JP4174398B2 - 乗員保護装置 - Google Patents

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本発明は乗員保護装置に係り、特に、自動車等の車両に搭載される乗員保護装置に関する。
従来、自動車等の車両に搭載される乗員保護装置においては、車体に衝撃が加わった時に、気体が流入されることにより膨張可能なニーエアバッグ(空気袋)からなる構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、座席に坐る乗員の膝を拘束する膝保護装置の保持片が、案内部内をサーボ駆動装置によって乗員の膝の方向に移動するアクティブニーボルスターが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
実開昭62−61756号公報 特許第2528403号公報
しかしながら、前記特許文献1の構成におけるニーエアバッグと、前記特許文献2の構成におけるアクティブニーボルスターとの双方を車体に搭載した場合には、衝突状態に関係なく、ニーエアバッグとアクティブニーボルスターとの双方を作動させることで、必ずしも最適な下肢拘束性能が得られるとは限らない。
本発明は上記事実を考慮し、衝突状態に応じて最適な拘束性能を得られる乗員保護装置を得ることが目的である。
請求項1記載の本発明の乗員保護装置は、下肢拘束部を移動することにより乗員の下肢部を拘束するアクティブニーボルスターと、
前記アクティブニーボルスターの下方に配設され下肢拘束エアバッグ袋体を展開することにより、前記アクティブニーボルスターの拘束位置より下方において前記乗員の下肢部を拘束するニーエアバッグと、
衝突加速度を検知する衝突センサと、
前記衝突センサで検出した衝突加速度が所定値以上の場合には前記アクティブニーボルスターと前記ニーエアバッグとの双方を作動させ、前記衝突センサで検出した衝突加速度が前記所定値以上でない場合には前記ニーエアバッグのみを作動させる制御手段と、
を有することを特徴とする。
従って、車体衝突時に、衝突センサで検出した衝突加速度が所定値以上の場合には、制御手段によって、下肢拘束部を移動することにより乗員の下肢部を拘束するアクティブニーボルスターと、アクティブニーボルスターの下方に配設され、下肢拘束エアバッグ袋体を展開することにより、アクティブニーボルスターの拘束位置より下方において乗員の下肢部を拘束する下肢拘束エアバッグ袋体を展開するニーエアバッグとの双方を作動させる。一方、車体衝突時に、衝突センサで検出した衝突加速度が所定値以上でない場合には、制御手段によって、下肢拘束エアバッグ袋体を展開するニーエアバッグのみを作動させる。この結果、衝突加速度に応じて最適な拘束性能を得ることができる。
請求項2記載の本発明の乗員保護装置は、下肢拘束部を移動することにより乗員の下肢部を拘束するアクティブニーボルスターと、
前記アクティブニーボルスターの下方に配設され下肢拘束エアバッグ袋体を展開することにより、前記アクティブニーボルスターの拘束位置より下方において前記乗員の下肢部を拘束するニーエアバッグと、
シートベルトの装着状態を検知するシートベルトセンサと、
衝突加速度を検知する衝突センサと、
前記シートベルトセンサにより前記シートベルトの装着状態検出時には、前記衝突センサで検出した衝突加速度が所定値以上の場合に前記アクティブニーボルスターと前記ニーエアバッグとの双方を作動させ、前記衝突センサで検出した衝突加速度が前記所定値以上でない場合に前記ニーエアバッグのみを作動させると共に、前記シートベルトセンサにより前記シートベルトの未装着状態検出時には、前記衝突センサで車体が衝突したことを検出した場合に前記アクティブニーボルスターのみを作動させる制御手段と、
を有することを特徴とする。
従って、シートベルトセンサによりシートベルトの装着状態検出時には、車体衝突時に、衝突センサで検出した衝突加速度が所定値以上の場合に、制御手段によって下肢拘束部を移動することにより乗員の下肢部を拘束するアクティブニーボルスターと、アクティブニーボルスターの下方に配設され、下肢拘束エアバッグ袋体を展開することにより、アクティブニーボルスターの拘束位置より下方において乗員の下肢部を拘束する下肢拘束エアバッグ袋体を展開するニーエアバッグとの双方を作動させる。一方、衝突センサで検出した衝突加速度が所定値以上でない場合に、制御手段によって下肢拘束エアバッグ袋体を展開するニーエアバッグのみを作動させる。また、シートベルトセンサによりシートベルトの未装着状態検出時には、衝突センサで車体が衝突したことを検出した場合に、制御手段によって、下肢拘束部を移動するアクティブニーボルスターのみを作動させる。この結果、衝突加速度に応じて最適な拘束性能を得ることができると共に、シートベルトの装着状態に応じて最適な拘束性能を得ることができる。
