JPH06292509A - 濃厚コーヒー抽出液の製造法 - Google Patents

濃厚コーヒー抽出液の製造法

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JPH06292509A
JPH06292509A JP14375891A JP14375891A JPH06292509A JP H06292509 A JPH06292509 A JP H06292509A JP 14375891 A JP14375891 A JP 14375891A JP 14375891 A JP14375891 A JP 14375891A JP H06292509 A JPH06292509 A JP H06292509A
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JP
Japan
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coffee extract
coffee
brix
extract
concentrated
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Pending
Application number
JP14375891A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoyuki Kiyama
智之 木山
Kazuya Ikuta
一哉 幾田
Tsutomu Takayanagi
勉 高柳
Kikuo Shinpo
喜久雄 新保
Masao Takatsuji
征夫 高辻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honen Corp
Original Assignee
Honen Corp
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Publication of JPH06292509A publication Critical patent/JPH06292509A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 常温以上の温度での長期保存に耐え得る風味
安定性に優れた濃厚コーヒー飲料の製造法を提供するこ
とにある。 【構成】 可溶性固形分(ブリックス)が15〜40度
のコーヒー抽出液に炭酸水素ナトリウムを0.4〜1.
0重量%添加するコーヒー飲料製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】コーヒーはその魅力的な香りと風
味から現在では最も愛好されている嗜好性飲料の1つで
ある。コーヒーは、いれたてを賞味するレギュラーコー
ヒーの他に保存食品として缶コーヒーやリキッドコーヒ
ー等の形で供給されている。しかしながら、缶コーヒー
やリキッドコーヒーには、容器や物流のコストが無視し
えぬ程大きいという問題がある。そこで濃厚なコーヒー
抽出液を製品化し、消費者が飲用時に希釈して用いる商
品形態とすれば、その経済的メリットは極めて大きい。
本発明は、保存性の優れた濃厚コーヒー抽出液の製造法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コーヒー抽出液を長期間保存すると、抽
出直後のコーヒー抽出液に比較して次第に酸味が増大
し、また濁りや沈殿が生じるなど風味及び外観が変質
し、商品価値を著しく損うことが判明している。このコ
ーヒー抽出液の保存時に生じる酸味や濁りの発生を防止
するために炭酸水素ナトリウムの添加(特開昭61−7
4543、特開平2−222647)が提案されてい
る。
【0003】濃厚なコーヒー抽出液を保存飲料として製
品化するには、その保存性、特に常温以上の温度での保
存性を高めることが必要不可欠である。しかしながら濃
厚なコーヒー抽出液と通常の可溶性固形分を有するコー
ヒー抽出液とでは、その保存安定性に違いがある。すな
わち、後述の試験例に示すようにコーヒー抽出液は希釈
状態より不安定であり、PHは保存によりかなり低下す
る。
【0004】本発明がその対象とする濃厚なコーヒー抽
出液は、特開平2−222647では特に考慮されてい
ない。該発明によれば、保存性を高めるべくコーヒー中
に添加される炭酸水素ナトリウムはコーヒー可溶性固形
分に無関係に、コーヒー抽出液重量に対し0.005%
〜0.2%であると主張されている。本発明の知見によ
