JP4545960B2 - 車両用エアバッグの展開制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用エアバッグの展開制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の車両用エアバッグの展開制御装置として、例えば特開平10−35405号公報に開示されたよう装置が知られている。この車両用エアバッグの展開制御装置は、ガスジェネレータ及び折り畳まれたエアバッグを収容するケースにガスジェネレータからの発生ガスを外部に逃がす減圧孔が設けられており、この減圧孔の開度を調整するバルブを動かすアクチュエータと、車室内温度を検出する温度センサの信号と乗員の着座位置を検出する着座センサの信号とに応じてアクチュエータを作動させ減圧孔の開度を可変的に制御するコントローラとを備えている。これにより、ガスジェネレータがどのような温度条件で作動しても、エアバッグを膨張させるガス圧が正常範囲内となるよう減圧孔の開度が適切に制御されると共に、乗員の着座位置に応じて常にエアバッグが乗員にやわらかく当たるようエアバッグ膨張用のガス圧が適切に制御されることになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、乗員をより一層適正に保護することが可能なエアバッグの展開制御について鋭意研究を行った結果、エアバッグの展開制御に対して乗員の着座位置だけではなく、車両の衝突(前面衝突)にともなう乗員(頭部)の車両前方への移動量(乗員移動量)を考慮する必要があることを新たに見出した。
【0004】
本発明の課題は、エアバッグの展開制御に対して乗員移動量を考慮して、乗員をより一層適正に保護することが可能な車両用エアバッグの展開制御装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の車両用エアバッグの展開制御装置は、ガスジェネレータ及び折り畳まれたエアバッグを収容するケースにガスジェネレータからの発生ガスを外部に逃がす減圧孔が設けられており、減圧孔の開度を調整するバルブと、バルブを駆動するアクチュエータと、アクチュエータを駆動し、減圧孔の開度を制御する減圧孔開度制御手段とを備えた車両用エアバッグの展開制御装置であって、乗員がシートベルトを着用しているか否かを検知する着用状態検知手段と、車両前後方向におけるシート位置を検知するシート位置検知手段と、乗員の着座位置を検知する着座位置検知手段と、車両前方への乗員移動量を検知する乗員移動量検知手段と、エアバッグ内の圧力を検知するエアバッグ内圧検知手段とを備えており、減圧孔開度制御手段は、着用状態検知手段にて検知されたシートベルトの着用の有無と、シート位置検知手段にて検知されたシート位置と、着座位置検知手段にて検知された着座位置と、乗員移動量検知手段にて検知された乗員移動量と、エアバッグ内圧検知手段にて検知された圧力とに基づいて、車両が衝突したときの乗員移動量が第1の所定値に達するまでの間、シートベルトの着用の有無、シート位置及び着座位置に対応して決定された初期開度となるように減圧孔の開度を制御し、乗員移動量が第1の所定値に達すると、エアバッグ内の圧力が乗員移動量に対応して予め決定された所定の圧力特性にしたがって変化するように減圧孔の開度を制御することを特徴とする。
【0006】
この請求項1記載の車両用エアバッグの展開制御装置によれば、車両の衝突により乗員が前方に移動し始めて、乗員移動量が第1の所定値に達するまでの間、シートベルトの着用の有無、シート位置及び着座位置に対応して決定された初期開度となるように減圧孔の開度が制御される。これにより、乗員の着座状態に応じてエアバッグ膨張用のガス圧が調整されて、乗員(頭部)がエアバッグに接触する際のエアバッグの抗力が適切に制御されることになり、乗員(頭部)に過大な押圧力が与えられるのを防止することができる。また、乗員が前方に移動して、乗員移動量が第1の所定値に達すると、エアバッグ内の圧力が乗員移動量に対応して予め決定された所定の圧力特性にしたがって変化するように減圧孔の開度が制御される。これにより、エアバッグの抗力が乗員移動量に応じて適切に制御されることになり、乗員(頭部)を所望の減速度で減速することができる。
【0007】
また、請求項2記載の車両用エアバッグの展開制御装置は、圧力特性は乗員移動量に応じてエアバッグ内の圧力が除々に下がるように設定することを特徴とする。
【0008】
この請求項2記載の車両用エアバッグの展開制御装置によれば、圧力特性は乗員移動量に応じてエアバッグ内の圧力が除々に下がるように設定される。これにより、エアバッグの抗力が乗員移動量に応じて除々に下がるように制御されることになり、乗員(頭部)を除々に減速することができる。
