
3 、Co−γ−Fe2 3 、Fe 3 4 、Co−Fe
3 4 、CrO2 、Co−Ni−P合金、Fe−Co−
Ni合金、Baフェライト、Srフェライト、Fe合
金、Co合金、Ni合金等公知の磁性粉が挙げられる。
【0026】また、上記溶剤としては、例えば、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エ
チルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エス
テル類;前記溶剤とトルエン、キシレン等との混合溶剤
等が挙げられる。
【0027】上記磁性塗料中には、必要に応じて、ポリ
イソシアネート化合物などの架橋剤、ウレタン樹脂、研
磨剤、カーボンブラック、滑剤、分散剤、帯電防止剤、
安定剤などが添加されてもよい。
【0028】上記ポリイソシアネート化合物としては、
例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン
ジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、ト
リデンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、メタキシリレンジイソシアネート、トリメチロー
ルプロパンとトリレンジイソシアネートとの反応物等が
挙げられる。トリメチロールプロパン1モルととトリレ
ンジイソシアネート3モルとの反応物の市販品として
は、例えば、日本ポリウレタン工業社製「コロネート
L」が例示される。
【0029】上記ウレタン樹脂としては、ポリエステル
ポリオール類やポリエーテルポリオールと、イソシアネ
ート類との反応物が挙げられ、水酸基、カルボキシル
基、スルホン酸基、燐酸基、スルホベタイン基を有する
ものが好ましい。
【0030】上記研磨剤としては、例えば、グラファイ
ト、酸化チタン、酸化クロム、コランダム、アルミナ等
が挙げられる。
【0031】上記滑剤としては、例えば、カプリル酸、
カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸等が挙げられる。
【0032】上記分散剤としては、例えば、アルキレン
オキサイド系、グリセリン系等のノニオン系界面活性
剤;高級アルキルアミン類、四級アンモニウム塩類等の
カチオン系界面活性剤;カルボキシル基、燐酸基、スル
ホン酸基等の酸基を含むアニオン系界面活性剤等が挙げ
られる。
【0033】上記安定剤としては、例えば、金属石鹸系
安定剤、有機錫系安定剤、エポキシ系化合物等が挙げら
れる。
【0034】上記磁性塗料を支持体に塗布し、配向、乾
燥、カレンダー処理した後、スリッティングし、架橋さ
せることにより、磁気記録媒体が得られる。磁性塗料も
しくはバインダー樹脂を支持体に塗布する方法として
は、エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコ
ート、押出しコート、エアナイフコート、スクイズコー
ト、含浸コート、リバースロールコート、トランスファ
ーロールコート、グラビアコート、キスコート、キャス
トコート、スプレーコート、スピコート等が挙げられ
る。
【0035】磁気記録媒体を得るには、支持体に磁性塗
膜を形成した後、磁性塗膜を電磁石(ソレノイド)中を
通し配向させるのが好ましい。
【0036】上記磁気記録媒体は、例えば、オーディオ
用、ビデオ用、コンピュータ用の磁気テープ;フロッピ
ーディスク等の磁気ディスク;磁気カード等に好適に使
用される。
【0037】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。 (実施例1)攪拌機を備えたジャケット付き耐圧重合器
にイオン交換水230重量部、ポリエチレンイミン−ポ
リプロピレンオキサイドブロックポリマー1.3重量
部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート
0.5重量部を仕込み、密閉して残存する空気を排除し
た後、塩化ビニル64重量部を圧入し、次いで、塩化ビ
ニル36重量部、2−ヒドロキシプロピルアクリレート
8.5重量部及び2−アクリロイルオキシエチルフタル
酸1.7重量部の混合モノマーの10重量%を圧入し、
重合器のジャケットにより70℃に加熱した。
【0038】重合器の内温が70℃に到達した直後よ
り、上記の混合モノマーの残部を40回に分けて5分お
きに分割添加し、最後の添加が終了して5分後に冷却を
開始して25℃になった時点で反応を停止した。次い
で、未反応の塩化ビニルモノマーを排除した後スラリー
を取り出し、このスラリーをイオン交換水で洗浄、脱
水、乾燥し、塩化ビニル系共重合体を得た。
【0039】(実施例2〜5、比較例1〜5)水酸基含
有ビニルモノマー、カルボキシル基含有ビニルモノマー
ならびに表1及び表2に示した溶剤溶解性付与ビニルの
添加量を変えたこと以外は、実施例1と同様にして塩化
ビニル系共重合体を得た。 (実施例6)耐圧重合器にメタノール141重量部及び
α−クミルパーオキシネオデカノエート1.1重量部を
仕込み、密閉して残存する空気を排除した後、塩化ビニ
ル73重量部を圧入し、次いで、メタノール21重量
