JPH06293798A - ヒトパルボウイルスb19のエピトープ関連ペプチド - Google Patents

ヒトパルボウイルスb19のエピトープ関連ペプチド

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JPH06293798A
JPH06293798A JP7980293A JP7980293A JPH06293798A JP H06293798 A JPH06293798 A JP H06293798A JP 7980293 A JP7980293 A JP 7980293A JP 7980293 A JP7980293 A JP 7980293A JP H06293798 A JPH06293798 A JP H06293798A
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human parvovirus
thr
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amino acid
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Yasuyoshi Kawamoto
泰良 河本
Takeshi Hachiman
健 八幡
Toru Chiba
徹 千葉
Tadashi Nunogami
董 布上
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C12N2750/00MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA ssDNA viruses
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ヒトパルボウイルスB19に対する抗体を検
出するのに有効なペプチドを提供する。 【構成】下記式 H-Gln-Pro-Tyr-His-His-Trp-Asp-Thr-Asp-Lys-Tyr-Val-
Thr-Gly-Ile-Asn-Ala-Ile-Ser-His-Gly-Gln-Thr-Thr-Ty
r-OH なるアミノ酸配列のペプチドは、ヒパルボウイルスB
19に対する抗体と特異的に反応する。そのためこのペ
プチドは、ヒトパルボウイルスB19に対する抗体の測
定試薬、およびヒトパルボウイルスB19に対する抗体
の測定方法に利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒトパルボウイルス
(HPV)B19に対する抗体の特異的検出に有用なエ
ピトープペプチド、そのエピトープペプチドを含有する
ヒトパルボウイルスB19に対する抗体の測定試薬、お
よびヒトパルボウイルスB19に対する抗体の測定方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ヒトパルボウイルスB19は、1975
年Cossart らによりヒト血液中の未知の粒子として発見
され、1981年以降にヒトの病原ウイルスであること
が明らかにされた。ヒトパルボウイルスB19は伝染性
紅斑、関節炎等を引き起こす病原ウイルスであり、その
ため、的確かつ正確な診断が肝要である。診断法として
はウイルスそのものを検出する方法と、抗体を検出する
方法が挙げられる。いずれの場合も抗原となる物質が不
可欠であり、診断法の重点となるものである。従来、抗
原物質としては、ヒト骨髄赤芽球系細胞由来のヒトパル
ボウイルスB19、遺伝子工学的手法によるウイルス抗
原タンパク等が用いられていた。
【0003】一般に、抗体は抗原となるタンパクの数残
基のアミノ酸を認識するといわれており、その部位はエ
ピトープと呼ばれている。抗原タンパクは数個のエピト
ープを有しており、その部位を含むペプチドを用いれ
ば、ウイルス粒子そのものを用いなくとも容易にかつ特
異的に検出・測定が可能である。
【0004】近年、固相合成法の進展に伴ないペプチド
は比較的容易に得られるようになった。図1に示すヒト
パルボウイルスB19ゲノムシーケンス(遺伝子配列)
は、Shade らにより解明されている。これを基にFridel
l らはオープンリーディングフレーム(ORF)1とO
RF2の一部の領域について対応するペプチドを合成
し、ORF1領域のアミノ酸配列番号236-253 、284-30
7 、732-741 およびORF2領域のアミノ酸配列番号16
1-170 に相当するペプチドの坑ヒトパルボウイルスB1
9抗体に対する反応性を見いだしている。また、Satoら
はウイルスタンパク(Viral protein :VP)2領域の
アミノ酸配列番号328-344 に相当するペプチドが坑ヒト
