JPH06287275A - 熱硬化性樹脂組成物およびそれにより封止された電子部品 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物およびそれにより封止された電子部品

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JPH06287275A
JPH06287275A JP7717993A JP7717993A JPH06287275A JP H06287275 A JPH06287275 A JP H06287275A JP 7717993 A JP7717993 A JP 7717993A JP 7717993 A JP7717993 A JP 7717993A JP H06287275 A JPH06287275 A JP H06287275A
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JP
Japan
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formula
resin composition
group
thermosetting resin
epoxy resin
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Application number
JP7717993A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Shiomi
浩 塩見
Masatsugu Akiba
真継 秋庭
Yasuhisa Sugiyama
靖央 杉山
Shinichiro Kitayama
慎一郎 北山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】接着性、耐湿性および耐熱性に優れた熱硬化性
樹脂組成物およびその組成物によって成形封止されてい
る電子部品を提供すること。 【構成】(A)分子中に2個以上のマレイミド基を有す
るポリマレイミド化合物、(B)分子中に二個以上のエ
ポキシ基を有するエポキシ樹脂、(C)エポキシ樹脂硬
化剤および(D)アシッドホスホオキシエチルメタクリ
レート等の特定の酸性リン酸エステル化合物を含有して
なる熱硬化性樹脂組成物およびその組成物によって成形
封止されている電子部品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に、電子部品の封止
用材料として有用な熱硬化性樹脂組成物およびその組成
物によって成形封止されている電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体等の電気・電子部品は熱硬
化性エポキシ樹脂を用いて成形封止されているものが広
く用いられてきた。 このエポキシ樹脂は、ガラス、金
属、セラミックを用いたハーメチックシール方式に比較
して経済的に有利なために広く実用化されている。中で
もオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂に代表さ
れる多官能エポキシ樹脂とノボラック型フェノール樹
脂、無機充填剤を主成分とする樹脂組成物が作業性、成
形性、信頼性の面で優れるとされている。しかし近年で
は電子機器の小型化や、半導体の高集積化、高密度化に
伴い小さな空間にできるだけ多くの素子を塔載すること
のできる表面実装方式が主流になってきた。この結果、
半田付け工程の際、封止材料そのものが半田浴温度とい
う過酷な条件に曝される。このため封止材料の耐熱性は
重要な特性になってきた。最近、高耐熱性を得る目的で
熱硬化性のポリイミド樹脂封止が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、熱硬化
性のポリイミド樹脂はエポキシ樹脂に比べ接着性および
耐湿性の面で大きな欠点を有している。とくに接着性が
低いとリードフレームとの密着性に劣り、耐湿信頼性の
低下を招く点から大きな問題である。この様な背景から
本発明の目的は、接着性、耐湿性および耐熱性に優れた
熱硬化性樹脂組成物およびその組成物によって成形封止
されている電子部品を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、耐熱性に優れるポリイミド系化合物およびエ
ポキシ樹脂からなる樹脂組成物に、ある種の添加剤を配
合することにより得られる樹脂組成物が上記目的に適う
ことを見出し本発明を完成するに至った。
【0005】即ち、本発明は以下の通りである。 (1)(A)分子中に2個以上のマレイミド基を有する
ポリマレイミド化合物、(B)分子中に二個以上のエポ
キシ基を有するエポキシ樹脂、(C)エポキシ樹脂硬化
剤、および(D)後述の一般式化8で表される酸性リン
