JP3232683B2 - 熱硬化性樹脂組成物およびその用途 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物およびその用途

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JP3232683B2
JP3232683B2 JP24040292A JP24040292A JP3232683B2 JP 3232683 B2 JP3232683 B2 JP 3232683B2 JP 24040292 A JP24040292 A JP 24040292A JP 24040292 A JP24040292 A JP 24040292A JP 3232683 B2 JP3232683 B2 JP 3232683B2
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浩 塩見
真継 秋庭
泰弘 平野
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充弘 柴田
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に、電子部品の封止
用材料として有用な熱硬化性樹脂組成物およびその組成
物によって封止されている電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体等の電気・電子部品はエポ
キシ樹脂を用いて成形封止されているものが広く用いら
れてきた。このエポキシ樹脂は、ガラス、金属、セラミ
ックを用いたハーメチックシール方式に比較して経済的
に有利なために広く実用化されている。しかしながら、
近年電子部品の使用条件は厳しくなる傾向にある。例え
ば、実装方法が従来の挿入実装から表面実装へ移行する
のにともない、封止材料そのものが半田浴温度に曝され
る。その結果封止材料の耐熱性は重要な特性になってき
た。最近、高耐熱性を得る目的で熱硬化性のポリイミド
樹脂封止が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリイ
ミド樹脂を用いて成形封止されている電子封止部品は耐
熱性に優れるものの、熱硬化性のポリイミド樹脂の持つ
特性である耐湿性面で大きな欠点を有している。この様
な背景から本発明者らは、耐湿性、加工性、接着性およ
び耐熱性に優れた硬化物を与える樹脂組成物について鋭
意検討した結果、特定のイミド系化合物を含む樹脂組成
物がこの目的に適うことを見出し本発明を完成するに至
った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は次のような発明
からなる。 (1)(A)下記一般式〔I〕
【化2】 (式中のR1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 はそれぞ
れ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6の炭化
水素基または炭素数1〜6のハロゲン化炭化水素基、R
7 、R8 はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6の炭
化水素基または炭素数1〜6のハロゲン化炭化水素基、
9 、R10はそれぞれ独立にハロゲン原子、炭素数1〜
6の炭化水素基または炭素数1〜6のハロゲン化炭化水
素基を表し、a、bは0以上4以下の整数を表す。R9
またはR10が複数存在する場合相互に同じでも異なって
いてもよい。イミド基の結合位置は酸素原子の結合位置
に対しそれぞれオルソ、メタ、パラのいずれかを示す。
また、Dは2〜24個の炭素原子を持ち、且つ、エチレ
ン性不飽和結合を有する二価の有機基を表す。)で表さ
れるイミド化合物および(B)硬化促進剤を必須成分と
する熱硬化性樹脂組成物。
【0005】(2)(A)前記一般式〔I〕で表される
イミド化合物、(B)硬化促進剤、(C)エポキシ樹脂
及び(D)エポキシ硬化剤を必須成分とする熱硬化性樹
脂組成物。
【0006】(3)前記(1)または(2)の熱硬化性
樹脂組成物により封止してなる電子部品。
【0007】以下に本発明を詳細に説明する。本発明で
(A)成分として用いられる 一般式〔I〕で表される
化合物において、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6
を具体的に例示すると水素原子、ハロゲン原子、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基等が
あげられるが耐湿性の点からメチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基が好ましく、中でもブチル基が特に好
ましい。また、R7 、R8 を具体的に例示すると、水素
原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が
挙げられるが耐湿性の点からブチル基が好ましい。ま
た、R9 、R10を具体的に例示すると、水素原子、ハロ
ゲン原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基
等が挙げられるが反応性の点から水素原子およびメチル
基が好ましい。
【0008】一般式〔I〕で表されるイミド化合物は、
一般式〔II〕
【化3】 (式中のR1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7
8 、R9 、R10、a、bは一般式(I)のそれと同じ
意義である。)で表されるアミノ化合物と、一般式〔I
II〕
【0009】
【化4】 (式中、Dは(一般式〔I〕のそれと同じ意義であ
る。)で表されるエチレン性不飽和ジカルボン酸無水物
とを公知の方法により反応させることにより得られる。
