JPH06290783A - リチウム二次電池用正極 - Google Patents
リチウム二次電池用正極Info
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- JPH06290783A JPH06290783A JP5098973A JP9897393A JPH06290783A JP H06290783 A JPH06290783 A JP H06290783A JP 5098973 A JP5098973 A JP 5098973A JP 9897393 A JP9897393 A JP 9897393A JP H06290783 A JPH06290783 A JP H06290783A
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 電池容量及び充放電サイクル特性に優れた,
リチウム二次電池用正極を提供すること。 【構成】 リチウムを吸蔵,放出しうる金属化合物粉末
を正極活物質として用いている。金属化合物粉末11
は,単結晶又は複数の単結晶の集合体よりなる。金属化
合物粉末11の粒径は1〜20μmである。金属化合物
粉末を構成している単結晶の粒径は,0.1〜20μm
である。金属化合物粉末11は,これを構成する原料と
リチウム塩とを加熱焼成してなる。金属化合物粉末11
は,リチウムを吸蔵,放出しうるものである。また,金
属化合物粉末11は,Li─Mn─Cu─O系のリチウ
ム化合物よりなり,かつMnに対するCuのモル比は
0.2以下のものとすることもできる。
リチウム二次電池用正極を提供すること。 【構成】 リチウムを吸蔵,放出しうる金属化合物粉末
を正極活物質として用いている。金属化合物粉末11
は,単結晶又は複数の単結晶の集合体よりなる。金属化
合物粉末11の粒径は1〜20μmである。金属化合物
粉末を構成している単結晶の粒径は,0.1〜20μm
である。金属化合物粉末11は,これを構成する原料と
リチウム塩とを加熱焼成してなる。金属化合物粉末11
は,リチウムを吸蔵,放出しうるものである。また,金
属化合物粉末11は,Li─Mn─Cu─O系のリチウ
ム化合物よりなり,かつMnに対するCuのモル比は
0.2以下のものとすることもできる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,電池容量及び充放電サ
イクル特性に優れたリチウム二次電池用正極に関する。
イクル特性に優れたリチウム二次電池用正極に関する。
【0002】
【従来技術】近年,二次電池は高エネルギ密度化が要求
されている。かかる二次電池としては,負極活物質とし
てリチウム金属を,正極活物質としてリチウムを含む金
属酸化物を用いた,リチウム二次電池(特開平2─13
9860号公報)が注目されている。
されている。かかる二次電池としては,負極活物質とし
てリチウム金属を,正極活物質としてリチウムを含む金
属酸化物を用いた,リチウム二次電池(特開平2─13
9860号公報)が注目されている。
【0003】負極活物質に用いられている上記リチウム
金属は,電位が最も卑であり,単位重量及び単位体積当
たりのエネルギ密度が最大となる。一方,正極活物質に
用いられている上記金属酸化物としては,高いエネルギ
密度を与えるLiMn2 O4 等のリチウムを含む金属酸
化物,特にスピネル型化合物が注目されている。
金属は,電位が最も卑であり,単位重量及び単位体積当
たりのエネルギ密度が最大となる。一方,正極活物質に
用いられている上記金属酸化物としては,高いエネルギ
密度を与えるLiMn2 O4 等のリチウムを含む金属酸
化物,特にスピネル型化合物が注目されている。
【0004】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記リチウム
二次電池の電池容量は,放電時の電流密度に大きく依存
し,電流密度が大きくなると電池容量が急激に減少する
という問題がある。また,上記正極活物質は,広範囲で
充放電を行った場合には,マンガンイオンが3価となる
ため,ヤーンテラー効果により,正極活物質の結晶格子
にひずみが生じる。そのため,充放電のサイクル数を重
ねると,結晶格子が崩れて電池容量が低下するおそれが
あった。本発明はかかる従来の問題点に鑑み,電池容量
及び充放電サイクル特性に優れたリチウム二次電池用正
