JPH0628109B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JPH0628109B2
JPH0628109B2 JP14512485A JP14512485A JPH0628109B2 JP H0628109 B2 JPH0628109 B2 JP H0628109B2 JP 14512485 A JP14512485 A JP 14512485A JP 14512485 A JP14512485 A JP 14512485A JP H0628109 B2 JPH0628109 B2 JP H0628109B2
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Description

【発明の詳細な説明】 I 発明の背景 技術分野 本発明は、磁気記録媒体の製造方法に関する。さらに詳
しくは、バリウムフェライト磁性粉とバインダーとを含
有する磁性層を有する垂直磁化方式の磁気記録媒体の製
造方法に関する。
先行技術とその問題点 近年、記録媒体の膜面に垂直方向の磁化を用いる垂直記
録方式が提案され、注目されている。
このような垂直記録方式に用いられる媒体の磁化膜は、
例えば、Co−Cr、Co−Re、Co−V、Co−R
u等のスパッタ膜、Co−Cr、Co−O等の蒸着膜、
Co−Ni−Mn−P、Co−Ni−P、Re−Mn、
Co等のめっき膜、バリウムフェライト等の塗布膜など
種々の製法でつくられている。
これらのうち、バリウムフェライトを磁性粉として用い
る塗布型の垂直磁化膜では、バリウムフェライトが平板
形状をなし、しかもその磁化容易軸は、平板面に垂直で
ある。
このため、磁場配向処理によってある程度まで容易に垂
直配向度を高めることができる。
しかし、垂直配向度の良否は記録媒体の磁気特性に大き
な影響を及ぼし、垂直配向度を向上させるための種々の
報告がなされている。
その一つは磁場配向処理の改良であり、種々の提案があ
る。
また、他の例は、通常、磁場配向と組み合わせて行う機
械的配向であり、例えば、特開昭58−12137号、
同58−80136号等に記載されているように、支持
体上に磁性塗膜を設けた後に、磁性塗膜の表面上にフレ
キシブルなシートを接触させつつ、磁場配向をすること
によって、あるいは磁性粒子を含む塗料をロールにて圧
延し、機械的に粒子を配合させた後に支持体上に塗布す
ることによって垂直配向度をあげようとするものであ
る。
ところで、バリウムフェライトと組み合せて用いるバイ
ンダーとしては、電子線等の放射線によって硬化可能な
ものが好適であり、その旨の製造方法上の提案が種々な
されている(特開昭58−215732号、同57−1
11832号、同58−159244号等)。
この放射線硬化型のバインダーを用いるときには、硬化
時の体積変化や巻きしまりが少なく、垂直配向度が向上
する。
このような場合、磁性層の塗着は磁性塗料の塗布、磁場
配向および乾燥、放射線照射、そしてさらに必要に応じ
カレンダ加工等の表面平滑加工の順に行われている。
しかし、このような手順では、未だ配向度および表面性
の点で不十分であり、磁気特性上も不十分である。
II 発明の目的 本発明の目的は、バリウムフェライト磁性粉と放射線硬
化型バインダーとを含有する磁性層を有する磁気記録媒
体を製造するに際して、垂直配向度が大きく、表面性が
良好で、良好な電磁変換特性を有する磁気記録媒体の有
利な製造方法を提供することにある。
III 発明の開示 このような目的は、下記の本発明によって達成される。
すなわち、本発明は、非磁性支持体上に、バリウムフェ
ライト磁性粉と放射線硬化型バインダーとを含有する磁
性塗料を塗布し、配向および乾燥を行い、その後カレン
ダ加工を行い、しかる後放射線照射を行うことを特徴と
する磁気記録媒体の製造方法である。
IV 発明の具体的構成 以下、本発明の具体的構成について、説明する。
第1図および第2図は、それぞれ本発明の磁気記録媒体
の製造方法の一実施例としての一連の工程を示したもの
である。
巻出しロール1から引き出されたフィルム状の非磁性支