パルボウイルスB19と反応することを示唆した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら抗原物質
としてヒト骨髄赤芽球系細胞由来のヒトパルボウイルス
B19を利用しているため、抗原の入手が困難であるこ
と、遺伝子工学的手法では操作が煩雑であることから、
安定かつ継続的に供給できる抗原が強く望まれていた。
【0006】またこれまで抗原部位と予想されるアミノ
酸配列のペプチドとヒトパルボウイルスB19抗体の反
応性を見た報告では、血清中に含まれるイムノグロブリ
ンG(IgG)とイムノグロブリンM(IgM)の分別
的定量が十分に研究されていない。さらに、ウイルスの
感染時期によって抗原部位と予想されるアミノ酸配列の
ペプチドとヒトパルボウイルスB19抗体との反応性が
異なることも詳細に調べられていない。加えて測定感度
の問題も明らかにされているとはいえない。
【0007】そこで、本発明は、ヒトパルボウイルスB
19に対する抗体と特異的に反応するペプチドを提供す
ると共に、上記の課題を解決するため、その用途、即ち
ヒトパルボウイルスB19に対する抗体の測定試薬およ
びヒトパルボウイルスB19に対する抗体の測定方法を
提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者らは、先
ず、ヒトパルボウイルスB19抗体と反応するエピトー
プ部分の探索を行なうため、ピンテクノロジーエピトー
プスキャンニングシステム(CRB社製:Cambridge Re
search Biochemicals Inc.)を用いて、ウイルスタンパ
クVP2の全領域をカバーするペプチドを合成し、一斉
スクリーニングを行なった。
【0009】先ず、ORF1に対応するVP2領域(55
4 アミノ酸残基)を表1〜3に示すように15残基(5
残基ずつオーバーラップさせたもの)ずつに分け、合計
64種類のペプチドをポリエチレン製のピン上に合成し
た。合成に用いたこのピンはその表面をアクリル酸でコ
ートしてあり、リンカーとしてヘキサメチレンジアミン
が、その末端にスぺーサーとしてβ−アラニンが結合し
た構造を持っている。本システムは合成終了後のピンブ
ロックをそのまま96穴の市販ELISA用プレート上
で使用可能な規格になっている。
【0010】合成方法は、スぺーサーであるβ−アラニ
ンのアミノ基に目的ペプチドのC末端アミノ酸誘導体を
結合させることから開始される。それ以降はFmoc固
相合成法に従い、ステップワイズにFmocアミノ酸誘
導体を縮合し、ピン結合保護ペプチドを合成した。合成
した保護ペプチドをピンから切り離すことなく構成アミ
ノ酸誘導体の側鎖保護基のみを選択的に脱保護し、ピン
結合ペプチドを得た。この選択的脱保護はTFA/an
isoleを用いて行なった。このようにして得られた
64種類のピン結合ペプチドを用いてヒトパルボウイル
スB19抗体との反応性を同時に観察した。
【0011】上記の一斉スクリーニングの結果に基づき
表1〜3が作成され、その中より抗ヒトパルボウイルス
B19抗体と特異的に反応する部位のペプチドがいくつ
か見いだされた。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】
【表3】
【0015】次に、ヒトパルボウイルスB19遺伝子のO
RF1に対応するVP2領域(554アミノ酸残基)のう
ち、N末端側の239 アミノ酸を除く後半の315 アミノ酸
配列についてコンピュータプログラムを用いた親水性
値(Hydrohobicity )および二次構造の予測を行なっ
た。
【0016】まず、Roseらの統計的スケール(statis
tical scale )でアミノ酸7個ずつの平均親水性値をプ
ロットすることによりhydrohobicity を測定したとこ
ろ、ローズの統計的スケールによる平均親水性値を示す
図2に見られるような結果が得られ、続いてHolleyら
の方法による構造予測を行なったところ、ホリーの2次
構造予測図3に示されるような結果が得られた。
【0017】一斉スクリーニングの結果と平均親水性の
高い部位やアミノ酸配列の二次構造予測の結果を併せて
考察したところ、抗原性を持つと予想される部位を見い
だし、いくつかに絞り込んだ。
【0018】二次スクリーニングでは遊離ペプチドとヒ
トパルボウイルスB19抗体との反応性を見るわけであ
るが、遊離ペプチドの合成においては、アミノ酸配列に
関わる合成および精製の難易度を考慮に入れなければな
らない。また、コンピュータプログラムの結果を受けて
各々のアミノ酸配列が取りうる構造を考えた上でそのア
ミノ酸残基数を決定しなければならない。
【0019】一次スクリーニングでは、各ペプチドのア
ミノ酸残基数を一律15個に設定して行なったが、上述
