JPH06293779A - 新規インダゾールシラン化合物及びその製造方法並びにそれを用いる金属表面処理剤 - Google Patents

新規インダゾールシラン化合物及びその製造方法並びにそれを用いる金属表面処理剤

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JPH06293779A
JPH06293779A JP5081964A JP8196493A JPH06293779A JP H06293779 A JPH06293779 A JP H06293779A JP 5081964 A JP5081964 A JP 5081964A JP 8196493 A JP8196493 A JP 8196493A JP H06293779 A JPH06293779 A JP H06293779A
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JP
Japan
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compound
indazole
general formula
metal surface
formula
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Application number
JP5081964A
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English (en)
Inventor
Katsuyuki Tsuchida
克之 土田
Noriko Sugiyama
規子 杉山
Masashi Kumagai
正志 熊谷
Yukio Ogino
幸男 荻野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
Japan Energy Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性に優れ、金属表面に対する防錆作用が
高い新規なシラン化合物、その製法及びそれを用いた金
属表面処理剤を提供すること。 【構成】 (1)下記一般式(1)及び(2)で表され
るシラン化合物から選択される新規インダゾールシラン
化合物。 【化1】 (ただし、R1,R2は一般式(1)及び(2)において
炭素数が1〜3のアルキル基、nは一般式(1)におい
ては0〜2、一般式(2)においては1〜3)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属表面の防錆の改善
等を行うための表面処理剤、特にはプリント回路用銅張
積層板等に用いられる銅箔用表面処理剤として有用な新
規なインダゾールシラン化合物及びその製造方法、並び
にその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】プリント回路用の銅張積層板は銅箔を紙
−フェノール樹脂含浸基材やガラス−エポキシ樹脂含浸
基材等に加熱、加圧して積層して形成され、これをエッ
チングして回路網を形成し、これに半導体装置等の素子
を搭載することにより電子機器用のボードが作られる。
これらの過程では、基材との接着、加熱、酸やアルカリ
液への浸漬、レジストインクの塗布、ハンダ付け等が行
われるため、銅箔には各種の性能が要求される。たとえ
ば、通常M面(粗化面、以下同様)と呼称されている基
材と接着される側には主として基材との接着性、耐薬品
性等が要求され、又M面の反対側の通常S面(光沢面、
以下同様)と呼称されている側には主として耐熱性、耐
湿性等が要求されている。又これらの両面には保管時に
銅箔の酸化変色のないことも要求されている。これらの
要求を満たすために、銅箔のM面には黄銅層形成処理
(特公昭51−35711号公報、同54−6701号
公報)、M、S双方の面にはクロメート処理、亜鉛また
は酸化亜鉛とクロム酸化物とからなる亜鉛−クロム基混
合物被覆処理等(特公昭58−7077号公報)が行わ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
たように最近プリント回路が緻密化しているので、使用
されるプリント回路用銅箔に要求される特性はますます
厳しくなっている。本発明は、こうした要請に対応でき
る、すなわち、金属表面に対する防錆作用が高い新規な
シラン化合物、その製造方法、及びそれを用いた新規な
金属表面処理剤、特に銅箔用表面処理剤を提供すること
を目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究を
進めた結果、特定のインダゾール環を有するシラン化合
物が金属表面に対し優れた防錆作用を有することを見出
した。
【0005】本発明は、かかる知見に基づきなされたも
のであり、その要旨は、 (1)下記一般式(1)で表される新規インダゾールシ
ラン化合物。
【0006】
【化3】
【0007】(ただし、R1,R2は一般式(1)及び
(2)において炭素数が1〜3のアルキル基、nは一般
式(1)においては0〜2、一般式(2)においては1
〜3) (2)下記一般式(3)で表されるインダゾールと下記