酸エステル化合物を含有してなることを特徴とする熱硬
化性樹脂組成物。
【0006】(2)更に、上記の(A)、(B)、
(C)および(D)成分に加え(E)充填剤を含有して
なる熱硬化性樹脂組成物。
【0007】(3)上記(1)または(2)記載の熱硬
化性樹脂組成物によって成形封止されてなることを特徴
とする電子部品。
【0008】以下に本発明を詳細に説明する。本発明で
使用される(A)成分の例としては下記に一般式化5で
表されるマレイミド基を分子中に2個以上含有する化合
物である。
【0009】
【化5】 (式中、R6 は水素原子または炭素数1〜5のアルキル
基を表す。)
【0010】本発明で用いられるポリマレイミド化合物
としては、N,N’−ジフェニルメタンビスマレイミ
ド、N,N’−フェニレンビスマレイミド、N,N’−
ジフェニルエーテルビスマレイミド、N,N’−ジフェ
ニルスルホンビスマレイミド、N,N’−ジシクロヘキ
シルメタンビスマレイミド、N,N’−キシレンビスマ
レイミド、N,N’−トリレンビスマレイミド、N,
N’−ジフェニルメタンビスメチルマレイミド、N,
N’−ジフェニルエーテルビスメチルマレイミド、N,
N’−ジフェニルスルホンビスメチルマレイミド(それ
ぞれ異性体を含む)、N,N’−エチレンビスマレイミ
ド、N,N’−ヘキサメチレンビスマレイミド、N,
N’−ヘキサメチレンビスメチルマレイミド、およびこ
れらN,N’−ビスマレイミド化合物とジアミン類を付
加させて得られる、末端がN,N’−ビスマレイミド骨
格を持つプレポリマー、およびアニリン・ホルマリン重
縮合物のマレイミド化合物またはメチルマレイミド化合
物、ならびに次に示す、ビスアミノフェノキシ基を有す
る化合物を原料として合成できる一般式化6で表される
ポリマレイミド化合物等が例示できる。
【0011】また、ビスアミノフェノキシ基を有する化
合物を原料として合成できるポリマレイミド化合物は下
記の一般式化6
【化6】 〔(式中、Arは式化7
【0012】
【化7】 (式中、R8 、R9 はそれぞれ独立に水素原子または炭
素数1〜5の炭化水素基を表し、R10は、炭素数1〜1
5の2価の炭化水素基、あるいは−CO−、−S−、−
C(CF3 2 −、−SO2 −または−O−の2価の基
を示す。また、R 10が単結合で直接結合していてもよ
い。)で表される基であり、R6 、R7 はそれぞれ独立
に水素原子または炭素数1〜5の炭化水素基を表す。〕
で表され、これらについて例示すると、N,N’−ビス
(アミノフェノキシ)ナフタレンビスマレイミド、N,
N’−ビス(アミノフェノキシ)ビフェニルビスマレイ
ミド、N,N’−ビス(アミノフェノキシ)ジフェニル
メタンビスマレイミド、N,N’−ビス(アミノフェノ
キシ)ジフェニルスルホンビスマレイミド、N,N’−
ビス〔(アミノフェノキシ)−3−t−ブチル−6−メ
チルフェニル〕ブタンビスマレイミド、N,N’−ビス
(アミノフェノキシフェニル)メンタンビスマレイミ
ド、N,N’−ビス(アミノフェノキシフェニル)ジシ
クロペンタンビスマレイミド等が挙げられる(各々異性
体を含む)。
【0013】本発明で使用される(B)成分については
公知のエポキシ樹脂を用いることができるが、これらに
ついて具体的に例示すると、フェノール、o−クレゾー
ル等のフェノール類とホルムアルデヒドの反応生成物で
あるノボラック樹脂から誘導されるノボラック系エポキ
シ樹脂、フロログリシン、トリス−(4−ヒドロキシフ
ェニル)−メタン、1,1,2,2 −テトラキス(4 −ヒドロ
キシフェニル)エタン等の三価以上のフェノール類から
誘導されるグリシジルエーテル化合物、ビスフェノール
A、ビスフェノールF、ハイドロキノン、レゾルシン、
1,1'−ビス(3−t −ブチル−6 −メチル−4 −ヒドロ
キシフェニル)ブタン、テトラメチルビフェノール等の
二価フェノール類から誘導されるグリシジルエーテル化
合物またはテトラブロムビスフェノールA等のハロゲン
化ビスフェノール類から誘導されるジグリシジルエーテ
ル化合物、
【0014】フェノール類と芳香族カルボニル化合物と
の縮合反応により得られる多価フェノールのグリシジル
エーテル化合物、p−アミノフェノール、m−アミノフ
ェノール、4 −アミノメタクレゾール、6 −アミノメタ
クレゾール、4,4' −ジアミノジフェニルメタン、3,3' −
ジアミノジフェニルメタン、4,4' −ジアミノジフェニル
エーテル、3,4'- ジアミノジフェニルエーテル、1,4−ビ
ス(4 −アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4 −ビス(3
−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3 −ビス(4 −アミ
ノフェノキシ)ベンゼン、1,3 −ビス(3 −アミノフェ