極を提供しようとするものである。
二次電池の電池容量は,放電時の電流密度に大きく依存
し,電流密度が大きくなると電池容量が急激に減少する
という問題がある。また,上記正極活物質は,広範囲で
充放電を行った場合には,マンガンイオンが3価となる
ため,ヤーンテラー効果により,正極活物質の結晶格子
にひずみが生じる。そのため,充放電のサイクル数を重
ねると,結晶格子が崩れて電池容量が低下するおそれが
あった。本発明はかかる従来の問題点に鑑み,電池容量
及び充放電サイクル特性に優れたリチウム二次電池用正
極を提供しようとするものである。
【0005】
【課題の解決手段】本願にかかる第1発明は,リチウム
を吸蔵,放出しうる金属化合物粉末を正極活物質として
用いたリチウム二次電池用正極において,上記金属化合
物粉末は,単結晶,又は複数の単結晶の集合体よりな
り,上記金属化合物粉末の粒径は1〜20μmで,かつ
上記単結晶の粒径は0.1〜20μmであることを特徴
とするリチウム二次電池用正極にある。
を吸蔵,放出しうる金属化合物粉末を正極活物質として
用いたリチウム二次電池用正極において,上記金属化合
物粉末は,単結晶,又は複数の単結晶の集合体よりな
り,上記金属化合物粉末の粒径は1〜20μmで,かつ
上記単結晶の粒径は0.1〜20μmであることを特徴
とするリチウム二次電池用正極にある。
【0006】上記リチウムを吸蔵しうる金属化合物粉末
は,単結晶又は複数の単結晶の集合体よりなる。金属化
合物粉末は,出来るかぎり少ない数の単結晶からなり,
単結晶に近い構造を有している。金属化合物粉末は,正
極活物質に電子伝導性を付与するために混合される。
は,単結晶又は複数の単結晶の集合体よりなる。金属化
合物粉末は,出来るかぎり少ない数の単結晶からなり,
単結晶に近い構造を有している。金属化合物粉末は,正
極活物質に電子伝導性を付与するために混合される。
【0007】そして,上記金属化合物粉末は,その粒径
が1〜20μmであることが必要である。1μm未満で
は導電剤を多量に必要とするため,正極活物質量が減少
するという問題がある。一方,20μmを越えると電解
液との接触面積が減少するため,リチウムイオンの吸蔵
が阻害されるという問題がある。
が1〜20μmであることが必要である。1μm未満で
は導電剤を多量に必要とするため,正極活物質量が減少
するという問題がある。一方,20μmを越えると電解
液との接触面積が減少するため,リチウムイオンの吸蔵
が阻害されるという問題がある。
【0008】また,上記単結晶の粒径は,0.1〜20
μmであることが必要である。0.1μm未満では,単
結晶の集合によって構成される金属化合物粉末に,その
粒界が多くなり,上記結晶格子にひずみを生ずる。一
方,20μmを越える場合には,電解液との接触面積が
減少するため,リチウムイオンの吸蔵が阻害されるとい
う問題がある。上記金属化合物粉末としては,LiMn
2 O4 ,LiX MnO2 ,LiCoO2 ,LiNi
O2 ,LiFeO2 ,LiV3 O8 等がある。
μmであることが必要である。0.1μm未満では,単
結晶の集合によって構成される金属化合物粉末に,その
粒界が多くなり,上記結晶格子にひずみを生ずる。一
方,20μmを越える場合には,電解液との接触面積が
減少するため,リチウムイオンの吸蔵が阻害されるとい
う問題がある。上記金属化合物粉末としては,LiMn
2 O4 ,LiX MnO2 ,LiCoO2 ,LiNi
O2 ,LiFeO2 ,LiV3 O8 等がある。
【0009】上記金属化合物粉末は,例えば上記金属化
合物粉末を構成する原料とリチウム塩とを加熱焼成する
ことにより得られる。上記リチウム塩は,結晶粒界の少
ない金属化合物粉末を合成するために,上記原料及びリ
チウム塩の合計重量に対して,0.1〜2%の割合で混
合されていることが好ましい。上記リチウム塩として
は,LiCl,Li2 SO4 ,LiNO3 ,LiClO
4 ,Li3 PO4 等がある。上記金属化合物粉末を構成
する原料としては,LiOHとMnO2 との混合物など
がある。
合物粉末を構成する原料とリチウム塩とを加熱焼成する
ことにより得られる。上記リチウム塩は,結晶粒界の少
ない金属化合物粉末を合成するために,上記原料及びリ
チウム塩の合計重量に対して,0.1〜2%の割合で混
合されていることが好ましい。上記リチウム塩として
