JPH06286256A - 印字装置 - Google Patents

印字装置

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Publication number
JPH06286256A
JPH06286256A JP10036393A JP10036393A JPH06286256A JP H06286256 A JPH06286256 A JP H06286256A JP 10036393 A JP10036393 A JP 10036393A JP 10036393 A JP10036393 A JP 10036393A JP H06286256 A JPH06286256 A JP H06286256A
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JP
Japan
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cam
carriage
printing
ribbon
motor
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Pending
Application number
JP10036393A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Shinoda
章 篠田
Motohito Muraki
基人 村木
Mutsuo Fukuoka
睦生 福岡
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 キャリッジ本体をより小型化でき、キャリッ
ジ本体に備えたキャリッジモータにより直接移動駆動で
きしかも重量バランス上最良位置であるキャリッジの重
心の近くでキャリッジを移動駆動し得る印字装置を提供
すること。 【構成】 キャリッジ11には、カム体駆動モータ1
6、カム体20、各リボン巻取り機構、ホイール駆動機
構61、ホイール駆動モータ62など多数の機構が設け
られ、キャリッジ10の重心Gは、第1主壁11cの直
ぐ左側で且つラック7の直ぐ後ろ側に位置する。キャリ
ッジ駆動モータ76は、キャリッジ10の重心Gの直ぐ
後ろ側で前向きに、印字ハンマー27aに対応するキャ
リッジ中心線Lに対してカム体20と左右対象位置に配
設され、ギヤ機構を介してラック7との係合によりキャ
リッジ本体11を左右方向に移動駆動するように構成さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、活字ホイール式印字装
置に関し、特に印字機構やカム体駆動モータやホイール
モータなどを備えたキャリッジを、キャリッジ本体に搭
載したキャリッジモータで重量バランス上最良となるそ
の重心近くにおいて駆動するようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、印字ハンマーや活字ホイールや印
字リボンや消去リボン及びこれらの駆動機構をキャリッ
ジ本体に設け、文字の印字及び消去が可能な活字ホイー
ル式電子タイプライタは周知のものである。ところで、
本願出願人は、特開平4─235082号公報におい
て、印字リボンを載置したホルダ部材の位置切換え機構
や印字ハンマー駆動機構や印字リボン巻取り機構及び消
去リボン巻取り機構を、キャリッジ本体に設けた1台の
駆動モータで回転駆動されるカム体に作動的に連動させ
て、カム体を駆動モータで直接駆動するようにし、製作
コストを低減でき且つキャリッジをコンパクト化し得る
電子タイプライタを提案した。
【0003】この電子タイプライタにおいては、前記駆
動モータの駆動軸に、印字ハンマー駆動用の印字用カム
と、複数のスリットが等間隔に形成されたエンコーダデ
ィスクと、印字リボンをステップ送りするリボン供給用
カムと、ホルダ部材を印字位置から消去位置に上昇させ
る為の上昇用カムとからなるカム体が固着され、この駆
動モータの所定回転方向への駆動でカム体を回転駆動す
ることにより、印字用カムで印字ハンマーをプラテンに
押圧打撃する印字作動が実行される一方、リボン供給用
カムで印字リボンのステップ送り作動などの一連の作動
が実行される。ここで、印字動作時には、エンコーダデ
ィスクからのスリット信号に基いて駆動モータの回転速
度を微少時間毎の演算により制御するようになってい
る。更に、キャリッジ本体の後端側に設けたホイール駆
動モータで活字ホイールを回転駆動するとともに、プラ
テンの下側に対応するケーシングに設けたキャリッジ駆
動モータによりワイヤを介してキャリッジ本体を移動駆
動するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、本願
出願人が提案した前記電子タイプライタにおいては、キ
ャリッジ本体に、駆動モータとこの駆動モータで駆動さ
れるカム体とからなる印字機構、ホイール駆動モータ、
その他複数の駆動機構を設け、しかも駆動モータの駆動
軸にカム体を固着したので、これら駆動機構とカム体と
の位置関係が制約される上、ホイール駆動モータをキャ
リッジ本体の後部に設けることから、これら駆動機構に
対するカム体と駆動モータとの配置に自由度が無く、キ
ャリッジ本体の特に前後方向の寸法が大きくなり、キャ
リッジ本体が前方に延びて大型化するため、キャリッジ
の前側に配設する電子制御用の電子基板の為のスペース
を十分に確保できないという問題がある。
【0005】また、カム体を駆動モータで直接駆動する
ことから、カム体に作用する負荷変動が駆動モータの回
転速度に直接影響するだけでなく、逆に駆動モータの回
転速度の変化がカム体に直接影響して、印字ハンマーに
よる印字動作が安定し難く、駆動モータの駆動制御が複
雑化するという問題がある。
【0006】更に、キャリッジ本体をケーシングに設け
たキャリッジ駆動モータによりワイヤを介して移動駆動
するように構成されているので、ワイヤやこのワイヤー
を駆動するプーリなど部品点数が多くなり、ワイヤテン
ションなどの調整作業を必要とする。加えて、前記カム
体のうち、リボン供給用カムと上昇用カムとは一体的に
形成されているが、印字用カムは、これらリボン供給用
カム及び上昇用カムとは別体なので、これら一体形成さ
れたカムの位相と印字用カムの位相とを所定の位相関係
に合わせる為の位相調整作業が必要となるという問題が
ある。
【0007】本発明の目的は、キャリッジ本体をより小
型化でき、キャリッジ本体に備えたキャリッジモータに
より直接移動駆動できしかも重量バランス上最良位置で
あるキャリッジの重心の近くでキャリッジを移動駆動し
得るような印字装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の印字装置は、
左右方向に延びるプラテンと、プラテンの前側に沿って
印字方向に移動自在に案内されたキャリッジ本体と、キ
ャリッジ本体に搭載されキャリッジ本体を駆動するキャ
リッジモータと、活字ホイールと、活字ホイールを回転
駆動するホイールモータと、印字ハンマーとカム体とを
含みカム体の回転に作動的に連動して印字ハンマーを印
字作動させる印字機構と、カム体を回転駆動するカム体
モータとを備え、キャリッジモータは、キャリッジの重
心の近くにおいて、印字ハンマーに対応するキャリッジ
中心線に対して、印字機構と略左右対象位置に配設さ
れ、ホイールモータは、前記印字機構の後方においてプ
ラテンの下側に位置するように配設したものである。
【0009】請求項2の印字装置は、請求項1の印字装
置において、前記カム体モータの出力軸に固着されたピ
ニオンと、カム体に形成され前記ピニオンに噛合した従
動ギヤとからなる減速ギヤ機構を設けたものである。
【0010】請求項3の印字装置は、請求項2の印字装
置において、前記カム体は、印字ハンマー駆動用のハン
マー駆動カムと、従動ギヤと、カム体の回転位置検出用
の検出用ディスクと、印字リボン送り用のリボン送りカ
ムと、コレクションリボンリフト用のリボンリフトカム
とを、一体形成したものである。
【0011】
【作用】請求項1の印字装置においては、プラテンの前
側に沿って印字方向に移動自在に案内されたキャリッジ
本体に、キャリッジ本体を駆動するキャリッジモータ
と、活字ホイールと、活字ホイールを回転駆動するホイ
ールモータと、印字ハンマーとカム体とを含みカム体の
回転に作動的に連動して印字ハンマーを印字作動させる
印字機構と、カム体を回転駆動するカム体モータとを備