れば、必要な重炭酸ナトリウム添加量はコーヒーの可溶
性固形分濃度(以下ブリックスと称する)の限定下に決
定されるべきである。従って該発明が希釈せずに飲用に
供する濃度のコーヒー抽出液については有効であるが、
ブリックスの高いコーヒー抽出液には殆ど効果がないの
は当然と言える。またコーヒーの可溶性固形分に対し炭
酸水素ナトリウムを0.1〜1.0重量%添加すること
を特徴とする特開昭61−74543の発明において
は、希薄なコーヒー抽出液と濃厚な抽出液とで、後述す
る試験例に示すように劣化反応の速度が異なるというこ
とが考慮されておらず、特開平2−222647と同様
に濃厚なコーヒー抽出液には効果が認められない。なお
特開昭61−74543における炭酸水素ナトリウム添
加量を、不揮発性固形分に対する重量%からコーヒー抽
出液に対する重量%に換算すると、ブリックス15〜4
0度の範囲においてはブリックス40度の場合に添加量
として最大となり、コーヒー抽出液に対しておよそ0.
39%である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、飲用時
に希釈して供するようなブリックスの高い濃厚コーヒー
抽出液の保存に対し効果的な良い方法は未だ確立されて
いない。本発明の目的は、常温以上の温度での長期保存
に耐え得る風味安定性に優れた濃厚コーヒー抽出液の製
造法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ブリック
スの上昇がコーヒー抽出液の変質を促進するメカニズム
に関し鋭意研究した結果、濃厚コーヒー抽出液の常温以
上での保存性を高めるには、保存期間後の抽出液のPH
が特定の範囲にあるように予め製造時にPH調整すれば
良いことを見い出し、本発明を完成した。
【0007】本発明の技術的内容はブリックス15〜4
0度の濃厚コーヒー抽出液を殺菌、ポトリングする工程
の前に、該コーヒー抽出液に対し炭酸水素ナトリウムを
0.4−1.0重量%(以下単に%と略する)添加する
ことにある。ブリックス2前後の、そのまま飲用可能な
ブリックスを有するコーヒー抽出液は後述する試験例の
表1に示すように、長期保存してもPHに殆ど変化はな
い。これに対して濃厚なコーヒー抽出液は、同じく表1
に示すように長期保存によってかなりのPH低下が見ら
れる。このPH低下の減少は製造直後すなわち保存開始
時から1〜2週間の間に急激に進行し、その後平衡状態
となる。コーヒー豆の種類や抽出方法等の違いによりP
H低下の程度は異なるが、通常はPH値0.2前後、極
端な場合には0.4以上のPH低下が見られる。
【0008】長期保存した濃厚コーヒー抽出液は、飲用
時に酸味が強く感じられるようになる。また含まれてい
るポリフェノール類の退色が起こり色調が悪くなり、沈
殿も生じる。これらの現象は直接的または間接的にコー
ヒー抽出液のPH低下に由来するものである。従って、
保存による時間経過と共に平衡に達したPHが、抽出直
後のPHと同じかあるいは高めになるように製造時にP
Hを調整すれば、上記の品質劣化は防止できるのであ
る。従来の技術は単にPH調整剤添加量の範囲を指定す
るのみであって、実施するにあたり一体何を指標として
PH調整剤添加量を決定すればよいかが明らかにされて
いない。保存後の平衡に達したPHが、抽出時のPHを
下回らないように濃厚コーヒー抽出液のPHを調整する
という指標は、本発明者が初めて明らかにしたものであ
る。また驚くべきことに、実際に様々なコーヒー豆と抽
出方法を用いて製造した濃厚コーヒー抽出液について検
討した結果、保存性の優れた濃厚抽出液を製造するのに
必要なPH調整剤の添加量が、従来の技術が指定すると
ころのものと全く異なっていることが判明したのであ
る。
【0009】本発明で使用するコーヒー抽出液の抽出法
や濃縮法は特に限定されない。炭酸水素ナトリウムの添
加は、ブリックス15〜40度の濃厚なコーヒー抽出液
に対し、殺菌処理を施す前に行う。炭酸水素ナトリウム
の添加量は0.4から1.0%、好ましくは0.5〜
0.8%である。これは濃厚なコーヒー抽出液の場合、
炭酸水素ナトリウム添加量が0.4%を下回ると効果が
小さく、1.0%を上回ると炭酸水素ナトリウムがコー
ヒーの風味を損ねるからである。
【0010】このようにして炭酸水素ナトリウムを添加
した濃厚コーヒー抽出液のPHは、そのブリックスによ
って変化するが、通常PH値が0.3〜1.0ほど高く
なっている。得られた濃厚コーヒー抽出液は長期保存し
ても、炭酸水素ナトリウムを添加しない抽出液に比較し