【0010】一般式〔II〕で表されるアミノ化合物は
溶媒中で塩基性物質の存在下一般式〔IV〕
【化5】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R7 、R8
一般式〔I〕のそれと同意義である。)で表されるフェ
ノール系化合物と、一般式〔V〕
【0011】
【化6】 (式中、R9 およびaは一般式〔I〕のそれと同意義で
あり、Xはハロゲン原子またはニトロ基を示し、−NO
2 の結合位置はXの結合位置に対しオルソ、メタ、パラ
のいずれかを示す。)で表されるニトロベンゼン誘導体
との反応を行い、得られる芳香族ニトロ化合物を還元す
ることによって製造できる。
【0012】一般式〔IV〕で表されるフェノール系化
合物としては、ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)メタン、ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)エタン、ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)ブタン、ビス(3−t−ブチル−6−メチル−
4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−t−ブチ
ル−6−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビ
ス(3−t−ブチル−6−メチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、ビス(3−t−ブチル−6−メチル−
4−ヒドロキシフェニル)ブタン、ビス(2,3,5−
トリメチル−4−ヒドキロキシフェニル)メタン、ビス
(2,3,5−トリメチル−4−ヒドキロキシフェニ
ル)エタン、ビス(2,3,5−トリメチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、ビス(2,3,5−トリメ
チル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、ビス(2,
3,6−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス(2,3,6−トリメチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)エタン、ビス(2,3,6−トリメチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(2,3,6−ト
リメチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン等があげら
れる。これらの化合物一種または二種以上混合して用い
られる。
【0013】一般式〔V〕で表されるニトロベンゼン誘
導体としては、クロロニトロベンゼン、ブロモニトロベ
ンゼン、クロロニトロトルエン、ブロモニトロトルエ
ン、クロロニトロキシレン、ブロモニトロキシレン、ク
ロロフェニルニトロベンゼン、ジニトロベンゼン等の各
種異性体および誘導体があげられる。これらは一種また
は二種以上混合して用いられる。
【0014】塩基性化合物の存在下、フェノール系化合
物とニトロベンゼン誘導体とを反応させる手法は公知で
あり、文献を具体的に例示するならOrg.Synt
h.,445,(VolI)、米国特許第453800
6号明細書、J.Org.Chem.,50(20)
3717(1985)、J.Org.Chem.,50
(17),3091(1985)、特開昭61−194
055公報,特開昭62−70347公報、Macro
molecules,25,64(1992)等があげ
られる。
【0015】一般式〔III〕で表されるエチレン性不
飽和ジカルボン酸無水物としては、例えば、無水マレイ
ン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水ジクロ
ロマレイン酸、無水ピロシンコン酸、無水テトラヒドロ
フタル酸等、あるいはこれら不飽和カルボン酸無水物と
ジエン類とのDiels−Alder反応物、例えばシ
クロペンタジエン、フラン、テルピネンと無水マレイン
酸との環化付加反応物等の少なくとも一種があげられ
る。
【0016】本発明の樹脂組成物で(B)成分として用
いられる硬化促進剤は公知の硬化促進剤を用いることが
できる。このような硬化促進剤を例示すると、トリフェ
ニルホスフィン、トリ−4−メチルフェニルホスフィ
ン、トリ−4−メトキシフェニルホスフィン、トリブチ
ルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリ−2−シ
アノエチルホスフィンなどの有機ホスフィン化合物、ト
リブチルアミン、トリエチルアミン、1,8−ジアザビ
シクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリアミルアミ
ン等の三級アミン、塩化ベンジルトリメチルアンモニウ
ム、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム、トリエチ
ルアンモニウムテトラフェニルボレート等の4級アンモ
ニウム塩、イミダゾール類、三弗化ホウ素錯体、遷移金
属アセチルアセトナート、ベンゾイルパーオキシド、ジ
−t−ブチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ラ
ウロイルパーオキシド、アセチルパーオキシド、メチル
エチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキ
シド、t−ブチルハイドロパーオキシド、アゾビスブチ
ロニトリル等のラジカル開始剤が例示されるが、これら
に限定されるものではない。これらの中でも、有機ホス