え、キャリッジモータは、キャリッジの重心の近くにお
いて、印字ハンマーに対応するキャリッジ中心線に対し
て、印字機構と略左右対象位置に配設されているので、
キャリッジ本体を重量バランスの良い位置で移動駆動で
きることから、キャリッジ本体をスムーズに移動でき
る。しかも、重量バランスの良いキャリッジ中心線に対
応する位置で印字ハンマーが駆動されるので、印字ハン
マーによる印字品質を良好にできる。更に、ホイールモ
ータを、前記印字機構の後方においてプラテンの下側に
位置するように配設したので、このホイールモータを取
付ける為のスペース分だけキャリッジ本体の前後方向の
寸法を小さくできることから、キャリッジの前側に配設
する電子制御用の電子基板の為のスペースを十分に確保
できる。
【0012】請求項2の印字装置においては、カム体
は、このカム体に形成された従動ギヤとカム体モータの
出力軸に固着されたピニオンとからなる減速ギヤ機構を
介して駆動されるので、カム体に作用する負荷変動に対
する駆動モータの回転速度の変動は、この減速ギヤ比に
対応して減少するだけでなく、逆に駆動モータの回転速
度の変動に対するカム体の回転速度の変動も同様にこの
減速ギヤ比に対応して減少するので、印字ハンマーによ
る印字動作が安定する。また、複数の駆動機構を駆動す
る為のカム体とこれを駆動するカム体モータとの配置に
自由度が生じる。更に、印字ハンマーの移動速度と、こ
れらピニオンと従動ギヤとの減速ギヤ比から生じるカム
体モータの大きな慣性モーメントとにより、印字ハンマ
ーをプラテンに対して強力に押圧打撃でき、カム体モー
タの駆動制御をスリット信号を用いることなく簡単化で
きる上、良好な印字品質を得ることができる。
【0013】請求項3の印字装置においては、印字ハン
マー駆動用のハンマー駆動カムと、従動ギヤと、検出用
ディスクと、リボン送りカムと、リボンリフトカムとか
らなるカム体を一体形成することから、これらのカムの
各々の位相を合わせる位相調整作業を不要にできる上、
カム体を簡単にしかも安価に製作できる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面に基いて
説明する。本実施例は、直流モータからなるカム体駆動
モータで、印字動作とこれに伴う印字リボンの巻取り動
作、消去動作とこれに伴う消去リボン(コレクションリ
ボン)の巻取り動作を行なうようにした電子タイプライ
タに本発明を適用した場合のものである。図1に示すよ
うに、タイプライタ1のケーシングの内部の左右両端に
は夫々側壁板(機枠)2が前後方向向きに設けられ、そ
の1対の側壁板2間に配設されたプラテン3は、そのプ
ラテン軸4の両端部近傍において両側壁板2に回転可能
に支持されるとともに、プラテン軸4の左端部に固着し
た従動ギヤ(図示略)を介して図示外のラインフィード
モータにより回転駆動される。
【0015】前記1対の側壁板2間には、更にラック7
と前後1対のガイド軸8・9とがプラテン3と平行に配
設されており、これらガイド軸8・9に左右方向移動可
能に支持されたキャリッジ10について説明する。先
ず、キャリッジ本体11について、図1〜図3に基いて
説明する。キャリッジ本体11は、前側のガイド軸8に
左右方向摺動自在に外嵌された円筒状の第2脚部11a
と、後側のガイド軸9に左右方向摺動自在に外嵌された
円筒状の第1脚部11bと、これら第1・第2脚部11
b・11aを連結する前後方向向きで且つ立設された第
1主壁11c及び第2主壁11dを含み補強の為のリブ
を複数設けた連結フレーム11eとを合成樹脂材料で一
体的に成形されたものである。ここで、断面略U字状の
第1主壁11cはキャリッジ本体11の左右方向の略中
央部に形成され、また断面略U字状の第2主壁11dは
その右端部に形成されている。
【0016】次に、印字機構15について、図1〜図6
に基いて説明する。ラック7の直ぐ前側の第1主壁11
cにはその左側にカム体駆動モータ16が取付けられ、
このカム体駆動モータ16の駆動軸16aは第1主壁1
1cを挿通して右方へ延び、その先端部には小径のピニ
オン17が固着されている。一方、カム体駆動モータ1
6の後方斜め上側において、プラテン3と平行な枢支軸
18の左右両端部が両主壁11c・11dに夫々回転可
能に枢支され、この枢支軸18には、図4・図7に示す
ようにカム体駆動モータ16側から印字用カム(ハンマ
ー駆動カムに相当)21、従動ギヤ22、回転位置検出
用ディスク23、リボン送りカム24、リボンリフトカ
ム25とが一体的に形成された合成樹脂製のカム体20
が左右方向移動不能に固着されている。そして、この従
動ギヤ22は前記ピニオン17に噛合されている。尚、
ピニオン17と従動ギヤ22とで減速機構が構成されて
おり、ピニオン17と従動ギヤ22とのギヤ比は1:2.
5 である。このように、印字用カム21、従動ギヤ2
2、回転位置検出用ディスク23、リボン送りカム2
4、リボンリフトカム25とが一体的に形成されている
ので、これらのカムの各々の位相を合わせる位相調整作
業を不要にできる上、カム体20を簡単にしかも安価に
製作できる。
【0017】一方、側面視略逆く字状の回動レバー27
の下端部は、第1脚部11b近傍位置に対応する両主壁
11c・11dに回転可能に支持された枢支軸28に固
着され、その高さ方向中段部には、前記印字用カム21
のカム面に当接するカムフォロワ29が回転可能に枢着
され、更にその上端部は後方に屈曲されて印字ハンマー
27aが形成されている。そして、このカムフォロワ2
9が印字用カム21のカム面に常に当接するように、引
っ張りバネ30が回動レバー27と枢支軸18とに亙っ
て張架されている。ここで、符号31は印字リボンPR
を収納したリボンカセットであり、符号35はこのリボ
ンカセット31を載置するとともに、図1に示す印字位
置と図13に示す上昇した消去位置とに亙って揺動可能
なホルダ部材である。
【0018】前記印字用カム21は、図5・図14に示
すように、側面視略巴形状で、この印字用カム21の外
側の湾曲状カム面は、印字開始時におけるカム体20つ
まり印字用カム21の設定された正規の印字開始の位相
角を0°とし、この位相角0°から約60°までの印字
待機範囲においては、半径が等しい等半径になってお
り、この位相角約60°から位相角約140°に亙って
半径拡大率が大きくなっており、この位相角約140°
以降においては半径拡大率が微少になっている。しか
も、印字ハンマー27aの打撃後においてもカムフォロ
ワ29が外周カム面から外れないように、印字用カム2
1には湾曲状カムが延長して形成されている。
【0019】ここで、図14に示すように、印字開始時
におけるカムフォロワ29はこの印字待機範囲の何れか
の位置に位置していることになる。そして、カム体駆動
モータ16の所定回転方向への駆動により、ピニオン1
7と従動ギヤ22とを介してカム体20つまり印字用カ
ム21が図6にて時計回転方向に、例えば約180°分
高速で回転されると、カムフォロワ29が印字用カム2
1の湾曲状カム面に沿って後方に約10mm移動するの
で、回動レバー27が枢支軸28を回動中心として反時
計回転方向に急速に回動され、印字ハンマー27aは、
回動レバー27の後方への回動により、活字ホイール7
2の活字72a及び印字リボンPRを介してプラテン3
を強力に押圧打撃する。
【0020】ここで、カム体20は、このカム体20に
形成された従動ギヤ22とカム体駆動モータ16の駆動
軸16aに固着されたピニオン17とからなる減速ギヤ
機構を介して駆動されるので、カム体20に作用する負
荷変動に対するカム体駆動モータ16の回転速度の変動
は、この減速ギヤ比に対応して減少するだけでなく、逆
にカム駆動モータ16の回転速度の変動に対するカム体
20の回転速度の変動も同様にこの減速ギヤ比に対応し
て減少するので、印字ハンマー27aによる印字動作が
安定する。また、複数の駆動機構を駆動する為のカム体
20とこれを駆動するカム体駆動モータとの配置に自由
度が生じ、キャリッジ本体11の前後方向の寸法をより
小さくできる。更に、印字ハンマー27aの移動速度
と、これらピニオン17と従動ギヤ22との減速ギヤ比
から生じるカム体駆動モータ16の大きな慣性力とによ
り、印字ハンマー27aをプラテン3に対して強力に押
圧打撃でき、カム体駆動モータ16の駆動制御を簡単化
できる上、良好な印字品質を得ることができる。
【0021】ところで、図6に示すように、回動レバー