は,LiCl,Li2 SO4 ,LiNO3 ,LiClO
4 ,Li3 PO4 等がある。上記金属化合物粉末を構成
する原料としては,LiOHとMnO2 との混合物など
がある。
【0010】上記リチウム二次電池用正極は,集電体
と,該集電体を被覆している正極活物質とからなる。上
記正極活物質は,上記金属化合物粉末に,導電剤及び結
着剤等を混練するか,或いはこれらを液相中で攪拌する
ことにより得られる。導電剤としては,カーボン,金属
等を用いる。また,結着剤としては,テフロン等のフッ
素化合物系樹脂を用いる。上記集電体としては,導電性
のよい炭素薄膜,炭素繊維,グラファイト繊維,金属,
導電性高分子等を用いる。
と,該集電体を被覆している正極活物質とからなる。上
記正極活物質は,上記金属化合物粉末に,導電剤及び結
着剤等を混練するか,或いはこれらを液相中で攪拌する
ことにより得られる。導電剤としては,カーボン,金属
等を用いる。また,結着剤としては,テフロン等のフッ
素化合物系樹脂を用いる。上記集電体としては,導電性
のよい炭素薄膜,炭素繊維,グラファイト繊維,金属,
導電性高分子等を用いる。
【0011】本願にかかる第2発明は,リチウムを吸
蔵,放出しうる金属化合物粉末を正極活物質として用い
たリチウム二次電池用正極において,上記金属化合物粉
末は,Li─Mn─Cu─O系のリチウム化合物よりな
り,かつMnに対するCuのモル比は0.2以下である
ことを特徴とするリチウム二次電池用正極にある。
蔵,放出しうる金属化合物粉末を正極活物質として用い
たリチウム二次電池用正極において,上記金属化合物粉
末は,Li─Mn─Cu─O系のリチウム化合物よりな
り,かつMnに対するCuのモル比は0.2以下である
ことを特徴とするリチウム二次電池用正極にある。
【0012】上記金属化合物粉末におけるMnに対する
Cuのモル比(Cu/Mn)は,0.2以下であること
が必要である。0.2を越える場合には,Cuが固溶し
難くなり不純物が析出する。そのため,単位重量当りの
容量が低下し,また効率も低下するという問題がある。
Cuのモル比(Cu/Mn)は,0.2以下であること
が必要である。0.2を越える場合には,Cuが固溶し
難くなり不純物が析出する。そのため,単位重量当りの
容量が低下し,また効率も低下するという問題がある。
【0013】また,より好ましくは,上記のモル比(C
u/Mn)は,0.01〜0.1である。この場合に
は,初期容量をより大きくとることができる。その他
は,第1発明と同様である。
u/Mn)は,0.01〜0.1である。この場合に
は,初期容量をより大きくとることができる。その他
は,第1発明と同様である。
【0014】
【作用及び効果】第1発明のリチウム二次電池用正極
は,金属化合物粉末が,単結晶,又は出来るかぎり少な
い数の単結晶からなる。また,上記金属化合物粉末の粒
径及び単結晶の粒径が上記範囲にある。そのため,従来
の多結晶粒子に比べて粒界が極めて少ない。このため,
リチウムイオンが正極活物質の中心まで容易に移動する
ことができる。それ故,正極活物質において,リチウム
イオンを媒体とした電子の授受が活発に行われる。従っ
て,正極活物質の利用率が向上し,電池容量が増加す
る。
は,金属化合物粉末が,単結晶,又は出来るかぎり少な
い数の単結晶からなる。また,上記金属化合物粉末の粒
径及び単結晶の粒径が上記範囲にある。そのため,従来
の多結晶粒子に比べて粒界が極めて少ない。このため,
リチウムイオンが正極活物質の中心まで容易に移動する
ことができる。それ故,正極活物質において,リチウム
イオンを媒体とした電子の授受が活発に行われる。従っ
て,正極活物質の利用率が向上し,電池容量が増加す
る。
【0015】また,正極活物質は,多くのリチウムイオ
ンを容易に移動させることができるため,電流密度の大
小にかかわらず,上記のごとく,優れた電池容量を有す
る。そのため,大電流で放電を行った場合にも,電池容
量の低下が少なく,また充放電サイクル特性にも優れて
いる。
ンを容易に移動させることができるため,電流密度の大
小にかかわらず,上記のごとく,優れた電池容量を有す
る。そのため,大電流で放電を行った場合にも,電池容
量の低下が少なく,また充放電サイクル特性にも優れて
いる。
【0016】第2発明のリチウム二次電池用正極は,金