一般式(4)で表される3−グリシドキシプロピルシラ
ン化合物とを、80〜200℃で反応させることを特徴
とする前記(1)記載のインダゾールシラン化合物の製
造方法、
【0008】
【化4】
【0009】(ただし、一般式(4)において、R1
2は炭素数が1〜3のアルキル基、nは0〜3) (3)前記(1)記載の一般式(1)及び(2)で表さ
れるインダゾールシラン化合物の少なくとも1種を有効
成分とする金属表面処理剤、及び、 (4)前記(1)記載の一般式(1)及び(2)で表さ
れるインダゾールシラン化合物の少なくとも1種を有効
成分とする銅箔用表面処理剤にある。
【0010】以下に本発明をさらに詳細に説明する。本
発明の上記インダゾールシラン化合物(1)及び(2)
は、一般式(3)で表されるインダゾール化合物と一般
式(4)で表される3−グリシドキシプロピルシラン化
合物とを、80〜200℃で反応させることにより製造
することができる。その反応を式で示すと次のようにな
る。
【0011】
【化5】
【0012】(上記式中、R1及びR2は炭素数1〜3の
アルキル基、nは一般式(1)において0〜2、一般式
(2)においては1〜3を表す)ただし、一般式(3)
においてnが0のときは反応生成物は一般式(1)単独
であり、同様にnが1又は2のときは反応生成物は一般
式(1)と(2)の混合物であり、またnが3のときは
反応生成物は一般式(2)単独である。
【0013】又、上記一般式(3)で表される3−グリ
シドキシプロピルシラン化合物は、3−グリシドキシプ
ロピルトリアルコキシシラン、3−グリシドキシプロピ
ルジアルコキシアルキルシラン、3−グリシドキシプロ
ピルアルコキシジアルキルシランであり、これらのうち
とくに好ましいものを挙げれば、3−グリシドキシプロ
ピルトリアルコキシシランとしては、3−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピ
ルトリエトキシシラン、また3−グリシドキシプロピル
ジアルコキシアルキルシランとしては、3−グリシドキ
シプロピルジメトキシメチルシラン、3−グリシドキシ
プロピルアルコキシジアルキルシランとしては、3−グ
リシドキシプロピルエトキシジメチルシラン等である。
【0014】上記インダゾール化合物と3−グリシドキ
シプロピルシラン化合物との反応は、80〜200℃の
温度に加熱したインダゾールに0.1〜10モル倍量の
3−グリシドキシプロピルシラン化合物を滴下させなが
ら行うと良く、反応時間は5分〜2時間程度で十分であ
る。この反応は特には溶媒を必要とはしないが、クロロ
ホルム、ジオキサン、メタノール、エタノール等の有機
溶剤を反応溶媒として用いてもよい。尚、この反応は、
水分を嫌うので、水分が混入しないように、乾燥した窒
素、アルゴン等の水分を含まない気体の雰囲気下で行う
ことが好ましい。
【0015】この反応において、上記一般式(1)で示
したインダゾールシラン化合物は混合物の状態で得られ
るが、これらの化合物は、溶解度の差を利用する方法、
分取液体クロマトグラフィー等の既知の手段により精製
され、単離されうる。尚、金属表面処理剤として用いる
場合は、これらのインダゾールシラン化合物は必ずしも
単離する必要はなく、混合物のまま用いることが簡便で
好ましい。
【0016】上記インダゾールシラン化合物を金属表面
処理剤として用いる場合、その対象金属には特に制限は
ない。たとえば銅、亜鉛及びこれらの合金等の表面処理
剤として有用である。しかし、銅の表面処理剤として用
いることが好適であり、特にはプリント回路用銅張積層
板等に用いられる銅箔の表面処理剤として用いると本発
明の効果を十分に発揮することができる。この銅箔には
銅箔の表面を粗面化処理したもの、銅箔に黄銅層形成処
理したもの、クロメート処理したもの、亜鉛−クロム基
混合物被覆処理したもの等も包含される。
【0017】上記ベンゾトリアゾールシラン化合物は、
少なくともその一種をそのまま直接金属表面に塗布して
もよいが、メタノール、エタノール等のアルコール類、
又はそれらと水との混合溶液、更には、アセトン、酢酸
エチル、トルエン等の溶剤で0.001〜20重量%に
なるように希釈し、この液に金属を浸漬させる方法で塗
布することが簡便で好ましい。尚、このインダゾールシ
ラン化合物は単独で用いてもよいが、他の防錆剤等と混
合して用いてもよい。
【0018】
【実施例】インダゾールシラン化合物の合成 (インダゾールと3−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシランとの反応) 実施例1 インダゾール5.9g(0.05mol)を120℃で
加温し、アルゴン雰囲気下で撹拌しながら、3−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン11.8g(0.0
5mol)を30分間かけて滴下した。滴下終了後、さ
らに120℃の温度で1時間反応させた。
【0019】反応生成物は透明な黄色の粘稠な液体とし
て得られた。
【0020】この生成物は透明な黄色の粘性液体で数週
間以上ゲル化せず安定であった。またアルコール、クロ
ロホルム、テトラヒドロフラン等に可溶であった。生成
物をゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより精
製し(化合物1という)、1H−NMR及びIRで分析
した結果、>NHピークは完全に消失しており、上記し
た反応が進行したことがわかった(図1、2)。これら
の結果から、上記化合物1は上記一般式(2)において
1がメチル、nが3である下記式(2−1)の構造を
有することがわかった。
【0021】
【化6】
【0022】耐湿性試験 電解銅箔(厚さ75μm、4.5×4.5cm)をアセ
トンで脱脂し、3%の硫酸水溶液で洗浄した。この銅箔
の光沢面に、前記で得られた化合物のインダゾールシラ
ン化合物を6重量%の濃度になるようにメタノールに溶
解し、この溶液をスピンコーターで塗布し、0.3μm
のインダゾールシラン化合物の薄膜を作成し、これを試
験片とした。
【0023】この試験片を温度80℃、湿度95%の恒
温恒湿槽に24時間入れ、変色の程度で耐湿性を評価し
た。比較のため、上記インダゾールシラン化合物に代え
て、シランカップリング剤として市販されている3−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン(以下単に「エ
ポキシシラン」と言う)及びインダゾールのメタノール
溶液を同様に0.3μm塗布した銅箔及び何も塗布しな
い銅箔(以下「ブランク」とする)について同様に耐湿
試験を行った。結果を表1に示した。
【0024】
【表1】
【0025】(注)耐湿性試験;5:変色なし、4:わ
ずかに変色、3:少し変色、2:橙色又は黄色に変色、
1:黒褐色に変色 以上の結果から本発明の化合物が、金属の表面処理剤と
して耐湿性(防錆作用)等に優れていることがわかる。
【0026】
【発明の効果】本発明の新規なインダゾールシラン化合
物は金属表面処理剤、特に銅箔用表面処理剤として有用
なもので、防錆作用に優れるという効果を有するもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】化合物1の1H−NMRスペクトル
【図2】同IRスペクトル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荻野 幸男 埼玉県戸田市新曽南3丁目17番35号 株式 会社日鉱共石内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)及び(2)で表される
    シラン化合物から選択される新規インダゾールシラン化
    合物。 【化1】 (ただし、R1,R2は一般式(1)及び(2)において
    炭素数が1〜3のアルキル基、nは一般式(1)におい
    ては0〜2、一般式(2)においては1〜3)
  2. 【請求項2】 下記一般式(3)で表されるインダゾー
    ルと下記一般式(4)で表される3−グリシドキシプロ
    ピルシラン化合物とを、80〜200℃で反応させるこ
    とを特徴とする請求項1記載のインダゾールシラン化合
    物の製造方法。 【化2】 (ただし、一般式(4)において、R1,R2は炭素数が
    1〜3のアルキル基、nは0〜3)
  3. 【請求項3】 請求項1記載の一般式(1)及び(2)
    で表されるインダゾールシラン化合物の少なくとも1種
    を有効成分とする金属表面処理剤。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の一般式(1)及び(2)
    で表されるインダゾールシラン化合物の少なくとも1種
    を有効成分とする銅箔用表面処理剤。
JP5081964A 1993-04-08 1993-04-08 新規インダゾールシラン化合物及びその製造方法並びにそれを用いる金属表面処理剤 Pending JPH06293779A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006249189A (ja) * 2005-03-09 2006-09-21 Bridgestone Corp 変性重合体及びそれを用いたゴム組成物及びタイヤ
JP2010120925A (ja) * 2008-10-22 2010-06-03 Shin-Etsu Chemical Co Ltd アミノ基を有する有機ケイ素化合物及びその製造方法
JP2010285406A (ja) * 2009-06-15 2010-12-24 Shin-Etsu Chemical Co Ltd アミノ基を有する有機ケイ素化合物及びその製造方法

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JP2010120925A (ja) * 2008-10-22 2010-06-03 Shin-Etsu Chemical Co Ltd アミノ基を有する有機ケイ素化合物及びその製造方法
JP2010285406A (ja) * 2009-06-15 2010-12-24 Shin-Etsu Chemical Co Ltd アミノ基を有する有機ケイ素化合物及びその製造方法

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