ノキシ)ベンゼン、2,2 −ビス(4 −アミノフェノキシ
フェニル)プロパン、p−フェニレンジアミン、m−フ
ェニレンジアミン、2,4 −トルエンジアミン、2,6 −ト
ルエンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリ
レンジアミン、1,4 −シクロヘキサンビス(メチルアミ
ン)、1,3 −シクロヘキサンビス(メチルアミン)等か
ら誘導されるアミン系エポキシ樹脂、
【0015】p−オキシ安息香酸、m−オキシ安息香
酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族カルボン酸
から誘導されるグリシジルエステル系化合物、5,5 −ジ
メチルヒダントイン等から誘導されるヒダントイン系エ
ポキシ化合物、2,2 −ビス(3,4 −エポキシシクロヘキ
シル)プロパン、2,2 −ビス〔4 −(2,3 −エポキシプ
ロピル)シクロヘキシル〕プロパン、ビニルシクロヘキ
センジオキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチ
ル−3,4 −エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等
の脂環式エポキシ樹脂、N,N−ジグリシジルアニリン
等があり、これらのエポキシ樹脂の一種または二種以上
が使用される。中でも、o−クレゾールノボラック系エ
ポキシ樹脂、テトラメチルビフェノール及びフェノール
類と芳香族カルボニル化合物との縮合反応により得られ
る多価フェノールのグリシジルエーテル化合物が硬化性
及び耐熱性あるいは接着性の点から好ましい。
【0016】また、(C)成分であるエポキシ硬化剤に
ついても、公知のものが使用できる。これらについて例
示すると、ビスフェノールA、テトラブロモビスフェノ
ールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビス
(4 −ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)エタン、1,3,3 −トリメチル−
1 −m−ヒドロキシフェニルインダン−5 または7 −オ
ール、1,3,3 −トリメチル−1 −p−ヒドロキシフェニ
ルインダン−6 −オール、レゾルシン、ハイドロキノ
ン、カテコールおよびフエノール、o−クレゾール等の
フェノール類とホルムアルデヒドの反応生成物であるフ
ェノール類ノボラック等のポリフェノール化合物、
【0017】マレイン酸、フタル酸、ナジク酸、メチル
−テトラヒドロフタル酸、メチルナジク酸等のポリカル
ボン酸およびその無水物、ジアミノジフェニルメタン、
ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジフェニルエー
テル、フェニレンジアミン、ジアミノジシクロヘキシル
メタン、キシリレンジアミン、トルエンジアミン、ジア
ミノジシクロシクロヘキサン、ジクロロ−ジアミノジフ
ェニルメタン(それぞれ異性体を含む)、エチレンジア
ミン、ヘキサメチレンジアミン等のポリアミン化合物、
さらにはジシアンジアミド、テトラメチルグアニジン
等、エポキシ基と反応可能な活性水素含有化合物が例示
できる。なかでも、フェノール類ノボラック樹脂が硬化
性及び耐湿性の点から好ましく用いられる。
【0018】本発明の組成物において、樹脂の各成分の
量的割合は用途、所望の耐熱性等に応じて適宜選択でき
る。しかし、一般的にはポリマレイミド化合物の含有率
{(A)/〔(A)+(B)+(C)〕}が9割〜1割
となるように選ぶことが好ましい。更に好ましくは、7
割〜3割である。ポリマレイミド化合物の配合割合が上
述の範囲から逸脱すると耐湿性、耐熱性が低下するので
好ましくない。
【0019】また、(B)成分であるエポキシ樹脂と
(C)成分である硬化剤との配合割合に関しては、等量
配合が好ましい。(B)成分と(C)成分の配合が等量
配合から極端にずれると、耐湿性、硬化性等が低下する
ので好ましくない。
【0020】本発明の樹脂組成物の熱硬化の方法につい
て述べると、無触媒でも硬化可能であるが、硬化促進剤
を用いることにより、更に容易に硬化せしめることが可
能となる。特に封止材に用いる場合は必須である。この
ような触媒について例示すると、トリフェニルホスフィ
ン、トリ−4−メチルフェニルホスフィン、トリ−4−
メトキシフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、
トリオクチルホスフィン、トリ−2−シアノエチルホス
フィンなどの有機ホスフィン化合物、トリブチルアミ
ン、トリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,
4,0)ウンデセン−7、トリアミルアミン等の三級ア
