JPH06285838A - コンクリート成型枠のステップ取付装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ステップを装着する型組を容易にするととも
に、脱型も容易にできるようにし、作業効率を向上させ
る。 【構成】 マンホール１の壁部の一般面を成型する本体
型２１と、ステップＳが対向する壁面を成型するととも
に本体型２１に一体的に設けられる部分型２２と、部分
型２２と合体する合体位置Ａ及び部分型２２から後側に
離間する離間位置Ｂの二位置に移動可能に設けられる移
動体２３と、部分型２２に設けられステップＳを支承す
る支承部３０，３１と、移動体２３に設けられ合体位置
Ａにおいて支承されたステップＳを支承部３０，３１に
対して押える押え部３５，３６とを備え、成型に先立つ
型組においては、ステップＳを部分型２２の支承部３
０，３１に支承して移動体２３を合体位置Ａにするとと
もに、製品取出し時には、移動体２３を離間位置Ｂにし
て、押え部３５，３６の押えを解除してステップＳを解
放させる。そのため、製品を引上げるとステップＳが間
隙を通過していく。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、マンホール等のコンク
リート成型体の壁部にステップを取付けるコンクリート
成型枠のステップ取付装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】コンクリート成型体（被成型体）として
は、例えば、図１０に示すように、出入口部に使用され
るマンホール１がある。このマンホール１は、内外径が
上にいくに従って小さく形成されており、内壁に２条の
突部２を突設し、この突部２間に棒状のステップＳを複
数架設し、梯子を形成している。このステップＳの両端
部は、直角に折曲形成され、コンクリート成型体に埋設
される。

【０００３】一般に、このマンホール１を成型する成型
枠は、分割されて脱型する外型と、内型とを備えてい
る。この成型枠において、従来のステップ取付装置は、
図１１に示すように、内型の一部に設けられ、ステップ
Ｓが対向する壁面及びその取付部面が開放されマンホー
ル１の内壁の一般面を成型する本体型３と、上記本体型
３の開放部４に嵌込まれてステップＳが対向する壁面を
成型する一対の分型５とを備えている。６はステップＳ
の両端部側を本体型３の開放部４縁と共同して保持する
分型５の切欠き部である。

【０００４】そして、型組時に、ステップＳを開放部４
へ臨ませるとともに、分型５を開放部４に手作業で嵌込
んでステップＳを保持し、固定金具７を介してボルト８
で本体型３に固定する。その後、流動コンクリートを外
型と内型との間に流し込み、所要時間養生させる。製品
取出し時には、外型及び内型を脱型させ、マンホール１
の製品を得る。この内型の脱型に際しては、先ず、ボル
ト８を外して固定金具７と分型５を取り外し、その後、
本体型３を脱型させるようにしている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来のステップ取付装置にあっては、型組時に、固定金具
７やボルト８を用いて、逐一手作業で分型５を取り付
け、製品取出し時に、同様に手作業で取り外しを行なわ
なければならないし、しかも、狭い内型の中へ入らなけ
れば操作できないので、作業が煩雑になっており、作業
効率が悪いという問題があった。また、分型５が分離し
ており、分型５を固定する固定金具７やボルト８が必要
になるので、それだけ部品管理も煩雑になっているとい
う問題があった。

【０００６】本発明は上記の問題点にかんがみてなされ
たもので、その課題は、ステップを装着する型組を容易
にするとともに、脱型も容易にできるようにし、作業効
率を向上させる点にある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るための本発明の技術的手段は、被成型体の壁部にステ
ップの端部を埋設させて該ステップを取付けるコンクリ
ート成型枠のステップ取付装置において、被成型体の壁
部の一般面を成型する本体型と、ステップが対向する壁
面を成型するとともに本体型に一体的に設けられる部分
型と、部分型と合体する合体位置及び部分型から後側に
離間する離間位置の二位置に移動可能に設けられる移動
体と、部分型に設けられステップを支承する支承部と、
移動体に設けられ合体位置において上記支承されたステ
ップを支承部に対して押える押え部とを備えたものであ
る。

【０００８】

【作用】この手段によれば、型組時には、移動体を離間
位置に位置させ、ステップを部分型の支承部に支承し、
移動体を合体位置に位置させる。これにより、ステップ
が支承部に対して押えられる。この状態で、コンクリー
トを流し込んで被成型体を成形する。また、製品取出し
時には、移動体を離間位置に位置させれば、ステップが
解放され、これにより、ステップが他と干渉することな
く被成型体が脱型させられる。