属化合物粉末が,銅を含有するLi─Mn─Cu─O系
のリチウム化合物よりなり,かつCu/Mnのモル比は
0.2以下である。そのため,Cu2+イオンの存在によ
り,始めから金属化合物粉末の結晶格子は異方的に歪ん
でいる。それ故,正極活物質に電流を流した場合に,始
めから異方的歪んでいる結晶格子は,大きく変形するこ
とがない。従って,本発明の正極活物質は充放電サイク
ルを重ねても,それほど劣化しないと考えられる。
属化合物粉末が,銅を含有するLi─Mn─Cu─O系
のリチウム化合物よりなり,かつCu/Mnのモル比は
0.2以下である。そのため,Cu2+イオンの存在によ
り,始めから金属化合物粉末の結晶格子は異方的に歪ん
でいる。それ故,正極活物質に電流を流した場合に,始
めから異方的歪んでいる結晶格子は,大きく変形するこ
とがない。従って,本発明の正極活物質は充放電サイク
ルを重ねても,それほど劣化しないと考えられる。
【0017】また,金属化合物粉末は銅を含有するた
め,その結晶が安定化する。このことも,正極活物質の
充放電サイクル特性が優れている一因であると考えられ
る。本発明によれば,電池容量及び充放電サイクル特性
に優れたリチウム二次電池用正極を提供することができ
る。
め,その結晶が安定化する。このことも,正極活物質の
充放電サイクル特性が優れている一因であると考えられ
る。本発明によれば,電池容量及び充放電サイクル特性
に優れたリチウム二次電池用正極を提供することができ
る。
【0018】
実施例1 第1発明の実施例にかかるリチウム二次電池用正極につ
き,図1,図2を用いて説明する。本例のリチウム二次
電池用正極は,図1に示すごとく,正極活物質として,
リチウムを吸蔵,放出しうる金属化合物粉末11を用い
ている。該金属化合物粉末11は,単結晶又は複数の単
結晶の集合体よりなる。
き,図1,図2を用いて説明する。本例のリチウム二次
電池用正極は,図1に示すごとく,正極活物質として,
リチウムを吸蔵,放出しうる金属化合物粉末11を用い
ている。該金属化合物粉末11は,単結晶又は複数の単
結晶の集合体よりなる。
【0019】即ち,金属化合物粉末11は,図2(a)
に示す単結晶110,或いは図2(b)に示す複数の単
結晶111,112,113の集合体である。上記金属
化合物粉末11は,出来るかぎり少ない数の単結晶から
なり,単結晶に近い構造を有している。金属化合物粉末
11は,LiMn2 O4 であり,1μm〜20μmの粒
径を有する。
に示す単結晶110,或いは図2(b)に示す複数の単
結晶111,112,113の集合体である。上記金属
化合物粉末11は,出来るかぎり少ない数の単結晶から
なり,単結晶に近い構造を有している。金属化合物粉末
11は,LiMn2 O4 であり,1μm〜20μmの粒
径を有する。
【0020】上記リチウム二次電池用正極9は,図1に
示すごとく,アルミニウム箔の集電体91と,該集電体
91を被覆している正極活物質10とからなる。正極活
物質10は,上記金属化合物粉末11に,導電剤及び結
着剤からなる混合剤13を加え,混練することにより得
られる。また,正極活物質10は,上記金属化合物粉末
11と混合剤13とを液相中で攪拌しても得られる。導
電剤としては,グラファイト粒子などの炭素材料を用い
る。また,結着剤としては,テフロンなどのフッ素化合
物系樹脂を用いる。
示すごとく,アルミニウム箔の集電体91と,該集電体
91を被覆している正極活物質10とからなる。正極活
物質10は,上記金属化合物粉末11に,導電剤及び結
着剤からなる混合剤13を加え,混練することにより得
られる。また,正極活物質10は,上記金属化合物粉末
11と混合剤13とを液相中で攪拌しても得られる。導
電剤としては,グラファイト粒子などの炭素材料を用い
る。また,結着剤としては,テフロンなどのフッ素化合
物系樹脂を用いる。
【0021】上記リチウム二次電池用正極の製造方法に
ついて説明する。まず,金属化合物粉末を製造するに当
たっては,LiOHとMnO2 とをLi/Mn=1/2
のモル比で秤量し,リチウム塩としての0.5wt%の
Li3 PO4 を加え,混合した。次いで,この混合物を
850℃,大気中で3時間加熱焼成し,金属化合物粉末
を得た。
ついて説明する。まず,金属化合物粉末を製造するに当
たっては,LiOHとMnO2 とをLi/Mn=1/2
のモル比で秤量し,リチウム塩としての0.5wt%の