のような理由により二次スクリーニングでは各々のペプ
チドのアミノ酸残基数をいろいろと変えて合成し、表4
にその絞り込んだ6つのアミノ酸配列を示した。
【0020】最終的にこれら6つのアミノ酸配列に相当
する遊離ペプチドを合成しヒトパルボウイルスB19抗
体との反応性を検討した。その結果、これまでに報告さ
れていたアミノ酸配列に相当する部位のペプチドとは異
なるアミノ酸配列で、しかも従来のペプチドに比べてヒ
トパルボウイルスB19抗体と高い反応性を示し、かつ
ウイルス感染初期に特に選択的に反応する部位のペプチ
ドが表4より見いだされた。
【0021】
【表4】
【0022】抗ヒトパルボウイルスB19抗体と反応す
るペプチドは、下記(1)式 H-Gln-Pro-Tyr-His-His-Trp-Asp-Thr-Asp-Lys-Tyr-Val-Thr-Gly- Ile-Asn-Ala-Ile-Ser-His-Gly-Gln-Thr-Thr-Tyr-OH (1) なるアミノ酸配列である。上記、(1)式に示したアミ
ノ酸配列は、ヒトパルボウイルスB19の遺伝子配列と
オープンリーディングフレームの対応、及びヒトパルボ
ウイルスRNAとタンパクの対応を示す図1よりORF
1領域のアミノ酸配列番号335-359 に相当する部位のペ
プチドである。
【0023】この(1)式のペプチドは、前出のSatoら
が報告したVP2領域のアミノ酸配列番号328-344 に相
当するペプチドと10アミノ酸残基がオーバーラップし
たものではあるが、この(1)式のペプチドと抗ヒトパ
ルボウイルスB19抗体との反応性はSatoらが報告した
部位のペプチドに比較して非常に高く、特にウイルス感
染初期に強い反応性を示すことが最大の特徴である。し
たがって、測定感度が高く、感染、発症後の時期に応じ
た診断法が可能となる。
【0024】ペプチドの製造法としてはタンパクの酵素
分解法、化学的合成法が挙げられるが、化学的合成法の
方が簡便かつ大量に得ることが可能である。化学的合成
方法のうち、液相合成法あるいは固相合成法のどちらで
もよく、また固相合成法のうちのt-ブトキシカルボニル
(Boc)法または9-フルオレニルメトキシカルボニル
(Fmoc)法のどちらでも得ることは可能である。固
相合成法を採用すれば自動合成機の使用も可能である。
これら化学的合成方法によるペプチドはその構成アミノ
酸の側鎖官能基を保護してあるため、最終的にこれを除
去しなければならない。即ち、フッ化水素法、接触還元
法、トリフルオロ酢酸法、ブロモトリメチルシラン(T
MSBr)法、トリメチルシリルトリフルオロメタンス
ルフォネート(TMSOTf)法等の一般的に用いられ
る方法により保護基を除去して目的のペプチドを得る。
さらに最終段階で、逆相液体クロマトグラフィーにより
精製することが望ましい。
【0025】(1)式のペプチドは、抗ヒトパルボウイ
ルスB19抗体に特異的かつ高親和性を有するので、抗
ヒトパルボウイルスB19抗体の高感度な測定試薬とし
て用いることが可能である。
【0026】また、(1)式のペプチドを利用した抗ヒ
トパルボウイルスB19抗体の測定法としては既知の免
疫学的方法のいずれも利用可能である。即ち、放射免疫
測定法(RIA)、酵素免疫測定法(ELISA)、蛍
光免疫測定法、化学発光免疫測定法、免疫凝集法等であ
る。
【0027】これら測定系の構成要素としては固定化担
体、被検試料および標識抗体あるいは標識抗原からな
る。ここでの固定化担体とはガラス、プラスチック、高
分子物質等の固相担体に被検試料との結合能を有する物
質を結合したものである。担体の形状としては試験管、
マイクロプレート、キュベット、ビーズ、微粒子、膜等
が挙げられる。被検試料との結合能を有する物質とは、
被検試料に対する抗体あるいは抗原、プロテインA等の
抗体との結合能を有する物質である。担体と上記物質の
結合方法としては物理吸着法、共有結合法が挙げられ
る。また、担体被検試料との結合能を有する物質の間に
は、抗体−抗抗体の親和性、ビオチン−アビジンの親和
性、プロテインAおよびプロテインGと抗体の親和性、
レクチン−炭水化物の親和性等の使用可能なあらゆる親
和性を有した物質を介しても構わない。
【0028】固定化担体は、担体表面上の未結合部位に
よる非特異的吸着反応を抑制するために、ブロッキング
剤により未結合部位を被覆することが望ましい。ブロッ
キング剤とは測定系中の特異反応にはよらない物質で構
成されたものであり、例えば牛血清アルブミン、卵白ア
ルブミン、乳成分、タンパク分解物等のタンパク成分、
ゼラチン、ポリビニルアルコール等の天然および合成高
分子物質等が挙げられる。被検試料は、血清、血漿等抗
体を含むものならすべて採用できる。構成要素のうちの
標識抗体あるいは標識抗原は、標識物と抗体あるいは抗
原を前述の親和性を有した物質を介しても構わない。同
