JPH06288916A - 生化学分析方法 - Google Patents

生化学分析方法

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Publication number
JPH06288916A
JPH06288916A JP7815693A JP7815693A JPH06288916A JP H06288916 A JPH06288916 A JP H06288916A JP 7815693 A JP7815693 A JP 7815693A JP 7815693 A JP7815693 A JP 7815693A JP H06288916 A JPH06288916 A JP H06288916A
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JP
Japan
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slide
spotting
period
chemical analysis
timing
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JP7815693A
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English (en)
Inventor
Sumi Furuya
寿美 古谷
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 化学分析スライドへの検体液の点着時から該
スライドの加熱開始までの期間を略一定の長さとするこ
とにより、該スライドの検体液中における生化学物質等
の測定の再現性やその測定精度の向上を図る。 【構成】 化学分析スライド11が点着部13に搬送されて
くると、コントローラは空いているセルを判定し、その
セルの現在位置を検出し、この現在位置から、次に該セ
ルがスライド挿入位置に到達するまでの期間を算出す
る。この算出結果に基づき、点着時から、スライド11の
該セルへの挿入完了までの期間が常に例えば3〜4秒程
度の期間となるように点着起動のタイミングを算出す
る。この算出結果に応じて検体液の液滴を化学分析スラ
イド11の表面に接触させて滴下する。この後、上記判定
された空いているセルが点着部13に対向する位置に停止
すると、挿入部材36が移動操作され、この化学分析スラ
イド11は上記セルに収容され、恒温保持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血液、尿等の検体液に
含まれる所定の生化学物質と化学反応を生じる試薬を含
有する化学分析スライドに上記検体液を点着し、この
後、該化学分析スライドをインキュベータにより恒温保
持し上記化学反応をなさしめて該化学分析スライドの光
学濃度を測定することにより、検体液中の所定の生化学
物質の物質濃度を求める生化学分析方法に関するもので
あり、特に、複数の化学分析スライドを収容する回転円
板を有し、この回転円板を回転せしめて該回転円板上の
複数の化学分析スライドを順次測光するとともに、化学
分析スライドに点着し、該化学分析スライドを、空いて
いる上記回転円板の収容位置に挿入せしめるシステムに
おける点着タイミングの規定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液体検体中の特定の化学成分を定性的も
しくは定量的に分析することは様々な産業分野において
一般的に行なわれている操作である。特に血液や尿等、
生物体液中の化学成分または有形成分を定量分析するこ
とは生化学分野および臨床分野において極めて重要であ
る。
【0003】近年、検体液の小滴を点着供給するだけで
該検体液中に含まれている特定の化学成分または有形成
分を定量分析することのできるドライタイプのスライド
が開発され(特公昭53-21677号、特開昭55-164356 号
等)実用化されている。これらのスライドを用いると従
来の湿式分析法に比して簡易且つ迅速に検体液の分析を
行なうことができるため、その使用は特に数多くの試料
を分析する必要のある医療機関、研究所等において好ま
しいものである。
【0004】このようなスライドを用いて検体液中の化
学成分等の分析を行なうには、検体液を点着部において
スライドに計量付着させた後、これをインキュベータ
(恒温器)内のスライド収容部に収容し、所定時間恒温
保持(インキュベーション)して呈色反応(色素生成反
応)させ、次いで試料成分とスライドの試薬層に含まれ
る試薬との組み合わせにより予め選定された波長を含む
測定用照射光をこのスライドに照射してその反射光学濃
度を測定するもので、これにより、上記化学成分等の定
量的な分析を行なう。
【0005】このような生化学分析を行なうシステムと
して、回転円板上に、複数の化学分析スライドが収容さ
れるスライド収容部を円周方向に配列するとともに、こ
の回転円板の近傍にスライド測光部を配設し、点着部に
おいて検体液が点着された化学分析スライドを、空いて
いるスライド収容部がスライド挿入位置に回転されてき
たタイミングで該スライド収容部に挿入し、この後該点
着された化学分析スライドを恒温保持しつつ上記回転円
板の回転(往復動)によりスライド測光部に接近する該
化学分析スライドの呈色度合を所定タイミング毎に測光
するようにしたものが知られている。
【0006】本出願人もこのようなタイプのシステムに
係る開示を既になしている(例えば特願平4-25193 号明
細書)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
化学分析システムにおいては、前述した如く、検体液を
点着した化学分析スライドをインキュベータ内で恒温保
持することにより呈色反応させ、この呈色度合を光学的
に測定することにより、検体液中の化学成分等の分析を
行なうのであり、この呈色度合はインキュベータ内で恒
温保持される時間により変化することから最終測定時ま
での恒温保持期間はその測定項目に応じて厳格に定めら
れている。
【0008】このように、恒温保持期間が厳格に定めら
れているのに対し、化学分析スライドへの検体液の点着
タイミングから、このスライドのインキュベータ内での
加熱を開始するまで(インキュベータ内スライド収容部
へのスライド挿入完了時まで)はそれ程厳格に定められ
ておらず、例えば点着時から1分程度以内にインキュベ
ータ内でスライドの加熱を開始すればよいとされてい