ミン、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、水酸化ベ
ンジルトリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウ
ムテトラフェニルボレート等の4級アンモニウム塩、イ
ミダゾール類、三弗化ホウ素錯体、遷移金属アセチルア
セトナート、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチル
パーオキシド、ジクミルパーオキシド、ラウロイルパー
オキシド、アセチルパーオキシド、メチルエチルケトン
パーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、t−ブ
チルハイドロパーオキシド、アゾビスブチロニトリル等
のラジカル開始剤が例示されるが、これらに限定される
ものではない。これらの中でも、有機ホスフィン化合
物、イミダゾール類およびこれらの塩(具体的には、テ
トラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、4
−メチルイミダゾールテトラフェニルボレート等)ある
いはトリエチルアンモニウムテトラフェニルボレートが
特に好ましい。
【0021】また、硬化速度を調整するために、公知の
重合禁止剤を併用することも可能である。例示すると、
2,6−ジ−t−ブチル−4 −メチルフェノール、2,2'−
メチレンビス(4 −エチル−6 −t−ブチルフェノー
ル)、4,4'−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェ
ノール)、4,4'−チオビス(3 −メチル−6 −t−ブチ
ルフェノール)、ハイドロキノンモノメチルエーテル等
のフェノール類、ハイドロキノン、カテコール、p−t
−ブチルカテコール、2,5 −ジ−t−ブチルハイドロキ
ノン、メチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノ
ン、ピロガロール等の多価フェノール、フェノチアジ
ン、ベンゾフェノチアジン、アセトアミドフェノチアジ
ン等のフェノチアジン系化合物、N−ニトロソジフェニ
ルアミン、N−ニトロソジメチルアミン等のN−ニトロ
ソアミン系化合物がある。
【0022】本発明で使用される添加剤(C)として
は、下記の一般式化6で表される酸性リン酸エステル化
合物である。
【0023】
【化8】 〔式中、R1 は 一般式化9
【0024】
【化9】 (ここで、R3 はメチル基または水素原子、R4 は炭素
数1〜5のアルキレンエーテル基、R5 は炭素数1〜5
のアルキレン基を表す。R4 、R5 は同一分子中で同じ
であっても異なっていてもよい。qおよびrは1〜20
の数を表す。)で表される基から選ばれ、R2 は水素原
子またはその有機アミン塩をあらわす。R1 およびR2
はそれぞれ独立に同一分子中で同じであっても異なって
いてもよい。nは1または2の数を表す。〕
【0025】一般式化8で表される化合物の代表例とし
て、下記の式化10で表されるアシッドホスホオキシエ
チルメタクリレート(日本化薬(株)社製、商品名カヤ
マーPM−1)、式化11で表されるアシッドホスホオ
キシポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート
(ユニケミカル(株)社製、商品名ホスマーPE)、お
よび式化12で表されるメタクロイルオキシエチルアシ
ッドホスヘートモノエタノールアミンハーフソルト(ユ
ニケミカル(株)社製、商品名ホスマーMH)を例示す
ることができるが必ずしもこれらに限定されない。
【0026】
【化10】 (アシッドホスホオキシエチルメタクリレート)
【0027】
【化11】 (アシッドホスホオキシポリオキシエチレングリコール
モノメタクリレート)
【0028】
【化12】 (メタクロイルオキシエチルアシッドホスヘートモノエ
タノールアミンハーフソルト)本発明の熱硬化性樹脂組
成物において、(D)成分を配合することが、その組成
物と銅及び42アロイ等でできたリードフレームとの接
着力を高めるうえで重要な役割を果たしている。
【0029】本発明において、(D)成分の配合量は
(A)、(B)および(C)成分の合計量100重量部
に対して、好ましくは0.1〜5重量部、更に好ましく
は0.5〜3重量部である。配合量がこの範囲より少な
いと、接着性の改良効果に乏しく、また、多すぎると機
械物性および耐熱性が低下する傾向を示す。
【0030】本発明で用いられる充填剤(E)としては
溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カル
シウム、チタンホワイト、クレー、アスベスト、マイ
カ、ベンガラ、ガラス繊維等が挙げられるが、中でも特
に溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナが好ましく用いら
れる。
【0031】更に、充填剤の配合割合は目的に応じて適
宜決めることができるが、半導体の封止に用いる場合に
は樹脂組成物全量中の30〜90重量%であることが好
ましく、より好ましくは60〜85重量%である。充填
剤量が30重量%より少ない場合は耐湿性に劣り、ま
た、90重量%を越える場合は成形性に問題を生ずる。
【0032】本発明において、その他必要に応じて天然
ワックス、合成ワックス、高級脂肪酸及びその金属塩
類、若しくはパラフィン等の離型剤あるいはカーボンブ
ラックのような着色剤、さらに、シランカップリング剤
等の表面処理剤等を添加してもよい。また、三酸化アン
チモン、リン化合物、ブロム化エポキシ樹脂等の難燃剤
を加えてもよい。難燃効果を出すためには、ブロム化エ
ポキシ樹脂が特に好ましい。
【0033】また、例えば低応力化するには、各種エラ
ストマーを添加またはあらかじめ反応して用いてもよ
い。具体的には、ポリブタジエン、ブタジエン−アクリ
ロニトリル共重合体、シリコーンゴム、シリコーンオイ
ル等の添加型あるいは反応型のエラストマーが挙げられ
る。
【0034】このようにして得られた樹脂組成物はロー
ルあるいはコニーダー等の一般の混練機により、溶融混
合することによりコンパウンド化が可能である。本発明
による樹脂組成物を用いて半導体等、電子部品を封止す
るには、トランスファーモールド、コンプレッションモ
ールド、インジェクションモールド等の従来から公知の
成形法により硬化成形すればよい。
【0035】
【発明の効果】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、主に半
導体等の電子部品の封止に用いられる。そして加工性、
耐熱性特に熱時の強度及び接着性に優れ、特に従来知ら
れている耐熱性樹脂組成物よりも耐湿性に優れ、封止材
料用組成物として極めて有用である。
【0036】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。硬化成形物の評価は、以
下のとおりである。
【0037】・ゲルタイム:実施例及び比較例で得られ
た混練物を180 ℃の熱板の凹部に0.5g取り、ゲル化まで
の時間を測定した。 ・ガラス転移温度:熱機械的分析装置(SHIMADZU DT-3
0)を用いて測定した。
【0038】・曲げ強度、曲げ弾性率:JIS K-6911に従
い、インストロン万能材料試験機(SHIMADZU IS-10T)で
測定した。測定温度は、20℃および240℃である。 ・吸湿率:恒温恒湿槽(TABAI PR-2)を用い、85℃/85
%RHの条件で重量変化を測定した。
【0039】・スパイラルフロー:EMMI−1−66
に準じて190 ℃/70kg/cm2 の条件で行った。 ・バーコール硬度:190℃/120秒の成形条件で測
定した。
【0040】・接着性試験:銅箔(18μm:古河サー
キットホイール社製)及びアルミ箔(20μm)上にコ
ンパウンドをモールドし、後硬化後の引きはがし強さに
よって評価を行った。それぞれアルミピール及び銅ピー
ルという。
【0041】・ハンダクラック性:模擬IC(52ピンQF
P パッケージ:パッケージ厚さ2.05mm)を85℃/85%RH
/72時間の条件にて吸湿させた後直ちに240 ℃のハンダ
浴に30秒浸漬した後のクラックの発生したICの個体
数。試験個体数10個。
【0042】参考例1 N, N' −2, 7−ビス(4, 4' −アミノフェノキシ)ナフ
タレンビスマレイミドの合成 2リットル四ツ口フラスコに無水マレイン酸 157.5gと
アセトン 950.8gを仕込み、窒素気流下撹拌して溶解さ
せた。温度を室温〜35℃に保ちながら2, 7−ビス(4,
4' −アミノフェノキシ)ナフタレン 250.0gを粉体の
まま十分おきに二時間で分割添加した。さらに三時間撹
拌を続け反応の終了を確認した(第一段階の反応)。続
いてトリエチルアミン44.3gを加え室温で半時間撹拌し
た後、酢酸ニッケル1.55gを加え40℃まで昇温した。無
水酢酸193.9 gを一時間で滴下した後、同温度で反応を
続けた(第二段階の反応)。反応終了後、反応混合物を
水1リットル中に排出した。続いて結晶を濾取した。こ
の結晶を水洗、ついでメタノールで洗浄し、減圧下に加
温して乾燥し、黄色結晶の目的物を得た(M27Nとす
る)。収量は 359.4g(収率 98.0 %)であった。この
ものをメチルセロソルブ/イソプロピルアルコール混合
溶媒から再結晶したものの融点は98〜101 ℃であった。
【0043】参考例2 N, N' −ビス(4-アミノフェノキシフェニル)メンタン
ビスマレイミドの合成 300 ミリリットル四ツ口フラスコに無水マレイン酸 10.