【0009】
また、請求項3記載の車両用エアバッグの展開制御装置は、減圧孔開度制御手段が乗員移動量が第1の所定値から更に乗員が車両前方に移動して、乗員移動量が第2の所定値に達すると、減圧孔が閉状態となるように減圧孔の開度を制御することを特徴とする。
【0010】
この請求項3記載の車両用エアバッグの展開制御装置によれば、乗員移動量が第1の所定値から更に乗員が車両前方に移動して、乗員移動量が第2の所定値に達すると、減圧孔が閉状態となるように減圧孔の開度が制御される。これにより、エアバッグ内に所定のガス圧が保持されることになり、乗員(頭部)が車両側部材(ステアリングホイール、インストルメントパネル等)に衝突するのを確実に防ぐことができる。これらの結果、車両の衝突時において、乗員をより一層適正に保護することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明に係る車両用エアバッグの展開制御装置の実施の形態について説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付しており、重複する説明は省略する。
【0012】
図1は、本実施の形態に係る車両用エアバッグの展開制御装置の構成を示すブロック図である。この車両用エアバッグの展開制御装置は、車両用エアバッグ装置1におけるエアバッグの展開を制御するためのものであり、ベルトセンサ11と、ポジションセンサ13と、着座センサ15と、Gセンサ17と、シートベルト引出量センサ19と、圧力センサ21と、車両用エアバッグ装置1に含まれるエアバッグの展開状態を制御するための制御ユニット部23とを備えている。ベルトセンサ11は、乗員がシートベルトを着用しているか否かを検知するため検知手段(着用状態検知手段)である。ポジションセンサ13は、車両前後方向におけるシート位置(シートスライド位置)を検知するための検知手段(シート位置検知手段)である。着座センサ15は、乗員のシートにおける着座位置を検知するための検知手段(着座位置検知手段)である。Gセンサ17は、車両(車体)に作用する減速度を検出する検知手段である。シートベルト引出量センサ19は、シートに着座している乗員(頭部)の車両前方への移動量(乗員移動量)を検知するための検知手段(乗員移動量検知手段)である。圧力センサ21は、エアバッグ内の圧力(ガス圧)を検知するための検知手段(エアバッグ内圧検知手段)である。
【0013】
ベルトセンサ11、ポジションセンサ13、着座センサ15、Gセンサ17、シートベルト引出量センサ19、及び圧力センサ21は、制御ユニット部23に接続されている。各センサ11,13,15,17,19,21における検知結果は、各センサ11,13,15,17,19,21の出力信号として制御ユニット部23に入力される。なお、着座センサ15としては、例えばレーダ又は超音波センサ又は映像認識装置等が用いられ、着座している乗員の位置(例えば頭部を含む上半身位置)を検知する。また、制御ユニット部23は、車両用エアバッグ装置1のガスジェネレータ3及びアクチュエータ8に接続され、ガスジェネレータ3及びアクチュエータ8に対して制御信号を出力する。
【0014】
制御ユニット部23は、中央演算ユニット(CPU)25、ROM27、RAM29等を有しており、CPU25が制御ユニット部23全体の信号処理等をつかさどる処理部となる。ROM27は、制御ユニット部23(CPU25)を制御するための制御プログラム等を記憶する記憶部である。RAM29は、CPU25における各種演算の結果を読み出し可能に一時的に記憶する。CPU25(制御ユニット部23)は、後述するエアバッグ展開制御処理のための制御プログラムをROM27から読み出し、この制御プログラムに従った処理を行うことで、減圧孔開度制御手段として機能する。
【0015】
次に、図2に基づいて、車両用エアバッグ装置1の構成について説明する。図2は、本発明の実施形態に係る車両用エアバッグ装置の構成を示す概略断面図である。
【0016】
車両用エアバッグ装置1は、上部が開口したほぼU字状断面形状のケース2と、このケース2内に収納されたガスジェネレータ(インフレータ)3と、ケース2内に折り畳まれた状態で収納されたエアバッグ4と、ケース2の上部開口部を閉塞するリッド5とを備えて構成されている。
【0017】