27の回動中心位置を、印字ハンマー27aがプラテン
3を打撃する打撃点における接線S1近傍で且つ第1脚
部11bの近傍に設け、しかもこの回動中心位置をカム
フォロワ29より下側に設けた上、回動中心位置から印
字ハンマー27aまでの距離を長くしたので、印字ハン
マー27aの打撃方向は、前記打撃点から接線S1と直
交してプラテン3の中心に向かう直交方向S2となり、
活字72aを均等に押圧することから印字品質が良くな
る。
【0022】ここで、前記検出用ディスク23について
簡単に説明すると、図9・図14に示すように、正規の
印字開始の位相角を0°とすると、この検出用ディスク
23の外周部には、位相角65°から位相角160°に
亙って第1切欠き23aが形成されるとともに、0°か
ら−35°に亙って第2切欠き23bが形成されてい
る。そして、図17に示すようにこの検出用ディスク2
3の下端部には、これら第1・第2切欠き23a・23
bを検出する為のフォトセンサ36がキャリッジ本体1
1に固着されている。そして、フォトセンサ36から
は、図14に示すように、これら第1・第2切欠き23
a・23bに対応して「L」レベルの位置検出信号が出
力されるとともに、第1・第2切欠き23a・23b以
外のときに「H」レベルの位置検出信号が出力される。
【0023】次に、前記ホルダ部材35について説明す
ると、図1・図2・図7に示すように、リボンカセット
31を載置支持する為の板状の支持板35aと、支持板
35aの外周部で下側に延びる外周壁部35bと、リボ
ンカセット31の前端部を保持する為に支持板35aの
略前端部に立設された前壁部35cと、支持板35aの
前端近傍部に設けられた側面視略b字状の1対のヒンジ
部35dとが一体的に形成された合成樹脂製のものであ
る。そして、このホルダ部材35を前記キャリッジ本体
11に揺動可能に取付けるときには、図7・図8に示す
ように、ホルダ部材35の後端部を上方に大きく揺動さ
せた姿勢で、先ずホルダ部材35を下方に移動させた後
右方に移動させて、両ヒンジ部35dを第2脚部11a
に形成されたピン取付け部11gの1対のピン部11h
に対応させて係合させ、その後ホルダ部材35を印字位
置の姿勢となるまでその後端を降下させる。このとき、
ホルダ部材35は、1対のピン部11hとヒンジ部35
dとを介してキャリッジ本体11に揺動可能に枢支され
るとともに、ホルダ部材35の右側の外周壁部35bに
形成された当接部35eが、右側のピン取付け部11g
に右方から当接しているので、印字動作や消去動作の実
行時に、これらピン部11hとヒンジ部35dとの係合
が外れることはない。
【0024】次に、印字動作毎に印字リボンPRを所定
量だけ巻取りスプールに巻取る印字リボン巻取り機構4
0について、図4・図7・図9に基いて説明する。ホル
ダ部材35の下側の左端部には、複数の歯を有するラチ
ェットホイール41がピン42で回転可能に枢支され、
このピン42に回転可能に支持され且つ送り爪43aを
設けた第3揺動部材43はホルダ部材35に回動自在に
枢着された第2揺動部材44に連結ピン45を介して連
結され、この第2揺動部材44は引っ張りバネ46によ
り、図7において反時計回転方向に弾性付勢されてい
る。尚、巻取りスプール47は前記ピン42に固着され
ている。
【0025】一方、前記リボン送りカム24は、図9に
示すように、側面視略楕円形状の偏心カムであり、キャ
リッジ本体11に前後揺動可能に下端部が枢支された第
1揺動部材48の上端近傍部の後側面がこのリボン送り
カム24に当接している。更に、この第1揺動部材48
の上端部の前側面には、前記第2揺動部材44の右端部
が当接している。従って、リボン送りカム24がカム体
駆動モータ16により印字方向Pに回転すると、第1揺
動部材48はリボン送りカム24のカム形状により前方
に移動するときに、第2揺動部材44の右端部も同時に
前方に移動し、第2揺動部材44が図7にて二点鎖線で
示すように時計回転方向に回動され且つ第3揺動部材4
3が反時計回転方向に回動して送り爪43aによりラチ
ェットホイール41が1歯分だけ回動され、印字リボン
PRが印字直前に巻取りスプール47によ所定量だけス
テップ送りされる。
【0026】次に、文字消去時に消去リボンCRを印字
ハンマー27aに対向させる為に、ホルダ部材35を印
字位置から消去位置に上昇させる消去機構50につい
て、図10・図11に基いて説明する。前記リボンリフ
トカム25には、このカム25の回転中心から等半径を
有する基準カム25aと、この基準カム25aから連続
して半径拡大方向に延びる第1傾斜カム面25bと、こ
の第1傾斜カム面25bに途中部において連なり且つ外
周カム面25dに連なる第2傾斜カム面25cとが形成
されるとともに、外周カム面25dの右端部から外周壁
25eが半径拡大方向に延びている。
【0027】前記外周壁25eの一部には、外周壁25
eと第1傾斜カム面25bの右端面の右方突出部21p
との左右方向の差分つまり従動ピン51が左右方向に移
動する総移動量(約5mm)の約1/3だけ外周壁25e
から浅い浅底面21hが形成され、更にこの浅底面21
hからこの右端面25gに連なる傾斜面25iが形成さ
れている。尚、この傾斜面25iの内周側の深さは外周
側の深さに対して前記総移動量の約1/3だけ浅くなっ
ている。また、浅底面21hの進角側部分及び遅角側部
分は傾斜面で外周壁25eに夫々連結されている。
【0028】次に、このリボンリフトカム25に右方か
ら当接する従動ピン51は、ホルダ部材35の右側の外
周壁部35bに取付けられた支持部材52の下端部に左
右方向移動可能に支持され、コイルバネ(図示略)によ
り常に左方へ弾性付勢されている。この従動ピン51
は、印字開始時には、図10に示すように、ホルダ部材
35の自重により、そのピン先部を基準カム25aに上
方から当接させてホルダ部材35を図10に示す印字位
置に支持するとともに、前記右端面25gに右方から弾
性付勢されている。即ち、ホルダ部材35の上下揺動量
はこの従動ピン51の上下方向の移動量により決定され
る。
【0029】従って、リボンリフトカム25が図14に
示す印字開始の位相角からカム体駆動モータ16により
印字方向Pと反対方向(反印字方向という)に所定角度
だけ回転したとき、従動ピン51は第1傾斜カム面25
bにより上方へ移動するので、ホルダ部材35もその上
方への移動距離に応じて上方に揺動し、その後リボンリ
フトカム25が印字方向Pに回転されると、従動ピン5
1は第2傾斜カム面25cを経て外周カム面25dに到
達するので、ホルダ部材35は更に上方に揺動して、図
12に示す消去位置に切換えられる。このとき、消去リ
ボンCRは印字ハンマー27aに対向した位置となる。
【0030】次に、文字消去時に消去リボンCRを所定
量だけ巻取りスプールに巻取る消去リボン巻取り機構5
5について、図7・図13に基いて説明する。前記ホル
ダ部材35の後端部の左側の外周壁部35bには、消去
リボンCRの供給スプール56が回転可能に枢着され、
対応する右側の外周壁部35bには、消去リボンCRの
巻取りスプール57が回転自在に枢着されている。この
巻取りスプール57には、複数の歯を有するラチェット
ホイール58が設けられ、このラチェットホイール58
の前側には、ラチェットホイール58に当接して1歯分
ずつ回動させる為の送り爪59がキャリッジ本体11に
取付けられている。
【0031】即ち、消去機構50で説明したように、印
字開始時の設定された正規のカム体20の位相角を0°
とし、リボンリフトカム25を反印字方向に約45°
(以下−45°という)回転させたとき、従動ピン51
は第1傾斜カム面25bに沿って上昇した後、第2傾斜
カム面25c上に位置する。このとき、従動ピン51は
基準カム25aの位置に対して約2mm上昇した位置であ
る。そして、ここでリボンリフトカム25が印字方向P
に回転したとき、従動ピン51は第2傾斜カム面25c
上を移動した後、外周カム面25dに到達する。このと
き、従動ピン51は基準カム25aに対して約5.5 mm上
昇した位置となり、ホルダ部材35は、消去リボンCR
が印字ハンマー27aに対向する消去位置に切換えられ
る。ここで、この上昇途中において、送り爪59でラチ
ェットホイール58の現在係合中の歯を下側に1歯分だ
け回動させるので、消去リボンCRが所定量だけ巻取り
スプール57に巻取られてステップ送りされる。
【0032】ところで、前述したように、ホルダ部材3
5の上昇時に消去リボンCRを巻取る構成なので、ホル
