JPH06286009A - プラスチックレンズおよびその製造方法 - Google Patents

プラスチックレンズおよびその製造方法

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JPH06286009A
JPH06286009A JP9557293A JP9557293A JPH06286009A JP H06286009 A JPH06286009 A JP H06286009A JP 9557293 A JP9557293 A JP 9557293A JP 9557293 A JP9557293 A JP 9557293A JP H06286009 A JPH06286009 A JP H06286009A
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JP
Japan
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group
polymerizable unsaturated
aromatic ring
substance
plastic lens
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JP9557293A
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English (en)
Inventor
Nobuyoshi Nakamura
順悦 中村
Tsuneo Asami
常雄 浅見
Kazuo Inoue
和夫 井上
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HANNOU KOKI SEISAKUSHO KK
Original Assignee
HANNOU KOKI SEISAKUSHO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ラジカル重合可能な不飽和基、芳香環、および
ハロゲン元素のいずれをも有しないOH基を有する物質
を10〜105 ppm含有する芳香環含有多官能性単量
体から屈折率1.51以上のプラスチックレンズを製造
する。 【効果】芳香環を含まない樹脂からなるプラスチックレ
ンズと同等以上の透明性および色調レベルを有しかつ高
屈折率を有するプラスチックレンズが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明性および色調の優
れたプラスチックレンズおよびその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、眼鏡レンズとしては、プラスチッ
クレンズが軽量、易染性、加工容易性、耐衝撃性におい
てガラスより優れているため主流となっている。特に、
視力矯正用レンズの材料としては、熱硬化性樹脂である
ポリジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂
が、上記に加えて切削研磨性が優れているため広く使用
されている。
【0003】しかし、ポリジエチレングリコールビスア
リルカーボネート樹脂は屈折率が1.50であるため、
凹レンズにした場合、レンズの度数が大きくなるとガラ
スレンズに比べてレンズの周辺部の肉厚が大きくなると
いう欠点がある。これらの問題を解決すべくレンズ材料
の屈折率を高くした樹脂が各種提案されている。
【0004】一般に、高屈折率の樹脂としては、(a)
芳香環、(b)フッ素を除くハロゲン元素、または
(c)金属塩、を有する単量体から得られる樹脂が有効
である。特に、高屈折率のレンズとしては、(a)を有
する芳香族ビニル単量体の重合体、または(a)と
(b)の両者を有する核ハロゲン置換芳香族ビニル単量
体の重合体が用いられている。
【0005】具体例としては、(a)を有するものとし
ては、ビスフェノールAジメタクリレートとスチレンの
共重合体(特公昭58−17527)、ビスフェノール
A基を有するジアクリレートとビスフェノールオキシエ
チルアクリレートの共重合体(特開昭59−9370
8)、ビスフェノールA基を有するジアクリレートとジ
アリルイソフタレートを主成分とする共重合体(特開昭
59−191708)が知られている。(a)と(b)
の両者を有するものとしては、テトラブロモビスフェノ
ールA基を有するジアクリレートとスチレンの共重合体
(特公昭58−14449)、テトラブロモテレフタル
酸ジアリルエステルとフェニルメタクリレートの共重合
体(特開昭59−8709)、テトラクロロフタル酸ジ
アリルエステルとモノクロロスチレンの共重合体(特開
昭60−12501)等が屈折率1.51以上の高屈折
率を与えることが記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような高屈折率
のレンズの製造において、芳香環を含む単量体、ハロゲ
ンを含む単量体、さらに、両者が共存した単量体を重合
する場合、重合開始剤であるパーオキサイドの種類、
量、重合時の加熱条件によってレンズ成形体の着色化が
進みやすいという問題がある。このため、過度の酸化防
