JPH06278638A - 自動制御装置 - Google Patents

自動制御装置

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JPH06278638A
JPH06278638A JP6541993A JP6541993A JPH06278638A JP H06278638 A JPH06278638 A JP H06278638A JP 6541993 A JP6541993 A JP 6541993A JP 6541993 A JP6541993 A JP 6541993A JP H06278638 A JPH06278638 A JP H06278638A
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JP
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control
rear wheel
wheel steering
signal
value
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JP6541993A
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English (en)
Inventor
Motoaki Kataoka
資章 片岡
Tetsuya Nakamura
哲也 中村
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 制御対象を駆動する駆動制御手段の作動音を
低減するとともに、良好な応答性を確保し、入力信号の
緩やかな変化にも追従できる自動制御装置を提供する 【構成】 ステアリングセンサ24、車速センサ26、
ヨーレートセンサ28からの車両の状態を検出する信号
に基づき目標ヨーレートを設定し、実際のヨーレートと
目標ヨーレートとが一致するように後輪舵角を制御する
後輪操舵装置において、後輪舵角を制御するために算出
される後輪舵角θに施されるローパスフィルタ処理の時
定数を、後輪舵角θの単位時間当りの変化量△θが所定
値θthより大きければ減少させ、小さければ増加させ
る。これにより変化量△θの大きい通常の後輪操舵時に
は、応答性よく後輪が操舵され、変化量△θの小さい後
輪操舵の不要な時には、後輪舵角θに含まれる不要な振
動成分も抑制されるため、後輪操舵機構が無駄に作動さ
せられることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、制御対象の挙動を検出
し、その検出結果に応じて制御対象を駆動制御する自動
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より制御対象の挙動を検出し、それ
に応じて制御対象を制御する自動制御装置の具体的な例
として、車両の後輪操舵装置が知られている。これは、
前後輪操舵車において、前輪の転舵角や車両の速度とい
った車両の運転状態を検出し、その検出結果に応じて後
輪の舵角を制御しようとする装置である。
【0003】一般的に、このような車両の後輪操舵装置
においては、制御対象である後輪操舵機構を駆動するた
めのアクチュエータは、焼付や折損の防止のためにバッ
クラッシ等が設けられているため、アクチュエータの作
動開始時には歯打音などの作動音が発生する。
【0004】そして、車両の直進中など本来後輪を操舵
するアクチュエータが停止しているべきであるときに、
車両の運転状態を検出する信号に含まれるノイズ等の影
響を受け、実際の操舵制御には関係のない不要な振動が
制御信号に含まれていると、アクチュエータは、この制
御信号の不要な振動によって、作動、停止を繰り返すた
め頻繁に作動音を発生することになる。
【0005】これに対して、例えば、特開昭62ー88
66号公報に記載されているような、検出される前輪の
転舵角が所定値以下であるときは後輪が転舵されないよ
うに制御する不感帯域を設け、この不感帯域を車速に応
じて異なる幅となるように制御することにより、安定し
た操作性を確保しようとする車両の4輪操舵装置や、特
開昭64ー60474号公報に記載されているような、