請求項3記載の本発明は、請求項1、2の何れか1項に記載の乗員保護装置において、前記アクティブニーボルスターと前記ニーエアバッグとの双方にガスを供給するガス供給手段と、
該ガス供給手段から前記アクティブニーボルスターと前記ニーエアバッグに繋がるガス流路に配設され、前記制御手段からの出力信号によって作動する分岐弁と、
を有することを特徴とする。
従って、請求項1、2の何れか1項に記載の内容に加えて、アクティブニーボルスターとニーエアバッグとの双方にガスを供給するガス供給手段からアクティブニーボルスターとニーエアバッグに繋がるガス流路に配設された分岐弁を、制御手段からの出力信号によって切換え、アクティブニーボルスターとニーエアバッグの双方または一方を作動させる。この結果、ガス供給手段が1個で済みコストを低減できる。
請求項1記載の本発明の乗員保護装置は、下肢拘束部を移動することにより乗員の下肢部を拘束するアクティブニーボルスターと、アクティブニーボルスターの下方に配設され下肢拘束エアバッグ袋体を展開することにより、アクティブニーボルスターの拘束位置より下方において乗員の下肢部を拘束するニーエアバッグと、衝突加速度を検知する衝突センサと、衝突センサで検出した衝突加速度が所定値以上の場合にはアクティブニーボルスターとニーエアバッグとの双方を作動させ、衝突センサで検出した衝突加速度が所定値以上でない場合には前記ニーエアバッグのみを作動させる制御手段と、を有するため、衝突加速度に応じて最適な拘束性能を得ることができるという優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明の乗員保護装置は、下肢拘束部を移動することにより乗員の下肢部を拘束するアクティブニーボルスターと、アクティブニーボルスターの下方に配設され下肢拘束エアバッグ袋体を展開することにより、アクティブニーボルスターの拘束位置より下方において乗員の下肢部を拘束するニーエアバッグと、シートベルトの装着状態を検知するシートベルトセンサと、衝突加速度を検知する衝突センサと、シートベルトセンサによりシートベルトの装着状態検出時には、衝突センサで検出した衝突加速度が所定値以上の場合にアクティブニーボルスターとニーエアバッグとの双方を作動させ、衝突センサで検出した衝突加速度が所定値以上でない場合にニーエアバッグのみを作動させると共に、シートベルトセンサによりシートベルトの未装着状態検出時には、衝突センサで車体が衝突したことを検出した場合にアクティブニーボルスターのみを作動させる制御手段と、を有するため、衝突加速度に応じて最適な拘束性能を得ることができると共に、シートベルトの装着状態に応じて最適な拘束性能を得ることができるという優れた効果を有する。
請求項3記載の本発明は、請求項1、2の何れか1項に記載の乗員保護装置において、アクティブニーボルスターとニーエアバッグとの双方にガスを供給するガス供給手段と、ガス供給手段からアクティブニーボルスターとニーエアバッグに繋がるガス流路に配設され、制御手段からの出力信号によって作動する分岐弁と、を有するため、請求項1、2の何れか1項に記載の効果に加えて、コストを低減できるという優れた効果を有する。
本発明における乗員保護装置の一実施形態を図1〜図6に従って説明する。
なお、図中矢印FRは車体前方方向を、矢印UPは車体上方方向を示す。
図1に示される如く、本実施形態の乗員保護装置は、車体の減速度を検知し車体の衝突を検出する衝突センサとしての加速度センサ12を備えている。また、加速度センサ12は、左右のフロントサイドメンバにそれぞれ配設されており、マイクロコンピュータを備えた制御手段としての制御回路14に接続されている。
車体のインストルメントパネル18には、運転席及び助手席である左右のフロントシート20(図1では運転席を示す)の前方となる部位に、それぞれ乗員保護装置としてのアクティブニーボルスター24とニーエアバッグ26が配設されている。各アクティブニーボルスター24は、フロントシート20に着座した乗員28の左右の下肢部(特に、膝部)28Aに対向して一対配設されており、アクティブニーボルスター24の下方にニーエアバッグ26が、フロントシート20に着座した乗員28の左右の下肢部28Aに対向して配設されている。