持体2上には、グラビアコート、エアドクターコート、
ブレードコート、エアナイフコート、スクイズコート、
含浸コート、リバースロールコート、トランスファーロ
ールコート、スプレイコート等の種々の塗布手段によっ
て磁性塗料3が膜状に塗布される。
なお、第1図には、これらの塗布手段の1例として、グ
ラビアコートのロール41、45が示されている。
非磁性支持体2は通常ポリエチレンテレフタレート等の
ポリエステル類、ポリプロピレン等のポリオレフィン
類、セルローストリアセテート等のセルロール誘導体、
ポリイミド、ポリカーボネート、ポリサルホン、ポリエ
チレンナフタレート、芳香族アラミド、芳香族ポリエス
テル等の各種樹脂が用いられる。
これらの中では、特に、ポリエステル、ポリアミド、ポ
リイミド等を用いることが好ましい。
また磁性塗料としては、板状のバリウムフェライト磁性
粉、放射線硬化型バインダー、必要に応じて溶剤等が含
有される。
そして、次工程においてこのようにして非磁性支持体上
に設層された磁性塗料3の配向および乾燥が行なわれ
る。
これらは、磁性塗料3中に含有される板状のバリウムフ
ェライト磁性粉の磁化容易軸が、膜面に垂直方向になら
ぶように磁性粉を配向させ、しかも反磁場等の影響を防
止し、この配向状態を維持するために行うものである。
配向および乾燥は、配向工程後乾燥工程を行ってもよい
が、配向時に乾燥工程の少なくとも一部が行われること
が好ましい。
特に、配向および乾燥は、第1図、第2図に示されるよ
うに、乾燥炉8内の入口部に、配向用磁石71、75を
対向させた配向装置7を設けることによって行うことが
好ましい。これにより一層効果的に配向を行いながらの
磁場内乾燥を行うことができる。
また、図示のように上記配向装置7の磁石71、75対
向間隙内に熱風を吹き出すノズル6等の乾燥手段を設け
てもよい。あるいは、図示とは異なり乾燥炉8を用いず
に、この熱風吹出ノズル6によって磁場内乾燥を行って
もよい。この場合には、配向装置の後段のさらに乾燥手
段を配置することが好ましい。
これらの場合、この乾燥は、主に、磁性塗膜中に含まれ
る溶剤を飛ばし、塗膜そのものを半固状にすることによ
って、磁場配向で一定方向に配向させられた磁性粉を一
時的にゆるく固定し、配向効率をあげる目的で行うもの
である。
乾燥手段としては、熱風、遠赤外ランプ、電気ヒータ等
の種々の公知の乾燥手段を用いればよい。そして、通
常、乾燥温度は30〜150℃で行うのがよい。通過速
度は2〜500m/分程度が好ましい。
また、配向に用いる配向用磁石71、75は、通常塗膜
を設けた支持体2を介して、異極が対向するようにそれ
ぞれ設置される。
配向処理は、常法に従う。
配向方法としては永久磁石、直流磁石、交流磁場が代表
的なものとして用いられ、それらのものの各種組合せ、
例えば垂直のみ、垂直と水平の組合せ、永久磁石または
直流磁場と交流磁場の組合せ等が用いられる。
さらに、この磁石には、ヨークや補助磁石などを設けて
もよい。
このような磁石71、75の数、配列形式等は特に制限
されるものではないが、より好ましくは本発明らが提案
している配列形式(特願昭60−86052号、同60
−93056号、同60−93057号、同60−93
058号等)が用いられる。
そしてこの対向磁極間隙は5〜30mm、磁極の長さ
は、100〜5000mm程度とされる。
また、配向に際しては、前述したように磁場外で磁性粉
が反磁場のために配向したものが乱れ、配向性の低下を
生じないよう磁場内で乾燥させ、反磁場が働いてもそれ
らの影響が出ないよう、磁場内である程度乾燥させ、磁
性粉が動かないようにすることが好ましい。
磁場強度は1000〜6000G程度が好ましい。な
お、乾燥は必ずしも配向工程と同時に行なわなければな
らないものではなく、必要に応じて配向工程の前後の工
程で行ってもよいものである。
また、本発明においては、上記の配向は塗布時または塗
布後に塗膜の圧延を行う機械的圧延工程を含んでいても
よい。好ましい態様としての磁場内乾燥の前段工程とし
て、この圧延工程を行うことにより配向度が向上する。
