JPH06277613A - ブレードコーターの塗工方法と塗工装置 - Google Patents

ブレードコーターの塗工方法と塗工装置

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JPH06277613A
JPH06277613A JP6843193A JP6843193A JPH06277613A JP H06277613 A JPH06277613 A JP H06277613A JP 6843193 A JP6843193 A JP 6843193A JP 6843193 A JP6843193 A JP 6843193A JP H06277613 A JPH06277613 A JP H06277613A
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JP
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coating
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blade
coater
paper
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JP6843193A
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Noritoshi Watanabe
則利 渡辺
Satoru Hosokawa
哲 細川
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Original Assignee
New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 枠替時の紙継ぎ部分の過剰塗料による汚れや
品質低下を回避でき、塗工ブレードの摩擦熱による変形
及び磨耗を防止し得る手段を提供する。 【構成】 バッキングロール1を介して連続走行する原
紙2の表面に、コーターヘッド3のスリット状の塗料吐
出口4より塗料5を塗被し、次いで塗工ブレード6によ
って塗工量を設定するブレ−ドコーターにおいて、塗工
中の旧原紙ロールの原紙2と新原紙ロールの原紙始端部
とを走行状態で紙継ぎし、この紙継ぎ部が塗工位置を通
過する際の一定時間だけ塗料吐出口4からの塗料5の塗
被を停止し、この塗被停止中にコーターヘッド3の水噴
出口9より原紙2の表面に水を吹き付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バッキングロールを介
して連続走行する原紙の表面に、紙幅方向に沿うスリッ
ト状の塗料吐出口を介して塗料を塗被し、塗工ブレ−ド
によって塗工量を設定する、ファウンテンブレ−ドコー
ターやショートドウェルコーターの如きブレードコータ
ー、特に塗工中に旧原紙ロールから新原紙ロールへの原
紙の自動紙継ぎ機構を備える該ブレードコーターの塗工
方法及び塗工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種ブレードコーターは、図1に示す
ように、バッキングロール1を介して連続走行する原紙
2の表面に、該バッキングロールに対向配置したコータ
ーヘッド3の紙幅方向に沿う塗料吐出口4より塗料5を
塗被し、この塗被された塗料5の余剰分を塗工ブレード
6で掻き落として所要の塗工量に設定するようになされ
ている。なお、ショートドウェルコーターでは塗工ブレ
ード6が塗料吐出口4の縁部に設けられている。しかし
て、このようなブレードコーターおいて一つの原紙ロー
ルの塗工が終了すれば、新たな原紙ロールに切り換える
枠替を行うが、この枠替のためにコーターを停止すれば
大きな時間的損失を生じることから、近年では生産効率
を高めるために、旧原紙ロールの原紙と新原紙ロールの
原紙始端部とを走行状態を維持したまま自動的に紙継ぎ
する機構が採用されている。
【0003】この自動紙継ぎ機構は、図1の仮想線枠A
内に示すように、塗工中の旧原紙ロールR1のやや下流