前輪および後輪の転舵角が、夫々、所定値以下である状
態が、所定時間以上継続した場合に後輪操舵の制御を休
止させることにより、エネルギ損失を減少させアクチュ
エータの耐久性を向上させようとする前後輪操舵車の後
輪操舵制御装置などが知られている。
【0006】一方、特開平3ー248966号公報に記
載されているように、車両のヨーレートを検出し、この
検出信号から目標後輪転舵量を算出して後輪転舵機構を
制御する装置において、後輪転舵機構を制御するための
制御信号の高周波領域におけるゲインを低下させるため
のローパスフィルタを設け、そのローパスフィルタの時
定数を、目標後輪転舵量が大きくなるほど大きな値とな
るように設定することにより、高周波領域の振動に追従
して後輪転舵機構が頻繁に作動することを防止すると共
に、制御動作の応答遅れに基づく発振現象により車両の
振動が増幅される現象を抑制する装置も知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭62ー
8866号公報や特開昭64ー60474号公報に記載
されているような装置は、所定値以下の小さな入力信号
に対して後輪が操舵されない不感帯域内では、入力信号
に不要な振動が含まれていても、その振動が所定値以上
の大きさでなければ後輪操舵機構は作動しないので、作
動音が頻繁に発生するという問題は起こらないが、不感
帯域内での入力信号の緩やかな変化は制御に反映されな
いという問題があった。
【0008】また、特開平3ー248966号公報に記
載されている装置も、ローパスフィルタにより制御信号
の不要な振動は全域にわたって抑制されるため、後輪操
舵機構が無駄に動作することが抑えられ、作動音の発生
も抑えられるが、目標後輪転舵量が大きいほど時定数を
大きな値としているため、制御信号は転舵量が大きい時
ほど制御の遅延が大きくなり、操舵指令に対して実際の
舵角が遅れるという問題があった。
【0009】こういった問題は、上記のような車両の後
輪操舵装置に限らず、自動工作機械など制御対象の挙動
を検出し、その検出結果に応じて制御対象を駆動制御す
る自動制御装置一般に共通するものである。本発明は、
上記問題点を解決するために、制御対象を駆動する駆動
制御手段の作動音を低減するとともに、良好な応答性を
確保し、入力信号の緩やかな変化にも追従できる自動制
御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされた本発明の構成は、図1に例示するように、制
御対象の挙動に応じた挙動信号を電気的に出力する検出
手段と、該検出手段から出力された挙動信号に基づいて
前記制御対象を制御するための制御量を算出し、該制御
量に応じた制御信号を出力する制御量算出手段と、該制
御量算出手段からの前記制御信号に基づいて前記制御対
象を駆動制御する駆動制御手段と、を備える自動制御装
置において、前記検出手段が出力する前記挙動信号また
は前記制御量算出手段が出力する前記制御信号の少なく
とも高周波領域におけるゲインを低下させる、所定の時
定数を有したフィルタ手段と、該フィルタ手段に入力さ
れる信号の単位時間当りの変化量を検出し、該変化量に
応じて、該変化量が大きくなるほど小さな値となるよう
に前記フィルタ手段の前記時定数を設定する時定数設定
手段と、を設けたことを特徴とする自動制御装置を要旨
とする。
【0011】
【作用】上記のように構成された本発明の自動制御装置
においては、検出手段が制御対象の挙動に応じた挙動信
号を電気的に出力する。この出力された挙動信号に基づ
いて制御量算出手段が制御対象を制御するために必要な
制御量を算出し、その制御量に応じた制御信号を出力す
る。そして駆動制御手段はこの制御信号に基づいて制御
対象を駆動制御する。
【0012】また、本発明の自動制御装置のフィルタ手
段が、検出手段が出力する挙動信号、または制御量算出
手段が出力する制御信号の、高周波領域におけるゲイン
を所定の時定数に応じて低下させる。そして、時定数設
定手段が、検出手段が出力する挙動信号、または制御量
算出手段が出力する制御信号の、単位時間当りの変化量
を検出し、その変化量が大きい場合は、フィルタ手段の
時定数を小さな値に設定し、また、その変化量が小さい
場合は、フィルタ手段の時定数を大きな値に設定する。