前者の塗布時の圧延の場合としては、たとえば、数本の
ロールを組み合せたいわゆる多段ロールを圧延および塗
布用のロールとし、上述したような塗布手段の代りに用
いた場合等である。
多段ロールによる圧延塗布手段の例が第2図に示されて
いる。この例では3本の圧延塗布ロール61、65、6
7が用いられている。
そして、所定の容器内に収納された磁性塗料3は、圧延
塗布ロール61の下部がつかる程度に容器内に満たされ
ており、この圧延塗布ロール61が図面の矢印方向(右
回転)に回転することによって、磁性塗料3は圧延塗布
ロール61の円周表面に付着し、引き上げられる。
このように引き上げられた磁性塗料3は、前記圧延塗布
ロール61の上方に設けられた圧延塗布ロール65の円
周表面へと転写され、さらに圧延塗布ロール67の円周
上を密着するように走行している非磁性支持体2上に転
写されて塗膜を形成する。なお、これらの圧延塗布ロー
ルの回転方向は、圧延塗布ロール61、67が(図面に
向かって)右回転、65がこれらと逆方向回転となり、
ロール61と65の円周上で磁性塗料3が描く軌跡はほ
ぼ逆S字形状となる。
このような圧延塗布ロール61、65、67を有する塗
布手段を用いることによって、磁性塗料中に含有される
板状のバリウムフェライト磁性粉は、磁化容易軸が膜面
と垂直になるように機械的に配向される。
用いる圧延ロールの数量は、本実施例で示されるように
3本に限定されるものではなく、通常2〜10本の圧延
ロールを組み合せて用いることができる。このような場
合、ロールの回転方向は最上部のロール(支持体2との
密着ロール)を支持体2の搬送方向と同一とし、以下下
方のロールを交互にそれぞれ逆方向の回転とすればよ
い。
用いられる数個の圧延ロール径はφ5〜φ100cm程
度とされ、通常、これらのロール径は同一のものが組み
合せられ、各々のロール回転数も同一とすることが好ま
しい。
また、これらの各ロールの配列も、特に限定されるもの
ではなく、例えば各ロールの中心点が一直線であるよう
に1列に配列されてなくてもよい。
一方、後者の塗布後圧延の場合としては、たとえば第1
図に示されるようなスムーズニングシート53、スムー
ズニングローラ(加圧ローラ)55等の圧延手段を用い
た場合等である。
そして一方、これら塗布時または塗布後の圧延のどちら
か一方または、これらを多段に組み合せたものが用いら
れ、図示例は1例にすぎない。
この場合スムーズニングシート53は、きわめて平面平
滑性によく仕上げられている樹脂(フィルム等)、金
属、ガラス等の板状のものを用いればよく、これらの大
きさ等に特に制限はない。また設置場所についても制限
はないが、通常、グラビアロール41の円周上に、支持
体2上に設層された塗膜と摺接するように設けられる。
また、スムーズニングローラ55を公知の種々のローラ
を用いればよく、その加圧力等も適宜決定すればよい。
またこのようなスムーズニングローラ55を2つ用い、
これらを支持体2を介して対向するように配置して用い
てもよい。なお、スムーズニングシート53およびスム
ーズニングローラ55は前述したように一方のみ、用い
てもよい。
これらの圧延手段を用いることによって、磁性塗料中に
含有される板状の磁性粉をある程度一定方向に配向せし
めることが可能になり、また、その表面平滑性も向上さ
せることができる。
圧延手段は上記のものに特に限定されるものではなく、
また、設置する数等についても制限させるものではな
い。
結局のところ、これらの圧延手段は配向度を向上させる
ために用いられるものであって通常、前述したような磁
場内配向工程と併用しするが、必要に応じて単独で用い
てもよい。
ところで、上述した塗膜の乾燥は、塗膜を配向磁場内に
て乾燥させるばかりでなく、さらに塗膜の乾燥を十分に
行い、塗膜を硬化させるために、乾燥炉8の後に例え
ば、さらに乾燥器を設けたり、放射線照射装置91を付
加して設け、塗膜を乾燥、硬化させるものであってもよ
い。この場合、乾燥器の乾燥手段としては、前述した乾
燥炉8内での乾燥手段等を用いればよい。
放射線照射装置91を使用する場合には塗膜中に含有さ