側に新原紙ロールR2を配置しておき、ロールR1の原
紙2が残り少なくなった時点でロールR2を回転駆動さ
せ、その周速を原紙送り速度に同調させた上で、図示仮
想線の如く押圧ロール7にて走行中の原紙2をロールR
2に押し付けて該ロールR2の原紙始端部に接着剤を介
して接着させ、同時に上流側でカッター8にてロールR
1側の原紙を切断することにより、ロールR1からロー
ルR2への原紙の切り換えを送りの中断なしに行うもの
である。なお、この紙継ぎが終わると、ロールR1が取
り外され、その位置へ原紙繰出中のロールR2が自動的
に移動すると共に、新たな原紙ロールがロールR2の元
の位置に配置される。また、ロールR2の原紙始端部は
上記回転時のほぐれ出しを防ぐために小さい粘着ラベル
で仮留めされ、接着時には該ラベルの破断により仮留め
が解かれる。
【0004】しかるに、上述のような紙継ぎ機構を採用
した場合、新旧2枚の紙が接着剤を介して重なった継ぎ
目の前後両端に段差ができ、この段差部分に過剰の塗料
が被着して乾燥不良となるため、塗工部より以降の走行
行程において紙の塗被面に接触する各種のロールシリン
ダーやドライヤーロールの表面に塗料が付着して汚れる
と共に、この付着した塗料が粕状になって紙の塗被面に
再付着して品質を低下させるという問題があった。
【0005】このような問題に対処する手段として、原
紙2の継ぎ目が塗工部を通過する際の一定時間だけコー
ターヘッド3による塗被を停止することが考えられ、2
本ロールタイプのブレ−ドコーターについては既に本出
願人が特願平3−28542号として上記一定時間だけ
アプリケーターロールをバッキングロールから離間させ
て塗被を停止する構成を提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように枠替において一時的にコーターヘッド3による塗
被を停止させた場合、その間に通過する原紙2の継ぎ目
を含む部分は一般に原紙走行速度が800m/分以上と
いった高速であるために相当な長さに及ぶが、この通過
部分が塗料を被着していない乾燥状態で塗工ブレード6
と摺接することになるから、摩擦熱により該ブレード6
が焼けて軟化し、波打ち状に変形して塗工再開後の紙幅
方向の塗料プロファイルが不均一になり、塗工品質が悪
化すると共に、該ブレード6の磨耗も激しくなり、もっ
て早期のブレード交換を余儀なくされるという、新たな
問題を生じることが判明した。
【0007】なお、上記の摺接による塗工ブレード6の
焼けを回避するために枠替時に該ブレード6を原紙2か
ら離す手段も考えられるが、一般に塗工ブレード6は各
種塗工条件や紙質等に応じて紙幅方向に沿う接触圧を微
妙に調整する必要があり、可動式では設定した調整状態
を維持させることが極めて難しく、技術的に採用困難で
ある。
【0008】本発明は、上述の状況に鑑み、特にコータ
ーヘッドが紙幅方向に沿うスリット状の塗料吐出口を有
するものであって、且つ走行状態での自動紙継ぎを行う
機構を備えたブレードコーターにおいて、枠替時の紙継
ぎ部分の過剰塗料による汚れや品質低下を回避でき、し
かも塗工ブレードの摩擦熱による変形及び磨耗を防止し
得る塗工方法と塗工装置を提供することを目的としてい
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に係るブレードコーターの塗布方
法は、バッキングロール1を介して連続走行する原紙2
の表面に、該バッキングロール1に対向配置したコータ
ーヘッド3の紙幅方向に沿うスリット状の塗料吐出口4
より塗料5を塗被し、次いで塗工ブレード6によって所
要の塗工量に設定するブレ−ドコーターにおいて、塗工
中の旧原紙ロールR1の原紙2と新原紙ロールR2の原
紙始端部とを走行状態で紙継ぎし、この紙継ぎ部が塗工
位置を通過する際の一定時間だけ前記塗料吐出口4から
の塗料5の塗被を停止すると共に、この塗被停止中に前
記コーターヘッド3に設けた水噴出口9より原紙2の表
面に水10を吹き付けることを特徴とする構成を採用し
たものである。
【0010】また本発明の請求項2に係るブレ−ドコー
ターの塗布装置は、連続走行する原紙2を巻き掛けて回