フィン化合物、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)
ウンデセン−7、トリエチルアンモニウムテトラフェニ
ルボレートが耐湿性及び硬化性等の点から特に好まし
い。
【0017】また、硬化速度を調整するために、公知の
重合禁止剤を併用することも可能である。例示すると、
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,
2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−
ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル
−6 −t−ブチルフェノール)、ハイドロキノンモノメ
チルエーテル等のフェノール類、ハイドロキノン、カテ
コール、p−t−ブチルカテコール、2,5−ジ−t−
ブチルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、t−ブ
チルハイドロキノン、ピロガロール等の多価フェノー
ル、フェノチアジン、ベンゾフェノチアジン、アセトア
ミドフェノチアジン等のフェノチアジン系化合物、N−
ニトロソジフェニルアミン、N−ニトロソジメチルアミ
ン等のN−ニトロソアミン系化合物がある。
【0018】本発明で使用される(C)成分のエポキシ
樹脂は公知のエポキシ樹脂を用いることができる。これ
らについて具体的に例示すると、フェノール、o−クレ
ゾール等のフェノール類とホルムアルデヒドの反応生成
物であるノボラック樹脂から誘導されるノボラック系エ
ポキシ樹脂;フロログリシン、トリス−(4−ヒドロキ
シフェニル)−メタン、1,1,2,2,−テトラキス
(4−ヒドロキシフェニル)エタン等の三価以上のフェ
ノール類から誘導されるグリシジルエーテル化合物;ビ
スフェノールA、ビスフェノールF、ハイドロキノン、
レゾルシン、1,1’−ビス(3−t−ブチル−6−メ
チル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、テトラメチル
ビフェノール等の二価フェノール類から誘導されるグリ
シジルエーテル化合物;テトラブロムビスフェノールA
等のハロゲン化ビスフェノール類から誘導されるジグリ
シジルエーテル化合物;フェノール類と芳香族カルボニ
ル化合物との縮合反応により得られる多価フェノールの
グリシジルエーテル化合物;
【0019】p−アミノフェノール、m−アミノフェノ
ール、4−アミノメタクレゾール、6−アミノメタクレ
ゾール、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,
3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ
ジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエ
ーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、
1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,
3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−
ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、p−
フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,4
−トルエンジアミン、2,6−トルエンジアミン、p−
キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、1,4
−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、1,3−シク
ロヘキサンビス(メチルアミン)等から誘導されるアミ
ン系エポキシ樹脂;
【0020】p−オキシ安息香酸、m−オキシ安息香
酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族カルボン酸
から誘導されるグリシジルエステル系化合物、5,5−
ジメチルヒダントイン等から誘導されるヒダントイン系
エポキシ化合物、2,2−ビス(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)プロパン、2,2−ビス〔4−(2,3−
エポキシプロピル)シクロヘキシル〕プロパン、ビニル
シクロヘキセンジオキサイド、3,4−エポキシシクロ
ヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカル
ボキシレート等の脂環式エポキシ樹脂;N,N−ジグリ
シジルアニリン等があり、これらのエポキシ樹脂の一種
または二種以上が使用される。中でも、o−クレゾール
ノボラック系エポキシ樹脂及びフェノール類と芳香族カ
ルボニル化合物との縮合反応により得られる多価フェノ
ールのグリシジルエーテル化合物が硬化性及び耐熱性の
点から好ましい。
【0021】また、本発明で使用される(D)成分のエ
ポキシ硬化剤についても、公知のものが使用できる。こ
れらを例示すると、ビスフェノールA、テトラブロモビ
スフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノール
S、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,3,3−
トリメチル−1−m−ヒドロキシフェニルインダン−5
または7−オール、1,3,3−トリメチル−1 −p−
ヒドロキシフェニルインダン−6−オール、レゾルシ
ン、ハイドロキノン、カテコールおよびフエノール、o
−クレゾール等のフェノール類とホルムアルデヒドの反