れるバインダーを予備硬化させる程度であり、さらに詳
しくは塗膜が完全に硬化する前に照射を止め、粘着によ
りカレンダロールへの付着を防止する程度のわずかの効
果であればよく、後のカレンダ加工によって塗膜中の磁
性粉がなお、外圧によってバインダーを介して十分動き
うる程度の硬化状態とすることが必要である。
なお、この工程は、粘着によりカレンダロールに付着す
る場合に必要に応じ付加すれば良い。
これらの条件設定は、実験等によって適宜決定されるも
のである。
以上、本発明における製造方法の1群の工程である配向
および乾燥工程のとりうる態様としては、例えば (1) 配向装置内での磁場配向および乾燥(乾燥炉内に配
向装置を設置する場合も含む)→予備放射線硬化 (2) 磁場配向→乾燥→予備放射線硬化 (3) 圧延→乾燥→予備放射線硬化 (4) 圧延→配向装置内での磁場配向および乾燥(乾燥炉
内に配向装置を設置する場合も含む)→予備放射線硬化 {ただし、上記(1) 〜(4) の予備放射線硬化は必要に応
じ加えればよく、除くこともできる。} 等であるが、必ずしもこれらに限定されるものではな
い。
このような工程を経た後に、カレンダ加工が行なわれ
る。数個のカレンダロール10を有するカレンダ加工工
程は、磁性塗膜表面の表面粗度を向上させ、しかも、前
もって前述したような圧延手段、磁場配向等である程度
まで配向された磁性粉の配向度をさらに向上させようと
するものである。
また、この工程は、磁性塗膜の厚さを決定する工程でも
あり、塗膜厚は、通常、0.2〜10μm程度とされ
る。
このようなカレンダ加工工程で用いられるカレンダロー
ル10は、種々の公知のものを用いればよく、その数
量、大きさ等に特に制限はない。
使用時におけるロール圧力についても、特に制限される
ものではないが、カレンダ圧延率が1/100〜1/
2、より好ましくは1/50〜2/5となるように、圧
力を規制することが好ましい。このカレンダ圧延率が1
/2をこえるとカレンダ圧延での配向効果が顕著でなく
なり、1/100未満となると圧延率が大きくなり磁性
膜の表面にうねり等が発生し、表面粗度が低下する。
上述したように、カレンダ加工工程に入る前においては
塗膜中の磁性粉は、なお外圧を加えることによってバイ
ンダを介して十分動きうる状態にある。このため、この
カレンダ加工工程によってさらに配向度は向上する。
このような塗膜中のバインダーはさらに放射線照射装置
95によって完全に硬化させられ、巻取りロール100
によって巻き取られる。
なお、放射線照射装置91、95で用いられる放射線と
しては、放射線加速器を線源とした電子線、Co60を
線源としたγ−線、Sr90を線源としたβ−線、X線
発生機を線源としたX線、あるいは紫外線が使用され
る。
特に照射線源としては、吸収線量の制御、製造工程ライ
ンへの導入、電離放射線の遮断等の見地から、放射線加
熱器により放射線を使用する方法が有利である。
硬化に際して使用する放射線特性としては、透過力の面
から加速電圧100〜750KV、好ましくは150〜
300KVの放射線加速器を用い、吸収線量を0.1〜
20メガラッドになるように照射するのが好都合であ
る。
なお、前述した予備照射に用いられるものは、粘着防止
のために使用されるので、吸収線量は0.1〜5メガラ
ッド程度の範囲であればよい。
本発明の放射線硬化に際しては、米国エナージーサイエ
ンス社にて製造されている低線量タイプの放射線加速器
(エレクトロカーテンシステム)等がテープコーティン
グ加工ラインへの導入、加速器内部の2次X線の遮断等
に極めて有利である。
また、従来より放射線加速材として広く活用されている
ところのファンデグラフ型加速器を使用してもよい。
また、放射線架橋に際しては、Nガス、Heガス等の
不活性ガス気流中で放射線を照射することが重要であ
り、空気中で放射線を照射することは、バインダー成分
の架橋に際し、放射線照射による生じたO等の影響で
ポリマー中に生じたラジカルが有利に架橋反応に働くこ
とを阻害するので、極めて不利である。
したがって、活性エネルギー線を照射する部分の雰囲気
