JPH0628584B2 - 棒状物品の移送装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は棒状の物品を移送するための装置に関し、特に
喫煙用物品、それも特に紙巻きタバコ（シガレットタバ
コ）の生産に応用して有利な発明で、従って以下の記載
は該紙巻きタバコに主眼を置いてあるが、勿論、これに
より本発明の一般的応用を制限するものではないことは
言うまでもない。

〔従来の技術〕

紙巻きタバコの生産中に、特定の処理操作目的のために
紙巻きタバコに並進運動と同時にその中心軸回りに回転
運動を起こさせる必要が時々起こる。紙巻きタバコに回
転並びに並進運動を起こさせるためには、操作される紙
巻きタバコを、入口用ローラから、該入口用ローラに接
するよう配設され、その外周に沿って複数の回転可能な
鞍が配置された移送用ローラに移す移送装置が使われて
いることは周知である。各鞍は各紙巻きタバコを収容
し、移送の最後に前記移送用ローラと接している出口用
ローラに引き渡すよう配設されている。各鞍は入口用ロ
ーラ及び出口用ローラと接する位置を通過するとき、入
口用、移送用及び出口用ローラ間で正しい紙巻きタバコ
の移送を容易にするために、各鞍は移送用ローラに対し
て角速度がゼロになる状態に設定してある。鞍が前記２
つの接触点間の進行経路の中心部を通過する間に、各鞍
は最初は角速度が増加しながら回転し、次に一定の角速
度となり、それから角速度が減少して行く。各紙巻きタ
バコは操作円弧に沿って進行するに従い操作され、その
円弧に沿い関与している鞍は前記した一定の角速度でそ
の中心軸回りに回転する。

〔発明が解決しようとする問題点〕

以上に述べた公知の移送装置において、紙巻きタバコは
移送用ローラに沿って進行するに従い、正あるいは負の
かなりの角加速度を受け、故にそれらの構成的安定性を
阻害し、少なくとも紙巻きタバコの脱落を生ぜしめる可
能性がある。更には前記鞍の角速度を加速させたり減速
させたりする必要性がある結果として、操作円弧の弧幅
が比較的小さくなる。最後に、機構的な見地からして、
上述の公知の移送装置は、移送用ローラがその中心軸回
りに完全に１回転する間に零と一定の設計値との間で鞍
が角速度を変える必要性があるため比較的複雑な構造を
有する。

本発明の目的は上述の欠点のない移送装置を提供するこ
とにある。

〔問題点を解決するための手段と作用〕

本発明に依れば、上述した発明目的は、棒状の物品を一
定経路に沿って移送し、前記物品を少なくとも前記経路
の一部に沿い物品の長手方向軸に対し横方向に移動する
並進運動と同時に物品の中心軸回りの回転運動とをさせ
る装置によって達成され、本装置は移送用ローラと入口
用及び出口用ローラとを具備し、これらの入口用及び出
口用ローラは前記移送用ローラの回転方向と反対方向に
回転可能に設けられ、各々第１と第２の母線に沿ってこ
の移送用ローラと接触し、これら母線は前記移送用ロー
ラの周辺に沿って、互いに対をなし結合した送り円弧と
戻り円弧とを形成しており、また、前記移送用ローラと
同軸にかつそれに堅固に固着した駆動軸と、該駆動軸を
一定角速度で回転させる運転手段と、前記各々の物品に
対する複数の支持要素とを具備し、該支持要素は、前記
移送用ローラの周囲に一様に分散配置されており、前記
経路を横切る各自の長手方向軸まわりに前記移送用ロー
ラに対し前記各々の支持要素が相対的に回転可能なよう
に前記移送用ローラに結合しており、更に、前記支持要
素を該要素各々の長手方向軸回りに回転させるよう前記
駆動軸と前記支持要素との間に挿入設置されたで伝達手
段とを具備したものであって、その特徴としては前記伝
達手段は、前記支持要素が前記駆動軸回りに完全に１回
転する間に前記同一の各支持要素を前記各々の長手方向
軸回りに一定角速度で完全に数回転させる手段であり、
前記第１と第２の接触母線は、前記各支持要素が各それ
自体の長手方向軸の回りに完全に１回転する間に、それ
らが前記駆動軸の軸回りに辿る基本円弧に前記各送り円
弧と戻り円弧が等しいか若しくはその整数倍となってい
るように配設されている点にある。

