JPH06279729A - コンクリート用塗装型枠合板用塗料組成物 - Google Patents

コンクリート用塗装型枠合板用塗料組成物

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JPH06279729A JP33131792A JP33131792A JPH06279729A JP H06279729 A JPH06279729 A JP H06279729A JP 33131792 A JP33131792 A JP 33131792A JP 33131792 A JP33131792 A JP 33131792A JP H06279729 A JPH06279729 A JP H06279729A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンクリート用塗装型枠合板用のアクリルウ
レタン塗料組成物及びそれを用いたコンクリート用塗装
枠合板の製造方法。 【構成】 コンクリート用塗装型枠合板の素地にアクリ
ル系エマルション塗料を塗布し、乾燥した後、この上に
ソリッド水酸基価10〜150mgKOH/g、ガラス
転位温度20〜100℃、重量平均分子量30,000
〜100,000の物性を有するアクリル樹脂にポリイ
ソシアネート系硬化剤を配合してなる溶剤型アクリルウ
レタン上塗り塗料組成物を塗布し、常温で2時間以内で
乾燥することにより、従来のアクリルウレタン塗料で仕
上げたコンクリート用塗装型枠合板と同等、あるいはそ
れ以上の性能を有するコンクリート用塗装型枠合板が得
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコンクリート用塗装型枠
合板用塗料組成物及びそれを用いたコンクリート用塗装
型枠合板の製造方法に関する。更に詳細には、特定の物
性を有するアクリル樹脂とポリイソシアネート系硬化剤
とを配合してなる乾燥性に優れたコンクリート用塗装型
枠合板用塗料組成物、及びこの塗料組成物を合板表面に
塗布し、常温で2時間以内で乾燥することからなるコン
クリート用塗装型枠合板の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】コンクリート用型枠合板としては、コン
クリートの硬化不良防止、ヤニの付着による着色の防
止、コンクリート面との剥離性向上及び型枠合板自体の
耐久性向上などの目的を達成するために、合板の表面を
塗料で塗装した塗装型枠合板が用いられている。従来、
塗装合板を製造する場合、通常は合板素地に下塗り塗料
としてアクリル系エマルション塗料を塗布し、乾燥した
後、この上に溶剤型上塗り塗料を塗布し、再び乾燥して
製品としている。
【0003】上記溶剤型上塗り塗料としては、アクリル
ラッカー、アクリルウレタン、ポリエステルウレタンな
どが用いられているが、その中でもアクリルウレタン塗
料は耐久性、耐アルカリ性などの性能が優れているため
に最も多く用いられている。しかしながら、この様な従
来のアクリルウレタン塗料には、比較的低分子量(重量
平均分子量10,000〜20,000)のアクリル樹
脂が用いられており、特に乾燥性が問題となっている。
そのために、従来のアクリルウレタン塗料を用いた場合
の上塗り工程の乾燥方式として、(1) 常温6〜8時間乾
燥する常温乾燥法、(2) 60〜70℃で20〜30分乾
燥する加熱乾燥法が、それぞれ採用されているのが現状
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の様に、上塗り塗
料に従来の溶剤型アクリルウレタン塗料を使用した場合
は、塗装型枠合板を製造する上において、生産性及び多
量の熱エネルギーの消費によるコストアップなどの問題
点を有している。従って、本発明はこれらの問題点を解
決するために、乾燥性に優れた新規なコンクリート用塗
装型枠合板用塗料組成物を提供することを目的とする。
更にはこの塗料組成物を用いて、下塗りした合板表面に
塗布し、常温で2時間以内の短時間で乾燥することから
なるコンクリート用塗装型枠合板の製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の如く、コ
ンクリート用塗装型枠合板を安価なコストで、しかも短