応生成物であるフェノール類ノボラック等のポリフェノ
ール化合物、マレイン酸、フタル酸、ナジク酸、メチル
−テトラヒドロフタル酸、メチルナジク酸等のポリカル
ボン酸およびその無水物、ジアミノジフェニルメタン、
ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジフェニルエー
テル、フェニレンジアミン、ジアミノジシクロヘキシル
メタン、キシリレンジアミン、トルエンジアミン、ジア
ミノジシクロシクロヘキサン、ジクロロ−ジアミノジフ
ェニルメタン(それぞれ異性体を含む)、エチレンジア
ミン、ヘキサメチレンジアミン等のポリアミン化合物、
さらにはジシアンジアミド、テトラメチルグアニジン
等、エポキシ基と反応可能な活性水素含有化合物が例示
できる。なかでも、フェノール類ノボラック樹脂が硬化
性及び耐湿性の点から好ましく用いられる。
【0022】本発明の熱硬化性樹脂組成物において、
(B)成分の硬化促進剤の使用割合は、要求される硬化
速度の程度によって変わる。この程度は用途によって変
わる。たとえば、封止材の場合、通常樹脂100重量部
に対して硬化促進剤1〜3重量部である。本発明の組成
物において、(A)、(C)、(D)各成分の使用割合
は、用途、所望の耐熱性等に応じて適宜選択できる。し
かし、一般的にはイミド化合物の重量含有率{(A)/
〔(A)+(C)+(D)〕}が9割〜1割となるよう
に選ぶことが好ましい。更に好ましくは、7割〜3割で
ある。イミド化合物の配合割合が上述の範囲から逸脱す
ると耐湿性、耐熱性が低下するので好ましくない。
【0023】また、(C)成分であるエポキシ樹脂と
(D)成分であるエポキシ硬化剤との配合割合に関して
は、等量配合が好ましい。(C)成分と(D)成分の配
合が等量配合から極端にずれると、耐湿性、硬化性等が
低下するので好ましくない。
【0024】本発明の(1)または(2)の熱硬化性樹
脂組成物には充填剤を加えて使用される場合が多い。用
いられる充填剤としては溶融シリカ、結晶シリカ、アル
ミナ、タルク、炭酸カルシウム、チタンホワイト、クレ
ー、アスベスト、マイカ、ベンガラ、ガラス繊維等があ
げられるが、中でも特に溶融シリカ、結晶シリカ、アル
ミナが好ましく用いられる。充填剤の配合割合は目的に
応じて適宜決めることができるが、半導体の封止に用い
る場合には樹脂組成物全量中の30〜90重量%である
ことが好ましく、より好ましくは60〜85重量%であ
る。充填剤量が30重量%より少ない場合は耐湿性に劣
り、また、90重量%を越える場合は成形性に問題を生
ずる。
【0025】本発明において、その他必要に応じて天然
ワックス、合成ワックス、高級脂肪酸及びその金属塩
類、もしくはパラフィン等の離型剤あるいはカーボンブ
ラックのような着色剤、さらに、シランカップリング剤
等の表面処理剤等を添加してもよい。また、三酸化アン
チモン、リン化合物、ブロム化エポキシ樹脂等の難燃剤
を加えてもよい。難燃効果を出すためには、ブロム化エ
ポキシ樹脂が特に好ましい。また、例えば低応力化する
には、各種エラストマーを添加またはあらかじめ反応し
て用いてもよい。具体的には、ポリブタジエン、ブタジ
エン−アクリロニトリル共重合体、シリコーンゴム、シ
リコーンオイル等の添加型あるいは反応型のエラストマ
ーがあげられる。このようにして得られた熱硬化性樹脂
組成物はロールあるいはニーダー等の一般の混練機によ
り、溶融混合することによりコンパウンド化が可能であ
る。
【0026】本発明による熱硬化性樹脂組成物を用いて
半導体等、電子部品を封止するには、トランスファーモ
ールド、コンプレッションモールド、インジェクション
モールド等の従来から公知の成形法により成形、硬化す
ればよい。
【0027】
【発明の効果】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、特に、
従来知られている耐熱性樹脂よりも硬化物の耐湿性に優
れ、また加工性、硬化物の耐熱性、特に熱時の強度及び
接着性にも優れている。本発明の熱硬化性樹脂組成物で
封止されている電子部品はハンダクラック性などがすぐ
れている。
【0028】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。混練物及び硬化成形物の
評価は、以下のとおりである。 ・ゲルタイム:実施例及び比較例で得られた混練物を1
80℃の熱板の凹部に0.5g取り、ゲル化までの時間
を測定した。 ・ガラス転移温度:熱機械的分析装置(SHIMAZU
DT−30)を用いて測定した。 ・バーコール硬度:ASTM D−648に従い、93
5型にて175℃/3分の条件で測定した。 ・曲げ強度、曲げ弾性率:JIS K−6911に従
い、インストロン万能材料試験機(SHIMAZU I
S−10T)で測定した。 ・吸湿率:恒温恒湿糟(TABAI PR−2)を用
い、85℃/85%RHの条件で重量変化を測定した。 ・スパイラルフロー:EMMI−1−66に準じて17
5℃/70kg/cm2の条件でおこなった。 ・接着力(アルミピール):市販アルミ箔上に成形物を
トランスファー成形し、その引きはがし強さにて評価を
行った。 ・ハンダクラック性:模擬IC(52ピンQFPパッケ
ージ:パッケージ厚さ2.05mm)を85℃/85%
RH/72時間の条件にて吸湿させた後直ちに240℃
のハンダ浴に30秒浸漬した後のクラックの発生したI
Cの個体数。試験個体数10個。
【0029】参考例1 〔N,N’−1,1’−ビス〔4−(4−アミノフェノ
キシ)−2−メチル−5−t−ブチルフェニル〕ブタン
ビスマレイミドの合成〕 2リットル四ツ口フラスコに無水マレイン酸97.1g
とアセトン226.5gを仕込み、窒素気流下撹拌して
溶解させた。温度を室温〜35℃に保ちながら1,1’
−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−2−メチル−