〔実施例〕

以下、本発明を図面を参照しながら説明する。図面には
好ましい実施例を図示してあり、言うまでもなく、実施
例は発明がこれらに限定されるものではない。

第１図において、参照番号１は移送装置全体を指し示
し、この装置は棒状の物品、例えば紙巻きタバコ２に紙
巻きタバコ操作機械３上で並進運動させたり、タバコの
軸まわりに回転させたりすることを可能とする。本装置
１は入口用ローラ４と等回転の出口用ローラ５とを有し
ており、これらのローラの間に中間ローラ６が２つの離
間した接点７と８により前記ローラ４と５に接するよう
配設されている。上記点７と８により、２つの相互に対
をなし結合している円弧がローラ６の周囲に沿って区画
形成され、そのうちの第１の円弧は点７と８の間でロー
ラ６の回転方向に延びており、以後“送り円弧”と呼
び、第２の円弧は“戻り円弧”と呼ぶ。

第２図に図示の如く、移送装置１はローラ６を支持して
いる中心駆動軸９と、前記ローラ６が前記軸９の中心軸
回りに回転することにより起生する紙巻きタバコ２の並
進運動中に該紙巻きタバコ２の中心軸回りに一定角速度
で同タバコ２を回転させるよう配設した回転装置１０を
も具備している。ローラ６には内側環状端部フランジ１
１が備わっており、該フランジの内側周辺は軸９の環状
端部フランジ１２の外側周辺に堅固に結合している。軸
９はローラ６を貫通して、該ローラ６と結合した端部と
は反対側の端部に、図示されていない駆動源と図示され
ていない方法で結合された歯車１３を担持している。軸
９の中間部は機械３の固定壁１５の穴１４を貫通してい
る。軸９と同軸であり、穴１４を貫通し歯車１３へ向か
って延びた管状部材１７のフランジ１６が前記の壁１５
の外表面に堅固に結合している。第２図に１個だけ示さ
れている複数の軸方向ねじ１８により、他の管状部材１
９が前記管状部材１７と同軸に前記フランジ１６の外表
面に堅個に結合され、管状部材１９と管状部材１７とは
２つの軸受２０により軸９を回転可能なよう軸支してお
り、このうち第１の軸受２０は部材１７と係合してお
り、第２のそれは部材１９と係合している。

ローラ６はフランジ１１の外周から壁１５まで延びた側
壁２１を具備し、該側壁２１は部材１９の外側に配設さ
れた第１中空円筒部分２２と、該第１中空円筒部分２２
よりも大きな直径で、かつ前記フランジ１６の外側を覆
った第２中空円筒部分２３と、これら中空円筒部分２
２，２３の対向した端部を互いに結合し、前記ローラ６
の軸に垂直な平面上に広がっている中間環状平板部２４
とから構成されている。

前記回転装置１０は前記部分２２の外表面近くに一様に
分布した鞍２５の形をした複数の支持要素を具備し、こ
の各々は紙巻きタバコ２のための保持場所を設けるよう
長手方向溝２６を有しており、これにより紙巻きタバコ
２は図示されていない吸引装置に連結した導管２７を介
した吸引力により、向かい合った溝２６内に保持され
る。

鞍２５はローラ６の軸に平行に延び、前記壁１５に対向
した鞍の端部に頭部２８を有し、該頭部２８から軸方向
ピン２９が延びており、該ピン２９は壁２１の部分２４
を貫通した各々の穴３０に回転可能に貫通配設されてい
る。壁２１の内側に突出している各ピン２９の端部上に
楔着された歯車３１があり、該歯車３１は伝達手段によ
り駆動されており、該伝達手段は遊星歯車装置３２を具
備し、かつその装置のうち参照番号３３で示された太陽
歯車が軸９に楔着されている。前記の遊星歯車装置３２
は遊星歯車３４を具備し、該歯車３４は、固定された歯
車担持体を構成した中空円筒部材１７，１９により回転
可能にその両端を支持され、前記中空円筒部材１７，１
９の間に設けられた空洞３６の中に収容されている。前
記遊星歯車３４は、太陽歯車３３と係合している第１歯
車３５と、図示されていない方法で前記空洞３６内に支
持された中間歯車３８を介して外側中空円筒リング歯車
４０の内歯３９に係合している第２歯車３７とを具有し
ており、前記外側中空円筒リング歯車４０は軸９と同軸
であり、かつ軸受４１を介して中空円筒部材１７，１９
により回転可能に支持されている。リング歯車４０は外
歯４２をも具備しており、該外歯４２は全てのピン２９
の歯車３１に係合している。