ダ部材35には、リボンリフトカム25に連結した従動
ピン51と支持部材52とを介して上昇力が作用する一
方、消去リボンCRの巻取りの為に下方向の負荷が作用
する。これら上昇力と負荷の作用力が大きい場合でも、
上昇力が作用するホルダ部材35の部位と負荷の作用力
が作用するホルダ部材35の後端部の右端部とは、非常
に接近した位置関係なので、ホルダ部材35が合成樹脂
製でも、十分な強度が得られる。
【0033】次に、前記活字ホイール72を駆動するホ
イール駆動機構61について、図3・図15に基いて説
明する。ステッピングモータからなるホイール駆動モー
タ62はモータホルダ63にビス止めにて取付けられ、
このモータホルダ63はキャリッジ本体11の後端壁部
11fに後方からビス止めされ、ホイール駆動モータ6
2の駆動軸62aは後端壁部11fを挿通して前方に延
び、後端壁部11fの前側に形成されたホイール収容部
64において駆動ギヤ65が固着されている。つまり、
ホイール駆動モータ62はプラテン3の下側に位置して
いる。前記駆動ギヤ65に噛合される大径のホイール駆
動ギヤ66は、その回転中心位置を印字ハンマー27a
に対向する位置でキャリッジ本体11にスピンドル部6
6aを介して回転可能に枢支されている。尚、符号67
は、ホイール駆動ギヤ66の原点位置を設定する為の原
点レバーであり、符号68はペーパーメータである。
【0034】一方、ホイール収容部64の前面側には、
図3に示すように、上端部に操作部69aを有する平板
状のホイール保持板69が、ホイール収容部64にセッ
トされた活字ホイール72を前方から押圧可能に、その
下端部においてキャリッジ本体11に設けた枢支軸70
を介して前後揺動自在に枢支されている。更に、この枢
支軸70には、ホイール保持板69を後方へ弾性付勢す
る巻きバネ71が設けられている。尚、ホイール保持板
69の下端部は後方に曲げられて活字ホイール72を受
ける受け部69bが形成されている。
【0035】そして、活字ホイール72を装着するとき
には、図16に示すように、先ずホイール保持板69を
巻きバネ71のバネ力に抗して前方に回動させた状態で
活字ホイール72をホイール収容部64内で受け部69
b上に配置し、その後ホイール保持板69を巻きバネ7
1の付勢力で後方に揺動させる。このとき、活字ホイー
ル72の中央部に形成された係合孔72bにスピンドル
部66aが内嵌するとともに、活字ホイール72の中央
部分がホイール駆動ギヤ66の前端面に押圧され、活字
ホイール72はスピンドル部66aに係合して位置決め
された状態で、ホイール駆動ギヤ66とホイール保持板
69間に弾性挟持される。
【0036】次に、前記キャリッジ本体11を左右方向
に移動駆動させるキャリッジ駆動機構75について、図
1・図3・図17に基いて説明する。ここで、キャリッ
ジ本体11には、前述したように、カム体駆動モータ1
6、カム体20、回動レバー27、印字リボン巻取り機
構40、消去機構50、消去リボン巻取り機構55、ホ
ルダ部材35、ホイール駆動機構61、ホイール駆動モ
ータ62など多数の部材や機構が設けられており、キャ
リッジ10の重心Gは、図3に示すように、第1主壁1
1cの直ぐ左側で且つラック7の直ぐ後側に位置してい
る。キャリッジ駆動モータ76は、キャリッジ10の重
心Gの直ぐ後側で前向きに配設され、つまり重心Gの近
くにおいて、印字ハンマー27aに対応するキャリッジ
中心線Lに対して、カム体20と左右対象位置に配設さ
れ、ギヤ機構を介してラック7との係合によりキャリッ
ジ本体11を左右方向に移動駆動するように構成されて
いる。
【0037】このギヤ機構について、図1・図3・図1
7に基いて説明すると、キャリッジ駆動モータ76は、
平面視略コ字状のモータホルダ77に取付けられ、この
モータホルダ77はその下端部においてピン78でキャ
リッジ本体11に回動可能に枢支されている。キャリッ
ジ駆動モータ76の駆動軸76aはモータホルダ77を
挿通して前方に延びてピニオン79が固着され、このピ
ニオン79に噛合する大径の従動ギヤ80はそのモータ
ホルダ77に回転可能に枢支され、この従動ギヤ80に
一体的に形成された小径の当接ギヤ80aがラック7の
上面の歯に噛合されている。
【0038】更に、ラック7の下側とその前後両側に当
接する補助ローラ81がキャリッジ本体11の下部に回
転可能に枢支され、しかもモータホルダ77の上端部と
第1主壁11cとに亙って張架された引っ張りバネ82
の弾性付勢により、当接ギヤ80aとラック7の歯との
バックラッシュを解消するように構成されている。そし
て、キャリッジ駆動モータ76が回転駆動されると、ピ
ニオン79と従動ギヤ80とを介して当接ギヤ80aと
ラック7の歯との噛合によりキャリッジ本体11が左方
或いは右方へ移動駆動される。このとき、キャリッジ駆
動モータ76は、キャリッジ10の重心の近くにおい
て、印字ハンマー27aに対応するキャリッジ中心線L
に対して、主にカム体駆動モータ16とカム体20とか
らなる印字機構16と略左右対象位置に配設されている
ので、キャリッジ本体11を重量バランスの良い位置で
移動駆動できることから、キャリッジ本体11をスムー
ズに移動できる。しかも、重量バランスの良いキャリッ
ジ中心線Lに対応する位置で印字ハンマー27aが駆動
されるので、印字ハンマー27aによる印字品質を良好
にできる。
【0039】尚、前記ピニオン17と従動ギヤ22とか
らなる減速ギヤ機構の減速ギヤ比は、印使用カム21の
形状やカム体駆動モータ16の性能に応じて適宜変更す
ることが可能である。また、この減速ギヤ機構において
は、従動ギヤを複数枚設けて構成することも可能であ
る。尚、前記印字機構15において、キャリッジ中心線
Lに対して、左右反対に構成することもあり得る。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の印字装
置によれば、プラテンと、このプラテンの前側に沿って
移動自在に案内されたキャリッジ本体にキャリッジモー
タと活字ホイールとホイールモータと印字機構とカム体
モータとを備え、キャリッジモータをキャリッジ本体の
重心近くに、キャリッジ中心線に対して、印字機構と左
右対象位置に配設したので、キャリッジ本体を重量バラ
ンスの良い位置で移動駆動できることから、キャリッジ
本体をスムーズに移動できる。しかも、重量バランスの
良いキャリッジ中心線に対応する位置で印字ハンマーが
駆動されるので、印字ハンマーによる印字品質を良好に
できる。更に、ホイールモータを、前記印字機構の後方
においてプラテンの下側に位置するように配設したの
で、このホイールモータを取付ける為のスペース分だけ
キャリッジ本体の前後方向の寸法を小さくできることか
ら、キャリッジの前側に配設する電子制御用の電子基板
の為のスペースを十分に確保できる。
【0041】請求項2の印字装置によれば、前記カム体
モータの出力軸に固着されたピニオンと、カム体に形成
された前記ピニオンに噛合した従動ギヤとからなる減速
ギヤ機構を設けたので、カム体に作用する負荷変動に対
する駆動モータの回転速度の変動は、この減速ギヤ比に
対応して減少するだけでなく、逆に駆動モータの回転速
度の変動に対するカム体の回転速度の変動も同様にこの
減速ギヤ比に対応して減少するので、印字ハンマーによ
る印字動作が安定する。また、複数の駆動機構を駆動す
る為のカム体とこれを駆動するカム体モータとの配置に
自由度が生じる。更に、印字ハンマーの移動速度と、こ
れらピニオンと従動ギヤとの減速ギヤ比から生じるカム
体モータの大きなトルクとにより、印字ハンマーをプラ
テンに対して強力に押圧打撃でき、カム体モータの駆動
制御をスリット信号を用いることなく簡単化できる上、
良好な印字品質を得ることができる。
【0042】請求項3の印字装置によれば、前記カム体
は、ハンマー駆動カムと、従動ギヤと、検出用ディスク
と、リボン送りカムと、リボンリフトカムとを一体形成
したので、これらのカムの各々の位相を合わせる位相調
整作業を不要にできる上、カム体を簡単にしかも安価に
製作できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子タイプライタの内部機構の側面図である。
【図2】ホルダ部材の平面図である。
【図3】図1のA矢視図である。
【図4】電子タイプライタの内部機構の部分正面図であ
る。
【図5】電子タイプライタの内部機構の要部縦断側面図
である。
【図6】印字作動時における図5相当図である。