止剤、紫外線吸収剤等を添加して対処しているが、重合
度が低下してしまうことや、透明性および色調が必ずし
も満足なものが得られない。
【0007】また、レンズの色調と補色関係にある染料
を添加することにより実用上問題のない透明性および色
調を有するレンズを得ることが知られている(特開昭5
2−104940、特公平4−51801)。しかし、
この場合であっても、芳香環を含まない樹脂、例えばポ
リジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂、
からなるレンズと比較した場合、透明性および色調のレ
ベルはやはり劣ってしまうという問題がある。
【0008】本発明の目的は、芳香環を含まない樹脂か
らなるレンズと同等以上の透明性および色調レベルを有
しかつ高い高屈折率を有するプラスチックレンズおよび
その製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の問題点
を解決すべくなされた下記の発明である。
【0010】ラジカル重合可能な不飽和基を2以上有す
る多官能性単量体を含む単量体の重合体からなり、ラジ
カル重合可能な不飽和基、芳香環、およびハロゲン元素
のいずれをも有しないOH基を有する物質を10〜10
5 ppm含有する、屈折率が1.51以上のプラスチッ
クレンズ。
【0011】ラジカル重合可能な不飽和基を2以上有す
る多官能性単量体を含む単量体を、ラジカル重合可能な
不飽和基、芳香環、およびハロゲン元素のいずれをも有
しないOH基を有する物質が全単量体に対して10〜1
5 ppm存在する条件下に重合することを特徴とする
屈折率が1.51以上のプラスチックレンズの製造方
法。
【0012】さらに本発明においては、上述の重合体や
その製造方法において、OH基を有する物質とレンズ色
と補色関係にある染料を存在させることにより、さらに
大きな改善効果が得られる。
【0013】本発明においては、屈折率が1.51以上
のプラスチックレンズを得ることを目的とするものであ
ることより、単量体の少なくとも一部は少なくとも1個
の芳香環を含む単量体であることが好ましい。また、物
性の良好なレンズを得るために、単量体の少なくとも一
部はラジカル重合可能な不飽和基を2以上有する多官能
性単量体である必要がある。したがって、多官能性単量
体は少なくとも1個の芳香環を含む多官能性単量体であ
ることが好ましい。しかし多官能性単量体として芳香環
を含まないものを用い、少なくとも1個の芳香環を含む
単官能性単量体を併用して高屈折率のレンズを得ること
もできる。なお、芳香環を含まない多官能性単量体とし
て代表的な化合物はジエチレングリコールビスアリルカ
ーボネートである。
【0014】本発明における多官能性単量体は、全単量
体に対して10重量%以上使用することが、眼鏡レンズ
として要求される諸特性(光学特性、機械的特性、熱特
性等)の良好なレンズを得るために好ましい。また、屈
折率が1.51以上のプラスチックレンズを得ることが
できるかぎり、少なくとも1個の芳香環を含む単〜多官
能性単量体の量は特に限定されるものではない。しかし
その量は全単量体に対して20重量%以上であることが
好ましく、特に50重量%を超えることが好ましい。本
発明におけるより好ましいプラスチックレンズの屈折率
は1.53以上である。
【0015】少なくとも1個の芳香環を含む多官能性単
量体としては、ベンゼン環やナフタリン環を含み、かつ
ビニル基、アリル基、アクリロキシ基、およびメタクリ
ロキシ基から選ばれるラジカル重合可能な不飽和基を2
以上有する多官能性単量体が好ましい。このような多官
能性単量体としては、下記の単量体が例示されるがこれ
らに限られるものではない。
【0016】テレフタル酸ビスアリルエステル、フタル
酸ビスアリルエステル、イソフタル酸ビスアリルエステ
ル、トリメリット酸トリアリルエステル、テレフタル酸
ビス(アリロキシカルボニルメチル)エステル、5,
5’−ジメチルビフェニル−3,3’−ジカルボン酸ア
リルエステル、1,9−ジメトキシナフタリン−3,7
−ジカルボン酸アリルエステル、1,1’−ジメチルジ
フェニルメタン−3,3’−ジカルボン酸アリルエステ
ルなどの多価アリルエステル。
【0017】1,3−ベンゼンビスアリルカーボネー
ト、1,4−ナフタレンビスアリルカーボネート、1,
5−ナフタレンビスアリルカーボネート、1,6−ナフ
タレンビスアリルカーボネート、1,7−ナフタレンビ
スアリルカーボネート、2,6−ナフタレンビスアリル
カーボネート、2,7−ナフタレンビスアリルカーボネ
ート、4,4’−ジフェニルプロパンビスアリルカーボ
ネート、4,4’−ジフェニルスルホンビスアリルカー
ボネート、1,3−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼ
ンビスアリルカーボネート、1,5−ビス(ヒドロキシ
エトキシ)ナフタレンビスアリルカーボネート、1,6
−ビス(ヒドロキシエトキシ)ナフタレンビスアリルカ
ーボネート、1,7−ビス(ヒドロキシエトキシ)ナフ
タレンビスアリルカーボネート、2,6−ビス(ヒドロ
キシエトキシ)ナフタレンビスアリルカーボネート、
2,7−ビス(ヒドロキシエトキシ)ナフタレンビスア