転するバッキングロール1と、紙幅方向に沿うスリット
状の塗料吐出口4より塗料5を吐出して前記原紙2の表
面に塗被するコーターヘッド3と、該コーターヘッド3
にて塗被した塗料5を所要の塗工量に設定する塗工ブレ
ード6と、塗工中の旧原紙ロールR1の原紙2に新原紙
ロールR2の原紙始端部を走行状態で紙継ぎする自動紙
継ぎ機構Aとを備え、前記コーターヘッド3に原紙表面
へ水10を吹き付ける水噴出口9が設けられ、前記紙継
ぎにおいて紙継ぎ部が塗工位置を通過する際の一定時間
だけコーターヘッド3による塗料5の塗被を停止させる
と共に前記水噴出口9からの水噴射を行わせる作動制御
手段11を具備してなる構成を採用したものである。
【0011】本発明の請求項3は、上記請求項2の塗布
装置において、コーターヘッド3が塗料吐出口4及び水
噴出口9を備えたファウンテン12である構成を採用し
たものである。
【0012】本発明の請求項4は、上記請求項3の塗布
装置において、ファウンテン12が塗料吐出口4の塗料
吐出方向をバッキングロール1に向ける塗工姿勢と該バ
ッキングロール1から外れた方向に向ける非塗工姿勢と
に変位可能であり、その非塗工姿勢において水噴出口9
の噴射方向がバッキングロール1に向くように設定され
てなる構成を採用したものである。
【0013】本発明の請求項5は、上記請求項2の塗布
装置において、コーターヘッド3が塗料吐出口4を備え
ると共に該吐出口4の縁部に塗工ブレード6を有するシ
ョートドウェルアプリケーター13である構成を採用し
たものである。
【0014】
【作用】枠替の際には、自動紙継ぎ機構Aが作動して旧
原紙ロールR1から新原紙ロールR2へ走行状態のまま
紙継ぎが行われるが、コーターヘッド3での塗被を停止
するため、この間に塗工部を通過する原紙2の継ぎ目を
含む部分には塗料5が塗被されない。しかして、この塗
被停止中には、コーターヘッド3に設けた水噴出口9よ
り原紙表面に水10が吹き付けられるから、塗工ブレ−
ド6は水を含んだ湿潤状態の原紙2と摺接することにな
り、この水による冷却作用で原紙2との摩擦による該ブ
レ−ド6の温度上昇が抑制される上、水による潤滑作用
も働くために摺接に伴う摩擦熱自体が小さく、もって該
ブレード6が焼けて軟化変形する恐れがないと共に、該
ブレード6の磨耗も少なくなる。
【0015】コーターヘッド3としては、紙幅方向に沿
うスリット状の塗料吐出口4と水噴出口9とを有するも
のであれば構造的に制限はないが、特にファウンテンブ
レ−ドコーターにおけるファウンテン12、ならびに塗
料吐出口4の縁部に塗工ブレードを備えたショートドウ
ェルアプリケーター13が好適である。しかして、ファ
ウンテン12を塗料吐出口4の塗料吐出方向がバッキン
グロール1に向く塗工姿勢と該バッキングロール1から
外れた方向に向く非塗工姿勢とに傾転可能とし、その非
塗工姿勢において水噴出口9の噴射方向がバッキングロ
ール1に向くように設定すれば、該ファウンテンの傾転
操作によって、枠替における塗工状態から塗工停止状態
の切り換えと、その後の塗工状態への復帰を迅速に行う
ことができ、それだけ紙継ぎ部を含む非塗工部分の長さ
を短くできる。
【0016】
【実施例】図2は本発明をファウンテンブレ−ドコータ
ーに適用した第一実施例、図3は同じくファウンテンブ
レ−ドコーターに適用した第二実施例、図4はショート
ドウェルコーターに適用した第三実施例、のそれぞれ塗
工部を示す縦断側面図である。これら各実施例のブレ−
ドコーターは、図5の全体構成図に示すように、該バッ
キングロール1に接して連続走行する原紙2の表面に、
該バッキングロール1の下方側に対向配置したコーター
ヘッド3(ファウンテンブレ−ドコーターではファウン
テン12、ショートドウェルコーターではショートドウ
ェルアプリケーター13)より塗料5を塗被し、その余
剰分をブレード6によって掻き落として所要の塗工量に
設定するようになっており、原紙2の供給側に自動紙継
ぎ機構Aを備えている。
【0017】第一実施例及び第二実施例におけるファウ
ンテン12は、図2及び図3に示すように、内部に略全
長にわたる塗料室14及びシャワー水室15を備えると
