JPH06282954A - 磁気ヘッドスライダ - Google Patents
磁気ヘッドスライダInfo
- Publication number
- JPH06282954A JPH06282954A JP6895293A JP6895293A JPH06282954A JP H06282954 A JPH06282954 A JP H06282954A JP 6895293 A JP6895293 A JP 6895293A JP 6895293 A JP6895293 A JP 6895293A JP H06282954 A JPH06282954 A JP H06282954A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- slider
- air
- bearing surface
- air bearing
- abs
- Prior art date
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- Pending
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- Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ディスク内外周の浮上量差を抑えるクロスカ
ットスライダの空気膜剛性を向上させ、寸法誤差等によ
る浮上量変動を改善することで、より信頼性の高い磁気
ヘッドスライダを提供する。 【構成】 磁気ディスク表面に対向する浮上面に、浮上
面の空気流入端から流出側に向かって延びる一対の外側
空気ベアリング面と、前記外側空気ベアリング面の内側
に浮上面の空気流出端から流入側に向かって延びる一対
の内側空気ベアリング面とを配置し、前記外側空気ベア
リング面の空気流出端を前記内側空気ベアリング面の空
気流出端よりも空気流入側に形成し、前記内側空気ベア
リング面の空気流入端を前記外側空気ベアリング面の空
気流入端よりも空気流出側に形成する。 【効果】 クロスカットスライダよりも空気膜剛性が高
く、外乱に対する浮上量変動が小さいため、より信頼性
の高い磁気ヘッドスライダを提供することができる。
ットスライダの空気膜剛性を向上させ、寸法誤差等によ
る浮上量変動を改善することで、より信頼性の高い磁気
ヘッドスライダを提供する。 【構成】 磁気ディスク表面に対向する浮上面に、浮上
面の空気流入端から流出側に向かって延びる一対の外側
空気ベアリング面と、前記外側空気ベアリング面の内側
に浮上面の空気流出端から流入側に向かって延びる一対
の内側空気ベアリング面とを配置し、前記外側空気ベア
リング面の空気流出端を前記内側空気ベアリング面の空
気流出端よりも空気流入側に形成し、前記内側空気ベア
リング面の空気流入端を前記外側空気ベアリング面の空
気流入端よりも空気流出側に形成する。 【効果】 クロスカットスライダよりも空気膜剛性が高
く、外乱に対する浮上量変動が小さいため、より信頼性
の高い磁気ヘッドスライダを提供することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固定磁気ディスク装置
に用いられる浮上型磁気ヘッドの磁気ヘッドスライダに
関する。
に用いられる浮上型磁気ヘッドの磁気ヘッドスライダに
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータの外部記憶装置とし
ては、その高速性や大容量性から固定磁気ディスク装置
が普及しつつある。そして、より容量が大きく小型の固
定磁気ディスク装置を実現するため、記録密度を高める
目的で高い綿密度が求められている。高い線密度は記録
波長の微小な領域で動作させるために磁気ヘッドの磁気
ギャップをより狭くし、磁気ギャップと磁気ディスクと
の間隙(以下、浮上量と呼ぶ)をより低くする必要が生
じてきている。しかし、低浮上量では磁気ディスクと磁
気ヘッドスライダ(以下、スライダと称す)とが接触し
やすくなり、磁気ディスクの記録面を破壊する可能性が
高くなる。そのため、これらの浮上面を有するスライダ
では、浮上量を低く一定に維持することが望まれる。