【0013】この結果フィルタ手段は、入力信号の変化
量が大きい場合は、入力信号に対する出力信号の遅延が
小さくなるので、応答性のよい信号を出力し、また、入
力信号の変化量が小さい場合は、入力信号に対する出力
信号の応答が鈍くなるので、不要な振動が抑制された信
号を出力する。
【0014】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面と共に説明す
る。図2は、本実施例の後輪操舵装置全体の構成を表す
概略構成図である。本実施例の後輪操舵装置は、図2に
示すように、車両の左右の後輪2RL,2RRを操舵す
るための後輪操舵機構10と、この後輪操舵機構10を
駆動する駆動モータ12と、駆動モータ12の所定の回
転角度毎にパルス信号を発生するモータセンサ14と、
車両運転者が左右の前輪2FL,2FRを操舵するため
のステアリングホイール18からステアリングギヤボッ
クス20に至るステアリングシャフト22に取り付けら
れて、ステアリングシャフト22の所定の回転角度毎に
パルス信号を発生するステアリングセンサ24と、車両
の速度に応じた周波数のパルス信号を発生する車速セン
サ26と、ジャイロ等で構成され車両の旋回方向の角速
度に応じた電圧を出力するヨーレートセンサ28と、こ
れら各センサからの検出信号に基づき目標ヨーレートを
設定し、実際のヨーレートと目標ヨーレートとが一致す
るように後輪舵角を設定して駆動モータ12を駆動制御
する電子制御装置(ECU)30とから構成されてい
る。
【0015】なお、後輪操舵機構10は、駆動モータ1
2の回転を減速する減速機と、減速機からの回転出力を
左右の後輪2RL,2RRに伝達するギヤ機構とからな
る周知のものである。一方、ECU30は、図3に示す
ように、CPU,ROM,RAM等からなる周知のマイ
クロコンピュータ32を中心として構成されている。そ
して、マイクロコンピュータ32には、ステアリングセ
ンサ24、モータセンサ14、車速センサ26から出力
されるデジタル信号が、波形成形回路34、35、36
にて波形成形された後入力され、また、ヨーレートセン
サ28から出力されるアナログ信号が、アナログバッフ
ァ38を介してA/Dコンバータ40に入力されここで
アナログ−デジタル変換された後入力される。
【0016】これら各センサからの検出信号に基づき、
マイクロコンピュータ32においては、後輪操舵の制御
量を算出する制御量算出処理およびその算出結果に応じ
て後輪を操舵するための指令を出力する操舵処理を周期
的に実行することにより後輪操舵制御が行われる。
【0017】そして後輪操舵制御の結果、マイクロコン
ピュータ32から出力されるモータ方向指令値DRおよ
びモータ駆動信号DSに従い駆動回路42が駆動モータ
12を駆動制御する。ここで駆動回路42は、図4に示
すように、トランジスタTR1、TR2、TR3、TR
4からなり駆動モータ12に通電する電流の方向を制御
するスイッチ回路44と、マイクロコンピュータ32か
らの指令に従いスイッチ回路44のトランジスタTR
1、TR2、TR3、TR4をスイッチングする論理回
路46と、図示しないイグニッションスイッチがオンす
ることによりオン状態となり、駆動モータ12へ電源E
を供給するリレーSとからなる。
【0018】このように構成された駆動回路42におい
ては、マイクロコンピュータ32よりモータ方向指令値
DRが1に設定されると、論理回路46によりスイッチ
回路44のトランジスタTR1がオンされ、トランジス
タTR2およびTR3がオフされる。そしてマイクロコ
ンピュータ32より与えられるモータ駆動信号DSに従
い、トランジスタTR4がスイッチングされ、それに応
じて電流が、トランジスタTR1、駆動モータ12、ト
ランジスタTR4の順に流れ、駆動モータ12は正回転
する。
【0019】逆に、マイクロコンピュータ32よりモー
タ方向指令値DRが0に設定されると、論理回路46に
よりスイッチ回路44のトランジスタTR2がオンさ
れ、トランジスタTR1およびTR4がオフされる。そ
してマイクロコンピュータ32より与えられるモータ駆
動信号DSに従い、トランジスタTR3をスイッチング
することにより、それに応じて電流が、トランジスタT
R2、駆動モータ12、トランジスタTR4の順に流
れ、駆動モータ12は逆回転する。