時間で効率良く生産するために鋭意研究を重ねた結果、
本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、ソリッド水酸基価10〜
150mgKOH/g、ガラス転位温度20℃〜100
℃、重量平均分子量30,000〜100,000の物
性を有するアクリル樹脂(A) にポリイソシアネート系硬
化剤(B) を配合してなるコンクリート用塗装型枠合板用
アクリルウレタン塗料組成物;並びに、合板の素地にア
クリル系エマルション塗料を塗布し乾燥した後、この上
に更に上記の塗料組成物を塗布し、常温で2時間以内で
乾燥することからなるコンクリート用塗装型枠合板の製
造方法である。
【0007】本発明のアクリルウレタン上塗り塗料であ
る塗料組成物に用いられるアクリル樹脂(A) の物性につ
いては、ソリッド水酸基価は10〜150mgKOH/
gであるが、好ましくは30〜150mgKOH/gで
ある。ソリッド水酸基価が10mgKOH/g未満では
ポリイソシアネート系硬化剤との反応による架橋が少な
いために塗装型枠合板の寒熱繰返し性が低下する。一
方、ソリッド水酸基価が100mgKOH/gより大き
いと塗装時に発泡し易い傾向があり、同時に乾燥性が低
下するので好ましくない。ガラス転位温度は20〜10
0℃であるが、好ましくは30〜80℃である。ガラス
転位温度が20℃未満では塗膜の硬度不足を招き、コン
クリート打ち込み時に塗装面が傷つき易くなる。一方、
ガラス転位温度が100℃より大きいと塗膜がもろくな
り、塗装型枠合板の寒熱繰返し性が低下するので好まし
くない。
【0008】重量平均分子量は30,000〜100,
000であるが、好ましくは30,000〜70,00
0である。重量平均分子量が30,000未満では乾燥
性が急激に低下し、特に本発明の特徴である常温、2時
間乾燥が達成出来なくなる。一方、重量平均分子量が1
00,000より大きいと塗料のレベリングが不十分と
なり、塗装面の仕上り性が低下するので好ましくない。
上記物性を有するアクリル樹脂(A) は水酸基含有モノエ
チレン性不飽和単量体とその他のエチレン性不飽和単量
体を共重合して得られる。
【0009】アクリル樹脂(A) の成分である水酸基含有
モノエチレン性不飽和単量体は、ポリイソシアネート系
硬化剤(B) との架橋反応にあずかる成分であり、その他
のエチレン性不飽和単量体はガラス転位温度の調節にあ
ずかる成分である。上記水酸基含有モノエチレン性不飽
和単量体としては、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒ
ドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシルプロ
ピル、アクリル酸2−ヒドロキシブチル、メタクリル酸
2−ヒドロキシブチル、アクリル酸ポリエチレングリコ
ール、メタクリル酸ポリエチレングリコール、アクリル
酸ポリプロピレングリコール、メタクリル酸ポリプロピ
レングリコールなどがあげられる。一方、その他のモノ
エチレン性不飽和単量体としては、アクリル酸メチル、
メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸
エチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソブチル、
アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチ
ルヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリ
ル、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、
アクリロニトリル、酢酸ビニルなどがあげられる。
【0010】水酸基含有モノエチレン性不飽和単量体は
上記種類の内、1種類あるいは2種類以上を用い、その
他のモノエチレン性不飽和単量体は上記種類の内、2種
類以上を用いるのが性能を維持する上において好まし
い。水酸基含有モノエチレン性不飽和単量体とその他の
モノエチレン性不飽和単量体との重合は酢酸エチル、酢
酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、キシレン、トルエンなどの有機溶剤中で過酸化ベン