ては、その高速性や大容量性から固定磁気ディスク装置
が普及しつつある。そして、より容量が大きく小型の固
定磁気ディスク装置を実現するため、記録密度を高める
目的で高い綿密度が求められている。高い線密度は記録
波長の微小な領域で動作させるために磁気ヘッドの磁気
ギャップをより狭くし、磁気ギャップと磁気ディスクと
の間隙(以下、浮上量と呼ぶ)をより低くする必要が生
じてきている。しかし、低浮上量では磁気ディスクと磁
気ヘッドスライダ(以下、スライダと称す)とが接触し
やすくなり、磁気ディスクの記録面を破壊する可能性が
高くなる。そのため、これらの浮上面を有するスライダ
では、浮上量を低く一定に維持することが望まれる。
【0003】図8に示す磁気ヘッドは、テーパーフラッ
トスライダと呼ばれるスライダを有し、製造コストが低
いことから、従来一般的に用いられてきた。図9には、
図8のテーパーフラットスライダの浮上面の構成を示
す。スライダ21は少なくとも2本の空気ベアリング面
22(以下ABSと称す)と、この浮上面の間にある溝
部24と、側部浮上面の前端部にまたがって形成された
テーパー部23と、ABS流出端に配置された磁気ギャ
ップ25で構成されていた(例えば、特開平4−674
85号公報)。
トスライダと呼ばれるスライダを有し、製造コストが低
いことから、従来一般的に用いられてきた。図9には、
図8のテーパーフラットスライダの浮上面の構成を示
す。スライダ21は少なくとも2本の空気ベアリング面
22(以下ABSと称す)と、この浮上面の間にある溝
部24と、側部浮上面の前端部にまたがって形成された
テーパー部23と、ABS流出端に配置された磁気ギャ
ップ25で構成されていた(例えば、特開平4−674
85号公報)。
【0004】また、図10に示すクロスカットスライダ
(G.Clifford and D.Henze,'An AirBearing Minimizing
The Effects of Slide Skew Angle',IEEE Trans.on Ma
g.Vol25,No.5,pp.3713〜3715,Sep.,1989)と呼ばれるス
ライダ(例えば、特開平1−116957号公報)があ
る。図11は、図10のクロスカットスライダの浮上面
の構成を示す。図に示すように、スライダ26はスライ
ダ短手方向の溝部31によって前後に分割された前部A
BS27と後部ABS28と、浮上面長手方向の溝部3
0と、前部ABSの前端部にまたがって形成されたテー
パー部29と、後部ABS流出端に配置された磁気ギャ
ップ25とで構成されていた。
(G.Clifford and D.Henze,'An AirBearing Minimizing
The Effects of Slide Skew Angle',IEEE Trans.on Ma
g.Vol25,No.5,pp.3713〜3715,Sep.,1989)と呼ばれるス
ライダ(例えば、特開平1−116957号公報)があ
る。図11は、図10のクロスカットスライダの浮上面
の構成を示す。図に示すように、スライダ26はスライ
ダ短手方向の溝部31によって前後に分割された前部A
BS27と後部ABS28と、浮上面長手方向の溝部3
0と、前部ABSの前端部にまたがって形成されたテー
パー部29と、後部ABS流出端に配置された磁気ギャ
ップ25とで構成されていた。
【0005】現在、固定磁気ディスク装置を小型化する
ため、図12に示すような回転形アクチュエータを有す
る固定磁気ディスク装置が主流である。図に示すよう
に、スライダ21は、接着剤や合成樹脂などによりサス
ペンション32に固定され、さらにサスペンション32
は駆動アーム33にかしめ固定されている。磁気ディス
ク34上のスライダ21は、駆動アーム33の回転に伴
い、矢印Aの方向に回転するディスクにより生じる空気
流の方向と浮上面の長手方向とのなす角、すなわちスキ
ュー角θが変化する。図13はスキュー角θがゼロのと
きのスライダ21と流入空気の方向Bとの関係を示し、
図14はスキュー角θが生じたときのスライダ21と流
入空気の方向Cとの関係を示す。このスキュー角θの最
大値は磁気ディスクの回転方向に対しておよそ±15°