共に、外周を冷水ジャケット16にて被包した横長の塗
布チャンバーより構成されており、その長手方向がバッ
キングロール1に接して連続走行する原紙2の幅方向に
沿う形で、尖った頂端部を該バッキングロール1に近接
して且つ全体がやや後方へ傾く状態に配置されている。
【0018】しかして、第一実施例では、ファウンテン
12の頂端部に、共に長手方向に沿うスリット状で近接
して平行配置した塗料吐出口4と水噴出口9が設けてあ
り、それぞれ全長にわたる幅のスリット状導出路4a,
9aを通して、前者は塗料室14導入された塗料5を、
後者はシャワー水室15に導入された水10を、原紙2
の表面に向けてカーテン状に噴き出すようになされてい
る。17は塗料吐出口4の後縁部近傍に設けられたプレ
ブレードであり、基部に圧接するクランプチューブ18
aにより後方へ張出する状態に保持されており、その先
端部とバッキングロール1との間隙を背面に位置した加
圧チューブ18bの押圧によって調整することにより、
原紙2に対する塗料5の塗被量を所要範囲に制限する機
能を果たす。
【0019】一方、第二実施例では、ファウンテン12
の基本構造は第一実施例と略同様であるが、図3に示す
ように水噴出口9が当該ファウンテン12の前側面に開
口している。しかして、このファウンテン12は、図示
を省略した回動機構によって塗料室14を中心として回
動し、同図の仮想線で示すように塗料吐出口4がバッキ
ングロール1に近接する塗工姿勢と、実線で示すように
後傾した非塗工姿勢とに転換可能であり、非塗工姿勢で
は塗料吐出口4がバッキングロール1から外れる方向に
向くと共に水噴出口17がバッキングロール1に対向す
るように設定されている。
【0020】第三実施例におけるショートドウェルアプ
リケーター13は、図4に示すように、上部が尖った横
長箱状の基体19と、その前面側にピン20aを介して
枢支された横長の後部堰板21と、この後部堰板にピン
20bを介して中間部相互で相対回動可能に枢着された
横長の前部堰板22とからなり、両堰板21,22が上
部相互間で塗料室14を構成し、且つ近接した相互の上
端縁の間で長手方向に沿うスリット状の塗料吐出口4を
形成している。しかして前部堰板22は、厚肉の上部に
その長手方向全長にわたって貫設されたシャワー水室1
5を備えると共に、頂端にスリット状導出路9aを介し
て該シャワー水室15に全幅で連通するスリット状の水
噴出口9を有しており、上部の前面側には前方斜め下へ
張出する塗料排出用ガイド板23が取り付けられてい
る。また基体19の頂部には、前縁部に塗工ブレード6
を直立状に保持した支持ブロック19aが取り付けら
れ、この塗工ブレード6が塗料吐出口4の後縁に近接し
て配置している。
【0021】このショートドウェルアプリケーター13
は、長手方向がバッキングロール1に接して連続走行す
る原紙2の幅方向に沿う形で、塗工ブレード6の先端が
原紙2に弾接する状態に配置しており、塗料室14に導
入された塗料5が塗料吐出口4より過剰に吐出されてバ
ッキングロール1と塗工ブレード6とに挟まれる空間内
に充満し、余剰分が前部堰板22とバッキングロール1
との間隙より前方へ溢流して塗料排出用ガイド板23を
介して回収槽(図示省略)へ戻るように設定されてい
る。しかして、塗工量は原紙2に対する塗工ブレード6
の接圧によって設定されるが、この接圧は支持ブロック
19a上に配置した押圧ブロック24を調整ボルト24
aを介して前後動させることによって調整される。
【0022】なお、前部堰板23と後部堰板22の下端
部間には開閉用ベローズ25が介在しており、塗料室1
4の洗浄等に際し、該ベローズ23の内部を減圧して収
縮させることにより、両堰板23,24の上部側が開放
するように設定されている。また基体19と後部堰板2
2との間にも、ピン20aを挟む上下位に圧力チューブ
26a,26bが介在しており、塗工ブレード6を交換
する際に、上部側の圧力チューブ26aを加圧して下部
側の圧力チューブ26bを減圧することにより、基体1
9と後部堰板22の頂部間が開いて交換作業を容易にす
る。
【0023】図5に示すように、これら第一乃至第三実