Li3 PO4 を加え,混合した。次いで,この混合物を
850℃,大気中で3時間加熱焼成し,金属化合物粉末
を得た。
【0022】該金属化合物粉末についてX線回折を行っ
た結果,LiMn2 O4 が同定され,平均粒径が5μm
の粒子がみられた。また,透過型電子顕微鏡により観察
したところ,上記粒子はほぼ単結晶であることが確認さ
れた。次に,上記金属化合物粉末と導電剤と結着剤と
を,重量比で9:0.4:0.6の割合で混合し,集電
体の上に塗布した。これにより,リチウム二次電池用正
極を得た。
た結果,LiMn2 O4 が同定され,平均粒径が5μm
の粒子がみられた。また,透過型電子顕微鏡により観察
したところ,上記粒子はほぼ単結晶であることが確認さ
れた。次に,上記金属化合物粉末と導電剤と結着剤と
を,重量比で9:0.4:0.6の割合で混合し,集電
体の上に塗布した。これにより,リチウム二次電池用正
極を得た。
【0023】実施例2 本例の金属化合物粉末は,上記実施例1の金属化合物粉
末を構成する原料即ち,LiOHとMnO2 との混合物
に,リチウム塩としてのLiNO3 を1wt%添加し,
その混合物を大気中で470℃で3時間焼成したもので
ある。その他は,実施例1と同様である。そして,この
金属化合物粉末を用い,実施例1と同様にリチウム二次
電池用正極を作製した。
末を構成する原料即ち,LiOHとMnO2 との混合物
に,リチウム塩としてのLiNO3 を1wt%添加し,
その混合物を大気中で470℃で3時間焼成したもので
ある。その他は,実施例1と同様である。そして,この
金属化合物粉末を用い,実施例1と同様にリチウム二次
電池用正極を作製した。
【0024】実施例3 本例においては,実施例1,2で得られたリチウム二次
電池用正極を用いてリチウム二次電池を作製し,放電電
流密度に対する正極の電池容量の変化を測定した。上記
リチウム二次電池は,負極にリチウム金属,電解液に過
塩素酸リチウムを1mol/l添加したポリプロピレン
カーボネート,セパレータにポリプロピレン不織布を用
いた。上記リチウム二次電池は,直径20mm,厚み
3.2mmのボタン型電池である。
電池用正極を用いてリチウム二次電池を作製し,放電電
流密度に対する正極の電池容量の変化を測定した。上記
リチウム二次電池は,負極にリチウム金属,電解液に過
塩素酸リチウムを1mol/l添加したポリプロピレン
カーボネート,セパレータにポリプロピレン不織布を用
いた。上記リチウム二次電池は,直径20mm,厚み
3.2mmのボタン型電池である。
【0025】上記測定は,放電電流密度が0.2mA/
cm2 の場合について行った。また,比較のために,リ
チウム塩を添加せずに金属化合物粉末(比較例)を作製
した。該正極活物質は,多結晶粒子の集合体であった。
そして,この正極を用いてリチウム二次電池を作製し,
上記と同様にして,測定を行った。
cm2 の場合について行った。また,比較のために,リ
チウム塩を添加せずに金属化合物粉末(比較例)を作製
した。該正極活物質は,多結晶粒子の集合体であった。
そして,この正極を用いてリチウム二次電池を作製し,
上記と同様にして,測定を行った。
【0026】その結果を図3に示す。同図より知られる
ように,本発明にかかる金属化合物粉末(実施例1,
2)は,多結晶粒子の集合体である金属化合物粉末(比
較例)に比して,電池容量の低下が少なかった。また,
優れた充放電サイクル特性を示した。
ように,本発明にかかる金属化合物粉末(実施例1,
2)は,多結晶粒子の集合体である金属化合物粉末(比
較例)に比して,電池容量の低下が少なかった。また,
優れた充放電サイクル特性を示した。
【0027】実施例4 本例は,第2発明に関するリチウム二次電池用正極を示
すもので,上記金属化合物粉末がLi─Mn─Cu─O
系のリチウム化合物よりなり,かつMnに対するCuの
モル比は0.01〜0.2である。
すもので,上記金属化合物粉末がLi─Mn─Cu─O
系のリチウム化合物よりなり,かつMnに対するCuの
モル比は0.01〜0.2である。
【0028】上記リチウム二次電池用正極の製造方法に
ついて説明する。まず,正極活物質を作製するに当たっ
て,正極活物質を構成する原料としてLiOH,MnO
2 ,及びCuOを用いた。そして,これらの原料を,L
i:Mn:Cuのモル比が,ほぼ0.5:1:X(0.