程度である。
ため、図12に示すような回転形アクチュエータを有す
る固定磁気ディスク装置が主流である。図に示すよう
に、スライダ21は、接着剤や合成樹脂などによりサス
ペンション32に固定され、さらにサスペンション32
は駆動アーム33にかしめ固定されている。磁気ディス
ク34上のスライダ21は、駆動アーム33の回転に伴
い、矢印Aの方向に回転するディスクにより生じる空気
流の方向と浮上面の長手方向とのなす角、すなわちスキ
ュー角θが変化する。図13はスキュー角θがゼロのと
きのスライダ21と流入空気の方向Bとの関係を示し、
図14はスキュー角θが生じたときのスライダ21と流
入空気の方向Cとの関係を示す。このスキュー角θの最
大値は磁気ディスクの回転方向に対しておよそ±15°
程度である。
【0006】このスキュー角θが浮上量に与える影響
を、テーパーフラットスライダについて、図13および
図14を用いて説明する。図13に示す矢印Pと、図1
4に示す矢印Qは、テーパー部23のくさび軸受け作用
により生成される圧縮空気の流れを模式的に示すもので
ある。図13と図14との比較から明らかなように、ス
キュー角θが0°から変化した場合、圧縮空気が浮上面
22に十分な浮上力を与える前に浮上面22側方から流
出するため、スライダの浮上量の減少やスライダのロー
ルの増加が生じる。このため、磁気ディスク上でスライ
ダが内周から外周へ移動したときの浮上量は、ディスク
とスライダの相対速度およびスキュー角θから決定され
る。図15に実線で一定条件下でのテーパーフラットス
ライダの浮上量を示す。スライダの浮上量は、ディスク
全域にわたり一定であることが望ましいが、図15に示
すように、従来一般的に使用されてきたテーパーフラッ
トスライダではその浮上量変化が大きかった。
を、テーパーフラットスライダについて、図13および
図14を用いて説明する。図13に示す矢印Pと、図1
4に示す矢印Qは、テーパー部23のくさび軸受け作用
により生成される圧縮空気の流れを模式的に示すもので
ある。図13と図14との比較から明らかなように、ス
キュー角θが0°から変化した場合、圧縮空気が浮上面
22に十分な浮上力を与える前に浮上面22側方から流
出するため、スライダの浮上量の減少やスライダのロー
ルの増加が生じる。このため、磁気ディスク上でスライ
ダが内周から外周へ移動したときの浮上量は、ディスク
とスライダの相対速度およびスキュー角θから決定され
る。図15に実線で一定条件下でのテーパーフラットス
ライダの浮上量を示す。スライダの浮上量は、ディスク
全域にわたり一定であることが望ましいが、図15に示
すように、従来一般的に使用されてきたテーパーフラッ
トスライダではその浮上量変化が大きかった。
【0007】この問題を改善するスライダとして、図1
0に示すクロスカットスライダが提案された。このクロ
スカットスライダのスライダ26では、後部ABS28
に発生する圧力はテーパー29により生成される圧縮空
気に依存しないので、スキュー角θの変化による浮上量
の変化を減少することができる。一定条件下でのクロス
カットスライダの浮上量を図15の曲線35で示す。図
15に示すように、クロスカットスライダ36ではテー
パーフラットスライダ35に比較して浮上量変化が小さ
い。
0に示すクロスカットスライダが提案された。このクロ
スカットスライダのスライダ26では、後部ABS28
に発生する圧力はテーパー29により生成される圧縮空
気に依存しないので、スキュー角θの変化による浮上量
の変化を減少することができる。一定条件下でのクロス
カットスライダの浮上量を図15の曲線35で示す。図
15に示すように、クロスカットスライダ36ではテー
パーフラットスライダ35に比較して浮上量変化が小さ
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このクロスカ
ットスライダには、空気膜剛性がテーパーフラットスラ
イダに比べて低いという欠点がある。空気膜剛性は、浮
上量変化に対する荷重変動の比で示され、製造時のスラ
イダ寸法バラツキや外部からの振動などの外乱に対する
浮上変動の起こり難さをあらわす。一例を示すと、5.