【0020】次に、マイクロコンピュータ32において
実行される制御量算出処理、操舵処理について、フロー
チャートに沿って詳しく説明する。なお、これらの処理
は、図示しないイグニッションスイッチがオンすること
により、ECU30に電源が投入されて、マイクロコン
ピュータ32が起動することにより開始される。
【0021】まず制御量算出処理を図5に示すフローチ
ャートに沿って説明する。この処理はマイクロコンピュ
ータ32内で周期的(例えば5msec周期)に実行さ
れている。図5に示すように、まずステップ110に
て、車速センサからの検出信号に基づき、車速Vが算出
される。そして、続くステップ120にて、ステアリン
グセンサからの検出信号に基づき、ステアリング角θs
が算出される。さらに、続くステップ130では、ヨー
レートセンサで検出され、A/D変換されたデータに基
づき、実ヨーレートWaが算出される。
【0022】次に、ステップ140にて、本後輪操舵制
御により車両を制御することにより得られるべきである
ヨーレート(目標ヨーレート)Wsが、先に求められた
車速V、ステアリング角θs に基づき次の演算式[数
1]を用いて算出される。
【0023】
【数1】
【0024】ここで、K2 は車両の運動特性を表すスタ
ビリティファクタであり、通常一定値として予め設定さ
れる値である。Nはハンドル角と前輪舵角の比を表すス
テアリングギア比、Lは車両のホイールベースであり、
これらは車両毎に固有の値である。K3(V) は車速Vの
関数で表される定数である。また、(1+K1τs)/
(1+τs)は、伝達関数であり、上記演算式[数1]
の過渡特性を決定している。なお、K1 は過渡時のゲイ
ンを表し通常K1>0 であり、τは時定数、sはラプラ
ス演算子である。
【0025】続くステップ150にて、先に求めた車速
V、ステアリング角θs、 実ヨーレートWa、目標ヨー
レートWsに基づき、制御量である後輪舵角θが次の演
算式[数2]を用いて算出される。
【0026】
【数2】
【0027】ここでK3(V)、K4(V)は、車速Vの関数
で表される定数である。続くステップ160にて、先の
ステップ150で算出された後輪舵角θi と前回の制御
量算出処理で算出された後輪舵角θi-1 との偏差(すな
わち後輪舵角の変化量)△θに基づきローパスフィルタ
(以下単に、LPFという)の時定数が設定される。こ
の設定された時定数に従い、ステップ170にて、後輪
舵角θiを入力としたLPF処理が行なわれ、後輪舵角
制御量θ*iが次の演算式[数3]を用いて算出される。
【0028】
【数3】
【0029】ここでθ*i-1 は前回の処理で算出された
後輪舵角制御量、aは時定数に相当するパラメータであ
り詳細については後述する。続くステップ180にて、
算出された制御量θ*iから実際に駆動モータ12を制御
するのに適したモータ角指令値θ*mに、次の演算式[数
4]を用いて換算され、一連の制御量算出処理は終了す
る。
【0030】
【数4】
【0031】なお、K5 は換算比であり、マイクロコン
ピュータ32内で処理する際に各ビットが意味する制御
量が後輪舵角制御量θ*iとモータ角指令値θ*mとで一致
しているならばK4=1 となるので、ステップ180の
換算処理を省略することができる。
【0032】次に、本発明の主要部分である時定数設定
処理について詳しく説明する。図6は、図5で示した制
御量算出処理のステップ160における時定数設定処理
の詳細を表すフローチャートである。まず、ステップ2
00では今回の処理で算出された後輪舵角θi と、前回
の処理で算出された後輪舵角θi-1 との差の絶対値(以
下、後輪舵角の変化量という)△θが、所定値θthより
大きいか否かが判断され、後輪転舵角の変化量△θの方
が大きい場合は、ステップ210に進む。なお後輪舵角
の変化量△θを求める際に、前回算出された後輪舵角θ
i-1 の代わりに、前回の制御値(前回算出値をLPFで
処理した値)θ*i-1を使用してもよい。
【0033】ここで、後輪舵角の変化量△θと比較され
る所定値θthは、通常予測されるノイズの振幅、または
後輪を操舵するアクチュエータのバックラッシの幅に相
当する分だけアクチュエータを動作させる制御量を考慮
し、これらより大きな値に設定する。