8 gとアセトン 25.2gを仕込み、窒素気流下撹拌して
溶解させた。温度を室温〜35℃に保ちながらビス(4 −
アミノフェノキシフェニル)メンタン 25.3 g(アミン
当量 253g/eq)をアセトン 59.1 gに溶かした溶液を
二時間で滴下した。さらに三時間撹拌を続けた。次にト
リエチルアミン 3.04 gを加え室温で半時間撹拌した
後、酢酸ニッケル 0.11 gを加え40℃まで昇温した。無
水酢酸 13.3 gを一時間で滴下した後、同温度で反応を
続けた。反応終了後、純水 200gを滴下すると反応混合
物が結晶した。結晶を濾取し、水洗、ついでメタノール
で洗浄し、減圧下に加温して乾燥した。これをメチルセ
ロソルブ/イソプロパノールから再結晶して黄色結晶を
得た(MPDとする)。収量は 23.5 g(収率 70.6
%)であった。
【0044】参考例3 N, N' −ビス〔4 −(4-アミノフェノキシ)−3, 5−ジ
メチルフェニル〕メンタンビスマレイミドの合成 500 ミリリットル四ツ口フラスコに無水マレイン酸 32.
6 g とアセトン 76 gを仕込み、窒素気流下撹拌して溶
解させた。温度を室温〜35℃に保ちながらビス〔4 −
(4-アミノフェノキシ)−3, 5−ジメチルフェニル〕メ
ンタン(アミン当量 281 g/eq)84.9 gをアセトン 198
gに溶かした溶液を二時間で滴下した。さらに三時間撹
拌を続けた。次にトリエチルアミン 3.04 g を加え室温
で半時間撹拌した後、酢酸ニッケル 0.29 g を加え40℃
まで昇温した。無水酢酸 40.1 g を一時間で滴下した
後、同温度で三時間反応を続けてから同温度で溶媒を減
圧下に回収した。反応終了後、純水 300 gに反応混合物
を排出した。結晶を濾取し、水洗、ついでメタノールで
洗浄し、減圧下に加温して乾燥し、黄色結晶の目的物
(MXDとする)を得た。収量は 108.0 g(収率 98.9
%)であった。
【0045】参考例4 N, N' −ビス〔4 −(4-アミノフェノキシ)−3, 5−ジ
メチルフェニル〕ジシクロペンタンビスマレイミドの合
成 1リットル四ツ口フラスコに無水マレイン酸 58.8 g と
アセトン 137.2 gを仕込み、窒素気流下撹拌して溶解さ
せた。温度を室温〜35℃に保ちながら両末端に4−(4-
アミノフェノキシ)−3, 5−ジメチルフェニル基を持つ
ジシクロペンタンオリゴマー〔日本石油株式会社製、商
品名DXP-L-9-1 (2, 6−キシレノールとジシクロペンタ
ジエンとの反応物。水酸基当量 191 g/eq)とp −クロ
ロニトロベンゼンとを反応させた後、ニトロ基を還元し
たもの。ビス〔4 −(4-アミノフェノキシ)−3, 5−ジ
メチルフェニル〕ジシクロペンタンをGPC測定から90
%含む。アミン当量 275 g/eq)〕150.0 g をアセトン
350 gに溶かした溶液をフラスコに二時間で滴下した。
さらに三時間撹拌を続けた。次にトリエチルアミン16.6
g を加え室温で半時間撹拌した後、酢酸ニッケル 0.58
g を加え40℃まで昇温した。無水酢酸 72.4 g を一時
間で滴下した後、同温度で反応が終了するまで保温し
た。反応終了後、純水 1000 g に反応混合物を排出し
た。結晶を濾取し、水洗、ついでメタノールで洗浄し、
減圧下に加温して乾燥し、黄色結晶の目的物(MXPと
する)を得た。収量は 189.4 g(収率 97.9 %)であっ
た。
【0046】実施例1〜7 上記の参考例1〜4で得られたM27N、MPD、MX
D及びMXP;N,N’−ジフェニルメタンビスマレイ
ミド(住友化学工業(株)製、商品名ベストレックス
BH−180);酸性リン酸エステル系接着付与剤とし
て酸性リン酸エステル系キレート化剤(日本化薬(株)
製、商品名カヤマーPM−1;ユニケミカル(株)製、
商品名ホスマーMH及びホスマーPE);エポキシ樹脂
としてo−クレゾールノボラックのグリシジルエーテル
(住友化学工業(株)製、商品名スミエポキシESCN
−195XL、エポキシ当量196 g /当量、加水分解性
塩素含量330 ppm )及びブロム化フェノールノボラック
のグリシジルエーテル化物(住友化学工業(株)製、商
品名スミエポキシESBP−280、エポキシ当量28
5g/当量、加水分解性塩素含量440ppm);エポ
キシ硬化剤としてフェノールノボラック(群栄化学工業
(株)製、商品名PSM−4261、OH当量=106
g/eq);硬化促進剤としてトリフェニルフォスフィ