運転時には、歯車１３が、従って軸９とローラ６とが一
般に一定の角速度で回転し、この回転が遊星歯車装置３
２により歯車３１に伝達される。こうして、歯車１３が
回転した結果として、鞍２５はローラ６に担持された鞍
の長手方向軸に対し横方向に移動する並進運動をし、遊
星歯車装置３２により伝達されたトルクの力により各鞍
自身の軸まわりに一定角速度で回転する。

第１図を参照すると、各鞍２５はローラ６に対し位相が
ずれており、該ローラ６が回転するに従い、接点に近づ
く各鞍２５は、入口用ローラ４から各々紙巻きタバコ２
の受容が可能なように半径外方向に向かった鞍の溝２６
の凹所を配した状態になる。紙巻タバコ２は周知の方法
による吸引によりローラ４から関与している鞍２５の溝
２６の中へ移される。各紙巻きタバコ２を受容してか
ら、各鞍２５は、ローラ６の回転により鞍の軸に対し横
方向に並進し、かつローラ６に相対して自身の軸の回り
に回転しながら送り円弧に沿って点７から点８へ進む。
遊星歯車装置３２の伝達比は、ローラ６の完全な１回転
に対する各鞍２５の軸回りの完全回転の整数値の比であ
る。この理由は、各鞍２５が関与している紙巻きタバコ
２をローラ６からローラ５へ移送可能にするために、点
７のみならず点８においても各鞍の溝２６が半径外方向
に向くよう配設され、しかも再び点７を通過するときに
は同じ位相角に戻らなければならないという点にある。
図示されていない実施例であるが、もし送り円弧と戻り
円弧とが互いに相等しい、即ち１８０゜で分かれている
ならば、前記の回転整数値は２を限度とすることができ
る。それ故に鞍２５が送り円弧を通過する間に鞍自身の
軸回りに少なくとも完全に１回転するよう、また戻り円
弧を通過する間に少なくとも丁度更にもう１回転をする
よう遊星歯車装置３２は寸法を決定されなければならな
い。そして送り円弧と戻り円弧とは、各鞍２５の軸回り
に該各鞍２５が丁度１回転する間に該各鞍２５の辿る
“基本円弧”と等しいか、あるいは整数倍の弧の長さを
有していなければならない。

第３図に示す実施例では、部材１９の外側に広がった環
状リング４４はフランジ１１の外周に堅固に結合してお
り、リング４４とリング歯車４０との間で滑動可能であ
り、しかも関与しているピン２９を回転可能に支持して
いる滑り体４７用の案内棒４６の一端が固定されている
軸方向穴４５を各鞍毎に具備している。ピン２９の歯車
３１は、リング歯車４０の歯４２と滑動可能に係合して
おり、滑り体４７により軸方向位置がどこになろうとも
常に歯４２とかみ合うような長さにできている。各滑り
体４７はその内面に係合して半径方向カムフォロワロー
ラ４８を担持しており、該ローラ４８は部材１９の外表
面に設けられたカム溝４９により構成された後押し手段
とかみ合う。運転時には、各紙巻きタバコ２は送り円弧
に沿って進むとき、ローラ６に対し一定の軸方向変位を
受ける。