リルカーボネート、4,4’−ビス(ヒドロキシエトキ
シ)ジフェニルプロパンビスアリルカーボネート、4,
4’−ジフェニルスルホンビスアリルカーボネート、な
どの多価アリルカーボネート。
【0018】1,4−ジアクリロキシベンゼン、1,4
−ジメタクリロキシベンゼン、1,4−ジアクリロキシ
エトキシベンゼン、1,4−ジメタクリロキシエトキシ
ベンゼン、1,5−ジアクリロキシナフタレン、1,5
−ジメタクリロキシナフタレン、1,5−ビス(β−ア
クリロキシエトキシ)ナフタレン、1,5−ビス(β−
メタクリロキシエトキシ)ナフタレン、2,2’−ビス
アクリロキシビフェニル、2,2’−ビス(β−アクリ
ロキシエトキシ)ビフェニル、2,2’−ビス(β−メ
タクリロキシエトキシ)ビフェニル、2,2−ビス(4
−アクリロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4
−メタクリロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,
2−ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニル)プロ
パン、2,2’−ビス(4−アクリロキシポリエトキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキ
シポリエトキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス
(4−アクリロキシエトキシフェニル)スルホン、2,
2’−ビス(4−メタクリロキシフェニル)スルホン、
2,2’−ビス(3−アクリロイル−2−ヒドロキシプ
ロポキシ)ビフェニル、2,2’−ビス(3−メタクリ
ロイル−2−ヒドロキシプロポキシ)ビフェニル、2,
2’−ビス(3−アクリロイル−2−ヒドロキシプロポ
キシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(3−メタク
リロイル−2−ヒドロキシプロポキシフェニル)プロパ
ン、等の多価アクリレートあるいは多価メタクリレー
ト。
【0019】ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等
の多価ビニル化合物。並びに、上記多価アリルエステ
ル、多価アリルカーボネート、多価アクリレートあるい
は多価メタクリレート、多価ビニル化合物の芳香環に塩
素原子あるいは臭素原子を少なくとも1個有するハロゲ
ン置換芳香環含有化合物。なお、これらの単量体は、2
種以上混合して用いることも可能である。
【0020】上記単量体化合物の中で、特に好ましいも
のとしては、ジビニルベンゼン、2,2−ビス(4−メ
タクリロキシエトキシ−3,5’−ジブロモフェニル)
プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキシエトキシ−
3,5’−ジブロモフェニル)プロパン、フタル酸ビス
アリルエステル、イソフタル酸ビスアリルエステル、
2,2−ビス(4−メタクリロキシエトキシ−3,5’
−ジブロモフェニル)スルホン、2,2−ビス(4−ア
クリロキシエトキシ−3,5’−ジブロモフェニル)ス
ルホン、テトラブロモフタル酸ビスアリルエステル、テ
トラブロモテレフタル酸ビスアリルエステル、等があげ
られる。
【0021】さらに、少なくとも1個の芳香環を含む多
官能性単量体としては、重合可能な二重結合を分子内に
一個以上有しかつ反応性の官能基を有する化合物とその
官能基と反応性の官能基を2個以上有する化合物との反
応生成物がある。芳香環を含む反応生成物とするために
はこれら2種の化合物の少なくとも一方の化合物を芳香
環を含む化合物とする。この官能基としては、例えば−
OH、−NCO、−COOH、−NH2 、−SH、エポ
キシ基等の官能基がある。特に、−OH、−COOH、
−NH2 あるいは−SHを1個有する不飽和化合物と−
NCOを2個以上有する化合物との反応生成物、および
−COOHを有する化合物とエポキシ基を有する化合物
(ただし少なくとも一方が不飽和基を有する化合物)の
反応生成物が好ましい。このような反応生成物として
は、例えば下記の化合物がある。
【0022】2−ヒドロキシエチルアクリレート2モル
とテトラメチルキシリレンジイソシアネート1モルを反
応させて得られる反応生成物、1−ビニル−4−ヒドロ
キシベンゼン2モルとヘキサメチレンジイソシアネ−ト
1モルを反応させて得られる反応生成物、ビスフェノー
ルAモノアクリレート2モルとキシリレンジイソシアネ
ート1モルを反応させて得られる反応生成物、メタアク
リル酸2モルと2,2−ビス(4−グリシドキシフェニ
ル)プロパン1モルを反応させて得られる反応生成物、
4−ヒドロキシフェニルメタクリレート1モルとグリシ
ジルメタクリレート1モルを反応させて得られる反応生
成物、ビニル酢酸2モルとキシリレンジアミン1モルを
反応させて得られる反応生成物。
【0023】本発明において多官能性単量体と併用する
ことのできる単官能性の単量体としては、公知の種々の
単量体を使用できる。この単官能性単量体としては、芳
香環を含有する単量体が好ましいが、必ずしもこれに限