る。
【0009】しかしながら、本発明者等が繰り返し実験
を行なった結果、上記点着時からインキュベータ内でス
ライドの加熱を開始するまでの期間の長短によっても最
終的な呈色度合の測定結果が大きく変化し、測定結果の
バラつきが実質上問題とならないようにするためには上
記期間を例えば1〜2秒程度とする必要があることが明
らかとなった。
【0010】しかし、上記システムにおいては前述した
ように複数の化学分析スライドを収容した回転円板をイ
ンキュベータ内で例えば10秒程度以上の一定周期で回転
(往復動)せしめて点着済の各化学分析スライドを所定
周期で測定するようにしており、新たに点着された化学
分析スライドがスライド待機部で待機している場合に
は、この回転円板の回転移動の間に、回転円板の空いて
いるスライド収容部が該スライド待機部に対向するスラ
イド挿入位置まで回転してきたときにこの回転円板を停
止せしめて該スライドを該スライド収容部に挿入するよ
うにしており、この後インキュベータ内において該スラ
イドの加熱が開始されることとなる。
【0011】したがって、上記システムにおいては点着
時から加熱開始までの期間が一定しないこととなる。す
なわち、回転円板に空きのスライド収容部がある場合で
あっても、点着した直後にこの空きのスライド収容部が
スライド挿入位置付近を通過したとすると、次に空きの
スライド収容部がスライド挿入位置に回転してくるまで
スライドを挿入することができず、上記点着時から加熱
開始までの期間が略回転の一周期に相当する期間、例え
ば10秒程度以上となってしまい、一方、点着直後に空き
の収容部がスライド挿入部付近に位置していて点着後直
ちにスライド挿入可能なこともあるから、結局この点着
時から加熱開始までの期間が大きくバラつくことにな
る。
【0012】このように点着時から加熱開始までの期間
が大きくバラつくと、前述したように測定結果が大きく
バラつき、測定の再現性や測定精度の向上が図れないと
いう問題がある。
【0013】本発明はこのような事情に鑑みなされたも
ので、複数の化学分析スライドを収容するスライド収容
部を円周方向に配設してなる回転円板を設け、点着済の
化学分析スライドをスライド待機部から、該収容部のう
ち空きの収容部に挿入するタイプの生化学分析システム
において、化学分析スライドへの検体液の点着時から該
スライドの加熱開始までの期間を略一定の長さとするこ
とにより、該スライドの検体液中における生化学物質等
の測定の再現性やその測定精度の向上を図り得る生化学
分析方法を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本願発明の第1の生化学
分析方法は、所定の検体液が点着された化学分析スライ
ドを、回転円板の円周方向に配列されてなる複数のスラ
イド収容部に、スライド挿入位置において挿入し、該挿
入された化学分析スライドに所定期間に亘る恒温保持を
行なうとともに、前記回転円板を回転させ、該回転円板
の近傍の所定位置に配された測光部により前記挿入され
た化学分析スライド上の検体液の光学濃度を測定して該
検体液に含まれている所定の生化学物質の濃度を求める
生化学分析方法において、前記複数のスライド収容部の
うち前記化学分析スライドを新たに収容可能な一のスラ
イド収容部を判定し、該判定された一のスライド収容部
が前記回転円板の回転により現在位置から前記スライド
挿入位置に到達するまでの期間を算出し、この算出期間
に基づき、前記点着のタイミングから前記化学分析スラ
イドの前記一のスライド収容部への挿入完了時までの期
間が所定期間内となるように前記点着のタイミングを予
め算出しておき、この算出タイミングに基づき前記化学
分析スライドへの点着を行うことを特徴とするものであ
る。
【0015】また、本願発明の第2の生化学分析方法
は、上記第1の生化学分析方法であって、前記算出され
た点着のタイミングに基づいて出力されるタイミング信
号に応じて前記点着を行なうための手段を駆動すること
を特徴とするものである。
【0016】さらに、本願発明の第3の生化学分析方法
は、上記第1の生化学分析方法であって、前記算出され
た点着のタイミングを示唆するメッセージを該タイミン
グが経過する前に所定の表示部に表示し、もしくは音声
で出力することを特徴とするものである。
【0017】また、本願発明の第4の生化学分析方法
は、所定の検体液が点着された化学分析スライドを、回
転円板の円周方向に配列されてなる複数のスライド収容
部にスライド挿入位置において挿入し、該挿入された化
学分析スライドを所定期間に亘って恒温状態に保持する
とともに、前記回転円板を回転させ、該回転円板の近傍
の所定位置に配された測光部により前記挿入された化学
分析スライド上の検体液の光学濃度を測定して該検体液
に含まれている所定の生化学物質の濃度を求める生化学
分析方法において、前記回転円板の回転周期の所定タイ
ミングで前記化学分析スライドに前記検体液を点着し、
前記複数のスライド収容部のうち前記化学分析スライド
を新たに収容可能な一のスライド収容部を判定し、前記
点着のタイミングから、前記回転円板の回転により該判
定された一のスライド収容部が前記スライド挿入位置に
到達するまでの期間を算出し、この算出期間に基づき、
前記点着のタイミングから前記化学分析スライドの前記
一のスライド収容部への挿入完了時までの期間が所定期
間内となるように前記一のスライド収容部の前記スライ
ド挿入位置におけるスライド挿入の待機期間を予め算出
しておき、この算出された待機期間に基づき前記一のス
ライド収容部を前記スライド挿入位置において待機せし
めるとともにこの待機期間経過後に前記スライド挿入を
行なうことを特徴とするものである。
【0018】なお、上記「点着のタイミングから化学分
析スライドのスライド収容部への挿入完了時までの所定
期間」とは点着タイミングからスライド挿入完了時まで
のバラつきにより生じる化学分析スライドの測定結果の
バラつきが実質的に問題とならない程度の期間を意味す
る。
【0019】
【作用】上記第1〜第3の生化学分析方法によれば、複
数のスライド収容部の中から化学分析スライドが新たに
収容可能なスライド収容部を判定し、このスライド収容
部が現在の位置からスライド挿入位置に到達するまでの
期間を算出し、この算出結果に基づき点着のタイミング
からスライド挿入完了時までの期間が所定期間内となる
ように点着タイミングを予め算出し、この算出結果に基
づいて点着を行なうようにしており、これにより、点着
のタイミングからスライド挿入完了時までの期間を略一