部、塩化ビニル27重量部、2−ヒドロキシプロピルア
クリレート5.6重量部及び2−アクリロイルオキシエ
チルフタル酸1重量部の混合溶液の10重量%を圧入
し、重合器のジャケットにより43℃に加熱した。重合
器の内温が43℃に到達した直後より、上記の残部の混
合溶液を5分おきに40回に分けて分割添加し、最後の
添加が終了して5分後に冷却を開始して25℃になった
時点で反応を停止した。次いで、重合器にイオン交換水
を導入して未反応の塩化ビニルモノマーを排除した後ス
ラリーを取り出し、このスラリーを脱水、乾燥し、塩化
ビニル系共重合体を得た。
【0040】〔塩化ビニル系共重合体の性能評価〕上記
実施例及び比較例で得られた塩化ビニル系共重合体及び
該共重合体より調製された磁性塗料につき、下記の性能
評価を行い、その結果を表1及び表2に示した。 (1)塩化ビニル系共重合体の重合度 JIS K6721に準拠して重合度を測定した。
【0041】(2)塩化ビニル系共重合体の組成 水酸基を無水酢酸−ピリジン法により、塩素含有量を酸
素フラスコ燃焼法により、カルボキシル基を滴定法によ
りそれぞれ測定し、塩化ビニル系共重合体の組成を求め
た。
【0042】(3)角形比 Co−γ−酸化鉄(BET値35m2 /g)100重量
部、塩化ビニル系共重合体100重量部、ウレタン樹脂
(日本ポリウレタン工業社製「ニッポラン2304」)
10重量部、混合溶剤(メチルエチルケトン、トルエ
ン、シクロヘキサノンを2:1:1の割合で混合)17
5重量部及び1/2インチSUSボール400重量部を
ガラス瓶に充填し、ペイントシェーカー(レッドデビル
社製)で6時間分散させた後、架橋剤として1.14重
量部のポリイシシアネート(日本ポリウレタン工業社製
「コロネートL」)を加えてさらに30分間振盪させて
磁性塗料を調製した。この磁性塗料をポリエステルフィ
ルム支持体上に、乾燥後の塗膜厚が5μmとなるように
塗布後、磁場配向させて乾燥し、磁性塗膜を得た。この
磁性塗膜を4.5cm×7cmに裁断して、直流磁化特
性記録装置(横河電気社製「T/3256−30」)に
より、角形比を測定した。
【0043】(4)光沢度 上記角形比の測定に供した磁性塗膜を、デジタル変角光
沢計(日本電色工業社製「VG−1G」)を用いて、入
射角60度時の反射率を測定し、光沢度とした。
【0044】(5)塗料粘度 上記で調製した磁性塗料につき、E型粘度計(東機社製
「EHD」)を用いて100rpm(ズリ速度383S
-1)時の粘度を測定した。
【0045】(6)ゲル分率 塩化ビニル系共重合体20重量部を上記混合溶剤80重
量部に溶解し、さらに上記架橋剤1.14重量部を加え
て溶解した後、乾燥後の厚さが20μmとなるようにキ
ャストし、50℃で2時間、100℃で1時間加熱架橋
させた後、50℃で20時間乾燥し、さらに50℃で2
4時間真空乾燥を行って架橋フィルムを得た。このフィ
ルムを50℃のトルエン/メチルエチルケトン(重量比
1:1)混合溶剤に一昼夜浸漬した後の重量を、浸漬前
のフィルム重量で除した値(重量%)をゲル分率とし
た。この値は、塩化ビニル系共重合体とイソシアネート
化合物との架橋反応の反応効率を判断する目安となり、
さらに一般にゲル分率が高い方が耐久性が高くなる。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】本発明の磁気記録体用結着剤は、上述し
たように塩化ビニルモノマー、水酸基含有ビニルモノマ
ー及びカルボキシル基含有ビニルモノマーからなる共重
合体より構成され、水酸基含有ビニルモノマー及びカル
ボキシル基含有ビニルモノマーが特定量含有されている
ので、得られた磁性塗料は微粒子化された磁性粉を均一
分散させることができると共に、低粘度により生産性を
高めることができ、形成された磁性塗膜は優れた耐久性
能を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)塩化ビニルモノマー、(b)水酸基
    含有ビニルモノマー及び(c)カルボキシル基含有ビニ
    ルモノマーを構成成分とする塩化ビニル系共重合体から
    なる磁気記録体用結着剤であって、該共重合体中におけ
    る水酸基量が1〜3重量%、カルボキシ基量が0.2〜
    1.5重量%であり、かつ、水酸基/カルボキシ基の当
    量比が3.2〜25であることを特徴とする磁気記録体
    用結着剤。
JP8282693A 1993-04-09 1993-04-09 磁気記録体用結着剤 Pending JPH06295424A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011153304A (ja) * 2009-12-28 2011-08-11 Toray Ind Inc シリコーンプレポリマーの製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011153304A (ja) * 2009-12-28 2011-08-11 Toray Ind Inc シリコーンプレポリマーの製造方法

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