施例のブレードコーターは、作動制御装置11を備える
と共に、原紙ロールR1の配置部には、その原紙残存量
が所定値になった際にこれを検知して検知信号を発する
センサー27が設置されている。そして、コーターヘッ
ド3(ファウンテン12、ショートドウェルアプリケー
ター13)には、塗料タンクT内の塗料5をポンプPを
介して塗料室14へ送る給液管路L1と、給水源Wから
の水10をシャワー水室15へ送る給水管路L2が接続
されている。また給液管路L1には塗料5を塗料タンク
Tへ戻すバイパス管路L3が分岐接続されており、これ
ら管路L1〜L3には作動制御装置11にて開閉制御さ
れる自動開閉弁V1〜V3が介装されている。なお、図
5では塗工ブレ−ド6がコーターヘッド3から離れた後
部に位置しているが、ショートドウェルコーターの場合
は該塗工ブレ−ド6は既述のようにコーターヘッド3つ
まりアプリケーター13に一体化されている(図4参
照)。
【0024】通常の塗工中においては、自動開閉弁V1
が開放状態、自動開閉弁V2,V3が閉止状態に設定さ
れ、バッキングロール1を介して連続走行する原紙2の
表面にコーターヘッド3より塗料5が塗被され、次いで
塗工ブレ−ド6により所定の塗工量に設定される。しか
して、図5で示すように、原紙ロールR1の原紙2が残
り少なくなると、これを検知したセンサー28が検知信
号を発し、この検知信号に基づいて作動制御装置11が
新原紙ロールR2を回転駆動させ、次いで新原紙ロール
R2の周速が原紙4の送り速度に同調したのち、作動制
御装置11の指令により押圧ロール9及びカッター10
が駆動して原紙4と新原紙ロールR2の原紙始端部との
紙継ぎが行われる。
【0025】この場合、第一及び第三実施例では、いず
れも作動制御装置11に組み込まれたタイマーの設定に
基づき、該紙継ぎより僅かに(1秒程度)速い段階から
自動開閉弁V1が閉止状態、自動開閉弁V2,V3が開
放状態に切り換えられ、ポンプPを介して送られる塗料
5がバイパス管路L1を通して塗料タンクTに還流し、
コーターヘッド3の塗料吐出口4からの塗料5の吐出が
停止すると共に、水噴出口9より水10が噴き出して原
紙2に含浸される。
【0026】第二実施例では、同様にタイマーの設定に
基づき、紙継ぎより僅かに速い段階から自動開閉弁V2
が開放状態に切り換えられ、同時に該作動制御装置11
からの指令によりコーターヘッド3たるファウンテン1
2が後方へ傾転作動すると共にポンプPの駆動出力が低
下する。これにより、ファウンテン12は図4の仮想線
で示す塗工姿勢から同図実線の被塗工姿勢に転換し、バ
ッキングロール1に対向する位置にきた水噴出口9より
噴き出す水10が原紙2に含浸されるが、塗料吐出口4
から塗料5は勢いを弱めてバッキングロール1から外れ
る向きに吐出するために原紙2には被着しない。
【0027】上述の塗工停止状態は前記タイマーの設定
によって10数秒程度維持され、この間に原紙2の継ぎ
目を含む部分がコーターヘッド3の位置を通過し、塗料
5が塗被されていない状態で塗工ブレード6と摺接す
る。しかるに、この未塗被の原紙4が水を含浸した湿潤
状態となっており、乾燥状態で摺接する場合に比較して
滑りがよく低摩擦であり、しかも水による冷却効果が加
わるため、該摺接による塗工ブレード6の温度上昇が抑
制される。なお、第三実施例では、水噴出口9より噴き
出す水10が塗工ブレード6にも直接に当たるから、冷
却効果はより大きくなる。
【0028】かくして原紙2の継ぎ目を含む部分が塗工
部を通過したのち、制御装置11からの指令により、第
一及び第三実施例では、自動開閉弁V1を開放状態、自
動開閉弁V3を閉止状態に切り換え、塗料吐出口4から
の塗料5の吐出を再開し、これより若干遅れて自動開閉
弁V2も閉止状態に切り換え、水噴出口9からの水10
の噴き出しを停止して元の塗工状態とする。また第二実
施例では、ポンプPの駆動出力を上げて塗料5の吐出量
を増加させつつ、ファウンテン12を元の塗工姿勢に復
帰させ、塗工姿勢になった時点で自動開閉弁V2を閉止
状態に切り換え、同様に水10の噴き出しを停止して元
の塗工状態とする。この枠替後の塗工においては、ブレ