定とすることができるので、点着時からインキュベータ
によるスライド加熱開始までの期間を略一定とすること
ができ、この化学分析スライドの検体液中における生化
学物質等の測定の再現性やその測定精度の向上を図るこ
とが可能となる。
【0020】また、第2の生化学分析方法によれば、上
記算出された点着のタイミングに基づいてコントローラ
からタイミング信号を出力せしめ、このタイミング信号
に応じて点着を行なうための手段、例えば点着アームを
駆動すれば検体液の点着の自動化を図ることが容易とな
る。
【0021】さらに、第3の生化学分析方法によれば、
上記算出された点着のタイミングを示唆するメッセージ
を所定の表示部に表示したり該メッセージを音声出力す
ればこれをオペレータが認識することができ、このメッ
セージにしたがってオペレータが適切なタイミングで点
着を行なうことができるので検体液の点着が手動で行な
われる場合にその操作を円滑なものとすることができ
る。
【0022】また、上記第4の生化学分析方法によれ
ば、回転円板の回転周期の所定タイミングで化学分析ス
ライドに検体液を点着し、複数のスライド収容部のうち
上記化学分析スライドを新たに収容可能な一のスライド
収容部を判定し、上記所定のタイミングから、上記回転
円板の回転により該判定された一のスライド収容部が上
記スライド挿入位置に到達するまでの期間を算出し、こ
の算出期間に基づき、上記所定のタイミングから上記化
学分析スライドの上記一のスライド収容部への挿入完了
時までの期間が所定期間内となるように上記一のスライ
ド収容部の上記スライド挿入位置におけるスライド挿入
の待機期間を予め算出しておき、この算出された待機期
間に基づき上記一のスライド収容部を上記スライド挿入
位置において待機せしめるとともにこの待機期間経過後
に上記スライド挿入を行なうようにしており、結局上記
第1〜第3の生化学分析方法と同様に点着のタイミング
からスライド挿入完了時までの期間を略一定とすること
ができるので、点着時からインキュベータによるスライ
ド加熱開始までの期間を略一定とすることができ、この
化学分析スライドの検体液中における生化学物質等の測
定の再現性やその測定精度の向上を図ることが可能とな
る。
【0023】
【実施例】以下、図面に沿って本発明の実施例を説明す
る。図2に本発明方法を実施するための生化学分析装置
の概略平面構成を示している。
【0024】生化学分析装置10は、未使用の化学分析ス
ライド11を収容するスライド挿入部12と、化学分析スラ
イド11に順次血清、尿等の検体液を点着する点着部13
と、化学分析スライド11を収容して所定時間恒温保持す
るインキュベータ14とを備え、搬送手段15によって上記
スライド挿入部12から順次化学分析スライド11を点着部
13に搬送し、この点着部13に位置する化学分析スライド
11に対し、点着手段16(サンプラ)の点着用ノズル91の
先端にノズルチップ25(図5参照)を装着してから該ノ
ズルチップ25内にサンプル収容部17のサンプルカップ26
から検体液を吸引して上記スライド11に所定量の点着を
行った後、この点着された化学分析スライド11を前記搬
送手段15によってインキュベータ14の収容部55に挿入
し、このインキュベータ14で恒温保持した化学分析スラ
イド11の呈色度合(反射光学濃度)を測定手段18の測光
ヘッド27で測定し、さらに、測定後の化学分析スライド
11を前記搬送手段15によってインキュベータ14の中心側
の廃却孔56に落下排出するものである。なお、上記点着
手段16には、ノズルチップ25による検体液の吸引吐出を
行うシリンジ手段19が付設され、使用後のノズルチップ
25はインキュベータ14の近傍に配設されたチップ抜取り
部20で点着用ノズル91から外されて下方に落下廃却され
る。また、化学分析スライド11は矩形状のマウント内に
試薬層が配設され、マウントの上下部分にはそれぞれ点
着孔、測光孔を有する。
【0025】各部の構造を説明すれば、まず、搬送手段
15は、その断面正面構造を図3に示すように、インキュ
ベータ14の中心に向けて直線状に延びる搬送台30が、そ
の前後端の脚部30a が下方の平板状の基台31に設置さ
れ、該搬送台30には略中央部に前記スライド挿入部12
が、それよりインキュベータ14側に前記点着部13が配設
されている。
【0026】上記スライド挿入部12には、化学分析スラ
イド11を保持するスライドガイド32が形成されており、
このスライドガイド32に未使用の化学分析スライド11が
通常複数枚重ねられて保持される。上記スライドガイド
32は、前記搬送台30の搬送面と同一高さに最下端部の化
学分析スライド11が位置するように、該搬送台30の凹部
に装着され、最下端部の前面側には1枚の化学分析スラ
イド11のみが通過し得る開口32a が形成されている。ま
た、後面側には後述の挿入部材が挿通可能な開口が形成
され、底面には前記搬送台30に形成された後述のスリッ
ト30b に連通する溝32b が形成されている。なお、この
スライドガイド32には、化学分析スライド11を複数枚重
ねて収容したカートリッジをセットするようにしてもよ
い。
【0027】上記スライド挿入部12の前方の点着部13に
は、円形の開口33a が形成されたスライド押え33が設置
され、このスライド押え33が搬送台30の上方に固着され
たカバー34内に若干上下動可能に収容され、該カバー34
の上方に固着されたガラス板35にも点着用の開口35a が
形成されている。
【0028】そして、化学分析スライド11の搬送は、前
記搬送台30上に載置されたプレート状の挿入部材36の前
進移動によって行われる。すなわち、前記搬送台30の中
央には前後方向に延びるスリット30b が形成され、該ス
リット30b 上に挿入部材36がスライド可能に載置され、
この挿入部材36の後端底部にスリット30b を通して下方
からブロック37が固定され、該ブロック37が上記スリッ
ト30b に沿って前後方向に摺動自在に設けられている。
また、前記スライドガイド32によるスライド挿入部12よ
り後方の位置における搬送台30の上には、上記挿入部材
36を押さえる補助板38が配設され、該補助板38はカバー
39内に若干上下動可能に保持されている。
【0029】また、前記ブロック37の下部にはスライダ
40が取り付けられ、このスライダ40は前記搬送台30に沿
って配設されたガイドロッド41によって前後方向に摺動
自在に支持されている。さらに、上記スライダ40には搬
送台30の前後に配設されたプーリ42,43 に巻き掛けられ
