JPH06283631A - 熱硬化性樹脂組成物の製法 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物の製法

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JPH06283631A
JPH06283631A JP6653793A JP6653793A JPH06283631A JP H06283631 A JPH06283631 A JP H06283631A JP 6653793 A JP6653793 A JP 6653793A JP 6653793 A JP6653793 A JP 6653793A JP H06283631 A JPH06283631 A JP H06283631A
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JP
Japan
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thermosetting resin
resin
resin composition
filler
optical semiconductor
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Pending
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JP6653793A
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English (en)
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Suguru Yamamoto
英 山本
Satoshi Tanigawa
聡 谷川
Hiroshige Nakagawa
洋恵 中川
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性、低応力性および透明性を兼ね備えた
硬化体を与える光半導体封止用熱硬化性樹脂組成物の製
法を提供するものであり、またその製法によって作製さ
れた透明な熱硬化性樹脂硬化体で封止された光半導体装
置を提供するものである。 【構成】 熱硬化性樹脂、硬化剤成分および粒子径が5
×10-3×〔(m2 +2)/(m2 −1)〕2/3 μm以
下の充填剤。(ただし、mは充填剤の屈折率と〔(A)
+(B)〕の樹脂硬化体の屈折率比を表し、mは1.0
005より大きい、あるいは0.9995より小さい値
をとる。)を添加混合することを特徴とする構成をと
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明な硬化体を与える
熱硬化性樹脂組成物の製法に関するものであり、特に耐
熱性、低応力性および透明性を兼ね備えた硬化体を与え
る光半導体封止用熱硬化性樹脂組成物の製法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】現在、多くの光半導体装置は透明エポキ
シ樹脂硬化体で封止されているが、樹脂硬化体の内部応
力により、光半導体素子が劣化する問題がある。たとえ
ば、LED(発光ダイオ−ド)の場合、輝度が劣化す
る。そこで、透明かつ低応力の樹脂硬化体を得るため
に、光の波長よりも充分に小さい、具体的には粒子径が
0.1μm以下のシリカ超微粒子を樹脂に充填すること
が提案されている。(特願平3−133418)。
【0003】しかしながら、充填剤の粒子径を0.1μ
m以下にしても十分な透明性が得られない場合があり、
これは、充填剤と樹脂硬化体部分との屈折率差が影響し
ていることによるものである。本発明は、このような事
情に鑑みなされたもので、耐熱性、低応力性および透明
性を兼ね備えた硬化体を与える熱硬化性樹脂組成物の製
法および、その製法によって作製された熱硬化性樹脂組
成物で封止された光半導体装置を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明の熱硬化性樹脂組成物の製法は、下記の
(A)、(B)および(C)成分を添加混合することを
特徴とする構成をとる。 (A)熱硬化性樹脂。 (B)硬化剤成分。 (C)粒子径が5×10-3×〔(m2 +2)/(m2
1)〕2/3 μm以下の充填剤。ただし、mは充填剤の屈
折率と〔(A)+(B)〕の樹脂硬化体の屈折率との屈