【０００９】

【実施例】以下、添付図面に基づいて本発明の実施例に
係るコンクリート成型枠のステップ取付装置を説明す
る。

【００１０】図１乃至図４は、第一の実施例に係るコン
クリート成型枠のステップ取付装置を示してある。この
実施例が適用されるコンクリート成型枠は、上述したと
同様に、図１０に示すマンホール１を成型するものであ
る。このマンホール１は、内外径が上にいくに従って小
さく形成されており、内壁に２条の突部２を突設し、こ
の突部２間に棒状のステップＳを複数（実施例では２
つ）架設し、梯子を形成している。このステップＳの両
端部は、直角に折曲形成され、コンクリート成型体に埋
設される。

【００１１】実施例が適用されるコンクリート成型枠
は、図２に示すように、鉄板の成形体であり、２分割さ
れレール１０上を移動して脱型する外型１１と、レール
１０上に支持される内型１２とを備えている。

【００１２】この成型枠において、実施例に係るステッ
プ取付装置２０は、図１乃至図４に示すように、内型１
２に設けられており、マンホール１の内壁の一般面を成
型する本体型２１と、ステップＳが対向する壁面を成型
するとともに、マンホール１の脱型時にステップＳの端
部が通過しうる間隙Ｃを本体型２１との間に形成する部
分型２２とを備えている。部分型２２は本体型２１とと
もにレール１０上に支持され本体型２１に一体的に設け
られている。

【００１３】また、２３は移動体であって、部分型２２
の後側において部分型２２と合体する合体位置Ａ及び部
分型２２から離間する離間位置Ｂの二位置に移動可能に
なるようレール１０に回動可能に設けられている。ま
た、移動体２３は、図２に示すように、合体位置Ａにお
いて、上記本体型２１と部分型２２との間に形成された
間隙Ｃに臨みこの間隙Ｃに対応するマンホール１の壁部
を成型する成型面２４を備えている。

【００１４】３０は部分型２２に設けられ下側のステッ
プＳを支承する下側支承部である。下側支承部３０は部
分型２２を構成する部材に形成した切欠き段部で形成さ
れている。３１は部分型２２に設けられ上側のステップ
Ｓを支承する上側支承部である。上側支承部３１は、図
３及び図４に示すように、部分型２２を構成する梁部材
２５に回動可能かつステップＳと平行に設けられた軸３
２と、この軸３２に固設され軸３２の回動によりステッ
プＳを梁部材２５と共同して支承する支承位置Ｘ及び後
退位置Ｙに位置させられる一対の支承片３３と、軸３２
に固定され部分型２２を構成する部材２６に当接して支
承片３３を支承位置Ｘに位置決めするレバー３４とから
構成される。また、支承片３３の後退位置Ｙでは、脱型
時に下側のステップＳの通過が許容される。

【００１５】３５は移動体２３に設けられ合体位置Ａに
おいて上記下側支承部３０に支承されたステップＳを下
側支承部３０に対して押える下側押え部である。下側押
え部３５は移動体２３を構成する部材に形成した切欠き
段部で形成されている。３６は移動体２３に設けられ合
体位置Ａにおいて上記上側支承部３１に支承されたステ
ップＳを上側支承部３１に対して押える上側押え部であ
る。上側押え部３６は移動体２３を構成する部材に形成
されステップＳを包持して上記梁部材２５及び支承片３
３に押圧する略コ字状の切欠きで形成されている。コ字
状の上側押え部３６の下片にはステップＳに弾接するゴ
ム３７が付設されている。

【００１６】４０は移動体２３を合体位置Ａ及び離間位
置Ｂに移動させる移動機構である。この移動機構４０
は、図１に示すように、本体型２１に回動可能に軸支さ
れた回動軸４１と、回動軸４１に固定された第一リンク
４３と、一端が第一リンク４３に軸支され他端が移動体
２３の後側に軸支された第二リンク４４とからなる。そ
して、回動軸４１に設けたノブ４５を回転棒４６によ
り、図１中Ｒ１方向に回動させることにより第一リンク
４３及び第二リンク４４を伸ばして移動体２３を合体位
置Ａにし、図１中Ｒ２方向に回動させることにより第一
リンク４３及び第二リンク４４を折り曲げて移動体２３
を離間位置Ｂにするものである。