定されるものではない。この単官能性単量体は2種以上
併用することもできる。この単官能性単量体としては、
例えば下記のような化合物があるが、これらに限定され
るものではない。
【0024】スチレン、モノクロルスチレン、ジブロモ
スチレン、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレ
ート、モノクロロフェニルメタクリレート、ジクロロフ
ェニルアクリレート、ジクロロフェニルメタクリレー
ト、トリクロロフェニルメタクリレート、トリクロロフ
ェニルアクリレート、モノブロモフェニルアクリレー
ト、モノブロモフェニルメタクリレート、ジブロモフェ
ニルアクリレート、ジブロモフェニルメタクリレート、
トリブロモフェニルアクリレート、トリブロモフェニル
メタクリレート、ペンタブロモフェニルメタクリレー
ト、ペンタブロモフェニルメタクリレート、モノクロロ
フェノキシエチルアクリレート。
【0025】モノクロロフェノキシエチルメタクリレー
ト、ジクロロフェノキシエチルアクリレート、ジクロロ
フェノキシエチルメタクリレート、トリクロロフェノキ
シエチルメタクリレート、トリクロロフェノキシエチル
アクリレート、モノブロモフェノキシエチルメタクリレ
ート、モノブロモフェノキシエチルアクリレート、ジブ
ロモフェノキシエチルアクリレート、ジブロモフェノキ
シエチルメタクリレート、トリブロモフェノキシエチル
アクリレート、トリブロモフェノキシエチルメタクリレ
ート、ペンタブロモフェノキシエチルアクリレート、ペ
ンタブロモフェノキシエチルメタクリレート、ベンジル
アクリレート。
【0026】ベンジルメタクリレート、ブロモベンジル
アクリレート、ジブロモベンジルアクリレート、α−ナ
フチルアクリレート、α−ナフチルメタクリレート、β
−ナフチルアクリレート、β−ナフチルメタクリレー
ト、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、トリ
ブロモペンチルアクリレート、トリブロモペンチルメタ
クリレート、2,3−ジブロモプロピルアクリレート、
フェニルアクリルカーボネートおよびそのハロゲン置換
体、ベンジルアリルカーボネートおよびそのハロゲン置
換体、安息香酸アリルおよびそのハロゲン置換体、ナフ
タレンカルボン酸アリルおよびそのハロゲン置換体。
【0027】本発明におけるラジカル重合可能な不飽和
基、芳香環、およびハロゲン元素のいずれをも有しない
OH基を有する物質としては、アルコール類やカルボン
酸類、および水や過酸化水素が好ましい。これらは併用
することはでき、特に水とアルコール類、カルボン酸
類、あるいは過酸化水素との併用が好ましい。特に、実
際のプラスチックレンズ製造においては、入手の容易
さ、価格、管理面、安全面等を考慮して、1価アルキル
アルコール類、または水あるいは過酸化水素を使用する
のが好ましい。
【0028】上記アルコール類としては、例えば下記の
ような化合物があるが、これらに限定されるものではな
い。メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルア
ルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチ
ルアルコール、イソブチルアルコール、n−アミルアル
コール、n−ヘキシルアルコール、n−ヘプチルアルコ
ール、n−オクチルアルコール、n−ノニルアルコー
ル、n−デシルアルコール、ドデシル(ラウリル)アル
コール、テトラデシルアルコール、テトラデシルアルコ
ール、ヘキサデシル(セチル)アルコール、オクタデシ
ルアルコール等の1価アルキルアルコール類。
【0029】または、グリコール、ジエチレングリコー
ル、グリセリン、エリトリット、アラビット、キシリッ
ト、ソルビット、ズルシット、マンニット等の多価アル
コール類、ペントース、ヘキソース、ペントサン、ヘキ
ソサン等の単糖類や多糖類の炭水化物。多価アルコール
類としては2〜8価のものが好ましい。
【0030】上記カルボン酸類としては、例えば下記の
ようなカルボキシル基を1以上有する脂肪族有機酸類が
あるが、これらに限定されるものではない。ギ酸、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン
酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グ
ルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸スベリン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸。
【0031】本発明プラスチックレンズを製造する場
合、調合した単量体〜単量体混合物に前述のOH基を有
する物質を添加してよく混合し、OH基を有する物質を
添加混合前あるいは後に重合開始剤等を添加し、重合を
行う。OH基を有する物質の全単量体に対する含有量に
ついては、成形後のレンズの着色および重合度によって
決められる(ここでいう重合度とは、一定条件で成形後
のレンズを染色し、その際のレンズの光の透過率および
レンズ内の透過率の部分的なバラツキ、さらに、光学特
性、機械的特性を総合評価したものをいう)。成形後の