車両用エアバッグ装置1は、ドライバ用のものとしてはステアリングハンドルの中央部に取付けられ、助手席乗員用のものとしては助手席前方のインストルメントパネル部に取付けられる。車両用エアバッグ装置1は、ガスジェネレータ3が作動し、その発生ガスにてエアバッグ4がリッド5を押し開いて膨張し、前倒してくる乗員の頭部及び上半身部を膨張したエアバッグ4にて受け止めるようになっている。リッド5には破断部5aが設けられている。ガスジェネレータ3の発生ガスにてエアバッグ4が膨張したとき、その圧力にてリッド5が破断部5aから破断してリッド5が前縁部を中心として上向きに回動して開き、エアバッグ4が膨張展開することになる。なお、車両用エアバッグ装置1の作動時リッド5を開放させる手段は、リッド5に破断部5aを設ける構成に限らず、例えばリッド5の後部をケース2に固定するピン5bを内圧が設定値を越えたとき剪断するシヤーピンにて構成する等、既知の構成を採用できる。
【0018】
ケース2には、ガスジェネレータ3から発生したガスの一部をケース2の外部に逃がす減圧孔6が形成されている。この減圧孔6には、その開度を調整するバルブ7が設けられている。バルブ7により減圧孔6の開度を調節することにより、エアバッグ4内の圧力(ガス圧)を制御することが可能となる。このバルブ7には、アクチュエータ8が接続されており、バルブ7はアクチュエータ8により駆動される。
【0019】
ガスジェネレータ3は、図1に示されるように、制御ユニット部23に接続されており、制御ユニット部23から送られる制御信号に基づいてその作動状態が制御されることになる。制御ユニット部23は、Gセンサ17によって検出された減速度に基づき、車両が衝突状態となったか否かを判別し、車両の衝突時に、ガスジェネレータ3を作動させるように制御信号を出力する。これにより、ガスジェネレータ3が作動してエアバッグ4が展開する。また、アクチュエータ8も、ガスジェネレータ3と同様に、制御ユニット部23に接続されており、制御ユニット部23から送られる制御信号に基づいてその作動状態が制御されることになる。
【0020】
次に、図3を参照して、制御ユニット部23(CPU25)にて実行されるエアバッグ展開制御処理動作について説明する。このエアバッグ展開制御処理動作は、ROM27に記憶された制御プログラムに基づいて実行される。
【0021】
制御ユニット部23(CPU25)は、所定サイクルごとに各センサ11,13,15,17,19,21からの出力を読み込んでいる。まず、制御ユニット部23は、処理動作がスタートすると、S10にて、ベルトセンサ11、ポジションセンサ13及び着座センサ15からの出力信号に基づいて、シートベルトの着用の有無、シート位置及び着座位置に対応した減圧孔6の初期開度を決定する。例えば、シートベルトが着用されており、シート位置が前方寄りの位置で且つ乗員がシートに浅く(前方寄りの位置)着座している場合には、減圧孔6の初期開度は大きい値に設定される。一方、シートベルトが着用されておらず、シート位置が後方寄りの位置で且つ乗員がシートに深く(後方寄りの位置)着座している場合には、減圧孔6の初期開度は小さい値に設定される。また、S10では、制御ユニット部23が、減圧孔6の開度が決定した初期開度となるようにアクチュエータ8に対して制御信号を出力する。
【0022】
次に、S11では、制御ユニット部23は、シートベルト引出量センサ19からの出力信号に基づいて、乗員移動量が第1の所定値(X−X1)に達したか否かを判断する。ここで、図4に基づいて、乗員移動量について説明する。所定の基準位置X0から、シートSに着座している乗員(頭部)Pまでの距離を「X」とし、同様に所定の基準位置X0から、エアバッグ4がフル展開した状態でのエアバッグ4の先端(乗員(頭部)が当たる部分)から少し乗員P寄りとなる位置までの距離を「X1」としている。そして、所定の基準位置X0から、インストルメントパネルIから少し乗員P寄りとなる位置までの距離を「X2」としている。従って、S11では、車両の衝突にともない乗員(頭部)Pが車両前方に移動し、乗員(頭部)Pがフル展開状態のエアバッグ4に当たる直前の位置まで移動したか否かが判断されることになる。なお、図4においては、助手席に着座した乗員Pに対するエアバッグ4及びインストルメントパネルIとの位置関係に基づいて説明したが、運転席に着座した乗員についても、インストルメントパネルIをステアリングホイールに置き換えることにより、同様に規定することができる。
【0023】
乗員移動量が第1の所定値(X−X1)に達した場合には(S11で「YES」)、S12に進み、制御ユニット部23は、圧力センサ21からの出力信号に基づいて、エアバッグ4内の圧力が乗員移動量に対応して予め決定された所定の圧力特性にしたがって変化するように減圧孔6の開度を決定する。この圧力特性は、エアバッグ4内の圧力の目標値が乗員移動量に対して設定されており、マップ等の形でROM27に記憶されている。圧力特性は、例えば図5に示されるように、乗員移動量が第1の所定値(X−X1)から第2の所定値(X−X2)まで変化する間、エアバッグ4内の圧力が徐々に下がるように設定されている。なお、圧力特性は、傾き等を適宜変更可能とされている。
