JPH0628676U - 静電容量型圧力センサ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ベース１０に固着するダイヤフラム１２と、
スペーサ１６を介して固定部材１７によりベースに固定
する固定電極板１５と、ダイヤフラムに固着し固定電極
板とほぼ平行に設ける可動電極板１４と、可動電極板と
接続しベースを貫通して設ける可動電極端子１８とを備
え、ベースからの固定部材の突出部１７ａを固定電極端
子１９とする。 【効果】 ベースに固定電極板を固定する固定部材に、
ベースと固定電極板との固定機能と、電気的接続を行う
固定電極端子の機能とを兼用させているので、圧力セン
サの小型化を図ることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、流体の圧力変化の検出に用いる静電容量型圧力センサの構造に関す る。

【０００２】

【従来の技術】

従来の静電容量型圧力センサとして、たとえば実開昭６３−７００４４公報に 記載のものがある。この公報に記載の圧力センサの構成を、図３の断面図を用い て説明する。

【０００３】 ダイヤフラム２３とダイヤフラム支持板２５とは、ハンダ付けによって固着し ている。さらに、ダイヤフラム支持板２５は、Ｏリング２６を介してベース２０ に対して気密構造となるように、止めねじ２７によってベース２０に固定してい る。

【０００４】 一方ダイヤフラム２３には、可動電極板２２を固定電極板２１に対して平行で なおかつ一定間隔を設けるように、ハンダ２４によって固着して、両者を一体化 している。

【０００５】 ベース２０のベース固定部２０ｂに固定電極板２１を固定する。この固定電極 板２１とハンダ付けにより接続する固定電極端子２８は、ベース２０の外周部に 配置している。これに対して可動電極板２２と接続する可動電極端子２９は、止 めねじ２７を用いてベース２０の底部に固定している。

【０００６】 この圧力センサは、ベース２０の底部に設ける流体導入管２０ａから導入され た流体圧力によって生ずる、固定電極板２１と可動電極板２２との間隔の寸法変 化を、電極間の容量の変化として捉えている。そしてこの容量変化を固定電極端 子２８および可動電極端子２９により測定回路に導いている。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

従来技術における静電容量型圧力センサは、図３に示すように、固定電極端子 ２８をベース２０の外周部に設けている。このため圧力センサを小型化すること が難しいという課題を有する。

【０００８】 本考案の目的は、上記課題を解決して、圧力センサを小型化することが可能な 静電容量型圧力センサの構造を提供することである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案の静電容量型圧力センサは、下記記載の構成 を採用する。

【００１０】 本考案の静電容量型圧力センサは、ベースに固着するダイヤフラムと、スペー サを介して固定部材によりベースに固定する固定電極板と、ダイヤフラムに固着 し固定電極板とほぼ平行に設ける可動電極板と、可動電極板と接続しベースを貫 通して設ける可動電極端子とを備え、ベースからの固定部材の突出部を固定電極 端子とすることを特徴とする。

【００１１】

【作用】

固定電極板の周辺部にハンダ付けで別個に設けている従来の固定電極端子を、 本考案の静電容量型圧力センサにおいては、固定電極板をベースに固定する固定 部材にて兼用させる構成を採用している。この構成により圧力センサの小型化が 可能となり、さらに部品数、ならびに組立工数を低減することができる。

【００１２】 またさらに充分大きな剛性を持った固定部材を、固定電極端子としているため に、この固定部材に圧力センサ自身の支持部材としての機能を持たせることがで きる。この結果、固定部材のベースからの突出部、すなわち固定電極端子をハン ダ付けするだけで、圧力センサをプリント基板などの外部接続部材へ実装固定す ることが可能となる。

【００１３】

【実施例】

以下図面に基づいて本考案の一実施例を説明する。図１は本考案の静電容量型 圧力センサの断面図を示し、図２はその平面図を示す。以下図１と図２とを交互 に参照して説明する。

【００１４】 ベース１０の中心穴には、ベース１０と別体の流体導入管１１をハンダ付けで 取り付ける。さらにベース１０の上面には、ダイヤフラム１２を、そのダイヤフ ラム周辺部１２ａでハンダ付けしてベース１０に固着している。

【００１５】 また可動電極板１４は、ダイヤフラム１２とそれぞれの中心位置においてハン ダ１３によって固着している。

【００１６】 この可動電極板１４は、絶縁材料、たとえばプラスティック材料からなるスペ ーサ１６によって、所定位置に位置決め固定する固定電極板１５に対してほぼ平 行で、なおかつ可動電極板１４と固定電極板１５とは一定間隔を保っている。