【図7】図1のB矢視図である。
【図8】ホルダ部材のキャリッジ本体への取付け時のホ
ルダ部材及びキャリッジ本体の部分斜視図である。
【図9】電子タイプライタの内部機構の部分側面図であ
る。
【図10】消去機構を説明する図9相当図である。
【図11】リボンリフトカム及び従動ピンの分解斜視図
である。
【図12】消去位置における図9相当図である。
【図13】消去リボン巻取り機構を説明する図9相当図
である。
【図14】従動ピン及びカムフォロワの運動曲線を示す
線図である。
【図15】内部機構の要部背面図である。
【図16】活字ホイールを着脱するときの図5相当図で
ある。
【図17】図3C−C線縦断正面図である。
【符号の説明】
1 電子タイプライタ 3 プラテン 8 ガイド軸 9 ガイド軸 11 キャリッジ本体 15 印字機構 16 カム体駆動モータ 17 ピニオン 20 カム体 21 印字用カム 22 従動ギヤ 23 位置検出用ディスク 24 リボン送りカム 25 リボンリフトカム 27 回動レバー 27a 印字ハンマー 29 カムフォロワ 62 ホイール駆動モータ 72 活字ホイール 76 キャリッジ駆動モータ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 印字装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、活字ホイール式印字装
置に関し、特に印字機構やカム体駆動モータやホイール
モータなどを備えたキャリッジを、キャリッジ本体に搭
載したキャリッジモータで重量バランス上最良となるそ
の重心近くにおいて駆動するようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、印字ハンマーや活字ホイールや印
字リボンや消去リボン及びこれらの駆動機構をキャリッ
ジ本体に設け、文字の印字及び消去が可能な活字ホイー
ル式電子タイプライタは周知のものである。
【0003】ところで、本願出願人は、特開平4−23
5082号公報において、印字リボンを載置したホルダ
部材の位置切換え機構や印字ハンマー駆動機構や印字リ
ボン巻取り機構及び消去リボン巻取り機構を、キャリッ
ジ本体に設けた1台の駆動モータで回転駆動されるカム
体に作動的に連動させて、カム体を駆動モータで直接駆
動するようにし、製作コストを低減でき且つキャリッジ
をコンパクト化し得る電子タイプライタを提案した。
【0004】この電子タイプライタにおいては、前記駆
動モータの駆動軸に、印字ハンマー駆動用の印字用カム
と、複数のスリットが等間隔に形成されたエンコーダデ
ィスクと、印字リボンをステップ送りするリボン供給用
カムと、ホルダ部材を印字位置から消去位置に上昇させ
る為の上昇用カムとからなるカム体が固着され、この駆
動モータの所定回転方向への駆動でカム体を回転駆動す
ることにより、印字用カムで印字ハンマーをプラテンに
押圧打撃する印字作動が実行される一方、リボン供給用
カムで印字リボンのステップ送り作動などの一連の作動
が実行される。ここで、印字動作時には、エンコーダデ
ィスクからのスリット信号に基いて駆動モータの回転速
度を微少時間毎の演算により制御するようになってい
る。更に、キャリッジ本体の後端側に設けたホイール駆
動モータで活字ホイールを回転駆動するとともに、プラ
テンの下側に対応するケーシングに設けたキャリッジ駆
動モータによりワイヤを介してキャリッジ本体を移動駆
動するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、本願
出願人が提案した前記電子タイプライタにおいては、キ
ャリッジ本体に、駆動モータとこの駆動モータで駆動さ
れるカム体とからなる印字機構、ホイール駆動モータ、
その他複数の駆動機構を設け、しかも駆動モータの駆動
軸にカム体を固着したので、これら駆動機構とカム体と
の位置関係が制約される上、ホイール駆動モータをキャ
リッジ本体の後部に設けることから、これら駆動機構に
対するカム体と駆動モータとの配置に自由度が無く、キ
ャリッジ本体の特に前後方向の寸法が大きくなり、キャ
リッジ本体が前方に延びて大型化するため、キャリッジ
の前側に配設する電子制御用の電子基板の為のスペース
を十分に確保できないという問題がある。
【0006】また、カム体を駆動モータで直接駆動する
ことから、カム体に作用する負荷変動が駆動モータの回
転速度に直接影響するだけでなく、逆に駆動モータの回
転速度の変化がカム体に直接影響して、印字ハンマーに
よる印字動作が安定し難く、駆動モータの駆動制御が複
雑化するという問題がある。
【0007】更に、キャリッジ本体をケーシングに設け
たキャリッジ駆動モータによりワイヤを介して移動駆動
するように構成されているので、ワイヤやこのワイヤー
を駆動するプーリなど部品点数が多くなり、ワイヤテン
ションなどの調整作業を必要とする。
【0008】加えて、前記カム体のうち、リボン供給用
カムと上昇用カムとは一体的に形成されているが、印字
用カムは、これらリボン供給用カム及び上昇用カムとは
別体なので、これら一体形成されたカムの位相と印字用
カムの位相とを所定の位相関係に合わせる為の位相調整
作業が必要となるという問題がある。
【0009】本発明の目的は、キャリッジ本体をより小
型化でき、キャリッジ本体に備えたキャリッジモータに
より直接移動駆動できしかも重量バランス上最良位置で
あるキャリッジの重心の近くでキャリッジを移動駆動し
得るような印字装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の印字装置は、
左右方向に延びるプラテンと、プラテンの前側に沿って
印字方向に移動自在に案内されたキャリッジ本体と、キ
ャリッジ本体に搭載されキャリッジ本体を駆動するキャ
リッジモータと、活字ホイールと、活字ホイールを回転
駆動するホイールモータと、印字ハンマーとカム体とを
含みカム体の回転に作動的に連動して印字ハンマーを印
字作動させる印字機構と、カム体を回転駆動するカム体
モータとを備え、キャリッジモータは、キャリッジの重
心の近くにおいて、印字ハンマーに対応するキャリッジ
中心線に対して、印字機構と略左右対象位置に配設さ
れ、ホイールモータは、前記印字機構の後方においてプ
ラテンの下側に位置するように配設したものである。
【0011】請求項2の印字装置は、請求項1の印字装
置において、前記カム体は、印字ハンマー駆動用のハン
マー駆動カムと、カム体の回転位置検出用の検出用ディ
スクと、印字リボン送り用のリボン送りカムと、コレク
ションリボンリフト用のリボンリフトカムとを、一体形
成したものである。
【0012】
【作用】請求項1の印字装置においては、プラテンの前
側に沿って印字方向に移動自在に案内されたキャリッジ
本体に、キャリッジ本体を駆動するキャリッジモータ
と、活字ホイールと、活字ホイールを回転駆動するホイ
ールモータと、印字ハンマーとカム体とを含みカム体の
回転に作動的に連動して印字ハンマーを印字作動させる
印字機構と、カム体を回転駆動するカム体モータとを備
え、キャリッジモータは、キャリッジの重心の近くにお
いて、印字ハンマーに対応するキャリッジ中心線に対し
て、印字機構と略左右対象位置に配設されているので、
キャリッジ本体を重量バランスの良い位置で移動駆動で
きることから、キャリッジ本体をスムーズに移動でき
る。しかも、重量バランスの良いキャリッジ中心線に対
応する位置で印字ハンマーが駆動されるので、印字ハン
マーによる印字品質を良好にできる。
【0013】更に、ホイールモータを、前記印字機構の
後方においてプラテンの下側に位置するように配設した
ので、このホイールモータを取付ける為のスペース分だ
けキャリッジ本体の前後方向の寸法を小さくできること
から、キャリッジの前側に配設する電子制御用の電子基
板の為のスペースを十分に確保できる。
【0014】請求項2の印字装置においては、印字ハン
マー駆動用のハンマー駆動カムと、検出用ディスクと、
リボン送りカムと、リボンリフトカムとからなるカム体
を一体形成することから、これらのカムの各々の位相を
合わせる位相調整作業を不要にできる上、カム体を簡単
にしかも安価に製作できる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面に基いて
説明する。
【0016】本実施例は、直流モータからなるカム体駆
動モータで、印字動作とこれに伴う印字リボンの巻取り
動作、消去動作とこれに伴う消去リボン(コレクション