【0024】
制御ユニット部23は、現在の乗員移動量に対応するエアバッグ4内の圧力の目標値をROM27に記憶された圧力特性から読み込み、圧力センサ21にて検知されるエアバッグ4内の圧力がこの目標値と一致するように減圧孔6の開度を決定し、減圧孔6の開度が決定した開度となるようにアクチュエータ8に対して制御信号を出力する。これにより、エアバッグ4内の圧力に基づいて、減圧孔6の開度がフィードバック制御されることになる。一方、乗員移動量が第1の所定値(X−X1)に達していない場合には(S11で「NO」)、S10にリターンして、減圧孔6の開度は上述した初期開度とされる。
【0025】
S13に進むと、制御ユニット部23は、シートベルト引出量センサ19からの出力信号に基づいて、乗員移動量が第2の所定値(X−X2)に達したか否か、即ち乗員(頭部)PがインストルメントパネルIに当たる直前の位置まで移動したか否かを判断する。
【0026】
乗員移動量が第2の所定値(X−X2)に達した場合には(S13で「YES」)、S14に進み、制御ユニット部23は、減圧孔6の開度を閉状態に決定し、バルブ7が減圧孔6を閉じるようにアクチュエータ8に対して制御信号を出力する。一方、乗員移動量が第2の所定値(X−X2)に達していない場合には(S13で「NO」)、S12にリターンして、減圧孔6の開度のフィードバック制御が継続されることになる。
【0027】
なお、本実施の形態においては、車両の衝突時、車体の減速度は一般に初期で小さく、衝突後半に大きくなることから乗員の減速度も衝突後半に上昇することを考慮して減圧孔6の開度を制御している。従って、車体の減速度が小さくなるほど減圧孔6の開度を小さくし、車体の減速度が大きくなるほど減圧孔6の開度を大きくすることで、減速度の比較的小さい衝突初期には、減圧孔6の開度が小さくなってエアバッグ4の抗力が大きくなる。そして、減速度が大きくなる衝突後半には、減圧孔6の開度が大きくなってエアバッグ4の抗力が小さくなる。これにより、乗員をほぼ一定の減速度で減速することができ、乗員を適正に保護することが可能となる。
【0028】
このように、本実施の形態に係る車両用エアバッグの展開制御装置においては、車両の衝突により乗員Pが前方に移動し始めて、乗員移動量が第1の所定値(X−X1)に達するまでの間、制御ユニット部23により、シートベルトの着用の有無、シート位置及び着座位置に対応して決定された初期開度となるように減圧孔6の開度が制御されることになる。このため、乗員Pの着座状態に応じてエアバッグ4の膨張用のガス圧が調整されて、乗員(頭部)Pがエアバッグ4に接触する際のエアバッグ4の抗力が適切に制御されることになり、乗員(頭部)Pに過大な押圧力を与えるのを防止することができる。
【0029】
また、乗員Pが更に前方に移動して、乗員移動量が第1の所定値(X−X1)から第2の所定値(X−X2)に達するまでの間、制御ユニット部23により、エアバッグ4内の圧力が乗員移動量に対応して予め決定された所定の圧力特性にしたがって変化するように減圧孔6の開度、即ちガスジェネレータ3からの発生ガスの流出量が制御されることになる。このため、エアバッグ4の抗力が乗員移動量に応じて適切に制御されることになり、乗員(頭部)Pを所望の減速度で減速することができる。
【0030】
そして、乗員移動量が第2の所定値(X−X2)に達すると、制御ユニット部23により、減圧孔6が閉状態となるように減圧孔6の開度が制御されることになる。このため、エアバッグ4内に所定のガス圧が保持されることになり、乗員(頭部)Pが車両側部材(ステアリングホイール、インストルメントパネルI等)に衝突するのを確実に防ぐことができる。
【0031】
これらの結果、本実施の形態に係る車両用エアバッグの展開制御装置によれば、エアバッグ4の展開制御に対して乗員移動量を考慮することが可能となり、車両の衝突時において、乗員Pをより一層適正に保護することができる。
【0032】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。たとえば、第1の所定値(X−X1)及び第2の所定値(X−X2)も、適宜変更して設定することができる。
【0033】
また、本実施の形態においては、エアバッグ内圧検知手段として圧力センサ21を用いているが、この圧力センサ21を用いる代わりに、減圧孔6を介してケース2から流出する発生ガスの量を検知する流出量センサを用いるようにしてもよい。
【0034】
また、本実施の形態においては、乗員移動量検知手段としてシートベルト引出量センサ19を用いているが、このシートベルト引出量センサ19の代わりに、レーダ又は超音波センサ又は映像認識装置等の着座センサ15を用いて、乗員(頭部)Pが衝突前の位置からどれだけ移動したかを検知するようにしてもよい。