は、特に酸素濃度が最大で5%であるN、He、CO
等の不活性ガス雰囲気に保つことが重要となる。
このようにして製造される磁気記録媒体の磁性塗膜の原
料である磁性塗料3は、前述したようにバリウムフェラ
イト磁性粉、放射線硬化型バインダー、必要に応じて溶
剤等を含有する。
バリウムフェライト磁性粉としては、BaFe1219
のバリウムフェライトやバリウムフェライトのBa、F
eの一部をCa、Sr、Pb、Co、Ni、Ti、C
r、Zn、In、Mn、Cu、Ge、Nbその他の金属
で置換しともの等が挙げられる。
また、磁性塗料に用いるバインダーとしては、種々のも
のであってよいが、放射線硬化型化合物を硬化したもの
が好ましい。
放射線硬化性化合物の具体例としては、ラジカル重合性
を有する不飽和二重結合を示すアクリル酸、メタクリル
酸、あるいはそれらのエステル化合物のようなアクリル
系二重結合、ジアリルフタレートのようなアリル系二重
結合、マレイン酸、マレイン酸誘導体等の不飽和結合等
の放射線照射による架橋あるいは重合乾燥する基を熱可
塑性樹脂の分子中に含有または導入した樹脂である。そ
の他放射線照射により架橋重合する不飽和二重結合を有
する化合物であれば用いることができる。
放射線照射による架橋あるいは重合乾燥する基を熱可塑
性樹脂の分子中に含有または導入した樹脂としては、樹
脂中にマレイン酸やフマル酸等を含有するもので、その
含有量は、製造時の架橋、放射線硬化性等から酸成分中
1〜40モル%、好ましくは10〜30モル%である。
放射線硬化性樹脂に変性できる熱可塑性樹脂の例として
は、特に次のような塩化ビニール系共重合体が好適であ
る。
塩化ビニール−酢酸ビニール−ビニールアルコール共重
合体、塩化ビニール−ビニールアルコール共重合体、塩
化ビニール−ビニールアルコール−プロピオン酸ビニー
ル共重合体、塩化ビニール−酢酸ビニール−マレイン酸
共重合体、塩化ビニール−酢酸ビニール−ビニルアルコ
ール−マレイン酸共重合体、塩化ビニール−酢酸ビニー
ル−末端OH側鎖アルキル基共重合体、例えばUCC社
製VROH、VYNC、VYEGX、VERR、VYE
S、VMCA、VAGH、UCARMAG520、UC
ARMAG528等が挙げられる。
そして、このものにアクリル系二重結合、マレイン酸系
二重結合、アリル系二重結合を導入して放射線感応変性
を行う。
これらはカルボン酸を含有してもよい。
この他、飽和ポリエステル樹脂、ポリビニルアルコール
系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノキシ系樹脂、繊維素誘
導体等が好適である。
その他、放射線感応変性に用いることのできる樹脂とし
ては、多官能ポリエステル樹脂、ポリエーテルエステル
樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂および誘導体(PVP
オレフィン共重合体)、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹
脂、フェノール樹脂、スピロアセタール樹脂、水酸基を
含有するアクリルエステルおよびメタクリルエステルを
重合成分として少なくとも一種含むアクリル系樹脂等も
有効である。
そして、これらは単独で、あるいは2種以上併用して用
いられる。
エラストマーもしくはプレポリマーも使用でき、その好
適例としては、ポリウレタンエラストマーもしくはプレ
ポリマーがある。
ポリウレタンの使用は耐摩耗性、および基体フィルム、
例えばPETフィルムへの接着性が良い点で特に有効で
ある。ウレタン化合物の例としては、イソシアネートと
して、2,4−トリエンジイソシアネート、2,6−ト
ルエンジイソシアネート、1,3−キシレンジイソシア
ネート、1,4−キシレンジイソシアネート、1,5−
ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシ
アネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3′