レンズの着色による色調の変化は目視で容易に観察でき
るが、色差計(型式Σ80、日本電色工業株式会社)を
用いて、CIE(国際照明委員会)表色系のb* 、YI
値を測定することにより前述のOH基を有する物質の含
有量のコントロールを行うことが好ましい。
【0032】OH基を有する物質の全単量体に対する含
有量については、その種類にもよるが、10〜105
pmの範囲が採用される。特に、102 〜104 ppm
の範囲で添加するのが望ましい。この範囲より少ない量
では色調の改善効果が不十分であり、また、この範囲を
超える量では、レンズに要求される諸物性が低下しやす
い。
【0033】プラスチックレンズの成形は、通常注型重
合により行われる。重合は公知のラジカル重合法や光重
合法等が採用され、通常は前記単量体〜単量体混合物に
OH基を有する物質を混合後、重合開始剤を添加し重合
を行う。重合開始剤としては、例えば、ジイソプロピル
パーオキシジカーボネート、ジミリスチルパーオキシジ
カーボネート、ターシャリーブチルパーオキシジカーボ
ネート、ラウロイルパーオキサイド、ターシャリーブチ
ルパーオキシイソブチレート、ターシャリーブチルパー
オキシイソプロピルカーボネート、ジターシャリーブチ
ルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、アゾジ
イソブチロニトリル、アゾビスターシャリーオクタン等
が使用される。重合開始剤の添加量は、全単量体100
重量部に対し、0.01〜10重量部程度が好ましい。
【0034】上記のような添加剤を配合した単量体混合
物を予め用意したモールドに注入し、徐々に加熱して重
合を完結させる。この際、重合を途中で打ち切り、プレ
ポリマの状態でモールドから取り出し、改めて重合を再
開し完結させることもできる。重合温度および重合時間
は、使用する単量体の種類、組成比、および重合開始剤
の種類、添加量等により決定するが、概ね30〜150
℃で1〜100時間かけて重合を行うことが好ましい。
【0035】また、光重合法については、例えば、前記
単量体〜単量体混合物にOH基を有する物質を混合した
後、光増感剤を添加し光重合を行う。光増感剤として
は、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、
ベンゾインエチルエーテル、ベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、ベンジルジメ
チルケタール、ベンゾインイソプロピルエーテル、アセ
トフェノン、ジメトキシアセトフェノン、1−クロロア
ントラキノン、1,4−ナフトキノン等がある。光増感
剤の添加量は、全単量体100重量部に対し、0.01
〜10重量部が好ましい。光重合は、紫外線灯や水銀灯
等の照射により行われる。この場合、前記重合開始剤を
一部併用して使用することも可能である。
【0036】本発明の透明性および色調に優れた高屈折
率のプラスチックレンズの製造に当たっては、帯電防止
剤、着色防止剤、表面平滑剤、紫外線吸収剤、酸化防止
剤等の添加剤を配合することによってさらに実用性を高
めることができる。例えば、帯電防止剤としては、非イ
オン系界面活性剤、第4級アンモニウム塩等、着色防止
剤としては、トリフェニルフォスフィン、トリフェニル
アンチモン、トリフェニル砒素など、表面平滑剤として
は、シリコーン系化合物、フッ素系界面活性剤、有機界
面活性剤等、紫外線吸収剤として、2−(ヒドロキシ−
5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(ヒド
ロキシ−5−ターシャリーブチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2−(3’,5’−ジターシャリーブチル−
2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−ターシャリーオクチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−n−
オクトキシベンゾフェノン等、酸化防止剤としては、ヒ
ンダードフェノール、ヒンダードアミン等を添加するこ
とができる。
【0037】本発明により得られたプラスチックレンズ
は、反射防止、高硬度付与、耐摩耗性、耐薬品性向上、
防曇性付与等の表面改質、さらに染色、表面に金属膜を
蒸着により形成させ、ファッション性を付与し、プラス
チックレンズの高機能化を行うことができる。
【0038】以下本発明を実施例等により具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもので
はない。
【0039】
【実施例】
[実施例1]テレフタル酸ビスアリルエステル30重量
部、イソフタル酸ビスアリルエステル40重量部、ジエ
チレングリコールビスアリルカーボネート30重量部、
さらに、紫外線吸収剤として、2−(2’−ヒドロキシ
−5’−ターシャリーオクチルフェニル)ベンゾトリア
ゾール1000ppmをよく混合し、ついで重合開始剤
として、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート2.