5−t−ブチルフェニル〕ブタン(住友化学工業(株)
製)256.5gをアセトン598.5gに溶かした溶
液を2時間滴下した。さらに3時間撹拌を続けた。トリ
エチルアミン27.3gを加え室温で半時間撹拌した
後、酢酸ニッケル0.95gを加え40℃まで昇温し
た。無水酢酸119.9gを1時間で滴下した後、同温
度で反応を続けた。反応終了後、反応混合物を水2.5
kgに排出し、結晶を濾取した。この結晶を水洗、つい
でメタノールで洗浄し、減圧下に加温して乾燥し、黄色
結晶を収量306.1g(収率93.9%)で得た(M
BM−Mとする)。このものをメチルセロソルブ/イソ
プロピルアルコール混合溶媒から再結晶したものの融点
は127〜130℃である。
【0030】実施例1〜3 上記の参考例1で得られたMBM−M、エポキシ樹脂と
してo−クレゾールノボラックのグリシジルエーテル:
商品名スミエポキシESCN−195XL(住友化学工
業(株)製、エポキシ当量201g/当量、加水分解性
塩素含量330ppm)およびフェノール類とヒドロキ
シベンズアルデヒドの縮合により得られたポリフェノー
ルのグリシジルエーテル(PHGという、エポキシ当量
213g/当量、加水分解性塩素200ppm)、エポ
キシ硬化剤としてフェノールノボラック(荒川化学
(株)製、商品名タマノル759、OH当量=106g
/eq)、硬化促進剤としてトリフェニルフォスフィン
及びトリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、
充填剤として破砕状溶融シリカ(商品名FS−891電
気化学工業(株)製)、球状溶融シリカ(商品名FB−
74電気化学工業(株)製)、離型剤としてカルナバワ
ックス、カップリング剤(商品名SH−6040、東レ
ダウコーニングシリコーン製及び商品名KBM−573
信越化学工業(株)製)を表1に示した量(g)で配合
し、ロールで加熱混練し、トランスファー成形を行っ
た。さらに、200℃で、5時間ポストキュアーを行
い、硬化成形物を得た。配合処方、得られた熱硬化性樹
脂組成物の物性並びにそれらの硬化成形物の物性を表1
に示す。
【0031】比較例1〜2 比較例1はイミド化合物としてN,N’−(4,4’−
ジアミノジフェニルメタン)ビスマレイミド(住友化学
工業(株)製、商品名ベストレックス BH−18
0)、エポキシ樹脂としてESCN−195XL、エポ
キシ硬化剤としてタマノル759を用い、比較例2は前
記三者のうちイミド化合物を用いない以外は実施例1〜
3と同様の方法で硬化成形物を得た。ポストキュアーに
ついては、比較例1は200℃で5時間また、比較例2
については180℃で5時間行った。配合処方、得られ
た熱硬化性樹脂組成物の物性並びにそれらの硬化成形物
の物性を表1に示す。
【0032】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武部 和男 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株 式会社内 (72)発明者 北山 慎一郎 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株 式会社内 (72)発明者 柴田 充弘 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株 式会社内 (72)発明者 金川 修一 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株 式会社内 (56)参考文献 特開 平3−167171(JP,A) 特開 平4−68018(JP,A) 特開 平6−1806(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 22/40,122/40,222/40 C08L 35/00 C08L 63/00 - 63/10 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)一般式〔I〕 【化1】 (式中のR1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 はそれぞ
    れ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6の炭化
    水素基または炭素数1〜6のハロゲン化炭化水素基、R
    7 、R 8はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6の炭
    化水素基または炭素数1〜6のハロゲン化炭化水素基、
    9 、R10は、それぞれ独立にハロゲン原子、炭素数1
    〜6の炭化水素基または炭素数1〜6のハロゲン化炭化
    水素基を表し、a、bは0以上4以下の整数を表す。R
    9 またはR10が複数存在する場合相互に同じでも異なっ
    ていてもよい。イミド基の結合位置は酸素原子の結合位
    置に対しそれぞれオルソ、メタ、パラのいずれかを示
    す。また、Dは2〜24個の炭素原子を持ち、且つ、エ
    チレン性不飽和結合を有する二価の有機基を表す。)で
    表されるイミド化合物および(B)硬化促進剤を必須成
    分とする熱硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(A)請求項1記載の一般式〔I〕で表さ
    れるイミド化合物、(B)硬化促進剤、(C)エポキシ
    樹脂及び(D)エポキシ硬化剤を必須成分とする熱硬化
    性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】請求項1または2の熱硬化性樹脂組成物に
    より封止してなる電子部品。
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