【００１７】 図に示すように、ベース１０に設けた複数の穴には、スペーサ１６がそのボス 部１６ａを以て嵌合する。

【００１８】 さらにそのスペーサ１６の穴に固定電極板１５に設けた穴を対応させて重ね合 わせ、固定部材１７によって固定電極板１５をベース１０に固定している。

【００１９】 固定部材１７の形状は、タッピングねじの先端にねじの谷径より、直径が小さ な段挽き形状の突出部１７ａを設けたものである。この固定部材１７をスペーサ １６にねじ込むことにより、固定電極板１５をベース１０に固定する。

【００２０】 固定部材１７の先端部分に設けた突出部１７ａは、スペーサ１６より突出し、 固定電極板１５と接続する固定電極端子１９としての機能を有する。

【００２１】 なお固定電極板１５と固定部材１７との電気的な接続は、ねじ止めによって生 ずる固定電極板１５と固定部材１７の狭小な接触領域に限られる。このため、固 定部材１７の頭部１７ｂの直径を大きくするか、あるいは導電性接着剤を固定部 材１７の頭部１７ｂと固定電極板１５との間に設け、電気的接続を確実なものと する。

【００２２】 可動電極端子１８は、ベース１０に固着したダイヤフラム１２の外周部に隣接 する位置に設けた穴を貫通し、ダイヤフラム周辺部１２ａの上面に可動電極端子 １８の鉤型部分１８ａを熔接して、固定している。

【００２３】 この圧力センサは、検出すべき流体圧力に対応して変位するダイヤフラム１２ に、ハンダ１３を介して固着した可動電極板１４と、固定電極板１５との間隔変 化を、可動電極板１４と固定電極板１５との電極間の容量の変化として捉える。

【００２４】 このため固定電極板１５は、その固定電極板１５と電気的に接続する固定部材 １７の先端の突出部１７ａ、すなわち固定電極端子１９を介して、測定回路に接 続する。これに対して可動電極板１４は、この可動電極板１４に固着接続するハ ンダ１３と、ダイヤフラム１２と、そして可動電極端子１８を介して測定回路に 接続している。

【００２５】 図３に示すように、従来の固定電極端子２８は、固定電極板２１の周辺部にハ ンダ付けで別個に設けていた。これに対して本考案の静電容量型圧力センサは、 固定電極板１５をベース１０に固定する固定部材１７にて固定電極端子１９を兼 用させているので、圧力センサを小型化することができる。

【００２６】 さらに図３に示すように、ダイヤフラム２３をダイヤフラム支持板２５に固着 し、さらにＯリング２６で気密を取りながら固定していた従来の構造に変えて、 本考案においては、ベース１０にダイヤフラム１２を、直接固着させることで、 圧力センサの小型化を図っている。

【００２７】 またさらに、構造が簡単なことから部品点数が減り、圧力センサの低コスト化 を達成することができる。

【００２８】 さらに従来の圧力センサのベース２０は、流体導入管２０ａ、Ｏリング２６の 装着部、および固定電極板２１のベース固定部２０ｂなどの突起部が多く、部品 コストを高めている。これに比較し、本考案のベース１０は、突起部の無い平板 な金属で構成しており、そのうえ流体導入管１１を別体にしてベース１０に固着 することで、圧力センサの低コスト化に寄与している。

【００２９】 以上の説明においては、固定電極板１５を固定する固定部材１７としてねじ部 材を使用しているが、圧入、かしめ、接着、ないしは熱熔着などの固定方法を用 いる固定部材により、固定電極板１５をベース１０に固定しても、同様な効果を 得ることができる。

【００３０】

【考案の効果】

上記のように本考案によれば、ベースに固定電極板を固定する固定部材に、そ の本来の役目である固定機能と共に、固定電極端子として電気的接続端子の機能 とを兼用させている。このため圧力センサの小型化を図ることができ、さらに構 造が簡単で部品点数を削減することが可能となり、低コストの圧力センサを提供 することができる。

【００３１】 またさらに固定電極端子は高い剛性を持った部品であるため、プリント基板な どの外部接続部材へ固定電極端子や可動電極端子のハンダ付けするだけで、圧力 センサの実装固定が可能となり、圧力センサの組立て作業を簡素化できるという 利点も有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例における静電容量型圧力センサ
を示す断面図である。

【図２】本考案の実施例における静電容量型圧力センサ
を示す平面図である。

【図３】従来の静電容量型の圧力センサを示す断面図で
ある。

【符号の説明】

１０ ベース １２ ダイヤフラム １４ 可動電極板 １５ 固定電極板 １６ スペーサ １７ 固定部材 １９ 固定電極端子

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ベースに固着するダイヤフラムと、スペ
   ーサを介して固定部材によりベースに固定する固定電極
   板と、ダイヤフラムに固着し固定電極板とほぼ平行に設
   ける可動電極板と、可動電極板と接続しベースを貫通し
   て設ける可動電極端子とを備え、ベースからの固定部材
   の突出部を固定電極端子とすることを特徴とする静電容
   量型圧力センサ。