−ド6が変形を生じることなく枠替前と同様の良好な調
整状態を保持しているため、枠替前と変わらぬ良好な塗
工品質が得られる。
【0029】なお、両面塗工や重ね塗りのために原紙走
行経路に複数のコーターが設置されている場合は、上述
した枠替時の動作を所要のタイムラグを置いて順次に後
段のコーターで行うように設定すればよい。また第二実
施例の如く枠替時にファウンテン12を非塗工姿勢に変
位させる構成では、その非塗工姿勢における塗工部の配
置関係によっては塗料5を塗工時と同じ吐出量に保持す
ることも可能であり、逆に第一及び第三実施例のように
枠替時に吐出を停止させてもよい。
【0030】本発明においては、コーターヘッド3の細
部構造、該コーターヘッドへの塗料5及び水10の供給
路構成、自動紙継ぎ機構の紙継ぎ方式、作動制御手段に
よる各部の動作タイミング等、細部構成については実施
例以外に種々設計変更可能である。例えば、水噴出口9
は、例示したようなスリット状とする以外に紙幅方向に
沿って所定間隔置きに配置した複数の噴出孔にて構成し
てもよく、また塗料吐出口4と共用することも可能であ
る。この共用の場合、コーターヘッド3内の塗料室14
より塗料吐出口4へ向かう塗料通路にシャワー水室15
からの水通路を合流させる構成、あるいは塗料室14に
給水路を接続して塗料と水の導入切り換えを行う構成を
採用すればよい。また前記各実施例ではシャワー水室1
5をコーターヘッド3内に設けているが、該シャワー水
室15をパイプ等で構成してコーターヘッド3の外側に
付設することも可能である。
【0031】
【発明の効果】請求項1及び請求項2の発明によれば、
原紙の走行状態での紙継ぎ機構を備えたブレードコータ
ーにおいて、枠替時にコーターヘッドでの塗料の塗被を
停止している間に原紙の継ぎ目を含む部分が塗工位置を
通過し、この通過部分が塗料の未塗被状態となるため、
従来のように紙継ぎ部分の過剰塗料が以降の走行行程で
各種ロールシリンダーやドライヤーロールに付着した
り、この付着した塗料が紙の塗被面に再付着して品質を
低下させたりすることがなく、しかも上記の未塗被状態
の原紙に水が含浸され、この水による冷却作用及び潤滑
作用によって該原紙と摺接する塗工ブレードの摩擦熱に
よる軟化変形が防止され、もって該塗工ブレードを長期
にわたって良好な状態で使用でき、安定した高品質の塗
工紙を製造できる。
【0032】請求項3の発明によれば、ファウンテンブ
レ−ドコーターにおいて、原紙の紙継ぎ部分の過剰塗料
による汚れや品質低下を回避できると共に、枠替時の塗
工ブレードの摩擦熱による軟化変形を確実に防止できる
という利点がある。
【0033】請求項4の発明によれば、ファウンテンブ
レ−ドコーターにおいて、枠替時にファウンテンからの
塗料吐出を停止させることなく原紙の紙継ぎ部分への塗
料の付着を確実に防止できるため、その付着塗料による
汚れや品質低下を回避できると共に、枠替時の塗工状態
から塗工停止状態の切り換えと枠替後の塗工状態への復
帰を迅速に行え、それだけ紙継ぎ部を含む非塗工部分の
長さが短くなり、製品の歩留りが向上するという利点が
ある。
【0034】請求項5の発明によれば、ショートドウェ
ルコーターにおいて、原紙の紙継ぎ部分の過剰塗料によ
る汚れや品質低下を回避できると共に、枠替時の塗工ブ
レードの摩擦熱による軟化変形を確実に防止できるとい
う利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用するブレードコーターの概略構
成図。
【図2】 本発明の第一実施例に係るファウンテンブレ
ードコーターの要部の縦断側面図。
【図3】 同第二実施例に係るファウンテンブレードコ
ーターの要部の縦断側面図。
【図4】 同第三実施例に係るショートドウェルコータ
ーの要部の縦断側面図。
【図5】 本発明に係るブレ−ドコーターの塗工装置全
体の概略構成図。
【符号の説明】
1 バッキングロール 2 原紙 3 コーターヘッド 4 塗料吐出口 5 塗料 6 塗工ブレード 9 水噴出口 10 水 11 作動制御装置(作動制御手段) 12 ファウンテン 13 ショートドウェルアプリケーター 14 塗料室 15 シャワー水室 A 自動紙継ぎ機構 R1 旧原紙ロール R2 新原紙ロール