また、アクティブニーボルスター24は、フロントシート20に着座した乗員28の左右の下肢部28Aを車体前方斜め上側から拘束する下肢拘束部30と、下肢拘束部30を乗員28の下肢部28A側へ移動するアクチュエータ32とで構成されており、ニーエアバッグ26はフロントシート20に着座した乗員28の左右の下肢部28Aを車体前方斜め上側から拘束するニーエアバッグ袋体26Aを備えている。
なお、アクティブニーボルスター24の下肢拘束部30は、板状の基材30Aと、基材30Aの乗員側に配設されたEA材30Bとからなり、EA材30Bの乗員側面にはインストルメントパネル18の一般面18Aの一部18Bが固定されている。
一方、ニーエアバッグ26のニーエアバッグ袋体26Aは、折り畳まれた状態で、インストルメントパネル18内に格納されており、展開膨張する際には、インストルメントパネル18の一般面18Aの一部18Cを押し開いて車室内に展開膨張するようになっている。
また、アクティブニーボルスター24はインパネリインフォース36にブラケット38を介して固定されており、ニーエアバッグ26もインパネリインフォース36に図示を省略したブラケットを介して固定されている。
図5に示される如く、ニーエアバッグ袋体26Aの車体前方側には、ニーエアバッグ袋体26Aとアクティブニーボルスター24のアクチュエータ32にガスを供給するガス供給手段としてのインフレータ40が配設されており、インフレータ40にはソレノイドバルブ等からなる分岐弁42が連結されている。
図6に示される如く、分岐弁42は、インフレータ40からアクティブニーボルスター24のアクチュエータ32とニーエアバッグ袋体26Aに繋がるガス流路44の途中に配設されており、分岐弁42は3個の開閉弁42A、42B、42Cを備えている。開閉弁42Aはアクティブニーボルスター24のアクチュエータ32に連結されており、開閉弁42Bはニーエアバッグ袋体26Aに連結されている。更に、開閉弁42Cはリリーフ弁となっている。また、分岐弁42の各開閉弁42A、42B、42Cは制御回路14からの出力信号によって開閉制御されるようになっている。
図1に示される如く、フロントシート20に着座した乗員28を拘束するシートベルト46のバックル48には、シートベルト46の装着状態を検知するシートベルトセンサ50が配設されている。また、シートベルトセンサ50は制御回路14に接続されており、制御回路14は、シートベルトセンサ50からの出力信号によってシートベルト46の装着状態を検出できるようになっている。
次に、本実施形態の作用を説明する。
本実施形態では、制御回路14は、シートベルトセンサ50からの検知信号によって、シートベルト46の装着状態を検出した場合に、車体が衝突した際に、先ず、左右のフロントサイドメンバにそれぞれ配設された加速度センサ12からの入力信号に基づいて、車体が衝突したか否かを判定すると共に、衝突加速度が所定値以上か否かを判定する。
所定値以上の衝突加速度で車体が衝突したと判定した場合には、制御回路14はインフレータ40を作動すると共に、分岐弁42の開閉弁42A、42Bを開き、開閉弁42Cを閉じる。この結果、インフレータ40から発生したガスによって、アクチュエータ32が作動し、アクティブニーボルスター24の下肢拘束部30が乗員方向(図2の矢印A方向)へ直線移動し、図1に示す格納位置から、図2に示す下肢拘束位置へ移動し、乗員28の脚部の跳ね上がりを防止する。これと同時に、インフレータ40から発生したガスによって、ニーエアバッグ袋体26Aが乗員方向(図2の矢印B方向)へ膨張展開し、図1に示す格納状態から、図2に示す下肢保護状態となる。
また、所定値より低い(所定値以上でない)衝突加速度で車体が衝突したと判定した場合には、制御回路14はインフレータ40を作動すると共に、分岐弁42の開閉弁42B、42Cを開き、開閉弁42Aを閉じる。この結果、インフレータ40から発生したガスによって、ニーエアバッグ袋体26Aのみが乗員方向(図3の矢印B方向)へ膨張展開し、図1に示す格納状態から、図3に示す下肢保護状態となる。なお、開閉弁42Cが開くことで、余分な圧力を排出することができる。
従って、本実施形態では、衝突加速度に応じて最適な拘束性能を得ることができる。