様に被検試料と標識抗体あるいは標識抗原の間に親和性
を有した物質を介しても可能である。本発明によるペプ
チドは上記測定系の構成要素のうちの固定化担体あるい
は標識抗原としての利用が可能である。
【0029】
【実施例】以下、本発明のペプチドを合成し、そのペプ
チドと抗ヒトパルボウイルスB19抗体との反応性を測定
した例を詳細に説明する。
【0030】(ペプチドの調製例)ペプチドの調製は固
相合成法に従った。保護ペプチドはアプライドバイオシ
ステムズ社製430A合成機を用い、Fmoc固相合成法に
より合成した。保護ペプチドをTMSOTf法により脱
保護し、粗精製ペプチドを得た。これをゲル濾過、逆相
液体クロマトグラフィーの順で精製を行ない、(1)式 H-Gln-Pro-Tyr-His-His-Trp-Asp-Thr-Asp-Lys-Tyr-Val-Thr-Gly- Ile-Asn-Ala-Ile-Ser-His-Gly-Gln-Thr-Thr-Tyr-OH (1) に示す最終的な精製ペプチドを得た。
【0031】比較のため(2)式に示すペプチド(Frid
ell らが報告したペプチド) H-Phe-Ser-Pro-Ala-Ala-Ser-Ser-Cys-His-Asn-Ala-Ser-Gly- Lys-Glu-Ala-Lys-Val-Cys-Thr-Ile-Ser-Pro-Ile-OH (2) および(3)式に示すペプチド(Satoらが報告したペプ
チド) H-Leu-Arg-Pro-Gly-Pro-Val-Ser-Gln-Pro-Tyr-His-His-Trp- Asp-Thr-Asp-Lys-OH (3) を調製し使用した。
【0032】測定例1:イムノグロブリンG(Immunogl
obulin G:IgG)の測定 ELISA法によりヒトパルボウイルスB19に感染し
た患者血清中のIgG抗体を測定する方法の例を示す。
担体としてポリスチレン製のマイクロプレートを用い
た。これにりん酸緩衝液で10μg/mlの濃度に調製
したペプチド溶液を100μlずつ分注し、室温で一晩
固相化することにより固定化担体を得た。未結合部位と
IgG抗体間の非特異的吸着反応を抑制するために、ブ
ロッキング剤で被覆した。次に患者血清を市販の希釈液
で200倍に希釈して100μlずつ分注し、37℃で
2時間反応した。この血清は、ヒトパルボウイルスB1
9感染により造血障害発作を起こした12才女児から得
たものである。
【0033】りん酸緩衝液で6回洗浄後、同溶液で10
00倍に希釈した市販の西洋ワサビペルオキシダーゼ
(HRP)標識抗ヒトIgG抗体を100μlずつ分注
して、37℃で1時間反応させた。さらにりん酸緩衝液
で6回洗浄後、発色剤としてオルトフェニレンジアミン
(OPD:OPD4mg/10mlH2 O,H22 15
μl)を100μlずつ分注し、室温で30分反応させ
た後、1NH2 SO4 を100μlずつ加えて反応を停
止させた。着色生成物をマイクロプレートリーダーを用
いて波長492nmにおける吸光度を測定することによ
りHRPの検出を行なった。
【0034】測定に使用したペプチドは(1)式に示し
たものである。比較のために(2)式および(3)式に
示したペプチドも使用した。測定結果のグラフを図4に
示してある。グラフの横軸は造血障害の発症経過日を、
縦軸は吸光度をそれぞれ示している。この結果より、
(1)式のペプチドは抗ヒトパルボウイルスB19抗体
との高反応性を有していることが明らかである。また、
感染の初期(急性期)に強い反応性を示すことも判明し
た。
【0035】測定例2:イムノグロブリンM(Immunogl
obulin M:IgM)の測定 ELISA法によりヒトパルボウイルスB19に感染し
た患者血清中のIgM抗体を測定する方法の例を示す。
測定例1と同様にして固定化担体を得てアッセイを行な
ったものであるが、HRP標識ヒトIgG抗体の代わり
にHRP標識ヒトIgM抗体を使用した。
【0036】測定に使用したペプチドは(1)式に示し
たものである。比較のために(2)式および(3)式に
示したペプチドも使用した。測定結果のグラフを図5に
示してある。この結果より(1)式のペプチドは、抗ヒ
トパルボウイルスB19抗体のうちのIgMとも強い反
応性を有していることを示している。
【0037】測定例3:ビオチン−アビジン間の結合能
を利用したIgGの測定 この例はビオチン−アビジンの親和性を利用して担体に
ペプチドを固定することによりペプチド固定化担体を得
て、IgGを測定する方法である。まず、表面にアミノ
基を有するポリスチレン製マイクロプレートに250μ
g/mlのビオチン−N−ヒドロキシサクシンイミドエ
ステル(NHS−Biotin)を100μg/mlずつ
分注し、37℃で2時間反応させた。次にりん酸緩衝液