〔発明の効果〕

以上の説明から明らかなように、本発明によれば、紙巻
きタバコを移送する装置において、その運転中に該紙巻
きタバコは角加速度を受けることがないため脱落せず、
また操作円弧を大きくでき、なおかつ構造が簡単になる
という紙巻きタバコ移送装置が提供されるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明により構成された紙巻きタバコ移送装置
の略示図、第２図は第１図の詳細な第１実施例の軸断面
図、第３図は第１図の詳細な第２実施例の軸断面図。 １……移送装置、２……紙巻きタバコ（棒状物品）、３
……紙巻きタバコ操作機械、４……入口用ローラ、５…
…出口用ローラ、６……中間ローラ（移送用ローラ）、
７，８……接点、９……駆動軸、１０……回転装置、１
１……内側環状端部フランジ、１２……環状端部フラン
ジ、１３……歯車、１４……穴、１５……固定壁、１６
……フランジ、１７……管状部材、１８……ねじ、１９
……管状部材、２０……軸受け、２１……側壁、２２…
…第１中空円筒部分、２３……第２中空円筒部分、２４
……中間環状平板部、２５……鞍、２６……溝、２７…
…導管、２８……頭部、２９……軸方向ピン、３０……
穴、３１……歯車、３２……遊星歯車装置（伝達手
段）、３３……太陽歯車、３４……遊星歯車、３５……
第１歯車、３６……空洞、３７……第２歯車、３８……
中間歯車、３９……内歯、４０……外側中空円筒リング
歯車、４１……軸受、４２……外歯、４４……環状リン
グ、４５……軸方向穴、４６……案内棒、４７……滑り
体、４８……半径方向カムフォロワローラ、４９……カ
ム溝（後押し手段）。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】予め定められた経路に沿って棒状物品
   （２）を移送すると共に該経路の少なくとも一部に沿っ
   て該物品（２）に該物品の長手方向軸に対し横方向に移
   動する並進運動と同時に該物品の軸回りの回転運動とを
   受けさせるための装置であって、該装置（１）は、移送
   用ローラ（６）と、入口用ローラ（４）及び出口用ロー
   ラ（５）とを具備し、該入口用ローラ（４）及び該出口
   用ローラ（５）は移送用ローラ（６）の回転方向と反対
   方向に回転可能となっており、かつ該入口用ローラ
   （４）及び該出口用ローラ（５）は夫々第１の母線
   （７）及び第２の母線（８）に沿って移送用ローラ
   （６）に接し、該第１母線（７）及び第２母線（８）は
   移送用ローラ（６）の周辺部に沿って互いに対をなして
   結合した送り円弧と戻り円弧とを形成し、該送り円弧は
   移送用ローラ（６）の回転方向に第１母線（７）から第
   ２母線（８）まで延びており、該戻り円弧は移送用ロー
   ラ（６）の回転方向に第２母線（８）から第１母線
   （７）まで延びており、更に、移送用ローラ（６）と同
   軸をなしかつ移送用ローラ（６）と共に回転可能な駆動
   軸（９）と、該駆動軸（９）を一定角速度で回転させる
   ための運転手段と、該各々の物品（２）用の複数の支持
   要素（25）とを具備し、該支持要素（25）は移送用ロー
   ラ（６）の周りに一様に分散配置され、かつ該支持要素
   （25）は、該経路を横切る各自の長手方向軸回りに移送
   用ローラ（６）に対して相対的に回転するように移送用
   ローラ（６）に結合され、更に、該支持要素（25）に各
   自の長手方向軸回りの前記回転を受けさせるように駆動
   軸（９）と支持要素（25）間に配置された伝達手段（3
   2）を具備する、棒状物品の移送装置において、該伝達
   手段（32）は駆動軸（９）から支持要素（25）に回転を
   伝達するための遊星歯車装置（33，17，19，40，31）を
   備え、該遊星歯車装置（33，17，19，40，31）は、各支
   持要素（25）が駆動軸（９）の軸線回りに完全に１回転
   する間に各支持要素（25）がその各々の長手方向軸回り
   に一定角速度で丁度数回転せしめられるような伝達比を
   有し、前記送り円弧および戻り円弧の各々は、前記各支
   持要素（25）がそれ自身の長手方向軸回りに完全に１回
   転する間に該支持要素（25）が駆動軸（９）の軸線回り
   に辿る基本円弧に等しいか又はその整数倍であるように
   したことを特徴とした棒状物品の移送装置。
2. 【請求項２】前記支持要素が側面の開いた鞍（25）から
   成り、前記各鞍（25）が、前記各接触母線（７，８）と
   相対したとき前記移送用ローラ（６）から半径外方向に
   向かって開いた側壁がくるよう前記伝達手段（32）と前
   記鞍（25）とが結合されたことを特徴とした特許請求の
   範囲第１項に記載された棒状物品の移送装置。
3. 【請求項３】前記伝達手段（32）が、前記駆動軸（９）
   にキー固定された太陽歯車（33）と、固定された歯車担
   持体（17），（19）と、前記駆動軸（９）と同軸でかつ
   該駆動軸に対し相対的に回転可能な外側リング歯車（4
   0）とを具備し、また、前記各支持要素（25）は、支持
   要素の前記長手方向軸と同軸配設された歯車（31）を具
   備し、該歯車（31）は、前記駆動軸（９）と同軸でかつ
   前記外側リング歯車（40）に対し角度的に堅固に設けら
   れた外歯（42）と噛合されることを特徴とした特許請求
   の範囲第１項若しくは第２項に記載された棒状物品の移
   送装置。
4. 【請求項４】前記各支持要素（25）が、相対する前記長
   手方向軸と同軸であり、回転可能でかつ軸方向に滑動可
   能なように前記移送用ローラ（６）に結合したピン（2
   9）を具備し、後押し手段（49）が、予め設定した関係
   に従い軸方向の前後移動の動きを前記支持要素（25）に
   与えるよう前記移送用ローラ（６）に担持されることを
   特徴とした特許請求の範囲第１項から第３項までの何れ
   か１項に記載された棒状物品の移送装置。