ゾイル、アゾビスイソブチロニトリルなどの触媒を用い
て常法の溶液重合法により行われる。
【0011】この様にして得られたアクリル樹脂(A) に
ポリイソシアネート系硬化剤(B) を配合して本発明のア
クリルウレタン上塗り塗料である塗料組成物が調製され
る。上記ポリイソシアネート系硬化剤としては、トリレ
ンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テ
トラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネー
ト、トリジンジイソシアネート、4,4′−ジフェニル
メタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、1,5−ナフタリンジイソシアネート、ジシクロヘ
キシルメタン4,4′−ジイソシアネート、トリフェニ
ルメタンジイソシアネート、ポリフェニルメタンジイソ
シアネートなどの多官能イソシアネート化合物及びこれ
らのイソシアネート化合物とジエチレングリコール、ジ
プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ト
リメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの多
価アルコールを反応させて得られるイソシアネート末端
付加物があげられる。
【0012】ポリイソシアネート系硬化剤(B) の配合量
については、ポリイソシアネート硬化剤中のイソシアネ
ート基とアクリル樹脂(A) 中の水酸基の当量比を0.5
〜2.5好ましくは1.0〜2.5となる様配合するの
がよく、当量比が0.5未満ではアクリル系エマルショ
ン下地塗料との密着性低下及び塗装型枠合板の寒熱繰返
し性の低下を招き、一方、当量比が2.5より大きいと
乾燥性が急激に低下する。このようにして調製される本
発明の塗料組成物には、更に一般的に用いられている他
の成分を添加してもよい。即ち、塗料の安定性、流動
性、密着性、作業性、ならびに塗膜の平滑性の向上など
を付与するために、必要に応じてトリポリリン酸ソー
ダ、エチレングリコール、ジブチルフタレート、ヒドロ
キシエチルセルロース、トリブチルフォスクフェトなど
の公知の湿潤分散剤、増粘剤、消泡剤、可塑剤などを加
えてもよい。
【0013】上述した本発明の塗料組成物を溶剤型アク
リルウレタン上塗り塗料として用いて、ロールコート、
ナイフコート、カーテンコート及びスプレーガンによる
スプレー塗装などの公知の塗布方法により、アクリル系
エマルション下塗り塗料処理合板上に塗布することによ
り、本発明のコンクリート用塗装型枠合板が製造され
る。本発明の塗料組成物の塗布量は通常50g/m2
150g/m2 、好ましくは80g/m2 〜130g/
2 である。また、本発明の塗料組成物を溶剤型塗料と
して用いる場合の塗料中の固形分は50〜60重量%が
好ましい。本発明の塗料組成物を塗布して乾燥する場合
には、常温で2時間以内で十分に乾燥することができ、
また従来のアクリルウレタン塗料で仕上げたコンクリー
ト用塗装型枠合板と同等、あるいはそれ以上の性能を有
するコンクリート用塗装型枠合板が製造できる。
【0014】
【実施例】次に、実施例1、比較例及び試験例により本
発明を具体的に説明する。 実施例1 メタクリル酸ブチル35重量部を酢酸ブチル溶剤中で過
酸化ベンゾイルの触媒を用いて常法により溶液重合し、
ソリッド水酸基価73mgKOH/g、ガラス転位温度
40.6℃、重量平均分子量45,000のアクリル樹
脂を得た。次に、このアクリル樹脂100重量部にポリ
メチレンポリフェニルポリイソシアネート(イソシアネ
ート基含有率31.5%)を13重量部配合し、ポリメ
チレンポリフェニルポリイソシアネート中のイソシアネ
ート基とアクリル樹脂中の水酸基の当量比が1.5のア
クリルウレタン上塗り塗料をと調製し、この塗料をアク
リル系エマルション下塗り塗料で処理された合板上にロ
ールコーターで100g/m2 に塗布し、常温(20〜
25℃)で2時間乾燥して、コンクリート用塗料型枠合
板を作製した。尚、乾燥直後に上記合板を積み重ね、荷
重を2kg/m2 加え、24時間放置したが、塗装面は
ブロッキングしなく乾燥性は良好であった。