たベルト44の一部が固着されている。そして、後方のプ
ーリ43は搬送モータ45によって回転駆動され、上記スラ
イダ40と一体に移動するブロック37によって前記挿入部
材36が前後方向に移動操作され、所定のタイミングにお
いて、その先端部によってスライドガイド32の下端部の
化学分析スライド11の後端が押されて、該化学分析スラ
イド11が直線的に点着部13からインキュベータ14の収容
部55の各セル(M1〜M6)に搬送される。
【0030】上記搬送モータ45の駆動によってスライド
ガイド32の下端の化学分析スライド11を点着部13に搬送
し、検体液が点着された化学分析スライド11をさらにイ
ンキュベータ14の収容部55に挿入し、さらに測定後の化
学分析スライド11をインキュベータ14の中心部の廃却孔
56に搬送するように、この搬送モータ45の駆動制御が行
われる。
【0031】次に、インキュベータ14は、その断面正面
構造を図4に示すように、円盤状の回転部材50が下部中
心の回転筒51によってベアリング52を介して軸受部53に
対して回転自在に支持され、この回転部材50の上に上位
部材54が配設されている。上記上位部材54の底面は平坦
であり、回転部材50の上面には円周上に所定間隔で複数
(図示の場合6個)の凹部が形成されて両部材50,54 間
にスリット状空間によるセルM1〜M6が形成され、こ
のセルM1〜M6の底面の高さは前記搬送手段15の搬送
台30の搬送面の高さと同一に設けられ、該搬送台30の先
端部分に接近して回転部材50の外周部分が位置してい
る。
【0032】また、前記回転筒51の内孔は測定後の化学
分析スライド11の廃却孔56に形成され、この廃却孔56の
径は前記化学分析スライド11が通過可能な寸法に設定さ
れ、また、上記回転部材50の中心部分には上記廃却孔56
に連通する開口50a が形成されている。そして、前記収
容部55の中心側部分は、該収容部55と同一高さで中心側
の開口50a に連通し、該収容部55に位置する化学分析ス
ライド11がそのまま中心側に移動すると上記廃却孔56に
落下するように構成されている。
【0033】上記上位部材54には図示しない加熱手段が
配設され、その温度調整によって収容部55内の化学分析
スライド11を恒温保持する一方、該上位部材54には収容
部55に対応して化学分析スライド11のマウントを上から
押さえて検体液の蒸発防止を行う押え部材57が配設され
ている。上記上位部材54の上面にはカバー58が配設され
る一方、このインキュベータ14は上方および側方が上部
カバー59によって覆われ、底部が下部カバー60で覆われ
て遮光が行われる。
【0034】さらに、前記回転部材50の化学分析スライ
ド11を収容する各セルM1〜M6の底面中央には測光用
の開口55a が形成され、該開口55a を通して下方に配設
された測光ヘッド27による化学分析スライド11の反射光
学濃度の測定が行われる。また、上記回転部材50には、
前記収容部55と同一円周上に濃度基準板用の収容部61
(図2参照)が形成され、この部分に前記測光ヘッド27
の校正用の黒色基準板62a と白色基準板62b からなる濃
度基準板部62が設置されている。
【0035】ここで、前記インキュベータ14の回転駆動
は、回転部材50を支持する回転筒51の外周部分にタイミ
ングベルト64が巻き掛けられ、このタイミングベルト64
が駆動モータ65の駆動プーリ66に対しても巻き掛けら
れ、該駆動モータ65の正逆回転駆動によって前記回転部
材50の往復回転駆動を行うように構成されている。そし
て、上記インキュベータ14の回転操作は、該インキュベ
ータ14の所定回転位置の下方に配設された測光ヘッド27
に対して、まず、白色基準板62b の濃度を検出し、続い
て黒色基準板62a の濃度を検出して光学濃度の校正を行
った後に第1セルM1が測光ヘッド27上に位置するまで
回転せしめ挿入されている化学分析スライド11の呈色反
応の光学濃度の測定を行い、この後逆回転せしめて第2
セルM2、第3セルM3……第6セルM6の順で各セル
に挿入されている化学分析スライド11の呈色反応の光学
濃度の測定を行う。この一連の測定の後、また、上記白
色基準板62b が測光ヘッド27上に位置する基準位置に復
帰せしめ、回転を逆転せしめて次のサイクルの測定を行
うように制御されている。
【0036】さらに、前記インキュベータ14の下方には
測定後の化学分析スライド11を回収する回収箱70が配設
されている。この回収箱70は、前記回転筒51の中心の廃
却孔56の下方に臨んで収容室71が形成され、この回収箱
70は他の各種機器の配置との関係からその収容室71はイ
ンキュベータ14の中心点Cに対して片方に広く形成され
ている。また、上記収容室71の角部には、後述の点着手
段16における検体液毎に交換するノズルチップ25が落下
される傾斜部72が形成されている。この傾斜部72は、ノ
ズルチップ25が落下されるチップ抜取り部20の下方に位
置し、その底面が落下してくるノズルチップ25を倒して
収容室71の中心側に案内するように、収容室71側が低く
なるような斜面(20〜45°)に形成されている。
【0037】また、上記収容室71の底部には前記廃却孔
56の中心から、収容室71の広くなっている部分とは反対
側にずれた位置に突起73が立設されている。この突起73
は先端が球状もしくは針状に形成され、廃却孔56から落
下してくる化学分析スライド11に接触してその落下方向
を変更して分散させる機能を有している。
【0038】次に、点着手段16は、その断面正面構造を
図5に示すように、前記基台31に設置された軸受部材80
に対してベアリング81を介して回転自在に回転基台82が
支持され、この回転基台82の上部にフランジ部材83が一
体に回転するように取り付けられている。上記フランジ
部材83の外周側の両側にはそれぞれガイドロッド84,84
が立設され、この両側のガイドロッド84,84 の上端部分
は連結部材85に固着されて、両ガイドロッド84,84 が上
下方向に平行に配設されている。また、上記連結部材85
の回転中心部分には上下方向に送りネジ86が配設され、
該送りネジ86の上端は上記連結部材85に回転自在に支承
され、下端部は前記フランジ部材83の中心部分に回転自
在に支承され、さらに先端部分はフランジ部材83から突
出してプーリ87が固着されている。さらに、前記両側の
ガイドロッド84,84 によって昇降移動自在に点着アーム
88の基端部が支持され、その支持部分の点着アーム88に
はガイドロッド84,84 が嵌挿されるスリーブ89が介装さ