また、本実施形態では、制御回路14は、シートベルトセンサ50からの検知信号によって、シートベルト46の未装着状態(アンベルテッド状態)を検出した場合に、車体が衝突した際に、分岐弁42の開閉弁42A、42Cを開き、開閉弁42Bを閉じる。この結果、インフレータ40から発生したガスによって、アクティブニーボルスター24のアクチュエータ32のみが作動し、アクティブニーボルスター24の下肢拘束部30が乗員方向(図4の矢印A方向)へ直線移動し、図1に示す格納位置から、図4に示す下肢拘束位置へ移動し、乗員28の脚部の跳ね上がりを防止する。なお、開閉弁42Cが開くことで、余分な圧力を排出することができる。
従って、本実施形態では、シートベルト46の装着状態に応じても最適な拘束力性能を得ることができる。
また、本実施形態では、アクティブニーボルスター24のアクチュエータ32とニーエアバッグ袋体26Aとの双方にガスを供給するインフレータ40からアクチュエータ32とニーエアバッグ袋体26Aに繋がるガス流路44に配設された分岐弁42を、制御回路14からの出力信号によって作動し、アクチュエータ32とニーエアバッグ袋体26Aの双方または一方を作動させる。この結果、インフレータ40が1個で済みコストを低減できる。
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、本発明の乗員保護装置をフロントシート(運転席及び助手席)に適用したが、本発明の乗員保護装置はリヤシート等のフロントシート以外のシートにも適用可能である。
本発明の一実施形態に係る乗員保護装置が適用された車室前部を示す概略側断面図である。 本発明の一実施形態に係る乗員保護装置が適用された車室前部を示す作用説明図である。 本発明の一実施形態に係る乗員保護装置が適用された車室前部を示す作用説明図である。 本発明の一実施形態に係る乗員保護装置が適用された車室前部を示す作用説明図である。 本発明の一実施形態に係る乗員保護装置の要部を示す車体斜め後方から見た斜視図である。 本発明の一実施形態に係る乗員保護装置の要部を示すブロック図である。
符号の説明
12 加速度センサ(衝突センサ)
14 制御回路
24 アクティブニーボルスター
26 ニーエアバッグ
26A ニーエアバッグ袋体
30 アクティブニーボルスターの下肢拘束部
32 アクティブニーボルスターのアクチュエータ
42 分岐弁
46 シートベルト
50 シートベルトセンサ

Claims (3)

  1. 下肢拘束部を移動することにより乗員の下肢部を拘束するアクティブニーボルスターと、
    前記アクティブニーボルスターの下方に配設され下肢拘束エアバッグ袋体を展開することにより、前記アクティブニーボルスターの拘束位置より下方において前記乗員の下肢部を拘束するニーエアバッグと、
    衝突加速度を検知する衝突センサと、
    前記衝突センサで検出した衝突加速度が所定値以上の場合には前記アクティブニーボルスターと前記ニーエアバッグとの双方を作動させ、前記衝突センサで検出した衝突加速度が前記所定値以上でない場合には前記ニーエアバッグのみを作動させる制御手段と、
    を有することを特徴とする乗員保護装置。
  2. 下肢拘束部を移動することにより乗員の下肢部を拘束するアクティブニーボルスターと、
    前記アクティブニーボルスターの下方に配設され下肢拘束エアバッグ袋体を展開することにより、前記アクティブニーボルスターの拘束位置より下方において前記乗員の下肢部を拘束するニーエアバッグと、
    シートベルトの装着状態を検知するシートベルトセンサと、
    衝突加速度を検知する衝突センサと、
    前記シートベルトセンサにより前記シートベルトの装着状態検出時には、前記衝突センサで検出した衝突加速度が所定値以上の場合に前記アクティブニーボルスターと前記ニーエアバッグとの双方を作動させ、前記衝突センサで検出した衝突加速度が前記所定値以上でない場合に前記ニーエアバッグのみを作動させると共に、前記シートベルトセンサにより前記シートベルトの未装着状態検出時には、前記衝突センサで車体が衝突したことを検出した場合に前記アクティブニーボルスターのみを作動させる制御手段と、
    を有することを特徴とする乗員保護装置。
  3. 前記アクティブニーボルスターと前記ニーエアバッグとの双方にガスを供給するガス供給手段と、
    該ガス供給手段から前記アクティブニーボルスターと前記ニーエアバッグに繋がるガス流路に配設され、前記制御手段からの出力信号によって作動する分岐弁と、
    を有することを特徴とする請求項1、2の何れか1項に記載の乗員保護装置。
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