−ジメチル−4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、
3,3′−ジメチルビフェニレンジイソシアネート、
4,4′−ビフェニレンジイソシアネート、ヘキサメチ
ンレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネー
ト、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、デスモ
ジュールL、デスモジュールN等の各種多価イソシアネ
ートと、線状飽和ポリエステル(エチレングリコール、
ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプ
ロパン、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、ペンタエリスリット、ソルビトール、ネオペン
チルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール
の様な多価アルコールと、フタル酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸の様な
飽和多塩基酸との縮重合によるもの)、線状飽和ポリエ
ーテル(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリテトラメチレングリコール)やカプロラク
タム、ヒドロキシル含有アクリル酸エステル、ヒドロキ
シル含有メタクリル酸エステル等の各種ポリエステル類
の縮重合物により成るポリウレタンエラストマー、プレ
ポリマーが有効である。
これらのウレタンエラストマーの末端のイソシアネート
基または水酸基と、アクリル系二重結合またはアリル系
二重結合等を有する単量体とを反応させることにより、
放射線感応性に変性することは非常に効果的である。ま
た、末端に極性基としてOH、COOH等を含有するも
のも含む。
さらに、不飽和二重結合を有する長鎖脂肪酸のモノある
いはジグリセリド等、イソシアネート基と反応する活性
水素を持ち、かつ放射線硬化性を有する不飽和二重結合
を有する単量体も含まれる。
上述のアクリル変性塩化ビニル系共重合体とのこれらウ
レタンエラストマーの併用は、配向度および面粗れの改
良に特に好適である。
この他、アクリロニトリル−ブダジエン共重合エラスト
マー、ポリブタジエンエラストマーも好適である。
またポリブタジエンの環化物、日本合成ゴム製CBR−
M901も熱可塑性樹脂との組合せによりすぐれた性質
を有している。
その他、熱可塑性エラストマーおよびそのプレポリマー
の系で好適なものとしては、スチレン−ブタジエンゴ
ム、塩化ゴム、アクリルゴム、イソプレンゴムおよびそ
の環化物(日本合成ゴム製CIR701)があり、エポ
キシ変性ゴム、内部可塑化飽和線状ポリエステル(東洋
紡バイロン#300)等のエラストマーも放射線感応変
性処理を施すことにより有効に利用できる。
この他、各種放射線硬化性不飽和二重結合を有するオリ
ゴマー、モノマーも好適に用いられる。
バインダーと磁性粉の重量比は1:1〜1:9程度とす
る。
さらに、磁性塗料には、溶剤、無機顔料、分散材、潤滑
剤等が含まれていてもよい。
溶剤としては特に制限はないが、バインダーの溶解性お
よび相溶性等を考慮して適宜選択される。
例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ギ酸エチ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のア
ルコール類、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の
芳香族炭化水素類、イソプロピルエーテル、エチルエー
テル、ジオキサン等のエーテル類、テトラヒドロフラ
ン、フルフラール等のフラン類等を単一溶剤またはこれ
らの混合溶剤として用いられる。
これらの溶剤はバインダーに対して10〜10000w
t%、特に100〜5000wt%の割合で用いる。
このような磁性塗料の粘度は、塗布の段階で200〜6