折率比を表し、mは1.0005より大きい、あるいは
0.9995より小さい値をとる。
【0005】本発明者らは、微粒子充填系の光散乱に基
づく透明性低下について検討し、次の結果を得た。微粒
子充填樹脂系の光散乱強度Iは、次式で与えられる。
【数1】
【0006】光の波長λは550nmを中心波長とした
可視光400〜700nmに限定されているので、
〔(m2 −1)/(m2 +2)〕2 3 を一定値以下に
抑えることで光散乱を小さくすることが可能になり、目
的の特に透明性の低下しない熱硬化性樹脂硬化体を得る
ことができる。実験結果に基づき、〔(m2 −1)/
(m2 +2 )〕2 3 の値を1.2×10-7以下にす
ることにより透明性を得る条件を得た。ここで、Dの単
位はμmである。このときの樹脂硬化体の透明性は、着
色透明の場合も含み、分光光度計で測定し、厚さ4mm
で600nmの波長の光透過率が60%以上、好ましく
は80%以上をいう。透明性を得る条件を粒子径Dにつ
いて書き直すと次式となる。
【数2】
【0007】従って、上式の数2から、どのような種類
の樹脂あるいは充填剤を用いても、充填剤の粒子径ある
いはその屈折率と樹脂硬化体の屈折率が、D<5×10
-3×〔(m2 +2)/(m2 −1)〕2/3 μmを満足さ
せることによって、光散乱が抑えられ、透明性を確保す
ることが可能である。
【0008】上記熱硬化性樹脂(A)成分としては、特
にエポキシ樹脂が好適であり、ビスフェノ−ル型エポキ
シ樹脂、脂環式エポキシ樹脂およびノボラック型エポキ
シ樹脂、など特に限定しないが、光半導体用の透明樹脂
としては、ビスフェノ−ル型エポキシ樹脂、脂環式エポ
キシ樹脂が好ましい。このようなエポキシ樹脂として
は、一般に、エポキシ当量100〜1000、軟化点1
20℃以下のものが用いられる。光半導体用の透明樹脂
としては、前二者のエポキシ樹脂に、他のエポキシ樹脂
を併用しても良いが、その使用割合は、エポキシ樹脂全
体の50重量%以下に設定するのが好適である。
【0009】硬化剤成分(B)成分としては、硬化剤お
よび硬化促進剤が含まれる。硬化剤としては、アミン
系、酸無水物系およびフェノ−ル系硬化剤など特に限定
しないが、光半導体用の透明樹脂としては、好ましく
は、酸無水物系硬化剤が用いられ、その分子量は140
〜200程度のものが好適である。例えば、ヘキサヒド
ロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘ
キサヒドロ無水フタル酸およびメチルテトラヒドロ無水
フタル酸等の無色ないし淡黄色の酸無水物が挙げられ
る。上記酸無水物系硬化剤の配合量は、透明性エポキシ
樹脂とともに用いられ、透明性エポキシ樹脂100重量
部(以下、「部」と略す)に対して、50〜200部の
範囲に設定することが好ましい。また、硬化触媒として
は、三級アミン、イミダゾ−ル化合物および有機金属錯
塩等が挙げられる。
【0010】(C)成分として用いる充填剤としては、
超微粒子すなわち粒子径1μm以下の領域に入る粒度と
なる。粒子径が1μm以上になると、屈折率の制限範囲
が極めて狭く厳しくなり、すなわち、樹脂硬化体の屈折
率と充填剤の屈折率を非常に近ずけなければならず、ま
た、充填剤の屈折率の温度変化による影響も無視できな
くなり、樹脂硬化体の透明性を維持することが難しくな
る。しかし、特願平3−133418に記載されている
粒子径0.1μm以下の範囲外、すなわち粒子径が0.
1〜1.0μmであっても本発明における充填剤と樹脂
部の屈折率比を本発明の制限内で適宜選ぶことによって
透明性を確保した樹脂硬化体を得ることができる。また
充填剤としての超微粒子は、凝集し二次粒子を形成しや
すいので、それを防ぐため、適切な分散剤として有機溶
媒を用いることが好ましい。
【0011】例えば、メタノ−ル、エタノ−ル、プロパ
ノ−ル、ブタノ−ル、キシレン、トルエン、ヘキサン、
エチレングリコ−ル、メチルエ−テル、メチルエチルエ
−テル、エチルエ−テル、プロピルエ−テル、テトラヒ
ドロフタン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムア
ミド、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノ
ン、ジオキサンおよびメチルイソブチルケトン等が挙げ
られる。これらは単独でもしくは併せて用いられる。
【0012】本発明における充填剤は、例えば、珪酸ソ