【0015】比較例1 アクリル酸2−ヒドロキシエチル15重量部、メタクリ
ル酸イソプロピル65重量部、メタクリル酸ブチル20
重量部を酢酸ブチル溶剤中でアゾビスイソブチロニトリ
ル触媒を用いて実施例1と同様に溶液重合し、ソリッド
水酸基価73mgKOH/g、ガラス転位温度50℃、
重量平均分子量11,000のアクリル樹脂を得た。次
に、このアクリル樹脂100重量部に対しポリメチレン
ポリフェニルポリイソシアネート(イソシアネート共含
有率31.5%)を13重量部配合し、ポリメチレンポ
リフェニルポリイソシアネート中のイソシアネート基と
アクリル樹脂中の水酸基の当量比が1.5のアクリルウ
レタン上塗り塗料を調製し、この塗料をアクリル系エマ
ルション下塗り塗料で処理された合板上にロールコータ
ーで100g/m2 に塗布し、60℃の熱風乾燥器中で
30分乾燥して、コンクリート用塗装型枠合板を作製し
た。尚、このアクリルウレタン塗料と実施例1のアクリ
ルウレタン塗料の乾燥性を比較するために、乾燥条件を
常温(20〜25℃)、2時間に変えて実施例1と同一
条件で合板を積み重ねたが、塗装面がブロッキングし
た。
【0016】比較例2 メタクリル酸メチル100重量部と酢酸ブチル溶剤中で
過酸化ベンゾイルの触媒を用いて実施例1と同様に溶液
重合し、ガラス転位温度105℃、重量平均分子量7
5,000のアクリル樹脂を得た。次に、このアクリル
樹脂を用いて実施例1と同一条件でコンクリート用塗装
型枠合板を作製した。尚、実施例1、比較例1と同様に
乾燥性を試験した結果、塗装面はブロッキングしなく乾
燥性は良好であった。
【0017】試験例1 上記実施例及び比較例で作製したコンクリート用塗装型
枠合板を常温で1週間養生した後、物性試験を行った。
尚、試験方法は下記の方法で行った。以上の物性試験結
果を表1に示す。
【表1】 判定基準 ○ : 良好 △ : やや不良 × : 不良 試験方法 (1) 密着性 :塗装面をナイフで碁盤目にク
ロスカットし、セロテープ剥離による。 (2) 寒熱繰返し性 :コンクリート用型枠合板JA
S試験方法に準じる。 (3) 耐アルカリ性 : 同 上 (4) 耐候性 :南面45゜の角度の架台の上
で1ヶ月間屋外曝露し、塗膜面にワレや剥離等の欠点が
生じてないかどうかを判定する。 (5) コンクリート離型性:試験用鉄製枠(厚み30c
m、高さ100cm、巾180cm)を作成し、この鉄
製枠の中に試験すべき塗装型枠合板をセットし、約0.
5m3 の生コンクリートを流し込み、1日〜2日後に鉄
製枠を解体する際に、塗装型枠合板とコンクリート面と
で離型性及び離型面を観察する。
【0018】
【発明の効果】本発明による乾燥の早いアクリルウレタ
ン塗料組成物をコンクリート用塗装型枠合板の上塗り塗
料に用いることにより、高額な乾燥設備を必要せず、ア
クリル塗料なみの簡単な設備にてアクリル塗料よりもは
るかに優れた性能を有する塗膜をコンクリート用塗装型
枠合板上に形成できる。
フロントページの続き (72)発明者 天野 武 徳島県小松島市横須町5番38号 スミリン 合板工業株式会社内 (72)発明者 井坂 義則 徳島県小松島市横須町5番38号 スミリン 合板工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ソリッド水酸基価10〜150mgKO
    H/g、ガラス転位温度20℃〜100℃、重量平均分
    子量30,000〜100,000の物性を有するアク
    リル樹脂にポリイソシアネート系硬化剤を配合してなる
    コンクリート用塗装型枠合板用アクリルウレタン塗料組
    成物。
  2. 【請求項2】 ポリイソシアネート系硬化剤中のイソシ
    アネート基とアクリル樹脂中の水酸基の当量比が0.5
    〜2.5になるように配合してなる請求項1のアクリル
    ウレタン塗料組成物。
  3. 【請求項3】 合板の素地にアクリル系エマルジョン塗
    料を塗布し乾燥した後、この上に更に請求項1のアクリ
    ルウレタン塗料組成物を塗布し、常温で2時間以内で乾
    燥することを特徴とするコンクリート用塗装型枠合板の
    製造方法。
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