【００１７】従って、このコンクリート成型枠によって
マンホール１を成型するときは、以下のようになる。

【００１８】先ず、成型に先立つ型組においては、図１
及び図５（ａ）に示すように、ステップ取付装置２０に
おいて、移動機構４０の回動軸４１を図１中Ｒ２方向に
回動させることにより第一リンク４３及び第二リンク４
４を折り曲げて移動体２３を離間位置Ｂにし、この離間
位置Ｂで、ステップＳを部分型２２の下側支承部３０及
び上側支承部３１に載置する。次に、移動機構４０によ
って、図１中Ｒ１方向の回動により第一リンク４３及び
第二リンク４４を伸ばして移動体２３を合体位置Ａにす
る。これにより、移動体２３の下側押え部３５によっ
て、下側支承部３０に支承されたステップＳが押えら
れ、上側押え部３６によって上側支承部３１に支承され
たステップＳが押えられる。そのため、ステップＳを支
承して移動体２３を合体位置Ａにするだけで良いので、
極めて簡単にステップＳが装着され、それだけ、作業が
容易に行なわれる。

【００１９】この状態において、外型１１を成型位置に
位置決めし、その後、流動コンクリートを外型１１と内
型１２との間に流し込み、所要時間養生させる。

【００２０】製品取出し時には、先ず、外型１１を脱型
させる。次に、図５（ｂ）に示すように、移動機構４０
の回動軸４１を図１中Ｒ２方向に回動させることにより
第一リンク４３及び第二リンク４４を折り曲げて移動体
２３を離間位置Ｂにする。これにより、移動体２３の下
側押え部３５及び上側押え部３６によるステップＳの押
えが解除され、ステップＳが解放される。

【００２１】この状態において、図５（ｃ）に示すよう
に、製品をクレーン等で持ち上げ、脱型させる。この場
合、ステップＳの押えが解除されてステップＳが解放さ
れているとともに、本体型２１と部分型２２との間にス
テップＳの端部が通過しうる間隙Ｃが形成されているの
で、ステップＳがこの間隙Ｃを通過して脱型されてい
く。このとき、下側のステップＳが上側支承部３１の支
承片３３に当接するが、図４に示すように、支承片３３
は押されて後退位置Ｙに回動するので、下側のステップ
Ｓが支承片３３に通過を阻止されることなく通過してい
く。そのため、移動体２３を離間位置Ｂにして、製品を
持ち上げるだけで良いので、脱型が極めて簡単に行なわ
れ、作業が容易に行なわれる。

【００２２】図６乃至図９は、第二の実施例に係るコン
クリート成型枠のステップ取付装置５０を示してある。
この実施例は、円周面にコ字状のステップＳａを複数
（実施例では２本）架設して、梯子を形成するマンホー
ル１に適用される。このステップＳａの両端部は、直角
に折曲形成され、コンクリート成型体に埋設される。

【００２３】このステップ取付装置５０は、上記と同様
に内型に設けられており、マンホール１の内壁の一般面
を成型する本体型５１と、本体型５１に連設され下側の
ステップＳａが対向する壁面を成型する部分型５２と、
部分型５２と合体する合体位置Ａ及び部分型５２から離
間する離間位置Ｂの二位置に移動可能になるようレール
５３ａにスライド可能に設けられているとともに、上側
のステップＳａの取付面を成型する移動体５３とを備え
ている。

【００２４】５４は部分型５２に設けられ下側のステッ
プＳａを支承する支承部５４である。支承部５４は部分
型５２の型部５２ａにステップＳａの端部が上から挿入
される切欠き凹部５４ａを備えている。

【００２５】移動体５３は、一対の分型５５，５５で構
成されている。一対の分型５５は、上下に設けられて後
側で互いに開閉可能に軸支されており、閉時に互いに接
合されて上側のステップＳａの取付面を成型する型板５
５ａを備えている。また、各分型５５には、互いに対面
する部位に設けられ開時にステップＳａを受け入れると
ともに閉時に共同してステップＳａの端部を挾持する挾
持部５６が設けられている。この挾持部５６は、ステッ
プＳａの端部を挾持するよう分型５５の型板に形成した
切欠きで構成されている。尚、挾持部５６の隙間にはゴ
ム５７が介装されている。

【００２６】５８は移動体５３に設けられ合体位置Ａに
おいて上記支承部５４に支承されたステップＳａを支承
部５４に対して押える押え部である。押え部５８は移動
体５３を構成する下側の分型５５の型板下端で構成され
ている。尚、支承部５４と押え部５８との隙間にはゴム
５９が介装されている。