−ダ法あるいはゾル−ゲル法で製造されるため、粒度分
布の精度が良い。従って、その粒度分布の精度が優れる
超微粒子を樹脂部に添加するため、得られる樹脂硬化体
の透明性は高い。しかし、すでに公知となっている、透
明性エポキシ樹脂の有機溶媒溶液に、水とアルコキシシ
ランを加え所定時間反応させることによって合成し、そ
の後有機溶媒および水を減圧除去することにより、シリ
カ微粒子がほぼ均一に分散含有されるようにして作製さ
れた透明性エポキシ樹脂の場合(特願平3−13341
8)、シリカ粒子の粒度分布がばらつき、また不純物も
洗浄できないため、充填剤添加法に較べ透明性に劣る。
【0013】充填剤の材質としては、シリカ、酸化チタ
ン、酸化アルミニウムおよび酸化ジルコニウム等が用い
られる。
【0014】上記熱硬化性樹脂組成物は、例えば、次の
ように製造することができる。すなわち、上記各成分の
原料を適宜配合し、予備混合した後、混練機に掛けて混
練して溶融混合する。そして、これを室温に冷却した
後、公知の手段によって、粉砕し、必要に応じて打錠す
るという一連の工程により製造することができる。ただ
し、シリカ粒子が超微粒子の場合、特願平4−1168
22のようにあらかじめ有機溶媒にシリカ超微粒子を分
散させ、ついでこのシリカ超微粒子の分散液と樹脂成分
を混合させ、その後、脱溶媒するとよい。
【0015】このような熱硬化性樹脂組成物を用いて
の、半導体素子の封止は、特に限定するものではなく、
通常のトランスファ−成形、注型などの公知のモ−ルド
方法により行うことができる。
【0016】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を説明する。 実施例1 粒子径が0.015μmであるシリカ超微粒子をアルコ
−ルに分散させた後、このシリカ超微粒子の固形分20
0部、エポキシ当量185のビスフェノ−ルA型エポキ
シ樹脂100部、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸
100部、2−エチル−4−メチルイミダゾ−ル0.4
部、および酸化防止剤2.5部を混合し、脱溶媒を行っ
た後、加熱硬化してシリカ超微粒子を含有するエポキシ
樹脂硬化体を得た。ここでシリカの屈折率1.50、充
填剤以外のエポキシ樹脂硬化体の屈折率1.55より、
5×10-3×〔(m2 +2)/(m2 −1)〕2/3
0.06μmとなり、用いた粒子径が0.015μmで
あるから、樹脂硬化体が透明となる条件D<0.06μ
mを満たしている。得られた樹脂硬化体の光透過率は8
6%であり、充填剤添加系としては高い透明性を示し
た。
【0017】実施例2 実施例1において、シリカ超微粒子の変わりに粒子径
0.008μmの酸化チタン(屈折率2.60)を15
0部添加した以外は同様にして、酸化チタンの超微粒子
を含有したエポキシ樹脂硬化体を得た。この時の条件は
D<0.009μmとなり樹脂硬化体が透明となる条件
を満たしていた。得られたエポキシ樹脂硬化体の光透過
率は83%であった。
【0018】実施例3 粒子径が0.03μmであるシリカ超微粒子150部、
エポキシ当量650のビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂
80部、トリグリシジルイソシアヌレ−ト20部、テト
ラヒドロ無水フタル酸44部、2−エチル−4−メチル
イミダゾ−ル0.4部、酸化防止剤2.5部を混合し、
シリカ超微粒子を含有するエポキシ樹脂硬化体を得た。
この時の条件は実施例1と同様D<0.06μmとなり
樹脂硬化体が透明となる条件を満たしている。得られた
エポキシ樹脂硬化体の光透過率は85%であった。
【0019】実施例4 粒子径が0.3μmであるシリカ超微粒子をアルコ−ル
に分散させた後、このシリカ超微粒子固形分90部、エ
ポキシ当量185のビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂8
2部、エポキシ当量252の脂環式エポキシ樹脂を12
部、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸100部を混
合し、脱溶媒を行った後、加熱硬化してシリカ超微粒子
を含有するエポキシ樹脂硬化体を得た。ここでシリカの
屈折率1.532、充填剤以外のエポキシ樹脂硬化体の
屈折率1.536より、5×10-3×〔(m2 +2)/