リボン)の巻取り動作を行なうようにした電子タイプラ
イタに本発明を適用した場合のものである。
【0017】図1に示すように、タイプライタ1のケー
シングの内部の左右両端には夫々側壁板(機枠)2が前
後方向向きに設けられ、その1対の側壁板2間に配設さ
れたプラテン3は、そのプラテン軸4の両端部近傍にお
いて両側壁板2に回転可能に支持されるとともに、プラ
テン軸4の左端部に固着した従動ギヤ(図示略)を介し
て図示外のラインフィードモータにより回転駆動され
る。
【0018】前記1対の側壁板2間には、更にラック7
と前後1対のガイド軸8・9とがプラテン3と平行に配
設されており、これらガイド軸8・9に左右方向移動可
能に支持されたキャリッジ10について説明する。
【0019】先ず、キャリッジ本体11について、図1
〜図3に基いて説明する。
【0020】キャリッジ本体11は、前側のガイド軸8
に左右方向摺動自在に外嵌された円筒状の第2脚部11
aと、後側のガイド軸9に左右方向摺動自在に外嵌され
た円筒状の第1脚部11bと、これら第1・第2脚部1
1b・11aを連結する前後方向向きで且つ立設された
第1主壁11c及び第2主壁11dを含み補強の為のリ
ブを複数設けた連結フレーム11eとを合成樹脂材料で
一体的に成形されたものである。ここで、断面略U字状
の第1主壁11cはキャリッジ本体11の左右方向の略
中央部に形成され、また断面略U字状の第2主壁11d
はその右端部に形成されている。
【0021】次に、印字機構15について、図1〜図6
に基いて説明する。
【0022】ラック7の直ぐ前側の第1主壁11cには
その左側にカム体駆動モータ16が取付けられ、このカ
ム体駆動モータ16の駆動軸16aは第1主壁11cを
挿通して右方へ延び、その先端部には小径のピニオン1
7が固着されている。
【0023】一方、カム体駆動モータ16の後方斜め上
側において、プラテン3と平行な枢支軸18の左右両端
部が両主壁11c・11dに夫々回転可能に枢支され、
この枢支軸18には、図4・図7に示すようにカム体駆
動モータ16側から印字用カム(ハンマー駆動カムに相
当)21、従動ギヤ22、回転位置検出用ディスク2
3、リボン送りカム24、リボンリフトカム25とが一
体的に形成された合成樹脂製のカム体20が左右方向移
動不能に固着されている。そして、この従動ギヤ22は
前記ピニオン17に噛合されている。尚、ピニオン17
と従動ギヤ22とで減速機構が構成されており、ピニオ
ン17と従動ギヤ22とのギヤ比は1:2.5 である。
【0024】このように、印字用カム21、従動ギヤ2
2、回転位置検出用ディスク23、リボン送りカム2
4、リボンリフトカム25とが一体的に形成されている
ので、これらのカムの各々の位相を合わせる位相調整作
業を不要にできる上、カム体20を簡単にしかも安価に
製作できる。
【0025】一方、側面視略逆く字状の回動レバー27
の下端部は、第1脚部11b近傍位置に対応する両主壁
11c・11dに回転可能に支持された枢支軸28に固
着され、その高さ方向中段部には、前記印字用カム21
のカム面に当接するカムフォロワ29が回転可能に枢着
され、更にその上端部は後方に屈曲されて印字ハンマー
27aが形成されている。そして、このカムフォロワ2
9が印字用カム21のカム面に常に当接するように、引
っ張りバネ30が回動レバー27と枢支軸18とに亙っ
て張架されている。ここで、符号31は印字リボンPR
を収納したリボンカセットであり、符号35はこのリボ
ンカセット31を載置するとともに、図1に示す印字位
置と図13に示す上昇した消去位置とに亙って揺動可能
なホルダ部材である。
【0026】前記印字用カム21は、図5・図14に示
すように、側面視略巴形状で、この印字用カム21の外
側の湾曲状カム面は、印字開始時におけるカム体20つ
まり印字用カム21の設定された正規の印字開始の位相
角を0°とし、この位相角0°から約60°までの印字
待機範囲においては、半径が等しい等半径になってお
り、この位相角約60°から位相角約140°に亙って
半径拡大率が大きくなっており、この位相角約140°
以降においては半径拡大率が微少になっている。しか
も、印字ハンマー27aの打撃後においてもカムフォロ
ワ29が外周カム面から外れないように、印字用カム2
1には湾曲状カムが延長して形成されている。
【0027】ここで、図14に示すように、印字開始時
におけるカムフォロワ29はこの印字待機範囲の何れか
の位置に位置していることになる。
【0028】そして、カム体駆動モータ16の所定回転
方向への駆動により、ピニオン17と従動ギヤ22とを
介してカム体20つまり印字用カム21が図6にて時計
回転方向に、例えば約180°分高速で回転されると、
カムフォロワ29が印字用カム21の湾曲状カム面に沿
って後方に約10mm移動するので、回動レバー27が枢
支軸28を回動中心として反時計回転方向に急速に回動
され、印字ハンマー27aは、回動レバー27の後方へ
の回動により、活字ホイール72の活字72a及び印字
リボンPRを介してプラテン3を強力に押圧打撃する。
【0029】ここで、カム体20は、このカム体20に
形成された従動ギヤ22とカム体駆動モータ16の駆動
軸16aに固着されたピニオン17とからなる減速ギヤ
機構を介して駆動されるので、カム体20に作用する負
荷変動に対するカム体駆動モータ16の回転速度の変動
は、この減速ギヤ比に対応して減少するだけでなく、逆
にカム駆動モータ16の回転速度の変動に対するカム体
20の回転速度の変動も同様にこの減速ギヤ比に対応し
て減少するので、印字ハンマー27aによる印字動作が
安定する。また、複数の駆動機構を駆動する為のカム体
20とこれを駆動するカム体駆動モータとの配置に自由
度が生じ、キャリッジ本体11の前後方向の寸法をより
小さくできる。
【0030】更に、印字ハンマー27aの移動速度と、
これらピニオン17と従動ギヤ22との減速ギヤ比から
生じるカム体駆動モータ16の大きな慣性力とにより、
印字ハンマー27aをプラテン3に対して強力に押圧打
撃でき、カム体駆動モータ16の駆動制御を簡単化でき
る上、良好な印字品質を得ることができる。
【0031】ところで、図6に示すように、回動レバー
27の回動中心位置を、印字ハンマー27aがプラテン
3を打撃する打撃点における接線S1近傍で且つ第1脚
部11bの近傍に設け、しかもこの回動中心位置をカム
フォロワ29より下側に設けた上、回動中心位置から印
字ハンマー27aまでの距離を長くしたので、印字ハン
マー27aの打撃方向は、前記打撃点から接線S1と直
交してプラテン3の中心に向かう直交方向S2となり、
活字72aを均等に押圧することから印字品質が良くな
る。
【0032】ここで、前記検出用ディスク23について
簡単に説明すると、図9・図14に示すように、正規の
印字開始の位相角を0°とすると、この検出用ディスク
23の外周部には、位相角65°から位相角160°に
亙って第1切欠き23aが形成されるとともに、0°か
ら−35°に亙って第2切欠き23bが形成されてい
る。そして、図17に示すようにこの検出用ディスク2
3の下端部には、これら第1・第2切欠き23a・23
bを検出する為のフォトセンサ36がキャリッジ本体1
1に固着されている。
【0033】そして、フォトセンサ36からは、図14
に示すように、これら第1・第2切欠き23a・23b
に対応して「L」レベルの位置検出信号が出力されると
ともに、第1・第2切欠き23a・23b以外のときに
「H」レベルの位置検出信号が出力される。
【0034】次に、前記ホルダ部材35について説明す
ると、図1・図2・図7に示すように、リボンカセット
31を載置支持する為の板状の支持板35aと、支持板
35aの外周部で下側に延びる外周壁部35bと、リボ
ンカセット31の前端部を保持する為に支持板35aの
略前端部に立設された前壁部35cと、支持板35aの
前端近傍部に設けられた側面視略b字状の1対のヒンジ
部35dとが一体的に形成された合成樹脂製のものであ
る。
【0035】そして、このホルダ部材35を前記キャリ
ッジ本体11に揺動可能に取付けるときには、図7・図
8に示すように、ホルダ部材35の後端部を上方に大き
く揺動させた姿勢で、先ずホルダ部材35を下方に移動
させた後右方に移動させて、両ヒンジ部35dを第2脚
部11aに形成されたピン取付け部11gの1対のピン
部11hに対応させて係合させ、その後ホルダ部材35
を印字位置の姿勢となるまでその後端を降下させる。こ
