JPH06286962A - 階段昇降機の給電装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 昇降台を低く設置できる位置において、ベル
ト又はチェーン等の索条伝達部材の張力をトラブルなく
調整し、その機構を利用して索条伝達部材の切断時に昇
降台を安全に停止する。 【構成】 モータ３にベルト７を介し減速機４を連結す
る。減速機４の出力軸８にピニオン９を装着し、これを
レール１０のラック１１に噛合する。減速機４の入力軸
と同軸に電磁ブレーキを設ける。テンショナー１５にテ
ンションローラ１６とテンションボルト１７とを設け、
ローラ１６によりベルト７に直交方向から張力を付与す
る。テンショナー１５をスプリングでベルト７側へ付勢
する。ベルト７の切断時には、テンショナー１５により
安全スイッチが作動し、電源が遮断されて、モータ３が
停止し、かつ電磁ブレーキが動作する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、昇降体上に人又は荷
物を載せて昇降する階段昇降機において、昇降体に電力
及び運転信号を伝送する給電装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、階段昇降機の給電装置として、次
のような技術が知られている。 （１） 電源からの電力を電力線を介して昇降体に供給
し、運転信号発生器からの運転信号をレールを利用して
昇降体に伝送するもの。 （２） 電力及び運転信号を送るために必要な数の心線
を持つ伝送ケーブルを使用するもの。 （３） 電力及び運転信号を送る専用トロリーを備えた
もの。 （４） 運転信号のみを無線で伝送するもの。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の給電
装置によると、次のような問題点があった。 （１） 運転信号がレール及び走行輪を介して伝送され
るので、双方の接触不良によってスパークが多発し、安
全面で問題があり、電波障害を招くおそれもあった。 （２） 伝送ケーブルが太くなり、これを巻き取るケー
ブルドラムが大型で高価なものになった。 （３） トロリーは階段の３次元的な湾曲に不適合であ
るばかりでなく、子供がいたずらで電源部に接触する危
険性もあった。 （４） 無線伝送方式は多量の信号を処理できる利点が
ある反面、動力用の電力を供給できないため、昇降体に
バッテリを搭載する必要があり、コストが高くつき、充
電の面倒もあり、設置スペースに無理が生じるなどの難
点があった。

【０００４】そこで、この発明の課題は、少ない心線数
で多量の信号を安全に伝送できるコンパクトで安価な給
電装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明による階段昇降機の給電装置は、昇降体
に制御盤を搭載し、階床に中継盤を設置し、中継盤を電
源及び運転信号発生器に接続し、制御盤と中継盤との間
に電力線及び信号線を含む伝送ケーブルを配線し、昇降
体に伝送ケーブルを巻き取るケーブルドラムを配設し、
制御盤及び中継盤には運転信号を送受信する多重伝送ユ
ニットを設けて構成される。

【０００６】

【作用】上記構成によれば、運転信号が伝送ケーブルの
信号線を介して制御盤に伝送されるので、レールやトロ
リーを使用する場合と比較して安全性が向上する。ま
た、中継盤及び制御盤に多重伝送ユニットが設けられる
ので、少ない数の信号線で多量の運転信号を処理でき、
伝送ケーブルを細くし、ケーブルドラムを小形化して、
装置全体を軽量かつ安価に構成できる。しかも、信号線
の数を増やすことにより信号量の増加に対処できるた
め、階段昇降機にその他の機能を付加することも容易で
ある。

【０００７】

【実施例】以下、この発明を具体化した一実施例を図面
に基づいて説明する。図１に示すように、建物の階段１
にはレール２が敷設され、そのレール２に昇降体３がそ
れ自身に設置したモータ（図示略）により昇降自在に支
持されている。昇降体３にはモータ等を制御する制御盤
４とケーブルドラム５とが搭載されている。

【０００８】上階床６及び下階床７の壁面等には運転信
号発生器８，９が取り付けられ、これらには昇降体３を
運転操作するための上昇押釦１０、下降押釦１１、停止
押釦１２が設けられている。上階床６には中継盤１３が
設置され、この中継盤１３はリード線１４を介して運転
信号発生器８，９に、また、電源コード１５を介してＡ
Ｃ２００Ｖの電源コンセント１６に接続されている。

【０００９】昇降体３の制御盤４と中継盤１３との間に
は伝送ケーブル１７が配線されている。この伝送ケーブ
ル１７は、図２に示すように、例えば、動力用の電力を
供給する２心の電力線１８と、運転信号を伝送する２心
の信号線１９とを備えた４心ケーブルであって、昇降体
３の移動に伴いケーブルドラム５に巻き取られる。制御
盤４及び中継盤１３にはそれぞ多重伝送ユニット２０，
２１が設けら、双方間において複数の運転信号を信号線
１９を介しシリアル通信で送受信できるように構成され
ている。２２はモータを制御する制御回路である。

【００１０】上記のように構成した給電装置によれば、
運転信号発生器８，９で発生した上昇、下降、停止の各
運転信号が伝送ケーブル１７の信号線１９を介して制御
盤４に伝送されるので、従来のレールやトロリーを使用
する場合と比較して安全性が向上する。また、制御盤４
及び中継盤１３に多重伝送ユニット２０，２１が設けら
れているので、少ない数の信号線１９で多量の運転信号
を処理でき、伝送ケーブル１７を細くし、ケーブルドラ
ム５を小形化して、装置全体を軽量かつ安価に構成する
ことができる。

【００１１】しかも、信号処理量が増加するため、階段
昇降機にその他の機能を付加することも容易である。ま
た、信号線１９の数を増やすことにより信号量の増加に
対処できるため、昇降信号の伝送のみならず、昇降体３
の運転状態等を各階床６，７でモニターすることも可能
になる。

【００１２】なお、この発明は上記実施例に限定される
ものではなく、例えば、中継盤１３を下階床７に設置し
たりするなど、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各部の
形状並びに構成を適宜に変更して具体化することも可能
である。

【００１３】

【発明の効果】以上に詳述したように、この発明によれ
ば、昇降体の制御盤と階床の中継盤との間に伝送ケーブ
ルを配線し、制御盤及び中継盤に運転信号を送受信する
多重伝送ユニットを設けたので、少ない心線数で多量の
信号を安全に伝送できて、装置全体をコンパクトかつ安
価に構成できるという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す階段昇降機における給
電装置の概略図である。

【図２】図１の給電装置の電気回路を示すブロック図で
ある。

【符号の説明】

１・・階段、２・・レール、３・・昇降体、４・・制御
盤、５・・ケーブルドラム、６・・上階床、７・・下階
床、８，９・・運転信号発生器、１３・・中継盤、１６
・・電源コンセント、１７・・伝送ケーブル、１８・・
電力線、１９・・信号線、２０，２１・・多重伝送ユニ
ット、２２・・制御回路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 昇降体に制御盤を搭載し、階床に中継盤
   を設置し、中継盤を電源及び運転信号発生器に接続し、
   制御盤と中継盤との間に電力線及び信号線を含む伝送ケ
   ーブルを配線し、昇降体に伝送ケーブルを巻き取るケー
   ブルドラムを配設し、制御盤及び中継盤には運転信号を
   送受信する多重伝送ユニットを設けてなることを特徴と
   する階段昇降機の給電装置。