で6回洗浄し、50μg/mlのアビジンを100μl
ずつ分注し、37℃で1時間反応させた。
【0038】ここで使用したビオチン化ペプチドは、前
記ペプチドの調製例に記載の方法で合成した保護ペプチ
ドのN−末端に(NHS−Biotin)を結合し、以
下ペプチドの調製例に記載した方法と同様に脱保護、精
製して得たものである。りん酸緩衝液で6回洗浄後、測
定例2に記した方法と同様にブロッキングおよびアッセ
イを行なった。
【0039】使用したペプチドは(1)式に示したもの
である。比較のために(2)式に示した比較ペプチドに
ついても同様に使用した。測定結果を図6に示した。こ
の結果より、(1)式のペプチドは抗ヒトパルボウイル
スB19抗体と高反応性を有していることが明らかであ
る。また(1)式のペプチドは感染初期(急性期)に強
い反応性を有するという特徴が示されている。
【0040】なお、本明細書においてアミノ酸はIUP
ACとIUBの生化学命名委員会の勧告に準拠した略号
で記述した。また、特に指定しない場合、アミノ酸はL
型を示すものとする。
【0041】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
るペプチドは抗ヒトパルボウイルスB19抗体と特異的
に反応する。そのため本発明のペプチドは抗ヒトパルボ
ウイルスB19抗体の測定試薬にすることができる。同
時に血清または血漿中の抗ヒトパルボウイルスB19抗
体を高感度かつ特異的に検出することが可能である。さ
らに本発明によるペプチドはヒトパルボウイルスB19
に起因する伝染性紅斑、関節炎などのウイルスに対する
ワクチンとしての応用が可能であり、これらペプチドを
利用した抗体は治療薬としての可能性も考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒトパルボウイルスB19の遺伝子配列とオー
プンリーディングフレームの対応、およびヒトパルボウ
イルスRNAとタンパクの対応を示す図である。
【図2】ローズらの統計的スケール(statistical scal
e )で測定した親水性値(hydrohobicity )を表した図
である。
【図3】ホリーらの方法により予測した二次構造を表し
た図である。
【図4】イムノグロブリンG(IgG)の測定結果を示
す図である。
【図5】イムノグロブリンM(IgM)の測定結果を示
す図である。
【図6】ビオチン−アビジンを利用したイムノグロブリ
ンG(IgG)の測定結果を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年3月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】
【表2】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 千葉 徹 神奈川県川崎市高津区坂戸3丁目2番1号 信越化学工業株式会社コーポレートリサ ーチセンター内 (72)発明者 布上 董 福岡県福岡市中央区大手門3丁目10−10− 1103

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒトパルボウイルスB19に対する抗体
    に反応する下記式、 H-Gln-Pro-Tyr-His-His-Trp-Asp-Thr-Asp-Lys-Tyr-Val-
    Thr-Gly-Ile-Asn-Ala-Ile-Ser-His-Gly-Gln-Thr-Thr-Ty
    r-OH なるアミノ酸配列のペプチド。
  2. 【請求項2】 下記式 H-Gln-Pro-Tyr-His-His-Trp-Asp-Thr-Asp-Lys-Tyr-Val-
    Thr-Gly-Ile-Asn-Ala-Ile-Ser-His-Gly-Gln-Thr-Thr-Ty
    r-OH なるアミノ酸配列のペプチドを含有することを特徴とす
    るヒトパルボウイルスB19に対する抗体の測定試薬。
  3. 【請求項3】 下記式 H-Gln-Pro-Tyr-His-His-Trp-Asp-Thr-Asp-Lys-Tyr-Val-
    Thr-Gly-Ile-Asn-Ala-Ile-Ser-His-Gly-Gln-Thr-Thr-Ty
    r-OH なるアミノ酸配列のペプチドをヒトパルボウイルスB1
    9に対する抗体と反応させることを特徴とするヒトパル
    ボウイルスB19の測定方法。
JP7980293A 1993-04-06 1993-04-06 ヒトパルボウイルスb19のエピトープ関連ペプチド Pending JPH06293798A (ja)

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