【手続補正書】
【提出日】平成5年3月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】通常の塗工中においては、自動開閉弁V1
が開放状態、自動開閉弁V2,V3が閉止状態に設定さ
れ、バッキングロール1を介して連続走行する原紙2の
表面にコーターヘッド3より塗料5が塗被され、次いで
塗工ブレ−ド6により所定の塗工量に設定される。しか
して、図5で示すように、原紙ロールR1の原紙2が残
り少なくなると、これを検知したセンサー28が検知信
号を発し、この検知信号に基づいて作動制御装置11が
新原紙ロールR2を回転駆動させ、次いで新原紙ロール
R2の周速が原紙の送り速度に同調したのち、作動制
御装置11の指令により押圧ロール及びカッター
駆動して原紙と新原紙ロールR2の原紙始端部との紙
継ぎが行われる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 23/34

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バッキングロールを介して連続走行する
    原紙の表面に、該バッキングロールに対向配置したコー
    ターヘッドの紙幅方向に沿うスリット状の塗料吐出口よ
    り塗料を塗被し、次いで塗工ブレードによって所要の塗
    工量に設定するブレ−ドコーターにおいて、塗工中の旧
    原紙ロールの原紙と新原紙ロールの原紙始端部とを走行
    状態で紙継ぎし、この紙継ぎ部が塗工位置を通過する際
    の一定時間だけ前記塗料吐出口からの塗料の塗被を停止
    すると共に、この塗被停止中に前記コーターヘッドに設
    けた水噴出口より原紙の表面に水を吹き付けることを特
    徴とするブレ−ドコーターの塗工方法。
  2. 【請求項2】 連続走行する原紙を巻き掛けて回転する
    バッキングロールと、紙幅方向に沿うスリット状の塗料
    吐出口より塗料を吐出して前記原紙の表面に塗被するコ
    ーターヘッドと、該コーターヘッドにて塗被した塗料を
    所要の塗工量に設定する塗工ブレードと、塗工中の旧原
    紙ロールの原紙に新原紙ロールの原紙始端部を走行状態
    で紙継ぎする自動紙継ぎ機構とを備え、前記コーターヘ
    ッドに原紙表面へ水を吹き付ける水噴出口が設けられ、
    前記紙継ぎにおいて紙継ぎ部が塗工位置を通過する際の
    一定時間だけコーターヘッドによる塗料の塗被を停止さ
    せると共に前記水噴出口からの水噴射を行わせる作動制
    御手段を具備してなるブレ−ドコーターの塗工装置。
  3. 【請求項3】 コーターヘッドが塗料吐出口及び水噴出
    口を備えたファウンテンである請求項2に記載のブレ−
    ドコーターの塗工装置。
  4. 【請求項4】 ファウンテンが塗料吐出口の塗料吐出方
    向をバッキングロールに向ける塗工姿勢と該バッキング
    ロールから外れた方向に向ける非塗工姿勢とに変位可能
    であり、その非塗工姿勢において水噴出口の噴射方向が
    バッキングロールに向くように設定されてなる請求項3
    に記載のブレ−ドコーターの塗工装置。
  5. 【請求項5】 コーターヘッドが塗料吐出口を備えると
    共に該吐出口の縁部に塗工ブレードを有するショートド
    ウェルアプリケーターである請求項2に記載のブレ−ド
    コーターの塗工装置。
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Cited By (4)

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JP2004511671A (ja) * 2000-10-13 2004-04-15 メッツォ ペーパー インコーポレイテッド 被覆方法および被覆装置
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