01≦X≦0.2)となるように混合した。次いで,こ
の混合原料を,大気中,800℃で焼成し,金属化合物
粉末を得た。上記金属化合物粉末についてX線回折をし
たところ,図4に示すごとく,単相のスピネル相であっ
た。
ついて説明する。まず,正極活物質を作製するに当たっ
て,正極活物質を構成する原料としてLiOH,MnO
2 ,及びCuOを用いた。そして,これらの原料を,L
i:Mn:Cuのモル比が,ほぼ0.5:1:X(0.
01≦X≦0.2)となるように混合した。次いで,こ
の混合原料を,大気中,800℃で焼成し,金属化合物
粉末を得た。上記金属化合物粉末についてX線回折をし
たところ,図4に示すごとく,単相のスピネル相であっ
た。
【0029】次に,上記金属化合物粉末を正極活物質と
して用い,図5に示すリチウム二次電池のテストセル9
0を作製し,その充放電サイクル特性を調べた。即ち,
90wt%の上記金属化合物粉末と,6wt%のケッチ
ェンブラックと,4wt%のテフロンとを混合し,正極
合剤100を調整した。次いで,この正極合剤100
を,集電体110の上に圧着し,正極1を作製した。集
電体110は,ステンレス鋼製のメッシュである。
して用い,図5に示すリチウム二次電池のテストセル9
0を作製し,その充放電サイクル特性を調べた。即ち,
90wt%の上記金属化合物粉末と,6wt%のケッチ
ェンブラックと,4wt%のテフロンとを混合し,正極
合剤100を調整した。次いで,この正極合剤100
を,集電体110の上に圧着し,正極1を作製した。集
電体110は,ステンレス鋼製のメッシュである。
【0030】次いで,ポロプロピレン樹脂製のセパレー
タ120を準備し,その片面には上記正極1を,その他
面にはリチウム金属を用いた負極130を配設した。次
いで,集電体110の上面及び負極130の下面に,ス
テンレス電極141,142を積層した。そして,これ
らの積層体は,セル170に固定されたバネ151,1
52により固定した。また,セル170内は,電解液1
60により満たされている。
タ120を準備し,その片面には上記正極1を,その他
面にはリチウム金属を用いた負極130を配設した。次
いで,集電体110の上面及び負極130の下面に,ス
テンレス電極141,142を積層した。そして,これ
らの積層体は,セル170に固定されたバネ151,1
52により固定した。また,セル170内は,電解液1
60により満たされている。
【0031】電解液160は,PC(プロピレンカーボ
ネート)とDME(1,2−ジメトキシエタン)とを等
容量ずつ混合した溶媒に,1モル/リットルの過塩素酸
リチウムを混合したものである。尚,比較のために,銅
を含有しないLi−Mn−O系の金属化合物粉末を正極
活物質として用い,上記と同様にリチウム二次電池のテ
ストセルを作製した(比較例2)。
ネート)とDME(1,2−ジメトキシエタン)とを等
容量ずつ混合した溶媒に,1モル/リットルの過塩素酸
リチウムを混合したものである。尚,比較のために,銅
を含有しないLi−Mn−O系の金属化合物粉末を正極
活物質として用い,上記と同様にリチウム二次電池のテ
ストセルを作製した(比較例2)。
【0032】次に,上記テストセルについて,充放電を
繰り返し,電池容量の変化を測定した。充電は1.5m
A/cm2 で4.1Vまで,放電は1.5mA/cm2
で2.0Vまで行った。その結果を図6に示す。同図に
おいて,横軸は,テストセルの充放電のサイクル数を,
縦軸はリチウム二次電池の正規化容量を示す。該正規化
容量とは,初期放電容量に対する各サイクルにおける放
電容量の比をいう。同図より知られるように,本例のリ
チウム二次電池用正極(実施例4)は,充放電サイクル
数が増加しても,常に比較例2よりも高い電池容量を示
した。
繰り返し,電池容量の変化を測定した。充電は1.5m
A/cm2 で4.1Vまで,放電は1.5mA/cm2
で2.0Vまで行った。その結果を図6に示す。同図に
おいて,横軸は,テストセルの充放電のサイクル数を,
縦軸はリチウム二次電池の正規化容量を示す。該正規化
容量とは,初期放電容量に対する各サイクルにおける放
電容量の比をいう。同図より知られるように,本例のリ
チウム二次電池用正極(実施例4)は,充放電サイクル
数が増加しても,常に比較例2よりも高い電池容量を示
した。
【図1】実施例1のリチウム二次電池用正極の断面図。
【図2】実施例1の金属化合物粉末を示す説明図。