のとき、ホルダ部材35は、1対のピン部11hとヒン
ジ部35dとを介してキャリッジ本体11に揺動可能に
枢支されるとともに、ホルダ部材35の右側の外周壁部
35bに形成された当接部35eが、右側のピン取付け
部11gに右方から当接しているので、印字動作や消去
動作の実行時に、これらピン部11hとヒンジ部35d
との係合が外れることはない。
【0036】次に、印字動作毎に印字リボンPRを所定
量だけ巻取りスプールに巻取る印字リボン巻取り機構4
0について、図4・図7・図9に基いて説明する。
【0037】ホルダ部材35の下側の左端部には、複数
の歯を有するラチェットホイール41がピン42で回転
可能に枢支され、このピン42に回転可能に支持され且
つ送り爪43aを設けた第3揺動部材43はホルダ部材
35に回動自在に枢着された第2揺動部材44に連結ピ
ン45を介して連結され、この第2揺動部材44は引っ
張りバネ46により、図7において反時計回転方向に弾
性付勢されている。尚、巻取りスプール47は前記ピン
42に固着されている。
【0038】一方、前記リボン送りカム24は、図9に
示すように、側面視略楕円形状の偏心カムであり、キャ
リッジ本体11に前後揺動可能に下端部が枢支された第
1揺動部材48の上端近傍部の後側面がこのリボン送り
カム24に当接している。更に、この第1揺動部材48
の上端部の前側面には、前記第2揺動部材44の右端部
が当接している。従って、リボン送りカム24がカム体
駆動モータ16により印字方向Pに回転すると、第1揺
動部材48はリボン送りカム24のカム形状により前方
に移動するときに、第2揺動部材44の右端部も同時に
前方に移動し、第2揺動部材44が図7にて二点鎖線で
示すように時計回転方向に回動され且つ第3揺動部材4
3が反時計回転方向に回動して送り爪43aによりラチ
ェットホイール41が1歯分だけ回動され、印字リボン
PRが印字直前に巻取りスプール47によ所定量だけス
テップ送りされる。
【0039】次に、文字消去時に消去リボンCRを印字
ハンマー27aに対向させる為に、ホルダ部材35を印
字位置から消去位置に上昇させる消去機構50につい
て、図10・図11に基いて説明する。
【0040】前記リボンリフトカム25には、このカム
25の回転中心から等半径を有する基準カム25aと、
この基準カム25aから連続して半径拡大方向に延びる
第1傾斜カム面25bと、この第1傾斜カム面25bに
途中部において連なり且つ外周カム面25dに連なる第
2傾斜カム面25cとが形成されるとともに、外周カム
面25dの右端部から外周壁25eが半径拡大方向に延
びている。
【0041】前記外周壁25eの一部には、外周壁25
eと第1傾斜カム面25bの右端面の右方突出部21p
との左右方向の差分つまり従動ピン51が左右方向に移
動する総移動量(約5mm)の約1/3だけ外周壁25e
から浅い浅底面21hが形成され、更にこの浅底面21
hからこの右端面25gに連なる傾斜面25iが形成さ
れている。尚、この傾斜面25iの内周側の深さは外周
側の深さに対して前記総移動量の約1/3だけ浅くなっ
ている。また、浅底面21hの進角側部分及び遅角側部
分は傾斜面で外周壁25eに夫々連結されている。
【0042】次に、このリボンリフトカム25に右方か
ら当接する従動ピン51は、ホルダ部材35の右側の外
周壁部35bに取付けられた支持部材52の下端部に左
右方向移動可能に支持され、コイルバネ(図示略)によ
り常に左方へ弾性付勢されている。
【0043】この従動ピン51は、印字開始時には、図
10に示すように、ホルダ部材35の自重により、その
ピン先部を基準カム25aに上方から当接させてホルダ
部材35を図10に示す印字位置に支持するとともに、
前記右端面25gに右方から弾性付勢されている。即
ち、ホルダ部材35の上下揺動量はこの従動ピン51の
上下方向の移動量により決定される。
【0044】従って、リボンリフトカム25が図14に
示す印字開始の位相角からカム体駆動モータ16により
印字方向Pと反対方向(反印字方向という)に所定角度
だけ回転したとき、従動ピン51は第1傾斜カム面25
bにより上方へ移動するので、ホルダ部材35もその上
方への移動距離に応じて上方に揺動し、その後リボンリ
フトカム25が印字方向Pに回転されると、従動ピン5
1は第2傾斜カム面25cを経て外周カム面25dに到
達するので、ホルダ部材35は更に上方に揺動して、図
12に示す消去位置に切換えられる。このとき、消去リ
ボンCRは印字ハンマー27aに対向した位置となる。
【0045】次に、文字消去時に消去リボンCRを所定
量だけ巻取りスプールに巻取る消去リボン巻取り機構5
5について、図7・図13に基いて説明する。
【0046】前記ホルダ部材35の後端部の左側の外周
壁部35bには、消去リボンCRの供給スプール56が
回転可能に枢着され、対応する右側の外周壁部35bに
は、消去リボンCRの巻取りスプール57が回転自在に
枢着されている。この巻取りスプール57には、複数の
歯を有するラチェットホイール58が設けられ、このラ
チェットホイール58の前側には、ラチェットホイール
58に当接して1歯分ずつ回動させる為の送り爪59が
キャリッジ本体11に取付けられている。
【0047】即ち、消去機構50で説明したように、印
字開始時の設定された正規のカム体20の位相角を0°
とし、リボンリフトカム25を反印字方向に約45°
(以下−45°という)回転させたとき、従動ピン51
は第1傾斜カム面25bに沿って上昇した後、第2傾斜
カム面25c上に位置する。このとき、従動ピン51は
基準カム25aの位置に対して約2mm上昇した位置であ
る。
【0048】そして、ここでリボンリフトカム25が印
字方向Pに回転したとき、従動ピン51は第2傾斜カム
面25c上を移動した後、外周カム面25dに到達す
る。このとき、従動ピン51は基準カム25aに対して
約5.5 mm上昇した位置となり、ホルダ部材35は、消去
リボンCRが印字ハンマー27aに対向する消去位置に
切換えられる。ここで、この上昇途中において、送り爪
59でラチェットホイール58の現在係合中の歯を下側
に1歯分だけ回動させるので、消去リボンCRが所定量
だけ巻取りスプール57に巻取られてステップ送りされ
る。
【0049】ところで、前述したように、ホルダ部材3
5の上昇時に消去リボンCRを巻取る構成なので、ホル
ダ部材35には、リボンリフトカム25に連結した従動
ピン51と支持部材52とを介して上昇力が作用する一
方、消去リボンCRの巻取りの為に下方向の負荷が作用
する。これら上昇力と負荷の作用力が大きい場合でも、
上昇力が作用するホルダ部材35の部位と負荷の作用力
が作用するホルダ部材35の後端部の右端部とは、非常
に接近した位置関係なので、ホルダ部材35が合成樹脂
製でも、十分な強度が得られる。
【0050】次に、前記活字ホイール72を駆動するホ
イール駆動機構61について、図3・図15に基いて説
明する。
【0051】ステッピングモータからなるホイール駆動
モータ62はモータホルダ63にビス止めにて取付けら
れ、このモータホルダ63はキャリッジ本体11の後端
壁部11fに後方からビス止めされ、ホイール駆動モー
タ62の駆動軸62aは後端壁部11fを挿通して前方
に延び、後端壁部11fの前側に形成されたホイール収
容部64において駆動ギヤ65が固着されている。つま
り、ホイール駆動モータ62はプラテン3の下側に位置
している。
【0052】前記駆動ギヤ65に噛合される大径のホイ
ール駆動ギヤ66は、その回転中心位置を印字ハンマー
27aに対向する位置でキャリッジ本体11にスピンド
ル部66aを介して回転可能に枢支されている。尚、符
号67は、ホイール駆動ギヤ66の原点位置を設定する
為の原点レバーであり、符号68はペーパーメータであ
る。
【0053】一方、ホイール収容部64の前面側には、
図3に示すように、上端部に操作部69aを有する平板
状のホイール保持板69が、ホイール収容部64にセッ
トされた活字ホイール72を前方から押圧可能に、その
下端部においてキャリッジ本体11に設けた枢支軸70
を介して前後揺動自在に枢支されている。更に、この枢
支軸70には、ホイール保持板69を後方へ弾性付勢す
る巻きバネ71が設けられている。尚、ホイール保持板
69の下端部は後方に曲げられて活字ホイール72を受
ける受け部69bが形成されている。
【0054】そして、活字ホイール72を装着するとき
には、図16に示すように、先ずホイール保持板69を
巻きバネ71のバネ力に抗して前方に回動させた状態で