れている。また、前記送りネジ86は上記点着アーム88を
貫通し、その貫通部分には送りネジ86に螺合するナット
部材90が設けられ、送りネジ86の回転に応じて点着アー
ム88が昇降作動するように構成されている。
【0039】そして、上記点着アーム88の先端部分に
は、上下方向に貫通して検体液の吸引吐出を行う点着用
ノズル91が配設されている。この点着用ノズル91は軸部
分が上記点着アーム88に摺動自在に嵌挿され、スプリン
グ92によって下方に付勢されている。また、該点着用ノ
ズル91の先端にはピペット状のノズルチップ25が着脱自
在に装着されるものであって、未使用のノズルチップ25
はサンプル収容部17にセットされており、これを点着ア
ーム88の下降移動によって点着用ノズル91の先端に嵌合
保持し、使用後は、チップ抜取り部20の係合溝20a にノ
ズルチップ25の上端を係合した状態での点着アーム88の
上動で嵌合を外し、チップ抜取り部20の開口20b から下
方の回収箱70に落下させて廃却するものである。
【0040】上記点着アーム88の旋回動作は、前記フラ
ンジ部材83または回転基台82の外周部分にタイミングベ
ルト94が係合され(図2参照)、このタイミングベルト
94が旋回用モータ95の駆動プーリ96に巻き掛けられ(図
2参照)、この旋回用モータ95の正逆回転の駆動制御に
よって所定位置に旋回移動される。また、点着アーム88
の昇降移動すなわち送りネジ86の回転駆動は、下端部の
プーリ87と昇降用モータ97の駆動プーリ98との間にベル
ト99が掛けられ(図2参照)、この昇降用モータ97の正
逆回転の駆動制御により所定高さに移動される。
【0041】次に、前記ノズルチップ25内への検体液の
吸引と吐出を行う機構は、前記点着用ノズル91の中心部
には先端部に開口するエア通路101 が形成され、このエ
ア通路101 の上端部分には図示しないエアパイプが接続
される。このエアパイプの他端は、シリンジ手段19のシ
リンジ102 の上端部分に接続されるものであって、該シ
リンジ102 は注射器状のエアポンプで、柱状の支持部材
103 に止具104 によって筒部102aが固定支持され、この
筒部102aの内部に嵌挿されたピストンに連結されたロッ
ド先端の操作部102bが昇降部材105 に係合固定されてい
る。この昇降部材105 は上下方向に配設されたガイド軸
106 に沿って昇降移動するように支持され、その端部に
は上下のプーリ107,108 に掛けられたベルト109 が止着
されている。下方のプーリ108 にはシリンジモータ110
が連係され、その駆動によってプーリ108 を回転させて
ベルト109 を介して昇降部材105 を作動し、シリンジ10
2の操作によって吸引吐出を行うように構成されてい
る。
【0042】そして、上記点着手段16により、ノズルチ
ップ25先端がサンプルカップ26内の検体液に浸漬された
状態でシリンジ102 のピストンを下降作動して吸引を行
い、点着部13に回動して化学分析スライド11に所定量の
点着を行うものである。なお、前記サンプル収容部17に
準備されたノズルチップ25およびサンプルカップ26、点
着部13、チップ抜取り部10は、いずれも点着アーム88の
旋回に伴う点着用ノズル91先端の旋回軌跡上に位置する
ように設定されている。
【0043】また、上述した点着アーム88の旋回動作お
よび点着アーム88の昇降動作は図示されないコントロー
ラから各々所定の駆動指令信号が旋回用モータ95および
昇降用モータ97に送出されることにより行なわれる。
【0044】さらに、上記ノズルチップ25内への検体液
の吸引と吐出を行なうためのシリンジモータ110 も上記
コントローラから送出される所定の駆動指令信号に応じ
て駆動される。
【0045】以下、上記装置を用いて実施される、本発
明の実施例に係る生化学分析方法を図1を用いて説明す
る。この図1の上部にはインキュベータ14の回転部材50
の回転期間(Hレベル)と停止期間(Lレベル)が示さ
れるとともに、測光ヘッド27による測光タイミングが示
されている。さらに、その下方には、これらの期間およ
びタイミングに同期してなされる各セルM1〜M6への
点着起動タイミングとこれら各セルM1〜M6に対する
点着済の化学分析スライド11の挿入タイミングが記載さ
れている。
【0046】すなわち、前述したように回転部材50はイ
ンキュベータ14内で回転往復動する。これは、連続して
一定方向に回転すると、この回転部材50に接続されたコ
イル等がねじれてしまい、切断等するおそれがあるから
である。
【0047】このように回転部材50が回転往復動するこ
とから、白色基準板62b が測光ヘッド27上にあるときの
回転位置を基準位置とすると、まずこの白色基準板62b
を測光し、この後回転部材50を上方からみて時計回りに
回転せしめて黒色基準板62aを測光する。この測光時に
は回転部材50は停止する。これら2つの基準板62a ,62
b を測光するのは、この後各セルM1〜M6に挿入され
ているスライド11の光学濃度を測定する前にコントロー
ラ内の演算部で測光データの校正を図るためである。
【0048】このようにして2つの基準板62a ,62b の
測光が終了すると、回転部材50を上方からみて時計回り
に大きく回転せしめて第1セルM1を測光ヘッド27上に
位置せしめる。
【0049】この後、第1セルM1に収容されたスライ
ド11を測光し、それまでと回転部材50の回転方向が逆転
するように上方からみて反時計回りに回転せしめ、第2
セルM2に収容されたスライド11を測光し、回転部材50
を同方向に回転せしめ、第3セルM3に収容されたスラ
イド11を測光し、…というようにして第6セルM6に収
容されたスライド11まで順次測光する。これら測光デー
タは図示されない記憶部に次々と送出され、上記演算部
において、これらスライド11上の検体液の生化学物質等
が分析される。この各測光時において回転部材50は停止
している。
【0050】上記各セルM1〜M6上のスライド11の測
光が終了すると回転部材50はさらに回転し白色基準板62
b が測光ヘッド27上に位置する前述した基準位置に到達
し、これにより回転部材50の1サイクル期間が終了す
る。
【0051】この後、上記回転部材50の回転動作のサイ
クル期間と同様のサイクル期間が繰り返されることとな
る。
【0052】なお、上記1サイクル期間は例えば10秒程
度であり、インキュベータ14での1つの化学分析スライ
ド11に対する恒温保持期間は測定項目によっても異なる
が約数分程度であるから各スライド11に対する上記測光