ン、4−メチルイミダゾール及びテトラフェニルフォス
ホニウムテトラフェニルボレート;充填剤として破砕状
溶融シリカ(電気化学工業(株)製、商品名FS−89
1)、球状溶融シリカ(電気化学工業(株)製、商品名
FB−74);離型剤としてカルナバワックス;カップ
リング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン(東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製、商
品名SH−6040)、及びN−フェニル−γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製、商品
名KBM−573)を表1に示した量(g)で配合し、
ロールで加熱混練し、トランスファー成形を行なった。
さらに、200 ℃で、5 時間ポストキュアーを行い、硬化
成形物を得た。配合処方ならびに得られた樹脂組成物の
物性及びそれらの硬化成形物の物性を表1及び表2に示
す。
【0047】比較例1〜5 酸性リン酸エステル系接着付与剤を用いない以外は実施
例1〜10と同様の方法により硬化成形物を得た。配合
処方ならびに得られた樹脂組成物の物性及び硬化成形物
の物性を表3及び表4に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北山 慎一郎 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)分子中に2個以上のマレイミド基を
    有するポリマレイミド化合物、(B)分子中に二個以上
    のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、(C)エポキシ樹
    脂硬化剤、および(D)下記一般式化1で表される酸性
    リン酸エステル化合物を含有してなることを特徴とする
    熱硬化性樹脂組成物。 【化1】 〔式中、R1 は一般式化2 【化2】 (式中、R3 はメチル基または水素原子、R4 は炭素数
    1〜5のアルキレンエーテル基、R5 は炭素数1〜5の
    アルキレン基を表す。R4 、R5 は同一分子中で同じで
    あっても異なっていてもよい。qおよびrは1〜20の
    数を表す。)で表される基であり、R2 は水素原子また
    はその有機アミン塩を表す。R1 およびR2 はそれぞれ
    独立に同一分子中で同じであっても異なっていてもよ
    い。nは1または2の数を表す。〕
  2. 【請求項2】ポリマレイミド化合物(A)が、下記の一
    般式化3で表されるポリマレイミド化合物であるところ
    の請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。 【化3】 〔式中、Arは式化4 【化4】 (式中、R8 、R9 はそれぞれ独立に水素原子または炭
    素数1〜5の炭化水素基を表し、R10は、炭素数1〜1
    5の2価の炭化水素基、あるいは−CO−、−S−、−
    C(CF3 2 −、−SO2 −または−O−の2価の基
    を示す。また、R 10が単結合で直接結合していてもよ
    い。)で表される基であり、R6 、R7 はそれぞれ独立
    に水素原子または炭素数1〜5の炭化水素基を表す。〕
  3. 【請求項3】更に、(E)充填剤を含有してなる請求項
    1または2記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】請求項1、2または3記載の熱硬化性樹脂
    組成物により成形封止されていることを特徴とする電子
    部品。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006310499A (ja) * 2005-04-27 2006-11-09 Konica Minolta Holdings Inc 配線基板、圧電性セラミック素子及びそれらの製造方法

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JP2006310499A (ja) * 2005-04-27 2006-11-09 Konica Minolta Holdings Inc 配線基板、圧電性セラミック素子及びそれらの製造方法

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