62m/s、スキュー角13°、荷重44mNの条件に
おいて浮上面外形を2.5×1.5mmとしたとき、テ
ーパーフラットスライダの空気膜剛性が539mN/μ
mであるのに対し、クロスカットスライダの空気膜剛性
は343mN/μmであった。これは、空気膜剛性に大
きく寄与する空気流出端側ABSの長さと幅の比が、ク
ロスカットスライダではテーパーフラットスライダに比
べて極端に小さく、十分な圧縮性が確保されていないた
めであった。
ットスライダには、空気膜剛性がテーパーフラットスラ
イダに比べて低いという欠点がある。空気膜剛性は、浮
上量変化に対する荷重変動の比で示され、製造時のスラ
イダ寸法バラツキや外部からの振動などの外乱に対する
浮上変動の起こり難さをあらわす。一例を示すと、5.
62m/s、スキュー角13°、荷重44mNの条件に
おいて浮上面外形を2.5×1.5mmとしたとき、テ
ーパーフラットスライダの空気膜剛性が539mN/μ
mであるのに対し、クロスカットスライダの空気膜剛性
は343mN/μmであった。これは、空気膜剛性に大
きく寄与する空気流出端側ABSの長さと幅の比が、ク
ロスカットスライダではテーパーフラットスライダに比
べて極端に小さく、十分な圧縮性が確保されていないた
めであった。
【0009】空気膜剛性が低いスライダでは、外乱に対
する浮上量変動が大きいため、特に0.15μm以下の
低浮上量域では磁気ディスクとの接触によるデータ破壊
の可能性が高く、高い信頼性が要求される高性能固定磁
気ディスク装置には用いることが難しかった。
する浮上量変動が大きいため、特に0.15μm以下の
低浮上量域では磁気ディスクとの接触によるデータ破壊
の可能性が高く、高い信頼性が要求される高性能固定磁
気ディスク装置には用いることが難しかった。
【0010】本発明は、このような課題を解決するもの
で、スキュー角θが変化しても浮上量や空気膜剛性が変
化せず、低浮上量域でも安定したヘッド走行を可能とす
る磁気ヘッドスライダを提供することを目的とするもの
である。
で、スキュー角θが変化しても浮上量や空気膜剛性が変
化せず、低浮上量域でも安定したヘッド走行を可能とす
る磁気ヘッドスライダを提供することを目的とするもの
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決するため、磁気ディスク表面に対向する磁気ヘッド
の浮上面に、浮上面の空気流入端から流出側に向かって
延びる一対の外側空気ベアリング面と、外側空気ベアリ
ング面の内側に浮上面の空気流出端から流入側に向かっ
て延びる一対の内側空気ベアリング面とを配置し、外側
空気ベアリング面の空気流出端を内側空気ベアリング面
の空気流出端よりも空気流入側に形成し、内側空気ベア
リング面の空気流入端を外側空気ベアリング面の空気流
入端よりも空気流出側に形成するようにしたものであ
る。
解決するため、磁気ディスク表面に対向する磁気ヘッド
の浮上面に、浮上面の空気流入端から流出側に向かって
延びる一対の外側空気ベアリング面と、外側空気ベアリ
ング面の内側に浮上面の空気流出端から流入側に向かっ
て延びる一対の内側空気ベアリング面とを配置し、外側
空気ベアリング面の空気流出端を内側空気ベアリング面
の空気流出端よりも空気流入側に形成し、内側空気ベア
リング面の空気流入端を外側空気ベアリング面の空気流
入端よりも空気流出側に形成するようにしたものであ
る。
【0012】
【作用】本発明は上記の構成により、空気膜剛性に大き
く寄与する空気流出端側ABSの長さと幅の比をクロス
カットスライダよりも大きくとれ、テーパーフラットス
ライダと同等であり、十分な圧縮性を確保することがで
きる。また、内側ABSが空気流入端にテーパー部を持
たない。そのためスキュー角θが変化したときでも、内
側ABS上に発生する圧力変化が少なく、クロスカット
スライダに近い浮上量が得られる。
く寄与する空気流出端側ABSの長さと幅の比をクロス
カットスライダよりも大きくとれ、テーパーフラットス
ライダと同等であり、十分な圧縮性を確保することがで
きる。また、内側ABSが空気流入端にテーパー部を持