5重量%を加えよく混合し均一な混合液とした。この混
合液にイオン交換水5000ppmを添加し、透明な液
状になるまで混合し、調合液とした。
【0040】この調合液を周囲をテープでシールした直
径80mmのレンズ成形用モールドに流し込み、注型重
合を行った。重合反応は、30℃からスタートし、10
0℃まで段階的に昇温し、40時間かけて重合を完結さ
せた。得られたレンズは、透明性、色調の優れたもので
あった。
【0041】[比較例1]実施例1において、イオン交
換水を除いた以外は実施例1と同一の単量体混合物を調
合し、実施例1と同一条件でレンズの成形を行った。得
られたレンズは明らかに淡黄色に着色しており、外観上
実用に適さないレベルのものであった。
【0042】[実施例2]テレフタル酸ビスアリルエス
テル30重量部、イソフタル酸ビスアリルエステル40
重量部、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート
30重量部、さらに、紫外線吸収剤として、2−(2’
−ヒドロキシ−5’−ターシャリーオクチルフェニル)
ベンゾトリアゾール1000ppmをよく混合し、つい
で重合開始剤として、ジイソプロピルパーオキシジカー
ボネート2.5重量%を加えよく混合し均一な混合液と
した。この混合液に過酸化水素水5000ppmを添加
し、透明な液状になるまで混合し、調合液とした。
【0043】この調合液を周囲をテープでシールした直
径80mmのレンズ成形用モールドに流し込み、注型重
合を行った。重合反応は、30℃からスタートし、10
0℃まで段階的に昇温し、40時間かけて重合を完結さ
せた。得られたレンズは、透明性、色調の優れたもので
あった。
【0044】[実施例3]実施例1において、イオン交
換水の替わりにエチルアルコールを5000ppm添加
した以外は、実施例1と同一の単量体混合物を調合し、
実施例1と同一条件でレンズの成形を行った。得られた
レンズは、透明性、色調の優れたものであった。
【0045】[実施例4〜6]実施例1〜3において、
各々の例に準じて単量体混合物を調合する際に、あらか
じめイソフタル酸ビスアリルエステルで希釈した、レン
ズ色と補色関係にある顔料を10ppm(固形分濃度)
添加し、各々の例に準じてレンズの成形を行った。得ら
れたレンズは、透明性、色調の優れたものであった。
【0046】[比較例2]比較例1において、あらかじ
めイソフタル酸ビスアリルエステルで希釈した、レンズ
色と補色関係にある顔料を10ppm(固形分濃度)添
加し、実施例4〜6に準じてレンズの成形を行った。
【0047】なお、上記実施例4〜6、比較例2におい
て、顔料として青色顔料と赤色顔料を6:4の重量比で
用い、あらかじめイソフタル酸ビスアリルエステルで適
量に希釈し、単量体混合時にイソフタル酸ビスアリルエ
ステルの一部として用いて顔料が所定量(固形分濃度1
0ppm)となるように配合し、よく混合して顔料を均
一に分散させた。
【0048】[比較例3]ジエチレングリコールビスア
リルカーボネートに、紫外線吸収剤として、2−(2’
−ヒドロキシ−5’−ターシャリーオクチルフェニル)
ベンゾトリアゾール1000ppmをよく混合し、つい
で重合開始剤として、ジイソプロピルパーオキシジカー
ボネート2.5重量%を加えよく混合し均一な調合液と
した。この調合液を、実施例1と同一の重合条件でレン
ズの成形を行った。
【0049】以上の実施例1〜6、比較例1〜3におけ
るOH基を有する物質の種類と添加量、顔料の添加量、
および得られたプラスチックレンズの屈折率、b* 、お
よびYIを表1に示す。測定方法は以下の通りである。 屈折率;中心厚7.0 の平板を成形して測定。 b* 、YI値;色差計(型式Σ80 日本電色工業株式
会社)を用いて、CIE(国際照明委員会)表色系のb
* 、YI値を測定。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】本発明プラスチックレンズは、表1に示
すように、ラジカル重合可能な不飽和基、芳香環、およ