回数は数十回程度となり、各スライド11の測定項目に対
して、得られた数十個のデータを内挿もしくは外挿処理
することより正確な恒温保持期間経過後における分析結
果が得られる。
【0053】このように回転部材50が周期的に回転往復
動している動作の中で、新たな化学分析スライド11が点
着部13に搬送されてくると、コントローラは空いている
セルM1〜M6を判定し、そのセルM1〜M6の現在位
置を検出し、この現在位置から、次に該セルM1〜M6
が点着部13と対向するスライド挿入位置に到達するまで
の期間を算出する。そして、この算出結果に基づき、点
着時から、スライド11の該セルM1〜M6への挿入完了
時までの期間が常に例えば3〜4秒程度の期間となるよ
うに、すなわち、化学分析スライド11に検体液を点着し
てから所定の一定期間内にこの化学分析スライド11を空
いているセルM1〜M6に挿入できるように点着起動の
タイミングを算出する。
【0054】コントローラはこの算出結果に応じて該タ
イミングで昇降用モータ97に駆動指令信号を送出し、点
着部13の上方の所定位置に待機している点着用ノズル91
を下降せしめて該点着用ノズル91に装着されているノズ
ルチップ25の先端に形成した検体液の液滴を化学分析ス
ライド11の表面に接触させて滴下する。
【0055】この後、上記判定された空いているセルM
1〜M6が点着部13に対向するスライド挿入位置(図2
では第4セルM4が停止している位置)に停止すると、
挿入部材36が移動操作され、その先端部によって点着部
13に配設されている化学分析スライド11の後端が押圧さ
れ、この化学分析スライド11がこの点着部13から直線的
に上記セルM1〜M6に搬送され収容される。
【0056】このセルM1〜M6上に収容された化学分
析スライド11は、この後回転部材50の回転により、前述
した如く定期的に測光されることとなる。
【0057】なお、上記空いているセルM1〜M6の判
定は、セルM1〜M6上に化学分析スライド11が存在し
ているか否かのみによるのではなく直前に測定された項
目等も考慮される。さらに、このセル上に化学分析スラ
イド11が存在していても既に最終測定データが得られて
いれば、これを空いているセルM1〜M6と判定しても
よく、この場合には測定終了したスライド11の後端を新
たに挿入するスライド11の先端で押し出すことにより、
この測定終了したスライド11を廃却孔56に搬送落下せし
めることも可能である。
【0058】また、各セルM1〜M6に挿入される化学
分析スライド11への点着起動タイミングおよびその挿入
タイミングとしては、例えば図1に示すように第1セル
に挿入されるスライド11への点着起動タイミングは第1
セルM1上のスライド11の測光が終了したタイミングと
し、また、その挿入タイミングは第4セルM4上のスラ
イド11への測光から第5セルM5上のスライド11への測
光の間の移動期間内で回転部材50を一時停止せしめたタ
イミングとされる。
【0059】また、例えば図1に示すように、第5セル
M5に挿入するスライド11への点着起動は黒色基準板62
a の測光が終了したタイミングで、また、その挿入タイ
ミングは第1セルM1上のスライド11の測光が終了し、
若干の待機時間をもたせた後のタイミングで行なわれ
る。
【0060】このように各セルM1〜M6毎に、スライ
ド挿入タイミングを基準として点着起動タイミングが予
め定められており、各セルM1〜M6に係る点着起動タ
イミングとスライド挿入タイミングの間の期間は全て4
秒〜5秒程度の長さに設定されており、各セルM1〜M
6間のバラつきは1秒程度以内におさめられている。
【0061】なお、図1には待機時間等が示されておら
ず、その横軸方向の長さは正確な時間を示すものではな
い。
【0062】上述した実施例方法では点着動作も全て自
動的に行なわれるようにしているが、本願発明方法は点
着動作を手動で行なう場合についても適用できる。
【0063】点着を手動で行なう場合においてもインキ
ュベータ14の回転部材50の回転動作は上述した実施例の
ものと略同様のタイミングで行なわれる。
【0064】但し、各セルM1〜M6の中に空いている
セルM1〜M6が存在し、かつ未点着の化学分析スライ
ド11が点着部13に配されている場合には、黒色基準板62
a の測光後第1セルM1のスライド11を測光するまでの
回転部材50の移動期間内に上記空いているセルM1〜M
6が点着部13に対向するスライド挿入位置で必ず停止す
る点において上記実施例のものと異なっている。
【0065】また、上記点着動作が自動的に行なわれる
場合には、空いているセルM1〜M6がスライド挿入位
置に到達するまでの算出期間に基づき点着してからスラ
イド挿入するまでの期間が所定期間となるように、所定
のタイミングで昇降用モータ97に駆動指令信号が送出さ
れこれに応じて昇降用モータ97が点着用ノズル91を下降
せしめ、これにより検体液の点着が行なわれることとな
る。
【0066】これに対して点着動作が手動で行なわれる
場合には、空いているセルM1〜M6がスライド挿入位
置に到達するまでの算出期間に基づき点着してからスラ
イド挿入するまでの期間が所定期間となるように、該セ
ルM1〜M6がスライド挿入位置に到達する前に、点着
可能である旨のメッセージを装置のフロントパネルに配
された表示部に表示し、さらにブザー音を出力する。オ
ペレータはこの表示部の表示およびブザー音により点着
可能であることを認識し、点着部13に配されている化学
分析スライド11上に所定のピペットを用いて検体液を点
着する。この後オペレータはスライド挿入可能をコント
ローラに知らしめるため装置フロントパネルに配された
スタートボタンを押す。このスタートボタンの押下に応
じてコントローラは搬送モータ45に駆動指令信号を送出
し、これにより挿入部材36が移動操作され、この点着部
13において点着された化学分析スライド11はスライド挿
入位置に停止しているセルM1〜M6上に挿入される。
【0067】また、空いているセルM1〜M6が上記ス
ライド挿入位置に停止した場合に、必ずしもスライド11
への点着が行なわれるとは限らないので、点着可能であ
る旨のメッセージを表示部に表示してから所定期間、例
えば3〜4秒が経過するまでに上記スタートボタンが押
下されていない場合には、コントローラは挿入すべきス
ライド11がないと判断して回転部材50の回転を指示する
こととなる。
【0068】以下、インキュベータ14の動作状態に応じ
て、表示部に表示される各メッセージについて説明す
る。この表示部は16カラムから構成されるLCDであ
