JPH06286572A - エアバッグ作動時の車内圧力上昇防止装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エアバッグが作動する直前に少なくとも１個
の窓を開放することにより、複数個のエアバッグの動作
により圧力上昇を回避して圧力上昇に伴う悪影響を防止
するエアバッグ作動時の車内圧力上昇防止装置を得る。 【構成】 車両の衝突の際の衝撃を感知するセンサ１
と、センサ１からの衝撃感知信号を受ける制御手段３
と、所定値以上の衝撃感知信号に応答して制御手段から
発生される制御信号によってエアバッグ２が動作する直
前に少なくとも１個の窓の開閉機構５に作用して少なく
とも１個の窓を強制的に開放する強制開放手段４とを具
える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、エアバッグ装着車両の
安全装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年交通事故における搭乗者の安全を向
上するため、運転席だけでなく、助手席にもエアバッグ
を装着した車両の数が増加している。更に、後部座席へ
のエアバッグ装着を検討されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、３〜４個のエ
アバッグが一度に作動すると、車内の圧力が急激に高圧
に上昇し、例えば、搭乗者の鼓膜がダメージを受けた
り、呼吸困難になったり、眼球を圧迫したりして、人体
に悪影響を与える恐れがある。

【０００４】従って、本発明の目的は、複数個のエアバ
ッグが作動しても、車内の圧力の急激な上昇を回避する
ことができるエアバッグ作動時の車内圧力上昇防止装置
を得るにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明によるエアバッグ作動時の車内圧力上昇防止
装置は、車両の衝突の衝撃を感知するセンサと、前記セ
ンサからの衝撃感知信号を受ける制御手段と、所定値以
上の衝撃感知信号に応答して前記制御手段から発生され
る制御信号によってエアバッグが作動する直前に少なく
とも１個の窓の開閉機構に作用して前記少なくとも１個
の窓を強制的に開放する強制窓開放手段とを具えたこと
を特徴とする。

【０００６】

【作用】本発明によれば、車両の衝突による衝撃がある
場合に、センサが衝突の衝撃を感知し、このセンサから
の所定値以上の衝撃感知信号に応答して制御手段によ
り、エアバックが作動する直前に強制窓開放手段が少な
くとも１個の窓開閉機構に作用し、車両の少なくとも１
個の窓を開放し、エアバッグが動作した場合の車内圧力
の上昇を回避する。

【０００７】

【実施例】次に、図面につき本発明の好適な実施例を説
明する。

【０００８】図１は、本発明によるエアバッグ作動時の
車内圧力上昇防止装置の実施例のブロック線図である。
図示の実施例においては、センサ１をエアバッグ作動装
置２に取り付ける。このセンサ１により車両の衝突の衝
撃を感知する。このセンサ１は、衝撃感知信号を制御手
段３に供給する。この制御手段３は、センサ１からの所
定値以上の衝撃感知信号に応答して、エアバッグが作動
する直前に少なくとも１個、図示の実施例では４個の窓
の強制窓開放手段４に制御信号を送ってこの窓開閉機構
５に作用して各窓（図示せず）を例えば20〜100mm 開放
するようにする。強制窓開放手段４はソレノイドとする
と好適である。

【０００９】図示の実施例では、センサはエアバッグ作
動装置に設けたが、車両の衝突の衝撃を感知するのに適
当な任意の箇所に設けることもできる。

【００１０】図２に窓開閉機構５の実施例を示す。この
実施例においては、シザーズリンクの２個のレバー６の
一方の端部を、窓ガラス７の下端縁に取り付けた案内部
材８に設けた案内溝孔９に、ピン手段により案内溝孔に
沿って摺動自在に取り付ける。一方のレバー６の他方の
端部は、ドアフレーム（図示せず）に固定した第２案内
部材10の案内溝孔11にやはりピン手段によって摺動自在
に取り付ける。

【００１１】他方のレバー６の他方の端部は、セクター
ラック6aとして形成するとともに、駆動モータ12を担持
するブラケット13を回動自在に連結し、モータ12により
駆動されるピニオン14にセクターラック6aを噛合させ
る。図示の状態は窓ガラス７が上がりきった状態を示
す。モータ12の正逆両方向の回転により窓ガラス７は昇
降する。

【００１２】レバー６に設けたブラケット13に本発明に
よる強制窓開放手段４を設ける。この強制窓開放手段４
は、ドアフレームに固着するとともに、ブラケット13に
連結した延長部16ａを有するフレームブラケット16と、
一端をこのフレームブラケット16に回動自在に固着した
ソレノイド本体17とを有する。このソレノイド本体17か
ら突出する可動ロッド18を、レバー６に設けたブラケッ
ト13に回動自在に連結し、窓を上昇させておくようばね
19により平素可動ロッド18を外方に変位させておく。

【００１３】この強制窓開放手段のソレノイド本体17
は、センサ１からの所定値以上の衝撃感知信号に応答し
て、制御手段３から発生された制御信号に基づいて、エ
アバッグが作動する直前に、可動ロッド18をばね19の力
に抗してソレノイド本体17内に引き込み、これによりレ
バー６を窓ガラス７の下降を生ずる方向に回動させ、例
えば20〜100mm 開放するようにする。図面における＊印
はドアフレームに固定するポイントを示す。

【００１４】

【発明の効果】本発明によれば、車両の衝突による衝撃
がある場合に、センサが衝突の衝撃を感知し、このセン
サからの所定値以上の衝撃感知信号に応答して制御手段
の発生する制御信号により、エアバックが作動する直前
に窓強制開放手段が少なくとも１個の窓開閉機構に作用
し、車両の少なくとも１個の窓を開放するため、エアバ
ッグが動作した場合の車内圧力の上昇を確実に回避する
ことができ、従って、乗客の人体に対する圧力上昇に基
づく悪影響を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるエアバッグ作動時の車内圧力上昇
防止装置の実施例のブロック線図である。

【図２】本発明によるエアバッグ作動時の車内圧力上昇
防止装置の窓開閉機構及び強制窓開放手段の実施例の線
図的説明図である。

【符号の説明】

1 センサ 2 エアバッグ作動装置 3 制御手段 4 強制窓開放手段 5 窓開閉機構 6 レバー 6a セクターラック 7 窓ガラス 8 案内部材 9 案内溝孔 10 第２案内部材 11 案内溝孔 12 駆動モータ 13 ブラケット 14 ピニオン 16 フレームブラケット 17 ソレノイド本体 18 可動ロッド 19 ばね

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】エアバッグ作動時の車内圧力の上昇を防止
   する装置において、 車両の衝突の際の衝撃を感知するセンサと、 前記センサからの衝撃感知信号を受ける制御手段と、 所定値以上の衝撃感知信号に応答して前記制御手段から
   発生される制御信号によってエアバッグが動作する直前
   に少なくとも１個の窓の開閉機構に作用して前記少なく
   とも１個の窓を強制的に開放する強制窓開放手段とを具
   えたことを特徴とするエアバッグ作動時の車内圧力上昇
   防止装置。
2. 【請求項２】前記少なくとも１個の窓の開閉機構の駆動
   手段を、前記強制窓開放手段を介してドアに固着した請
   求項１記載のエアバッグ作動時の車内圧力上昇防止装
   置。
3. 【請求項３】前記強制窓開放手段によりエアバッグが動
   作する直前に前記少なくとも１個の窓を20〜100mm 開放
   する構成とした請求項１または２記載のエアバッグ作動
   時の車内圧力上昇防止装置。