たない。そのためスキュー角θが変化したときでも、内
側ABS上に発生する圧力変化が少なく、クロスカット
スライダに近い浮上量が得られる。
【0013】
【実施例】以下に本発明の実施例の磁気ヘッドスライダ
を図面を参照しながら説明する。
を図面を参照しながら説明する。
【0014】(実施例1)図1に本発明の実施例1の磁
気ヘッドスライダの構成を、図2に浮上面の構成を示
す。図1において、1はスライダ、2は浮上面の外側に
位置する外側ABSであり、磁気ギャップ4が配置され
た空気流出端までは延びておらず、空気流入側の前端部
にはテーパー部5が形成されている。外側ABS2の内
側には、溝部6に隔てられて内側ABS3が、さらにそ
の内側に溝部7が形成されている。4は磁気ギャップで
あり、内側ABS3の少なくともいずれか一方の空気流
出端に形成されている。図1に示すように、本実施例の
スライダでは、空気膜剛性に大きく寄与する空気流出端
側ABSの長さと幅の比L3/W3が、クロスカットス
ライダに比べて大きくテーパーフラットスライダと同等
であり、十分な圧縮性が確保される。また、スライダ1
では内側ABS3が空気流入端にテーパー部を持たな
い。そのため、スキュー角θが変化したときにも内側A
BS3上に発生する圧力の変化が小さく、クロスカット
スライダに近い浮上量特性が得られる。図3は実施例1
のスライダの、5.62m/s、スキュー角13°、荷
重44mNの条件における、浮上面上の圧力分布図であ
る。上記条件では、実施例1のスライダの空気膜剛性は
500mN/μmであり、クロスカットスライダの34
3mN/μmに対して46%の増加であった。また、図
15の曲線37で一定条件下での実施例1のスライダの
浮上量を示す。図15に示すように、浮上量変化は、ク
ロスカットスライダ36よりも大きいものの、テーパー
フラットスライダ35よりは小さい。
気ヘッドスライダの構成を、図2に浮上面の構成を示
す。図1において、1はスライダ、2は浮上面の外側に
位置する外側ABSであり、磁気ギャップ4が配置され
た空気流出端までは延びておらず、空気流入側の前端部
にはテーパー部5が形成されている。外側ABS2の内
側には、溝部6に隔てられて内側ABS3が、さらにそ
の内側に溝部7が形成されている。4は磁気ギャップで
あり、内側ABS3の少なくともいずれか一方の空気流
出端に形成されている。図1に示すように、本実施例の
スライダでは、空気膜剛性に大きく寄与する空気流出端
側ABSの長さと幅の比L3/W3が、クロスカットス
ライダに比べて大きくテーパーフラットスライダと同等
であり、十分な圧縮性が確保される。また、スライダ1
では内側ABS3が空気流入端にテーパー部を持たな
い。そのため、スキュー角θが変化したときにも内側A
BS3上に発生する圧力の変化が小さく、クロスカット
スライダに近い浮上量特性が得られる。図3は実施例1
のスライダの、5.62m/s、スキュー角13°、荷
重44mNの条件における、浮上面上の圧力分布図であ
る。上記条件では、実施例1のスライダの空気膜剛性は
500mN/μmであり、クロスカットスライダの34
3mN/μmに対して46%の増加であった。また、図
15の曲線37で一定条件下での実施例1のスライダの
浮上量を示す。図15に示すように、浮上量変化は、ク
ロスカットスライダ36よりも大きいものの、テーパー
フラットスライダ35よりは小さい。
【0015】したがって、浮上量変化はクロスカットス
ライダよりも大きいものの、高い信頼性が要求される
0.15μm以下の低浮上量域では、より実用的であ
る。
ライダよりも大きいものの、高い信頼性が要求される
0.15μm以下の低浮上量域では、より実用的であ
る。
【0016】(実施例2)図4に本発明の実施例2の磁
気ヘッドスライダの構成を、図5にスライダの浮上面の
構成を示す。図4において、8はスライダ、9は浮上面
の外側に位置する外側ABSであり、磁気ギャップ4が
配置されている空気流出端までは延びておらず、空気流
入側の前端部にはテーパー部11が形成されている。外
側ABS9の内側には、溝部13に隔てられて内側AB
S10が、さらにその内側に溝部14が形成されてい