【0034】続くステップ210にて、LPF処理によ
り、操舵角制御量θ* の応答性が損なわれることがない
ようにするために、LPFの時定数の値を減少させる処
理が行なわれる。実際には、LPFの演算式[数3]に
おいて時定数に相当するパラメータaの値を減少させ
る。なお時定数Tc とパラメータaとの関係は、次式
[数5]で表される。
【0035】
【数5】
【0036】ここでTs は処理周期であり、制御量算出
処理が実行される周期(例えば5ms)のことである。
また、パラメータaは0≦a≦256の値をとり、パラ
メータaの値が小さいほど時定数Tc は小さくなる。そ
して、このパラメータaの値から所定値adec を減じる
処理を行なう。
【0037】なおこの処理では、よりよい応答性を得る
ために所定値adec を減じる代わりにa=0と設定して
もよい。LPFの演算式[数3]から判るように、a=
0に設定された場合、算出された操舵角θi がそのまま
操舵角制御量θ*iとして出力される。
【0038】続くステップ220にて、減少させられた
パラメータaの値が、LPF処理で使用される妥当な範
囲に納まっているか否かが判断される。つまり、パラメ
ータaの値が最小限界値amin (例えば0)と比較さ
れ、パラメータaの値が最小限界値amin 以上であれば
パラメータaはそのままの値でLPF処理に使用され
る。
【0039】また、パラメータaの値が最小限界値ami
n より小さければステップ230にて、パラメータaは
最小限界値amin に制限されてLPF処理に使用され
る。先のステップ200にて、後輪舵角の変化量△θが
所定値θthより小さい場合は、ステップ240に進む。
【0040】ステップ240では、LPF処理により、
算出された後輪舵角θに含まれる不要な振動成分を除去
できるようにするために、LPFの時定数を増加させる
処理が行なわれる。つまりパラメータaに所定値ainc
(例えば、パラメータaの全範囲である256の4分の
1に当たる64)を加える。このようにainc の割合で
時定数に相当するパラメータaの値を順次増加させるこ
とにより、後輪舵角の変化量△θが所定値θthより小さ
い状態が連続したときには、信号の応答は徐々に鈍くな
っていくことになる。
【0041】次のステップ250にて、増加させられた
パラメータaの値が妥当な範囲に納まっているか否かが
判断される。つまり、パラメータaの値がその可能な最
大値である256より少し小さな値に設定された最大限
度値amax (例えば240)と比較され、パラメータa
が最大限度値amax 以下であればパラメータaはそのま
まの値でLPF処理に使用される。また、パラメータa
の値が最大限度値amax より大きければ、ステップ26
0にて、パラメータaは最大限度値amax に制限されて
LPF処理に使用される。
【0042】このように最大限界値amax をパラメータ
aの可能な最大値である256ではなく少し小さい値に
設定しているのは、amax=256 にした場合、LPF
の演算式[数3]から判るように、LPFの出力には前
回の出力値が表れるため値は変化しなくなり、後輪操舵
角のゆっくりした変化に応答できなくなってしまうため
である。
【0043】ここで、例えば最大限度値amax を240
にした場合、このときの遮断周波数は次式[数6」によ
り求められ、処理周期5msとして遮断周波数fは約2
Hzとなる。つまり入力信号の2Hz以下の変化に対し
て応答性が確保されることになる。
【0044】
【数6】
【0045】次に、操舵処理について図7に示すフロー
チャートに沿って詳しく説明する。この処理もマイクロ
コンピュータ32内で周期的(例えば2msec周期)
に実行されている。図7に示すように、ステップ270
にて、モータセンサ14からの検出信号に基づきモータ
角θm が算出される。そして、続くステップ280に
て、モータ角の変化量であるモータ速度θv が算出され
る。なお、このモータ速度θv の演算は、公知の数値微
分アルゴリズムで行われる。
【0046】ステップ290にて、先の制御量算出処理
で求められたモータ角指令値θ*mおよび先に算出したモ
ータ角θm ,モータ速度θv から、駆動モータ12に通
電すべきモータ電流指令値Im が、次の演算式[数7]
を用いて算出される。
【0047】