この場合には、着座センサ15が乗員移動量検知手段と着座位置検知手段として機能することになり、センサ(検知手段)の数を削減することができ、システムの低コスト化が可能となる。
【0035】
【発明の効果】
本発明の車両用エアバッグの展開制御装置によれば、減圧孔開度制御手段が、着用状態検知手段にて検知されたシートベルトの着用の有無と、シート位置検知手段にて検知されたシート位置と、着座位置検知手段にて検知された着座位置と、乗員移動量検知手段にて検知された乗員移動量と、エアバッグ内圧検知手段にて検知された圧力とに基づいて、車両が衝突したときの乗員移動量が第1の所定値に達するまでの間、シートベルトの着用の有無、シート位置及び着座位置に対応して決定された初期開度となるように減圧孔の開度を制御し、乗員移動量が第1の所定値から第2の所定値に達するまでの間、エアバッグ内の圧力が乗員移動量に対応して予め決定された所定の圧力特性にしたがって変化するように減圧孔の開度を制御し、乗員移動量が第2の所定値に達すると、減圧孔が閉状態となるように減圧孔の開度を制御するので、エアバッグの展開制御に対して乗員移動量が考慮されることになり、乗員をより一層適正に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る車両用エアバッグの展開制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る車両用エアバッグ装置の構成を示す概略断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る車両用エアバッグの展開制御装置に含まれる、減圧孔開度制御部にて実行されるエアバッグ展開制御処理動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】エアバッグ及びインストルメントパネルと、乗員との位置関係を示す説明図である。
【図5】エアバッグ内の圧力特性を示す線図である。
【符号の説明】
1…車両用エアバッグ装置、2…ケース、3…ガスジェネレータ、4…エアバッグ、6…減圧孔、7…バルブ、8…アクチュエータ、11…ベルトセンサ、13…ポジションセンサ、15…着座センサ、17…Gセンサ、19…シートベルト引出量センサ、21…圧力センサ、23…制御ユニット部、I…インストルメントパネル、P…乗員、S…シート。
Claims (3)
- ガスジェネレータ及び折り畳まれたエアバッグを収容するケースに前記ガスジェネレータからの発生ガスを外部に逃がす減圧孔が設けられており、
前記減圧孔の開度を調整するバルブと、
前記バルブを駆動するアクチュエータと、
前記アクチュエータを駆動し、前記減圧孔の開度を制御する減圧孔開度制御手段とを備えた車両用エアバッグの展開制御装置であって、
乗員がシートベルトを着用しているか否かを検知する着用状態検知手段と、
車両前後方向におけるシート位置を検知するシート位置検知手段と、
前記乗員の着座位置を検知する着座位置検知手段と、
車両前方への乗員移動量を検知する乗員移動量検知手段と、
前記エアバッグ内の圧力を検知するエアバッグ内圧検知手段とを備えており、
前記減圧孔開度制御手段は、前記着用状態検知手段にて検知された前記シートベルトの着用の有無と、前記シート位置検知手段にて検知された前記シート位置と、前記着座位置検知手段にて検知された前記着座位置と、前記乗員移動量検知手段にて検知された前記乗員移動量と、前記エアバッグ内圧検知手段にて検知された前記圧力とに基づいて、車両が衝突したときの前記乗員移動量が第1の所定値に達するまでの間、前記シートベルトの着用の有無、前記シート位置及び前記着座位置に対応して決定された初期開度となるように前記減圧孔の開度を制御し、前記乗員移動量が前記第1の所定値に達すると、前記エアバッグ内の前記圧力が前記乗員移動量に対応して予め決定された所定の圧力特性にしたがって変化するように前記減圧孔の開度を制御することを特徴とする車両用エアバッグの展開制御装置。 - 前記圧力特性は前記乗員移動量に応じて前記エアバッグ内の前記圧力が除々に下がるように設定することを特徴とする請求項1記載の車両用エアバッグの展開制御装置。
- 前記減圧孔開度制御手段は、前記乗員移動量が前記第1の所定値から更に乗員が車両前方に移動して、前記乗員移動量が第2の所定値に達すると、前記減圧孔が閉状態となるように前記減圧孔の開度を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用エアバッグの展開制御装置。
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