る。内側ABS10の空気流入側の前端部には、テーパ
ー部12が形成されており、その長さL4はテーパー部
11の長さL5よりも短い。4は磁気ギャップであり、
内側ABSのいずれか一方の空気流出端に形成されてい
る。
気ヘッドスライダの構成を、図5にスライダの浮上面の
構成を示す。図4において、8はスライダ、9は浮上面
の外側に位置する外側ABSであり、磁気ギャップ4が
配置されている空気流出端までは延びておらず、空気流
入側の前端部にはテーパー部11が形成されている。外
側ABS9の内側には、溝部13に隔てられて内側AB
S10が、さらにその内側に溝部14が形成されてい
る。内側ABS10の空気流入側の前端部には、テーパ
ー部12が形成されており、その長さL4はテーパー部
11の長さL5よりも短い。4は磁気ギャップであり、
内側ABSのいずれか一方の空気流出端に形成されてい
る。
【0017】実施例2のスライダが実施例1のスライダ
と異なる点は、内側ABS10の空気流入側に形成され
たテーパー部12であって、このテーパー部12は特に
ABS前端部エッジによる信頼性低下を改善する。すな
わち、実施例1のようにABS前端部エッジがほぼ直角
になっている場合は、エッジ部分のチッピングが起こり
易い。しかし、実施例2のように短いテーパー部12を
付与することにより上記の問題点が解決される。なお、
テーパー部12はチッピングを防止するために設けら
れ、少なくともテーパー部11よりも短く、流入空気の
圧縮作用が十分小さい100μm以下が望ましい。
と異なる点は、内側ABS10の空気流入側に形成され
たテーパー部12であって、このテーパー部12は特に
ABS前端部エッジによる信頼性低下を改善する。すな
わち、実施例1のようにABS前端部エッジがほぼ直角
になっている場合は、エッジ部分のチッピングが起こり
易い。しかし、実施例2のように短いテーパー部12を
付与することにより上記の問題点が解決される。なお、
テーパー部12はチッピングを防止するために設けら
れ、少なくともテーパー部11よりも短く、流入空気の
圧縮作用が十分小さい100μm以下が望ましい。
【0018】実施例2のスライダでは、空気膜剛性に大
きく寄与する空気流出端側ABSの長さと幅の比は実施
例1と同じであり、十分な圧縮性が確保される。また、
テーパー部12による流入空気の圧縮作用が十分小さい
ため、空気膜剛性およびディスク上での浮上量変化につ
いても実施例1のスライダとほぼ同等となる。
きく寄与する空気流出端側ABSの長さと幅の比は実施
例1と同じであり、十分な圧縮性が確保される。また、
テーパー部12による流入空気の圧縮作用が十分小さい
ため、空気膜剛性およびディスク上での浮上量変化につ
いても実施例1のスライダとほぼ同等となる。
【0019】(実施例3)図6に本発明の実施例3の磁
気ヘッドスライダの構成を、図7には実施例3の磁気ヘ
ッドスライダの浮上面の構成を示す。図6において、1
5はスライダ、16は浮上面の外側に位置する外側AB
Sであり、磁気ギャップ4が配置された空気流出端まで
は延びておらず、空気流入側の前端部にはテーパー部1
8が形成されている。外側ABS16の内側には、スラ
イダ長手方向に対して0°より大きく90°よりも小さ
い一定の角度をもって形成された溝部19に隔てられて
内側ABS17が、さらにその内側に溝部20が形成さ
れている。4は磁気ギャップであり、内側ABSのいず
れか一方の空気流出端に形成されている。
気ヘッドスライダの構成を、図7には実施例3の磁気ヘ
ッドスライダの浮上面の構成を示す。図6において、1
5はスライダ、16は浮上面の外側に位置する外側AB
Sであり、磁気ギャップ4が配置された空気流出端まで
は延びておらず、空気流入側の前端部にはテーパー部1
8が形成されている。外側ABS16の内側には、スラ
イダ長手方向に対して0°より大きく90°よりも小さ
い一定の角度をもって形成された溝部19に隔てられて
内側ABS17が、さらにその内側に溝部20が形成さ
れている。4は磁気ギャップであり、内側ABSのいず
れか一方の空気流出端に形成されている。