000CP、より好ましくは500〜2000CPであ
る。この粘度が200CP未満であると表面性が良好な
塗布ができず、また6000CPをこえると粘度が高す
ぎるため塗布しにくく、上記の場合と同様に表面性が良
好な塗布が出来ない。
用いる支持体としては、前述したようなポリエステル、
ポリアミド、ポリイミド等種々の樹脂が好適である。
また、支持体には、下地層や下地処理が施されていても
よい。
そして、磁性層形成後、種々のバックコート層、トップ
コート層を形成することもできる。
V 発明の具体的作用効果 本発明によれば、非磁性支持体上に、バリウムフェライ
ト磁性粉と放射線硬化型バインダーとを含有する磁性塗
料を塗布し、配向および乾燥を行い、その後カレンダ加
工を行い、しかる後放射線照射を行って磁気記録媒体を
製造する。
従って、このようにして得られた媒体の磁性層に含有さ
れる磁性粉の垂直配向度はきわめて良好となり、しかも
磁化膜の表面粗度も良好なものとなる。
さらには、ディジタル記録において、線記録密度D
50(KFRPI)も大きな値をとり、出力も格段と安定
する。
これらの結果により、媒体の電磁変換特性はさらに一層
向上するものである。
VI 発明の具体的実施例 以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明をさらに詳
細に説明する。
(実施例1) 平均粒径0.06μm、板状比4の六方晶系バリウムフ
ェライト(BaFe1219のBa、Feを一部置換した
ものを水熱合成法で合成)を用いて以下のようにして磁
性塗料を作成した。
バリウムフェライト 120重量部 (Hc=800) α−Al (0.5μm粉状) 2重量部 カーボンブラック (20mμm) 10重量部 溶剤 (MEK/トルエン: 50/50) 100重量部 上記組成物をボールミル中にて3時間混合し、バリウム
フェライトをよく湿潤させた。
次に、バインダーとして 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体
(マレイン酸含有; MW40,000) 6重量部 (固型分換算)、 アクリル二重結合導入塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニル
アルコール共重合体(マレイン酸含有; MW20,000) 12重量部 (固型分換算)、 アクリル二重結合導入ポリエーテルウレタンエラストマ
ー(MW40,000)9重量部 (固型分換算)、 ペンタエリスリトールトリアクリレート 3重量部 溶剤(MEK/トルエン;50/50) 200重量部 ステアリン酸を4重量部、 および ステアリン酸ブチル2重量部 を混合溶解させた。
これを磁性粉混合物の入ったボールミル中に投入し、再
び42時間混合分散させた。
このようにして得られた磁性塗料を媒体の磁性層の原料
とし、第1図に示される製造ラインの主要部を用い、下
記に示すような工程で磁気記録媒体を製造した。
支持体として75μm厚のポリエステル(PET)フィ
ルムを使用し、その搬送スピードは100m/minと
した。
グラビアコートによって塗膜を設層し、その後配向装置
7内に連続搬送し、磁性層中の磁性粉を配向させた。磁
場としては、1対のN−S対向磁石を用い、その対向磁
極間隙は15mm、磁極の長さは800nmとした。
磁石は中心磁界が3000Gのものを用いた。
なお、配向装置7は乾燥炉8内に設置され、乾燥炉8内
には、熱風が送り続けられており、磁場配向させながら
ある程度塗膜を乾燥させ、反磁場の影響を防いだ。熱風
は温度90℃、風量50cm/min程度とした。
その後、さらに垂直配向度および表面粗度を向上させる
ため、φ10cm、10本のカレンダロールを通過させ
た。なお、カレンダロールによる線圧は100Kg程度
とし、、カレンダ圧延率は1/20とした。
このように、垂直配向および表面平滑加工を完全に終了
させ、しかる後さらに放射線照射装置95内を通過させ
て、バインダーを完全に硬化させ、巻きとりロール10
0によって巻きとり、媒体のサンプルを作製した。な