【数7】
【0048】ここで、Pは比例ゲイン、Dは微分ゲイン
と呼ばれる定数である。ステップ300にて、モータ電
流指令値Im の符号が判断される。もし符号が正ならば
ステップ310に進み、モータ方向指令値DRが1に設
定され、マイクロコンピュータ32の出力ポートから駆
動回路42へ出力される。このモータ方向指令値DRに
従い、駆動回路42では、論理回路46により駆動モー
タ12が正回転するようにスイッチ回路44が設定され
る。そしてステップ320では、モータ電流指令値の絶
対値|Im| に応じて所定のデューティ比に設定された
PWM信号が、駆動モータ12を駆動するモータ駆動信
号DSとしてECU30のポートから出力される。この
駆動信号DSに従ってスイッチング回路44がスイッチ
ングされることにより駆動モータ12が正回転し後輪が
操舵される。
【0049】先のステップ300にて、モータ電流指令
値Im の符号が負ならばステップ330に進み、モータ
方向指令値DRが0に設定され、マイクロコンピュータ
32の出力ポートから駆動回路42へ出力される。この
モータ方向指令値DRに従い、駆動回路42では、論理
回路46により駆動モータ12が逆回転するようにスイ
ッチ回路44が設定される。そしてステップ320でモ
ータ駆動信号DSが出力されることにより、駆動モータ
12が逆回転し後輪が操舵される。
【0050】以上説明したように、本実施例の車両用後
輪操舵装置によれば、算出された後輪舵角θの単位時間
当りの変化量△θが所定値θthと比較して大きい場合
は、LPFの時定数に相当するパラメータaを減少させ
ることにより、ECU30からは遅延が少なく応答性の
よい制御信号を出力させ、また、単位時間当りの変化量
△θが所定値θthと比較して小さい場合には、LPFの
時定数に相当するパラメータaの値を増加させることに
より、ECU30からは不要な振動が抑えられた制御信
号を出力させている。
【0051】従って、通常の後輪操舵時には、後輪操舵
角の変化量△θは十分大きいので、LPF処理により制
御信号の応答性が損なわれることなく、遅延の少ない後
輪の操舵を行うことができる。また、直進時など後輪操
舵がされていない時でも、車両の状態を検出する検出信
号に含まれるノイズ等の影響により、実際の後輪舵角の
制御には関係のない不要な振動が後輪舵角の制御量に現
れるが、その影響による後輪舵角の変化量△θは小さい
ので、LPF処理により制御信号の振動が抑えられ、後
輪操舵機構はその不要な振動に追従した無駄な動作をさ
せられることがなく、従って、後輪操舵機構の作動音が
頻繁に発生することも防止できる。
【0052】さらに、従来技術の不感帯域とは違い、後
輪操舵角の変化量△θが小さなときには、制御信号の応
答を鈍くしているだけであるので、入力信号の緩やかな
変化に対しても追従することができる。またさらに、後
輪操舵角の変化量△θが大きい状態から小さい状態に移
ったときに、時定数を段階的に増加させ制御信号に対す
る応答を徐々に鈍くしていくことにより、その初期にお
いて目標の後輪舵角に対し実際の後輪舵角を早めに追従
させることができる。
【0053】以上、本発明の一実施例について説明した
が、本発明の構成は上記実施例で説明したものに限定さ
れるものではなく、以下の様な構成においても同様の効
果を得ることができる。例えば、上記実施例で、後輪転
舵角の変化量△θの大小を判定する所定値θthを設けた
が、この他に過大入力に対してLPF処理以降を保護す
るために、ある一定値以上の入力に対しては時定数を大
きな値に設定して信号の応答性を鈍らせるような処理を
行なってもよい。また、後輪転舵角の変化量△θに応じ
て複数レベルを設定し、各レベル毎に所定の時定数を割
り当て、この時定数に従ってフィルタ処理を行なっても
よい。
【0054】また、上記実施例では、算出された後輪転
舵角θについてLPF処理を施しているが、ヨーレート
センサのような、特に検出信号がアナログである信号に
ついてその信号毎にLPF処理を行ない、処理された信
号から後輪舵角制御量θ* を算出するように構成しても
よい。
【0055】また、上記実施例では、フィルタ手段とし
てローパスフィルタを使用しているが、直流成分を含ま
ない信号について適用する場合は、バンドパスフィルタ