【0020】実施例3のスライダが実施例1のスライダ
と異なる点は、内側ABSと外側ABSとを隔てる溝部
19がスライダ長手方向に対して斜めに形成されている
ことである。このため、テーパー部の幅W4を大きくす
ることができ、浮上時のピッチング角を大きくとり、浮
上量変化を改善することができる。図15に曲線38に
より一定条件下での実施例3のスライダの浮上量を示
す。図15に示すように、浮上量変化はクロスカットス
ライダとほぼ同等である。なお、5.62m/s、スキ
ュー角13°、荷重44mNの条件において浮上面外形
を2.5×1.5mmとしたときの空気膜剛性は441
mN/μmであった。
と異なる点は、内側ABSと外側ABSとを隔てる溝部
19がスライダ長手方向に対して斜めに形成されている
ことである。このため、テーパー部の幅W4を大きくす
ることができ、浮上時のピッチング角を大きくとり、浮
上量変化を改善することができる。図15に曲線38に
より一定条件下での実施例3のスライダの浮上量を示
す。図15に示すように、浮上量変化はクロスカットス
ライダとほぼ同等である。なお、5.62m/s、スキ
ュー角13°、荷重44mNの条件において浮上面外形
を2.5×1.5mmとしたときの空気膜剛性は441
mN/μmであった。
【0021】したがって、高い信頼性が要求される0.
15μm以下の低浮上量域では、クロスカットスライダ
よりも実用的価値が高い。
15μm以下の低浮上量域では、クロスカットスライダ
よりも実用的価値が高い。
【0022】なお、本発明の思想を逸脱することなく、
本発明の実施例に幾多の変更を施すことができる。例え
ば、スライダの圧力に影響を与えない程度に、ABSと
ABSとの間に狭いABSを設けることが可能である。
本発明の実施例に幾多の変更を施すことができる。例え
ば、スライダの圧力に影響を与えない程度に、ABSと
ABSとの間に狭いABSを設けることが可能である。
【0023】
【発明の効果】以上の実施例の説明から明らかなように
本発明によれば、磁気ディスク表面に対向する浮上面
に、浮上面の空気流入端から流出側に向かって延びる一
対の外側空気ベアリング面と、外側空気ベアリング面の
内側に浮上面の空気流出端から流入側に向かって延びる
一対の内側空気ベアリング面とを配置し、外側空気ベア
リング面の空気流出端を内側空気ベアリング面の空気流
出端よりも空気流入側に形成し、内側空気ベアリング面
の空気流入端を外側空気ベアリング面の空気流入端より
も空気流出側に形成したことによって、従来のクロスカ
ットスライダよりも空気膜剛性が高く、外乱に対する浮
上量変動を小さくすることができる。そのためより信頼
性の高い磁気ヘッドスライダを提供することができる。
本発明によれば、磁気ディスク表面に対向する浮上面
に、浮上面の空気流入端から流出側に向かって延びる一
対の外側空気ベアリング面と、外側空気ベアリング面の
内側に浮上面の空気流出端から流入側に向かって延びる
一対の内側空気ベアリング面とを配置し、外側空気ベア
リング面の空気流出端を内側空気ベアリング面の空気流
出端よりも空気流入側に形成し、内側空気ベアリング面
の空気流入端を外側空気ベアリング面の空気流入端より
も空気流出側に形成したことによって、従来のクロスカ
ットスライダよりも空気膜剛性が高く、外乱に対する浮
上量変動を小さくすることができる。そのためより信頼
性の高い磁気ヘッドスライダを提供することができる。
【図1】本発明の実施例1の磁気ヘッドスライダの構成
を示す斜視図
を示す斜視図
【図2】同磁気ヘッドスライダの浮上面の構成を示す底
面図
面図
【図3】同磁気ヘッドスライダの浮上面の圧力分布を示
す図
す図
【図4】同実施例2の磁気ヘッドスライダの構成を示す
斜視図
斜視図
【図5】同磁気ヘッドスライダの浮上面の構成を示す底
面図
面図
【図6】同実施例3の磁気ヘッドスライダの構成を示す
斜視図
斜視図
【図7】同磁気ヘッドスライダの浮上面の構成を示す底
面図
面図
【図8】従来の第1例の磁気ヘッドスライダの構成を示
す斜視図
す斜視図
【図9】同磁気ヘッドスライダの浮上面の構成を示す底
面図
面図
【図10】同第2例の磁気ヘッドスライダの構成を示す