お、放射線の吸収線量は5メガラッドとした。
(比較例1) 実施例1の工程の中でカレンダ加工の後工程として行っ
た放射線の照射によるバインダーの硬化工程とカレンダ
加工工程とのステップを逆にした以外は実施例1の場合
と同様にして比較サンプル1を作製した。
(実施例2) 実施例1において、スムーズニングシート53、スムー
ズニングロール55を用いて機械的配向を加えた。他の
工程は実施例1の場合と同じである。
(実施例3) 実施例1において、第2図に示される3段ロールを用い
て塗布を行った。他の工程は実施例1の場合と同じであ
る。
(実施例4) 実施例2において、バインダー組成であるペンタエリス
リトールトリアクリレート3重量部の代りにトリメチロ
ールプロパントリアクリレート10重量部を加えた。そ
れ以外は同一組成とし、第1図に示される放射線照射装
置91を用い、カレンダ加工工程前にバインダーの予備
放射線硬化を行った。吸収線量は1メガラッドとした。
他の工程は実施例2の場合と同じである。
なお、各サンプルとも磁性層厚さは2μmとした。
上記本発明のサンプルおよび比較サンプルについて、下
記に示す特性を調べた。
なお、特性の評価は、次のようにして行った。
(1)飽和磁束密度Bm(G) 磁気測定で飽和磁束密度の測定を行った。
(2)垂直配向度 磁気テープの垂直方向の角形比Br/Bmを測定し、反
磁場補正を行った。
(3)表面粗度R20 JISB0601に規定してある10点平均粗さの求め
方に準じて行った。なお、JISでは10点平均法を規
定しているが、本発明の評価方法として、さらに厳密に
するために20点平均法とした。
カットオフ値は、触針スピード30μm/secので
0.18〜9Hz程度、また、針圧は2mgとした。
使用した触針式表面粗さ測定器は、タリステップ−1、
TAYLOR HOBSON社製である。
(4)線記録密度D50(KFRPI) 回転数300r.p.m.、ヘッド;フェライトヘッ
ド、ギャップ0.3μmにてディジタル記録を行い、低
記録密度領域での出力(E)が高記録密度領域でE/2
となる線記録密度D50(KFRPI)を測定した。
この結果を以下に示す。
以上より、本発明の効果は明らかである。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、それぞれ本発明の磁気記録媒体
の製造方法の1実施例としての一連の工程を示したもの
である。 符号の説明 1……巻出しロール、10……カレンダロール、100
……巻取りロール、2……非磁性支持体、3……磁性塗
料、41,45……グラビアコートロール、51……ド
クター、53……スムーズニングシート、55……スム
ーズニングローラ、6……ノズル、61、65、67…
…圧延塗布ロール、7……配向装置、71、75……配
向用磁石、8……乾燥炉、91、95…放射線照射装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体上に、バリウムフェライト磁
    性粉と放射線硬化型バインダーとを含有する磁性塗料を
    塗布し、配向および乾燥を行い、その後カレンダ加工を
    行い、しかる後放射線照射を行うことを特徴とする磁気
    記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】配向および乾燥が、配向磁場内にて乾燥を
    行う工程を含む特許請求の範囲第1項に記載の磁気記録
    媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】配向が塗布時または塗布後に塗膜の圧延を
    行う工程を含む特許請求の範囲第1項または第2項に記
    載の磁気記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】乾燥が、乾燥後に行う予備放射線照射工程
    を含む特許請求の範囲第1項ないし第3項のいずれかに
    記載の磁気記録媒体の製造方法。
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