びハロゲン元素のいずれをも有しないOH基を有する物
質が含有されることにより、その重合体自体の着色を抑
止し、芳香環を含まないポリジエチレングリコールビス
アリルカーボネート樹脂からなるプラスチックレンズと
同等以上の透明性および色調レベルの高い高屈折率を有
するプラスチックレンズが得られた。また、レンズ色と
補色関係にある顔料を併用して添加することにより、透
明性および色調レベルをさらに大きく改善することがで
きた。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ラジカル重合可能な不飽和基を2以上有す
    る多官能性単量体を含む単量体の重合体からなり、ラジ
    カル重合可能な不飽和基、芳香環、およびハロゲン元素
    のいずれをも有しないOH基を有する物質を10〜10
    5 ppm含有する、屈折率が1.51以上のプラスチッ
    クレンズ。
  2. 【請求項2】ラジカル重合可能な不飽和基、芳香環、お
    よびハロゲン元素のいずれをも有しないOH基を有する
    物質が、ラジカル重合可能な不飽和基、芳香環、および
    ハロゲン元素のいずれをも有しないアルコール類あるい
    はカルボン酸類、または水あるいは過酸化水素である、
    請求項1のプラスチックレンズ。
  3. 【請求項3】プラスチックレンズの色調と補色関係にあ
    る染料あるいは顔料をさらに含有する、請求項1のプラ
    スチックレンズ。
  4. 【請求項4】ラジカル重合可能な不飽和基、芳香環、お
    よびハロゲン元素のいずれをも有しないOH基を有する
    物質の含有量が102 〜104 ppmである、請求項1
    のプラスチックレンズ。
  5. 【請求項5】ラジカル重合可能な不飽和基を2以上有す
    る多官能性単量体が、少なくとも1個の芳香環を含む多
    官能性単量体である、請求項1のプラスチックレンズ。
  6. 【請求項6】ラジカル重合可能な不飽和基を2以上有す
    る多官能性単量体を含む単量体を、ラジカル重合可能な
    不飽和基、芳香環、およびハロゲン元素のいずれをも有
    しないOH基を有する物質が全単量体に対して10〜1
    5 ppm存在する条件下に重合することを特徴とする
    屈折率が1.51以上のプラスチックレンズの製造方
    法。
  7. 【請求項7】ラジカル重合可能な不飽和基、芳香環、お
    よびハロゲン元素のいずれをも有しないOH基を有する
    物質が、ラジカル重合可能な不飽和基、芳香環、および
    ハロゲン元素のいずれをも有しないアルコール類あるい
    はカルボン酸類、または水あるいは過酸化水素である、
    請求項6の方法。
  8. 【請求項8】ラジカル重合可能な不飽和基、芳香環、お
    よびハロゲン元素のいずれをも有しないOH基を有する
    物質の存在量が、全単量体に対して102 〜104 pp
    mである、請求項6の方法。
  9. 【請求項9】ラジカル重合可能な不飽和基を2以上有す
    る多官能性単量体が、少なくとも1個の芳香環を含む多
    官能性単量体である、請求項6の方法。
  10. 【請求項10】得られるプラスチックレンズの屈折率が
    1.53以上である、請求項6の方法。
  11. 【請求項11】プラスチックレンズの色調と補色関係に
    ある染料あるいは顔料がさらに存在する条件下に単量体
    を重合する、請求項6の方法。
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WO1999026087A1 (en) * 1997-11-14 1999-05-27 Novartis Ag Methods and compositions for manufacturing tinted ophthalmic lenses
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