斜視図
斜視図
【図11】同磁気ヘッドスライダの浮上面の構成を示す
底面図
底面図
【図12】同固定磁気ディスク装置の回転形アクチュエ
ータの動作を示す平面図
ータの動作を示す平面図
【図13】同スキュー角θ=0のときの磁気ヘッドスラ
イダと空気流の関係を示す平面図
イダと空気流の関係を示す平面図
【図14】同スキュー角θ≠0のときの磁気ヘッドスラ
イダと空気流の関係を示す平面図
イダと空気流の関係を示す平面図
【図15】同磁気ディスクの半径位置における磁気ヘッ
ドスライダの浮上量変化を示すグラフ
ドスライダの浮上量変化を示すグラフ
1,8,15 磁気ヘッドスライダ 2,9,16 外側ABS 3,10,17 内側ABS 4 磁気ギャップ 5,11,12,18 テーパー部 6,7,13,14,19,20 溝部
Claims (1)
- 【請求項1】磁気ディスク表面に対向する浮上面に、前
記浮上面の空気流入端から流出側に向かって延びる一対
の外側空気ベアリング面と、前記外側空気ベアリング面
の内側に浮上面の空気流出端から流入側に向かって延び
る一対の内側空気ベアリング面とを有する磁気ヘッドス
ライダであって、前記外側空気ベアリング面の空気流出
端を前記内側空気ベアリング面の空気流出端よりも空気
流入側に形成し、前記内側空気ベアリング面の空気流入
端を前記外側空気ベアリング面の空気流入端よりも空気
流出側に形成してなる磁気ヘッドスライダ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6895293A JPH06282954A (ja) | 1993-03-29 | 1993-03-29 | 磁気ヘッドスライダ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6895293A JPH06282954A (ja) | 1993-03-29 | 1993-03-29 | 磁気ヘッドスライダ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06282954A true JPH06282954A (ja) | 1994-10-07 |
Family
ID=13388519
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6895293A Pending JPH06282954A (ja) | 1993-03-29 | 1993-03-29 | 磁気ヘッドスライダ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06282954A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6301079B1 (en) | 1998-02-23 | 2001-10-09 | Fujitsu Limited | Flying head slider having a splay formed on a flying surface enabling a lower flying height while avoiding collision with a surface of a recording disk |
-
1993
- 1993-03-29 JP JP6895293A patent/JPH06282954A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6301079B1 (en) | 1998-02-23 | 2001-10-09 | Fujitsu Limited | Flying head slider having a splay formed on a flying surface enabling a lower flying height while avoiding collision with a surface of a recording disk |
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