(m2 −1)〕2/3 =0.35μmとなり、用いた粒子
径が0.3μmであるから、樹脂硬化体が透明となる条
件D<0.35μmを満たしている。得られた樹脂硬化
体の光透過率は80%であった。
【0020】比較例1 実施例1において粒子径0.15μmのシリカ粒子を用
いた以外は同様にした。この時D>0.06μmとなり
樹脂硬化体が透明となる条件を満たしていない。その時
の光透過率は10%以下となり、不透明樹脂硬化体とな
った。
【0021】比較例2 実施例2において粒子径0.03μmの酸化チタン粒子
を用いた以外は同様にした。この時D>0.009μm
となり樹脂硬化体が透明となる条件を満たしていない。
その時の光透過率は10%以下となり、不透明樹脂硬化
体となった。
【0022】比較例3 実施例3において粒子径0.20μmのシリカ粒子を用
いた以外は同様にした。この時D>0.06μmとなり
樹脂硬化体が透明となる条件を満たしていない。その時
の光透過率は10%以下となり、不透明樹脂硬化体とな
った。
【0023】比較例4 実施例1においてシリカ充填剤を添加しなかった以外同
様にしてエポキシ樹脂硬化体を作成した。この時の光透
過率は89%であった。
【0024】次に、実施例1〜3および比較例4で得ら
れたエポキシ樹脂組成物を用いて、硬化温度150℃
で、LEDを樹脂封止して光半導体装置を作製し、この
光半導体装置の高温での通電輝度劣化を測定した。その
結果を下記の表1にに示す。まお、通電輝度劣化の測定
は、次のようにして行った。すなわち、光半導体装置
(LEDデバイス)に定電流を流し、輝度として電流印
加後5秒後の受光素子の出力電流値を求め劣化率を測定
した。測定条件は、評価素子0.5×0.5mmのGa
As、パッケ−ジとしては、直径5mmのパイロットラ
ンプを用い、80℃雰囲気下において、20mA通電の
1000時間後の輝度劣化率である。
【0025】
【表1】
【0026】以上の結果から実施例1〜3では透明性が
高く、かつ輝度劣化も大幅に抑制されていることがわか
る。また、比較例1〜3では光透過率が極めて低いため
半導体用途としては全く使用できない。
【0027】
【発明の効果】以上の如く、この発明の熱硬化性樹脂組
成物は粒子径が5×10-3×〔(m2+2)/(m2
1)〕2/3 μm以下の超微粒子を含んでいるため、光透
過率を低下させることなく、封止した光半導体装置の輝
度劣化を大きく抑制することができる。以上の説明で
は、本発明における熱硬化性樹脂組成物を光半導体素子
の樹脂封止に適用する場合を主に述べたが、これに限る
ものではなく、一般の半導体素子を樹脂封止する半導体
封止樹脂にも適用される。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)、(B)および(C)成分
    を添加混合することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物の
    製法。 (A)熱硬化性樹脂。 (B)硬化剤成分。 (C)粒子径が5×10-3×〔(m2 +2)/(m2
    1)〕2/3 μm以下の充填剤。ただし、mは充填剤の屈
    折率と〔(A)+(B)〕の樹脂硬化体の屈折率との屈
    折率比を表し、mは1.0005より大きい、あるいは
    0.9995より小さい値をとる。
  2. 【請求項2】 (C)の充填剤がシリカ粒子である請求
    項1記載の熱硬化性樹脂組成物の製法。
  3. 【請求項3】 (C)の充填剤が珪酸ソ−ダ法あるいは
    ゾル−ゲル法で製造されたものである請求項2記載の熱
    硬化性樹脂組成物の製法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載された製法で作製された
    熱硬化性樹脂組成物を用いて光半導体素子を封止してな
    る光半導体装置。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載された製法で作製された
    熱硬化性樹脂組成物を用いて光半導体素子を封止してな
    る光半導体装置。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載された製法で作製された
    熱硬化性樹脂組成物を用いて光半導体素子を封止してな
    る光半導体装置。
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