を使用してもよい。また、本発明は、本実施例の車両の
後輪操舵装置に限らず、自動制御により位置決めを行な
う機器等に広く適用可能である。
【0056】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の自動制御
装置によれば、制御対象の挙動に応じて出力される挙動
信号または駆動制御手段を制御する制御信号をフィルタ
手段に入力し、フィルタ手段の時定数をフィルタ手段へ
の入力信号に応じて設定することにより、入力信号の単
位時間当りの変化量が大きい場合は、遅延が少なく応答
性のよい信号を、また、入力信号の単位時間当りの変化
量が小さい場合は、不要な振動が抑えられた安定性のよ
い制御信号を駆動制御手段に供給するようにされてい
る。
【0057】この結果、制御対象を動作させる場合は、
通常、入力信号の単位時間当りの変化量が大きいので、
フィルタ手段により制御信号の応答性が損なわれること
がなく、駆動制御手段は素早く応答することができる。
また、制御対象を緩やかに動作させたり停止させておく
場合は、入力信号の単位時間当りの変化量が小さいの
で、フィルタ手段により、制御対象の挙動を検出する検
出手段からの検出信号に含まれるノイズ等の影響による
制御信号の不要な振動が抑えられるため、制御対象を駆
動する駆動制御手段が無駄に動作させられることがな
く、駆動制御手段の作動音も低減できる。
【0058】また、従来技術の不感帯域とは異なり、入
力信号の単位時間当りの変化量が小さい場合でも、フィ
ルタ手段により信号の応答を鈍らせるだけなので、入力
信号の緩やかな変化に対しても追従することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成を例示するブロック図である。
【図2】 実施例の車両用後輪操舵装置全体の構成を表
す概略構成図である。
【図3】 実施例の車両用後輪操舵装置の制御系の構成
を表す構成図である。
【図4】 本実施例の駆動回路の構成を表す構成図であ
る。
【図5】 実施例のECUにて実行される制御量算出処
理を表すフローチャートである。
【図6】 実施例のECUにて実行される時定数設定処
理を表すフローチャートである。
【図7】 実施例のECUにて実行される後輪操舵処理
を表すフローチャートである。
【符号の説明】
2FL,2FR…前輪 2RL,2RR…後輪 1
0…後輪操舵機構 12…駆動モータ 14…モータセンサ 18…
ステアリングホイール 20…ステアリングギヤボックス 22…ステアリン
グシャフト 24…ステアリングセンサ 26…車速センサ 2
8…ヨーレートセンサ 30…電子制御装置(ECU) 32…マイクロコ
ンピュータ 34,35,36…波形成形回路 38…アナログバ
ッファ 40…A/Dコンバータ 42…駆動回路 4
4…スイッチ回路 46…論理回路 E…電源 S
…リレー TR1,TR2,TR3,TR4…トランジスタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B62D 137:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御対象の挙動に応じた挙動信号を電気
    的に出力する検出手段と、 該検出手段から出力された挙動信号に基づいて前記制御
    対象を制御するための制御量を算出し、該制御量に応じ
    た制御信号を出力する制御量算出手段と、 該制御量算出手段からの前記制御信号に基づいて前記制
    御対象を駆動制御する駆動制御手段と、 を備える自動制御装置において、 前記検出手段が出力する前記挙動信号、または前記制御
    量算出手段が出力する前記制御信号の、少なくとも高周
    波領域におけるゲインを低下させる、所定の時定数を有
    したフィルタ手段と、 前記検出手段が出力する前記挙動信号、または前記制御
    量算出手段が出力する前記制御信号の、単位時間当りの
    変化量を検出し、該変化量に応じて、該変化量が大きく
    なるほど小さな値となるように前記フィルタ手段の前記
    時定数を設定する時定数設定手段と、 を設けたことを特徴とする自動制御装置。
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