てかなり高い値でPHが平衡に達するため、酸味が抑制
される。
【0011】次に本発明の試験例、実施例を記載する。
【0012】
【試験例】コーヒー抽出液(ブリックス27.0)及び
15倍希釈液(ブリックス1.8)を缶に封入・巻締め
後、121℃、4分間殺菌を行った。殺菌後35℃で1
ケ月保存後、PHを測定した。PHの測定はブリックス
27.0の濃厚液は15倍希釈して、ブリックス1.8
の希釈液はそのままで測定した。結果は表1に示す通り
であった。
【0013】
【表1】
【0014】
【実施例1】ブリックス27.0のコーヒー抽出液に炭
酸水素ナトリウムを各々0.2、0.4、0.6、0.
8、1.0%添加し、密封後高温殺菌を行った。そして
促進条件である35℃で、20日間保存後官能試験およ
び沈殿生成の様子を調べた。官能試験はコーヒー液を熱
湯で20倍希釈することにより供試し、パネルには特に
味覚の優れた15人を用い、採点法により行った。ま
た、沈殿生成の有無は保存後のコーヒー抽出液を遠心分
離(3,000RPM、30分)した後、濾別・凍結乾
燥後、沈殿の重量を測定することにより調べた。以後の
実施例もこの方法に準ずる。結果は表2に示す通りであ
った。美味しさ、沈殿量を総合して炭酸水素ナトリウム
0.4〜0.8%添加した抽出液に効果があった。
【0015】
【表2】
【0016】表中において「++」と「−」、「◎」と
「×」の間には1%の危険率で有意差がある。「+」と
「−」、「++」と「±」、「◎」と「△」、「○」と
「×」の間には5%の危険率で有意差がある。以下の実
施例も同様である。
【0017】
【実施例2】ブリックス38.5のコーヒー抽出液に炭
酸水素ナトリウムを各々0.2、0.4、0.6、1.
0、1.5%添加し、密封後高温殺菌を行った。35
℃、20日間保存後官能試験(30倍希釈にて供試)及
び沈殿生成の様子を調べた。結果は表3に示す通りであ
った。美味しさ、沈殿量を総合して炭酸水素ナトリウム
0.4〜1.0%添加した抽出液に効果があった。
【0018】
【表3】
【0019】
【実施例3】ブリックス18.0のコーヒー抽出液に炭
酸水素ナトリウムを各々0.2、0.4、0.6、0.
8、1.0%添加し、密封後高温殺菌を行った。35
℃、20日間保存後官能試験(14倍希釈にて供試)及
び沈殿生成の様子を調べた。結果は表4に示す通りであ
った。美味しさ、沈殿量を総合して炭酸水素ナトリウム
0.4〜0.8%添加した抽出液に効果があった。
【0020】
【表4】
【0021】
【発明の効果】本発明の製造法を用いれば、濃厚コーヒ
ー抽出液の長期保存における酸味の増大が効果的に抑制
され、沈殿も生成しない。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可溶性固形分(ブリックス)が15〜4
    0度のコーヒー抽出液に対し、炭酸水素ナトリウムを
    0.4〜1.0重量%添加することを特徴とする濃厚コ
    ーヒー抽出液の製造法。
JP14375891A 1991-05-20 1991-05-20 濃厚コーヒー抽出液の製造法 Pending JPH06292509A (ja)

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JP14375891A JPH06292509A (ja) 1991-05-20 1991-05-20 濃厚コーヒー抽出液の製造法

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JPH06292509A true JPH06292509A (ja) 1994-10-21

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5993877A (en) * 1998-02-13 1999-11-30 Unicafe Inc. Method of manufacturing coffee extract allowing long-term preservation
JP2008161103A (ja) * 2006-12-28 2008-07-17 Ajinomoto General Foods Inc 液体コーヒーの安定化方法
JP2009142206A (ja) * 2007-12-14 2009-07-02 Ito En Ltd 沈殿物の発生を抑制した容器詰コーヒー飲料

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