活字ホイール72をホイール収容部64内で受け部69
b上に配置し、その後ホイール保持板69を巻きバネ7
1の付勢力で後方に揺動させる。このとき、活字ホイー
ル72の中央部に形成された係合孔72bにスピンドル
部66aが内嵌するとともに、活字ホイール72の中央
部分がホイール駆動ギヤ66の前端面に押圧され、活字
ホイール72はスピンドル部66aに係合して位置決め
された状態で、ホイール駆動ギヤ66とホイール保持板
69間に弾性挟持される。
【0055】次に、前記キャリッジ本体11を左右方向
に移動駆動させるキャリッジ駆動機構75について、図
1・図3・図17に基いて説明する。
【0056】ここで、キャリッジ本体11には、前述し
たように、カム体駆動モータ16、カム体20、回動レ
バー27、印字リボン巻取り機構40、消去機構50、
消去リボン巻取り機構55、ホルダ部材35、ホイール
駆動機構61、ホイール駆動モータ62など多数の部材
や機構が設けられており、キャリッジ10の重心Gは、
図3に示すように、第1主壁11cの直ぐ左側で且つラ
ック7の直ぐ後側に位置している。
【0057】キャリッジ駆動モータ76は、キャリッジ
10の重心Gの直ぐ後側で前向きに配設され、つまり重
心Gの近くにおいて、印字ハンマー27aに対応するキ
ャリッジ中心線Lに対して、カム体20と左右対象位置
に配設され、ギヤ機構を介してラック7との係合により
キャリッジ本体11を左右方向に移動駆動するように構
成されている。
【0058】このギヤ機構について、図1・図3・図1
7に基いて説明すると、キャリッジ駆動モータ76は、
平面視略コ字状のモータホルダ77に取付けられ、この
モータホルダ77はその下端部においてピン78でキャ
リッジ本体11に回動可能に枢支されている。キャリッ
ジ駆動モータ76の駆動軸76aはモータホルダ77を
挿通して前方に延びてピニオン79が固着され、このピ
ニオン79に噛合する大径の従動ギヤ80はそのモータ
ホルダ77に回転可能に枢支され、この従動ギヤ80に
一体的に形成された小径の当接ギヤ80aがラック7の
上面の歯に噛合されている。
【0059】更に、ラック7の下側とその前後両側に当
接する補助ローラ81がキャリッジ本体11の下部に回
転可能に枢支され、しかもモータホルダ77の上端部と
第1主壁11cとに亙って張架された引っ張りバネ82
の弾性付勢により、当接ギヤ80aとラック7の歯との
バックラッシュを解消するように構成されている。
【0060】そして、キャリッジ駆動モータ76が回転
駆動されると、ピニオン79と従動ギヤ80とを介して
当接ギヤ80aとラック7の歯との噛合によりキャリッ
ジ本体11が左方或いは右方へ移動駆動される。このと
き、キャリッジ駆動モータ76は、キャリッジ10の重
心の近くにおいて、印字ハンマー27aに対応するキャ
リッジ中心線Lに対して、主にカム体駆動モータ16と
カム体20とからなる印字機構16と略左右対象位置に
配設されているので、キャリッジ本体11を重量バラン
スの良い位置で移動駆動できることから、キャリッジ本
体11をスムーズに移動できる。しかも、重量バランス
の良いキャリッジ中心線Lに対応する位置で印字ハンマ
ー27aが駆動されるので、印字ハンマー27aによる
印字品質を良好にできる。
【0061】尚、前記ピニオン17と従動ギヤ22とか
らなる減速ギヤ機構の減速ギヤ比は、印使用カム21の
形状やカム体駆動モータ16の性能に応じて適宜変更す
ることが可能である。また、この減速ギヤ機構において
は、従動ギヤを複数枚設けて構成することも可能であ
る。尚、前記印字機構15において、キャリッジ中心線
Lに対して、左右反対に構成することもあり得る。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の印字装
置によれば、プラテンと、このプラテンの前側に沿って
移動自在に案内されたキャリッジ本体にキャリッジモー
タと活字ホイールとホイールモータと印字機構とカム体
モータとを備え、キャリッジモータをキャリッジ本体の
重心近くに、キャリッジ中心線に対して、印字機構と左
右対象位置に配設したので、キャリッジ本体を重量バラ
ンスの良い位置で移動駆動できることから、キャリッジ
本体をスムーズに移動できる。しかも、重量バランスの
良いキャリッジ中心線に対応する位置で印字ハンマーが
駆動されるので、印字ハンマーによる印字品質を良好に
できる。
【0063】更に、ホイールモータを、前記印字機構の
後方においてプラテンの下側に位置するように配設した
ので、このホイールモータを取付ける為のスペース分だ
けキャリッジ本体の前後方向の寸法を小さくできること
から、キャリッジの前側に配設する電子制御用の電子基
板の為のスペースを十分に確保できる。
【0064】請求項2の印字装置によれば、前記カム体
は、ハンマー駆動カムと、検出用ディスクと、リボン送
りカムと、リボンリフトカムとを一体形成したので、こ
れらのカムの各々の位相を合わせる位相調整作業を不要
にできる上、カム体を簡単にしかも安価に製作できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子タイプライタの内部機構の側面図である。
【図2】ホルダ部材の平面図である。
【図3】図1のA矢視図である。
【図4】電子タイプライタの内部機構の部分正面図であ
る。
【図5】電子タイプライタの内部機構の要部縦断側面図
である。
【図6】印字作動時における図5相当図である。
【図7】図1のB矢視図である。
【図8】ホルダ部材のキャリッジ本体への取付け時のホ
ルダ部材及びキャリッジ本体の部分斜視図である。
【図9】電子タイプライタの内部機構の部分側面図であ
る。
【図10】消去機構を説明する図9相当図である。
【図11】リボンリフトカム及び従動ピンの分解斜視図
である。
【図12】消去位置における図9相当図である。
【図13】消去リボン巻取り機構を説明する図9相当図
である。
【図14】従動ピン及びカムフォロワの運動曲線を示す
線図である。
【図15】内部機構の要部背面図である。
【図16】活字ホイールを着脱するときの図5相当図で
ある。
【図17】図3C−C線縦断正面図である。
【符号の説明】 1 電子タイプライタ 3 プラテン 8 ガイド軸 9 ガイド軸 11 キャリッジ本体 15 印字機構 16 カム体駆動モータ 17 ピニオン 20 カム体 21 印字用カム 22 従動ギヤ 23 位置検出用ディスク 24 リボン送りカム 25 リボンリフトカム 27 回動レバー 27a 印字ハンマー 29 カムフォロワ 62 ホイール駆動モータ 72 活字ホイール 76 キャリッジ駆動モータ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右方向に延びるプラテンと、プラテン
    の前側に沿って印字方向に移動自在に案内されたキャリ
    ッジ本体と、キャリッジ本体に搭載されキャリッジ本体
    を駆動するキャリッジモータと、活字ホイールと、活字
    ホイールを回転駆動するホイールモータと、印字ハンマ
    ーとカム体とを含みカム体の回転に作動的に連動して印
    字ハンマーを印字作動させる印字機構と、カム体を回転
    駆動するカム体モータとを備え、 前記キャリッジモータは、キャリッジの重心の近くにお
    いて、印字ハンマーに対応するキャリッジ中心線に対し
    て、印字機構と略左右対象位置に配設され、 前記ホイールモータは、前記印字機構の後方においてプ
    ラテンの下側に位置するように配設された、 ことを特徴とする印字装置。
  2. 【請求項2】 前記カム体モータの出力軸に固着された
    ピニオンと、カム体に形成され前記ピニオンに噛合した
    従動ギヤとからなる減速ギヤ機構を設けたことを特徴と
    する請求項1に記載の印字装置。
  3. 【請求項3】 前記カム体は、印字ハンマー駆動用のハ
    ンマー駆動カムと、前記従動ギヤと、カム体の回転位置
    検出用の検出用ディスクと、印字リボン送り用のリボン
    送りカムと、コレクションリボンリフト用のリボンリフ
    トカムとを、一体形成してなることを特徴とする請求項
    2に記載の印字装置。
JP10036393A 1993-04-01 1993-04-01 印字装置 Pending JPH06286256A (ja)

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