る。
【0069】なお、前述したスタートボタンの押下は各
化学分析スライドにおける2回目の押下であって、その
前に行なわれるスタートボタンの1回目の押下によっ
て、スライド11が点着部13まで搬送されることになる。
【0070】なお、上記1回目のスタートボタンの押下
によりLCDには測定項目名(例えば測定項目がアミラ
ーゼである場合にはAMYL−P)が数秒間表示され
る。
【0071】図6は点着動作を手動で行なう場合のイン
キュベータ14の動作状態の1サイクルの概略を示すタイ
ムチャートである。
【0072】このタイムチャートは各セル上のスライド
測光期間B、白黒基準板測光期間とスライド挿入位置へ
の移動期間C,D、スライド挿入期間Eおよび第1セル
測光位置への移動期間Aの区分を示している。なお、C
期間の開始タイミングをT1、D期間の開始タイミング
をT2とする。
【0073】図7は上記各期間に対応するLCD表示部
に表示されるメッセージの内容を示すものである。
【0074】すなわち、第1セル測光位置へ移動する期
間Aにおいて、新たにスライド11が挿入されなかったと
きは図7(a) に示す如きメッセージが、またスライド挿
入位置にスライド11が挿入されたときは図7(b) に示す
如きメッセージが各々LCD表示部に表示される。な
お、図7(a) で示されるXには、測光すべきスライド11
を載設したセルM1〜M6の具体的数が示される。各セ
ルM1〜M6上のスライド11の測光が終了する毎に数字
がカウントダウンされる。
【0075】次に、各セルM1〜M6上のスライド11の
測光期間Bにおいては、測光中のスライド11を載設した
セルM1〜M6に合わせて図7(c) に示す如きメッセー
ジがLCD表示部に表示される。なお、図7(c) で示さ
れるYには、測光が残っているスライド11を載設したセ
ルM1〜M6の具体的数が示されている。この数字は各
セルM1〜M6のスライド11の測光開始時に1だけカウ
ントダウンされる。
【0076】次に、白黒基準板測光期間およびスライド
挿入位置への移動期間C,Dについて説明する。まず、
T1のタイミングにおいて図7(d) に示す如きメッセー
ジをLCD表示部に表示するとともにブザーを鳴らす
(例えば0.3 秒のブザー音を0.3 秒間隔で2回鳴ら
す。)。
【0077】なお、図7(d) に示される矩形状のぬりつ
ぶしマークは例えば1秒毎に少しづつ短くなりC期間終
了時(例えば3秒経過後)に消えるように表示される。
【0078】また、T2のタイミングにおいて図7(e)
に示す如きメッセージをLCD表示部に表示するととも
に最終ブザーを鳴らす(例えば1秒間ブザー音が継続す
るように鳴らす。)。このC期間はB期間に比べて短く
設定されており、オペレータはまもなく点着可能期間が
終了することを認識する。
【0079】次に、スライド挿入期間Eにおいては、ス
タートボタンが押され、これによりスライド挿入がなさ
れるときは図7(f) に示す如くLCD表示部に何も表示
されない。一方、スタートボタンが押されておらず、こ
れによりスライド挿入がなされないときは図7(g) に示
す如きメッセージがLCD表示部に表示される。この図
7(g) に示されるXに表示される数字はA期間における
Xと同じである。
【0080】このようにLCD表示部には各期間に応じ
たメッセージが表示さそれるようになっており、正確な
タイミングでオペレータの点着操作が行なわれるように
配慮されている。
【0081】なお、本発明の生化学分析方法としては上
記実施例のもに限られものではなく、種々の態様の変更
が可能である。
【0082】例えば、検体液の点着を自動で行なう場合
に、図1に示す実施例方法においては空いていると判定
されたセルM1〜M6が回転部材50の回転によりスライ
ド挿入位置に到達するまでの期間を算出し、この算出期
間に基づき、このスライド挿入位置に到達するタイミン
グ(この実施例ではこの到達するタイミングから所定期
間経過後にスライド挿入が行なわれるとしている)から
点着起動のタイミングを逆算し、この逆算した結果に基
づいて点着を行なうようにしているが、例えば図8に示
す実施例の如く、点着起動タイミングを回転部材50の回
転周期の中の所定のタイミングというように、最初に定
めておくことも可能である。
【0083】すなわち、この図8に示す実施例方法にお
いては、化学分析スライド11の点着起動は第6セルの測
光終了のタイミングで行なわれ、どのセルM1〜M6に
スライド挿入する場合であってもこの点着起動のタイミ
ングは同じとなる。
【0084】この後、白色基準板62b および黒色基準板
62a の測光が終了すると、図1に示す実施例方法と同様
に、回転部材50が装置の上方からみて時計回りに大きく
回転して第1セルM1が測光ヘッド27上に配されること
となる。そして、挿入されるべき化学分析スライド11が
セットされている場合には、この回転部材50が大きく回
転移動する期間において、このスライド11が挿入される
べきセルM1〜M6がスライド挿入位置まで回転してき
たときに回転部材50が停止し、このセルM1〜M6に点
着済のスライド11が挿入される。
【0085】この黒色基準板62a が測光ヘッド27上に位
置する前述した基準位置において、スライド挿入位置に
は第3セルM3と第4セルM4の中間部が位置すること
となる。この状態から、回転部材50が上方からみて時計
回りに回転することとなるから、第3セルM3、第2セ
ルM2、第1セルM1、第6セルM6、第5セルM5の
順でスライド挿入位置に配されることとなり、第3セル
M3と第5セルM5とでは点着のタイミングからスライ
ド挿入位置に配されるまでの期間が例えば2秒程度相違
することとなる。
【0086】挿入されるセルM1〜M6によって上記期
間が相違すると、化学分析スライド11上の検体液中にお
ける生化学物質等の分析の再現性および精度が低下す
る。そこでこの実施例方法では、点着タイミングからス
ライド挿入位置到達までの期間が最大となる第5セルM
5を基準とし、その他のセルM1〜M4,M6では点着
タイミングからスライド挿入完了までの期間が上記第5
セルM5の期間と同程度となるように、そのセルM1〜
M4,M6がスライド挿入位置に到達した後、所定期間
だけ回転部材50をさらに停止し続けてスライド挿入動作
を遅延せしめるようにしている。
【0087】すなわち、第3セルM3における上記遅延
すべき期間(待機期間)が最も長く、第2セルM2、第
1セルM1、第6セルM6の順に短くなるように設定さ
れている。なお、図8にはこの待機期間は示されていな