【図3】実施例3にかかる,リチウム二次電池の放電電
流密度と電池容量率との関係を示すグラフ。
流密度と電池容量率との関係を示すグラフ。
【図4】実施例4の金属化合物粉末のX線回折の結果を
示す線図。
示す線図。
【図5】実施例4のリチウム二次電池のテストセルの断
面図。
面図。
【図6】実施例4における,リチウム二次電池のサイク
ル数と正規化容量との関係を示すグラフ。
ル数と正規化容量との関係を示すグラフ。
10...正極活物質, 11...金属化合物粉末, 9...リチウム二次電池用正極, 91...集電体,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 靖 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 リチウムを吸蔵,放出しうる金属化合物
粉末を正極活物質として用いたリチウム二次電池用正極
において,上記金属化合物粉末は,単結晶,又は複数の
単結晶の集合体よりなり,上記金属化合物粉末の粒径は
1〜20μmで,かつ上記単結晶の粒径は0.1〜20
μmであることを特徴とするリチウム二次電池用正極。 - 【請求項2】 請求項1において,金属化合物粉末は,
該金属化合物粉末を構成する原料とリチウム塩とを加熱
焼成してなることを特徴とするリチウム二次電池用正
極。 - 【請求項3】 リチウムを吸蔵,放出しうる金属化合物
粉末を正極活物質として用いたリチウム二次電池用正極
において,上記金属化合物粉末は,Li─Mn─Cu─
O系のリチウム化合物よりなり,かつMnに対するCu
のモル比は0.2以下であることを特徴とするリチウム
二次電池用正極。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5098973A JPH06290783A (ja) | 1993-03-31 | 1993-03-31 | リチウム二次電池用正極 |
US08/386,363 US5494762A (en) | 1992-01-16 | 1995-02-09 | Non-aqueous electrolyte lithium secondary cell |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5098973A JPH06290783A (ja) | 1993-03-31 | 1993-03-31 | リチウム二次電池用正極 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06290783A true JPH06290783A (ja) | 1994-10-18 |
Family
ID=14233984
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5098973A Pending JPH06290783A (ja) | 1992-01-16 | 1993-03-31 | リチウム二次電池用正極 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06290783A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019050107A (ja) * | 2017-09-08 | 2019-03-28 | セイコーエプソン株式会社 | 電池、電池の製造方法および電子機器 |
JP2021507486A (ja) * | 2017-12-22 | 2021-02-22 | ユミコア | 充電式リチウムイオン電池用の正極材料及びその製造方法 |
-
1993
- 1993-03-31 JP JP5098973A patent/JPH06290783A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019050107A (ja) * | 2017-09-08 | 2019-03-28 | セイコーエプソン株式会社 | 電池、電池の製造方法および電子機器 |
JP2021507486A (ja) * | 2017-12-22 | 2021-02-22 | ユミコア | 充電式リチウムイオン電池用の正極材料及びその製造方法 |
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