【００２７】従って、このコンクリート成型枠によって
マンホール１を成型するときは、以下のようになる。

【００２８】先ず、成型に先立つ型組においては、ステ
ップ取付装置５０において、移動体５３を離間位置Ｂに
し、この離間位置Ｂで、ステップＳａを部分型５２の支
承部５４に載置する。また、移動体５３においても、分
型５５を開閉してステップＳａを挾持部５６に挾持す
る。そして、図６に示すように、このステップＳａを挾
持した移動体５３をスライドさせて、合体位置Ａにす
る。これにより、移動体５３の押え部５８によって、支
承部５４に支承されたステップＳａが押えられる。その
ため、ステップＳａを支承して移動体５３を合体位置Ａ
にするだけで良いので、極めて簡単にステップＳａが装
着され、それだけ、作業が容易に行なわれる。この状態
において、外型を成型位置に位置決めし、その後、流動
コンクリートを外型と内型との間に流し込み、所要時間
養生させる。

【００２９】製品取出し時には、先ず、外型を脱型させ
る。次に、図９に示すように、移動体５３をその分型５
５を開いてから後側にスライドさせて離間位置Ｂにす
る。これにより、上側のステップＳａから移動体５３が
離間するとともに、移動体５３の押え部５８による下側
のステップＳａの押えが解除され、上下のステップＳａ
が解放される。

【００３０】この状態において、製品をクレーン等で持
ち上げ、脱型させる。この場合、ステップＳａの押えが
解除されてステップＳａが解放されているので、ステッ
プＳａが他に当接することなく製品が脱型されていく。
そのため、移動体５３を離間位置Ｂにして、製品を持ち
上げるだけで良いので、脱型が極めて簡単に行なわれ、
作業が容易に行なわれる。

【００３１】なお、上記実施例は、マンホール成型枠に
適用したものであるが、必ずしもこれに限定されるもの
ではなく、防火水槽等他のコンクリート成型品用の成型
枠に用いて良い。

【００３２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のコンクリ
ート成型枠のステップ取付装置によれば、型組時には、
ステップを支承部に支承し移動体を合体位置に位置させ
るだけでステップを部分型に保持させることができると
ともに、脱型時には、移動体を離間位置に位置させるだ
けでステップを解放させ脱型することができるので、容
易に型組し、脱型させることができ、それだけ、作業性
が良くなり、作業効率が大幅に向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第一の実施例に係るコンクリート成型
枠のステップ取付装置を示す断面図である。

【図２】本発明の第一の実施例に係るステップ取付装置
が適用されるコンクリート成型枠を示す斜視図である。

【図３】本発明の第一の実施例に係るステップ取付装置
の部分型を示す裏面図である。

【図４】本発明の第一の実施例に係るステップ取付装置
の要部図である。

【図５】本発明の第一の実施例に係るステップ取付装置
の成型及び脱型時の状態を示す工程図である。

【図６】本発明の第二の実施例に係るコンクリート成型
枠のステップ取付装置を示す断面図である。

【図７】本発明の第二の実施例に係るコンクリート成型
枠のステップ取付装置を示す要部正面図である。

【図８】本発明の第二の実施例に係るコンクリート成型
枠のステップ取付装置を示す要部平面図である。

【図９】本発明の第二の実施例に係るステップ取付装置
の脱型時の状態を示す断面図である。

【図１０】本発明が適用されるコンクリート成型枠が成
型するコンクリート成型体の一例を示す斜視図である。

【図１１】従来のコンクリート成型枠のステップ取付装
置の一例を示す斜視図である。

【符号の説明】 Ｓ ステップ １ マンホール（被成型体） １０ レール １１ 外型 １２ 内型 ２０ ステップ取付装置 ２１ 本体型 ２２ 部分型 Ｃ 間隙 ２３ 移動体 Ａ 合体位置 Ｂ 離間位置 ３０ 下側支承部 ３１ 上側支承部 ３３ 支承片 Ｘ 支承位置 Ｙ 後退位置 ３５ 下側押え部 ３６ 上側押え部 ４０ 移動機構 Ｓａ ステップ ５０ ステップ取付装置 ５１ 本体型 ５２ 部分型 ５３ 移動体 ５４ 支承部 ５５ 分型 ５２ 挾持部 ５８ 押え部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被成型体の壁部にステップの端部を埋設
   させて該ステップを取付けるコンクリート成型枠のステ
   ップ取付装置において、被成型体の壁部の一般面を成型
   する本体型と、ステップが対向する壁面を成型するとと
   もに本体型に一体的に設けられる部分型と、部分型と合
   体する合体位置及び部分型から後側に離間する離間位置
   の二位置に移動可能に設けられる移動体と、部分型に設
   けられステップを支承する支承部と、移動体に設けられ
   合体位置において上記支承されたステップを支承部に対
   して押える押え部とを備えたことを特徴とするコンクリ
   ート成型枠のステップ取付装置。