い。
【0088】また、第4セルM4に化学分析スライド11
を挿入する場合だけは、黒色基準板62a を測光した後、
回転部材50を上方からみて一旦反時計回りに回転せし
め、第4セルM4をスライド挿入位置で停止せしめ、上
記第3セルM3と同程度の待機期間だけそのまま停止さ
せた後スライド11を第4セルM4に挿入せしめ、この後
回転部材50を上方からみて時計方向に回転せしめる。
【0089】この実施例方法は、全てのセルM1〜M6
について、回転部材50の回転周期中の点着起動のタイミ
ングが同じであるから、装置のシーケンス動作が簡単と
なり保守点検が容易となるという利点も有している。
【0090】また、上記実施例においてはインキュベー
タの回転部材が回転往復動を行なうようになっている
が、回転部材が一定回転するようなものであっても本発
明方法を適用できる。
【0091】
【発明の効果】以上に説明したように本発明の生化学分
析方法によれば、点着動作が自動で行なわれるか手動で
行なわれるかに拘らず、また、どのスライド収容部にス
ライドが挿入されるかに関係なく、点着時からスライド
加熱開始までの期間を所定の一定期間とすることがで
き、化学分析スライド上の検体液中における生化学物質
等の分析の再現性および精度を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の生化学分析方法における動
作タイミングを示すタイムチャート
【図2】本発明の一実施例に係る生化学分析方法を実施
するための装置の要部機構の概略平面図
【図3】搬送手段の部分の断面正面図
【図4】インキュベータの部分の断面正面図
【図5】点着手段の部分の断面正面図
【図6】図1に示す実施例とは別の実施例に係る動作タ
イミングを示すタイムチャート
【図7】図6に示す実施例において、各動作状態毎に表
示部に表示されるメッセージを示す概略図
【図8】図1に示す実施例とは別の実施例に係る生化学
分析方法における動作タイミングを示すタイムチャート
【符号の説明】
10 生化学分析装置 11 化学分析スライド 13 点着部 14 インキュベータ 15 搬送手段 16 点着手段 20 チップ抜取り部 25 ノズルチップ 36 挿入部材 45 搬送モータ 50 回転部材 51 回転筒 55 収容部 56 廃却孔 62a 黒色基準板 62b 白色基準板 70 回収箱 73 突起 88 点着アーム 91 点着用ノズル M1〜M6 セル
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 35/06 D 7370−2J

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の検体液が点着された化学分析スラ
    イドを、回転円板の円周方向に配列されてなる複数のス
    ライド収容部にスライド挿入位置において挿入し、該挿
    入された化学分析スライドを所定期間に亘って恒温状態
    に保持するとともに、前記回転円板を回転させ、該回転
    円板の近傍の所定位置に配された測光部により前記挿入
    された化学分析スライド上の検体液の光学濃度を測定し
    て該検体液に含まれている所定の生化学物質の濃度を求
    める生化学分析方法において、 前記複数のスライド収容部のうち前記化学分析スライド
    を新たに収容可能な一のスライド収容部を判定し、該判
    定された一のスライド収容部が前記回転円板の回転によ
    り現在位置から前記スライド挿入位置に到達するまでの
    期間を算出し、この算出期間に基づき、前記点着のタイ
    ミングから前記化学分析スライドの前記一のスライド収
    容部への挿入完了時までの期間が所定期間内となるよう
    に前記点着のタイミングを予め算出しておき、この算出
    タイミングに基づき前記化学分析スライドへの点着を行
    うことを特徴とする生化学分析方法。
  2. 【請求項2】 前記算出された点着のタイミングに基づ
    いて出力されるタイミング信号に応じて前記点着を行な
    うための手段を駆動することを特徴とする請求項1記載
    の生化学分析方法。
  3. 【請求項3】 前記算出された点着のタイミングを示唆
    するメッセージを該タイミングが経過する前に所定の表
    示部に表示し、もしくは音声で出力することを特徴とす
    る請求項1記載の生化学分析方法。
  4. 【請求項4】 所定の検体液が点着された化学分析スラ
    イドを、回転円板の円周方向に配列されてなる複数のス
    ライド収容部にスライド挿入位置において挿入し、該挿
    入された化学分析スライドを所定期間に亘って恒温状態
    に保持するとともに、前記回転円板を回転させ、該回転
    円板の近傍の所定位置に配された測光部により前記挿入
    された化学分析スライド上の検体液の光学濃度を測定し
    て該検体液に含まれている所定の生化学物質の濃度を求
    める生化学分析方法において、 前記回転円板の回転周期の所定タイミングで前記化学分
    析スライドに前記検体液を点着し、前記複数のスライド
    収容部のうち前記化学分析スライドを新たに収容可能な
    一のスライド収容部を判定し、前記点着のタイミングか
    ら、前記回転円板の回転により該判定された一のスライ
    ド収容部が前記スライド挿入位置に到達するまでの期間
    を算出し、この算出期間に基づき、前記点着のタイミン
    グから前記化学分析スライドの前記一のスライド収容部
    への挿入完了時までの期間が所定期間内となるように前
    記一のスライド収容部の前記スライド挿入位置における
    スライド挿入の待機期間を予め算出しておき、この算出
    された待機期間に基づき前記一のスライド収容部を前記
    スライド挿入位置において待機せしめるとともにこの待
    機期間経過後に前記スライド挿入を行なうことを特徴と
    する生化学分析方法。
JP7815693A 1993-04-05 1993-04-05 生化学分析方法 Withdrawn JPH06288916A (ja)

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JP7815693A JPH06288916A (ja) 1993-04-05 1993-04-05 生化学分析方法

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